« イギリスGP後始末:きな臭さが漂ってきました | トップページ | マンツィのブレーキレバーをストレートで握ったフェナティの公式コメント »

MotoGPライダーがヴァチカンで教皇に謁見

ヨハネ・パウロ2世を超えて(無神論者の)私の中で歴代ナンバー1の話がわかる人、フランシスコ教皇にMotoGPライダーが謁見しました。児童虐待問題はあるけど彼には頑張ってほしいですね、ってのはさておき、MotoGP公式より。
============
サンマリノGPに先だって、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)、ダニ・ペドロサ(同じくレプソル・ホンダ)、アンドレア・イアンノーネ(スズキ・エクスター)、ダニオ・ペトルッチ(アルマ・プラマック)、ジャック・ミラー(同じくアルマ・プラマック)がドルナCEOカルメロ・エスペレータと共ににローマに赴きヴァチカンで実に特別なイベントに参加した。フランシス教皇と私的に謁見したのである。

今回はイタリアオリンピック協会及びイタリア・モーターサイクル連盟の協力で水曜午前に実現することになった。イタリアオリンピック協会のジョヴァンニ・マラーゴが短い挨拶を終えると教皇が様々な観点からスポーツというものの重要性について語った。

「スポーツを通じてルールを尊重することを学ぶのです。そういう意味で、スポーツというのは実に大事なものなのです。特に若い皆さんにとってね。こう言い替えてもいいでしょう。スポーツというのは何物にも代えがたいのです。スポーツによって自分自身を、そして自己中心主義的気持ちを乗り越えることができるのです。魂を鍛え、そして人と人との繋がりや友情やルールを大事にする気持ちを強固にするのです」

個人個人がスポーツから何を学ぶかという話に加えて、教皇はスポーツが国境を越えて人々を一つにする力を持つのだと語った。

「スポーツというのは世界中で通じる言葉なのです。人々を縛り付けているもの、言葉や人種や宗教や思想や、そういうものを超えて通じる言葉なのです。アマチュアスポーツの方がそういうことがはっきり見えますね。みなさんの心が伝わってくる。スポーツにはスポーツにしかない人々を一つにする力があるのです。対話を促しお互いを受け入れるようになる。みなさんにはスポーツのもつこうした力を伝える人になってほしいのです。そうやって誰もが等しく扱われ、そして支え合う社会を創り出す手助けができるのです」

これに加えて教皇からは参加者に導きの言葉が贈られた。ジョヴァンニ・マラーゴがスポーツにおいてだけでなく人生においてもチャンピオンになることの大切さについて語った言葉に対する教皇の考えである。

「情熱に身を任せるのです。一人ひとりの、そして多くの人々の情熱こそがこの世界に必要なものなのです。情熱を持って生きるのです。人生を重荷に感じてい人のように生きてはなりません。情熱があなたを導くのです。(中略)「人生のチャンピオン」。そうです。スポーツで成功してチャンピオンになることもできる。それがチームとしてであれ、なんであれ。しかし人生のチャンピオンというのは情熱を持って精一杯生きる人のことなのです」

以下は教皇に謁見したライダーたちの感想である。

マルク・マルケス:とても心に残る体験でした。いつもと違うスーツでしたし!もし可能であれば人生、一度はお会いしたい方です。お話しできてたいへん良かったです。ただお会いするだけじゃなくて話までできたんですから。ここに来られて本当に嬉しいです。教皇様がおっしゃったことはとても大事なことでした。理解も深まったしモチベーションも上がった。教皇様は人生を全うするには情熱が必要で、その情熱を失わなければ偉大なことができると言ってくださったんです。

ダニ・ペドロサ:教皇様にお会いして、しかも言葉を交わすというのは本当に他では得がたい体験でした。僕にとっても他のライダーにとってもですね。僕らがやってるのは過激なスポーツで、危険も大きい。だからこそ良い気持ちでいることが大事なんです。今回教皇様にお会いできたのは本当に特別なことだし、ここに来られて本当に良かったです。

アンドレア・イアンノーネ:僕らみんなにとって信じられない1日になりましたよ。ここに来て教皇様にお会いするのは初めてのことで、信じられないくらい嬉しいです。こんな体験ができるなんて本当に僕は幸せ者ですよ…。今日からはもっと運に恵まれるといいですね!冗談はさておき、本当にいい経験をさせてもらいました。MotoGPに感謝します。一生このことは忘れません。本当にすごい体験でした。

ダニオ・ペトルッチ:ローマに住んでるんでヴァチカンには良く来てるんですけど、教皇様にお目見えすることはなかったんです。本当に感動的でした。偉大な方だし、すごく優しい言葉をかけてくださった。とても現実とは思えなかったです。わざわざ僕らのために情熱と、そしてスポーツでチャンピオンになる前に人生のチャンピオンになることについて語ってくださった。このことは決して忘れません。普通に生きてたら教皇様にお目にかかるなんてあり得ないんです。ヴァチカンに来られたのも本当に良かったです。本当に特別なことだし、日曜のミザノに向けて力になります!

ジャック・ミラー:今日みたいなことは人生に一度きりですね。初めてヴァチカンを訪れて、そして教皇様にお目に掛かるなんて、将来自分の子供に自慢しちゃいますね。ツアーも凄く楽しかった。人生にただ一度、そして現実とは思えないような出来事でした。教皇様と言葉を交わすのは素晴らしいことだったし、それにかなり笑えたんですよ。教皇様が、ヘルメットを被ろうかとか言い出すんですよ。ヘルメットを被ってクルーズする教皇様を想像して笑いそうになっちゃいました。今年の初めにはタイの首相と面会してるし、それだけでも凄いのに、今度は教皇様ですよ…、なんだかオーストラリアの外交官になったみたいな気分ですね。オーストラリアに帰ってキャンベラ(首都)に行って、政府の人と話し合わなきゃ!
============
謁見に向かう皆さんの様子はこちら。


ペトルッチの舞い上がりっぷりがかわいいです。

|

« イギリスGP後始末:きな臭さが漂ってきました | トップページ | マンツィのブレーキレバーをストレートで握ったフェナティの公式コメント »

コメント

例えばイアンノーネはセッションに挑む時、必ずピットロードでステップに立ち十字を切りますもんね。
私も無神論者に近いですが、このような姿勢は決して否定してはいけないと思ってます。
みんなペトルッチの言うとおりレースへ向けて励みになったでしょうね!

投稿: motobeatle | 2018/09/06 21:19

>motobeatleさん
 ノーネ、結構信心深い気がします!

投稿: とみなが | 2018/09/10 21:39

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: MotoGPライダーがヴァチカンで教皇に謁見:

« イギリスGP後始末:きな臭さが漂ってきました | トップページ | マンツィのブレーキレバーをストレートで握ったフェナティの公式コメント »