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2018アルゼンチンMotoGP日曜まとめパート3:マルケスvsロッシ、マルケスvsルール

さて、パート1、2に続いていよいよ本丸のマルケス問題です。MotoMatters.comによる渾身の6200ワード
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金曜の段階では、アルゼンチンのテルマス・デ・リオ・オンド・サーキットにおけるホンダの強さが際立っていた。ダニ・ペドロサがFP1を制し、その直後にカル・クラッチローが続く。FP2ではマルク・マルケスがクラッチローを大きく引き離し、他のライダーを遙か後方に置き去りにした。

土曜日、予選では失敗したとは言え、マルク・マルケスは無敵に見えた。FP3ではヨハン・ザルコを0.6秒上回る。FP4ではチームメイトのペドロサに1秒以上という相手が恥じ入らんばかりの差をつけた。土曜の夜の時点で考えられる何かとんでもないことといったら、マルケスが勝利を逃すことくらいしか考えられない状態だった。

そしてそれこそがマルケスがやらかしたことである。スタートシグナルが消灯する前にそれは運命づけられていた。ルール無視とパニックのせいで、マシンをリスタートさせ再びグリッドについた瞬間、彼は自ら勝利の可能性を手放したのである。そこから先の彼は間違いを積み重ね、状況はますます悪くなっていく。日曜のレースが終わりを迎える頃にはもうアルゼンチンでポイントを得ることは絶望的になっていた。彼は結局アンドレア・ドヴィツィオーゾに15ポイントの差をつけられる結果となっている。さらに彼は広報でも大失敗を犯したのである。とは言えそれもまた彼自身の責任である。

無知は言い訳にならない

とは言えまず最初はルールを無視することから始まっている。ウォームアップを終えた彼がグリッドに戻って自分のポジションに収まったとき、ホンダRC213Vのエンジンがストールした。彼が直後にした行為は正解である。右手を挙げたのだ。彼が手を挙げていたのは1秒強(複数の視点から測った平均は1.26秒)。その後、彼はマシンから飛び降りて押し掛けをする。その行為が端緒となって誰にも止められない流れが起こり、その後の激しい論争につながっていくのである。

マルケスが最初に犯した違反はエンストした際にマシンから降りたことである。FIMのルールブック(リンク先はPDF)には明確に書いてある。1.18.13項の以下の文面である。

「グリッド上でエンストした場合、またはその他の問題が発生した場合、ライダーはマシンにまたがったまま手を挙げること。それ以外の方法でスタートを遅らせることは禁止する」

マルケスは、まず手を挙げたところまでは間違っていなかった。しかしマシンから降りて押し掛けを試みたところでルール違反となる。それが彼に科せられたライドスルーペナルティの理由だろう。それに加えて今度はマシンの向きを変えてマシンにまたがりグリッドを逆走して自分のスターティングポジション戻るいうルール違反を積み重ねたのだ。これは1.21.11項に書かれているルールを破ったことになる。FIMの審査委員会が少しは大目に見ようと思っていたとしても、これではどうにもならないだろう。

あちこちで大混乱

マルケスの行為はグリッドにも混乱を広げることになった。「僕がグリッドに戻ったときにエンジンが止まっちゃったんです。普通はそんなことは起こらないんですが」と彼はレース後の囲み取材で語っている。「そういう場合は手を挙げるんですけど誰も気付いてくれなかった。それで押し掛けすることにしたんです。ありがたいことにエンジンが掛かって、でもそこで自分がどうすればいいのかわからなかった。エンジンが止まったら自分も止まるってのは知ってましたけど、エンジンは掛かってましたから」

実はマルケスはルールを間違って解釈していたのである。マルケスはこう言っている。「エンジンが止まったら自分も止まるってのは知ってましたけど」。しかしこれはウォームアップに入る場合の話だ。既に引用したとおり、ルールではスタート前にグリッドでマシンをエンストさせたライダーは手を挙げてそのまま助けを待つことになっているのだ。

MotoGPライダーがルールを理解していないというのはどういうことだろう?もしサッカー選手がオフサイドについてわかっていなかったり、野球選手がフライを打ち上げたときに何をすべきかわかっていなかったりしたらびっくりするだろう。しかしマルケスはグリッドでの正しいやり方をわかっていなかった。マルク・マルケスだけが責められるべきライダーというわけではない。ルールを破ったのは彼だけではないのだ。他のライダーも(そしてチームも)ルール違反を咎められている。とは言え他のライダーがやっているからと言って、自分の無知が正当化されるわけではないのだ。

もちろんMotoGPのルールブックのカバーする範囲は幅広く、そして大部なのは間違いない。336ページにもわたるのだ(カタールのレース時点の話である)。だがライダーがルールブックの全てを知っておくべきだというわけではないという点が肝である。別にブレーキディスクのセラミック含有率を規定した2.4.4.3.3なんぞ、知らなくても構わないのだ。そもそも覚えておくべき項目はそれほど多くはないし簡単なことばかりである。スタート関連では12ページばかりに過ぎない。しかもライダーに関連するのはその内の1/3程度なのだ。4ページ分は旗の種類とライトの種類に費やされている。3ページ半はコース内外でのふるまいについてだ。残りの部分はチームやメーカーやオーガナイザーが知っていれば充分なのだ。

率先垂範

スタート時の混乱についてはオーガナイザーに責がある。少なくともスタートを管理していたスタッフの責任だと言えよう。ルールブックにはオフィシャルは各列のピットウォール側に立って、ライダーが一についてスタート準備ができたらスターターにわかるよう自分が保つボードを下げることになっている。マルケスの列にいたオフィシャルは彼がマシンから降りて押し始めた時にボードを下げている。マルケスの予想外の動きに混乱したのかルールをちゃんと理解していなかったのは定かではないが、これが混乱に拍車をかけることになる。

二人のIRTAのオフィシャルが状況をなんとかしようとグリッドに飛び出してきた。どう考えても恐ろしい状況だ。わずか157kgの車体に270馬力以上のエンジンを積んだマシンにまたがり、ライダーは気持ちを最高レベルに高めているのだ。人差し指は発疹にかかった後一ヶ月の赤ん坊のごとくむずむずしている。そんな真っ只中にトニー・コングラムは飛び込んで、マルク・マルケスをピットレーンに導こうとする。ダニー・アルドリッジは何が起こっているのか確認するためにホームストレートに出る。アルドリッジはコングラムを振り返り、そこで彼がマルケスを誘導しているのを見る。そしてスターターのグラハム・ウェバーにマルケスはエンジンが掛かっていると知らせるために親指を立てる。

マルケスはこれを自分が間違っていないと教えてくれたものと解釈した。「マーシャルがやってきたんで聞いたんですよ。レースディレクションの人でしたからね」とマルケスは言っている。「彼を見てピットレーンかグリッドか尋ねたんです。その時点では彼は何が起こっているのかわかっていなくて、だから別の人の方を見たんです。最初のマーシャルは僕のマシンに手を置いただけだったんですけど、もう一人はこんな風に親指を挙げた。そうして彼らがいなくなったんでグリッドに戻らなきゃいけないんだなって思ったんです」

マルケスは間違って理解していたのだ。しかしIRTAも彼の勘違いを正すほどの人員をグリッドに配置していなかったのである。この時点ですべきはスタート手続きを一旦中止してマルケスをピットレーンからスタートさせることだった。なぜレースディレクションはそうしなかったのは謎のままだ。レースディレクターであるマイク・ウェッブへのレース後インタビューをドルナの幹部が止めたのだ。中にはウェブへのインタビューの録音を消去させられたジャーナリストもいるほどだ。マルケスをピットに行かせなかった理由として最もありそうなのは、ただでさえ混乱していた状況がさらにひどいことになっているのがテレビ放映されるのがいやだったということだろう。そんなわけで当初のグリッドのままレースはスタートすることになった。

衝撃と感嘆

振り返ってみれば、そのままレースをスタートし、後にレースを遅らせたことというかグリッドでのルール無視を理由にマルケスにライドスルーペナルティを与えたのだが、彼をピットスタートさせても結果は同じだったろう。どちらにせよマルク・マルケスはグリッドに並ぶほとんどのライダーから大きく遅れることになったのだ。それは彼にパニックをもたらし、同時に前に出ようと気持ちが盛り上がることになる。そしてコース上のすべてのライダーをぶち抜くペースで彼は走り始める。

この話の結末がどうなるか、以前も見たことがある。2012年、当時Moto2のマルケスはもてぎのスターティンググリッドでギア抜けに見舞われた。彼がスタートラインを通り過ぎたのは28番手あたり。しかし1周目の終わりには彼は9位に躍り出る。10周目にはトップに立ち、そのまま優勝している。3戦後のヴァレンシアでは彼はグリッド最後尾のスタートとなる。プラクティスでシモーネ・コルシを転倒させたことに対するペナルティだ。冷えてぬれた路面の上の細い乾いたラインに乗って、彼は前に出て行く。1周目の終わりには11位、そして最終的に優勝するのだ。

アルゼンチンのマルケスも同じことをやってのけた。しかし今回は以前より攻撃的だった。あきれるほどの速さだ。彼はどこのグリップが低くて、どこでグリップが変化するのかといった路面コンディションを完璧に把握していた。後先を考えず破滅と紙一重の綱渡りで周回を重ねていく。しかし決して一線を踏み越えることはない。ほとんどのライダーより1秒以上速く、中には3~4秒もの差をつけたライダーもある。

ライドスルーペナルティと他のライダーに前をふさがれた数周を除いてみると彼がいかにレースを支配していたかが明確になる。24周のレースのラップの内、速い方から20周分取り出してみると、彼は優勝したカル・クラッチローより6.252秒速いのだ。2位のヨハン・ザルコとは7.455秒、3位のアレックス・リンスには9.179秒の差だ。そして彼はタイトル争いをするライバルたちとも完全に違うクラスを走っていたのである。マーヴェリック・ヴィニャーレスには13.959秒差、ヴァレンティーノ・ロッシには23.219秒差、アンドレア・ドヴィツィオーゾとは25.311秒差とつけているのだ。

そこまでやる必要があるのか

彼がそこまでアグレッシブで忍耐強さの欠片も無い抜き方をした理由は謎である。彼は誰と比べても圧倒的に速かったのだから時間をかけて好きなところで安全に抜くことができたはずだ。それでもトップ6には入れただろう。しかし彼は乱暴にライバルを屠っていった。それはとてもパッシングと言えるようなものではない。彼は13周目にアプリリアのアレイシ・エスパルガロのインに強引に割って入り、ブラッドリー・スミスとティト・ラバトをそっと抜いた次はいよいよ13コーナーでのヴァレンティーノ・ロッシである。マルケスはロッシのインに飛び込む。ロッシは自分がマシンを向かわせていた先に突然ホンダがいるのに気付く。そして二台は接触する。そこでマルケスはロッシの進路を妨害しながらアウトに押しだしてしまう。ロッシが行く先は濡れた芝生だ。そして彼は転倒する。
せれほどまでに性急に、そして忍耐を忘れた結果、彼は何を得たのだろうか?最初に得たのは30秒のペナルティである。そのせいで5位でフィニッシュした彼のリザルトは18位、すなわちノーポイントとなった。そして手の付けられない暴れん坊という彼の評判がさらに確固たるものとなった。加えて、去年1年間、そしてプレシーズンも含めた彼の努力と、そこでみせた忍耐強さと献身、そしてなにより彼を再びチャンピオンの座に押し上げた成熟、そうしたすべてが無に帰してしまった。終わってみれば彼はアンドレア・ドヴィツィオーゾに15ポイント差をつけられ、これからはメディアに厳しい質問を投げかけられ、ファンからはブーイングを野次を受け、そして我々が「黄色い人々」(訳注:ロッシのファンクラブ)と呼ぶ一団からはもっとひどい仕打ちを受けることになるだろう。

今シーズン、そうしたことで気を散らされることになるだろう。そして現代のMotoGPにおいて集中力を保てないライダーは生き残ることができないのだ。アンドレア・ドヴィツィオーゾを見ればそれは明らかだ。彼が2番手集団から誰もが認めるチャンピオン候補になったのは生活に関する些事に拘泥すること無く大事を見据えるようになったおかげである。レースのたびにヴァレンティーノ・ロッシとの関係について尋ねられるマルケスがそうしたわずらわしさから逃れることは難しいだろう。
大惨事に終わった広報
広報という観点からも何一つうまくいっていない。レース後の囲み取材(稼ぎどころを見逃すことはないドルナが運営するMotoGP公式サイトで生中継された)でマルケスは自分の問題について語ってはいるが、同時に責任転嫁もしている。「今日、僕がミスをしたのはその通りです。いくつかは自分でもわかってましたし、でもいくつかはレースディレクションの問題ですよね。いくつかは僕のせいです。それはわかってるし、これからそういうことをしないようにしたい。でも今日はうまくやれたと思ってます。凄くいいレースができましたから。ペースも良かったですからね」

「今回のレースで一番大きなミスはアレイシの件ですね」とマルケスは語っている。彼は8周目にアレイシ・エスパルガロの後ろから彼をアウトにはじき飛ばしている。問題は彼がエスパルガロより遥かに速かったせいで両者のスピード差を測るのが難しかったと言う点だというのがマルケスの主張だ。「4秒速いタイムで彼に追いついちゃったんですけど、それをわかっていなかった。相手より4秒速いってかなり難しい状況なんです。でもそれに僕は気付いていなかった。接触を避けるためにできる限りのことをして、謝って、だからペナルティも当然です。それはわかってる。、ポジションを一つどころか二つ下げたんです。どこまで下がればいいかわからなかったんで。安全のために二つ下げたんです。そこからまた攻め始めました」

しかしマルケスはヴァレンティーノ・ロッシとの接触については何も悪いことはしていない、あれはレーシングアクシデントだと言っている。きれいにパスしようとしていたのだがウェットパッチにのってロッシと接触してアウトに追いやってしまったのだというのが彼の主張だ。「別に何か気狂いじみたことはしてないですよ」と彼は言う。「コースコンディションのことを考えてみて下さい。もちろんあのラインは乾いていた。でもウェットパッチに入っちゃってフロントがロックして、それでブレーキをリリースしたんです。ええ、接触はしましたよ。曲げようとして、その後彼がクラッシュしたのが目に入ったんです。それでごめんって言ったんです」。マルケスの考えでは路面コンディションも自分自身と同じくらい責めを負うべきだということである。「ザルコとダニとペトルッチとアレイシのことも見てみれば、今日がどれほど難しい状況だったかわかってもらえると思います。でもそういうことじゃないんです。僕は全力で走ってた。そしてこの日曜はすごくトリッキーなコンディションだったということです」

冷えきった状態で召し上がれ

ヴァレンティーノ・ロッシの見方はそれとは異なっている。当たり前だ。今回のマルケスとのアクシデントをきっかけに2015年のセパンにまで遡る遺恨が再び沸騰を始めたのである。ロッシはマルケスを容赦なく批判するこの機会を逃さなかった。「これはひどく悪い状況ですよ」とロッシは怒りながら語る。「彼は僕らのスポーツを破壊したんです。ライバルのことを微塵も尊重してないってのはそういうことでしょ。彼は今までだってずっとそうだった」

今回のアクシデントはマルケスがこれまですべてのレースウィークのたびに積み重ねてきた罪のひとつに過ぎないというのがロッシの考えだ。「今週起こったことを一つ一つ数え上げてみましょうか。これは良くあることではある。誰にだって起こりえる。ブレーキングでミスをしたり、誰かに接触したり、そういうことはあるんです。それがレースってものですからね。でも金曜の朝、彼はヴィニャーレスとドヴィツィオーゾに対してやらかした。土曜の午前中には僕に対してもやらかしてる。そして今日です。レースで彼は4人のライダーに真っ直ぐ突っ込んでる」

ロッシがマルケスに対して行っている非難の内、最も激烈なのは、彼がわざと他のライダーを狙っているというものだ。「彼はわざとやってるんです。あれはミスなんかじゃ無い。だって僕の脚とマシンの間を狙ってきたんですよ。彼は自分がクラッシュしないことをわかっていた。そしてこっちがクラッシュすることもね。彼はこっちがクラッシュするといいと思ってるんです。こんな風にやるってのはもう危険な領域に踏み込んでるってことなんです。ライダーがみんなこんなことをするようになって、相手のことを気に掛けないようになったらとんでもなく危険なスポーツになっちゃうし、悲惨な結末を迎えることになりますよ」

マルケスはこの非難を言下に否定している。「そんなことを言われるのは当たり前ですけどすごく残念です。僕はこれまでのキャリアで絶対、ほんとうに絶対誰かを転ばせようとして突っ込んでいったことなんてない。いつだって避けようとしてるんです。もちろんぎりぎりの時もあるし、かなりの余裕をもって抜くこともある。今日ヴァレンティーノとの間に起こったのはミスなんです。コースコンディションのせいなんです。それでフロントがロックしてしまった、でも僕がキャリアを通してやってきたって彼が言ってるのは誤りです」

ナイフでえぐる

ロッシの非難はそれだけに留まらない。レースディレクションの介入を求めているのだ。「もう危険な状況になってるんです。もう責任者のマイク・ウェッブには伝えてますけど、彼らが何とかすべきなんです。もうマルケスが二度とこんなことをしないようにね。今年、カタールの1コーナーで彼はザルコの脚に接触して、ドヴィツィオーゾにも突っ込んでいってる。彼はヴィニャーレスにもやらかして、今日は僕です。彼はこっちより20kmも速くコーナーに突っ込んでいってるんだから曲がれるわけがないんです。彼が僕の脚とマシンの間をわざと狙ってきたのは僕をクラッシュさせたかったんですよ。彼はそういう男なんです。過去50戦、ずっとそうだった。でも今年の彼は今までよりひどい。彼はいつも相手をびびらせようとしている。そしてこっちをコースからはじき出そうとする。危ないにもほどがあります」

彼はもうマルケスと一緒に走るのが恐ろしいとまでいっている。「マルケスが近くにいるときは本当に怖い思いをしてるんです。今日もピットボードに彼の名前が表示されたときにはびびりましたよ。だって彼がこっちに向かってるんですからね。もう思い知りましたよ」。誰もがそんな乗り方をするようになったら「ディストラクション・ダービー」(車を相手にぶつける系テレビゲーム)になってしまうだろうとロッシは言う。

マルケスはレースというものを壊してしまったとロッシは嘆く。「それに彼が近くにいると全然楽しくない。彼とのバトルに楽しさなんてないんです。だって彼はやってもいいことを増やしちゃったんです。彼はクリーンに戦わない。あれはアグレッシブなんてもんじゃない。汚い走りなんですよ」

別の見解

ロッシの嘆きは正当なものだろうか?アルゼンチンでのマルケスの走りは無謀なものだったのは間違いないし、彼がロッシをコースアウトさせたのも議論の余地は無い。しかしマルケスが故意にやっているという非難は言い過ぎだ。マルケスが他のライダーよりリスクをとるのである。それも間違いないことだ。その根拠としては、2017年には18戦で27回の転倒を喫しているということだけで充分だろう。マルケスがわかっていないのは彼がリスクをとったせいで一緒に走っている他のライダーに影響を及ぼすことがあるということだ。

もちろんロッシがマルケスを非難するのには充分な理由がある。そして彼はその機会を捉えて離さなかったということだ。彼の非難は言い過ぎだし、行けることまで行ってやろうと思っているのだろう。マルケスとアレイシ・エスパルガロの件についてロッシはエスパルガロとは全く異なる見解をもっている。「あれは危険ですよ」とロッシは言った。「時速200kmでアレイシ・エスパルガロに突っ込んでいってハンドルにでも接触したら彼は転倒ですよ。壁まで行ってしまう。なんでこんな風にレースをしなければならないんですか?」

エスパルガロはマルケスとの接触についても怒ってはいるが、しかし序盤のダニオ・ペトルッチとの接触の方が頭にきているようだ。「彼はものすごい勢いでぶつかってきましたよ。でもペトルッチも2コーナーで全く同じことをしてきたんです。同じって言うか、もっと強く当たってきた。だからIRTAの人にはわかってほしいんですけど、マルクだけがペナルティを科せられてペトルッチにお咎めなしってのはフェアじゃ無い」。彼はツイッターでペトルッチにペナルティが与えられないことに不満を表した上、次はペトルッチを擁護するプレスリリースを出したアルマ・プラマックチームにその矛先を向ける。そして別のツイッターユーザーがツイートした過去のペトルッチがらみのアクシデントをリツイートしまくったのだ。

自分の立場では語ることはないと最初はメディアに言っていたアンドレア・ドヴィツィオーゾも巻き込まれている。少々のユーモアと共にこれについて語ってくれた。「6度もタイトルを獲ったライダーに対して9度のタイトルを獲ったライダーみたいに変わらなきゃいけないなんてとても言えないですよ」とドヴィツィオーゾは重い口を開いた。「でも今日のマルクは間違っていた。彼はどんな状況でも余裕を持って対処できたのにいくつもミスを犯した。今日は彼の戦略が機能しませんでしたね」

威風堂々

ロッシが非難しマルケスが防戦している周りでも数々の小競り合いが行われていた。ヤマハとホンダはどちらもこの件と無縁ではいられず、リン・ジャーヴィスがレースディレクションにマルケスが二度とこうしたことをしないような方策を検討するよう要請すれば、アルベルト・プーチは今回のアクシデントは大したことでは無いと主張し、コース上のウェットパッチに原因があると言っている。ヤマハもホンダも今回のアクシデントについてレースディレクションと話をしており、それぞれの考えについて伝えている。

ヤマハのピットの外でもバトルが行われた。マルク・マルケスがヴァレンティーノロッシに謝罪するためにマネジャーのエミリオ・アルサモラとレプソル・ホンダのチームマネジャーであるアルベルト・プーチと一緒にヤマハのピットに向かった時のことだ。彼はロッシのアシスタントでSky VR46レーシングのマネジャーでもあるウーチョ・サルッキから追い払われたのだ。ロッシはマルケスと握手するつもりなどないと言われたのである。その場に出てきてマルケスを追い払ったのがヤマハチームのボスであるリン・ジャーヴィスではなくウーチョであったのも興味深い。

ロッシはマルケスが謝罪しようとしたことについても痛烈に批判している。「冗談としか思えないですね。一人で僕の所にくる肝っ玉も持ち合わせてない。いつもの通りホンダのマネジャーとやってきた。カメラも連れてね。それが大事だったんですよ。こっちのことなんか考えてない。僕は彼とは話したくなかったし、近くにいるのも見たくなかった。彼が僕に何か言ってもとても信じられないですよ」。そう言ってロッシはこの一連のマルケスの行為を人気取りのための広報だと決めつけたのだ。

その場にいた一人がロッシ自身も2011年のヘレスでケイシー・ストーナーをはじき飛ばした後にドゥカティのマネジャーを2人ではなく3人も連れてレプソル・ホンダのガレージに行った際に同じように恥ずかしい羽目に陥ったことを指摘すると、ロッシはそうしたこともあったと認めつつこう言っている。「でもそんなことは一回しかなかった。もうそれ以来そんなことはやってないですから」

このことから明らかなのは2015年に始まった彼らの仲違いは決して終わることがないだろうということだ。マルケスとロッシの間に存在しているかに見えた友情は見せかけに過ぎなかったのだ。そうロッシは言っている。「2015年以降、マルケスとの間に交流なんて無かったですから、別に何かが変わるってわけじゃないですね。チャオって言うだけなら楽ですし。もう時間を割くつもりはないですよ。彼が僕を尊重しないなら僕だって彼を尊重しない」。今回のアクシデントは過去の遺恨を再び表面に浮き上がらせただけだということなのだ。

立場をわきまえさせる

いかにもヴァレンティーノ・ロッシらしいやり方である。彼はいつでも自分の力や影響力、それに加えて頭の良さをコース外でも最大限に活用してきた。もしロッシが10回目のタイトルを狙っているなら(もちろん彼は今でもタイトルを狙えると思っているはずだ)、こうやってタイトル候補のライバルにプレッシャーをかけていくのはあらゆる意味で理にかなっている。2018年シーズン、これからずっとマルケスはあらゆるサーキットでブーイングにさらされるだろう。おそらく彼のホームレースであるバルセロナでも同じことになりそうだ。

次の2戦(オースチンはアルゼンチン後の最初のレースだし、ヘレスはスペインでの初レースとなればスペインとイタリアのメディアが大挙して押し寄せるせいで)アルゼンチンで何が起こったかについてマルケスは問いただされることになるはずだ。そしてこの件は今シーズンのマルケスが何かやらかすたびに何度も持ち出されることになるだろう。マルケスにとっては集中力の妨げになるだろうが、アンドレア・ドヴィツィオーゾが2017年に証明したとおり、こうした邪魔者をどれだけ遠ざけるかがレーサーにとっては非常に重要なのである。

マルケスについて語る必要がある

もちろん最大の問題はマルケスが繰り返し間違いを犯し続けているということである。彼の過激なスタイルもその一因だし、抜き方も許容範囲ぎりぎりだ。ブレーキングに自信を持っているが故に(今年になるまでそれがホンダRC213Vで唯一他より勝っていた部分であるのも理由のひとつだ)、相手を不安にさせたり、時にはその不安が的中したりといったことが起きる。

決勝日の晩、ワールドスーパーバイクの元チャンピオンでMotoGPレーサーでもあったベン・スピーズが、マルケスはブレーキングの判断に問題があるのではないかと声を上げている。「彼はミニバイクで友達とフラットトラックを走っているみたいな抜き方をする」と彼はツイートしている。「彼は人の後ろでブレーキングするときのブレーキングにも問題があるんだけど、とても理解できない」。スピーズはさらに詳しくこう説明している。「彼は自分のブレーキングスタイルのことを考慮に入れていないし、スリップストリームで吸い寄せられることも考えてない。驚くのは彼が相変わらず同じミスをしていることだ」。とは言えアルゼンチンでのマルケスの行為はいつもと違っているというのがスピーズの考えだ。「今日の彼は単に忍耐が欠けてただけだね」。

いつもの通りスピーズの指摘は的を射ている。マルク・マルケスはこの2年ほどでクリーンな走りをするようになっていた。しかしテルマス・デ・リオ・オンドでの彼は完全に我を忘れていた。彼はしゃにむに前に出ようとして他のライダーのことなど一顧だにしなかったのだ。マルケスはわざと前のライダーに当てて転ばせようとしたと言っているヴァレンティーノ・ロッシのように、彼の行為を意図的なものだと非難するのはやりすぎだ。しかしアルゼンチンのマルケスは誰が見ても無謀過ぎた。

何より問題なのは彼がそこまで無謀になる理由は全くなかったということである。毎回過剰なまでに慎重に抜いていったとしても6位か7位には楽々と入れるだけの速さがあったのだ。最悪の場合にはアンドレア・ドヴィツィオーゾにポイント差を広げられたかもしれないが、彼の苦闘っぷりを考えればそれはなかっただろう。「今日はリズムもスピードもなくて苦しかったですね」とドヴィツィオーゾは言っている。必要なのは自分を律してセルフコントロールを保つことだったのだ。しかしそのどちらも欠片すら見いだせなかった。

累犯者

どうしたらこの繰り返しを止められるのだろうか?危険なライディングに対して科せられた30秒のペナルティのせいでマルケスはノーポイントに終わったが、これで彼の振る舞いが変わることはなさそうだ。マルケスはレースの2日後にブラジルで行われたインタビューでそれを認めている。「僕は今のまま変わるつもりはありませんよ。いつだって集中してレースをしている。アルゼンチンのレースは周りのいろんな状況がつみかさなっった結果なんです」。彼はこれからも限界ぎりぎりで走るだろうが、しかしそれはルールの許す範囲内でのことだ。

アルゼンチンでのマルケスの行為は1レースの出場停止に値するというのが私の考えだ。スターティンググリッドで彼がいくつかのミスを犯したというだけではない。彼はそこで少なくとも3つのルールを破っており、その後も1.21.2項違反(悪名高い「ライダーは責任ある走りをしなければいけない」と書かれた、たいていの行為は罰することのできる項だ)を繰り返している。しかし最大の目的はマルケスに自らの行為についてきちんと考えさせるためである。

ホルヘ・ロレンソはかねてからマルケスにやり方を変えさせるには出場停止しかないと言っている。ロレンソはかつての自分がアレックス・デ・アンジェリスとの度重なる接触を咎められて2005年に1レースの出場停止処分を科せられた経験に基づいて主張しているのだ。家でレースを観なければならなかったことで、何が問題とされていたのかに気付いたとロレンソは言っている。彼はマルケスも同じように自分を見つめ直す必要があると考えているのだ。私もその考えに傾きつつある。今となってはそれが最も良い解決方法だろう。

出場停止を科せばマルケスもそこまでアグレッシブになる必要はないと気付くかもしれない。彼が他のライダーに突っ込んでいくときでなければ、その走りは息を呑む素晴らしいものだ。難しいコンディションでも並ぶものがないマシンコントロール技術で易々とマシンを操ることができる。ウェットパッチが残る乾きつつある路面やグリップがどこで失われるか予想がつかないといったコンディションでのマルケスの正確さは他のライダーから何光年も先をいくものである。だからこそ彼はフラッグ・トゥ・フラッグで易々と勝利を挙げ、他のライダーが苦しんでいるときにまるで何の努力も無くグリップを見つけられるのである。

歴史は繰り返す

ある意味、アルゼンチンでのマルケスの走りはMotoGP昇格後のロッシの最高のレースを思い出させるものだった。2003年、ホンダRC211Vでの最後の年、ロッシはフィリップアイランドでトップを走っている時に、イエローフラッグ区間での追い抜きを理由に10秒のペナルティを科せられる。ホンダコーナーで転倒したトロイ・ベイリスを守るために黄旗が振られていたのだ。ロッシがペナルティを与えられたのは残り16周となった11周目のことである。9周目の彼はそれまでのラップレコード1分32秒233を更新する1分32秒161を出している。

ペナルティを伝えるピットボードを見た彼はあらゆる歯止めを取り払い、残り13周すべてをラップレコード以下のタイムで走る。その速さは他のライダーのタイムを0.6秒から0.8秒上回り続けるほどだった。彼は1分31秒421という凄まじいタイムでラップレコードを更新し、3.4秒あった差を15秒まで広げる。結局10秒のペナルティにもかかわらずロッシは5秒以上の差をつけて優勝したのだ。ロッシが他のライダーに対してどれほど勝っているかを見せつける1日だった。ロッシにとって幸いだったのは、ペナルティが科せられた時点でトップを走っていたことだ。おかげで誰かを抜く必要はなかったのである。

うまく逃げられた人たち

マルケスにペナルティが科せられたおかげでアンドレア・ドヴィツィオーゾとマーヴェリック・ヴィニャーレスはあまりぱっとしない週末だったにもかかわらず良い結果となった。特にヴィニャーレスにとっては恩恵が大きかったろう。彼はカル・クラッチローから15秒遅れの5位でフィニッシュしているが、(ペナルティを与えられた)マルケス以外との競り合いはなかった。アンドレア・ドヴィツィオーゾは勝者から22.5秒差の6位だったが、10ポイントを稼いだおかげでランキングトップのクラッチローからわずか3ポイント差の2位に留まることができた。ドヴィツィオーゾはヴィニャーレスに対して14ポイント、マルケスには15ポイントの差をつけている。そしてこのポイント差のおかげで自信を持ってオースチンに乗りこむことができるのだ。

「最終的に6位でフィニッシュしたわけですけど、運が良かったってのもあるとしても僕らにとっても良かったし、タイトル争いを考えても良い結果ですね。タイトル争いをしている内の3人がノーポイントだったのはありがたかったです」とドヴィツィオーゾは語る。「ただ別の見方をすれば問題もあるんです。こういうコースだとやっぱり苦労するってことが確認できちゃったんで。中速コーナーでスピードをのせようとすると苦労するんですよ。今週末は何もできませんでした。きちんと仕事をしていれば少しずつ近づいていけるんですけど、ここでは速さが見いだせなくて、それについては残念ですね」。もしタイトルを獲る鍵が最悪の週末でどれくらいのポイントを稼げるかというところにあるとしたら、アルゼンチンでのドヴィツィオーゾはかなりうまくやったと言えるだろう。

一方、彼のチームメイトはかなりダメだった。アルゼンチンでかなり苦労していたロレンソは、カタールテストでかなりの問題があることが判明したせいで3台のGP18が皆使うのを避けていたウイングまで持ち出すことになる。しかしそれもほとんど効果はなかったようだ。ロレンソはトップから42秒遅れ、チームメイトからも20秒遅れの15位でフィニッシュという結果に終わっている。

アキレスの踵

惨憺たる結果のせいで、彼のドゥカティにおける立場と相まってロレンソのフラストレーションは溜まる一方である。こうなると、コーナリングスピードと機動性を取り戻すために彼がスズキに移籍するのは確実に思われる。スズキに移籍すれば大幅な年俸ダウンとなるのは間違いないが、ことこの期に及んではそれは大した問題では無いだろう。ぶっちゃけ彼はドゥカティの2年間で相当銀行預金の残高を増やしただろうし、だからこそ再び勝利を目指すことも平気なはずだ。金で買えるものはいくらでもあるが、それでもレースでの勝利と世界タイトルは金を積んでも手に入らないものなのだ。

ただしスズキに移籍してもロレンソのタイトル獲得には大きな壁が待っている。アルゼンチンで再びあらわになった壁だ。グリップが変化するドライとウェットが混ざったコンディションでのホルヘ・ロレンソは苦労するのである。ドライであればロレンソは全てのコーナーで勝てる力がある。乗っているのがドゥカティであってもだ。ウェットでもロレンソは戦闘力のあるライダーだ。しかしどちらでもないようなコンディションではロレンソの常人離れした能力はどこかに消えてしまう。そしてバックマーカーのごとくよろよろとコースを走ることになるのだ。その様はとても5回もタイトルを獲得したライダーとは思えない。こうした状況下での自信のなさは、彼がなんとかしなければならない問題のひとつである。

今回の教訓

アルゼンチンラウンドは実に学ぶところの多い週末だった。今回の混乱と右往左往はMotoGPの弱点をさらけ出し、これまで隠されていたことが露わになった。ではテルマス・デ・リオ・オンドでのレースから我々は何を学んだだろうか?

まず最初に挙げるべきは、ルールブックを読んでも解決できない問題が発生する、というか、そうした問題のおかげでルールの不備が判明するということだ。サイティングラップを終えてポールシッターがスリックでグリッドに待つ間、残りの23台がマシン交換のためにピットに入るという事態は、定義の問題に踏み込まざるを得ないような極端な状況である。結局、定義上は「グリッド最後尾」というのはグリッドで一番後ろのライダーの次の位置ということになる。つまり本来の予選位置にいるライダーが1人しかいない場合、2番グリッドがグリッド最後尾ということになってしまうということである。

二つ目は、ルールブックにはクリアにすべき事項があるということだ。クイックリスタートが導入されたおかげでチームがすべきことはシンプルになったが、一方でライダーがやるべきことは少々複雑になっている。またルールブックのあちこちに分散して書かれているために、特定の状況下での正しい行動がすぐにはわからないという問題もある。マルケスがスタート直前にマシンを降りた際、正しい行動は彼をピットレーンに誘導してそこからスタートさせることだった。それがルールに書かれていることである。しかしマルケスがやったようにマシンを降りることとスタートを遅らせることはルールブックの近接した場所に書かれているわけではないのだ。どんどん厚くなるルールブックはそろそろ整理すべき時期にきているのだ。

三つ目は、マルク・マルケスはミックスコンディションでは世界最高のライダーであり、好きなように他のライダーを抜くことができるという事実である。そして四つ目は、パニックに陥った彼が選択する抜きどころは必ずしも褒められたものではない上、判断ミスをするということである。だが出場停止にすれば彼がこのことについてじっくり考える可能性もある。

五つ目は、ライダーに罰を与えるのはレースが終わる前が望ましいのというレースディレクション(定義上はFIM審議委員)の基本的考え方がかえって首を絞めることになるということだ。アルゼンチンでのレースでは様々なことが起こったために、マルク・マルケスへのペナルティが適切なものではなかった可能性がある。出場停止というのは非常に難しい判断であり、適用しるのであれば慎重に検討する必要がある。白熱したレース中の数分でできるような判断ではないのだ。FIMのルールブックの3.2.2項では「重複ペナルティ」つまり複数のペナルティを一人のライダーに科すことができるとされている。一つの違反に対して2つのペナルティを科すことができるかどうか、そしてレース週末を過ぎてから科すことができるかどうかはいずれも明確に書かれてはない。しかしそうしたことも検討すべき場合もあるだろう。

六つ目は、ヴァレンティーノ・ロッシとマルク・マルケスの間の確執、ただし片方の憎しみ方がもう片方より勝っているのだが、その確執は未だに煮えたぎっており、しばらくの間は消えそうにないということだ。マルケス対ロッシの確執はレイニー対シュワンツのそれを上回りつつある。二人にお互いのことを尊重する気はさらさらなく、ヴァレンティーノ・ロッシが気持ちを変えない限り、将来もこのままだろう。

最後に忘れてはならないのは、それでもMotoGPは素晴らしいスペクタクルであり、年を追う毎に素晴らしさが増しているということだ。アルゼンチンで我々が目撃したのは4人のライダーによる接近戦でのトップ争いであり、何度も先頭が入れ替わっていた。4台のうち3台はサテライトライダーで、唯一のワークスマシンはヤマハでもホンダでもなくスズキだった。そして開幕から2戦で4つのメーカーの6人のライダーが表彰台に昇るという混戦っぷりだ。タイトル確定まではまだ先が長い。しかしアルゼンチンはMotoGPでなら何が起こってもおかしくないことがよくわかるレースだった。ファンとしては史上最高の時代である。混乱はあってもそれには感謝しよう。

これはアルゼンチンのまとめの最終章である。グリッドでの混乱とカル・クラッチローの勝利について書いたパート1はこちら(訳注:日本語訳はこちら)。アレックス・リンス、ヨハン・ザルコ、そして新しい才能あるライダーについて書いたパート2はこちらで(日本語訳はこちら)。
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コメント

ちょっと記事とは逸れるんですがオフィシャルサイトにアルゼンチンGPリワインドの動画がアップされていて、今回の出来はとても秀逸ですね!
突如、映し出されたフクロウが踵を返してこちらを見る。
そしてマルケスの走りのシーンから、地獄の黙示録でも使われたワーグナーが掛かるんですからw
不謹慎ながら吹き出してしまいました 爆

この記事の他、様々な意見がやはり出てますが個人的には、やはりオフィシャルサイトに掲載されていたアゴスティーニ御大のコメントがさすがだな!と思いました。
男らしく正直で。
まだ尾をひくかもしれないけど、マルケスは今後は気をつけないとですよね。
長文翻訳おつかれさまでした!

投稿: motobeatle | 2018/04/15 04:37

いや~エメットさん長いわ笑
これでも書き足りないんだろうけれども…
とみながさんもお疲れ様でした。
英語に慣れていらっしゃるとは言え、異言語起こしって気を使うし大変ですよね。

一連の出来事に関しては、私もアゴスティーニ氏にほぼ同意ですね。
マルクのミスは大いに反省が必要だろうけど、追加ペナは必要ないように思います。
ホルヘが本の出版に関してのプレスで「あの件は少し時間が経てば『あんなこともあったよね』っていう事だ」と言ってましたね。
これは多面的な意味合いがあるんでしょうが、私も同様に思います。

結局のところ対症療法は、早くオースティンが始まることなんだろうな笑
私としては、EUラウンドが始まる前に少しでもホルヘが手応えを感じてほしい…
しかしダニの欠場は残念。早くよくなってね!

投稿: りゅ | 2018/04/15 17:12

>motobeatleさん
 ワルキューレには私も爆笑しました!まあいずれにしろ考えなしってのは罪ではありますねぇ。

投稿: とみなが | 2018/04/16 23:28

>りゅさん
 私はまだ出場停止がきくんじゃないかとは思ってますけど、いずれにせよ次にまたやらかしたらきつめのお灸が必要そうですね。
 そしてダニもホルヘも一刻も早く復活を!!

投稿: とみなが | 2018/04/16 23:32

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