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爆弾ニュース;ヤマハとテック3が2019年以降は袂を分かつ−誰がヤマハを走らせるのか?誰がテック3にマシンを供給するのか?

アイスランド旅行から帰ってきて薄ぼんやりモードが続いてたのですが、一気に目が醒めましたね。というわけでMotoMatters.comより。
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2019年ストーブリーグがいきなりトップギアに入ってると思っているところに、まだ上のギアがあることを思い知らせるような爆弾ニュースが投下された。今日、モンスター・テック3ヤマハチームが2019年以降袂を分かつと発表したのだ。テック3がヤマハのサテライトではなくなるということだ。

ヤマハとの20年近くの協業が終わりを告げるのである。1999年、中野真也とオリヴィエ・ジャックをYZR250で走らせた後、2001年には二人を500ccで走らせたのが始まりだ。以来テック3はヤマハの忠実な友であり続けた。ワークス契約ライダーを走らせるためにシートのひとつをあきらめることも何度もあった。ベン・スピーズやコーリン・エドワーズやポル・エスパルガロのことだ。

しかしこの数か月、予兆と言えるものは確かにあったのだ。エルヴェ・ポンシャラルがヤマハについて語る際には会社の代表としていつものとおり丁寧なもの言いだったが、質問に対する答えには苛立ちが混じることもあったのである。もちろんはっきりわかるものではなかったのだが。プレスリリースにあるとおり、テック3が他のメーカーからより良いオファーを受けていたのであれば、ヤマハとの関係を終わらせるのも難しくはなかっただろう。

しかし疑問はつきることはない。来年、誰がテック3にMotoGPマシンを供給するのか?ヤマハは2019年にサテライトチームを走らせるのか?これがVR46チームのMotoGP参戦に門戸を開くことになるのか?

まずは最初の疑問から片付けていこう。2019年、テック3にMotoGPマシンを供給する可能性のある候補は2メーカーしかない。KTMとスズキだ。アプリリアについては、予算もレース部門もそこまでの規模ではないし、つまりはテック3にヤマハ以上の条件を出すことはできないということである。ホンダとドゥカティは既に2019年も多くのチームにマシンを供給することになっていて、これ以上のサテライトチームを抱える余裕はない。

KTMとスズキについても同じ視点から比較することができる。KTMの予算はパドックでも最大級だ。5年間のプログラムに2億5千万ユーロ(邦貨換算330億円)を確保しているのだ。レース部門の人材もサテライトチームを持つことができる。KTMのCEO、シュテファン・ピエレもレース部門の責任者ピット・バイエルも近い将来サテライトチームを持ちたいとはっきり言っている。去年アラゴンでチームボスのマイク・レイトナーにMotoMatters.comがインタビューした際も彼はこう言っている。「もちろんいつかサテライトを持てたら良いですね。これはもうはっきりしています。ピエレ氏もピットも同じように考えています」

一方のスズキは予算もレース部門もそれほどの規模ではない。チームボスのダヴィデ・ブリヴィオはやはりサテライトチームをほしがっているが、しかし常にスズキの幹部からの抵抗に遭っている。サテライトチームの可能性について話をすると、いつもブリヴィオはサテライトも一人ならうまく回していけるのだが二人になると相当たいへんだと言っていた。

つまり、現時点では推測に過ぎないとは言え、来年のテック3のパートナーとして最有力なのはKTMということである。KTMがヨハン・ザルコを2019年に走らせたいと表明していることとも平仄が合う。ザルコはテック3からワークスに昇格して、テック3には新たなライダーが加わることになるだろう。ミゲール・オリヴェイラとおそらくブラッド・ビンダーになるのではないか。どちらもMoto2ではKTMと契約しており、将来のMotoGPシートも契約に含まれていると言われているのだ。

テック3がヤマハと袂を分かったことで、モンスターとのスポンサー契約も終了することになる。モンスターの代わりにスポンサーになるのはレッドブルで間違いないはずだ。そしてテック3がKTMのサテライトになるのであればF1のトロロッソ・ジュニアチーム的な立ち位置になるだろうと思われる。

ではテック3が去った後、2019年のヤマハはどうなるのだろう?最もありそうな可能性はサテライトチームなし、というものだ。ドルナがSky VR46チームをMotoGPで走らせたがっているのは周知の事実だ。ドルナは2020年までの5年間は現在のMotoGPチームにグリッドを保証している。つまり新たなチームが参入できる空きがあるとしたら、それは2021年以降ということだ。そしてドルナは24人以上をグリッドに並べるつもりはないと明言している。これはすべてのライダーに対して充分な金銭的支援ができるということでもあるのだ。

サテライトチームの方も、今ヤマハと契約してもそれが一時的なものに過ぎないと知っている。Sky VR46チームが2021年にグリッドにマシンを並べるまでの間ということだ。ヴァレンティーノ・ロッシとヤマハの強い繋がり(彼とヤマハの関係だけではなく、VR46ライダーズ・アカデミーもヤマハからマシン供給を受ける契約をもっている)を考慮すれば、その名前のMotoGPチームができるのは間違いないことだし、マシンはヤマハのはずだ。これは才能のあるライダーにVR46アカデミーを経由でのMotoGP参戦、そしてワークスチームへという道を開くことになる。

VR46レーシングチームが2021年以前に参戦する唯一の現実的な方法は、既存のサテライトチームとのコラボレーションか、既存チームからグリッド枠を買い取るかである。VR46とのコラボレーションというのは一方的な関係になるだろうし、実質的には買い取りということになる。グリッド枠を売る方がいいだろう。それなりに有利な交渉もできるはずだ。しかしこれはMotoGPから出て行くことを意味する。チームに関連するお金の額を考えれば、グリッド2台分の価格は7桁の前半(邦貨換算数億円)ということになるだろう。それだけあれば数シーズンはMoto2かMoto3で余裕を持ってレースに参戦できる。

これはすべて現時点の推測に過ぎない。我々にわかっているのはテック3が2019年以降はヤマハで走らないということだけである。マシンがどうなるか、すぐに判明するだろう。

以下は今回の別離に関する公式リリースである。
(以下略:そのうちヤマハの日本語サイトに掲載されるはず)
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スズキとかいいのになー。

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