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MotoMatters.comトラベルガイド予告−どのレースを観に行くべきか

海外レースは誰にとってもハードルが高いもの。それは地続きのヨーロッパの皆さんにとっても同じ様子。というわけで我らがMotoMatters.comがこれから各地のレースについてトラベルガイドを書いてくれるという、その予告記事です。
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MotoGPを追いかけている一人として、私もファンから多くの質問を受けてきた。そのほとんどはレース自体についてだ。あるレースであるライダーが上手くやれたのか、それともだめだったのか?あるメーカーのマシンが特定のサーキットで他のメーカーより良い成績を残しているのはなぜか?その他ライダーやマシンやチームやGPそのものについての様々な質問である。たいていはほとんどの質問には答えられるし、かなりの自身を持って答えられる質問もある。さらにはこうした質問に対する答えを記事にする時間も見つけることができる場合が多い。

しかしこれまで記事にしてこなかった類の質問がある。他のMotoGPの常連と同じように、私も数限りなくきかれた質問だ。行くならどのレースが最高なのか?このレースだったらどこに宿泊すべきか?あのサーキットにはどうやって行ったらいいのか?等々。ツイッターやフェイスブックではそのたびに答えてきたのだが、ウェブサイトで記事にすることがこれまでなかった質問だ。

そろそろこうした状況にもピリオドを打つべき頃合いだろう。これからの数週間をかけて現在MotoGPのカレンダーに載っている各サーキットについての記事を掲載する予定だ。内容はそれぞれのサーキットについて皆さんが気になる情報についてだ。その情報があれば「どのサーキットに行こうか?」と思ったときに自分で答えを見つける助けになるだろう。どのサーキットに行くべきかについては書かない。趣味や嗜好はそれぞれだからだ。ケイシー・ストーナーのようなライダーもいればヴァレンティーノ・ロッシのようなライダーもいるのと同じなのだ。しかしこの記事を読んで、様々なレースがある中、本当はどのレースを観に行きたいのか皆さんが気付く助けになるといいと考えている。

どうやって決めるか

どのレースに行くかはサーキットだけでは決められないのはもちろんだ。そこでサーキット以外の情報も含めてそのレースを観に行く理由を提示する予定だ。サーキットの外には何があるのか?レース好きやバイク好き、そしてレースが必ずしも大好きなわけではない友人や家族にとっての楽しいことリストは何だろう?レースがある時期にそこに行くにはパートナーや家族や友達をどうやって説得したらいいのだろう?

こうした観点については私の妻であるローゼ・ベルベが自分の好きな場所について語ってくれることになっている。私と結婚するくらいイカレていたせいでたまたまレースに興味を持った人間としての意見だ。ローゼは年間カレンダーの概ね半数ほどのサーキットに行っている。そしてそのほとんどのサーキットについて、その近くでどんな楽しいことがあるのかを知っているのだ。

とは言え私に答えられない質問が一つある。ファンに良く聞かれるのだが、このサーキットではどの座席が一番見応えがあるか、という質問にはいつも同じ答えを返しているのだ。「プレスセンターですね」それが答えだ。どうしたってそうした適当な答えにならざるを得ないのである。実は私はほとんどのコースについてその答えをもっていないのだ。コースを回っていろんなスタンドに座ってといった時間がないために、私はどこが一番見応えのある場所かを知らないのである。これについては各回のコメント欄でそれぞれの好みの場所について書いていただけるとありがたい。

この記事はみなさんの役に立つことが目的ではあるが、当たり前だが私の経験に基づくものであることは理解していただきたい。費用について言えば、私はオランダに住んでいて、レースにはアムステルダムから出向いていることが前提だ。ヨーロッパ言語のいくつかについては何とかなるし、ヨーロッパと米国の文化についてはそれなりのことを知っている。つまり私の書く内容はヨーロッパ中心の視点からということである。

私がそれほど費用はかからないと言う時には、それはアムステルダム出発が前提となる。私がある場所を異国情緒に溢れていると書くのも、ヨーロッパ在住の私がその文化にどれほど不案内かを示しているということだ。私の意見はあなたのこれまでの経験とはずれている可能性があるということである。私にとってはもてぎは費用がかかる場所で異国情緒に溢れているが、あなたが日本人で水戸にすんでいるなら私とは異なる意見を持っているはずだ。とは言えこの連載が役に立つこと、そしてみなさんが次の旅行を計画するきっかけになればいいと考えている。

パッケージツアーにするか個人旅行にするか?

まず最初に考えなければいけないこと。MotoGPに行こうと思い立ってまず考えるのはパックツアーにするか自分で旅程を組み立てるかだ。どちらも良い点と悪い点がある。ざっくり言うと、自分で旅程を作るなら安上がりだが面倒くさいということになる。専門の旅行会社のパックツアーだと費用はかかるが楽はできるし、自分だけではとても入れないような場所に行けることもある。

パッケージツアー

ポールポジショントラベルのような会社(注意:ポールポジショントラベルはMotoMatters.comの広告スポンサー:脚注参照)から購入できるパックツアーはそれぞれ内容が異なるケースがあるが、レースウィークエンドの前に空港集合で、旅行会社がその後の宿泊、食事、サーキットへの交通手段、レースのチケットを確保してくれるのが一般的だ。自分で手配するのは指定された空港までの交通手段の確保である。

パックツアー会社は個人旅行では難しいことも手配もしてくれる。パドックパスの手配やチームホスピタリティでの食事といった特典だ。グリッドやサービスロード(コースの周りを取り囲んでいる写真家やマーシャルがいる道路)に入れることもある。こうしたツアーは安くはないがMotoGP観戦に特別な味わいを追加してくれるものだ。

パックツアーを利用しないケース

自分の地元のレースに自分のバイクで行ってキャンプをするとか決勝日だけ行くとかであればパックツアーを利用する意味はほとんどない。

自分でやる

MotoGPに行くのに自分で旅程を手配するのにも多くのメリットがあるが、何より費用が安く済むというのが一番だ。早めに計画すれば比較的リーズナブルはホテルを見つけることもできる。サーキットの周りの地域について少しでも知識があればなおさらだ。個人旅行ならパックより自由度もある。例えば金曜にバルセロナに入って土曜は街を見て、日曜にレースを観てその夜に帰るといったことも可能なのだ。そんなツアーを企画してくれる人を見つけることはほぼ不可能である。

季節にかかわらずレースファンは大好きなのだが、キャンプをしたければ自分で企画した方がいいだろう。もちろんテントのレンタルを含めてこの分野に乗り出している会社も複数存在してはいる。とは言えキャンプというのはそれなりに勇気が必要だ。レースファンは日が暮れたら床に就くものだと思っている人にはショッキングだろうが、サーキット周辺のキャンプサイトというのは、まあオブラートにくるんで言ったとしてもなかなかに騒がしいものである。音楽が鳴り響き、レッドゾーンでバイクのエンジンがうなりを上げる。様々な国から集まった酔っ払いのレースファンが固定されていないものを手当たり次第にたき火に放り込む。ものすごく楽しめる可能性もあるが、アルトゥル・ショーペンハウエルの「充足理由律の四つの根拠について」を集中して読める環境でないのは確かだ。

自分で旅行を手配する場合、チケットの購入方法も複数の選択肢から選ぶことになる。サーキットから買うこともできる。たいていのサーキットはネット販売を行っているし、何ヶ月も前に買う人のための割引制度も用意している。ただしサーキットのウェブサイトは上手く翻訳できていないことも多いし使いにくいので楽に購入できるとは言いがたいのも事実である。

そういうのがお気に召さないのであればMotoGP.comのサイトから購入することも可能である。私がファンから聞くところではかなり信頼できるようだ。他にもパックツアーの会社がチケットを売っていることもある。ただしあなたのe-mailアドレスを入手して高価なパックツアーを宣伝にかかるというデメリットも存在するのだが。

チケットを扱う代理店も数多くある。こうした代理店を使おうというのであればまずはインターネットで評判を調べてみよう。ファンやソーシャルメディアを通じて、実際に使ったことのある人を見つけて、チケットが期日までに手に入ったかを確認するのだ。

もちろんいきなりサーキットの入り口まで行くという手もある。GP人気が高まっている最近ではややリスクがあるやり方とはなるが。これでうまくいくだろうレースも確かにある。カタールやオースチン、フィリップアイランド、アラゴン、シルバーストンあたりであれば収容数が多かったり、そもそも観客が少なかったりするからだ。しかし他のサーキットではかなり危険な賭となるだろう。日曜朝にヴァレンシアに行ってもチケットを入手できる望みはない。アッセン、ヘレス、レッドブルリング、ムジェロ、そしてミサノも同じような状況だ。

MotoGPテストに行く価値はあるか?

私が時々受ける質問に、このテストは公開されるか、というのがある。また、これはあまり聞かれることはないがのだが、テストは観に行く価値があるのか、という質問もある。どちらの質問に対する答えも同じだ。場合によるし、どんなテストかにもよるし、いつのテストかにもよる。

まずどんなテストかということだ。テストは二つに大別できる。プライベートなものと公式テストだ。公式テストはシーズンに先立って行われるもので2018年はセパン、タイ、カタールで開催される。この他シーズン中にレース後の月曜に行われるもの(MotoGPではヘレス、バルセロナ、ブルノ、Moto2、Moto3はルマン、ムジェロ、アラゴン)もある。

公式テストは普通は公開されている上、無料のことがある。サーキットがグランドスタンドをファンのために開放してくれて、座って見学できるということだ。コースによってはテスト中にパドックに入ることもできる。それだけでも価値があるだろう。誰もがいつもより時間に余裕があり、リラックスもしている。誰もが100%レースに集中している週末と比べればサインをもらったりライダーとの自撮りを撮ったりメカニックやチーフメカと話すチャンスも大きいということだ。

ただしテストは楽しみという意味ではやや劣るのは確かだ。何が進行しているのかはほとんどわからないし、レースほど観るべきものはない。映像を映すスクリーンもたいていはないし、タイムチャートもないし実況もない。情報は何もないのだ。せいぜいMotoGP.comのサイトのライブタイミングをスマホで確認すれば何が起こっているのか把握できるかもしれないと淡い期待を抱くことしかできない。でなければソーシャルメディアで何かレポートが上がっているのを追いかけるのだ。

テストというものは実際かなり退屈なものなのだ。それは私たちジャーナリストにとっても同じである。ジャーナリストにとってテストの良いところは、後から何かを見つけられるということである。テスト現場で集めた様々な断片をつなぎ合わせて初めてわかることだ。しかし見世物としてはテストには決定的に何かが欠けている。

ファンにとってはプライベートテストはもっとつまらないものだ。公開されるプライベートテストは2つか3つしかない。ほとんどは非公開で行われる。完全非公開のテストというのは当然だが誰もが観たがるものだ。私たちの誰もが知りたい秘密のパーツをメーカーがテストするのである。だからこそ私たちは追いやられるということなのだが。

とは言えプライベートテストの中には公開で行われるものもある。12月にヘレスで行われるMotoGP/WSBKの合同テストがその一例だ。参加チームが多すぎてメーカーは秘密を守ることができるとは思っていないのだ。とは言え、こうしたテストでも公式テストほどの情報をファンが得られるものでない。

だがヘレステストには魅力的なことがある。パドックのレストランのテラスで座ってコーヒーをすすりながらマシンがうなりを上げてこのサーキットでで最速の二つのコーナーを駆け抜けていくのに耳を傾けるのはこの上ない喜びなのだ。

レースについて

テストについてはこれくらいにしよう。これからの数週間、今シーズンMotoGPが開催される19のサーキットについて私からのアドバイスと私の考えについて記事にしていくことになる。お楽しみに。

脚注:ポールポジショントラベルはMotoMatters.comの広告主のひとつである。しかし私の知る限り、この会社は素晴らしいと言えるし、顧客からの苦情もほとんど耳にしたことはない。ポールポジションのツアーの人々と話をしたことがあるが、同じ顔に出会うことが多いし、多くの人が何年も繰り返しここを利用している。もちろんポールポジションと同じくらい良い旅行会社もあるだろうが、自身で経験していないので、他社についての意見は提供できない。
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こうした長文のための情報収集には資金が必要です。もし楽しんでいただけたのならMotomatters.comへのご支援をお願いします。サポーターになっていただくか、カレンダーをお買い求めいただくか、寄付をしていただくか、若しくはGoFundMe経由でご支援をいただければ幸いです。
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既にカタールについては記事なってるので、明日やる予定。

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