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スズキのMotoGP活動…いったいいつになったら底を打つのか…

去年の着実は進歩はどこへやら、なんかもう散々なシーズンとなっているスズキについてマニュエル・ペッチーノ氏の記事を。PECINO GPより。
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2016年のアラゴンGP。シルバーストンで2016年そして復帰後の初勝利を飾ったスズキのMotoGPプロジェクトは順調に歩みを進めていた。モーターランド・アラゴンでもその状況は変わらない。マーヴェリック・ヴィニャーレスはマルク・マルケスのRCV、ホルヘ・ロレンソのM1に次いでGSX-RRをフロントローに並べてみせたのだ。翌日のレースでも一時はトップを走り、2人のチャンピオンをバトルを繰り広げた末、4位でゴール。3位のヴァレンティーノ・ロッシとの差はわずか2秒だった。そしてチームメイトのアレイシ・エスパルガロは7位でゴールしている。スズキのMotoGPプロジェクトは軌道に乗っているように見えた。

2017年の同じアラゴンGP。スズキのピットにおける人々の表情は現在おかれている厳しい状況そのままだった。今シーズンは初戦からフラストレーションが溜まる一方である。そしてモーターランド・アラゴンの結果が最後の一滴となってついには我慢も限界に達することとなった。イアンノーネのスターティンググリッドは10番手。これは今シーズン最悪のものというわけではない。決勝結果も最悪ではなかった。10位でスタートして12位でゴールというのは彼の今シーズンの標準的な成績と言ってもいいだろう。しかしアラゴンでの恥ずべき問題はアプリリア1台とKTM2台がトップのスズキの前でゴールしているという事実なのである。MotoGPという極めて難しいカテゴリーにおいてスズキと比べたら遥かに経験の少ない2メーカーだ。そしてどちらもMotoGPプロジェクトを始めたのはスズキに遙か遅れてのことだ。そういうことだ。実に恥ずべき状況なのである。

成績が奮わないということだけがスズキを悩ませている問題ではない。一致団結してプロジェクトを前に進めていかなければならない組織の中に、傍目にも明らかな分断が生じているのである。例えば技術開発面で何か重大な失敗があったとしよう。去年であればホンダ、ヤマハ、ドゥカティという3強に追いつくための発展途上につきものの出来事ととらえることができたはずだ。しかし今年は違う。そうしたミスのせいでMotoGPに参戦する6メーカーの最後尾に追いやられてしまっているのだ。

状況は複雑だが、しかしレースの世界ではこうしたひどい成績をなんとか取り戻す時間というのも普通は確保できるのである。現在のレギュレーションではシーズン中のエンジン開発は凍結されている。つまり状況を改善する時間は以前より長く確保できると言うことだ。しかし負のスパイラルから完全に脱却するためには全員が同じ方向を向くことが必要である。日本にいるワークス部隊もレース現場のスタッフもライダーも全員が同じ方向を向かなければいけない。そしてダヴィデ・ブリヴィオが率いるこのチームに欠けているのが正しくそれなのだ。

ここで話題にしているのは今シーズン時々見られるイアンノーネの振る舞いのことである。もちろんシーズン当初にアンドレアが高いモチベーションと積極的に取り組む姿勢を維持していたのは間違いない。しかし度重なるクラッシュと奮わない結果に彼は完全にやる気を無くしてしまっている。そして彼はそれを隠そうとしないどころか、火に油を注ぐような態度さえ見せているが、こうした態度のせいで彼の抱える問題を解決しようと考えていた人たちからの信頼も失ってしまったのだ。チームは既に彼をメンバーの一員として見てはいない。なんというめんどくさい状況だろう。

一方、アレックス・リンスの最高峰クラスへの習熟っぷりも遅々としたものである。最初のプレシーズンテストが行われたヴァレンシアでのクラッシュと2017年のアルゼンチンGPでの転倒のおかげで、彼の実質的な開幕は第11戦となるオーストリアになってしまった。しかもチームメイトは参考にできない。アンドレアがまともに走ることはないし、そもそも誰もそんなことを期待していないのだ。こうした状況のせいでリンスの挑戦はさらに厳しいものとなっている。彼の成績はそこそこと言ったところだ。良い結果と満足できない結果が混在している。そんなわけで再び「犯人はライダーなのかマシンなのか」という疑問がわき起こってくるしまつだ。

チームは既に2018年に向けて動き始めている。他のメーカーと異なりレース後にそのサーキットで彼らが行うのは2018年用の新型のテストである。今年は間違いなくスズキにとっては試される年となっている。しかし彼らはこの危機的状況を過去何年もレース現場で蓄積してきた経験に基づき克服しようとしている。技術的な側面についてはいつだって復活は可能である。しかし今回については、真に問題なのは人的側面、はっきり言えばライダーなのである。
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ううう。

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コメント

いつも楽しく拝見させて頂いております。
スズキ系ではない複数の人がこのように言っているという事は、やはりイアンノーネは駄目なんでしょうね。
リンスが頑張っているように見えるのはイアンノーネが駄目すぎるせいで、冷静に見ると良いとは言えません。(仕方ない面もありますが)
去年のビニャーレスが良すぎたという話もありますが、H,Y,D各社エース級と比較しないといけません。仮にビニャーレスが今年もGSXRRに乗っていたら、彼の今年のM1の成績と大差ない。(成長も加味して)つまり、マシンの差よりライダーの差が大きいと思います。

投稿: 爺助平RR | 2017/09/30 21:15

チームは既に彼をメンバーの一員として見てはいない
これが本当だったら大変なことですよね。
絶対ノネ一人だけが悪いとは思いませんが、仮にそうまでなっていたとして来季もスズキで走るんでしょうか?
なんか、それをマネージメントできない人にも問題はあるような気はしますけどね。
もう一人、外部から有能なアドバイザー的な人を入れた方が良いかな?なんて思います。
ちょっと、ここまできたら直ぐに上がることは忘れた方が良いと思います。
感情的になっても仕方ない気はしますし。

投稿: motobeatle | 2017/09/30 21:19

逆にドカティではそれなりに上手くいってたのは不思議な話だな、と思う。

アレイシも昨年は苦戦していたし、スズキのマシンがビニャーレススペシャルみたいな感じで誰にも乗りこなせない尖がったものなんじゃないのかな?というのが最近の私の考えです。

ビニャーレスに合わせて出来上がったマシンは曲がらないとロッシも言ってたように思いますし

投稿: bb | 2017/09/30 22:01

ビニャーレスはBSからMIにタイヤが
変わった時に唯一、フロントのグリップに
問題はないよと言っていたライダー。

それだけ彼はフロントのグリップに頓着しない
ライダー。モトクロス出身ってのもあるんでしょうけど。

だから彼に合わせたマシンで他のライダーがフロントに
不安感を覚えて突っ込めないのは当然。
それで結果を出すのがビニャーレス。
結果が出せないのがその他のライダー。

だからスズキは方針転換を図りつつあるのは
新型シャシーがカーボン補強されていることでも分かる。
ブレーキングの安定性重視だね。

投稿: ブラインドカーブ | 2017/10/01 08:44

2016年はアレイシが旧フレームにこだわったりして、もがいていましたね。
茂木だったかな転倒した後うなだれた体勢のまましばらく立ち上がらなかったのは、見ていて何とも言えない無常さがありました。

ビニャーレススペシャルに今思えば納得です。それだけに訳が分からないブリビオの「アレイシが残るにはビニャーレスの残留が条件」といった言動です。アレイシに失礼だよ。
一人は残して置いて良かったのには賛成で、石橋を叩いて渡る的な日本の本社からのバイアスがかかっていても良かったと思います。

イアンノーネも開発力が無いからイアンノーネスペシャルしちゃえば良いもののそれも出来ないし、チームの和を乱すなら解雇し問題の膿を早めに出したら良いと思います。
代役は嫌いだったけどミカ・カリオが良い仕事をするので良いかと思います。

投稿: MOGE | 2017/10/02 00:31

>爺助平RRさん
 なんかねー、イアンノーネ、応援していたんですが。マシンの差もありそうですねぇ。

投稿: とみなが | 2017/10/02 22:31

>motobeatleさん
 こういうのって、誰が悪いってんじゃなくて、お互いに不信感が増していって、それでますますディスコミュニケーションが深くなるって負のスパイラルなんでしょうねぇ…。辛い。

投稿: とみなが | 2017/10/02 22:32

>bbさん
 でもハンドリングの基本は良いって言ってましたしアレイシもそれなりの成績を残していたんですけどねぇ。まぁあの二人が図抜けてた可能性も大ですね。

投稿: とみなが | 2017/10/02 22:33

>ブラインドカーブさん
 んじゃジャン・ミッシェル・バイルを呼ぼう!

投稿: とみなが | 2017/10/02 22:35

>MOGEさん
 ヴィニャーレスがそれほどの天才かというと微妙な感じもしますが、ことによったらドゥカとかホンダとかの突っ込み系マシンなら今年チャンピオンだったのかもですね…。

投稿: とみなが | 2017/10/02 22:36

イアンノーネ頑張れよ...

投稿: にわか | 2017/10/03 11:03

>にわかさん
 ほんに…。

投稿: とみなが | 2017/10/11 21:32

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