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MotoGP:ドゥカティのジジ・ダリーニャ、大いに語る パート1

ストーナー以降どうにもこうにもならなかったドゥカティをなんとかここまで立て直したジジ・ダリーニャへのインタビューです。Sport RiderよりManuel Pecino氏の記事を。
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インタビューのパート1ではドゥカティ・コルセのジェネラルマネジャーのジジ・ダリーニャがシーズン序盤の苦闘やアンドレア・ドヴィツィオーゾの復活、ホルヘ・ロレンソの進化について語っている。

今年の1月に行われたドゥカティのチームお披露目パーティーの席でジェネラルマネジャーのジジ・ダリーニャに、夏休みにはランキング3位で突入すると思うなどと言ったとしたら、それも優勝2回に表彰台は6回獲得していると言ったのなら、ダリーニャはこう答えただろう。「で、どこにサインすれば?」

しかしこれこそがドゥカティの置かれた状況である。第9戦ドイツGPを終わっての成績だ。ドゥカティにとってはこの2017年前半戦は完璧なものに見える(まあ「概ね」というのが本当のところではある。アンドレア・ドヴィツィオーゾとホルヘ・ロレンソの二人のライダーについてはちょっとした課題はあるのだが、これについてはすぐに明らかになる)。実際、アッセンのレースが終わった日曜の夕方、ジャーナリスト向けにドゥカティ広報は、ドゥカティのライダーがランキングトップに立つのは2009年のムジェロ以来だという記事を流したのだ。

夏休みに入る前にどうしてもダリーニャの話をじっくり聞かせてもらいたかった。そしてドイツのザクセンリングでそれが実現した。いつもとは違う2017年シーズンの折り返し地点で、ドゥカティのレース部門の責任者の話を聞くのは相当興味深いはずだと私たちは考えていたのだ。彼はいつでも「本当のことしか話しませんよ」と言っているのを利用させてもらおう。そのために良い質問をたくさん用意したのだ。

結果は期待通りだった。答えを返す彼の様子にはパニックの影も形もない。ダリーニャはいつでもおちついて話してくれる。そしてGPで何年も取材して見てきた他の全てのトップエンジニアと同じように、議論のあるところについてはあまり多くを語らない。つまり仮定をおいて考えるのではなく、状況を解きほぐした上で、分析的説明を与える。それが彼の発言を実に特別なものにしているのだ…。


:シーズン折り返してここまでこられると開幕前に予想していましたか?2回の優勝でドイツ前にはランキングトップに立って、表彰台にもドゥカティとして6回のっています。

ダリーニャ:もちろんアッセンのあともランキングトップでいられたらよかったですけどね。でもカタールを除けば決して良い序盤だったとは言えません。それでも混乱することなく状況を把握し続けられたので、きちんと正しい方向に一歩一歩向かって行けたんだと思います。


:あらゆる人の注目があなたに向けられている上にものごとが思うように行かない中で、冷静さを保つのはきつくなかったですか?

ダリーニャ:ものごとがうまくいかないとみんなが不機嫌になって、それで状況がさらにめんどくさくなるんです。そういうのをなんて言うんですかね?結果さえ出れば何もかも簡単になるもんなんですよ。


:チームと技術的問題と、どちらの方が危機的状況ではコントロールが難しくなるんでしょうか?

ダリーニャ:どちらも…ですね。結局技術的な問題に取り組むためには人々を技術的に導いていかないといけないわけですからね。何かを思いつくにせよ開発するにせよ、それが自分の考えである必要はないんですよ。マシン開発に携わっている誰かの中からそういう考えが出てくれば良いんです。だからこちらはそれをうまくまとめて同じ方向に持っていけばいいんですけど、そこが難しいところなんですよ。


:ものごとがうまくいってなかった時よりみんな仕事に身が入っている感じですか?

ダリーニャ:そうでしょうね。そういうことはすぐにわかるんです。何レースか勝つとみんなで一緒に食べに出るようになる。勝てないときにはそういう時間を取れないんですよね。


:そういうことがプロとしてのパフォーマンスにも影響すると?

ダリーニャ:もちろんですよ。みんなが満足できる状況でモチベーションが高ければ。今まで以上のことができるんです。


ホルヘ・ロレンソの加入

:ホルヘ・ロレンソが加入したことでたのドゥカティのライダーのモチベーションは上がってると言っていいんでしょうか?

ダリーニャ:私の考えなんですが、ホルヘのおかげでひとつ階段を上るために何が必要かがわかったんですよ。彼のコメントや考え方やからいろんなことが見えてきたんです。そして他のライダーを刺激しているのは間違いないです。もちろんそれで私のモチベーションは上がりますし、私は全力を尽くす。だから彼が加入したおかげで他のライダーも力が入ってるんだと思いますよ。でもこれについては私じゃなくライダーたちにきいた方がいいでしょうね。


:ドヴィツィオーゾのパフォーマンスには驚いていますか?

ダリーニャ:私の考えでは、ドヴィはそもそも才能のあるライダーですからね。多くの人が彼をこつこつ積み上げていくタイプだと評していますけど私はそうとは限らないと思ってる。彼は125のタイトルを獲得しているし、250のときはホルヘと信じられないような戦いを繰り広げています。


:ドヴィツィオーゾは一部レース関係者の間では「ミスター95%」と呼ばれています。どんなコンディションでも前を走ることができて、しかも全てをコントロールしているからですが、その彼が状況が許せば全力で走れるようになった。ムジェロでの優勝はそういうことでした。

ダリーニャ:それがドヴィツィオーゾを変えたんです。でも去年の後半からそうでしたよ。アラゴンとヴァレンシアGPの間でいちばんポイントを稼いだのは彼だったんです。おそらくそのあたりで精神的に変わったんでしょうね。


:ダヴィデ・タルドッツィ(ドゥカティMotoGPマネジャー)に話をきいたときに、ロレンソに必要なのはアッセンの後半みたいな乗り方をすることだと言ってました。あれこそがドゥカティの乗り方に近づいたときだということでした。

ダリーニャ:おそらくそんな感じですね。反射的な動きというのはなかなか変えられないものなんです。何年も同じやり方でうまくいっていたのだから、やり方を変えるのはそりゃ難しいでしょう。自然になんとかなるもんじゃないんです。


:でも彼はそれをなしとげてうまくいった。つまり彼は速く走ることができたってことです。自分がどうすれば良いかわかったということでしょうか?

ダリーニャ:そうですね。でもそれだけじゃない。それができたのはアッセンだけじゃないんです。毎レースそれがどんどんできるようになっている。私の考えではもうあとは時間の問題で、集中して取り組めばなんとかなるでしょうね。


パート2ではミシュラン-ドゥカティの陰謀論やシーズン後半にデビューすると予想されている新型カウル、さらにはケイシー・ストーナーと仲違いしたという噂について語ってくれる。お楽しみに。
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ホルヘファンは少し安心してもいいのかな?

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コメント

もう、此処まできたらドヴィさんは、なりふり構わず必死チャンプを獲りにいくべきだと思います。
正直、来年はヤマハもホンダも復調してくる筈だし、それは今年後半かもしれない。
そしてチームメイトが上がってくる可能性も高い。
幾分アドバンテージがある今を逃してはいけないと思うんですよね。

ホルヘはM1と比べると、やっぱりライディングフォームが変わりましたよね。
マシンごとキレイにパタンと身体を倒しこんでいたのが、ドカでは最初に身体を入れてからマシンを、、という感じに見えます。
まあ、速ければどっちでも良いんでしょうけどw
ホルヘって、アッセンの後半良かったでしたっけ?(゚ー゚)

投稿: motobeatle | 2017/07/13 17:50

ドヴィツィオーゾは250時代に戦闘力の劣るホンダに乗ってバリバリのアプリリアファクトリーに乗るホルヘとタイトル争いをしてたんだぞ。

レプソルホンダ時代だってランキング上でペドロサを上回った事も有るし、テック3時代もクラッチローよりランキングは上だった。

ドカティのファクトリーに入ってからも不運なリタイアが続いた2015年以外はチームメイトに負けてはいないし。

同じマシンだったら、負けない。ってところを今証明してるだけなんだぜ。
来年になったらホルヘの方が速くなると思ったら大間違いなんだぜぇ。

投稿: bb | 2017/07/13 19:01

>bbさん
もし先のコメントが自分に対してのものだとしたら誤解ですよ。
もしニュアンスとして「来年になったらホルヘがドヴィより速くなるから今年チャンプを獲っとけ」
とか思っているなら違います。
状況的に現在ドヴィさんは今年二勝してポイント差もトップと僅差。
今年は、ホンダもヤマハもタイヤに苦労してるし、ホルヘもドカにまだ充分順応できてない。
その中で今年ドヴィさんは安定した走りでリザルトも出しているから、アドバンテージは少なからずあると思う。
チャンスだと思うからチャンプを獲りにいくべきと言ったんです。
それだけの事ですから。

投稿: motobeatle | 2017/07/13 21:40

>motobeatleさん
 ドヴィにも幸せになって欲しいですね!

投稿: とみなが | 2017/07/13 21:41

>bbさん
 確かにチームナンバー1ではいたんで、ワークスに居続けていたら!

投稿: とみなが | 2017/07/13 21:42

>motobeatleさん

すみません。
ちょっと言ってみたかったんです。

ドヴィさんはいつでもチャンピオンを狙えるんだ。って

投稿: bb | 2017/07/13 22:50

>bbさん
 わかる!わかります!!言っても大丈夫です!!愛を語るならなんでも!!

投稿: とみなが | 2017/07/14 00:11

>bbさん
こちらこそ、ありがとうございます。
僕もドヴィさん好きですよ。
昨年、こちらで紹介された男らしい硬派なインタビューに本当に感心しました。

投稿: motobeatle | 2017/07/14 08:38

今こそドヴィさんの経験がものをいう時かな。

ホルヘに関してジェネラル・ジジがインタヴューどおり達観しているかどうかは・・・うーんどうだろう笑
でもどうであろうとホルヘはやるべきことをやるのさ。

投稿: りゅ | 2017/07/15 21:12

>りゅさん
 ま、ホルヘは来年が勝負ですからね。

投稿: とみなが | 2017/07/16 11:31

優勝チェッカーを受けた後、涙を見せないように急いでバイザーを下げるドヴィの仕草が好きです。イタリア人らしからぬ物腰の柔らかさと男気を持った素晴らしいライダーですよね。
そして何より、ジジがホルヘを認めて、せっつくことなく穏やかに見守ってくれていることがありがたいです。
とみながさんの言うように少しだけ安心してもいいのかな、という気気持ちになります。
250cc時代のように、ホルヘとドヴィが表彰台争いを繰り返すシーズンを心待ちにしています。

投稿: たけちよ | 2017/07/19 20:51

>たけちよさん
 をー、ホルヘvsドヴィ!みたいー。そしてそこにからむダニ!さいこーに地味だけど燃える(萌える)展開です!!

投稿: とみなが | 2017/07/20 20:06

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