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「また一緒にトップに立つなんて…正直不思議な感じですよ!」

シーズン開幕前の記事ですが、フォロワーの皿さん(@sara_motogp)がとても楽しいパワポを作っていたのを見てやっぱり翻訳することにしました。実は先月やりかけて、やめて、消してしまったのはここだけの秘密だよ。


Motor Sport MagazineよりいつものMat Oxley氏の記事です。
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マーヴェリック・ヴィニャーレスとマルク・マルケスが最初にレースで戦ったのは15年前のことだ。そして今、彼らは最高峰クラスに舞台を写して再び相まみえることになったのである。

mmmvpodium.jpgg

一枚の写真は千語にも勝ると言われる。そしてそれは正しいことが多い。上の写真に写っているのは三人の少年レーサーだ。クレマン・ドゥニコウスキーという名の11歳のフランス人とさらに若い二人のスペイン人だ。彼らの名前はマーヴェリック・ヴィニャーレスとマルク・マルケスという。

もし人生をすごろくに例えることができるなら、ドゥニコウスキーは2年ほどは二人より先にコマを進めることができた。2006年のルマンでGPデビューを果たしているのだ。マルケスに先立つこと2年、ヴィニャーレスより5年も早かったのだ。しかし彼らが着実にコマを進めている一方でドゥニコウスキーは「マスを戻れ」の指示で後ろに下がってしまっていた。彼はスポンサー探しに苦労したままいつの間にか消えてしまったのだ。

この表彰台の写真はドゥニコウスキーがカタルニア50ccメトラキット選手権で2位に入ったときのものだ。このシリーズは伝統あるペニャ・モトリスタ・バルセロナクラブが運営するものだ。7歳のヴィニャーレスが優勝、そして9歳のマルケスは3位となっている。日付は2002年9月。ちょうどヴァレンティーノ・ロッシが初の4ストMotoGPタイトルを決めた頃だ。写真のマルケスは結果に満足していないように見える。

それもそのはず。(そうは見えないが)彼はヴィニャーレスより2歳歳上で、既に11馬力のメトラキット用バイクを卒業し、その頃は少し速いコンティ杯用マシンで走っていたのだ。その年の終わり、メトラキットシリーズのプロモーターがワイルドカードとして彼を2戦走らせたのである。しかしメトラキットのレギュラーライダーであるヴィニャーレスがマシンを完璧に乗りこなしていた。それがこの結果なのだ。そして年下に負かされて平気な子供などいないのだ。

「バトルはしましたね」とマルケスは言うが、ゴーカートコースでヴィニャーレスと戦ったことについてはあまりはっきり覚えていない様子だ。「だいたい同じくらいのレベルで、彼が勝ったんじゃないかな…」

ヴィニャーレスの記憶はさらにあいまいだ。「覚えてないですねえ、すごい昔のことだから」と彼は笑って言った。「今また二人でトップに立ってるなんて、正直不思議な感じですね!」

マルケスの方が当時のミニバイクレースのことを良く覚えているようだ。「レースが終わると子供たちはみんなあつまってサッカーをしたり自転車とかスケボー乗り回してましたね。

その13年後、同じ二人が同じレースで走ることになる。2015年のMotoGPシリーズだ。マルケスはチャンピオンとして、ヴィニャーレスはルーキーとして。以来2年間、彼らはバイクレースの最高の栄誉を目指して戦い続けている。だぶだぶのツナギも薄っぺらいトロフィーも遠い昔の話だ。彼らが戦っているのはこの地球で最高のバイクレーサーを決める戦いだ。そしてチャンピオンともなればとんでもない量の戦利品を手にすることができる。

二人がいつかMotoGPで再会すると2002年のあの日に予言するのは簡単そうに見えるかもしれないが決してそんなことはない。ほとんどのレーサーは長期的視点から目標を設定したりはしないのである。せいぜい2〜3年先のことしか考えていないし、マルケスもヴィニャーレスも同じだ。

「子供の頃はただ楽しんでいただけですね」とマルケスは言う。「11歳とか12歳のころは本当に125に乗りたかったし、だからGPの125に行きたかった。でも本当のことを言うと世界GPを走り始めたときはMotoGPのことなんて頭になかったですね。125でトップになりたかったんです。で、2010年、17歳の時に125のタイトル争いができて、そこでMotoGPのことを考え始めたんです。トップライダーのいるクラスに行きたいってね」

ヴィニャーレスもほぼ同じだったようだ。「そうですねぇ、MotoGPに行けるって思ったのは125で走り始めて3戦目で優勝した時くらいでしょうか。その頃から、僕ならできるって思うようになったんです」。2011年のルマンのことだ。その同じ日、マルケスはMoto2での初優勝を飾っている。彼らは今でも1歩か2歩先のことしか考えていないのだ。

この4年間で3回のMotoGPタイトルをレプソル・ホンダで獲得しているマルケスは2017年に何が待ち受けているのか良くわかっている。「マーヴェリックはハートが強いんですよ。物静かなのにコース上ではアグレッシブで攻め続けることができるんです。もうスズキのときからもの凄く速くて、今年はヤマハでもっと速いんでしょうね。彼は速い上に安定しているしプレッシャーもコントロールできる。つまりタイトル争いができるってことなんです」

ヴィニャーレスはヤマハYZR-M1を駆ってプレシーズンテストで圧倒的速さを見せた。そしてこれからもますます速く、強くなるだろう。彼はモヴィスターのチームメイトであるヴァレンティーノ・ロッシとチーフメカのラモン・フォルカダから多くを学んでいる最中なのだ。フォルカダはヤマハで9シーズンにわたってホルヘ・ロレンソを監督していたのだ。

「ヴァレンティーノのデータを見ると学ぶことばかりですね」とヴィニャーレスは言う。「例えば同じコーナーから立ち上がるときでも彼はリアブレーキを使って挙動を穏やかにしながらスロットルを少し遅らせて開けてるんです。ヴァレンティーノは本当に加速が上手くて、特に統一ソフトウェアになってからはすごいですね。
 スズキとヤマハは少し似てるんです。フレンドリーなところとかね。でも自分のライディングスタイルも少し変えなきゃならない。僕は時々乱暴に乗りすぎることがあるんでブレーキを掛けるべきときは掛けてマシンをコーナリングスピードをのせたままうまく曲げられるようにならないといけないと思ってます。ヤマハのコーナーでのトラクションはすごく安定しているのでコーナー進入時とコーナリング中のスピードをかせぐことができるんです。
 ラモンは経験豊かなんです。僕にどうやってM1から100%の力を引き出すかを教えてくれるし、マシンのこともよくわかっていてセッティングの方向性もきちんとわかっている。ラモンといっしょにやったおかげで少しスムーズにやれるようになってきましたね」

マルケスとヴィニャーレスには今年多くのプレッシャーがかかっている。こうしたプレッシャーが両肩にのしかかる状況についてはマルケスの方が良くわかっていると思うだろう。しかしヴィニャーレスはいつでも氷のようにクールに見える。

「今のところは去年よりプレッシャーは少ないですね」とマルケスは言う。「去年よりモチベーションは高いですけどプレッシャーは少なくて、でも目標は変わらない。去年のプレッシャーは凄かったですね。2015年に自分のミスでタイトルを逃したからなんですが。だから本当にプレッシャーが大きかった。自分のためにもスポンサーのためにもホンダのためにもタイトルを逃すわけにはいかなかったんです」

マルケスとヴィニャーレスには明らかに共通した部分がある。二人とも去年はミシュランのフロントスリックに完璧に対応していた。おそらく今のMotoGPにおいて最も重要なスキルである。マルケスがタイトルを獲得できたのはタイヤを使いこなす彼の能力のおかげとも言えるだろう。一方ヴィニャーレスは以前のMotoGPタイヤであるブリヂストンの時よりミシュランでの方が転倒が少なかった数少ないライダーである。

これはライディングテクニックの問題でもありピット戦略の問題でもある。

「去年は1周目から攻めて走るってやらなかったんですよ。ミシュランでは絶対ね」とヴィニャーレスは解説する。「あとミシュランからできるだけいい情報をもらうように努めてたんです。あるコンパウンドで誰かがクラッシュしたらそれは使わない。何か問題があるってことですからね。ハードの方が速く走れることもあるけどそれで1周走りきれるかどうかはわからない。だからどれが良いのか理解するためにいろいろやるんです。でも今はタイヤがかなり良くなっているんです。フロントタイヤからウォーニングが感じられるんです」

現在も開発が進むミシュランだが、特にフロントの改善が著しく、他のライダーもマルケスやヴィニャーレスについて行けるようになってきた。一方、ヴィニャーレスはマルケスをかつてないほど追い詰めているが、これが二人を新たなレベルに引き上げて、他のライダーを再び置き去りにするのだ。

おそらく新型ビッグバンエンジンを搭載したRC213Vはマルケスを新たな境地に導くことになるだろう。もちろん現時点でははっきりしたことは言えないが。「新型エンジンはトラクションに優れている部分がありますね」と彼は言う。「でも電子制御も根本から見直しになるんで、まだまだやることがたくさんあるんです」

これはメトラキットのミニバイクの23倍のパワーを誇るマシンで争われる2017年の一騎打ちは実に見応えがあるだろう。

既に二人の間ではちょっとした諍いが始まっている。先月のフィリップアイランドでのテストでマルケスがレースシミュレーション中のヴィニャーレスを追いかけたのだ。ヴィニャーレスはこれが気に入らなかった。しかしセパンテストの序盤で今度はヴィニャーレスがマルケスに対して全く同じことをしている。

「ちょっとふざけてみたんです。おもしろくってね」とその時ヴィニャーレスは語っている。「もう僕らはお互いを気にしながら自分たちの立ち位置を確認してるんです」

そして両者共にコース上でのバトルは大歓迎だ。

「すごくいいバトルになるでしょうね」とヴィニャーレスは重ねて言う。「乗り方は違うんですよね。僕はマシンの全てをコントロール下におきたい。でもマルクはすごくアグレッシブなライダーなんです。でも僕もアグレッシブにやらなきゃならないときにはやりますよ。もしマシンをねじ込まなきゃならなければ、そこにねじ込みますから。怖さは感じないですね。実際抜くときにちょっと接触したりはしますし…でもそれがレースってものでしょ?アレイシ(エスパルガロ)と去年バトルしましたけど、あるレースでは6〜7回接触しましたね。でも最後にマシンから降りれば笑い合ってました」

そしてマルケスがやられたらやり返すというバトルが大好きなのは誰もが知っていることだ。「僕の抜き方はアグレッシブですよ。だからみんなが僕に同じことをするだろうと思ってますしね」と彼はにやりと笑って言うのだ。
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ををを、マルケスも早く速さを取り戻してほしいですね!!楽しみ楽しみ。

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コメント

いつかこの日がくることは多くの人が確信してましたよね。
パリス・ヒルトンの魅惑のバストに釘付けになっていた軽量級の爆速少年も、もはや最高峰クラスで磐石の横綱レースができる存在になったなんて、予想していたとは言え目をみはるような思いっす。
でもワタシ的にはもう一人待っている男がいるんだよなぁ。
ソヤツとヴィーニャがタイトル争いをする日を今でも待ってるんだなぁ。

ま、その日はまだ遠い先かもしれないけど、その前にこの恐るべきルーキーが先輩たちをキリキリ舞いさせるのを刮目することに致しましょ。

投稿: りゅ | 2017/04/05 12:25

ヴィニャーレスはMOTO3からずっと注目してきたので、
「ここまで来るのは当然」という気持ちと「やっと来たか!」という万感の思いでいっぱいです。
ジベルナウが「マルケスとロレンソを融合したようなライダーだ」と言ってましたが、
本当にそんな感じですね。

本当はスズキでチャンピオンを獲って欲しかったんですが、
ヤマハ移籍一年目でチャンピオン、というのもいいですね☆

ちなみに、私はバスティアニーニがデビューした時から期待をしていたクチで、
今のところなかなか結果を出せずにMOTO3にくすぶっているのが悔しいです。。。


投稿: たけちよ | 2017/04/06 13:37

>りゅさん
 誰だろう…鳥羽君とかかなー?メランドリの昔から暴れん坊ルーキーは楽しいですよね!

投稿: とみなが | 2017/04/08 12:58

>たけちよさん
 なかなか好きなライダーが上に来るのって難しいですよね…。でもいつかはきっと!!

投稿: とみなが | 2017/04/08 12:59

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