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生まれ変わったダニ・ペドロサ:「なんで教えてくれなかったの」は無しで(パート1)

ファンもファンじゃない人も幸せを祈ってやまないダニ・ペドロサですが、今年はくるよ!知らなかったってシーズン終わりに言ってもだめだからね!って記事をPecinoGPより。
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いつもの彼のスタイルだースポットライトの当たらないところで黙々と働くーダニ・ペドロサは2017年のプレシーズンテストを非常に良い形で終えた。31歳になるカタルニア出身の彼は冬期テストを表彰台に値する3番手で終えたのである。その上にいたのは素晴らしい走りを見せたマーヴェリック・ヴィニャーレスと常に安定した走りを見せるアンドレア・ドヴィツィオーゾだ。見出しを飾るのは他のライダーかもしれないが、最後に3番手の座を勝ち取ったのはダニなのである。

2017年はペドロサにとって12年目のMotoGPシーズンとなる。既にヴァレンティーノ・ロッシに次ぐベテランライダーになってしまった。この12年間、常にホンダワークスであるHRCに所属している。そしてそこまで長くトップチームで走っているにもかかわらず一度もタイトルを獲得していないことでライダーとしてのダニへの信頼は年々失われてきた。しかし2017年が彼のキャリアの新たな一歩となる予兆があるのだ。

我々がダニ・ペドロサが新たに契約したマネジメント会社であるアメリカ・ワッセルマンにインタビューを申し込む際にサーキット以外のリラックスできる場所でのインタビューを依頼した。サーキットにいるライダーは本人の考えとは関係なく「レースモード」に入ってしまうのだ。私たちはもっとプレッシャーのかからない雰囲気の仲で我々の直感、つまり「新型ペドロサ」が本当かどうか確かめたかったのだ。ダニが私たちの前に現れたとき、彼は心地よさそうにリラックスしていた。そして30分間にわたる会話はインタビューと言うよりおしゃべりという感じで進んでいったのだ。

ホンダ「ファミリー」の一人として長い間過ごしてきたペドロサは様々な状況をHRCのピット内で経験している。つまり2017年のエンジンがなかなか決まらないという今年の混乱もいつものことだということだし特に心配するほどのことではないのだ。あと2週間もしない内に開幕という今、すでにそれは問題ではないという…。

「今のところそれはOKですね。これから予想もしなかったことが起こらなければですけど。でもいずれにせよこれはホンダではよくあることで、耐久性や他のチームへの供給やそういういろんなことも考えなきゃならないですからね。変なことが起こらなければもうこれで決まりでしょう」。ダニはプレシーズンテストの序盤は上手くいかなかったと正直に語っているが、既に1月下旬辺りからホンダは確実に前に進めるようになってきたという。特に電子制御分野だ。「セパンからオーストラリア、そしてヘレスへとどんどん良くなってきてますね」

アグレッシブなエンジンかスムーズなエンジンか、ボトムエンドのパワーを犠牲にするのかトップエンドを犠牲にするのか…?ペドロサにどちらのタイプのエンジンが好きなのかたずねてみた。去年のある時期、彼はマルク・マルケスの希望を優先してホンダが選択したエンジンは自分なら選ばないと言っていたからだ。「いろんなのに乗ってるんです。例えば125ccはピーキーで、だからすごくアグレッシブで、でも同時にパワーは全然なかった。ある意味スムーズでスロットル全開でいけたんです。250ccも同じ感じで、でもトルクはありました。だから125より楽しかったし難しくもあった。それから(MotoGP)でV5に乗った。エンジンは静かなバイク(訳注:quieter bike と言ってるんですがV4のことでしょうか?)と同じ感じで、でも重くてコーナーでのコントロールが難しかった。それからスクリーマーに乗りましたね。全然気持ち良くなかった。たいてい僕はコースを走ることに集中できて安定して出せるマシンが好きなんです。セッティングも安定性重視で不安定なマシンにはしない。例えば僕らの最大のライバルのヤマハはずっとある意味僕らの「正反対」ですよね。そして僕らはいつでもライバルの弱みをつけるようにマシンを開発していくんです」

ペドロサは数週間前PecinoGPで書いたこと(訳注:おそらくこれ)についても同意してくれた。ホンダRCVが「マシンの挙動に合わせなければならないバイク」であるということだ。ライダーがマシンに合わせて動かなければならないということだ。先にペドロサが言及したヤマハはライダーがマシンをコントロールできるバイクだ。「直感的に反応しなきゃならないし、馬の背中でゆっくり考えてるみたいなわけにはいかないんですよ」とダニは言う。「例えばあるラップで完璧にコーナーをこなしても次のコーナーでは3回も動いて修正しないといけなかったりして、そういう何があるかわからない場所もある。そういうのはいいんです。例えば普段は挙動が穏やかなんだけどあるコーナーで一回挙動があるとしますよね。そうなったら普通は次のラップでも同じように乗ってれば同じことが起こると思うのが普通です。でもホンダはそうじゃないことがある。あるラップではOKでも次のラップではだめ。それでマシンの挙動に反応しなきゃならない」

テクニック重視の他のMotoGPライダーと同様にペドロサは神経質なフレームより安定感のあるフレームを好んでいる。「ある程度は挙動重視のマシンと安定性のあるマシンのどちらかに持っていくことはできるんです。リンクを変更したり、トレールを変更したり、あれやこれやいじるところはある」。ダニは加速に移ってから、そしてコーナー中盤の方がブレーキングより得意だとも告白している。そして同時に自分よりそれが得意なライダーもいることを認めてもいる。

革命的ライダーたち

10年以上MotoGPにいるペドロサは多くのライダーがやって来て、そして去って行くのを観ている。あらゆる時代のMotoGPマシンを経験しており、それぞれが異なるテクニックとライディングスタイルを要求していた。レース界というのは忘れっぽいところだ。しかしケイシー・ストーナーとマルク・マルケスと同じくらいダニも革命的なライダーだったのだ。トラクションを少しでも多く得るべくタイヤの接地面を大きくするためにコーナー出口に向けてマシンを立てるやり方は彼ならではのものだったのだ。これに関して彼はおもしろいことを言っている。「こういうのは世代が変わる度に多かれ少なかれ起こっていることなんです。ルーキーは優勝ライダーをずっと観察して、まずはそのライダーの真似をするんです。お手本にして…それで自分なりの方法をライディングやマシンコントロールに付け加えていくんです」彼はストーナーやマルケスを引き合いにしながらそう言った。

「誰かが自分はやってないことをやってるって気付いたら、自分を作りかえなきゃならないんです。ライバルが自分を上回ることをやってるんだから自分も新しいことに適応していかなきゃならない。でもこういう進化ってのはタイヤが変わったりしても起こるんです。それでライディングも変わるわけですからね。例えばミシュランからブリヂストンに代わって(原注:2009年のこと)コーナーでのバンク角がとんでもなく深くなったしブレーキングもかなり突っ込むようになったしコーナー進入がアグレッシブになったし、こういうこと全てがライディングスタイルの変化につながっているんです」

再びミシュランになったことでかつてのスタイルをリサイクルする必要があるようだ。「ライダーとしてはミシュランに戻ったせいでマシンを少し変更しなきゃならなかったですし、ライディングスタイルも変化させました。前と同じではないでしょうけどね。タイヤも進化したスピードやマシンからの要求に応えなきゃならないわけですから」

ホンダへの忠誠について

既にペドロサとホンダの蜜月がMotoGP時代の全てを通じて続いていることについては言及した。彼はホンダの125ccでGPデビューを飾りNSR250で2度のタイトルを獲得している。しかしペドロサがHRCのエンジニアが作ってくれたマシン以外に興味や好奇心を持たなかったはずはないのだ。

「もちろんこれだけ長いことライバルのことを見てきて、自分たちの弱みも見えていて、強みも見えていて、だからいつでもなんで自分はホンダにいるのかについては問い続けていますよ。いろんなバイクには乗ってますけど全部ホンダですからね。公道用のバイクもスクーターもホンダはホンダなんですよ。なんて言ったらいいのかわかんないですけど…。ホンダはいつでもちゃんと走るでしょ?ぱっと乗れるし乗りやすい。例えばドゥカティには乗ったことないですけど、乗ったことのあるライダーを見てるとホンダとは全然違うのは明らかですよね。直感的に乗れない感じだし、でもすごくいいところもある。あと、例えば友達とスーパーモタードのトレーニングに言って、僕はホンダに乗って友達がKTMに乗って、そういうときは他のバイクがどんな感じか気になりますよね」

白紙からやり直す年

今シーズン、ダニ・ペドロサは自分を取り巻く環境を大幅に変えている。彼は自分のレースアプローチ自体を思い切って刺激しようとしているようにも私には見えるのだ。マネジャーを替え、チーフメカを替え、メカニックも替え、アシスタントも替え、そしてセテ・ジベルノーをコースアドアイザーとして招いている。明らかにペドロサはこれまでやってきたこととは違うことをやろうとしているのだ。

「こうやっていろいろ変えた理由は…(続く)」
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続きは明日!

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