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セパン・プレテストまとめ:何が入ってるのジジ

30日からの公式プレシーズンテストに先駆けて行われたテストライダーによるセパンテストのまとめをMotoMatters.comより。
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ワークスチームが増えたということはワークスチームのテストが増えるということを意味している。これまでならIRTA(国際レーシングチーム協会)主催の年初のMotoGP公式テストの前には1回か2回のシェイクダウンが行われただけだったのが、今年はそれ以上のものとなっている。MotoGPに参戦する6メーカーすべてがテストライダーを連れてやってきたのだ。アプリリア、ドゥカティ、ホンダ、KTM、スズキ、ヤマハ。さらに2メーカーは2017年シーズン開幕に向けてスーパーバイクマシンも持ち込んでいた。その理由?参加メーカーが増えれば1メーカー当たりのサーキット使用料が少なくて済むのだ。そして来週の公式テストに向けての準備の時間も稼ぐことができるのである。

時間も必要だった。天候は味方をしてくれなかった。3日間とも大雨に見舞われ路面が乾くことがなかった。10月のレースでも路面の乾きが悪いことが問題になったが、今回の問題も原因は同じようなものだった。コースは過去10年にわたって蓄積されたデータに基づき再舗装されたのだが、これは気温30℃から40℃、路面温度40℃から60℃を想定したものである。しかしマレーシアの気温はこのところもっと低く(35℃というより25℃に近い)、路面温度は35℃を超えることはほとんどない。これに100%近い湿度が加わるとほとんど蒸発が期待できないことになる。こうした想定外の状況に対応するには路面の下を通って排水するための工事が必要となるだろう。

そんなわけで今回のプレテストはかなり不満の残るものとなってしまった。ドゥカティ・コルセのボス、ジジ・ダリーニャはGPOne.comに対して、こんなコンディションのセパンではほとんどテストはできないと語っている。レインタイヤで濡れたコースを走ってもマシン開発には役に立たない。「どこか他の場所でテストしなきゃならないですね」とダリーニャは言っている。

空力パーツはひとつではない

路面が濡れていようがいまいが、マシンは走っていた。ケイシー・ストーナーは木曜に何周かドライで走ることができたが、金曜はほとんど何もできなかった。コンディションがウェットすぎたのだ。しかしミケーレ・ピッロは忙しかった。ウェットでもドライでもドゥカティは様々なアイディアを試していたのである。最もわかりやすいパーツはピロが前回のテストで試していたホイールカバーだ。スモセディチのフロントホイールは完全に覆われている一方、リアについてはスポーク幅が広く、リムの内側がディスク状になっていた。

カバー付きホイールは自転車のタイムトライアルで使われることがある。目的は空力の改善だ。ドゥカティの目的も同じである。カバー付きホイールのデメリットは横風の影響を受けやすくなるという点だが、これは6kgしかない競技用自転車の方が157kgもあるフルフェアリングのMotGPマシンに比べてはるかに大きな影響を受けることになる。

ドゥカティのテストプログラムは他のメーカーと比べて何をやっているのかわかりやすかった。彼らは光学センサーでマシンと地面の距離を測っていたのである。アンダーカウルの下側とスイングアーム後ろ側、そしてスイングアーム後方に伸びる巨大な延長部分にライトを付けたデスモセディチがピットから出て行った。ドゥカティの実験はリアがちゃんと接地しているかどうか、そして加速時、減速時のマシンの挙動を調べるためのものだろう。

箱の中身は?

今回のテスト最大のミステリーはドゥカティのテールカウルについている箱である。ドゥカティのテスト用マシンにはすべでこの箱がついていた。そして写真でははっきりしないが、カーボンファイバー製で中に電子機器が入っているように見える。電子機器だろうと疑わせるもうひとつの理由は右側に貼られたステッカーだ。曲がりくねったエキゾーストパイプの横に貼ってあるそれは、ツイッターで何人かが指摘してくれたのだが、温度を測定するためのもののようだ。電子機器は温度管理が重要で、高温になると機能しなくなるのである。

それがケイシー・ストーナーが木曜にコース途中で二回も立ち往生した理由かもしれない。しかしドゥカティが燃費を測るためにガス欠テストをやっていた可能性もある。一定量のガソリンを入れてどこまで走れるかを正確に把握するためだ。

もしこのテールカウルの箱が電子機器を搭載しているのなら何らの理由があるのだろう。電子制御ユニットやその他の電子機器は比較的軽量なのでテールに移動させたのではないか。あまりテールに重量物を載せたくはないのだが、他のパーツよりは問題は少ないはずだ。そして電子機器あった場所に何かもっと重いものを搭載することが可能となる。電子機器の箱の跡地にはガソリンタンクがくるのかもしれない。例えば少し前よりにするということだ。それとももう少し大きいか、動く機械パーツでも来るのだろうか。

ウイング、エンジン、天候

ストーナーとピッロはウイングの有無による影響を把握するためにウイング無しバージョンとありバージョンを交互に試していた。彼らだけではない。中須賀克行もウイングありと無しのヤマハM1をテストしていたのである。ウイングは全メーカーが揃う来週もまた登場しそうだ。少なくともドゥカティはテストに使用するだろう。

パンドラの箱が完全に開いてしまったせいで空力分野に興味が集中しているが、バイクは一組のウイングなど問題にならないくらい動的な存在だということも忘れてはならない。例えばアプリリアは新型エンジンをセパンでテストしながらアレイシ・エスパルガロとサム・ロウズを迎える準備をしている。プレスリリースでアプリリアのボス、ロマーノ・アルベシアーノは新型エンジンは低〜中回転域でのトルクが増大し、しかもトップエンドのパワーは維持している言っている。去年のRS-GPはコーナリングにも問題を抱えていたが、それ以上に加速でかなり置いて行かれていた。今年のマシンはより軽量で剛性と重量配分は全面にわたって見直されているということだ。

どのMotoGPチームも気にしているのは天候が今週と同じようなもになりそうだということである。現時点の天気予報によれば少しは晴れそうで、火曜と水曜の午前中にはドライで走れそうな様子である。しかし気温は相変わらず熱帯というよりヨーロッパ風で、つまりはコース上の水分はなかなか消えないということだ。ライダーとしては走行マシンが増えることで少しでも早く路面が乾くことを期待することしかできない状態だ。
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盛り上がってきましたね!

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