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「ツイッターやらサングラスやら、そういうくだらないことは全て忘れて」

Moto2ランキング、151ポイントでトップのザルコに次ぐ126ポイントでタイトル争いの渦中にあるアレックス・リンス。チームオーナーであるシト・ポンスが彼について語っています。PecinoGPより。
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アレックス・リンスにとって8月14日からオーストリアGPで始まるシーズン後半は自分のライダーとしての実力を再確認する良い機会となるだろう。リンスはMoto3のタイトルを逃したが2017年にはMotoGPに上がることになっている。そしてこれからの9戦はフランス人ヨハン・ザルコとのMoto2タイトルを賭けた戦いとなるのだ。

アレックス・リンスが若手GPライダーの中で最も将来を約束されている一人だということはレースを知っている者なら誰もが認めるところだろう。マーヴェリック・ヴィニャーレスが青いスズキを離れて青と白に彩られたワークスヤマハに移籍することを受けて、チーム・スズキ・エクスターのマネジャーであるダヴィデ・ブリヴィオはためらいなくリンスに契約を持ちかけている。

ライダーとしてのリンスを最も良く知る人物の一人がシト・ポンスである。ポンスはこの2年間リンスが走っているチームのオーナーであり、それはまたヴィニャーレスがMotoGPに入る前の2014年に走っていたチームでもある。さらにポルとアレイシのエスパルガロ兄弟やティト・ラバトも彼のチームで走っていた。「どちらも本当に良いライダーですよ」と彼は言う。数週間前のドイツGPでリンスと元所属ライダーのヴィニャーレスについてたずねたときのことだ。その通り。どちらも素晴らしいライダーだ。どちらも結果を残している。しかしどちらの方がより良いライダーなのか?そして二人はどう違うのだろうか?

ポンスはしばらく間をおいてから答えた。何度か言葉を発しようとして、言い直している。ヴィニャーレスはもう自分のところのライダーではない、しかしリンスは自分のライダーなのだ。「どちらも本当に良いライダーですよ…、まあマーヴェリックの方が自然にいろいろできるんですけどね。アレックスはそれなりに努力を必要としているんです。マーヴェリックはピットアウトするとすぐに滑らかに走ることができて、ピットに戻ってきても全然がんばったようには見えなかったですね。アレックスもマーヴェリックと同じレベルのパフォーマンスは発揮できるんです。同じように速く走れるんです。でも努力しないとそこまでいけない。自分のやることに集中しないといけないんです」

「リンスには集中が必要だ」という最後の言葉は、まだまだこなせていない彼の課題だというのがポンスの意見だ。特にヨハン・ザルコとのタイトル争いが佳境に入るシーズン後半では大事なことである。ドイツでのレース前の段階でザルコとリンスは同ポイントで並んでいた。そしてポンスはリンスを前に率直に意見を言ったという。

「状況をはっきりさせておきたかったんです。これ以降はヨハン・ザルコだけがタイトル争いのライバルになる。そしてザルコのことだけが重要なんだと。だから彼にはツイッターとかサングラスとか、そういうくだらないことは全て忘れてザルコだけに集中しろ!って言ったんですよ。朝眼が覚めたらザルコのことしか眼中にない、トレーニングの時はザルコのことしか考えない、鏡を見たときにそこに見えるのは自分じゃない、チャンピオンになりたければそうならないといけないんだってね。それ以外にチャンピオンになる道はないって言ったんですよ。そうやってチャンピオンは手にするものなんです。アレックスはザルコ以外のことは考えられないってならないといけない…。そういうところはヴィニャーレスの方がわかってましたね。彼は自分がなんのためにサーキットに来ているのか良くわかっていた。彼は自分の仕事をやり遂げることしか考えていなかったんです」

ポンスこういったことを他の話題より大きな声でまくしたてた。その様を想像しながら読んでほしい。彼は断固たる様子でこう言ったのだ。「それしかないんです!アレックスは自分がここになんのために来ているのか、その目的が一つしかないと心に刻まなければいけないんです。世界選手権でどんな役割を演じたいのかってことです。この機会を逃してはいけない。来年はMotoGPに上がるんです。そこでタイトルを獲るのは本当に、本当に簡単なことではない。でも彼は今そのチャンスをつかみかけている。世界チャンピオンをつかみかけてる。それは彼次第なんです」

リンスはそれまでの3戦でザルコに31ポイントを献上していた。モントメロではザルコとのバトルに敗れ、ザクセンリングではポンスが彼により高いレベルでゲームを行うことでサマーブレイク前にザルコの自信を失わせておけと発破をかけた。「精神的には優位に立っていると感じているだろうし、実際その通りだ。だから彼の自信を打ち砕け。戦いがこういうレベルにきたら、しかも闘っている二人がアレックスとザルコという高いレベルなら、違いは精神的な強さだ」と彼は自分の頭を指さしながら強い口調で語ったのだ。

しかしポンスが臨んだとおりにことは運ばなかった。ドイツGPの決勝日、リンスはチェッカーまで残り3周というところで転倒し、一方ライバルのザルコはこの4戦中で3勝目ということになった。つまりリンスはシーズン後半を25ポイント差で迎えることになったのである。後半戦で225ポイント分が残っていることを考えれば手が届かないというわけではない差だ。つまりポンスが言うとおりザルコのアドバンテージは何より精神的なものに頼らざるを得ないということである。

アレックス・リンスがどういった状態でサマーブレイクから戻ってくるか非常に興味深い。彼は既にMoto3のタイトル争いに2回も敗れている。2013年はマーヴェリック・ヴィニャーレスに、次の2014年はアレックス・マルケスにチャンピオンを奪われたのだ。Moto2年目の今年、もしタイトルが獲れなければ相当よろしくないことになるだろう…。つまずき?…失敗?…それともちょっとした間違いと言われるのか?
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プーチもそうですが、スペイン人メンターって生活指導の先生っぽいですよね。

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コメント

発破が葉っぱ

投稿: もも | 2016/08/08 22:01

>ももさん
 ありがとうございます!修正しました!!

投稿: とみなが | 2016/08/09 00:01

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