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マルク・マルケス:シーズン中盤の告白(後編)「バカ呼ばわりされることになるかもだけどロッシの握手は信じてる」

マルケスのインタビューの後編をPecinoGPより。前編はこちら
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生まれ変わったマルクのレースのやり方については理解した。新型電子制御といろいろ言われている2016年型RCVについても語った。まだ話していないことは何だろう?その通り、ミシュランタイヤについてだ。あらゆるブレーキングポイントでブリヂストンのフロントタイヤの性能を最大限に引き出していたブレーキングスペシャリストとして知られているマルケスだが、どこからやり直さなければならなかったのだろう?彼の答えは実に興味深いものだった。おそらくそこにもレースへの彼の新たなやり方が隠れている。

「相当でしたよ。相当自分を訓練しなおしたんです。ほとんどは開幕前にやりましたね。現時点ではフロントはかなりブリヂストンに近くなってきてます。理論的には同じじゃないけど、同じように自信を持ってブレーキングを遅らせられるし、でもまだちょっと理解できない部分もあるんです。例えばオランダのフリープラクティスでストレートで加速してるときの話ですけど、あそこでフロントが切れ込むなんて普通はないんですよ。まあいろいろ普通に起こるんですけど、あれは普通じゃない感じでした。でも好きか嫌いとは関係なく、あんなことがあるとタイヤへの信頼感はなくなりますよね。特に誰かを抜こうとしてるときとかね。だってブリヂストンなら「おお、もうちょっといけるな、タイヤもいけそうだしってなるんですけど、ミシュランだともうちょっと、なんて言うか…、限界付近の許容範囲が小さいって言うか狭いって言うか。ブリヂストンだとやばい場面があるんだけどなんとかできる。これがミシュランだと、ヤベってなると90%はクラッシュするんですよ」

マルクへのインタビューの目的は主にレース展開とマシンについてで、それ以外のネタにはあまり興味がなかった。しかしそれでも確かめておきたい話題が二つあった。ひとつはダニ・ペドロサがマルクのエンジン選択が間違っていたと非難したと報道された件、もうひとつは理論上はバルセロナでのヴァレンティーノ・ロッシと和解したように見えるという件だ。

「それについてはあんまり気にしてないですね」とマルケスはチームメイトの発言について話してくれた。「ホンダはヘレスで僕ら二人に新型をテストさせてくれたんですしね。最終的にフィーリングはそれぞれ違うでしょうけどホンダの決め手になったのはラップタイムなんです。ヘレスで僕の最速タイムも彼の最速タイムも新型エンジンで出したものだった。確かに新型は少し重いしちょっと乗りにくい。体力的にも少し厳しいし、彼のライディングスタイルには別のエンジンの方がマッチしてるかもしれないですね。でも繰り返しますけど、ライダーが2人いて、そのどちらもが別のマシンより速いタイムを出しているんです。それに僕の方が彼より速かった。速い方のライダーの意見の方が重みを持つものですしね。で、あの時点で速かったのは僕なんです。だから僕の意見の方が尊重されたんです」

ではなぜペドロサは爆発したのか?「そこはよくわからないです。彼も良いレースをしてると思いますし。でもうまくやって100%でがんばっているけど結果がついてきていない。追い詰められた気がして、本心でもなくあんな言わなくてもいいことを言ったのかもですね」

「ええ、あれについては信じてますよ」。それがモントメロでのレース後にヴァレンティーノ・ロッシが心から和解を求めて握手してきたのかどうかについての彼の答えだ。「あのときのモントメロは誰もが気持ちを取り繕うことなんてできなかったし、レース後、僕を負かした彼と眼があって、そこで体が動いたんです。まあその件についてはいつかバカ呼ばわりされるかもしれないし、そんなことはないかもしれない(笑)。でも今は信じてますよ。もっと早くそうしていればよかったんですけど、あれこそがその時だったんです。MotoGPにとってもいいことでしょうね。もちろん友達同士だなんて言うつもりはないですよ。でも少なくともプロとしての関係は築くことができてますし、それは最低限必要ですしね。ヴァレンティーノについてだけじゃなく、他のライダーについも同じですね。
 まああんまり心地良い状況じゃなかったですね。僕ら二人にとってじゃなくて、記者のみなさんにとってね。今はいい感じでしょ?1日が終わってピットに戻る。彼は彼のピットに戻る。何も変わってないんです。でも僕らはみんなライダーでコース上で闘っている。だから心から良い関係を作るべきなんです。まあレースが終わってからの話ですけどね。コース上では真っ向からバトルしますから!」
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つまりうわべだけは取り繕うくらいに関係は良くなったと。

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コメント

暑中お見舞い申し上げます。
ワタクシもう脳が溶けかかっておりますが、この殺人的な暑さの中更新をして頂いたとみながさまに、ビッグサイズのしろくまを進呈したい気持ちですw

なかなか深読みしようと思えばできないでもないインタビュー(?)でおもしろいですねぇ。
マルクってメディア対応も上手で、求められるイメージをしっかり表現できるし、お、そこはガチで語るのねってとこもスマートに入れ込む巧さもあるw
隙がないなぁ・・・

よくホルヘは孤高の人と表現されるしたぶんそのとおりだと思うんですが、実はそれと同じくらいマルクもそうなのかもと思ったり。
考えてみればヴァレもそうだろうし、トップアスリートは皆そういうものなんでしょうねぇ。

投稿: りゅ | 2016/08/07 12:19

これは密度も高いし興味も深い記事ですね。
ちょっと特にマシンやタイヤのことなんか、そこまで言って委員会!という感じがしましたw
今現在マルケスが築き上げたポイント差は彼の堅実な走りと能力。
そしてHRCの多大なる努力でしょう。
あの超絶技術集団が黙って収まるわけがないと思ってました。
にしてもストレートの加速でタイヤが切れ込むって考えただけで怖いです。
オリンピックが始まりましたが、GPは高度な道具を使い操るスポーツ。
その中で独特な状況や感情が生まれてくると思うのですが、それもまた楽しむのが良いんでしょうね。
来週末、ヤマハ勢、特にロレンゾが巻き返してくるか注目してます。

投稿: motobeatle | 2016/08/08 18:13

>りゅさん
 お気持ちだけでも!(しろくま食べたい)

投稿: とみなが | 2016/08/08 21:34

>motobeatleさん
 道具依存が大きいけど、人間の力もすごく大事、でもライダーだけではどうにもならないってところが魅力ですね。オリンピック、マイナー競技(馬術とか近代5種とかトランポリンとかBMXとか陸上10種とか)そういう普段は見られないのが楽しみです。

投稿: とみなが | 2016/08/08 21:41

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