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ブラッド・ビンダー「努力はいつでも報われるんだ」

ヘレスで待ちに待った初勝利を、しかも最後尾グリッドからのスタートで手に入れたブラッド・ビンダーへのインタビューを昨日に引き続きPecinoGPより。
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スペインGPの週末、私はヘレスでチーム・アキ・アジョの広報担当に次戦以降のどこかでブラッド・ビンダーへのインタビューを設定してくれるようたのんでいた。その時私が考えていたのは「見慣れない」国から来たライダーについてのシリーズものだ。いや、もちろん南アメリカでは長いことGPが開催されていたし、コーク・バリントンのようなの偉大なチャンピオンもいることは知っている。しかしそれは数十年前の話である。以降、世界選手権に参戦する南アフリカ人はほとんどいなかったのだ。つまりブラッド・ビンダーはその連載を始めるに際して最適なライダーだったのである。「ルマンなら全然問題ないですよ。彼の予定超はすかすかですからね」とその広報担当は私に告げた。

2週間後のフランスではもうそんな予定を組める状態ではなくなっていた。ビンダーはスペインで優勝し、突然パドック一の人気者になったのだ。ブラッドが79戦目にしてついに世界選手権での初勝利を手にしたことで、私たちは1981年以来の南アフリカ国歌を耳にすることとなった。「今日は自分にとっても国にとっても最高の日ですよ」とブラッドはヘレスの勝利の後、誇らしげに言っている。

ブラッドとの会話はまずは今の気持ちと成功したことの影響についての質問から始めることにした。「今の気持ちは本当に特別なものですね。初勝利を挙げられて本当にほっとしてるんです。だってずっとずっと勝ちたかったですからね。レース後はほんとうにとんでもないことになりました。すごくいい気持ちでしたよ。月曜は休みにしてあのレースを2回観て、それからは普通の日々に戻りました」

そうだ。あなたが読んだ通りだ。ビンダーが待ち望んだ勝利のご褒美はたった24時間の休息だ。それを1分だって超えてはいない。「今年初めからやってることを集中してやりつづけないといけないんです。自信を持って開幕を迎えられたし、週末もかなりがんばり続けています。冷静さを保って、前のGPのことは忘れて、次に集中しないといけないんですよ」

ビンダーはMoto3がいつかMotoGPクラスに上がるという最終目標のためのステップに過ぎないことを隠そうとはしない。「小さい頃からMotoGPで走りたかったんです。ずっとそれが夢なんです。毎朝起きてがんばれるのは自分をそこまで連れて行くためなんです」。彼は堂々とそう言い放ったのだ。

彼がその階段を上り始めたのは遙か昔、暗黒大陸の端の南の国でのことだ。17年前、彼は3歳の時にレースを始めた。しかし他の多くのライダーとは異なり、彼が最初に参戦したのは南アフリカのカート選手権の50ccクラスだ。「そこで2年間走って、それからバイクに移ったんです」

では遠い南アフリカの若者がどうやってGPに参戦するようになったのか?鍵はレッドブル・ルーキーズカップだ。「もし世界に上がりたかったらそれが一番いい方法ですね。僕もそこでレースを始めましたけど、だからこそ今日ここにいられるんです」。話は変わるが、彼の呼び名である「ブラディカル」はその時につけられたものだ。「ルーキーズカップで知り合った友達がなんでか僕のことをブラディカルって呼んでたんですけど、すごくクールだと思って、その名前にしたんです…、気に入ってますよ」

オーストラリア人や日本人やアメリカ人と同様に、夢を叶えるためにビンダーは国や友人や家族と離れ、慣れ親しんだものから遠くで長い時間を過ごさなければならない。彼の場合、居住地はスペインだ。しかし昨シーズンからこの海外暮らしも少し楽になった。弟であるダリンが同じクラスで世界選手権に参戦するようになったのだ。弟と走るのはこれが初めてではまったくない。彼らは最初から同じところで走っていたのである。

「僕と弟が凄く小さい頃は、父がバイクレースをやっていたんで二人でサーキットで父のレースを見ていたんです。それから自分たちがレースをするようになって、弟と僕はそこからずっと同じカテゴリーで走ってるんです。毎年僕が上のカテゴリーに行くと。弟がその穴を埋めるって感じでした。一緒にいるのはいつでもいいですね。僕にとってはいろんなことが楽になるんです。スペイン来たときには一人でしたからね。でも今はダリンがいてくれて、だからいろいろ楽になってるんですよ」

わずかずつではあるが南アフリカ人が国際レースでの過去の地位を取り戻しつつある。ワールドスーパーバイクやイギリススーパーバイク、スペイン選手権といった国際レースで戦っている同国人が何人もいるとブラッドは言っている。「すばらしいことですね」とすべての同国人の目指すべきライダーとなった彼は強い口調で言ったのだ。ビンダーのスペインでの勝利はほとんどの南アフリカのメディアがトップニュースとして報じ、彼の携帯電話はお祝いメッセージであふれかえることとなったのだ。

そろそろ私とビンダーの会話も終わりに近づいてきた。今回のインタビューで驚いたのは、彼が若干二十歳にもかかわらずまじめすぎるほどまじめな青年だったということだ。2年前同じチームで走り世界タイトルを目指していたライダー、ジャック・ミラーにも比肩する。どちらも昼夜を分かたず努力し続けているのだ。「努力はいつでも報われるんです」とビンダーはインタビューの最後に言った。「だから今年はシーズンオフの本当に期待得て、いままでになくがんばったんです。その結果が現れ始めてますね」

その通りだ。くつろいだ雰囲気の中での会話の翌日、この南アフリカから来た新たなヒーローはGP2勝目を飾ったのだ。初勝利までは79戦かかったのに、2週間後に2勝目を挙げたのだ!
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「努力はいつでも報われる」って、若いからこそ言える言葉だけど、そのまま突っ走ってほしいですね!

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