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ルカ・カダローラ:ヴァレンティーノ・ロッシのサーキットアシスタント「ヴァレンティーノはフランケンシュタインだよ」

カダローラと言えば私の中では「1991年のイタリアGP最終ラップの立ち上がりでステファン・ブラドルのパパ、ヘルムート・ブラドルに肘を出して勝った人(嫌いじゃない)」ですが、最近はロッシに請われてサーキットに帯同しています。そんな彼がロッシについて語るの巻。PECINO GPより。
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ルカ・カダローラがヴァレンティーノ・ロッシに常に帯同するようになったのは今シーズンのニュースの中でもかなり重要なものの一つである。我々はその真の意味を理解しているだろうか?これは驚嘆すべき出来事なのだ。まず20年以上にわたってヴァレンティーノが身近においたことのない役割をカダローラが果たしていること、そしてカダローラはこれまでロッシワールドの一部だったことがないのだ。

「ええ、そうですね。彼のことはよく知っているというわけじゃなかったですね」と元GPライダーであと数日で53歳になるルカは言った。彼は3度の世界タイトルを獲得しており、当時はテクニックがある上に、恐るべき戦略家であるライダーとして知られていた。「ミサノでR1に一緒に乗ったんですよ。そこで彼がタヴーリアの自分のコースに誘ってくれたんです。そこでフィリップアイランドのテストについてきてくれって頼まれたんです。彼にとってのボリス・ベッカー(訳注:元トップ・テニスプレイヤーで今はノバク・ジョコビッチのコーチ)になってくれって言ってくれました。だから、やるなら本気でやるし、でなきゃやる意味はないって答えました」

オーストラリアでのお試しはうまくいった。そしてわずか2〜3か月でルカはヴァレンティーノ・ロッシのレーススタッフの中で重要な意味を持つ一人となる。今シーズン初優勝となるヘレスのスペインGPの後、ロッシは勝利を新アドバイザーであるカダローラのおかげだとまで言っているのだ。2週間後(訳注:原文ママ。実際は4週間後)のムジェロでポールを獲得したヴァレンティーノはルカを抱きしめ、そして彼がポール獲得に重要な役割を果たしたと語っている。「コーチ計画」が功を奏しているのだ。「いやいや、そこまではないですよ」とルカは否定し、重ねてロッシのチームが興味深いやり方をしていると教えてくれた。「ロッシがえらいんですよ。彼のおかげでチームはプロ意識を極限まで発揮している。取り憑かれているみたいにね。でも同時に穏やかな雰囲気でもあるんです。ヴァレンティーノは誰に対しても上手な語り方をするからですね。スタッフリーダーからコックに至るまでですよ。そんな風に人の気持ちがわかるんで、彼の周りもみんな彼のために全力を尽くすんです」

さらに興味深いのはルカがコースサイドで何をやっているか、どうヴァレンティーノとコミュニケーションをとっているか、どんな分析をしているかということだ。「アドバイスなんて全然しませんよ。あれをしろとか、これをするなとか言わないようにしてるんです。自分が見たものについて考えて、それを口にするんです。そうすれはあとはヴァレンティーノが自分で僕が言ったことから一番役立つことを選び取ってくれるんです。
 スクーターでサーキットを回ってコースを研究するんです。観察するんですね。あとはコースを『感じ取って』、ヴァレンティーノや他のライダーがコースとどう関わっているかを観るんです。その後しばらくじっくり考えて、このラインとかあのラインとか直感でわかるんですよ」

コーチであるカダローラが分析結果として提案するラインはヴァレンティーノのものとほとんど変わらないという。数センチ単位で右とか左とかのレベルの話をしているのだ。「もっと微妙な差のこともありますよ」と彼は言う。「ある意味『芸術的』な仕事なんです。そう言って良ければね。それがいいやり方なんですよ…。一番大事なのはヴァレンティーノと私の波長を合わせることですね。最近ではマシンもライダーも限界レベルまできていてい、1ラップで0.1秒とかそれ以下の違いしかない。つまり勝つには細かい違いが重要なんです」

ヴァレンティーノ・ロッシについてのルカの意見も興味深かった。ルカは違う世代のライダーを引用して説明してくれたのだ。「彼はフランケンシュタインみたいなライダーですね。エディ・ローソンの集中力とケヴィン・シュワンツの不思議な魅力、そしてウェイン・レイニーのように常に前よりいいライダーになって、ミック・ドゥーハンのように闘争心に溢れている。しかもティーンエイジャーのように情熱と上に行きたいという気持ちに満ちているんです」

ルカはすぐにロッシの一家に馴染んだという。「彼は本当にやりやすい相手ですよ。一緒にいて気持ちいいんです。もっと違う性格かと思ってました。彼はシンプルで穏やかで性格が良くて真っ直ぐな人間なんです」

そうだ。ロッシとカダローラのコンビは今のところ間違いなく良い意味で今シーズンの最大の驚きだ。それ以上に驚くべきは、20年もGPで走っているヴァレンティーノがさらに強くなるための手段を隠し持っていたということである。「私たちはレースがある週末にいっしょにやってるだけですよ」とルカは説明する。「残りは、アカデミーのためにミザノに行く時を別にすれば、お互い勝手にやってます」
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なんかロッシはいろいろすごいですねぇ。

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コメント

へレスのロッシの勝利はカダローラのおかげ!
それは凄い。
彼くらいになると、自分に何が足りなくて何を補えば良いのかとかが分かるんですかね。
少し前、チーフメカのバージェスを切った時は驚きましたが、そここら新しい人を迎えて強くなっていますもんね。
あの時、これは失敗したと思っていたんですが。
ただ今回の件も含めロッシとその周辺が、ドンドン巨大になっているような気がするんですが。

投稿: motobeatle | 2016/06/01 09:21

>motobeatleさん
 なんかほんとにそこらへんがすごいのですが、記事でも「ロッシ・ファミリー」って表現してるんで、要するに「ゴッドファーザー」の世界なのかもですね。

投稿: とみなが | 2016/06/03 00:54

名ライダーのいい所をミクスチャーして作られたような、という意味の例えなんでしょうねw
カダさんおっしゃる所の『フランケンシュタイン』はそういう意味で、お馴染みのつぎはぎ『モンスター』のこと指すのでしょうけれど、私的にはモンスターを作ったビクター・フランケンシュタイン博士に近いように思えますねぇ。
科学実験成就のためには自らに限界を作らない、抑制しない、情熱のすべてをいろいろな縛りや鎖から解き放って禁断の怪物を作り上げたフランケンシュタイン博士…まさにヴァレそのものという感じがします(よい意味でですよw)…あらなんかかっこいいわ。
ならホルヘは作品内ではバイプレイヤーなのにかかわらず、実際には恐ろしいほどの存在感を示すヴァン・ヘルシング博士ってことで^^

投稿: りゅ | 2016/06/03 18:34

>りゅさん
 バイプレイヤーかー…。まあロッシ様の前では全員がそうなんでしょうね。

投稿: とみなが | 2016/06/04 16:33

あ!違いますよ!
バイプレイヤーは『ドラキュラ』の中でのヘルシング博士のことです!
当然のことながらホルヘもとよりGPライダーは皆一人一人が主役です…
カダさんがヴァレをフランケンシュタインで例えられたので、ゴスホラ&モンスターものつながりでヘルシング博士を例えてみたんですけど…

書き方が悪くてスミマセン(汗)

投稿: りゅ | 2016/06/04 20:32

>りゅさん
 いやいや、ヘルシング教授、かっこいいですから!

投稿: とみなが | 2016/06/06 21:54

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