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ドヴィツィオーゾ語る。ロレンソ、アルゼンチン、そしてタイヤ

ロレンソのドゥカティ移籍発表によって、いきなりストーブリーグの焦点の一人になったドヴィツィオーゾへのインタビューをCycle Worldより。
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3レースを終えてMotoGP世界選手権ランキング7位というのは2016年のアンドレア・ドヴィツィオーゾの実力を反映しているものとは言えない。イタリア人の彼はマルク・マルケスに次ぐ2位の座を易々と確保しているはずだったのだ。しかしアルゼンチンでチームメイトのアンドレア・イアンノーネにぶつけられ、翌週にはテキサスでダニ・ペドロサにぶつけられた結果、今のようなランキングに甘んじてしまっている。この2回とも彼に責任はない。ポイントは失ったものの、ドヴィツィオーゾはこれを過去のものにして前に進もうとしている。彼は「禅」的アプローチで他のMotoGPライダーとは一線を画しているのだ。

「自分のミスでないなら自身を持ち続けることができるんですよ。カタールで2位に入っていますし、次の2レースでも表彰台に立てたはずだとと思ってます。確かにポイントを失ったのは痛いですけど自分のパフォーマンスには満足してますよ。アルゼンチンでのことはみんなわかっていますし、オースチンは運が悪かっただけですからね」

ドゥカティに乗る彼の内面をさらに理解するために我々はイアンノーネとのバトルやその他のことについてたずねてドヴィツィオーゾにじっくりとたずねてみることにした。以下はそのインタビューである。


Cycle World:アルゼンチンのテルマス・デル・リオ・オンダではアクシデントの前も後もうまくセルフコントロールしていましたが、その時は何を考えていたんですか?

ドヴィツィオーゾ:アドレナリンがマックスになっても冷静さは失わないんです。逆にいつもより合理的で冷静になれる。クラッシュしたときにもそれほど驚きませんでした。後ろのイアンノーネが最終ラップの最終コーナーで何かしかけてくるのは覚悟してましたからね。で、そうなったわけです。地面を滑りながら振り返るとメット越しに目が会いました。瞬間的に彼に向けて親指を上げて思ったんです。「いい仕事だ…」。


Cycle World:そしてすぐにマシンを起こしてゴールまで押していきましたね。

ドヴィツィオーゾ:ええ。かなり冷静でしたね。でも倒れそうになりましたよ。暑さの中でマシンを押すためにめっちゃがんばりましたからね。本能的に反応したんですけど、これが僕のレースのやり方でもあるんです。とにかくできるかぎりいい結果を出すということですね。それにわずかでもポイントを獲得できればこれが大事なものになるわけですし。


Cycle World:イアンノーネとのバトルはもう思い出になってるんですか?それともまだ心が痛みます?

ドヴィツィオーゾ:アルゼンチンでは2位になりそこねたしテキサスでは表彰台を逃しましたし、それはランキングには影響してますけど僕自身のやり方には影響してないですね。気持ちは落ち着いていますよ。ランキングでもマルク・マルケスの後ろ、そしてヤマハの前につけられるくらいのことはしているわけですしね。しかもタイヤマネジメントが今年は難しいし、ちょっとのことでいろいろ変わってしまうようなシーズンにもかかわらずです。今は前を見ていますよ。イアンノーネについて言えば、驚いてはいません。彼のことはよく知っていますから。まず体が動いて、あとから謝ってくるんですよ。


Cycle World:ドゥカティGP16のパフォーマンスには満足していますか?

ドヴィツィオーゾ:マシンは競争力がありますし、マシンをタイヤに合わせるためにみんな努力していますよ。これがポイントですね。


Cycle World:最終的にドゥカティはヤマハやホンダと同じくらいになれると思いますか?

ドヴィツィオーゾ:外から見てると答えにくい質問ですね。全体的なパッケージについて言えばヤマハが頭一つ抜け出しています。ホンダはうちより少し劣ってますね。マルクはアルゼンチンとテキサスで他のライダーの上をいって勝ちましたけど、それはコースが彼に合っていたからです。次のヘレスやルマンみたいなコースで本当の実力が判明すると思ってますし、そう願いますね。


Cycle World:ドゥカティの強さと弱さはなんですか?

ドヴィツィオーゾ:デスモセディチの強さはパワーと加速、それと電子制御のマネジメントですね。古いタイヤでパワーをコントロールするのは逆に難しいんです。だから同じペースを維持するのは難しいですね。


Cycle World:ロレンソが来年ドゥカティに移籍することが公式に発表されました。彼はふさわしいライダーでしょうか?

ドヴィツィオーゾ:実際に彼がマシンをテストするまでは予言するのはむつかしいですね。どのバイクも特性が違うんです。ヤマハはバランスがとれたマシンだし、一方でドゥカティはパワーがあって、それをコントロールするのが難しいのは誰もが知っていることです。でもうちのマシンもバランスが取れてきたし、それはサテライトのライダーの出した結果でもわかります。だからロレンソが早いだろうと確信していますよ。チャンピオンになるにはケミストリーが必要なんですけど、いろんな要素を考えるとロレンソとドゥカティは正しい組み合わせでしょう。


Cycle World:ロレンソの移籍が決まったことで来年のシート確保に関してあなたやイアンノーネにはプレッシャーがかかることになりますか?

ドヴィツィオーゾ:今以上にプレッシャーがかかることは考えられないですね。もちろんお互いにバトルして最高の結果を手にしようとするでしょうけど、それは当然のことですから。今年でドゥカティを離れなきゃならないとしたら、僕は仕事を終えないまま出て行くことになります。僕が2013年に加入したときには誰もドゥカティに乗りたいとは思わなかったですけど、去年のチャンピオンがドゥカティで乗りたいといってくれるところまで持ち直してきたんです。デスモセディチの開発に貢献できたことは僕にとってとても満足できることですし、だからこそこれほど戦闘力のあるマシンで戦い続けられないとしたら残念なことですし、同じマシンでロレンソと戦いたいとも思っていますよ。


Cycle World:ロレンソとの関係はどうですか?

ドヴィツィオーゾ:同い年だしこれまでずっと一緒にレースをしてきましたよね。同じ時期にステップアップしていますし。ヨーロッパ選手権から同じ時期にGPに来て、GPでも同じ時期にステップアップして、だからずっとお互いに直接のライバルだったんです。その後は道が別れて、彼はヤマハのMotoGPで、僕はHRCからヤマハ・テック3、ドゥカティときた。同じマシンで彼に挑むのはおもしろいことになると思います。


Cycle World:パドックではみんながあたなたいい人だし、常識人だと考えていますけど、それについてはどう思われますか?

ドヴィツィオーゾ:僕は僕であるしかないんです。自分の価値観を持っていて、贅沢したり派手に振る舞ったりするのには興味がないんです。だってもうMotoGPのワークスライダーの地位を手に入れたんですから。普通のことが好きなんです。セレブみたいに振る舞ったりしないし、他のライダーと同じように扱ってもらえなくても気にしない。自分らしくあれば満足だし、それ以上を求めたいとも思ってないんです。モーターホームを見てもらえばわかるんですけど、僕のは拡張部分もついてないちっちゃいやつなんですよ(訳注: blue Smurf without sliders ですが、こういうことでいいんでしょうか???)。


Cycle World:今年のチャンピオン候補は誰だと思いますか?

ドヴィツィオーゾ:判断するにはまだ早いですね。5〜6人の争いになるでしょう。マルケスはポイント上はかなりリードしてますし、これは有利に働くでしょう。でも現時点ではまだ彼のバイクは最高のマシンではない。ヤマハの2人、ホルヘ・ロレンソとヴァレンティーノ・ロッシもタイトル争いをしてるし、ドゥカティの2台もね。一番強いライダーの一人だとは思いませんけど、僕たちも戦闘力はありますし、表彰台に3回は載れたはずだったんですから、ポジティブに考えないとですね。


Cycle World:ドゥカティが2010年以来の勝利を飾るのはいつになるんでしょう?

ドヴィツィオーゾ:いつでもあり得ますよ。簡単なことでないのはわかっていますけど、かなりいいところまできてますし基本的な戦闘力はありますから。あとは全力でがんばって忍耐強く勝利を待つだけですね。毎レース可能性はある。予測はできないですけどね。今年はミシュランタイヤになったんで、どのコースがうちに向いているかとか机上ではわからなくなってるんですよ。去年までと比べるとタイヤの挙動が全然違うんで、先のことがわからないんです。だから僕のスタイルやドゥカティの特性に合ってなかったコースでもいい結果が出せる可能性もあるんです。


Cycle World:2016年に入ってここまでのレースでミシュランについてわかったことはありますか?

ドヴィツィオーゾ:プラクティスで最速でなくても忍耐が必要だということですかね。ミシュランだとレースで差をつけられるんです。ここまでのレースで予選で苦労してもトップ争いができることがわかりましたかた。
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こう言ってはなんですけど、「ザ・地味ライダー」ですけど、実に味わい深いですね。ペドロサとともに、幸せになってほしいライダーの一人です。

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コメント

うーん…ノネファンの方には申し訳ないけれども、
個人的にはドヴィがチームメイトになってほしい期待が強まるような^^
ジジさま、ホルヘ、ドヴィ、そしてケーシー…ちょっと心ときめくパッケージングです。

投稿: りゅ | 2016/04/30 21:32

>りゅさん
 ドヴィはスズキでも!(←実はちょっと鈴菌)

投稿: とみなが | 2016/05/01 18:46

今迄ドビィちゃんなんて勝手に言ってましたが、とんでもないですね。
マシンを押してゴールする彼に男を見ました。
語っている内容も硬派そのもの。
そして誠実。
これからはドビィさんと言わせてもらいます、

ps 誠に勝手ながら、この場を借りて りゅさんへ
いろいろありがとうございました。

投稿: motobeatle | 2016/05/02 04:40

>motobeatleさん
 かっこよかったですねえ。ほんとに幸せになってほしいです。

投稿: とみなが | 2016/05/02 21:40

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