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CRASH.netによるクラッチロー独占インタビュー

さて、開幕まであと2か月を切りましたので、そろそろ再開しますかね。
とりあえずCRASH.netよりカル様の独占インタビューを。今年もいろいろ楽しい話が聞けそうです。
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CRASH.net:こんにちはカル。オフシーズンはどうでしたか?あまりあちこちいかないですみました?

クラッチロー:ヴァレンシアの後は家に戻って2か月どこにも行かなかったんですよ!いつもならご存じの通り冬はカリフォルニアで過ごすんですけど今年は「やめとこう、マン島にずっといよう」って思ったんです。雨もkぜも強くてひどい冬だったけど楽しんで過ごせましたね。


CRASH.net:セパンに向けての話ですけど、テスト用の仕様はもうわかってるんですか?2016年型に乗れるんでしょうか?

クラッチロー:ちょっと残念なんだけど最初の2回のテストは去年型なんですよ。完全に去年型。でもそういうもんだし、仕方が無いですね。ホンダもMotoGPでトップ争いができるような仕様にすべくあっちですごくがんばってくれてるのはわかってるし。まずはダニとマルクのためにマシンを作るのがホンダの仕事だし、そうすればこちらにもメリットがありますからね。
 でも(去年型で走るのが)必ずしも悪いことだとは思ってないんですよ。僕はたいてい最初のテストではうまく走れないんだし。オフシーズンはほとんどバイクに乗らないんですよ。うちにずっといて、自転車に乗ったりして、とにかくテストまではバイクから離れるんです。
 だからセパンについて言えばあんまり問題はないですよ。テストのこなし具合をみながら考えるってかんじで脛。それでホンダが(2016年型について)方向性を決めれば僕にも渡してくれるはずだし。
 つまりそれほど悪い状況ではないってことですね。何が起こるにせよホンダが僕らやチームのためにすごくがんばってくれているのはわかってるし、また1年ホンダで走れるのを楽しみにしているんです。楽観してますよ。


CRASH.net:2016年型マシンをあなたに渡す前に万善を期しておきたいとホンダは考えているということですか?

クラッチロー:去年は2レース走った後にフレームとシートとタンクを変更したんだけどエンジンは封印されていて、むしろエンジンの方が問題だったんですよね。だから今はエンジンをいい状態にするのに懸命なんだと思いますよ。もちろんフレームやその他のパーツもですけど。一旦エンジンを封印しちゃったらシーズンを通してそれで戦わなければならないんですから。
 最初のテストから何か出してくれて、開幕戦までにもう少し良いものにして、でもあんまり間が開いてないからとか、エンジンが封印されちゃって何も手を着けられないって理由で僕らにその良くなったエンジンが手に入らいってほうが問題ですよ。
 だからこうした今のやり方でOKだと心から思ってます。ホンダが自分のところのライダー、マルクとダニについてやっている計画には全幅の信頼を置いているし、テストのプログラムも信頼してますよ。
 2015年のホンダは苦労しましたよね。マシンも本当に乗りにくかったしマルクもダニも去年ほどの結果を出せなかった。それは僕もスコットも同じですね。今シーズンスコットはドゥカティに電撃移籍して最初っから速いでしょ。
 つまり去年のホンダがいかに乗りにくかったかってことですよ。ホンダも2016年はうまくやりたいでしょうし。ちゃんとやってくれるだろうことは信頼していいと思ってます。


CRASH.net:もう新しいものも試してますよね。ミシュランタイヤと電子制御システムのことですが。

クラッチロー:ええ、3日がかりでしたね。現時点では新型電子制御に合わせていくのが難しいってわかっただけです。まだ使ってはいないけどうちのマシンでは使いこなすのがたいへんだってことはわかってます。それにタイヤもみんなに向いているわけではない。リアのグリップは良くなってるけどそれはみんなにとって同じだしね。だからもう10%リアのグリップが良くなったらそれはヤマハもスズキもドゥカティもみんな同じようにグリップが増すってことですよ。
 でもフロントタイヤの方が重要ですね。ホンダはフロントタイヤに厳しくて、ブリヂストンは「強い」タイヤだったけど、ミシュランはソフトなんですよ。だからフロントタイヤについてがんばってるってこともわかるでしょ。フロントタイヤのせいで苦労が多くなるかもしれないんですよ。
 だからいいバランスをみつけなきゃいけないし、だからホンダは方向性を決めてからそれにリソースを集中させようとしているんです。フレームやエンジンについてどっちの方向に向かっているかについては全然教えてもらってないです。わかっているのはホンダが全力を尽くしているということだけですね。でもトップ争いができるし、何があっても全力で戦うライダーをそろえているってのはいいことですよ。


CRASH.net:ミシュランになってキャラクターが変わるとおっしゃいました。MotoGPでは3つのメーカーに乗っていますがどこが一番得をしそうですか?

クラッチロー:フロントにあんまり荷重を掛けないところが得をするでしょうからスズキとヤマハですかね。
 みんなセッティングを作ってマシンもライディングスタイルも合わせていかなきゃならないんだけど、できる反意は限られています。タイヤに合わせていくのはかなり難しいですね。でもうまく合わせられれば素晴らしいタイヤになるでしょう。
 MotoGPのタイヤを供給するってのは楽なことじゃないんですよ。タイヤだけに支えられているわけだし、誰かがミスをすれば真っ先に言われるのは「タイヤが滑った」とか「もっとここでグリップが欲しいんだよ」とか「スロットルを開けたらリアが流れたんだ。タイヤの製だね」とか、いろいろ言われるんです!
 与えられるべき賞賛は決して得られない。ライダーからは文句しか言われない。だから楽な仕事では全然ないんです。ブリヂストンは素晴らしい仕事をしたし、僕はミシュランも同じようにやれると信じてます。慣れが必要なだけなんですよ。


CRASH.net:ソフトタイヤも含めてドゥカティへの優遇措置がなくなりますが、サテライトのホンダとヤマハのライダーにとってはいことですか?

クラッチロー:ええ、でもドゥカティについてはエンジンは元々すごくパワフルなわけで、それで好きにラップタイムを縮められるんですよ。コーナー脱出で0.5秒稼いでストレートでもタイムが稼げる。ウィリー防止システムがすごくいいしトルクカーブもいい。リアのグリップも良くなって今ではコーナリングも良くなっている。オールラウンドでいいマシンになってるんですよ。
 ケイシーが戻ってきたのにも悩まされそうですね。彼は速いし賢いライダーですから。歴史に残るライダーですよ。彼がテストするんですから、相当役に立つでしょうね。
 だから電子制御とタイヤのおかげで差は縮まるかもですが、戦ってる相手は変わらないんですよ。僕がサテライトチームにいた何年かは幸運にもトップ4とかトップ3でコンスタントに戦えてました。
 またそうなりたいですね。またトップに食らいつくことができたらクールですよね。毎週誰がトップ争いをするか楽しみにできる。イアンノーネは去年凄くうまくやったし、ドヴィもシーズン序盤はすごく良かった。
 僕も今年はできる限りその仲間に入りたいですね。とりあえずはそれが目標です。ポールのライダーだろうがグリッド最後尾のライダーだろうが全員を負かしたいと思ってるんです。だから何はともあれベストを尽くしますよ。


CRASH.net:今シーズンのチャンピオンは誰になりそうでしょうか?予想はいかがです?

クラッチロー:ほんとにわからないですね。現時点では宝くじみたいなもんですよ。マルクはヴァレンシアテストで最速だったけどヘレスでは全然だめだった。現時点でテストからわかるのはマーヴェリック・ヴィニャーレスがロケットなみに速いかもってことですね。ホントに速い。でも彼がチャンピオンになるとは思わないですね。
 誰かに賭けなきゃならないなら、そうですねぇ、もしホンダがすごく競争力のあるマシンを出してくれたらダニ・ペドロサですね。彼はあんまりフロントに荷重を掛けないんですよ。簡単な話ですね。それにミシュランのこともよくわかっているし。あとリスクも冒さない。マシンを早めに起こして脱出が速いんで、それほどがんばってブレーキングで突っ込まなくていいしフロントのリスクも少ないんです。
 だから僕はダニがチャンピオンの最有力だと思いますよ。もしいいパッケージが供給されればですけどね。でも他にも強い奴らがいるわけですし。例えばイアンノーネもチャンピオン争いができるかもって思ってます。
 それにホルヘやマルク、ヴァレ、ダニも去年と同じようなわけにはいかないでしょう。僕に言えるのはそれくらいですね。僕が絶対正しいってわけじゃないし。僕がそう思ってるってだけですよ。誰が来る川わからないですけど、去年とは違った形になるでしょうね。誰か新しいライダーがさっき挙げた誰かを蹴落としてトップ4に割ってはいるかもしれないしね。
 ファンやテレビを観てる人やインターネットを見てる人には今年は素晴らしい年になるでしょうね。コースでファンに会えるのを楽しみにしてるし、BTスポーツ(訳注:イギリスでGPの放映権を持つテレビ局)を観てもらえるのも楽しみにしてます。インターネットで記事を読んでもらいたいし。今年は史上最高の接戦になるでしょうからね。


CRASH.net:ヴァレンティーノとは仲良しですよね。マルクともうまくやってる。二人の家系を改善するにはどうすればいいんでしょうか?

クラッチロー:わかんないですよ。これまでもスポーツ界で最強のライバル同士が戦えばこういうことは起こっていたわけですしね。
 レースってそういうもんなんですよ。僕はずっと言ってるけど、あの事件に関しては何もコメントはないんです。僕の人生には関係ないですから。でもまあ僕はマルクとホンダで一緒ですしね。データも見せ合ってるし、ミーティングもあるし話し合いもする。だから彼がどんな乗り方をするかとか、彼の性格とかはよくわかってます。
 一方で僕はヴァレンティーノとも友達なんですよね。彼はたぶんMotoGP史上最高のライダーだし、これまで彼がやって来たことはとんでもなく素晴らしい。だからどっちの味方もしないですよ。でもどっちか選べって言われればヴァレンティーノですかね。だって世界中がそうでしょ?だからその方が身の安全が図れますからね!

CRASH.net:ペナルティポイントについてはどう思います?ルール違反への対処としてペナルティポイントがいちばんいいやり方なんでしょうか?

クラッチロー:彼らは彼らなりにできる限りのことをやったと思ってますよ。彼らが褒められることは絶対ないんですよ。僕らはいつだって文句を言うし、チームも文句を言う。ファンだっていつだって文句を言い続ける。誰かがルールを決めなきゃならないんだし、そういうもんでしょ。でルールを決める人たちがいつだって批判されるんです。
 彼らはうまくやってると思いますよ。カルメロ(訳注:ドルナCEOのエスペレータ)のおかげでシリーズはいいものになってるし。ドルナの人たちはみんな本当に一生懸命働いている。ルールを作ってペナルティポイントを科す。それが彼らの仕事なんです。まあうまくいくときとそうでないことがあるのは残念ですけどね。でもうまくやってると思いますよ。


CRASH.net:最後にひとつ。ケイシー・ストーナーについて話されましたけど、彼が今年ドゥカティでワイルドカード出場して表彰台のてっぺんに立ったら驚きますか?

クラッチロー:全然驚かないですよ。ケイシーは偉大なライダーだし、もし引退してなかったら間違いなく今でもトップ争いをしてたでしょうからね。それでもホルヘやマルクやヴァレがチャンピオンをとったかもしれないけど、ケイシーはきっと優勝していたでしょうね。
 彼はおそらくこの20年間で最速のライダーの一人なんですよ。とんでもないライダーだし、やりたかったら油症争いができると思うし、少なくとも表彰台にはからんでくるでしょうね。


CRASH.net:ありがとうカル。セパンでお会いしましょう。

クラッチロー:どういたしまして。
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相変わらずおもしろいです!

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コメント

更新ありがとうございます!
カル、いい人の中にもちょっぴりビターな味を見せるインタビューですねw
彼はよく他のライダーのことを語っていることが多いですが、よく観察しているのだなと思います。
やはり『いい人』にとどまらぬ猛禽類の目を持つ男ってことでしょうか。
今年のホンダがどうなっていくのかはマルク・ダニのみならずカルやジャックの活躍にも現れていくでしょう。
個人的にはジャックに大暴れしてもらいたいと思いますが、何しろテスト前に骨折してしまい、早くも波乱の展開を予想させる幕開けに。
まずはセパンテストですね。

投稿: りゅ | 2016/01/28 21:23

確かに面白いですね。
なるほどとも思います。
ただ、カル自身はもっと頑張らないといけないでしょう。
イロイロとチームを渡り歩いているけど、しっかりした成績を残せていないですから。
とある関係者が評価してましたが、「過大評価されているライダー」という言葉に同意するところは自分はあります。
キャラも面白いし、頑張ってほしいところです。

投稿: motobeatle | 2016/01/29 18:50

>りゅさん
 ミラーは残念でしたねえ。速く復活してほしいです。

投稿: とみなが | 2016/01/29 19:42

>motobeatleさん
 確かに一発の速さはあるんですけどまだ優勝がないんですよねえ…。とても応援してるのに。

投稿: とみなが | 2016/01/29 19:44

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