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MotoGPマレーシア:ロッシは間違ったことをしたがペナルティが厳しすぎる、とヤマハ

ヤマハのマネージング・ディレクター(チームのトップですね)のリン・ジャーヴィスも語ってくれてます。
CRASH.netより。
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セパンでマルク・マルケスと接触したヴァレンティーノ・ロッシに3ポイントのペナルティ・ポイントが科せられたことに対してヤマハが抗議を提出した理由をヤマハのマネージング・ディレクターであるリン・ジャーヴィスが語る。

2015年のタイトルの行方に大きな影響を与える今回の行為の結果、彼はヴァレンシアでグリッド最後尾からのスタートとなった。今シーズンのペナルティ・ポイントが通算4点となったのだ。

ロッシのチームメイトでタイトル争いのライバルであるホルヘ・ロレンソは今回の裁定は軽すぎると非難している。そう考えるライダーは他にもいる。にもかかわらずモヴィスター・ヤマハはチームとして抗議を提出したのである。

セパンのレース後、ジャーヴィスはこう語った。「ライダーの利益を守るのがチームの役目なんです」。そしてチームとしてはロッシへのペナルティが厳しすぎると考えているとも言った。その一方でロッシの行為は間違っていたとも言っている。

「チームとしてライダーの利益を守るのは当然のことなんです。ですからMotoGPでこうした行為をすべきでないということも充分わかった上でペナルティが厳しすぎると判断しました。そもそもヴァレンティーノは汚いことをするようなライダーではないんです。ほかの人に迷惑をかけるようなライダーじゃないんですよ。
 ですからレースコントロールの裁定の直後にチームとしてFIMに抗議を提出しました。FIMヴァレンティーノに対する聴取とレース・ディレクションにも話を聴いて、さらにマルク・マルケスとホンダからも話を聴いている。その上で期限となる45分後にFIMは決定を伝えてきました。結局却下されたんです。
 ヴァレンティーノへのペナルティポイント3点という結果はそのままでした。FIMの幹事が決定した段階ですべてが決まりです。もうこの件は終わりなんです。つまりヴァレンシアではヴァレンティーノはペナルティを科せられた状態でスタートするということになるんです」

ヤマハのチーム内の微妙な関係を気遣ってかジャーヴィスはロッシが失格となるべきだったというロレンソの意見も理解できると語っている。しかしそれ以上ではない。ひとつの意見としては受け止めるが、とジャーヴィスは言っている。この件について彼がそれ以上語ることはなかった。

ジャーヴィスが続けて話してくれたのは、この件がタイトルのかかったヴァレンシアへのロッシのモチベーションを上げることになるだろうということだ。しかしその結果がどうなるかはジャーヴィスにもまったく予想がつかないようだ。

「ヴァレンティーノのことを少しでも知っていたら、彼が再びモチベーションを上げてくるだろうってわかるでしょうね。記憶に残るようなシーズンにするためにね。まだタイトル争いは終わっていないんです。そこは忘れちゃ行けない。彼は7ポイントリードしている。スタートはとんでもなく不利なポジションからになりますけどレースでは何が起こるかわからないですから。
 彼がどれくらいポイントをかせげるかは誰にもわからない。あらゆる可能性があるんです。ヴァレンティーノが間違いなくチャンピオンになるだろうと確信してヴァレンシアにいったのにタイトルを獲れなかったこともありました(訳注:2006年の話)。何か得体の知れないことが起こったんです。
 MotoGPは本当に競争が激しいクラスでホルヘの方が勝つチャンスが多いとはいえ彼もまだ7ポイント差を追いかけている状態です。例えば二人とも転倒してゴールできなかったらタイトルはヴァレンティーノのものになるんです。まだ決まったとは全然言えないんですよ」

他の多くの人々と同様にジャーヴィスはマルケスについてロッシが木曜に語ったことへの「復讐」だったと考えいてる。「うーん…、彼のレースのやり方というか、明らかに全力でヴァレンティーノを邪魔しようとしていたことについてはどうかと思いますね」

しかし一方で彼はロッシの「まちがったやり方」がマルケスを転倒させたと悲しい気持ちになっているという。

「今日のレースはマルク・マルケスとヴァレンティーノ・ロッシの間で行われたこの2戦での激しい争いの結果ですね。フィリップアイランドを受けてヴァレンティーノはこないだのようにマルクを非難した。その結果今日はマルク・マルケスがヴァレンティーノのメディアへの発言に対して復讐したんです。
 レースを詳細に分析してマルクの動きを調べれば、彼がルール違反をしていないことはわかります。でも大局的に見れば彼のレースのやり方や全力でヴァレンティーノを邪魔しようとしていたのはどうかと思うんですよ。
 最終的にそれがヴァレンティーノを爆発させることになったんです。彼は動いてしまった。そのやり方は間違っていたとは思います。マルクをはじき出そうとしたんですからね。不幸にもマルクはインに切れ込んできてヴァレンティーノの足に当たって、それでマルクは転倒してしまったんです」

わざと蹴ったのではなく最初に接触したときにステップから足が外れてしまったというロッシの主張についてはジャーヴィスはこう考えている。「私が見ていないことだしヴァレンティーノはそう言っている。映像を見ればわかるとは思いますけどね。
 蹴るってのは普通前に向かってするものだし、彼の足は後ろにむかって動いている。ヴァレンティーノは接触してステップからポンって足がはずれてしまったと言っています。157kgもあるRCVを蹴ろうなんてまともな考えでするようなことじゃないですよ!行為自体は擁護しませんし、だから彼もペナルティを受け入れたんですけどね。レースの精神にそぐわないことをやったという裁定なんです」

ジャーヴィスはマイク・ウェブと彼が率いるレース・ディレクションが決定を下すタイミングについては正しいものだと考えている。レース中ではなかったのは問題ないということだ。タイトルの行方を左右する重大な決定打からだ。

最後に彼はロッシが木曜にマルケスに対して攻撃をしかけるような発言をするとは思わなかったと語ってくれた。

「オーストラリアのレースについての彼の考えについては知っていました。でもそれをああいう形で口にするとは思ってなかったですね。すべての事象をコントロールすることはできないんです。普通だったらライダーとのコミュニケーションは充分取れているものですし、予めいろいろ話し合っておくんです。でもヴァレンティーノはそこまで思い詰めてたってことですし、それは彼が決めたことですからね」

ロッシが厳しい非難を口にしたことの結果がこのレースとなったことについてはジャーヴィスはいささか哲学的なことを言っている「問題への対処の仕方はいろいろあるんですよ。それで何かすれば必ず何かが起こる。人生ってそういうものですよ」
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ジャーヴィスは冷静ですね。

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コメント

facetofaceでどう言ってるかはわからないけど、ジャーヴィス氏の立場なら対外的にはこの対応以外有り得ないでしょう。
 個人的に考えるに、今回のヴァレへの裁定はドルナの興業への影響に配慮した決定にしか見えません。
予想はしてましたが、何者にも偏らぬ中立性がレースディレクションの第一義であると思うだけに残念です。
マルクの行動を挑発とみなしそこが発端だとしても、ヴァレの行動は許されていいとは思えませんね・・・レース中に黒旗を振るべきではなかったかと思っています。
特にシッチの事故以来安全面においての発言力を発揮してきた彼が、このセパンで正常な判断力を見失ったことは、やはりあの事件を重く受け止めたチームメイトのホルヘの怒りをかっても当然ではないかとも思います。
 しかしすでに下された裁定には従うしかありませんし、過ちを犯したとは言え、これまでのヴァレのすべてが否定されていいとも思いません。ヴァレンシア出場を明言したそうですし、裁定を受け止めてレースに臨んでほしいと思っています。
レースは一部のトップライダーたちだけのものではありません。下位リザルトの選手たちは「いつか自分もあのグリッドへ!」と日々闘志を燃やしているのです。
その彼らにも恥じないレースをしてほしい。心からそう思います。

投稿: りゅ | 2015/10/27 23:40

同感です!

投稿: しょう | 2015/10/27 23:49

>りゅさん
 私は今回の裁定は興業と安全性と規律のはざまでこれしかなかったんだろうと思ってます。だからりゅさんの言う「興業への配慮」もあるという意見はその通りですね。ただとても難しかったろうなあとも思っていて、いまだに自分だったらどうするかということについて結論が出せてません…。

投稿: とみなが | 2015/10/28 01:35

>しょうさん
 今回は十人十色の意見でOKだと思ってます。それを肴にわたしたちは酒でものみながら騒げばいいんですよね。

投稿: とみなが | 2015/10/28 01:37

トップ、エース、チャンピオン、両雄を従えてチームを成長させる。
チームがどんなチーフを持つか、その大切さがわかります。
リンさんの人柄が見えて嬉しく思います。
翻訳ありがたく。

投稿: とんからりん | 2015/10/28 06:00

りゅさんの書き込みに賛同いたします。
そして、何より悲しいのが大勢のロッシファンが根拠無く他の選手を誹謗中傷、攻撃している事です。
ネットでも色んな意見がありますが、見ていて悲しくなるようなものが殆どで……

ジャーヴィスさんはプレスカンファレンス前にロッシの考えを知っていたというのは意外でした。
今更言っても仕方が無い事ですが、その時点でロッシにメンタルケアを受けさせていればもしかすると結果も変わってきたのではないかと思わずにいられません。

チャンピオンへの重圧、手強いライバル達、3週連続でのタイトスケジュールでの疲労、常人には及びもつかないストレスがロッシを蝕んでいるのかもしれないなどと考えてしまいます。

投稿: うっち | 2015/10/28 14:39

>とんからりんさん
 大人っぷりがかっこいいですよね!

投稿: とみなが | 2015/10/28 20:50

>うっちさん
 私もロッシはかなりまいっているなあと木曜段階で思ってました。本当にものすごいプレッシャーにさらされているんでしょうね。

投稿: とみなが | 2015/10/28 20:50

ジャービスさんは冷静だとは思いますが、プレカンでロッシがおかしなことを言った時点で、もう少し彼と対話するべきだったのではないでしょうか。
ロッシが精神的に安定してなかったことは明らかで、それを汲み上げてやれば何か変わったような気もします。
もしかして巨大な存在になったロッシに、なにか遠慮する部分はなかったのかな?なんて考えちゃいます。

投稿: motobeatle | 2015/10/30 14:25

>motobeatleさん
 大人扱いしていたら思ったより子供だったってことなのかもですねえ。

投稿: とみなが | 2015/10/31 12:17

今回のロッシの発言、行動は度を越えていました。
リプレイを何回どう見ても黒旗失格もんですねぇ、あの場面を他のライダーが見たら納得出来ないでしょうし、スポンサーも関わって来るし、審判員も含め事は重大に成りつつあります。
ヤマハもロッシの非を認めてますのでレース中に判定されていれば従っていたでしょう、ロッシ以外はすべて丸く収まっていたと思われる。
ロッシも名誉回復、汚点を残さないためにも、今後もレースを続けてもらいたいためにも、正当な判定を受けてご破算にしとくべきだった。

投稿: blues | 2015/10/31 12:25

>bluesさん
 まあヴァレンシア前にはすべて片付くといいですね。

投稿: とみなが | 2015/10/31 17:38

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