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こんなんだからMotoGPに女性ファンがつかないということなのか?

1月の人種差別に関する記事(「パドックにおける人種差別」)に続いて、こんどは女性とMotoGPについての記事を訳します。Asphalt and Rubberより。
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カタールGPを前にリニューアルされたMotoGP公式サイトを見れば、ドルナのソーシャルメディア担当チームがどれほど2015年に向けて全力をつくしたかわかろうと言うものだ。彼らはネット世界に新たな輝きをもたらしたのだ。

ロサイルサーキットで開催された開幕戦後は当然ながら私のSNSでのフィードはロッシの勝利やドゥカティの復活、そしてペドロサの辛い告白などに関する話題で埋め尽くされた。MotoGPシーズンの始まりを告げるファンファーレだ。

そのなかで私の目をひいた記事がある。内容が気になったのではない。その発信元が気になったのだ。その記事にはいかにもソーシャルメディアでクリック数を稼げそうな下世話なタイトルがつけられていた。「うちの素敵な#MotoGPガールがいなかったらどうしよう?」

問題はこれがMotoGP公式のFacebookページのタイトルだということだ。もちろん話題は女性レーサーについてではない。とほほ。

もちろんこうした記事はFacebookでも良くあるし、大手レースメディアでも相変わらず「美女とバイク」ネタを発信し続けているところもある(これについては以前も書いた:訳注:気が向いたら訳しますが、まあリンク先の写真をご覧いただければと)。とは言えレース主催者がアンブレラガールをここまで全面に押し出すことはなかった。彼女らはなんだかあられもない姿の歩く広告塔と言う理解でよろしいだろうか?MBAの先生に言わせればまあ素晴らしい投資収益率となるのだろう。

それ以上に私の興味を惹いたのはそのポストについていたコメントだ。「彼女たちがいなかったらどうしよう?」という公式サイトからの質問に対して実にまあ正直に答えてくれている。

「やっと平等になって、女性を劣ったものと考える人たちに対していい事例になるんじゃないんでしょうか?」−デビー・デニエン

「もっと平等になる?」−ドーン・ケルソ

「おや、正直言って私は彼女たちがいない方がうまく生きていける気がしますけどね」−コリーン・ウィリアムズ

そして私が一番気に入ったのはこれだ。

「さてどうしましょう…。まあやっと21世紀になるってことですかね」−エドウィナ・ハリソン

こうしたコメントを返しているのは女性だけではない(こういう反応をするとすぐに“フェミニスト”と揶揄されるのだが)。男性ファンもこの記事に対して同じように声を上げている。コース上で繰り広げられるバトルが楽しみの源であって、あられもない格好の女性が楽しいわけではないということだ。

もちろん「紳士」の皆さんからのご高説もあるにはある。何を怖れているのか常にアンブレラを手放さず、性差別主義的で同性愛差別的なコメントを声高に主張している人たちもいるのだ。

「#MotoGPガールがいなかったら#MotoGPゲイボーイを立たせればいいんじゃない?}ークリス・A・ラミレス

「どっちにしろほとんどブスだけどね」ーデレク・ポルストン

「まあオナニーは減るかな」ーマティ・ヘイル(彼のプロフィールをミルに、どうも「ビーチのビキニの研究」をしていたらしい)

そしてまた私のお気に入りをひとつ挙げておこう。

「裏口から襲う」ースチュアート・ハフトン

多くの人に受け入れられて観客を増やしたいと考えているのに、女性が男性の10分の1しか観に来ない理由がわかっていないようだ。MotoGPは自分たちの振る舞いのせいで問題を大きくしていることに気付くべきではないか。

この問題はもちろんレースに限ったことではない。バイク業界全体がそういうことなのである。馬鹿どもが幅をきかせている限り没落への道をまっしぐらということになるだろう。

しかしエドウィナも悲観する必要はない。MotoGPもバイク業界も21世紀にもっていくことができるはずだ。同じことが19世紀から20世紀になるときにも馬鹿な男どもを引きずって連れてきたのだ。

しばらくの間はドルナもこうしたファンの声には耳を貸さないかもしれないが、いいねボタンや広告リンクはあなたのような素敵な人たちがクリックすることで価値が上がることは間違いない。

洗練されたレースファンにアピールして高級ブランドが稼ぎ放題しているやり方とはずいぶんちがうものではあるが。

簡潔に言えばマールク・ムムタズ・フセインのコメントの通りなのだ。「もうそんなのやめちゃえば。そしたらMotoGPはもっとうまくいきますよ」
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キャンギャルがいなければもっと女性ファンが増えるかというと疑問ですが(もちろんいなくなったからといって観客が減るとも思いませんが)、少なくともキャンギャルに代表されるような男性優位文化を臆面もなく全面に押し出すのは時代遅れだと思いますし、もういいかげん本当に21世紀になってもいいと思いますよ。

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コメント

ケーシーの奥さんだって元々ファンだったんだし、好きな人は見に来ます。
もはや、女性客の数とは無関係だと思いますけどね。
草レースだって、男性客の方が圧倒的に多いじゃないですか。
レース参加者はもちろん、実際に(レースではなくても)オートバイに乗る女性が男性に比べて圧倒的に少ないからではないでしょうか。
そもそも、男性客も女の子目当てでGP見に来てる人ってどれくらいの割合なのでしょう?

投稿: 結石 | 2015/04/03 05:08

>結石さん
 女の子目当てで来る人はほとんどいないと思うのですが、日本以上に海外のレース現場では男臭いというか、不良バイカー臭いという面は実際あるんじゃないかと思います。つまり女性に平気でセクハラ野次を飛ばしそうに見える(実際はどうかともかく)、革ジャン・ひげ面、ビールを飲みまくって缶はそこらへんに投げて、みたいな強面イメージで語られてしまうのを「キャンギャルを許す文化」が助長しているという見方はあるかなあと。

投稿: とみなが | 2015/04/05 15:20

私が鈍いのでしょうか。
もう10年以上もてぎに行ってますが、キャンギャルを見て嫌な気分になることはまず無いです。
恥ずかしいなぁと思ったのはただ一度。
キャンギャルが自らミニスカートをチラチラめくり、男性ファンがカメラに収めていた風景を見た時くらいですね。
ロッシがヤマハに移籍して、ヤマハがどんな戦法を取ったのか、もてぎにも若い女性が増えましたよね。
新宿のトークショーも女性が多かった気がしました。
私的にはキャンギャル問題よりも、某ライダーのシャンパンファイトには閉口してしまいました。
レースクイーンの特定の場所を狙ってわざとシャンパンをかけているようにしか見えなかったからです。
そちらの方がよほど大きな問題に思えます。
性に開放的なお国柄なので、気になる方も少ないのかもしれませんが。
いずれにしろ、女性ファン動員については他の戦略が必要な気がします。
女性ファンも、もっともっと増えてほしいですね。

投稿: TOMOKO | 2015/04/06 18:21

>TOMOKOさん
 私の周りにもキャンギャル好きな女性がたくさんいるので決してTOMOKOさんが鈍いわけではないかと。
 ただやはり「性の商品化」という文脈で語られるネタのひとつには間違いないし、お書きのようなシャンパンファイトも、ライダーを含めて男性側の問題意識の無さに起因しているのかもです。
 日本はむしろバイク文化にまつわる「マッチョ感」が少ない方だと思いますし。
 でも一回試しにキャンギャルなしでやってみてもいいと思うんですよ。
 そういえばキャンギャルオンステージっていつの間にかアストロビジョンで放映されなくなってますね。これも一つの流れの中の出来事かもしれません。

投稿: とみなが | 2015/04/06 20:46

>とみながさん

海外云々につきまして。
キャンギャルそのものの歴史は分かりませんが、レースの現場においては鈴鹿8耐が起源だったかと。

自分が言いたいのは「たかだかそんな事に目くじら立てんでもええんちゃいますか?」って事です。
キャンギャルやってる女の子だって、無理やり拉致されて強要されているならまだしも、本人がやりたくてやっているわけですし。
何かただのクレーマーに見えますよ。

ちなみに、シャンパンファイトの件はむしろとある日本人ライダー(さわやかなあの人)が、もてぎで表彰台獲得した時に同じような事をやっておられましたよ。

投稿: 結石 | 2015/04/07 21:40

>結石さん
 うーん、私はキャンギャルそのものを非難したりかわいそうと言っているのではなく、キャンギャルに象徴される「性の商品化的文化」のせいで本来獲得できるファンを獲得できていないという可能性や、それ以前に「肌もあらわな女性をバイクの添え物にする」というのが、多くの女性に対して失礼になる可能性について気にしているのです。
 そもそも今の常識では、例えば「肌もあらわな女性」のポスターを会社のデスクに貼るってのは明確にセクハラと認識されるようになってきているわけですし。
 自分が男だからからこそその辺りは慎重でありたい所存。

投稿: とみなが | 2015/04/08 00:16

HONDAの方から聞いた話ですが、キャンギャルの起源は8耐。フルタンクでサイティングラップを待ってるとガソリンが膨張して漏れてしまうのでパラソルをさしてみた次第。
初めはメカニックでしたが、あまりにもムサイのでHARTレディ(HONDA active riders terminal)に頼んだのだそうです。
スタートはセクハラではなくて必要だった訳で、その後に広告屋が商売にしたのだと思います。

投稿: hidepapa | 2015/04/09 20:40

>hidepapaさん
 情報ありがとうございます!なるほどなるほど。

投稿: とみなが | 2015/04/09 21:55

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