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マルク・マルケスへのインタビュー:ロッシは僕のヒーローだった。だから彼と戦えるのは嬉しい

ペドロサがヘレス欠場を決めたり、マルケスがダートトラックで練習中に小指を骨折して手術したり(最新情報では回復の状況はよろしくて、ヘレスにはとりあえず出場できそうですね)と、なんか祟られてる感のあるホンダですが、とりあえずそのヘレスの前に、怪我をする直前に行われたマルケスへのインタビューを訳出。インタビューしたのはイギリスの一般紙(ゴシップ満載のタブロイド紙ではない、という意味)のザ・ガーディアン紙です。まあ朝日新聞くらいの位置づけだと思って頂ければ。
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バルセロナにほど近いカルデデウという村。早朝にもかかわらずマルケスは絶好調だった。MotoGPチャンピオンの彼は、かつてのアイドルであり現在はライバルであるヴァレンティーノ・ロッシと今年スポーツ界で最高と称されることになるかもしれない争いの真っ最中である。MotoGPに昇格した年から2年連続でチャンピオンを獲得したマルケスと、6度のMotoGPタイトルを獲得しているロッシはの二人は、どちらもその輝き、カリスマ性、議論を巻き起こす走り、そしてドラマ性で並び立っている。

去年のマルケスはロッシに35ポイントの差をつけてシーズンを終えた。しかも彼は開幕から10連勝を飾ったのである。しかし今シーズンは様子が違う。22歳の天才スペイン人である彼は、今年は36歳のザ・ドクター、ロッシに30ポイントの差をつけられてしまっているのだ。ここまでの3戦でロッシは2勝、マルケスは1勝。先のアルゼンチンGPではラスト2ラップというところで両者接触の末、マルケスが転倒している。この日曜に行われるスペインGPで同じ魂を持つ二人のバトルはさらに激しさを増すに違いないと思われていた。

ところがである。先週の土曜、このインタビューの翌日にマルケスは左手の小指をダートトラック・トレーニングの最中に骨折してしまっている。チタンプレートを埋め込む小手術を行ったおかげでヘレス出場の可能性も出てきた。左手の小指であればライディングにはそれほど支障はないとマルケスは主張しており、レースで戦える力は充分あると考えているようだ。

カルデデウに現れたマルケスはおもしろくなるほど小さな100ccのマシンから飛び降りるとグローブとヘルメットをはずし、自分がクールに見えることを確かめるかのように髪をかき上げてみせた。そして駆け寄るファンににっこりと微笑みかける。若い女性や中年の男性が自撮りをしているのをかきわける。

彼らのヒーローと一緒にカートコースを走る権利を勝ち得た者もいた。マルケスは毎レース後ろからスタートして、トップを走るアマチュアに追いつくと、必ずその一般人にチェッカーフラッグを譲っていた。もうバイクに乗るのではなく杖をついて歩いた方が良いだろうという年老いたバイカーまでもが若い娘がするように写真をねだる。マルケスはいつものように彼らの肩に片腕をまわし、もう一方の腕で親指を立てて、そして輝くように微笑んでくれる。フェンスの向こうでファンが彼の名前をコールすると、マルケスは彼らの元に駆け寄り、フェンスにのぼってファンの方に身を乗り出し、彼らの携帯写真に写ってあげる。

我々は結局ルーフテラスに逃げ込むことになった。私がマルケスにそれを提案すると、彼はまたしてもにっこり笑った。心の奥底では見知らぬ人の熱狂的や自撮りに疲れ切っていたに違いない。まるでアイドルグループから脱退したかのようにほっとした表情を見せた彼はしかし知性に満ちている。それは彼のその時の答えを聞けば明らかだ。「もちろん注目を集めすぎるのは本当に辛いですけど、みんなが応援してくれるのも感じることができて、それは最高なんですよ。スペインにいたらそういうことになるんでんです。みんな熱狂的だし、情熱を傾けてくれる。イタリアでもフランスでもアルゼンチンでもそうですけどね。ファンがいるから速く走れるんです。そこはわかってますよ」

マルケスは「傲慢」だとか「鼻持ちならない」とか言われることもある。若く金持ちで、とんでもなく才能豊かだからだ。しかしインタビューを受けてくれた彼は終始魅力的でしかも実に深く考えている人物だった。しかも彼はMotoGPよりも人気のあるスポーツはサッカーだけであるスペインで、税金逃れをしていると彼を非難する人々に対してもまっすぐに対峙している。そうした人々の思い込みによる非難に彼が辛い思いをしているということも言っておこう。

イタリアにおけるロッシの立場は少し違う。同じように批判も受けているし絶頂期に税金逃れで多額の追徴を受けているものの、イタリアでは誰もが彼を愛している。まあそうした複雑な話題に立ち入る前に、まずはマルケスがロッシに憧れていた時の話をしよう。

マルケスは語る。「僕が小さかった頃、ヴァレンティーノ・ロッシのマシンの模型を部屋中に飾ってたんです。大ファンだったんでうしょ。バイクに乗っている姿も好きだったし、降りてもかっこよかった。ヴァレンティーノみたいになりたかったんです。僕のヒーローで、だから彼と戦えるなんて本当にうれしいんですよ」

マルケスとロッシはレースのスリルと同じくらいにどちらもバトルが好きだ。「ほんとうにそうですね」とマルケスは言った。「ヴァレンティーノと僕は同じメンタリティを持ってるんです。バトルしてるとレースが楽しくなるんですよ。バイクに乗っていて一番素敵なのは誰かを抜くことなんです。そして勝つこと。だから今年は面白いシーズンになると思いますよ。ヴァレンティーノもいい状態だし、僕もいい状態でシーズンを迎えられた。それにドゥカティも上り調子ですしね」

マルケスの才能が底なしなのは間違いない。しかし彼がMotoGPで勝ちまくっているのはホンダのおかげではないかと疑う者もいる。ヤマハが差を詰めてきた今シーズンがマルケスの正念場となるだろう。アルゼンチンではマルケスが序盤に稼いだ大きなリードを着々と縮めていくロッシの魔法に相当なプレッシャーを感じていたはずだ。彼らは2回ほどポジションを入れ替え、そしてヘアピンで左コーナーに向けてマシンを右に振ったロッシのリアにマルケスが接触してしまう。そしてかなりのスピードで転倒した彼は、結局ロッシに勝利を譲ってしまったのである。

「ソフト側タイヤについての戦略が違ってたんですよ」と言ってマルケスは肩をすくめた。彼は自らが間違っていたことを認めたのである。いろんな理由があるんですけどうちのマシンはハード側タイヤではうまく走れないんです。ハード側だとせいぜい表彰台狙いって感じだったんです。それで僕の考えは変わらなかったんですよ。勝ちたかったんです。だからソフト側でいくことにしたんです。残り2周まではそれでいけたんですけどね…。でもヴァレンティーノは僕より速かったんですよね、結局。それでも彼に勝とうとしたんです」

マルケスは両腕を広げて微笑んだ。その様子はまるでいたずらを見つかってしまった子供のようだった。「僕はいつでも勝ちたいんです。『2位でいいや』なんて絶対思わない。でもいろいろ替えていくべきところはあるし、それができると思ってるし、そうすればレースでもうまく対応できるはずです」

マルケスがこんなことを言うのは初めてではなかろうか。表彰台を確保する方が無謀な勝利を目指すことより良いということである。これまで彼は何度も勝利に対して無謀な挑戦をしてきたし、実際その挑戦は何度も報われてきたし、これからもそういうことは起こるだろう。しかし生まれ変わったロッシがその前に立ちはだかっているのだ。ヘレスではそのプレッシャーに耐えられるのだろうか?

「それほどプレッシャーは感じてないですね。30ポイントも離されちゃってるんで、あとはより速く走ってとにかく勝つだけですから。30ポイントだろうが80ポイントだろうが離されてることには変わりないですからね。勝たなきゃならないってことなんですよ」

タイトル争いが白熱してきたら、現時点では良好なロッシと彼の仲は冷えていくのだろうか?「いや、そうはならないと思いますよ。そうならないといいと心から思ってますし。でももちろんタイトル争いを最後までするようになったら、もっと緊張感が出てくるでしょうね。でも去年はヴァレンティーノの私設コースに行ってますし、僕らは仲良しですよ」

他のライダーとの関係はそれほど良好ではなさそうだ。ヘレスと言えば彼の最初のホームグランプリでのホルヘ・ロレンソとの接触を思い出さずにはいられない。しかもその接触はロレンソコーナーと名付けられた場所で起こったものだ。史上最年少のMotoGPタイトルを目指すマルケスに対して、ロレンソは2010年と20112年のチャンピオン。マルケスより5歳歳上の彼はリスクを怖れない新参者とレースをするのを嫌がっていた・実際ロレンソはマルケスを嫌っているのだろうか?

「タイトル争いをしていたわけだし、緊張関係はありましたよ」とマルケスは語る。「まあ友達とは言えないですね。一緒に食べたり呑んだりはしないですし。良い関係とは言えませんよ。でもそれでいいんです。僕らはプロですから」

マルケスが苦渋を味わったのは2011年まで遡る。Moto2参戦初年度となったその年、マシンの性能は拮抗しており、彼は1ポイント差でタイトルを逃したのである。「きつかったですけど、6レース終了時点で僕は83ポイント差をつけられていて、それでもタイトル争いに持ち込めたんです。でもマレーシアでひどいクラッシュをしてしまった。ありえないクラッシュでしたね。プラクティス初日だったんですよ。1コーナーの進入で、そこだけウェットだったんです。普通ならフラッグが出てるはずだったんですけど、4台も転倒したんです。
 その後5か月、ずっとものが二重に見えていた。辛かったですよ。お医者さんは『できる限りのことはするけど、mレースを続けられるかどうかわからない』って言い続けてたんですから。本当に心配になったし、へんな気分でしたね。痛みは全然なかったんです。でも眼を開けるとものが二重に見える。それでリスクがあることはわかってたけど手術をすることにしたんです。それでうまくいったんですけどね」

マルケスのMotoGPマシンの乗りこなし方は誰にも似ていない。バイクジャーナリストのマット・オクスレイの記事を是非ご覧いただきたい。オクスレイはマルケスについてこう書いている。「マシンを暴れさせ、フロントタイヤもリアタイヤも路面にくっきり跡をつける。まるでSOSのモールス信号のようだ。トップに立つと腕、足、背中の筋肉は収縮・弛緩を繰り返し、上体はは右から左へとめまぐるしく移動する。繊細な、しかし猛獣のような動きである。マルケスはバレエダンサーとレスラーの間のどこか中間にいるのである」

現在は影で欠場中の彼のチームメイト、ダニ・ペドロサはマルケスを評してこう言っている。「マルクはいつでも限界で走ってるんです。すぐにでもクラッシュしそうな走りを続けているのにクラッシュしないんですよ」

マルケスはその微妙なバランスを取るために膝だけでなく肘まで使っている。びっくりするような話だが、彼が使っているのはプラスチックではなくマグネシウム製のエルボースライダーだ。「みんな相当驚いたみたいですね」とマルケスは言う。「僕がやり始めるまでは誰も肘を使ってなかったですからね。いまじゃあみんなやってますけど。信じられないですけど、サーキットに行くと子供も肘を擦ってたりするんです。あと7年もすれば方やヘルメットまで擦り始めるかもですよ!レースを楽しんでるときは上手くバランスが取れるんですよね」

さすがの彼でも、自分がアンドラに移住するのはスペインの重税を逃れるためだと非難された上に、彼への支援を止めるようにと5万人が署名した嘆願書がスポンサーに提出されたのはこたえたようだ。「辛かったですし、何より最悪だったのはみんなが何も知らないまま言いたいことを言ってたことですね。僕のことを悪く言ってたけど、単にアンドラに家を買って、ちゃんと手続きをしたってだけなんです。この4年間シーズンオフにコンディションを整えるためにアンドラに行ってるんですよ。それまではホテル暮らしだったんですけど、家を買うことにした。それだけなんです」

アンドラに定住するという話は嘘だということだろうか?「嘘ですよ。今でもスペインに住んでるんだし、それは変わらない。まだ税金も払ってますよ。もちろん将来はどうなるかはわからないですけどね。5年前に今の自分の状況なんて想像でもできなかったわけですし」

マルケスが移住する可能性もあるのかもしれない。他の多くのライダーが税金の安いスイスに住んでいる。とは言えこの話についてはマルケスは記者会見で涙を流しているということも忘れるべきではないだろう。「あの時はものが二重に見えていた時のことを思い出しちゃって、移住ネタも本当に辛かったですけど、怪我のことを考えたら耐えきれなかったんです。走り方もまだ学んでいますけど、人生もまだまだま学ばなければならないことがありますね。まだ22歳だってことも思い出さなきゃですよ。人生まだまだ勉強ですよ」

会ったこともない人にいろいろ推測された上に評価されることにも慣れなければならないようだ。「もう少し違う状況だといいなと思うことはありますよ。でも今の状況には満足してるんです。子供の頃に夢見ていたことですからね。サーキットでのことは夢見ていたとおりです。でもサーキットの外で何が起こるかはわかってなかったですね。昔の友達とは相変わらずですけど、人生はずいぶん変わってしまいましたね」

そう言ってマルケスは若い男の子らしい笑顔をもう一度見せてくれた。しかしロッシを破って三連覇ができるかと尋ねると彼は即答した。「もちろんですよ」と言ってからしばらく考えた後、こう言ったのだ。「ポイント上で不可能になるまでそう信じ続けるでしょうね。でもヴァレンティーノは相当覚悟してるはずです。これが彼の最後のチャンスかもってね。だから最後まで彼と戦い続けることになるでしょう」
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いいインタビュー!インタビュアーによって何が引き出されるかが違うって好例ですね。

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2015アルゼンチンGPまとめ:ロッシ vs マルケス、なぜ「専門家」を信じてはいけないかについて

ことによったらここ10年くらいのMotoGPベストバウトかもしれないアルゼンチンGP。誰もがいろいろ語りたくなっているらしく、MotoMatters.comも長文です。がんばって訳すよ。

あ、あんまり長いんで最後まで読んでもらえかもしれないかもですから、ここで忘れないように書いておきますが、現在MotoMatters.comは資金集めをしています。資金集めサイトはこちら。右の「Donate Now」ボタンをクリックして、金額(現在レートで1ユーロ130円くらいです)、名前、e-mail、国、郵便番号、クレジットカード番号、有効期限、セキュリティコードを入力するだけです。皆さま是非!
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プロの専門家など決して信じるべきではない。我々のようなライターやレポーター、予想屋、コメンテーターはことあるごとに自分の専門分野についての見解を述べようとする。努力して集めた豊富なデータのせいで専門分野のことならなんでもわかってると思い込んでいる。だからこそ我々(ここで言う「我々」とは私一人のことではなく我々全員がということだ)は読者にあらゆることを語ってみせる。曰く「ケイシー・ストーナーはドゥカティでレース復帰することになっている」。曰く「ヴァレンティーノ・ロッシがレプソルホンダに加入が決まる」。曰く「ケイシー・ストーナーは引退しない」。曰く「ダニ・ペドロサが引退するだろう」・・・。

あなたが読んでいるこの記事を書いている私も同じだ。2013年、ヤマハに戻ったばかりのヴァレンティーノ・ロッシについて私は彼はもう終わりだと書いた。彼は34歳で、運動神経はすでに下り坂で、せいぜい世界で4番目くらいのライダーだと断じてみせたのだ。コンディションや周りの状況に助けられでもしない限りもう彼がレースに勝つことはないだろう。そう確信を込めて書いた。彼が終わりだと書いたのは私だけではない。そしてロッシは去年のミザノでそう書いた全員が間違っていたということを証明してみせた。そして迎えた2015年シーズン。3戦が終わって2勝したのはロッシである。そしてランキングトップもロッシである。

アルゼンチンのレースの後、専門家を称する連中は誰もがしめしめと思っていた。「ヴァレンティーノ・ロッシとマルク・マルケスについて分析して、彼らが何を考えていたか推測して、さも知っているかのように彼らの考えを描き出してみよう」。ロッシに抜かれたマルケスが、彼を抜き返そうと思っていたことは間違いないとか、マルケスはルーキーじみたミスを犯したとか、ロッシはついにマルケスの心を支配したとか、まあ自分なりの説を開陳してみせるのだ。何を書いてもそれが否定されたりチェックされたりすることはない。それができる世界でたった二人の男は他にやることがたくさんあるのだ。生きるためにレースをするとかMotoGPのタイトルを目指して戦うとか、まあそういうことなのだが。

何が起こったのかまとめてみよう。2人のライダーが残り2ラップというところで接触した。ファンの記憶に残る一瞬である。しかしそこに至るまでの過程こそが語るべき物語なのだ。その物語は金曜から始まっていた。ブリヂストンが持ち込んだ新型タイヤにライダーが順応しようとしてたときの話だ。昨年初開催となったテルマス・デ・リオ・オンダの常識外れのタイヤへの攻撃性に耐えられなかったことを反省して、ブリヂストンはタイヤの組み合わせを変えてきたのである。ホンダとヤマハ用に左サイドにより固いコンパウンドが採用された新型エクストラハードを用意したのだ。序盤でのフィーリングは劣るものの、レースディスタンスを通じて高い耐久性を持っているタイヤだ。

さらに重要なことは、ライダーがレースを走りきれる2種類のタイヤを選べるようになったことである。たいていは選択肢は明らかであり、誰もが同じタイヤをチョイスすることになる。これを問題視する向きもあるが、実際にはブリヂストンがサーキットにマッチするタイヤをきちんと用意しているということなのだ。ブリヂストンに対する良くある苦言はこうだ。「いい製品にもほどがある」。おかげでライダーにもマシンにもとてつもない能力が要求されてしまうということである。

アルゼンチンでブリヂストンがやってみせたのはその評価/苦情を倍にするということだ。2種類のタイヤがどちらも良かったのである。ハードタイヤはレースディスタンスをこなすことができる上、序盤にかなりの速さを出すことができるが、それでも後半はたれてくるというものだった。そしてエクストラハードは序盤のグリップとフィーリングを犠牲にしてはいるが、レース後半になってもペースが落ちないというものだった。結果、マシンとタイヤの相性の違いが選択の違いに直結することとなった。コーナリングスピードを重視するヤマハはタイヤエッジの耐久性を重視してエクストラハードを選択し、一方のホンダはマシンを早めに起こすことでグリップを確保しているためハードタイヤでいいタイムを出せたのだ。ホンダとしてはエッジグリップはそれほど重要な要素ではなかったのである。

パズルの最後のピースは路面温度だった。路面温度が高ければホンダもエクストラハードを使ったろう。そして路面温度が低ければハードタイヤが正しい選択となる。レース当日、スタートとなる16時時点でも路面温度は刻々と変わっていた。低かった路面温度が上がっていったのだ。誰もがマルク・マルケスに注目していた。どんなタイヤを選択するのか。サイティングラップではエクストラハードを履いていた。しかしこれはライバルを惑わせるためだったろう。グリッドにマシンが戻るとホイールが交換された。しかしタイヤウォーマーに覆われたタイヤがどちらなのかはスタートの1分前にウォーマーがはずされるまではわからないままだ。

マルケスの策略に惑わされたライダーもいたかもしれないが、ヴァレンティーノ・ロッシには全く影響がなかった。彼も彼のスタッフもエクストラハードしか選択肢が無いことをわかっていたのだ。他のライダーが何をしようが関係ない。レース後のロッシはこう言っている。「マルケスのことを全く気に賭けていなかったのがポイントでしたね。自分のことしか考えてなかったんです。レースディスタンスを通じてタイム落ちが少ないタイヤを使うことしか考えてなかったんですよ」。中盤に沈んでしまった予選結果を考えるとスタートも大事だった。そしてロッシのスタートダッシュは見事だった。しかしドゥカティのアンドレア・イアンノーネに1コーナーではじき飛ばされ8番手にまで落ちてしまう。

その後の展開はライダーのタイヤ選択通りになった。マルク・マルケスは明らかにトップスピードで劣るスズキのアレイシ・エスパルガロをバックストレートで抜き去ってトップに立つ。カル。クラッチローがそれに続く。彼の戦略はハードタイヤで稼げるだけのアドバンテージを稼ごうというものだ。モヴィスター・ヤマハのホルヘ・ロレンソとヴァレンティーノ・ロッシはエクストラハードのアドバンテージが発揮できるまでは耐えるしかない。ロレンソは理想的なスタートを切って2番手につけたが、しかし赤いラインが入ったハードタイヤを履くホンダとドゥカティの軍団に飲み込まれてしまう。

その後は凋落の一途だった。序盤ではチームメイトがすぐ後ろにつけているだけで、他のライダーははるか後ろにいたのだから、なにがあっても順位を一つ落とす程度だったはずだったのだ。しかし彼はトップのペース、そしてロッシのペースについていけなかった。ロレンソはタイヤを使いこなせなかったという以外の明確な説明はしていない。「ホイールスピンしたらどうすべきか全くわからないんです。ヴァレンティーノみたいに乗れないんですよ。彼は本当に信じられないようなレースをしてみせましたね」。ロレンソの目標ははっきりしている。「また速くはしれるように学習しないといけないんです。また速く走れるようになれば表彰台争いもできるだろうし、優勝も視野に入ってきますから」とロレンソはスペインのメディアに語っている。

今のロレンソは自信を喪失しているようだ。身体的にはいい状態で、マシンも速い。かつての速さを一瞬見せることもある。ヘレスかルマン、つまり彼が得意なサーキットで良い結果を出せればまた復活するだろう。アルゼンチンではタイヤ選択が状況を複雑にしていた。ロレンソも、そしてスミスも、ハードでもエクストラハードでも使えるという状況が迷いの元になったと謂っている。ロッシは選択を終えてレースに臨んでいた。タイヤ選択を早めに終えたことでいい結果が出せたのだ。ロレンソも同じようにしていたら結果は違っていたかもしれない。

レース中盤にはタイヤ選択の結果は明らかになったように見えた。マルケスは安全圏に逃げ、あとはギャップを調整しながら走るだけで良いというところまで差を広げていた。そうなってからやっとロッシのタイヤが機能し始めたのだ。タイヤが滑るようになるとロッシはいい感じで走れるようになった。スタートで出遅れると、彼の目標は2位を確保してチャンピオンシップのためにできる限りのポイントを稼ぐことになったのだが、アンドレア・ドヴィツィオーゾに1秒の差をつけ、しかも4秒あったマルケスとの差が思いの外早くつまり始めたのに気付くと、違う展開が見えてきた。

「アルゼンチンではマルク・マルケスは最初これくらいにしか小さく見えなかったんですけど、どんどん、どんどん彼の後ろ姿が大きくなってきて、ことによったら最終ラップで追いつけるんじゃないかと思い始めたんですよ」とロッシは言っている。彼の予想は外れた。ロッシがマルケスに追いついた時点でまだ3周も残っていたのだ。そしてロッシは最初のアタックを開始する。ロッシは常にマルケスのお手本だった。マルケスはロッシから多くのことを学んだと常に言っている。マルケスが学んだことのひとつに「もし誰かが自分を抜いたら、絶対すぐに抜き返せ。そうすれば相手のリズムは崩れるし、相手の自信も粉々に打ち砕ける」ということがある。良い流れを自分に引き寄せること、自信を持つこと。それがレースのすべてである。そして自分の思うように流れを作ることができればレースを支配することができる。

ロッシがマルケスを抜くと、すぐにマルケスは抜き返す。彼はロッシを1周は抑えたが、ロッシが再び抜き返すのは時間の問題だった。それでも耐えたマルケスは、しかしストレートエンドではらんでしまい、右の5コーナーへの進入でロッシにブレーキングで抜かれてしまった。そしてヘアピンの後半でロッシのインに強引にねじ込むが、ロッシのラインの方が有利だったせいで、結局マルケスは遅れを採ってしまう。そして左6コーナーの倒し込みがやってくる。

その後に起こったことはややわかりにくい。これが別のライダーの間で起こったことなら、それともマルケスかロッシのどちらかが別のライダーだったら、この接触転倒事件は別の展開を見せることになっただろう。しかしマルケスもロッシもオーバーテイクの達人で、そう簡単には抜けないライダーで、そしてどちらも他のライダーでは思いもしないようなリスクを冒すことができる。マルケスの方が問題視はされていた。Moto2時代の他のライダーをはじき飛ばす彼のやり方には悪評がつきまとっていた。MotoGPに昇格してからはずいぶんおとなしくはなったが、それでもリスクを冒す誘惑には抗しきれないことが何度もあった。

ロッシも議論を巻き起こすような走りを何度もしているが、それでもまだマルケスよりはましだと思われている。もちろん隙を見つけたらそれを逃すことはないし、あえてリスクを冒すのも厭わない。接触も怖れてはいないのはこれまでの彼の走りからも明らかだ。ヘレスでのセテ・ジベルノー、もてぎでのホルヘ・ロレンソ、ラグナ・セカでのケイシー・ストーナー。彼らは皆、ロッシに煮え湯を飲まされている。しかしマルケスに比べたら、わずかとは言えロッシの方が無謀ではないと言えるだろう。燃え落ちた車の横にマッチを持って立っているのがマルケスなら、ロッシは自分が車を燃やしたかどうかは別として、放火が発覚したときに火のついたマッチを持っているが自分ではないように周到に立ち回るタイプなのである。

つまり何が起こったかについては推測の域を出ないということだ。5コーナーを立ち上がったロッシは左にマシンを切り返し、6コーナーに向けてマシンを走らせる。そしてマルケスが来るだろうと予測するかのように一瞬後ろを振り向く。マシンを左に倒し込みコースを横切ると、マルケスのフロントホイールと接触する。マルケスのRC213Vのフロントは地面から離れ、直後にマシンはマルケスを置き去りに路面を滑っていった。マルケスはすぐに立ち上がるとマシンにもの凄い勢いで駆け寄り、レースに復帰しようとするが時既に遅し。エンジンは止まってしまっており、結局マルケスはキルスイッチに手を触れることになる。

ロッシはマルケスを見ていたのか?それを知るのはロッシだけだ。プレスカンファレンスでは見ていなかったように言っていた。ロッシはわざとマルケスのラインを邪魔したのか。前を走っているロッシがそうしたところで非難される筋合いはない。後ろにいるバイクが安全のために避けるのは当然だ。ロッシはもちろんマルケスが次のコーナーで仕掛けてくることはわかっていたはずだ。自分も抜かれたときに反撃しないことはないからだ。おそらく彼はマルケスがブレーキングでインにねじ込んでくると予想したのだろう。プレスカンファレンスでロッシはこう言っている。「スロットルを開けて加速したんです。次のブレーキングで少しでも差をつけておきたかったんですよ」

5コーナーからのロッシの立ち上がりラインは通常のラインではなかったのだろうか?そうとも言えない。序盤ではホルヘ・ロレンソが全く同じラインを走っている。6コーナーに向けて切り返すラインがそうなっていたのだ。クラッシュの直前のラップでもロッシは同じラインを走っている。6コーナーの進入がわずかにワイドになっていたのだ。さらに言うなら、マルケスと最初に接触した時、ロッシのマシンはかなり振られているのだ。つまり自分のラインで走っていたときほど自由度が無かったとも言えるのである。

ではあのクラッシュはマルケスの失敗だったということなのか?これについては二つの側面から語るべきだろう。長期的、つまり1レースの話ではなくチャンピオン争いという意味では、その通りかもしれない。マルケスは無理をしなければ2位に入って20ポイントを確実に手にしていたはずだ。しかしそれはマルケスの性格を考慮すればあり得ないことだろう。「マルクは優勝か転倒かというライダーなんですよね」とロッシは指摘している。そして今回は転倒に終わってしまっている。とは言え、マルケスがこれほどまでにリスクを冒すライダーでなかったら、2回もチャンピオンになっていないだろうし、記録に残るライダーにもなっていなかっただろう。

一方短期的な視点、つまりレースに勝つことだけを考えれば、これはいつものマルケスのやり方であり、彼が5コーナーでロッシにプレッシャーをかけながらロッシの後ろについて、6コーナーから7コーナーで仕掛けるという手もあったはずだ。マルケスは最後の2周、ロッシについていけると考えていたはずで、つまりは戦えると考えていたということだ。「最後の2ラップはいいペースで走れると思っていたんですよ。だからタイムを上げていったんです」とマルケスはスペインのメディアに対して語っている。ラップタイムがその言葉を裏付けている。21周目、マルケスは1分39秒3で走るロッシに互して1分39秒4で走っているのだ。そして23周目のロッシのタイムが1分39秒2だったのに対してマルケスはやはり1分39秒4で走っている。残り2ラップ。接近戦であることを考えればマルケスが勝てる可能性もあったのだ。

とは言え客観的に見ればマルケスが間違った判断をしたということになるだろう。5コーナーで仕掛けたせいで、マルケスはロッシの死角に入らざるを得なかった。ロッシの右後ろについてしまったのだ。ロッシが走りそうなライン上に行ってしまったのである。そしてトップを守りたいがために、その後の反撃で挽回するという選択肢を捨ててしまったのだ。マルケスのフロントホイールは必然的にロッシのリアホイールが来るべきところに行ってしまう。つまりマルケスは負けざるを得なかったと言うことである。サイコロを振ったのはマルケスであり、出目が1のぞろ目だったことについて彼が文句を言う筋合いではないのだ。

マルケスはどちらのせいでもないという慎重な立場をとっている。しかし彼がスペインのメディアに語ったところでは、ロッシに責任はないと考えているわけでもないようだ。何が起こったのかという質問に対してマルケスはこう答えている。「テレビで見た通りですよ。見ればわかるでしょう。ヴァレンティーノは本当にヴァレンティーノなんです。彼はいつでも僕のお手本で、いつでもいろいろ教えられてますよ」。ロッシが悪いのかどうか聞かれたマルケスはそれをはっきりと否定している。「いや、そんなことはないですね。まあこういうことはレースで起こるものですしね。何かを学んで次のステージに行くんですよ。レースでバトルしてれば起こることです。いつでも勝てるというわけじゃない」

では悪いのは誰か?マルク・マルケスなのかヴァレンティーノ・ロッシなのか?実際にはどちらでもない。接触するようなところにマシンをもっていったのがマルケスだとしてもだ。レースディレクションがこの件を審議してるが、結局レーシングアクシデントだっという判断をしている。我々のような立場だとドルナの提供する映像(それでも前、後ろ、ヘリコプターという3つのアングルから撮っているという素晴らしいものだが)から判断するしかないのだが、レースディレクションは他にも使える映像を確認しているのだ。サーキットの固定カメラや、焦点が合わなかったり一瞬しかとらえていなかったりドルナの他のカメラがあるのだ。マルケスもロッシも聴聞に呼ばれることもなく、ペナルティポイントも科せられなかったことがすべてを物語っているとも言えよう。

かつてのライバルを打ちのめしてきたように、ロッシはマルケスも打ちのめしたのか?それはないだろう。ロッシが心理戦の名手だというのは過大評価なのだ。彼はコース上ではもの凄い才能を発揮するし、だからこそライバルの心を折ることができるのである。付け加えて言うなら、マルケスをこれほどまでのライダーにしたのは彼自身の心の強さでもあるのだ。彼のメンタルの強さを疑うのであれば2013年のフィリップアイランドを思い出すべきだ。スタッフのミスでピットストップを余儀なくされて、結局失格に終わったにもかかわらず、1時間後にはいつも通りの心理状態に戻り、最終的に初のタイトルを獲得したのである。これで足りなければ2011年のセパンのクラッシュで負った眼の怪我のせいで引退直前まで追い込まれたことも思い出してみよう。これに比べれば1回の転倒など些細なことにすぎない。

ロッシとマルケスの間で起こったクラッシュはチャンピオン争いにはいいスパイスとなった。誰もがもう終わりだと思ったヴァレンティーノ・ロッシが3戦中2勝を挙げてランキングトップに立ち、勝てなかった1戦でも表彰台に立っている。10度目のタイトルも視野に入る勢いだ。トップスピードには劣っていてもヤマハが勝てるマシンであることを証明した。ヨーロッパラウンドに入ればロッシが得意なサーキットがたくさん待っている。シーズン中盤までにリードを確固たるものにする自信もあるだろう。シーズン前にチャンピオン候補に挙げられていたホルヘ・ロレンソとマルク・マルケスの二人はロッシにそれおれ29ポイント、30ポイントという大きな差をつけられてしまった。ロレンソに至っては未だに表彰台に昇っていないというありさまで、マルケスは2回のレースで2回の大きなミスを犯している。流れは間違いなくヴァレンティーノ・ロッシに傾いている。

ロッシを脅かす最大の存在がアンドレア・ドヴィツィオーゾだというのも中々味わい深い。ドヴィツィオーゾは開幕からの3戦ですべて2位に入っており、ロッシの66ポイントに対して60ポイントを稼いでいるのだ。去年、ジジ・ダリーニャの努力によって開発が進んだドゥカティを見事に花開かせている。そしてGP15自体も今年は開幕から驚くほどの戦闘力を見せているのだ。そのエンジンパワーはホンダに匹敵し、ハンドリングはヤマハと堂々なのだ。もしドゥカティがエクストラハードタイヤを使うことになったらドヴィツィオーゾとイアンノーネの順位は違ったものになるかもしれない。ヤマハやホンダと互角に戦うためにドゥカティに与えられた優遇措置が優遇措置ではなくなり始めている可能性はある。とは言えドゥカティの内部スタッフは大して気にしていないだろうと私は考えている。彼らは成功を待ち望んでいるのだ。

ではドヴィツィオーゾはロッシとタイトル争いができるだろうか?マシンにはまだ改良の余地はあるが、不可能な話ではないだろう。ロッシに注目が集まっている隙にドヴィツィオーゾは努力を続け、考え、チャンピオンを獲るための走りをするだろう。彼がこれまで積み上げてきたことに思いを馳せれば、勝利はそう遠くないものだと言えそうだ。

誰もがトップ争いに眼を奪われていたせいで、テレビには素晴らしい3位争いが映らなかったのは残念だ。激烈な接近戦の上、カル・クラッチローがアンドレア・イアンノーネを下して表彰台に昇ったのだ。LCRホンダに移籍して3戦目で表彰台を獲得した彼は意気軒昂である。3年で3メーカーを渡り歩き、しかも昨年のドゥカティでは辛酸をなめたことを考えればこの結果は賞賛に値する。彼と一緒に表彰台に昇ったのが元チームメイトのアンドレア・ドヴィツィオーゾであり、そしてクラッチローがわたり歩いたホンダ、ヤマハは、ドゥカティのすべてで表彰台に昇ったことのあるヴァレンティーノ・ロッシだというのはやや皮肉なことでもある。

4位にに押し出されてしまったイアンノーネだが、ドゥカティで実によく戦ったと言えるだろう。そして今回の表彰台争いは彼の頭の良さを印象づけるものであった。「気狂いジョー」というあだ名がついたほどの彼だが、もう猟奇殺人鬼の面影は全くない。ずいぶん大人になったものである。

残念な結果に終わったロレンソの後ろでゴールしたのはブラッドリー・スミスだ。堅実に走りきり、チームメイトの前でゴールしている。ただ、チームメイトのポル・エスパルガロも同じ問題を抱えていたが、エクストラハードタイヤでは上手く走れなかったようだ。ロレンソと同様、ロッシほどにはグリップを引き出せなかったのである。

7位にはスズキのアレイシ・エスパルガロが入っている。今シーズンの最高位だ。彼のチーフメカであるトム・オケインに言わせれば「自分が一緒にやったなかで一番過小評価されているライダー」である。エスパルガロはアプリリアでもヤマハのオープンマシンでもスズキのワークスマシンでも、常にマシン以上の走りを見せてきた。「いつだって彼はコースに出れば100%の力を発揮するんだよ」とオケインは言う。現時点でのスズキの問題点は二つ。解決に時間はかかるだろうがパワー不足の解消と、こちらは短期的に解決できそうなチャタリングである。ヘレスにはチャタリング対策の新型パーツが来るだろうが、パワー不足の解消にはそれなりの時間がかかりそうだ。ヘレスのようなタイトなコースならエスパルガロにも他のワークスマシンとバトルを繰り広げるチャンスがあるだろう。チャタリングさえなくなればヘレスでは4メーカーの戦いが見られるかもしれない。

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さてここまでお読みになっていかがだったろうか。アルゼンチンについての私、すなわちプロの専門家の見解である。もちろんすべてを鵜呑みにする必要はない。むしろ眉に唾をつけて読むくらいで丁度いいだろう。できる限りの情報は集めているし、何度もビデオを見返しているし、最高に冷静になって情報を検証している。私は間違っていないか?たぶん間違いはあるし、謙虚さに欠けるせいで間違ったことは何度もある。自分が見たと考えているもだって間違っているかもしれない。視力が1.0だって保証はないのだ。専門家と呼ばれることもある私だからこそ間違っている可能性が高いのである。
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そう!この謙虚さがあるから信頼しているのですよ!

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公式リリース>アルゼンチンGP2015

ヤマハドゥカティ(英語)ホンダスズキアプリリア(英語)

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公式プレビュー>アルゼンチンGP2015

ヤマハドゥカティ(英語)ホンダスズキ(英語)アプリリア(英語)

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ダニ・ペドロサのブログ:予定通り進んでます

Repsol公式より先日腕上がりの手術を行ったペドロサのブログです。
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こんにちは、みなさん。また1週間が経ちました。

今日はあまりお話しすることがないんですけど、やっぱり毎週恒例ですからね。

今のところいい感じです。お医者さんは予定通りだって言ってくれましたし、これが今のところ一番いいニュースです。

前より良い状態で感触も悪くないです。いずれにせよスケジュールを守らなきゃならないし、今は我慢の時ですね。

そしてみなさんにありがとうと言いたいです。このブログやSNSについた皆さんのコメントをこれまでなかったくらい楽しんでいます。みなさんの応援メッセージのおかげで力が湧いてくるんです。本当に応援してくれるみなさんがいてくれて良かったと思ってます。

それとチームにも本当に感謝しています。僕を支援するためにいろんなことをしてくれる。それでまたやっていけるという気持ちになるし、それが今の僕にはとても大事なことなんです。

最後に先週月曜のとても悲しいニュースをみなさんにお伝えします。元スペインモーターサイクル協会会長のホアン・モレータが亡くなったんです。彼は現在のスペインのバイク活性化に本当につくしてくれました。彼のご家族とご友人に心からお悔やみを申し上げます。

<今週の質問>

Q:ファンクラブの人たちのことをどう思ってるか教えて下さい。ほんとにいろんな人がいて、とんでもなく熱狂的ですよね。ファンクラブとの何か面白い話があったら是非。(ジョルディ・ムンスより)

A:やあジョルディ。
 本当に僕のファンはすごいですね。それにバイクについてはとても情熱的だし。レースが好きだというだけで毎レースとても遠いところから自腹で足を運んで応援してくれる人たちのことを考えると、とても誇らしく思います。
 面白い話ねえ・・・。何を話したらいいかわからないですけど、ドイツとかアメリカとか、とにかくどこにいっても必ず5〜6人はファンクラブの人がいるんですよ!こんな言い方をしていいものかどうかわからないですけど、ちょっと「おかしい」ですよ。でもファンのみなさんにとってはそれが最高の生き方で、僕もそれはとても素敵なことだと思います。僕がレース現場で皆さんにできることは、いただいた応援や僕のためにしてくれることに比べたらほんのわずかですけど、だからこそシーzん終わりのディナー会なんかをやってるんです。僕にとっては1年で一番好きな時間のひとつですね。

みんなに本当に感謝をこめて。

ダニ
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うむ。早く帰ってきてね。

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HRCテクニカルディレクター横山健男氏へのインタビュー

青山博一に続いてKevin Cameron氏がHRCのテクニカルディレクターである横山健男氏にインタビューしています。Cycle Worldより。
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HRCの横山健男氏は実に上手に英語をしゃべる。COTAのパドックで彼に会ったのはホンダMotoGPチームのコミュニケーション&マーケティングディレクターであるリヴィオ・スッポと話している時のことだ。

私が尋ねたのは、日本のテストコースはヨーロッパのコースと比較して路面が整備されているにもかかわらずホンダが補助的サスペンションとして比較的柔軟性のあるフレームをどのように開発しているかということだ。横山によれば、だからこそHRCはセパンのようなヨーロッパ的コンディションのサーキットでテストをしようとしているとのことである。そしてこうしたテストに使用できるタイヤの数はレギュレーションで制限されているため、毎回テストでは最大限にタイヤを使い倒そうとしているとも言っている。

こうしたルールが設けられているのは、資金力のあるチームがテストをやりまくらないようにするためだ。フォーミュラ1でも似たようなルールはあるが、トップチームがシェイカー・リグと呼ばれるテストベンチ(訳注:シャーシごと載せて油圧でマシンをゆらしサスの動きをシミュレートする機械)を使ってコースでのテストなしに開発を行うことになった。研究開発予算は実に流動的なものであり、ある分野で何かが禁止されるとすぐに他の分野に流し込まれることになる。

その後、私は横山に対してHRCのMotoGP開発の中心は何かきいてみた。彼がブレーキング時の安定性について話している時、質問したジャーナリストが、そのためには何が必要なのかについて重ねて尋ねた。横山がそれに対しての答えを考えているとき、私は試しにこうきいてみたのだ。「エンジンの回転方向についてはいかがですか?」

すると彼は一瞬こちらを向いてにやっと笑った。ブレーキングの安定性の要素のひとつとしてエンジンの回転方向が語られることはあまりなかったのだが、彼が反応したということはそれが重要だと言うことだ。こういうことがあるからレース現場に通うのはやめられないのである。人々としゃべってうまいこと反応を引き出すのだ。

ヤマハのMotoGPマシンであるM1のエンジンはホイールとは逆方向に回転している。ジャイロ効果によって安定性が出すぎるのを避けるためだ。そしてヤマハは長いことホンダと同レベルのブレーキングの安定性を実現仕様と苦労している。ホンダRC213VのV4エンジンはホイールと同方向に回転しているのだ。

ある時リヴィオ・スッポが言っていたのだが、マルク・マルケスはマシンの変更を申し出ても、テストで結果が出せなければその考えを捨てて次に進んでいくのだそうだ。しかし時間を注ぎ込みすぎたせいで、このパーツは役立たないと言い出せなくなるライダーだって何人もいる。スッポは、あるライダーが「自分のマシンは真ん中でぐにゃっとする」と強く主張してスイングアームピヴォット周りに補強を入れさせるように言ったという話をしてくれた。他のライダーが補強無しのマシンで同じように速いタイムを出しているのに、そのライダーは補強版を使い続けたのだそうだ。そしていつかその補強のことは忘れられ、結局使われなくなったという。

また私は理想的なライダーのサイズについても聞いてみた。スッポの答えはこうだった。「MotoGPで要求されるほどの信じられない技術を持ったライダーのサイズはばらばらですよ」
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なるほどなるほど。「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」ですな。

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ポル・エスパルガロ vs. スコット・レディング on ツイッター

アメリカズGPのオープニングラップ。転倒したスコット・レディングにはじきとばされてやはり転倒リタイヤに終わったポル・エスパルガロがツイッターで怒りをあらわにしたところ・・・。
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エスパルガロ:「ひどいことしてくれてありがとう @reddingpower !あとそちらからの謝罪についても感謝するよ…、で、いったいいつになったら謝ってくれるんだよ!!!まじ…」


レディング:「@PolEspargaro 申し訳ない…。ロレンソがいきなりかぶせてきたんだ」


エスパルガロ:「ふーん、ツイッターで謝るとはね!すばらしい!1周目だったんだぜ!」


レディング:「まあ謝罪を受け入れないならそれでもいいよ。自分だって似たようなことをやってたしね」


エスパルガロ:「気にしなくてもいいよ。4時間も経ってからしかもツイッターで謝られたのががっかりってだけだから。しかもこっちから言い出してからだしね!あと悪いけど僕はそんなことはしてないよ」


レディング:「だったら今晩の飲み代は俺につけといてくれよ。気を付けて帰ってね」
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こういう舌戦が伝わってくるのもネットの醍醐味!

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公式リリース>アメリカズGP2015

ヤマハドゥカティ(英語)ホンダスズキアプリリア(英語)

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青山博一がちょこっと語る

Cycle Worldよりいつも技術系記事でお世話になってるKevin Cameron氏の記事を。
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現在はホンダのテストライダーで長いことGPで戦ってきた青山博一が今週オースチンで開催されるレッドブル・アメリカズGPと4月19日のアルゼンチンGPでダニ・ペドロサの代役として走ることになった。ペドロサは先週行った腕上がりの手術からの回復途上にある。青山は日本人最多出場のライダーとなる見込みだ。

私は青山に対して1年間ホンダを離れていた後にレースに復帰する難しさについて尋ねてみた・

彼はこう言う。「その前から何年間もGPライダーとしてやってきていますし、テストライダーとして乗っていたホンダはここサーキット・オブ・アメリカズで走るマシンとほぼ同じなんです。だからそれほどたいへんじゃないですね」

ヴァレンティーノ・ロッシがドゥカティの後にヤマハに戻ったのと比べるとどうなのだろう?

「ロッシの方がたいへんだったでしょうね」

彼が言うにはどんなに小さな変更だとしてもその安全性と有効性を確認するのがワークステストラダーの仕事なのだそうだ。

スペイン、イタリア、日本の国内選手権の違いについて尋ねると、彼はスペイン、イタリアのレベルの高さをほめつつ、日本もかつてはトップライダーを何人も輩出していると言っていた。しかし今は日本の国内選手権の参戦人口が減っており、それで日本人のトップライダーが減ってしまったのだと言う。
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なるほど、テストライダーの仕事。

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MotoGPオースチン:ホンダがストーナーの代役参戦が流れた経緯について語る

大雨にたたられたり犬が乱入したりといろいろあるオースチン。でも最大の話題は誰がペドロサの代役となるかというレース開催前のネタだったかもしれません。中本HRC副社長がその辺りについて語っていますので訳出。CRASH.netより。
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HRCの中本修平副社長とレプソル・ホンダのチームマネジャーであるリヴィオ・スッポが金曜のサーキット・オブ・アメリカズでメディア取材に応じてくれた。

もちろん最初の質問は引退したケイシー・ストーナーが怪我で欠場のダニ・ペドロサの代わりに今回参戦したがっていたのにHRCがそれを断ったということについてだ。

「ケイシーがホンダにアプローチしてきたのは本当ですよ。ケイシーはダニとチームを助けたいと考えていたんです」と中本は認めた。「正直ちょっとびっくりしましたよ。でもケイシーがそういうことを言ってくれて嬉しかったですね。それで日本で国分さん(テクニカルディレクター)と横山さん(技術ディレクター)と日本で話し合ったんです。
 HRCにとってケイシーはとても大事な人で、まあVIPなんですよ。だからケイシーがまたMotoGPを走るなら少なくとも表彰台争いはさせてあげなきゃならない。それがターゲットになるわけです。ケイシーについては全然問題はないですよ。相変わらずとんでもなく速い!でもそれ以外についてはね。ケイシー向けのいいセッティングとか出さなきゃならないですし。そこに自身が持てなかったんです。
 チーフメカにしたって、クリスチャン(ガバリーニ)はジャック・ミラーについちゃってるし、だから彼をケイシーのために引っ張ってくるわけにはいかなかった。ラモーン(オーリン:ペドロサのチーフメカ)はいいエンジニアですけどケイシーといっしょにやったことはない。クリスチャンですらケイシーのために正しいセッティングを出すのに苦労してたくらいですからね。つまり初めてケイシーと組むとなるといいセットアップができるかについて相当クエスチョンマークがつくってことですよ。
 繰り返しになりますけど、私としてはケイシーが5位とか6位とかを争うのは見たくないんです。うちとしてはケイシーは最低でも表彰台争いをしなきゃならない。こちらの体制、特に技術的な部分で自身が持てなかったんです。
 私にとってケイシーは息子みたいなものだから決めるのはすごく辛かったですよ。ケイシーががっかりするのも当然です。だって私だって彼に何度も『戻ってきてよ、ワイルドカードで走ってよ』って頼んでたんですからね。
 もし時間があって、まあ少なくとも実戦前に一回くらいテストができたんだったらOKを出したんですけどね。でもちゃんとしたテストの時間もなかったんです。
 たくさんのファンがケイシーがまた走るのを観たがっている。私だってファンの一人なんです。でも私にとって一番優先すべきはケイシーに表彰台争いをしてもらうことなんです」

ストーナーは今シーズンホンダのMotoGPテストライダーとして走っている。1月のセパンではHRCの開発ライダーという役割だった。しかし中本によればそのときはセッティングに関しては何もしていないということだそうだ。

「セパンテストはパーツテストが中心だったんです。セッティング出しのためじゃなかったんですよ。セパンの1回目の公式テストの前にケイシーでテストしたんですけど、ラップタイムはそれなりに良かったですね。ケイシーのベストタイムの1.5秒落ちくらいだったんです。路面が汚れていて、しかもエンジニアがいなかったことを考慮すれば良いペースですよ。いたのはHRCのデータ収集要員だけだったんです。
 つまりケイシーは相変わらずすごく速いってことなんですけど、残りの1.5秒を縮めるためにはいいセッティングを出さなきゃならないんです」

COTAに出さないことにしたと聞かされた時にケイシーはなんと言ったのだろうか?

「ツイートしてるじゃないですか!」とスッポは即答した。

ストーナーの申し出を断ったHRCはテストライダーの青山博一にマルク・マルケスのチームメイトとして次の2戦を走らせることにした。ペドロサは腕上がりの手術の回復待ちである。

スッポが言及したケイシーのツイートはこちら。
「みんなもがっかりするだろうけど、来週のCOTAは走らないよ。ダニ(‪@26_DaniPedrosa‬)のために走れれば名誉なことだったんだけど。 #NotMeantTobe(#こんなはずでは)」https://twitter.com/Official_CS27/status/583776335408934912

「レースができなくて超がっかり。別に勝つつもりなんてないんだから準備なんかどうでもいいのに。友達の代わりに走れてテキサスで楽しめればいいだけだったんだよ!:)」https://twitter.com/Official_CS27/status/586306613910183936
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なんかケイシーへの中本サンの愛が伝わってくるインタビューでもありますね。

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FIA世界耐久選手権(4輪)でアンブレラガールが禁止される

またかと思われるかもしれないのを承知の上で、先日のこの記事の直後に4輪の世界耐久選手権でアンブレラガールが禁止されたという記事が入ってきていましたので翻訳。Asphalt & Rubberより。筆者は先日の記事と同じJensen Beeler氏です。
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いや、これはエイプリルフールのネタではない。やっとモータースポーツ界が21世紀に足を踏み入れようといているという本当の話だ。先日当サイトにMotoGPにおけるアンブレラガールについての記事を掲載してすぐ、FIA世界耐久選手権(WEC)が銭ベントで肌もあらわな女性たちを使わないことにしたと発表したのである。伝統あるルマン24時間も含めてだ。

4輪界でもメジャーな選手権の一つがこうした決断をしたというのは実に興味深い。その影響は世界中のレース界に及ぶに違いない。

男性の観戦客がWECで減るということになるのだろうか?女性客は増えるのだろうか?新たな広告獲得にはつながるだろうか?若い観客は増えるだろうか?当然こういった疑問はわき上がってくるし、その結果には興味が尽きない。

どうなるにせよ、実際にはすぐに何か変わるということはなさそうだ。先日の私の記事でも多くの読者がコメントしていたが、みんなが観に来るのはレースであって、それ以外のすべては飾りにすぎないのである。

しかし私が一番興味を持っているのは、若いファン、というかこれからファンになる可能性のある若い人たちにどう影響するかということである。モータースポーツ、特に2輪レースはもっと若い情熱的なファンにアピールすべき時に来ている。若い内に彼らをとりこにするのだ。タバコ会社がやっているようにだ。

もうファンになっている人たちはキャンギャルがどうなろうと関係はないだろう。既にレースに魅了されている人たちにアンケートをとっても意味はない。私が気にしているのはまだモータースポーツには興味がないが、これからファンになるかもしれない若い世代のことである。

年齢と男女平等に関する意見には明らかな相関がある。若い世代になるほど全世代平均より社会的にリベラルになっていくのだ。

民族や宗教、性的指向、そして性別役割等に関する問題は70年代以降2000年代までに生まれたファンにとっては大事な問題というにとどまらず、彼らの価値観に大きく関わっている。

こうした物事に敏感な世代にアピールすることがモータースポーツ界に新たな視点を呼び込み、そして驚くような変革につながることにもなるだろう。特にバイクレース業界においてはなおさらだ。

バイク乗りでない人たちをバイク大好き人間にするにはどうすればいいかというのが昨今の業界の最も重要な課題となっている。ここ何回か参加したプレス発表を見てみると、業界外からの出席者が増えているが、これはつまりバイク業界が投入資源をどのように配分しようとしているのか注目されているということなのだ。

パドックの雰囲気を変えるということで、状況にうまく対応していけることになるのだろうと思う。

要するに、若いファンを獲得したいなら、彼らと心を通じ合えるような環境を作り出すべきだということである。いつまでも彼らの父親世代を相手にしている場合ではないのだ。
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ついでに上記翻訳でもリンクしていますが、FIAの決定を報じるロイターの記事の中の世界耐久選手権の責任者であるジェラール・ヌヴー氏のコメントも翻訳。

「来週のシルバーストンのレース以降は今までのようなグリッドガールは廃止することとしました。
 既に私にとってそれは過去の遺物だということです。女性を取り巻く状況は変わってきているということです。
 レース自体は変わることはありません。でもそれを取り巻く諸々に関しては変えることができるんです。DJを入れたりとか、グリッド上のいろいろなこととかですね。レースというショーはグリッドから始まるわけですけど、一番大事なのはマシンとドライバーなんです」
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つまり時代は変わっているということなんですよ。

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公式プレビュー>アメリカズGP2015

ヤマハドゥカティホンダスズキ(英語)アプリリア(英語)

COTAは雨予報、というか雷雨らしいですよ。現地組のみなさんには申し訳ないですけど、サテライト組やオープン組にはチャンス・・・かな?って、電子制御勝負の現代ではむしろ差がついてしまうかもですね。

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ダニ・ペドロサのブログ:応援ありがとう!

手術を成功裡に終えたと報道されているペドロサのブログをRepsol公式より。
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みなさんこんにちは。

まず今週のブログはみなさんの応援への感謝から始めたいと思います。みなさんの心のこもった応援にどれほど勇気づけられたことか。ブログへのみなさんのコメントを全部読んで、本当に心から感謝の気持ちでいっぱいになったし、力が湧いてきました。

先週は僕が直面している岐路について書きました。そして最終的に手術をするのがいちばんだと決断したんです。幸いなことに手術はうまくいきました。今は回復に向けて身体を休めて、そして検査を受ける段階です。うまく回復できるといいと思っていますし、みなさんには逐次お知らせしていきます。

本当にありがとうございます。

<今週の質問>

Q:昨日バルセロナのモーターサイクルショーに行きました。偉大なライダーの中にあなたの写真があってとてもうれしかったです。あなたも最高のライダーの一人ですしね。だから一人で走ってるなんて思わないで下さい。さて質問です。バイクに乗っている時にはどんな気持ちなんですか?(ローラ26より)

A:ありがとうローラ26。
 僕がバイクに乗っている時どんな気持ちかっていうのはとても難しいですね。状況が毎回違うんです。まあ普通は楽しんで乗ってるんですけど、でも同時にミスをしないように集中し続けてます。でもこれだけは言えます。MotoGPマシンに乗るのはバイク乗りにとっては最高の体験ですよ。

心を込めてみなさんに感謝。

ダニ
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早くもどってきて!

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ヤマハがロッシとロレンソを鈴鹿8耐で走らせたがっている

という記事をSport Riderが書いてます。高校時代の友人とアイリッシュバーで3パイントほどビールをかましてきたんですが、がんばって訳しますよ、っと。
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かの有名な鈴鹿8時間耐久をヤマハの60周年記念行事の一環として使おうという計画に対してストーナーがレースに復帰するというニュースが波紋を投げかけている。
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ケイシー・ストーナーの復帰をホンダとストーナー自身が先週公式に認めたことでレース界は沸き返った。元世界チャンピオンがホンダのワークスサポートの下、来る7月26日に行われる鈴鹿8時間耐久に参戦するのだ。彼は鈴鹿8耐で優勝経験のある二人のライダー、高橋巧と若きオランダ人ミハエル・ファ・デル・マークと共に世界耐久仕様のCBR1000RRで走ることになる。

しかしその裏で密かに今年の鈴鹿8耐に向けてあるプロジェクトが進んでいる。今年60周年の節目を迎えるヤマハにとって鈴鹿8耐での勝利という栄誉はどうしても欠かせないものとなっているのだ。ヤマハは1996年に芳賀紀行とテキサス生まれのコーリン・エドワーズが優勝して以来、勝利から遠ざかっている。

ホンダが所有する鈴鹿で勝利することは新型R1を発売したヤマハの営業にとっても重要なことである。R1はMotoGPの経験に基づき、しかもわざわざヴァレンティーノ・ロッシを招いて開発したマシンなのだ。

2015年の鈴鹿8耐での絶対勝利という目標は昨日今日決められたことではない。少なくとも2〜3年前から計画されていたことだろう。去年ヤマハワークスが支援する鈴鹿8耐チームがブリヂストンタイヤに切り替えた(それまでヤマハはミシュランかダンロップを使用していた)のもその一環に違いない。今年の目標達成に向けての戦略のひとつなのだ。

勝利を確実なものとして世界的な名声を是が非でも得るべく、ヤマハはヴァレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソを2015年の鈴鹿8耐で走らせたいと考えている。実際どちらもヤマハからオファーを受けているがそれを断ったと言っているのだ。しかしストーナーの復帰表明で状況は変わったようだ。ヤマハはロレンソとロッシに鈴鹿8耐勝利に協力するよう強制しようとしたとも言われている。

ロッシは既に2000年と2001年の2回、鈴鹿8耐を走っており、一度はホンダに勝利をもたらしている。しかも皮肉なことにその時のペアライダーはコーリン・エドワーズだった。そしてその経験からいかに8耐参戦が体力を消耗させるかもよく知っている。日本の夏のとんでもない暑さと湿度の中で走る、しかも8耐は耐久レースではなく8時間のスプリントレースなのだ。それだからこそ偉大なレースであり、しかもピットストップの洗練されっぷりと短さ(前後タイヤ交換と燃料補給を15秒以下で終えてしまうのだが、レギュレーションでクイックチャージャーが禁止された上にタイヤ交換と燃料補給が同時にできなくなるまではそのほぼ半分の時間でこなしていた)を考えると、1スティントはスプリントレースの2割増しの距離ということだ。そこでの体力消耗はその後何日もの間ラーダーのパフォーマンスに影響することになる。ロッシはエドワーズに対して「(2000年のレースでクラッシュしてチームが勝利を逃したから)2001年はどうしても勝ちたい。そうすれば二度と8耐を走らなくて済むから」と言ったと言われている。そして(他のGPライダーと同じように)彼は疫病のように8耐を嫌っている。

カタールGPが行われたロサイルでは、ロッシとロレンソのどちらか、またはどちらもが鈴鹿8耐を走るらしいという噂がすごい勢いで流れていた。二人に近い人々は(それとは別に鈴鹿8耐の主催者に近い人々も)ヤマハが彼らに相当な勢いで8耐参戦を要望していると認めている。最終的にどうなるかは誰もわかってはいないが、今週末のオースチンではいろいろ判明するだろう。

興味深いことに鈴鹿8耐の事前テストはMotoGPレースの合間に行われることとなっている…。
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うーん、微妙だと思いますけどねえ、ちなみにロッシの8耐参戦についてはこちらの記事をどうぞ。

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【大阪方面に向けて宣伝】マダムのお芝居が大阪に参ります!

マダムこと秋葉舞滝子(あきばまさこ)の主宰する演劇プロジェクト、SPIRAL MOONがついに大阪にお伺いすることになりました!

日程:2015.6.5(金)19:30〜
     6.6(土)14:00〜  18:00〜
     6.7(日)11:00〜

場所:in→dependent theatre 1st
  (大阪市浪速区日本橋5-12-4 tel06-6635-1777)

チケット:前売り2,800円、当日3,000円(6/5は初日特別割引で前売りが2,500円)

演目は「銀幕心中」というお芝居。
「舞台は日本映画黄金時代を迎えた昭和30年代の古都・鎌倉。
 謎の急死を遂げた天才映画監督の通夜で巻きおこる抱腹絶倒の大騒動!
 端正な作品作りで定評のあるSPIRAL MOONが圧倒的爆発力で挑む渾身の一作、怒濤のスラプスティックコメディが、5年ぶりの再演決定!」

マダムも出演します。

お時間のある方は是非!お時間の無い方も時間を作って是非!

公演情報が劇団サイトにアップされたらまたお知らせいたします。
ご興味のある方は私に言って頂ければチケットを確保いたします。

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2016年MotoGPルールが明らかに:エンジン7基、22L、157kg、成績次第の優遇ポイント制導入

統一ECUソフトウェア導入に併せて基本オープンクラスとファクトリークラスの区別がなくなるわけですが、その2016年に向けてルールがだんだん決まってきています。MotoMatters.comより。
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やっと2016年のMotoGPルールの全貌が明らかとなった。燃料タンク容量については昨年既に決まっていたが、最低重量、エンジン台数、2016年以降の優遇措置のあり方については決まっていなかったのだ。これが結局カタールで決定されたということである。

ドルナ、FIM、メーカー、チームにより構成されるグランプリ・コミッションが2016年のルールについて合意を得た。来年は全マシンが燃料22Lで走ることになる。さらに最低重量は157kg、エンジン台数は7基ということになった。当初は156kgとの提案がなされていたが、今年が158kgだったことからいきなり2kg削減は時期尚早という判断となったようだ。

エンジン台数についてはイタリアメーカー対日本メーカーという構図だったようだ。ホンダとスズキ、ヤマハは6基を主張し、ドゥカティとアプリリアは9基にしたかったのだ。MSMA(メーカー協会)は結局全会一致にいたらずドルナが妥協案を提案し、結局7基というところに落ち着いた。エンジン開発についてはこれまでと同様凍結される。

ただしこれについては全メーカーに適用されるわけではない。2013年から2015年の間でドライコンディションでの勝利がないメーカーについては12基のエンジン使用が許されている。これは今年ドゥカティ、アプリリア、スズキの3社に許されているのと同様のものだ。この3社は契約ライダーによるテスト及びエンジン開発も今シーズン同様に自由に行えることとなっている。

これら優遇措置については2016年からポイント制が導入されることになっている。優勝には3ポイント、2位には2ポイント、3位には1ポイントが与えられ、この優遇措置ポイントが6ポイントに達するとその時点からテストが自由にできなくなり、翌シーズンからはすべての優遇措置が剥奪される。例えばドゥカティが2015年にドライコンディションで勝利しないままでも2016年に優遇措置ポイントを6ポイント積み上げたら、2017年以降はエンジン7基となり、エンジン開発は凍結、さらにテスト制限も他メーカーと同じものとなるのだ。

この優遇措置ポイント制度にはおもしろいひねりが二つばかり加えられている。ひとつは優遇措置ポイントがリセットされるということだ。シーズン中1回も表彰台に昇れなかった(つまり優遇措置ポイントが積み上がらなかった)メーカーは翌シーズンから全優遇措置が受けられるということである。さらに競争性を増すために、ウェットコンディションでの表彰台についても優遇措置ポイントがカウントされるということだ。現時点ではドライコンディションでの表彰台だけが考慮されている。

優遇措置ポイントシステムの目的ははっきりしている。開発が自由にできて、エンジン台数制限が緩和されていて、さらにテスト制限が緩いにもかかわらず結果を出せないメーカーについてはトップに近づくチャンスを与え続け、一旦成功したメーカーについてはシーズン途中でも有利になりすぎないように優遇措置を減らすということである。パフォーマンスのバランスをとるにはややゆっくりした対応ではある。しかし短期的な調整は難しいだろうが、中期的にはうまくいくだろう。

グランプリ・コミッションは電子制御についても議論している。ホンダとヤマハは現在の開発に満足しておらず、2016年に導入されることになっている統一ソフトウェアに対してもっと多くの要望を反映させたいと考えていると言われている。2016年の統一ソフトウェア導入に合意した(2014年のことだ)3メーカー、ホンダ、ヤマハ、ドゥカティにはソフトウェアに対する拒否権がある。マニエッティ・マレリが提案するあらゆる変更について3社の合意が必要なのだ。逆言えば、3社同意の下に提案されるソフトウェア変更についてはマニエッティ・マレリは対応しなければならないということだ。ただしそのコストは3社が負担することになる。

こうして変更が加えられたソフトウェアは当初想定していたものよりかなり複雑なものとなってしまうだろう。実際には3社がそれぞれの要求を認め合うかにかかっているわけではあるが。この2年ほどは、ホンダとヤマハの2社が一枚岩だったのに対してドゥカティが好き勝手をやってきており、現時点ではドゥカティ、つまりジジ・ダリーニャの思い通りになりそうな雲行きではある。

ルール変更に関するプレスリリースは以下の通りだ。
ーーーーーーーーーー
FIMロードレーシング世界選手権:グランプリコミッションによる決定

グランプリコミッションは以下のメンバーで構成される(敬称略)。カルメロ・エスペラータ(ドルナCEO)、イグナチオ・ヴェルネダ(FIM CEO)、エルヴェ・ポンシャラル(IRTA)、坪内隆直(MSMA)。オブザーバとしてハヴィエル・アロンソ ドルナ)、マイク・トリンビー(IRTA事務局)が加わり、ロサイル(カタール)にて2015年3月15日に以下の決定を行った。

運用ルール
(2015年から適用)

サイティングラップを終えてグリッドにライダーがついた後に天候が変化した場合、以下の手順で進行することとする。

Moto3・Moto2において天候変化によりスタートが遅れた場合、レース距離は予定の2/3とする。レースが再開された場合と同様の手順となるものである。


技術ルール

・ MotoGPクラス(2016年から適用)

エンジン台数は1シーズンあたりのレース開催回数が20回以下の場合7基までとする。開発は凍結する。

マシンの最低重量は157kgとする。

燃料タンク容量は22L以下とする(前回のグランプリコミッションで発表済み)。

2016年からの統一電子制御ソフトウェアについては以下の項目が決定された。

a)2016年の統一ソフトウェアの開発は現行バージョン(2015年シーズン開幕時)のオープンクラスソフトウェアを基本として行う。

b)2015年7月1日以降、2016年シーズ終了までの間、ドゥカティ、ホンダ、ヤマハの3社の合意の下で行われる変更要求に関しては、オーガナイザーはこれを受け入れるものとする。ただし変更にかかるコストはメーカーの負担とする。

c)すなわち、上記期間にオーガナイザーがソフトウェアの変更を要望する際にはドゥカティ、ホンダ、ヤマハの3社の合意が必要となる。それ以外の場合、オーガナイザーはソフトウェアのアップデートは行えない。


・MotoGPクラスの優遇措置

2013年、32014年、2015年においてドライコンディションで優勝していないメーカーについては現在の優遇措置が引き続き適用される。ただし以下の通り設定された「優遇措置ポイント」に合わせて優遇措置が削減される。

  1位:3優遇措置ポイント
  2位:2優遇措置ポイント
  3位:1優遇措置ポイント

2015年にドライレースで優遇措置ポイントを3ポイント獲得したメーカーは燃料タンク容量を24Lから22Lまで削減する。

(注:オープンクラス用タイヤの使用及び参戦ライダーによるテスト制限に関してはドライコンディションで3勝した時点で剥奪される)

2016年についてはドライ/ウェットにかかわらず優遇措置ポイントが6ポイントに達したメーカーについては、その時点で参戦ライダーによるテストは禁止される。また翌シーズンから全ての優遇措置が剥奪される。

ただし2016年以降は、優遇措置ポイントを獲得していない(すなわち表彰台を獲得していない)メーカーは翌シーズンから全優遇措置を受けられることとする。

FIMのグランプリレギュレーションの詳細については以下を参照のこと。

http://www.fim-live.com/en/sport/regulations-and-documents/grand-prix/
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晴雨にかかわらずというのがポイントですね。

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ホンダはペドロサの代役としてのオースチン&アルゼンチン参戦をストーナーと交渉していた

腕上がり手術が無事成功した(とは言うものの復帰は医師の許可待ちですが)ペドロサの代役は青山博一との発表があったわけですが、実はストーナーとも交渉していたというMotoMatters.comの記事を訳出。
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ケイシー・ストーナーは確かにダニ・ペドロサの代役候補だったことが明らかとなった。ストーナーはHRCとペドロサの欠場中の代役となる可能性について交渉をしていたのだ。最終的には準備期間が短いためにこの話は流れてしまい、青山博一が現下の状況では最適な代役という結論に落ち着いている。

MotoMatters.comがホンダに対してペドロサの代役としてストーナーとの交渉を行ったのかとe-mailで質問したのだが、レプロルホンダのチーム代表であるリヴィオ・スッポがそれを認めているのだ。スッポはこう回答した。「ケイシーがダニの代役になる可能性については検討していました」。しかし彼がペドロサの代わりに2戦走るというのにはいくつかの障壁があったという。彼はオースチンもテルマス・デ・リオ・オンドnどちらも走った経験がないのだ。ストーナーの引退後にカレンダーに付け加えられたからだ。しかもテストも大した距離を乗っているわけでもない。ワークスRC213Vにはセパンテストの前に3日間ほど乗ったことがあるだけだ。MotoGPのレギュラーライダーは既に8日間のテストに加えてカタールGPも走っている。

スッポによれば準備不足とファンの大きな期待が秤にかけられたとのことである。「ケイシーがMotoGPに復帰するなら準備をちゃんとしないといけないと判断したということです。期待も相当大きくなりますからね」とスッポは言っている。ファンが期待するのはストーナーがトップ争いに参加することだ。テストもろくにしておらずレースから遠ざかってずいぶん時が経つこともおかまいなしだ。「ケイシーが戻ってくるのを待っていたファンには申し訳ないですけど、最終的にこれは正しい選択だったと考えています」

トロイ・ベイリスのWSBK復帰が記憶に新しいだろう。やはりオーストラリア人の彼はダヴィデ・ジュリアーノの代役としてドゥカティで先日レースに復帰した。そしてファンは彼が表彰台争いをして、ことによったら優勝するのではないかとまで期待していた。ベイリスのレースは2009年であることや、しかもドゥカティ・パニガーレRがここ最近戦闘力を失っているという事実は忘れ去れていたようだ。ベイリスがトップ10に入れたのは1回のみで、結局期待はずれに終わってしまったということかもしれない。しかしそれでもファンは彼を尊敬している。

ケイシー・ストーナーがMotoGPに復帰することが現実味を帯びているというのは相当驚くべきことだ。2014年に引退して以来、ストーナーはいくつものインタビューでMotoGPに復帰することは全く考えていないと言い続けていたのだから。私がストーナーの友人に尋ねて調べた範囲でも、その気持ちに偽りはないように思えた。ストーナーがMotoGPでまたレースをしたいと思っていると考えていた人は誰もいなかったのだ。政治的な諸々や電子制御の過剰な介入はいかにもストーナーが嫌いそうなことであり、それも彼の復帰はないという判断を裏付けていた。スピードへの渇望はテストで解消し、ラジコンカーレースが戦闘本能をなだめていたように思っていたのだが。

ケイシー・ストーナーが7月に鈴鹿8時間耐久に参戦するという話は、これからも彼がレースにちょっとだけは顔を出す可能性があるということを示しているのかもしれない。彼はまだ29歳で、レースに復帰するには充分若いと言える。まあもし彼がそれを望めばということではあるが。ストーナーの発言を考えれば、彼がMotoGPにフル参戦復帰することは、ほぼあり得ないと言っても良いだろう。しかし代役参戦については意外と可能性もあるのではないかという気がしてきた。

ストーナーが復帰したら私が間違っていたと言うことになる。もちろん間違うのは初めてではないが。もうストーナーはMotoGPとはきっぱり縁を切ったものだと考えていた。私も含めてジャーナリストと話すときはいらだちを隠そうともしなかった。特に彼のドゥカティ時代の成績を電子制御のおかげだと書いたり、乳糖不耐症の件で非難していた相手には厳しかった。2012年のヴァレンシアテストが行われた月曜、つまりはストーナーが引退を表明した日のことだ。私は彼がパドックを車で出るのを目にした。明らかに彼はほっとした様子だった。たぶんパドックやレースからしばらく離れたことで、すこしはMotoGPにも我慢していいと思えるようになったのかもしれない。
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まあ8耐くらいでいいんじゃないかしらん、と私は思いますけどね。

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こんなんだからMotoGPに女性ファンがつかないということなのか?

1月の人種差別に関する記事(「パドックにおける人種差別」)に続いて、こんどは女性とMotoGPについての記事を訳します。Asphalt and Rubberより。
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カタールGPを前にリニューアルされたMotoGP公式サイトを見れば、ドルナのソーシャルメディア担当チームがどれほど2015年に向けて全力をつくしたかわかろうと言うものだ。彼らはネット世界に新たな輝きをもたらしたのだ。

ロサイルサーキットで開催された開幕戦後は当然ながら私のSNSでのフィードはロッシの勝利やドゥカティの復活、そしてペドロサの辛い告白などに関する話題で埋め尽くされた。MotoGPシーズンの始まりを告げるファンファーレだ。

そのなかで私の目をひいた記事がある。内容が気になったのではない。その発信元が気になったのだ。その記事にはいかにもソーシャルメディアでクリック数を稼げそうな下世話なタイトルがつけられていた。「うちの素敵な#MotoGPガールがいなかったらどうしよう?」

問題はこれがMotoGP公式のFacebookページのタイトルだということだ。もちろん話題は女性レーサーについてではない。とほほ。

もちろんこうした記事はFacebookでも良くあるし、大手レースメディアでも相変わらず「美女とバイク」ネタを発信し続けているところもある(これについては以前も書いた:訳注:気が向いたら訳しますが、まあリンク先の写真をご覧いただければと)。とは言えレース主催者がアンブレラガールをここまで全面に押し出すことはなかった。彼女らはなんだかあられもない姿の歩く広告塔と言う理解でよろしいだろうか?MBAの先生に言わせればまあ素晴らしい投資収益率となるのだろう。

それ以上に私の興味を惹いたのはそのポストについていたコメントだ。「彼女たちがいなかったらどうしよう?」という公式サイトからの質問に対して実にまあ正直に答えてくれている。

「やっと平等になって、女性を劣ったものと考える人たちに対していい事例になるんじゃないんでしょうか?」−デビー・デニエン

「もっと平等になる?」−ドーン・ケルソ

「おや、正直言って私は彼女たちがいない方がうまく生きていける気がしますけどね」−コリーン・ウィリアムズ

そして私が一番気に入ったのはこれだ。

「さてどうしましょう…。まあやっと21世紀になるってことですかね」−エドウィナ・ハリソン

こうしたコメントを返しているのは女性だけではない(こういう反応をするとすぐに“フェミニスト”と揶揄されるのだが)。男性ファンもこの記事に対して同じように声を上げている。コース上で繰り広げられるバトルが楽しみの源であって、あられもない格好の女性が楽しいわけではないということだ。

もちろん「紳士」の皆さんからのご高説もあるにはある。何を怖れているのか常にアンブレラを手放さず、性差別主義的で同性愛差別的なコメントを声高に主張している人たちもいるのだ。

「#MotoGPガールがいなかったら#MotoGPゲイボーイを立たせればいいんじゃない?}ークリス・A・ラミレス

「どっちにしろほとんどブスだけどね」ーデレク・ポルストン

「まあオナニーは減るかな」ーマティ・ヘイル(彼のプロフィールをミルに、どうも「ビーチのビキニの研究」をしていたらしい)

そしてまた私のお気に入りをひとつ挙げておこう。

「裏口から襲う」ースチュアート・ハフトン

多くの人に受け入れられて観客を増やしたいと考えているのに、女性が男性の10分の1しか観に来ない理由がわかっていないようだ。MotoGPは自分たちの振る舞いのせいで問題を大きくしていることに気付くべきではないか。

この問題はもちろんレースに限ったことではない。バイク業界全体がそういうことなのである。馬鹿どもが幅をきかせている限り没落への道をまっしぐらということになるだろう。

しかしエドウィナも悲観する必要はない。MotoGPもバイク業界も21世紀にもっていくことができるはずだ。同じことが19世紀から20世紀になるときにも馬鹿な男どもを引きずって連れてきたのだ。

しばらくの間はドルナもこうしたファンの声には耳を貸さないかもしれないが、いいねボタンや広告リンクはあなたのような素敵な人たちがクリックすることで価値が上がることは間違いない。

洗練されたレースファンにアピールして高級ブランドが稼ぎ放題しているやり方とはずいぶんちがうものではあるが。

簡潔に言えばマールク・ムムタズ・フセインのコメントの通りなのだ。「もうそんなのやめちゃえば。そしたらMotoGPはもっとうまくいきますよ」
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キャンギャルがいなければもっと女性ファンが増えるかというと疑問ですが(もちろんいなくなったからといって観客が減るとも思いませんが)、少なくともキャンギャルに代表されるような男性優位文化を臆面もなく全面に押し出すのは時代遅れだと思いますし、もういいかげん本当に21世紀になってもいいと思いますよ。

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ホンダ公式発表:ペドロサは腕上がりの手術へ。代役は青山博一

ホンダの公式リリースが出ました。

ペドロサは明日腕上がりの手術に踏み切るとのこと。代役は青山博一です。

復帰までには4-6週間と言うことなのでオースチンとアルゼンチンは欠場。ただ正式な時期は「医師による手術の結果が確認されるまでは未定」とのことで、やや不安が残ります。

3回目の手術になるというのもあり、本復するかどうかは一種の賭ではないでしょうか。

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