« 2015年2月 | トップページ | 2015年4月 »

ドゥカティの優遇措置削減

今回ドライレースでドヴィツィオーゾとイアンノーネの2人が表彰台に上がったことにより、ドゥカティの2014年からの通算表彰台は3回となりましたので、規定通り次戦からは燃料制限が現行の24Lから22Lになります(ルールはこちら)。

まあ、「うちはどうせ22Lしか使ってないし」ってジジも言ってるので、なんの影響のなさそうですが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ペドロサの腕上がり問題

去年腕上がりの手術を受けたペドロサですが治っていなかったらしく、とりあえず治療法を探るとコメントしています。そのインタビューでは「質問禁止」だったらしく、深刻さがうかがわれる状況。

ちなみに腕上がりについてはこちらに「腕上がりとは何か、そしてその治療法」という記事を去年翻訳してます。

まずはCRASH.netよりペドロサのコメント。
============
「レースではずっと腕上がりに悩まされていました。ほぼ1年ずっとです。ここでの開幕戦のあとから去年は毎レース腕上がりと戦ってきました。以来完璧なパフォーマンスを発揮できませんでした。それで成績がふるわなかったんです。
 ずっと治療を試みてなんとかしようとしてきたんですが、なかなかうまくいきませんでした。いい答えが見つからなかったんです。(2014年のヘレス)の後にある外科医にかかったんですが、それもうまくいきませんでした。みんなには隠していたんですけど楽なことではなかったです。ホンダはずっとこの件については知っています。
 このオフシーズンに世界中を回って多くの医師から様々な意見をもらいました。また手術をすべきか、レースを続けられるようになるのか。幸い誰もが手術はするべきではないと言ってくれました。手術によって腕上がりが悪化する可能性があるんだそうです。そこでみなさんの言うとおりにして、非侵襲的な治療に専念しました。
 おかげで今日走れたわけですが、状況はよくありません。状態が良くないのはわかっていますが、他にどうしようもないんです。レースが終わった今、自分の最高の状態で走れないことがよくわかりました。治療法を探さないといけない状態です。
 こんな状態ではレースを続けるわけにはいきません。ですからまずは腕の治療に専念したいと思います。今後どうなるかはわかりません。医師にもわからないくらいですからね。問題を解決したいと思っていますし、チームもわかってくれいます。
 現時点ではそれほど選択肢はありませんが、まだどうなるかはっきりしていません。すぐにみなさんにこれからのことをお知らせできればと考えています。また治療法を探して世界中を旅することになります。最後にこの厳しい状況の中で支援してくれたスポンサーとファンに感謝したいと思います。僕にとって最高の状態ではないですけど、いつも支援して下さってありがとうございます。

============
そしてこれに対してチームマネジャーのリヴィオ・スッポはこう言っています。こちらもCRASH.netより。

「今は当然辛い気持ちですよ。シーズンオフには腕の問題もなくいい感じでいけることを願っていたんですけどね。でも最初のレースで去年と全く状況が変わっていないことに彼は気付いたんです。去年は何レースかもっとひどい状態で走っていて、まあそれほどでないレースもありましたけど。
 彼の気持ちはよくわかります。今のところこういう走りではレースはしたくないと彼は考えています。ですから何か良い方法がないかと探すことになります。去年はカタールでは腕上がりがものすごくひどかったですが、オースチンではそれほどでもなかったんです。たぶんコースや環境で変わるんでしょう。
 ですからまずは医師と話さないといけません。ミル医師によれば2回も同じ腕に手術をしているんで、これ以上の手術はむしろ悪化の可能性があると言っています。他にも手術の方法があるんですが、ミル医師によればかなり複雑で、彼自身やったことはなくて、世界でも一人しかやったことがないんだそうです。それに相当侵襲的な手術なんです。
 そんなわけでその手術についてはひとまず置いておいて、オースチン前に医師と話してできる限りの治療法を探るという方向になっています。
 テストやトレーニングでは腕上がりは起こっていなかったんです。バイクで周回を重ねたときだけ起こるんですね。それもあって医師としては何ができるか難しいんだそうです。
 (引退の可能性について)わからないですね。もちろんそんなことにはなってほしくないですが・・・。腕上がりがあってもトップレベルで走れるんです。去年だって全く完璧とは言えない状態で、シーズンほとんどでランキング2位につけていたんです。腕上がりがひどかったのにですよ。
 彼の気持ちはわかります。シーズン開幕で同じ問題が出てしまった。彼はタイトルを目標にしていたのにですよ。だから本当にがっかりした気持ちだろうし、うちも彼を支援しますよ。
 ダニはレースを始めたときからホンダのライダーでいつづけてくれたんです。それにあんな腕の状態でダニみたいに走れるライダーがいると思いますか?
 彼が何を言いたいのかよくわかります。ダニは3回もタイトルを獲っていて、MotoGPでもタイトルを狙っていて、そして実際にタイトル争いをしてきた。それができないなんて耐えられないことだと思ってる気持ちはよくわかります。
 でもいちばん大事なのは彼の身体で、みんなで治療法を探しますよ。たとえそれが徒労に終わってもね。
 (ケイシー・ストーナーの代役復帰について)ケイシーは何度も絶対MotoGPには戻ってこないって言ってるじゃないですか。それにダニの治療法は見つかると信じてますよ。そこは悲観していません」
============
辛い・・・。

ちなみにMotomatters.comにはこんな一文がありました。
「ダニ・ペドロサが6位に入ったというのは彼の素晴らしい才能を示す結果だ。彼は要するに片腕を背中に縛り付けられたまま走っていたのと同じなのだ。激しく痛む右腕は感覚も失われていた。それでも優勝したライダーの0.5秒落ちで、しかも彼の前でゴールしたのはワークスマシンのホンダ、ヤマハ、ドゥカティだけである。彼がどれほどのことをしたのか試してみたいなら、右腕にナイフを突き刺して冬用の一番厚いグローブをしてレースマシンに飛び乗り全力で45分走ってみればいい。決して簡単なことではなかったのだ」

| | コメント (2) | トラックバック (0)

公式リリース>カタール2015

ヤマハドゥカティ(英語)ホンダスズキ(英語)アプリリア(英語)

ちなみにヤマハのリリースのロレンソのコメントで「ヘルメットの上部から泡が漏れ出してきて視界が半分ふさがれてしまった」とありますが、英語だと「there was something wrong when in the top part of the helmet the foam came loose and came down so I lost half of my vision」となっているので「ヘルメット上部のスチロール(パッドかも)が緩くなって前に被さってきたんで司会が半分ふさがれてしまった」というのが正しいかと・・・。

<追記>
ビアッジがリツイートしていたこの写真を見るとパッドのようですね。https://twitter.com/arturvilalta/status/582324957423607808

<さらに追記>
ヤマハの公式リリース、「ヘルメットに問題があって」と修正されてますね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015カタール予選3日目の皆さんのコメント


ドゥカティ来ましたねえ。というわけでCRASH.netより。
============
カル・クラッチロー(12位):「ハッピーとは言えないですね。馬鹿なミスをしちゃったし。でもタイムは出せるしフロントローの可能性もあったのは明るい材料です。
 理想的に行けばフロントローのはずだったんですけど、まあレースではがんばって、冷静な気持ちで抜いていきますよ。スタートは気合いを入れますよ。失うものはあまりないんで、とにかく最初から飛ばしていきますよ。
 問題は最初の6周くらいはタイヤのおかげでドゥカティが速いってことですね。もし予選みたいにそれが終盤まで続いたらちょっと厳しいことになるでしょうけど。
 (クラッシュについて)良いペースで走れていたんでチームに申し訳ないです。ニュータイヤで予選アタックをかけるはずだったんでなおさらですね。
 ミスしちゃったんですよ。突っ込みすぎてフロントブレーキを強くかけすぎたんです。最初は別のフロントタイヤにすべきでしたね。33番に問題があったんで38番でいったんですけど、直感を信じるべきでしたよ。
 コーナーではもっとスピードを落とさなきゃならなかったってシンプルな話ですよ。でもリスクを冒してしまった。で、それが報われなかったってことですね。
 セッティングは完璧とは言えないし、クラッシュする前にもあのコーナーではかなりフロントがやばい感じでした。
 チームはそれを僕ほど深刻に受け止めてなかったんですね。僕も自分のミスみたいな言い方をしてましたし。スタッフは満足してますけど、僕は全然ですよ。レーサーだし、できるだけ速く走りたいんです。
 レース中盤から終盤ではもうコンマ何秒か縮められると思います。まあトップ争いについて言えば、マルク(マルケス)が誰よりも速いってことは間違いないですけど。
 ドゥカティはいい仕事をしたし、アンドレア(ドヴィツィオーゾ)もすいごかったですね。マルクが最有力だけどドヴィもポールの可能性はあると思ってました。
 ダニ(ペドロサ)も最後の2セッションでペースを上げてきましたね。今週末は彼の背中が見えてたんですけど、結局かなりのライダーに前に行かれてしまいました。
 いいポジションでフィニッシュできる自信があったんですけど、予選が終わった今となっては逃げ切るのは無理って感じですね。フロントローのライダーが逃げてしまったら追いつくのは無理ですよ。でも1周目で順位を上げたいですね。下げるのはもってのほかです。
 開幕戦というのはみんなナーバスになるんで1周目の1コーナーで何か起きて前のライダーがみんなコースアウトしちゃうとかあればいいですけど!
 スタートは相当混乱するのは間違いないですよ。毎年そうですからね。だから何が起き起こるか楽しみにしましょう」

アレイシ・エスパルガロ(11位):「ええ、がっかりしてますよ。昨日よりもスロットルを開けてリーンもめいっぱいして速く走ろうと思ってたんですけど、スロットルを開けるとリアにチャターが出ちゃったんです。
 ラップタイムは全然速くなかったし最終ラップではクラッシュしそうになって散々でしたね。FP4ではユーズドタイヤで55秒9を出せたんでレースタイヤのパフォーマンスには満足してますけど予選がね。
 ヤマハやホンダ、ドゥカティに着いていくのはたいへんでしょうけど、7位なら可能じゃないでしょうか。雨ラッチローやテック3ヤマハとの争いになるでしょうね。ペースは悪くないんで最初の10周はかなりのバトルになるでしょう。でもレース後半になればうちも強いですよ。
 明日は特に最初の5周でみんなにストレートで抜かされまくるでしょうし、次の周のコーナーでそれを抜き返さないとならない。レースってそういうものですし、うちはそうするしかない。全力を尽くしますよ」

ポル・エスパルガロ(10位):「(エキストラソフトを使うライダーに上に行かれたことについて)不公平ですよ、まったく。うちにとってはすごい不利ですね。まあ彼らのせいじゃなくてレギュレーションで決まっているわけですけども。
 僕らは自分たちに許されたもので全力を尽くして彼ら以上にがんばって、彼ら以上にリスクも冒している。あんなタイヤはうちには無いですからね。しかもうちはワークスマシンじゃなくて、だから中盤に沈んじゃうんですが、こんな言葉をつかって申し訳ないですけど、本当にf**kな状況ですよ。
 明日はタイヤについてはみんな同じになるんでレースを楽しみたいと思ってます。もっと上に行けるでしょうね。下がるなんてあり得ない!うちと同じタイヤで彼らがどこまでできるか見物ですよ。
 プラマック・ドゥカティはレースでは後ろに下がっていくでしょうね。でもパワーがあるマシンだからトップについて行ける。だからうちが集団に飲み込まれちゃったら差をつけられちゃうでしょう。
 ユーズドタイヤだとうちのマシンはいいんですよ。FP4ではリアグリップの問題がかなり良くなりました。ホルヘの後ろで走って彼を追いかけたんですが、いい感じでしたよ。
 明日はスタートに集中してドゥカティを序盤で抜いていきたいですね」

ヴァレンティーノ・ロッシ(8位):「まずここでは特にストレートで遅いんですよ。7〜8km/hくらい違いますね。ドゥカティからは10km/hくらい話されている。これで差がついちゃうんですよ。
 リアのフリップにも苦労してますね。なんとかしようとしてはいて、良くなった部分もありますけど、問題も残ってます。でも明日まで待たないと。明日に向けて全チームがセッティングを良くしてくるわけだし、うちもがんばらないと。
 今年がどうなるかもレースを見ないとわからないですね。去年はヤマハ2台とホンダ2台の争いだったですけど、今年はドゥカティもいいんで6台の争いになりそうですね。だからレースで何が起こるか見てからでないと何も言えませんよ。
 ヤマハはいつもカタールではちょっと遅いんです。なんでかわからないですけど、たぶん最終コーナーの立ち上がりで差がついているんですよ。うちのマシンは去年と比べて速くなっているわけではないんで、他の連中が上げてきてるんですよ」

ホルヘ・ロレンソ(6位):「(表彰台は)難しいですけど不可能ではないと思います、レースではいろいろ不思議なことが起こりますからね。いつでもポジティブでいなきゃならないし上を目指していきたいんで表彰台は目指していきますよ。それが今回の目標です。あとのことはレース後に話しましょう。
 難しい予選になることはわかっていましたけど最終的には2列目をなんとかゲットできました。完璧なラップは無かったんで0.2秒くらいは縮められる余地はあるんです。ミスをしちゃったんですよ。
 前のセッティングの方があってましたね。ウォームアップでは最後のセッティングを詰めることになりますけどレースは厳しいものになるでしょう。最高の走りでできる限り最高の結果を手に入れたいですね。
 路面のグリップがそれほど良くないのがうちのマシンに影響してるみたいです。でも他のいろんなところでちょっとずつロスしてるんです。ブレーキングやコーナー中盤の向き変えや脱出加速や、それにトップスピードもね。どの場所でもうちが最高にはなれない。そこが問題なんです」

マルク・マルケス(3位):「ドゥカティには驚いてはいないですよ。テストでもレースタイヤで速かったし。でも違うメーカーが上がって来るのはいいことだし、レースも激しいものになるでしょうね。一発出しタイムじゃなくてレースペースでもいいわけですから。
 明日は優勝を目指しますよ。まずはアンドレアについていきます。1周目は速いですからね。でもレースペースもいいですけど。あとはダニ(ペドロサ)ですね。レースでは速そうだしヤマハのライダーも油断はできません。でも準備は万端だしがんばりますよ。
 フロントローに入れればよかったんです。タイムは接近しているしみんなタイムを上げたがっていますしね。大事なのはレースペースで、そこはすごくいい感じでマシンもいいですよ。
 何周かロレのの後ろで走ったんですけど、みんなと同様にリアのグリップに苦労してるみたいですね。でも特にヤマハはリア依存がうちより強いですから。
 でもロレンソはいつもここでは速いし、ヴァレンティーノもそうだから、きっとからんでくるでしょう」

ダニ・ペドロサ(2位):「レースで最高のフィーリングを得られるようにプラクティスではいろいろがんばりました。でも今日フロントローに入れたのは大事なことですね。
 ワークスライダーもそれ以外のライダーもすごくタイムが良くて、しかもタイムがものすっごく接近している。0.1秒か0.2秒違うだけでポジションがずいぶん変わってしまうんで、2位に入れたのはすばらしいですね。最高ですよ。自分のベストタイムだと思いますよ。
 テストではドゥカティが速いってのはわかってましたけど、他のドゥカティもかなりトップに近いんでここは得意なんでしょうね。
 いい結果を出すのはいつでも大事なことですけど、まずは一歩一歩ですね。今日の予選は終わったので明日のレースに手中していきますよ」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(1位):「ここまで乗ってて気持ちいいことはなかったですね!最高のラップを刻んだ時はもっといけるように思うんですけど、どうでしょう・・・。
 あのタイムは不可能なものではなかったんです。予選用ソフトタイヤですごく良いタイムを出せたんですよ。でももっと大事なのはマシンのフィーリングがよくなって、自分のやりたいことができるようになった。そういうことは今まであまりなかったんで、そこが本当にうれしいんです。
 FP4のペースもすごくよかったですね。予選より印象的でした。だからレースに向けてすべてが良い方向に回っているんです。
 僕の経験からするとレースではプラクティスとは違う展開になるでしょうね。
 レースでないと本当の自分たちのレベルはわからないんです。何もかも違うし、レースが終わらないと全体を理解することはできないし、終われば将来に向けて自分たちがどこらへんにいるかわかるでしょう。
 今日は僕とマルクが同じようなタイムで、他のライダーはそこから0.5秒遅れくらいですね。でも明日のレースこそが本当の状況を教えてくれるのだと思ってます。ダニ(ペドロサ)、(ホルヘ)ロレンソ、ヴァレンティーノ(ロッシ)、そして(アンドレア)イアンノーネといった他のライダーも0.5秒という差を縮めてくるでしょう。でもさっき言った通りレースでは状況がすっかり変わるし、レースが終われば何を改善すべきかわかるでしょう。
 去年は(もてぎで)バイクが完璧じゃないのにとんでもないタイムを出せました。いい感じのマシンで良いタイムが出るのは本当に気持ちいいですね。でも去年はいいタイムを出せても気持ちは晴れなかった。ラップタイムを出すために本当に苦労していたんです」
============
ドヴィ、決勝でもくるかもよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公式プレビュー>カタールGP2015

ホンダヤマハドゥカティ(英語)スズキ(英語)。アプリリアは英語サイトにも事前情報無しですの。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015カタール予選2日目の皆さんのコメント

職場の送別会が立て続いていて薄ぼんやりしか結果を眺めていなかったのですがなかなかたいへんなことになっています。カタール2日目の皆さんのコメントをCRASH.netより。
============
ヴァレンティーノ・ロッシ(9位):「今日の結果には本当に満足してますよ。トップ10に界ってQ2に行くというのが最低条件でしたからね。今日のプラクティスは信じられないですよ。0.3秒以内に10台もいるんですからね!
 だからポジションには満足してないですけどポールからそう離れてるわけじゃないですし。
 明日の予選も厳しいものになるでしょうけどマシンも改善されてるしセッティングも僕のペースもそれほど悪くない。トップと近いところにいますから。
 リア周りはまだまだいろいろやらなければなりません。ソフトとハードのどちらをつかうかまだわかりませんしね。だから明日はどちらかを選ぶことになるんですけど、現時点では半々ってとこですね」

ホルヘ・ロレンソ(8位):「明日のフロントロー争いはそうとうきついでしょうね。エクストラソフトタイヤのライダーがたくさんいますし、あれだと0.4秒くらい縮まりますからね。
 それに今年の方がみんな速いですし。だから2列目だってとれないかもしれないです。でもまあ何が起こるかはわかりませんからね。0.5秒くらい縮められる何かをみつけられるかもしれませんし、ことによったらポール争いだってできるかもしれません。
 マシンのフィーリングはいいですよ。ソフト側(ミディアム)だとね。ハードもトライしましたけど、そっちもすごく安定してます。1分56秒1
くらいなら100集くらいできますよ。でもそれじゃ遅すぎるんで現時点ではソフト側でいくつもりです。
 今日の午後は電子制御にちょっと問題が出て違和感があったんです。原因を探らないといけません。1分54秒台後半くらいまではなんとか上げていきたいですね。そこが目標なんで」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(6位):「ソフトタイヤでは完璧なラップは刻めませんでしたね。今回初めて試したわけですし、だからまだタイムは上げられる可能性はありますよ。
 プラクティスの結果には満足しています。いろいろトライしましたからね。タイムが落ちちゃうこともありましたけど、何をすべきかはわかってきましたから。
 このコースではトップ18が1秒以内に入るってのも驚きじゃないですよ。グリップが良くなれば同じようなタイムを刻むのは簡単なんです。
 ブレーキングの安定性は100%とは言えないで末。特にレースを考えるとね。でもスピードは出るし、あとは安定性を確保するためにいくつか細かい調整をすればいいでしょう。
 ウイングもいい感じですね。効果は出てるしウィリーも減りました。だからパワーを使い切れるんですよ」

ダニ・ペドロサ(5位):「昨日とは違って今日はセッションが2回あったんでマシンも路面もいい感じになってきましたね。
 Q2に行けたのは良かったし、あとは明日最終調整をしてレースに向けていい結果を出していきたいです。
 テストでも何人ものライダーがトップに近いタイムを出せることはわかっていました。だからコース距離は長いのにラップタイムがとんでもなく近いですねえ。
 ここまでタイムが近いと明日の予選は相当集中しないといけませんね。
 タイヤについてはまだ迷っている部分も相当ありますね。まあ明日になればもっとはっきりするでしょう。
 でも明日の予選も今日と似たような結果になるでしょうね。
 (ストーナーの8耐参戦について)8耐ってのはいいアイディアですねえ。なんで出ないかって?いつかは出たいですね。本当に出てみたいんです!」

アレイシ・エスパルガロ(4位!):「フロントローも狙ってみますよ。どうなるか楽しみですね。去年みたいに1周目で失敗はしたくないんでまずは安全に行きますけど、2周目からは何にも考えないで脳みそはピットに置いていって、とにかく狂ったように走りますよ!
 まあ(マルク)マルケスが今日よりタイムを上げてくるでしょうけど、もしそれほど上げてこなければチャンスはありますよ。
 本当にすごく冷静にならないといけないですね。去年のマレーシアでも同じような気持ちだったんですけど大失敗をしちゃいました。ブレーキングではアグレッシブに行かなきゃならないけど、ちょっとミスしたら他のライダーと接触しちゃいますからね。
 ソフトタイヤだとちょっとはアドバンテージがありますけど、このコースだとあんまりフィーリングが良くないんですよ。ハードの方がいい感じですね。特に2周目以降はハードの方がいいです。
 ハードだと乗りやすいんですよ。それにフルタンクでのフィーリングも抜群です。去年はフルタンクのときはぼろぼろだったんですよ。マシンは暴れるしおかげで何度もクラッシュするし。ここではまず午前中にフルタンクをハードタイヤで試してみて1分55秒8が出せたんで、ここまでがんばった甲斐がありましたね。
 このコースは2コーナーでクラッシュが多発しますよね。なんでかはよくわからないですけど、前回のテストに比べたらよくなってますよ。全開というわけにはいかないですけどグリップは悪くないです」

カル・クラッチロー(2位!!):「セッション序盤では18番手だったんですよ。僕らが使ってたのは古いタイヤで、でもみんなニュータイヤだったんですね。それが理由のひとつでしょうけど、まさか2時間前に同じタイヤで全然問題はなかったのに18位なんて想定してなかったですよ。ホイールスピンが20-30%増しだったんです。
 ちょっとこれはまずいってことになったんですけどセッション中盤ではタイムが上げられたんです。ハッピーでしたけどトップと渡り合うにはまだタイムを縮めなければならない。2位というのはうちが出すようなタイムじゃないですけど、文句はないですね!
 たぶん実力的にはトップ6くらいだとは思いますけどすぐに12位とかになっちゃいますからね。今日のタイムもものすごく接近してるみたいですしね。『何位くらいでゴールできそう?』って聞かれてもまったくわからないですよ。
 まあ勝てはしないでしょうね。マルクはいま誰よりも強いですし。同じタイヤで走り続けてもすごいタイムを出せますしね。これはかなわない。そんなことができるライダーは他にいないんですよ。
 フロント、リア共にタイヤはハードを試してます。レースではリアはハードではいかないでしょうけど、フロントをどうするかはまだ決めてません。トップ10に入れたんでQ1を走らなくていいのは嬉しいですね。去年はいっつもQ1に向けていろいろ心配しなければならなかったですからね!
 でもいつも10位以内に入るのは難しいでしょう。エキストラソフトをはいたオープンクラスは手強いですからね。1秒くらいは違うんですよ。
 (ポールは獲れるかと聞かれて)それはないですね。
 (ではエキストラソフトのライダーがポールになる?)うーん、まあマルクでしょうね。少なくともエキストラソフトじゃないライダーには大差をつけるでしょう。
 (ブレーキがスポンジーな問題について)それは解決した感じですよ。完璧ではないですけどね。以前やったことをまたやってみたんです。去年ドゥカティでもヘレスではブレーキに問題を抱えてたのを覚えてます?そのときやったことをやったらうまくいったみたいですね。
 パーツを交換したんです。レバーの感触はみんなが使っているものほどは良くないんですけど、僕にしてみればずいぶん良くなった。少なくとも何かを握っているという感触は出てきましたからね」

マルク・マルケス(1位):「予選ではドゥカティが手強い相手になるでしょうね。二人のアンドレアと、あともちろん僕のチームメイトも速いですし、ヤマハだって上げてくるかもしれない。1周だけならタイムを出せるかもですからね。
 うちは昨日より良くなっているんですよ。リズムが出てきたんです。レースに向けては大事なことですね。でも一発出しのタイムはあんまり変わってないですね。ちょっとは縮まってますけどそれほどじゃない。でもリア周りのフィーリングが良くなってきたんです。
 明日はFP4はこのままいって、予選に集中したいですね。タイムはすごく接近してるし、ちょっとミスしたら3列目になりかねない。だから100%で攻めますよ。
 (ストーナーの8耐参戦について)聞いてますよ。いいことだと思うしまたレースがしたくなったみたいですね。そりゃそうですよ。まだ彼だって若いんだし、まだ高いレベルの走りができるんですしね」
============
うーむ、ヤマハ・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

カタールに向けてのロレンソのコメント

お次はロレンソ。CRASH.netより。
============
ホルヘ・ロレンソ(モヴィスター・ヤマハ/YZR-M1):「シーズンオフが終わって早くレースがしたいですね。充実したオフシーズンが過ごせました。新型パーツもいいし、パフォーマンスも良くなっています。
 2回のセパンテストでもいい仕事ができましたし、マシン改良の方向性もはっきり見えました。その後のカタールでは本当はYZR-M1向きのコースのはずなのに最高のセッティングがみつからなくて苦労しちゃいましたけどね。
 最終日は雨でテストができなくて残念でしたけど、チャンピオン争いのスタートは目の前です。本当のゲームの始まりですね。開幕戦勝利を目指してロサイルに向かいますよ。
 去年1周目でクラッシュしたことは忘れますよ。今年は去年よりいい状態で臨めますし、シーズン序盤もいけそうです。レースのスタートにいい感じで向かえますよ」
============
こちらもやや弱気なコメントかなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

カタールに向けてのペドロサのコメント

たまたま前の記事を書き終えたらこれがアップされたというタイミングの問題なんで、別にダニをひいきしてるわけじゃないですよ。CRASH.netより。
============
ダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ/RC213V):「先週のカタールテストの最終日は雨にたたられてしまいましたけど、自信はついているしシーズン開幕が楽しみですよ。
 ヴァレンシアテストからマシンはすごく進化してます。HRCがすごくがんばってくれたんで感謝したいですね。もちろんチームもがんばってくれました。今シーズンは新スタッフも加入しましたし、いい感じで回ってますしうまく仕事ができてます。
 開幕戦というのはいつもリズムを取り戻すのが難しいし3日間じゃなくて4日間もあるのはちょっと疲れますけどね。
 でも準備はできてるし、これまでやってきたことを試す時が来たって感じですよ」
============
カタールでは未勝利ですが、がんばって!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

カタールに向けてライダーのコメント集

今週末(!)の開幕戦に向けていろんなコメントが出始めていますので諸々抜粋(全部CRASH.netです)。
============
ブラッドリー・スミス(モンスター・テック3ヤマハ/YZR-M1):「ほんとにわくわくしてますよ。今週末にはレースができるんですからね。オフシーズンはすごく充実してましたし、開幕に向けて体力をつけるためにトレーニングも積んでいます。テストの結果にも満足してますよ。ヤマハのポテンシャルもかなりきたいできますし、チームも僕もかなりがんばりましたからね。みんなには感謝しなきゃ。
 もちろんまだやらなければならないことが少しばかり残ってはいますけど、気合いの入った開幕にしたいですね。決勝日に向けてプラクティスの時間を最大限に活用しますよ。
 良い結果を出す自信はあるし、ワークスマシンとバトルできるようがんばりたいです。日曜が待ち遠しくてワクワクしていますよ」

スコット・レディング(マルクVDSホンダ/RC213V):「理想的には(雨で中止になった)カタールテストの最終日もテストができればよかったんですけどね。ピットで座って雨を見てただけですけど。でもまあみんなそうだったわけで。
 テストではいいレベルまで上げてこられたんで最終日には違うセッティングでもっと良いタイムが出せるはずだったんです。天気のせいでそのセッティングのテストができなかったのは残念ですね。でもカタールに向けていい感じになってきます。
 まだRC213Vについて学ばなければならないことはありますし、まだタイムは縮められると考えています。最終テストでトップとの差が縮められたことを考えれば今週末に6位か7位ってのが現実的になってきてると思いますよ」

ユージーン・ラヴァティ(ドライブM7・アスパー・ホンダ/RC213V-RS):「プレシーズンテストはすごくうまくいったし、乗る度にいい感じになってきてますね。オープンホンダにもドライブM7・アスパーチームにもなじんできてますし、これから挑戦すべきいろんなことにワクワクしてきます。
 ロサイルでの最終テストもうまくいきましたね。だから開幕戦もうまくいきそうです。今シーズンは競争が激しいので何位に入れるかはわからないですけど、オープンクラスでは3位以内に入っていきたいと思ってす。
 ロサイルサーキットは楽しめるしマシンにもあっているんで、良い結果を出したいですね」

ニッキー・ヘイデン(ドライブM7・アスパー・ホンダ/RC213V-RS):「ショーの開幕までもうすぐですね。僕らもシーズン開幕に向けて準備が整っています。もう全然ルーキーじゃないですけどそんな感じで開幕に向けてわくわくしていますよ。毎年そうなんですけどね。
 結構なチャレンジだと思いますけど開幕戦が楽しみですよ。
 プレシーズンテストでわかったと思いますけど今年のMotoGPはとんでもなくレベルが高いんです。チャンピオン争いを楽しんでもらうにはいいことですけどね。僕はロサイルサーキットが大好きなんですよ。楽しめるコースなんです。
 最初は路面がちょっとほこりっぽいかもしれませんけどセッションを重ねていけばグリップも良くなっていきますし、夜のレースは楽しいですしね。オフシーズンにチームはすごく良い仕事をしてくれて、かなりの進歩ができました。
 もちろんまだやらなければならないことが残っていますよ。特に電子制御周りですね。でもチームやファンに誇りに思ってもらうような結果を出せると思ってます」

ポル・エスパルガロ(モンスター・テック3ヤマハ/YZR-M1):「ついに2015年が始まりますね。開幕戦で戦うのがとても楽しみですよ。シーズンオフはいい感じでマシンのレベルも満足できるものに仕上がってます。もちろん楽なレースなんてありませんし、今年もトップに近いところでゴールできるなんて幻想は抱いてないですよ。
 表彰台争いや優勝争いをするライダーは去年より増えましたからね。まあそうは言っても全力を尽くすしかないわけですけど。オフシーズンはチームもすごくがんばってくれたんで、あとは僕ががんばるだけですね。準備はできてますよ。
 カタールの夜のレースはいつでも特別ですね。MotoGPライダーにとっては面白いけど難しいんです。
 またヤマハYZR-M1に乗れるのが楽しみですし、その後の自信につなげるためにも良い結果を出したいですね」

マルク・マルケス(レプソル・ホンダ/RC213V):「シーズン開幕が待ちきれないですね。レースをするのはいつも楽しいし、開幕とあってはなおさらですよ。まあ先週の雨の影響がどれくらいあるか見てみないとわからないですけどね。
 いつも通り各クラスで何セッションかやってレーシングラインをきれいにしないとならないし、本当のグリップレベルがわかるのはそれからでしょう。
 速いマシンに乗る速いライダーが今年はたくさんいますからね。それはテストでもわかったことだし、だから今週末は相当おもしろいでしょうね」

ヴァレンティーノ・ロッシ(モヴィスター・ヤマハ/YZR-M1):「テストを何日もやったんで早くレースがしたいですね。テストの結果には満足していますよ。
 マシンもすごく良くなったし、でもまだやらなきゃならないことがたくさんあります。雨のせいで最終日はテストができなかったし、だからまずはそこから再スタートですね。
 カタールではみんな速いでしょうし、タイムも接近してるでしょうね。少なくともテストからはそう言えますね。でも開幕が待ちきれないですよ。
 僕の準備は万端ですよ。いい感じだし、チームも準備万端です。みんなやる気満々ですよ」
============
わくわくしてきますね!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

MotoGPデビューに向けてミラーは準備中

Moto3からの飛び級でLCRホンダでオープンマシンを駆ることになったジャック・ミラーですが、準備を調えているようです。MCNより。
============
2015年、最高に期待されているルーキーのジャック・ミラー。オーストラリア人の彼は昨年Moto3で6勝を挙げアレックス・マルケスに次ぐランキング2位を記録している。そしてその勝利には開幕戦の舞台となるカタールでの1勝が含まれている。冬期テストのプログラムを完璧にこなした彼が来週日曜に迫った開幕戦で駆るのはLCRホンダだ。

MCNのインタビューに答えてミラーはロサイルサーキットでのMotoGPマシンデビューについてこう語っている。

「ここをGPマシンで走るのは本当に楽しいですよ!高速コーナーが多くてセパンよりいい感じで走れますね。セパンだと低速コーナーでの立ち上がりに苦労してたんですが、ここだと滑らかに走れるしコーナリングスピードも高いんで、本当にスムーズにいけるんです。僕ら向きですね。セパンはストップ・アンド・ゴー型のコースでコーナリングラインをV字型にしないとならないんですけど、ここだとスムーズに走ってコーナリングスピードを高く保っていけるんで、Moto3みたいな感じなんです」

オフシーズンテストの序盤では電子制御の介入を最小限にしていたミラーだが、マシンに慣れるに従ってチーフメカのクリスチャン・ガバリーニが徐々に電子制御の介入を増やしているのだという。

「今はセッティングと電子制御についていろいろやってるんです。もう全システムを使ってますし、いろいろ使い方もわかってきましたね。僕に対して一度にたくさんのことをやらせようとはしないんですよ。そんんあことされたら脳が爆発しちゃいますからね!一度にひとつの領域についてだけテストして、個別の電子制御がどういう風に介入してくるのかについての理解を深めているところなんです。使うのは一部分だけにして、次はそれを解除して違いを見極める。さっきも言いましたけど、ここは難しいトラックなんです。グリップレベルは低いしマシンもすごく滑る。でも電子制御はうまく機能していると思いますよ。
 スタッフが僕にもわかるようにできるだけかみくだいて説明してくれるんです。理解するのはなかなか難しいですからね。Moto3だったらフロントを上げるとか下げるとかしかリクエストしなくていいんです。MotoGPだとピットに戻ってきて、あのコーナーではもっとエンブレがほしいとか、こっちではもう少し弱くしたいとか、ここはいいとか言わなきゃならない。でもまあそういうのに対応していろいろフィードバックしていかないといけませんね・
============
どうかセッティング沼にはまりませんよう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

スコット・レディングの1日

鼻っ柱の強さではジャック・ミラーと双璧をなすレディング。彼の1日をBike Socialが追っかけています。Episodo1ってことは続編もありそうですね。リンク先のビデオも必見!グーフィー帽w。


============
クイックシフターで2速まとめて落とす。バン!バン!フロントブレーキをリリースし左ヘアピンに飛び込む。夕方近くの太陽が作る長い影が1台のマシンが近づいていることを教えてくれる。ここはバルセロナ近くのゴーカート用サーキットだ。焦る。普段だったらそんなことはない。しかし今私の後ろに迫っているのはイギリスのMotoGPスター、スコット・レディングなのだ。

彼は私をどれくらい信用してくれているだろうか?どうだろう。私は彼の気むずかしいハスクバーナ450のスーパーモトに乗っている。彼はどれくらい私と離れているのか?踊る影から察するにコンマ数秒ほどだろう。わざとインを開けて彼に抜かせるか、それとも手を挙げるか、このまま走り続けるか。絶対避けたいのは彼の邪魔をすることだ。彼をころばせでもしたら最悪だ。彼は私を弄んでいるのか?私のライディングスタイル(そんなものがあるのか?!)を観察してアドバイスでもくれるのか?とにかく自分の走りに集中することにした。スロットルを開けシフトアップして…。その刹那、レディングは私を抜き去り前に出て行った。名刺代わりに高速右コーナーに長いタイヤ痕をつけていく。

世界最高レベルのバイクレースで身を立てているとんでもない才能を持つ22歳の若者がレース仕様のスーパーモトを歯磨きするように簡単に扱っている。これがエストレア・ガルシア0.0マルクVDSのライダー、スコット・レディングが2015年の開幕、そしてワークスホンダRC213Vでのデビューに向けて日々トレーニングを積んでいる日常の様子である。

レディングとガールフレンドのペニーがBike Socialに彼らの1日を取材することを許してくれた。そしてわかったのは、なぜ彼らがフライパンでピンポンをやるのか、ジョン・マクギネス(訳注:イギリスのロードレーサー)の潔癖さがどんな風に彼らに影響しているのか、なぜ彼にとって月曜食事が最高なのかといったことだ。その他にも彼はクロックスを履いてレゲエダンスを披露してくれたり、モトクロスで見事な12mのジャンプをきめてみせたりしてくれた。さらに彼はMotoGPに残れなかったら来シーズンで引退すると考えていると話してくれた。

これはあなたの知らないスコット・レディングの姿である。


<新居>

レディングとペニーの二人は典型的なスペイン風の2階建ての家に住んでいる。バルセロナから海岸沿いを30分ほど車で行ったところだ。ジャック・ミラーやジュール・ダニーロ(訳注:フランス人Moto3ライダー)といったレーサーも近くに住んでいる。コンクリート造りの階段を上がると1階の玄関だ。そして家に隣接してガレージが設けられている。スペースの割には部屋が多すぎで、壁の配置も奇妙な上にライトスイッチは低すぎる位置にとりつけられており、なおさら不思議な感じになっている。しかしこのカップルはこうした諸々にむしろ惹かれているようだ。

彼らは1月始めにここに越してきたばかりで、彼ららしさはまだこの家にはない。世界最高の才能脳を持つバイクレーサーであることを示すものの皆無だ。キース・レモンの「お宅訪問隊(Through the Keyhole)」(訳注:イギリスのクイズ番組。有名人の自宅を取材して誰の家か当てる、というものらしいです)もここでは成立しないだろう。

果物の絵の数々(りんごは全部で24個になるそうだ)の他に飾ってあるのは、自宅ジムの壁にテープで貼られた無料の安っぽい派手なカレンダーだけだ。そこにはレースとテストの日程が書き込まれている。


<クール>

スコットはクロックスを履いて私たちの前に現れた。これには理由がある。彼は2週間ほど前に海外でのレース後パーティーで靴を無くしてしまったのだそうだ。ホテルの従業員が自分の靴を脱いで渡してくれたらしいが、後にわかったことだが彼は倹約家で(もちろんお金だけではなく彼女のことも気にかけている)、そんなわけでそのクロックスが彼のガレージウェアに加わることになったのだ。

レディングがヴォーグ誌のカバーを飾れないのはこの合成樹脂製の靴のせいだけではない。2013年のMoto2ランキング2位に輝いたにもかかわらず彼が喜んで見せてくれたズボンはボブ・マーリーがプリントされたハーレムスタイルのものだった。彼の家で流れているBGMにもマッチしていた。私たちが家に到着して5分でパドック外のスコット・レディングがどんな人物なのかがはっきりわかるような音楽だ。彼は独立独歩の人である。自分独自の考えに自信を持っている。バイクレーサーには必要な資質だ。レースになったら自分一人である。自分ががんばることでしか結果を出せない世界だ。


<オフシーズンの怪我>

2015年が間近に迫っているが、レディングはクリスマス前のスーパープレスティジオで怪我を負ってしまった。スーパープレスティジオは毎年恒例のダートトラックイベントで、マルク・マルケスやブラッド・ベイカー、ガイ・マーチンといった才能あるライダーがこぞって参加している。テストの最中に彼は胸骨(肋骨と鎖骨を繋ぐ骨)を折ってしまったが、すぐには骨折に気付かず、翌日のプラクティスのために左のブーツを強化しなければと考えていたほどだそうだ。

「スーパープレスティジオまではほとんどダートトラックをやったことがなかったんですよ。トランポからバイクを降ろしたらそれがみんなのマシンより30cmばかり背が高くてね。みんなのマシンはワークスマシンにワークスキットを満載していて、さらにワークスメカまで連れてきてたんですよ。
 で、乗ってみたら最低な状態でした。みんなダートトラックには慣れてるみたいで、ますます僕の立場がなかったですね。初日に乗れなかったんだけど、翌日はかなり乗りこんで、それでブーツがいかれちゃったんです」

怪我のせいでレディングはトレーニングができなかったそうだ。特にバイクに乗れなかったことがフラストレーションになったという。リハビリ中はXboxでコールオブデューティをずっとやっていたとのことだ。普段は活動的な彼にしては珍しいことだ。「ペニーも僕に対していらいらしてたけど、こっちは動けなくて、だから仕方なくやり続けたんですよ」


<MotoGPスターの食事>

ペニーの料理の腕前はなかなかである。レディングがおいしい食事について話してくれた。スペイン風スクランブルエッグが得意なのだが彼女はやらせてくれないらしい。とは言え、彼にはお気に入りの調理器具がある。わざわざデモンストレーションまで見せてくれたそれはメロンカッターだ。

「いつもは、まあわかるでしょうけどここでいろいろ質問しても彼女は答えてくれないんですよ。だから普段はガレージでバイクのメンテをして、ごはんができると彼女が下に向かって大声で教えてくれるんです」。それがいい関係の秘訣だろうか?「ペニーがキッチンにいて僕がガレージにいる。いいコンビですよね」

ペニーが自家製の(メロン抜きの)グリーン・チキンカレーをふるまってくれた。「料理にはクリームは使わないんですよ」と彼女は言う。

冷蔵庫には大量の鶏、卵、メロンバナナジュース、魚、イチゴ、そしてバレンタインのプレゼントとしてはなかなか毒せ雨滴なのだがアスパラガスが入っていた。冷凍食品は無しだ。

「レースのある週は水曜ぐらいから炭水化物を採るようにしてますね。マニュアルがあるんですよ。夕方過ぎは炭水化物を採らないでタンパク質が豊富なサーモンとかステーキを軽めに食べてます。だから日曜の夜と月曜が最高ですね。マクドナルドとか身体に悪そうなものが食べられますから!
 レースのときはチームのシェフがチキンとか僕の好きなものを作ってくれるんです。でも当分が足りなくてマーズバーとか食べたかったら透きに食べるんです。まあ速けりゃなんでもいいんですよ!」


<男の城>

ペニーが料理をしている間、レディングは自分の城に逃げ込んでリラックスしている。そこには5メーカーの8台が収納されている他、アプリリアの125ccスクーターが外に置いてある。彼のガレージは整頓され清潔で几帳面できっちりしており、とても22歳の若者のガレージとは思えない。

レディングはその理由をこう語っている。「自分の家やガレージをきれいにできもしないでチャンピオンなんか獲れるわけないってジョン・マクギネスがTT映画で自宅の掃除をしながら言ってたんです。僕は彼を信じてますから」

ストーク社製のとんでもなく軽量な自転車の他にあるのは以下のマシンたちだ。

 ・KTM250モトクロスバイク
 ・450ccスーパーモタード(「僕はこれが大好きで、かなりの愛情を注ぎ込んでいるんだ」)
 ・ジュール・ダニーロの所有するスーパーモタード
 ・もう1台450スーパーモタード
 ・モトクロスバイクを改造したダートトラック用ニューマシン
 ・カワサキのモトクロスバイク
 ・アプリリア550スーパーモタード(失敗作ではないか)
 ・ペニーの140ccピット用バイク

レーシングスーツやグローブ、ブーツ、そして様々な種類のヘルメットが専用の棚に置かれており、その反対側にスーパーモタードとモトクロスマシンが上に書いた通りのお気に入りの順に並べられている。

その前日、レディングはKTMでダートを走っており、エアフィルターは砂まみれでクリーニングが必要な状態だった。おあkげで翌日の走行のために彼がやったメンテナンスも撮影することができた。

彼の性格がどんどんわかってくる。彼は自分の周りのものをきっちりしておくことで安心して楽な気持ちになるタイプなのだ。クリーニングの槍や他やメンテナンスの方法や、メンテ後のバイクをきちんともどす様子や、そうしたものを見ていると、彼やチームやMotoGPに関わる人々がどれほど高いレベルのことを求められているのかよくわかる。テレビや(幸運に恵まれて)現場でピットを見てみれば、そこがいかに整然としているかに気付くだろう。これがレディングの家でもそのままなのである。


<運命の年>
彼にとって初めてとなる2年契約でホンダワークスRC213Vに乗ることになるのだが、これは2年連続チャンピオンのマルク・マルケスのましんとほぼ同じマシンである。今年が彼にとって運命の年となるのだろうか?

「今年もひとつの転機になるでしょう。ずっとワークスマシンに乗りたかったし2年契約ができましたからね。だからワークスホンダを走らせる最高のチームでちゃんとやれなかったらだめでしょうね。何か他の仕事を探すことになりますよ。本当のところは2年目にトップ争いができるようになるという計画で、だから来年はリザルトが求められますね。今年はまずは学習の年と位置づけてるんですけど、でもそれなりのところは見せなきゃならないでしょう」

新型マシンの初ライドは昨年11月のヴァレンシアテストたったが、セパンテストではさらに長時間乗り込み、いろいろわかってきたようだ。「まずはいろいろ学ぶためにマルケスのデータを見て勉強しました。初日はサスにも他のところにも手を着けないで走ったんです。タイヤを替えてガソリン入れて走って、またタイヤを替えてガソリン入れて走っての繰り返しでした。2日目はスプリングを数クリック分調整して、あとは同じですね。最終日になって電子制御をちょっといじりました。2回目のテストではキャスターを変えたりしましたね。他のライダーはラップタイムを出すためにソフトタイヤを使ってましたし、そうすれば7番手から10番手くらいには入れたと思いますけど、そこには興味がなかったんですよ」

怪我から回復してくると彼はお気に入りのトレーニングメニューを再開し始めた。「オフロードの方がオンロードより好きですね。わくわくするんですよ。楽しむならモトクロスやダートトラックやスーパーモタードですね」


<トレーニングは辛くない>

午前9時にはランニングと自転車トレーニングを終えてプロテインパンケーキを食べ終わり、モーターホームにモトクロスバイクとスーパーモタードマシンとペニーのピットバイクを積み終わっていた。私と言えば彼が動き回るのに着いていくのがやっとのありさまだ。

「お気に入りのコースが1時間ばかり車で行ったところにあるんで、1〜2回モトって(throw down one or two moto's)くるんですよ」と彼は言った。

モトる?モトクロス界でモトと言ったら30分+2周のレースのことだ。

人里離れたモトクロスコースには人っ子一人いなかった。使わせてくれることについてコースのオーナーにありがとうと言っただけでレディングはトランポからバイクを降ろし、モトクロス装具を着け、バイクを暖機し、そして走り始めた。

20分後に汗まみれで戻ってきた彼はとても幸せそうに見えた。「来て良かったですね。すごく楽しめましたよ。ちょっと乾きすぎですけどね。前回来たときにリアタイヤのブロックを削っちゃったんでコーナー立ち上がりでグリップしないんですよ。グリップがちゃんとしないとジャンプできないですしね。まあでもスリックみたいなタイヤでもマシンコントロールやホイールスピンのコントロールやマシンの感覚をつかむことはできますしね」

私はレースがどれほどのものを身体的に要求されるか知らなかったが、それでもわかったことがある。「僕にとってモトクロスはいちばん体力的にたいへんなモータースポーツですね。モトクロスで20〜30分全力で走ったらMotoGPなんて軽いですよ。でもそれだけじゃなくて、楽しいってのもあるんですよ。トレーニングを辛い気持ちじゃなくて楽しめるってのは心を軽くできますしね」


<モトクロスからモタードへ>

モトクロスコースよりも彼の家に近いところにゴーカート用サーキットがある。そこでもレディングは精力的だった。トランポからバイクを降ろし、タイヤウォーマーを着けて電源につなぐ。次はスーパーモタードの時間だ。ここにはペニーもオーダーメイドのアルパインスターズのツナギを着て現れた。GP史上最年少ウィナー記録を持つボーイフレンドが教えてくれたことを私たちに見せたくてうずうずしているようだ。実際彼女の走りは見事なものだった。一度は2速で転んだものの、膝を擦りながら結構な速さで走り続けていた。

一方レディングは私にレッスンをほどこしてくれた。親切にも彼のおじさんからその日の午後に手に入れたというバイクを貸してくれたのだ。私は重い足取りで歩きながらしばし考えた。いいようにあしらわれて捨てられても別に構わないではないか。「ロード乗りなんですよね、僕は。だからフロントにチャタリングが起きたら膝でおさえるんです。昔の僕みたいな乗り方ですね!」と言って、私の極端なハングオフのライディングスタイルをミック・ドゥーハンみたいだと評した。まあ褒め言葉ととっておこう。

「モトクロスマシンと比べるとかなり剛性が高くて遅くて重いですけど、このマシンはダートトラック仕様からコンバートして初めて乗るんで、ちょっとサスの調整が必要ですね」

彼はこの7年というものプラクティス、予選、レースと全てのセッションが終わる度に正確で精密なフィードバックをメカニックに返している。つまり彼の判断は信頼できるということだし、マシンを自分の城に持って帰ったら良いセッティングが出るまでいじりまくるのは間違いない。彼は性格が良くてクールだが、同時に精密で正確で完璧を求める男でもある。日々の暮らしのすべてがあと0.1秒を削るために注ぎ込まれているのだ。


<なぜスペインか>

言葉は問題にはならないだろう。むしろスペインに住んでいればMotoGPが開催される5つのサーキットに車で6時間以内に到着する上、太陽がいつも輝いているというのに、なぜスペインに移住しないのか不思議なくらいである。

「スペインにしたのはいつでもやりたいときにトレーニングができるからですね。あと天気もすごくいいですし。イギリスでモトクロスをしようと思ったら、トランポを借りるのにお金がかかるし、走るにしても規制が厳しいですからね。それに冬になったら雨は降るし寒いし。でもここなら気軽にコースに行って、そしたらオーナーが『走り終わったら鍵かけといてね』って鍵を渡してくれるんですよ!
 すごく恵まれた環境なんです。ジョギングしたければ走って3分でビーチだし、自転車で山を走りたければ反対に向かえばいい。スペインは慣れるのに時間は掛かりますけどね。特に時間の感覚が違うんですよ。日曜には店はみんな閉まっちゃうんで、日曜の朝に牛乳が切れたら月曜朝まで飲めないってことですね」

ペニーが学校に通ってスペイン語を習って、それをスコットに教えている。スコットは「教室に座っているのに耐えられないから」だそうだ。彼女は海外生活が長かったスコットほどには適応していないという。

ペニーはこう語る。「私の方がスコットより辛い気持ちになることが多いですね。友達や家族のことを考えると寂しくなるんですよ。まだこっちに来てからそう時間がたっているわけじゃないんで判断を下すにはまだ早いとは思いますけどね。でもここがだんだん好きになってきてるし、学校に行って友達もできました。すぐに旅暮らしが始まるんでまた状況は変わるでしょうね。1月にイギリスからスペインに来たときはあんまり暖かいんで短パンとTシャツだったんですよ。こないだスペイン語の学校に行ったときにもみんな私がカーディガンとスカートだったんで相当おもしろかったみたいですよ。まだみんな帽子をかぶって手袋をしてましたからね。こんなんだとすぐにイギリス人だってばれますね!」


<ペンブレサーキットでGP>

イギリスグランプリがシルバーストンだろうがドニントンだろうが、いっそペンブレ(訳注:1周2.3kmのウェールズにあるサーキット)でもかまいませんよ。ただ走るだけですから。シルバーストンもドニントンも走ってますけどシルバーストンの方が好みですね。高速だしコーナーのつながりがスムーズだし度胸が試される。同じ理由でみんなシルバーストンが好きなんでしょうけどね。


<輝くヘルメット>

「テストで使ったのと似たようなヘルメットにしようと思ってます。金色が好きなわけじゃないですけどデザイナーが『信用しろ』って言ってますしね。デザインは似た感じになりますけど、星はマットブラックにしてユニオンジャックをあしらうことになりますね。でもシンプルな感じですよ。シンプルなのが好きなんです。古いバージョンは自分でデザインしたけど基本は黒でしたしね。でもテストの時にスタッフがコース上の僕をみつけられなかったんで星とユニオンジャックをつけたんです。まあそういうことは気にしないようにしてますけどね。輝いて見えればいいんですよ!」


<良くある質問>

レディングは私たちに良くある質問の答えを教えてくれた。他の媒体で彼がこう答えているのを見たら、初出はうちだということを思い出していただきたい。

1.MotoGPライダーじゃなかったら何になってました?「まあそれほど切れる方じゃないんで『陸スキューバインストラクター』にでもなろうかといつも思ってますね」
2.グリッドではどんな音楽を聴いているんですか?「前はエミネムを聴いていて、グリーンデイを聴いていたこともありましたね。でも一番ぐっとくるのはピーター・アンドレの「ミステリアスガール」ですね。なんでいいのかよくわかってないですけどすごくアガるんですよ。いい感じになるし。レース前に聴くと0.3秒は違いますね!」


<幸せへの鍵?>
「いま欲しいのは自分専用のジムと自分専用のモトクロスコースと自分専用のダートトラックと倍の大きさのガレージですね!それさえあれば超幸せですよ」
============
英語圏記事ばっかり翻訳しているので情報が偏ってはいるんですが、それでもレディングとミラーは応援したいなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ヘイデン「ホームストレートでは去年のマシンに比べて格段にいい!」

今年もオープンマシンで走るニッキー・ヘイデンですが、今年のホンダRC213V-RSはかなりましになっている様子、MCNより。
============
カタールテストを終えたニッキー・ヘイデンはホンダのオープンクラスマシンがトップに近づいていることには満足しつつも、16番手という結果についてはがっかりしているようだ。新型マシンは去年型に比べてかなりの改善を見せているものの
MotoGP全体のレベルが上がっていることを考えると、その程度の改善では足りないということだ。これではヘイデンは相変わらず上の方で戦うことはできないままだろう。

「去年型と比べるとホームストレートでは格段に良くなっていますよ!その他の部分はねえ・・・、去年とあんまり変わらないんですよね」とカタールテストについて聞かれたヘイデンは答えている。テストを総括して彼はこう言っている。

「ラップタイムは1秒以上良くなっているし、マシンのフィーリングもいいし安定してラップタイムを出せるようになっているんで、まあ満足ですけど16番手ですからねえ。トップとの差は縮まっているんで楽しみではありますよ。ラップタイムが2分くらいで、1.1秒遅れというところですからね。カタールだとセパンよりトップとの差は小さくなるんです。マレーシアだと差が大きくなりがちなんで、カタールで差が縮まるのは予想の範囲内ですけどね」
============
うーん、うーん、うーん。辛い感じ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

MotoGPは決して800ccには戻らない

とMotoGPの技術ディレクター、コラード・チェッキネリが言ってます。CRASH.netより。
============
他のトップクラスのモータースポーツと同様にMotoGPでも「見せる」という側面についていろいろ語られている。コース上で繰り広げられるレースのスリルや楽しさについての話だ。

しかし予測不可能な接戦を演出するために技術的な面から何かできることもありそうだ。

「絶対やってはいけないのは一番いいライダーが損をするようなことですね。最高のライダーが運が悪かったせいで負けるようなルールにしちゃだめなんです」。MotoGPの技術ディレクターであるコラード・チェッキネリはCRASH.netに対してそう語った。「宝くじじゃないんです。最高のライダーが勝たないといけないんですよ。まあ多少の辛い思いはするにしてもね」

重要なことの一つにレース中の変動要素の数が挙げられるだろう。レースが進むにつれてライダーが対処しなければならない要素ということだ。

「私の考えでは、例えばタイヤ消耗なんかが面白さに貢献するでしょうね」とチェッキネリは言う。「突然グリップが落ちるとかじゃなく一定の割合でタイヤのグリップが悪くなっていくのがいいですね。でラップタイムが最初と最後でかなり違う。タイヤはそうあるべきだと思うんです。
 タイヤパフォーマンスというのは一定の法則があって、グリップレベルが上がれば上がるほど、グリップの落ち方は予測が難しくなるんです」

序盤でのタイヤグリップの良さを最大限に引き出すことのライダーとマシンの数がわずかしかなければ、1ラップ目で隊列が長くなってしまうことになる。2016年にタイヤがブリヂストンからミシュランに変更されるのはタイヤのグリップ特性を変える良いチャンスかもしれない。

「(ミシュランの)ニコラス(グーベール)とはいい感じで議論ができていますよ。友達だしいろいろ意見の交換ができるんです。今言ったようなことは彼にも言ってますけど、技術ディレクターの立場から言ってるわけじゃないですね。個人的な考えとして会話しているという感じです。こちら側でプロジェクトに携わっているのは私一人じゃないですからね」

グーベールはタイヤのレベルを落とすつもりは全くないようだ(英語リンク)。しかし「最終ラップにファステストラップを出せるようにするために」ミシュランは何でもすると彼が確約しているということは、つまりレース序盤でのグリップレベルが極端に高いという状況からの大転換を意味しているということだ。

チェッキネリは続けてこう言う。「他にも電子制御の介入を減らすという手もあります。でもこれは安全性の問題に直結するんで慎重に考えたいですね。とは言えこの2点が今の中心的課題なんです」

そして3点目の技術ルールの課題は、ライダーにとって扱いやすいマシンにしていくということだ。乗りやすく、技術的支援の多寡やチーム予算に左右されないマシンが最終目標なのだ。

「他にも変動要素を付け加えて見応えのあるレースにするには、トップ争いをできるライダーを増やすことが必要ですね。そうなれば完璧ですし、マシンを乗りやすくしてしかもコストがかからないようにするにはいろいろなやり方があるんです。乗りやすさとコストの低さはいろんなところで両立できるというのも心強いですね。
 例えばレブリミッターがあれば今よりもっとエンジンを扱いやすく、しかも安価にできるでしょう。電子制御をシンプルにするというのも同じ効果がありますし、燃料制限を緩和してもマシンを乗りやすくしながら開発コストを抑えることができる。まあこうしたことはみんなメーカーはやりたがらないことですけどね!」

チェッキネリは自分がやりたくないことについてもはっきり言ってくれた。「800ccに戻ると言うことは絶対無しですね。だってバイクは乗りにくくなるし、しかも高価になってしまいますからね」
============
技術開発の場としての最高峰クラスというのと興業を成立させるのはとても難しいし、私は先端技術が大好きですけど、ちょっと軸足は興業(というかライダー同士の争い)寄り、かな。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

ホルヘ・ロレンソへのインタビュー

カタールテストではなんとなくぱっとしない感じだったホルヘ・ロレンソですが、それでも打倒マルケスの最右翼であることは間違いないでしょう。ってなわけでCycle Worldよりロレンソへのインタビューを。
============
シーズン前最後となるカタールのロサイル・インターナショナル・サーキットでのテスト最終日は雨で終わった。後は2週間後に迫った開幕を待つばかりだ。

カタール最大のニュースはドゥカティGP15の素晴らしいパフォーマンスに尽きるだろう。初日、2日目ともにトップタイムを出したのだ。しかもカタールではソフト側のタイヤは使用していなかったのだ。チャンピオンのマルク・マルケスは冗談まじりにこう言っていた。「彼らがエクストラソフトを使わなかったのは、周りをびびらせないためでしょうね。もし使ってたらさらに1秒くらいは縮まってたでしょうから」

とは言え実際にはマルケスはドゥカティを怖れてはいない。最後のテストの2日間を見た限りでは、彼はカタールのトラックが滑りやすかったこともあって全力を出していたわけではないようだ。マルケスは言う。「テストの終わってみるとライバルはホルヘ・ロレンソとヴァレンティーノ・ロッシだということがはっきりしましたね。彼らとチャンピオン争いをすることになるでしょう。ドゥカティがトップに立てるところもあるでしょうけど、結果を出したら優遇措置が削られますからね。ですから自分がライバルだと思った相手に集中しますよ」

我々はマルケスが2015年のMotoGPタイトルを争うライバルとして挙げたホルヘ・ロレンソにインタビューを行った。

彼は序盤の2戦でわずか6ポイントしか獲得できなかった2014年の轍を踏むまいと努力している。そして去年の後半戦では誰よりもポイントを稼いでいる彼は三度目のタイトルを虎視眈々と狙っている。

ロレンソは去年より5kg体重を落としてテストに臨んでいる。1月1日から休み無しでトレーニングを積み、スーパーモタード、小排気量モトクロスバイク、そしてダートトラックを日々のトレーニングに取り入れている。

:1年前のホルヘ・ロレンソとは何が変わりましたか?

ロレンソ:去年とは体調もマシンも違いますね。去年はポテンシャルの50%くらいしか発揮できていなかったですけど、今日は90%くらいまで来ています。2008年にMotoGPにデビューしたときと同じくらいまでやせてきていますし、マシンもかなり良くなっているんです。


:昨シーズンを通して学んだことは何ですか?

ロレンソ:いつも言っているように、ミスは取り返せないんです。でもそのミスからは学ぶことができるし、何かを良くしていくことはできる。そうやっていままでやってきました。フィジカルコンディションにもこれまで以上に気を遣っています。今までもかなりトレーニングしてましたけど、去年はオフシーズンに手術をしたせいでトレーニングが充分できなくて、体調が完璧でない状態でシーズンを迎えてしまったんです。それで痛い目をみたんですよ。


:カタール開幕戦に向けてどう体調を整えていくんですか?

ロレンソ:去年のヴァレンシアからこっち、トレーニングをしなかったのはクリスマスの1週間だけです。かなり厳密に日々のプログラムをこなしていますよ。1日6時間から9時間はトレーニングしてますね。マウンテンバイクやジムや、あとオートバイにも乗ってます。モトクロスやトレールバイクやダートトラッカーやポケバイにね。いろいろ乗ってるというのがポイントですね。


:集中力を高めるためにはどんなことをしていますか?

ロレンソ:集中力は僕の強みですね。それにいつも集中力を高く保つように努力してます。今年は身体的にも準備ができているし精神的にも良い状態です。マシンがいい状態で自分も速く走れるとコースの中でもコース外でも自信が保てるんです。


:タイトル獲得のために自分のライディングスタイルを変えてさらに上に行こうと考えたことはありますか?

ロレンソ:ライダーなら誰でも自分なりのやり方と秘密をもっているんです。集中力、安定性、そしてコーナリングスピードが僕の強みですね。でも自分の技術を少しずつ高めていって、そして弱点を小さくするようにいつも努力しています。


:あなたが戦った相手の中ではマルク・マルケスが最高のライダーですか?

ロレンソ:難しい質問ですね。毎シーズン、ストーリーが変わるんですよ。ヴァレンティーノ・ロッシ、ケイシー・ストーナー、そしてマルク・マルケス、その3人が今まで戦った中で最強のライバルですね。でもダニ・ペドロサも速いですし。


:どうやったらマルク・マルケスは倒せるんでしょう?

ロレンソ:彼よりも、そして誰よりもたくさんポイントを稼ぐってことですね。他にやり方はありませんよ。マルクを倒すには速さと安定性の両方が高いレベルで求められるんです。毎レース表彰台に立って、可能な限りたくさn勝つのが目標です。タイトルを獲るにはそうやるしかないんです。三度目の最高峰クラスタイトルをぜひ獲得したいと思っていますよ。


:マルクはあと5〜6年は勝てると思いますか?

ロレンソ:2連覇したからといって、その後3〜4年勝てるってわけじゃないですよ。彼だってそのためには努力が必要です。レースでは「当たり前」ということはないんです。だからこそMotoGPはおもしろいんですけどね。


:2015年はどんなシーズンになりそうですか?

ロレンソ:僕は今モチベーションにあふれています。自分もそうですけどマシンも去年の今頃よりいいですからね。


:ヤマハM1は去年の後半かなり速くなりました。2015年型には何を要求したんですか?

ロレンソ:去年お願いしていたことのいくつかは実現しましたね。それと新型シームレスギアボックス(シフトアップに加えてシフトダウンもシームレスなもの)も装着されましたし。まだブレーキングは弱点の一つですけど、必ず改善していけると思っています。


:ヤマハ発動機の木村隆昭副社長が2015年型YZR-M1にはフルシームレスギアボックスを搭載したと言っています。今回のテストではどんな感じでしたか?

ロレンソ:フルシームレスギアボックスのおかげでどれくらい速くなるかを判断するにはまだ早いですね。まだシャーシと電子制御に手を入れてポテンシャルをフルに発揮させなければならない段階なんです。でも大きな一歩ですよ。ヴァレンティーノもそうですが、かなり攻められるしブレーキングも遅らせられますね。


:ヴァレンティーノとの関係はずいぶんうまくいっているようですが、もう最大のライバルというわけではないんですか?

ロレンソ:関係はよくなりましたね。どちらももう大人ですから。でも同時にどちらも野望があって、同じようにチャンピオンを目指している。二人で良いチームが作れていますし、M1を良くするためにお互いに印象を話し合ったりしています。お互いにチームメイト、つまり唯一自分と同じマシンに乗る相手を倒して勝つために走っているのは間違いないですね。もちろん他のライダーも負かさなければいけないですけど。


:カタールはヤマハ向きのコースとして知られています。開幕戦表彰台は・・・

ロレンソ:予想するのは好きじゃないんです。3月29日になればわかりますよ。


:タイトル争いのライバルは誰になりますか?

ロレンソ:ホンダとマルク・マルケスはもちろんですね。でもヴァレンティーノ・ロッシもダニ・ペドロサも強力なライバルです。ドゥカティも勝ちに来るレースがあるでしょう。全体的は相当厳しい争いになるだろうし、チャンピオン争いにからんでくるライダーも多くなるでしょうね。
============
本文中にはいつ行われたインタビューかが記されていないけど、それなりにいい感じなんじゃないでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015MotoGPカタールテスト初日まとめ:ドゥカティが速かったのは本当にスーパーソフトタイヤのおかげなのか?

カタールテスト初日、イアンノーネがトップタイム、ドヴィツィオーゾが2番手と素晴らしい速さを見せているドゥカティ税が、実はスーパーソフトを使わずこのタイムを出したというとんでもない話が伝わってきました。MotoMatters.comより。
============
使ったのか使っていないのか、それが問題だ。ドゥカティがセパンテスト(訳注:カタールテストの間違い?)の初日を完全に支配したことについてだ。アンドレア・イアンノーネとアンドレア・ドヴィツィオーゾの2人が終始タイムシートのトップを争い、最終的にイアンノーネがトップに座ることになった。実に興味深い結果である。しかしMotoGPウォッチャーやライバルメーカーはこの結論に飛びついた。「ドゥカティは確かに速かったけど、どうせスーパーソフトのリアタイヤを履いたんだ」と。これはオープンクラスチームと、そしてドライコンディションで3勝を挙げていないワークスに対する優遇措置である。ヴァレンティーノ・ロッシによればそのおかげで1ラップあたり0.6〜0.7秒は違うそうだ。

しかし彼らが使ったのはスーパーソフトではなかった。少なくともアンドレア・ドヴィツィオーゾは報道陣にそう語っている。彼はレース用セッティングのためにずっと走っていたと言う。最初はGP14.3でベースとなるセッティングを出し、その後GP15でブレーキングと電子制御のセッティングをしたそうだ。その間スーパーソフトを使う機会は無く、使える2種類の内、ハード側をずっと使用していたとのことだ。つまりホンダ、ヤマハのファクトリーマシンが使う通常のソフトタイヤだったということである。とは言えヴァレンティーノ・ロッシはそれを額面通りに受け取ってはいない。「スーパーソフトを使っていなかったって?どうですかねえ」とロッシはイタリアの報道陣に語っている。ある意味彼は正しいだろう。スーパーソフトを使っていないと断言したのはドヴィツィオーゾだけで、アンドレア・イアンノーネはその質問をはぐらかし、単にフレッシュタイヤとユーズドタイヤのどちらでも速かったと言うにとどまっているからだ。

スーパーソフトかどうかはさておき、ドゥカティが速いというのは事実である。GP15は間違いなく戦闘力がある。ロッシやホルヘ・ロレンソ、マルク・マルケスもこれについて懸念を表明している。同じタイヤでもドゥカティはヤマハやホンダと同等の速さを見せているとロッシは言っている。つまりそこが問題なのである。少なくともホンダやヤマハにとっては憂慮すべき事態だろう。

GP15がこれほどまでに速いとドゥカティに対する優遇措置が問題になるのは間違いないだろう。現時点のルールではドライコンディションで優勝していないメーカーは24Lの燃料とスーパーソフトタイヤの使用が許されている(ファクトリークラスがハード&ミディアムの場合はミディアム&ハード、ミディアム&ソフトの場合はソフト&スーパーソフト)。そのメーカーが3位を3回、または2位を2回、または優勝すれば(すべてドライコンディションが前提)、燃料に関する優遇措置が22Lにまで削減されることになっている。しかしドゥカティにとっては関係ないだろう。今でもほとんどのサーキットで22L以内で走っているのだ。スーパーソフトについてはドライで3回優勝するまではそのままだ。

MotoGP参戦ライダーの才能を鑑みれば、3勝というの相当高いハードルだ。しかしスーパーソフトが予選で相当な威力を発揮することを思えば、ドゥカティがフロントローに並ぶのは難しいことではないだろう。ドゥカティがポールポジションを獲得したのは数知れず、当然ホンダとヤマハはそれにむかついているはずだ。問題はスーパーソフトがMSMA(マシンメーカーの協会)が決めたルールn基づいているということなのだ。ルールを変えるにはMSMAの会員である5社の全会一致の決議が必要なのである。もちろんドゥカティもその5社のひとつである。ドゥカティにスーパーソフトタイヤを辞退させるには相当な理由が必要だろうし、そうでなければ2016年以降に向けてドゥカティが有利になるような妥協がホンダとヤマハには求められることになるだろう。ドゥカティは来年9基のエンジンを使いたいと考えている。ホンダとヤマハに許されているのは6基だ。事ここに至っては相当な優位性をドゥカティに与えることになる。

スーパーソフトタイヤは砂まみれのカタールではかなり有利に働くだろう。先週カワサキがH2をカタールで走らせはしたが、ジャーナリストの腕ではコースをきれいにするには不十分だった。誰もが砂まみれのコースに不平を言っている。実践的なテストができなかったということだ。ミケーレ・ピッロが唯一参加したワークステストライダーだったのだが、彼はコース清掃のために最初に走らされることになった。その後しうぐにアンドレア・ドヴィツィオーゾがGP14.3で走ってベースとなるセッティングを作っていた。他のライダーは日が沈んで路面温度が下がり、レース決勝日のコンディションに近くなるまで待っていた。

日が沈むとコースは混雑し始めた。ライダーもチームも日没から22時までの残された2時間をめいっぱい使っていた。日没直前の路面温度はとんでもなく高くテストどころではなかったのだ。22時を過ぎると気温が低くなりすぎて路面が結露してしまう。そして強い照明の下では路面が濡れていることがわからなく危険なのだ。その2時間ほどの間隙を縫ってライダーはラップを重ねコースをきれいにしていった。風が吹いて砂がコースに入らない限り日曜にはいい仕事ができるだろうが、それは明日になるまではわからない話だ。

難しいコンディションのせいで多くのクラッシュが発生したが、その原因を特定するのは難しい。マーヴェリック・ヴィニャーレスは2回転倒して、メカニックがマシンを修復している間の貴重な2時間を使えなかった。ヴィニャーレスによれば転倒の原因はブレーキングポイントを間違えたせいだという。ヴァレンティーノ・ロッシも早々に転倒している。これはコンディションのせいでもライダーのせいでもない。3周目にフォークシールが破れてタイヤがフォークオイルにまみれてしまったのだ。7コーナーと8コーナーの間で3速に入れたとたんに180km/hで転倒してかなりの距離をすべっていたが、それでも無傷だった彼は状況が許す限りのかなりの仕事をこなしている。

タイムシートを見る限りロッシとロレンソは良いペースで走っていた。2人のヤマハライダーは1分55秒9から56秒0の間でコンスタントにラップを重ね、他の誰よりもいいタイムを出していた。マルケスもそれに近いタイムを出していたが、ダニ・ペドロサは他のライダーと同様にそこまでではなかった。カタールはヤマハ向きのサーキットであり、個々のライダーの最速タイムからはわかりにくいかもしれないがモヴィスター・ヤマハはそれに恥じない結果を出している。

ホンダは新型クラッチのセッティングに終始していたようだ。ワークスやサテライトだけでなく、オープンクラスのライダーまでもがスタートのテストをしていた。その他にブレーキのセッティングもやっていたとマルク・マルケスは報道陣に語っている。おそらくセパンでマルケスとクラッチローが見舞われたブレーキトラブルへの対応策を探っていたのだろう。

今回のテストで最も印象的だったのはスズキだ。アレイシ・エスパルガロとマーヴェリック・ヴィニャーレスの両ライダーがそろって速さを見せつけたのだ。エスパルガロはなんと4番手タイムだった。ドゥカティとは違ってスズキがスーパーソフトタイヤで最速タイムを出したのは間違いないが、それにしてもレースタイヤでのタイムも相当なものだった。エスパルガロのタイムはテック3のライダーに匹敵するものだったのだ。現時点ではスズキはトラクションコントロールの最適化に集中しているようだが、コースがきれいになる日曜には新型パーツを試すこととなっている。

英国人ファンとってもなかなか良い結果だったと言えよう。カル・クラッチロー、スコット・レディング、ブラッドリー・スミスは良いタイムを記録し、セパンの2回目のテストに比べて格段の進歩を遂げている。彼らは全員トップ10に入っているのだ。クラッチローは最初のテストでは苦労していたRC213Vを乗りこなせるようになってきている。彼が速くなってきたというツイートに対して「それほどでも」と答えてはいるが、クラッチローがホンダに気持ちよく乗れるようになってきているのは間違いないし、さらなる進化をとげることだろう。

ブラッドリー・スミスが良いタイムを出せるようになったのは膝の怪我の回復もあるだろう。しかしそれだけではない。モンスター・テック3・ヤマハのマシンに慣れてきているのもある。そして英国人ファンにとって頃露強いのはスコット・レディングの進歩だろう。グロースターシャー生まれの彼には期待が集まっているが、オープンマシンのRCV1000RからファクトリーマシンのRC213Vに乗り替えてから苦労が続いていた。しかしカタールでは長足の進歩と遂げたのだ。トップのアンドレア・イアンノーネから0.847秒差の10番手に入っている。RC213Vは実は乗りにくいマシンなのだろうがクラッチローと同様にレディングもそれを乗りこなしつつあるということだ。

カレル・アブラハム、ニッキー・ヘイデン、ジャック・ミラー、ユージーン・ラヴァティのタイムを見る限り、オープンクラスのホンダはさらに難しいようだ。土曜の最速タイムはアブラハムだったが、これはショーワのサスがカタール向きだからだろう。ヘイデンはそこから0.5秒ほど遅れており、ルーキーのミラーはさらに0.2秒遅れだ。ミラーも2回のテストを終えてかなり慣れてきたようだし、当初問題だった体力もついてきたようだ。ヘイデンから0.2秒遅れというのはそれなりの結果と言えよう。

とは言え皆が良い結果だったわけではない。ステファン・ブラドルは胃をやられており土曜日を走り続けることができなかった。ポル・エスパルガロは身体の問題は全くなかったにもかかわらずフロントエンドの感触が得られないまま1日を終えている。フロントタイヤの選択が間違っていたようで、翌日のテストでは解決する見込みだという。1回目のセパンテストで好結果を残してはいるが、それ以降ポル・エスパルガロに関しては予定通りにいっているとは言えない状況である。まだまだテストすべきことは残されているということだろう。
ーーーーーーー
こうした長文記事のための情報集めには時間とお金がかかります。もしこの記事を楽しんでいただけたのなら、是非MotoMatters.comをご支援下さい。サイトサポーターになっていただくか、素晴らしく美しいカレンダーをご購入いただくか、または寄付でも結構ですのでよろしくお願いします。
============
ドゥカティ、今年は相当いいようですね。本当に人が変わると結果が変わるということで。
ってなことを思うと、HRCの中本サンがF1に呼び戻されて、それでホンダの戦闘力が落ちて、大混戦になるというシナリオもあるのかしらん。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

不公平な電子制御ソフト開発

2016年から電子制御ソフトウェアが一本化されるのに伴い開発が進められているようですが、既存メーカーと復帰メーカーの間で開発に対する発言権が違うとのこと。CRASH.netより。
============
MSMAによる2016年向けMotoGP電子制御ソフトウェアの決定方法はどうもホンダ、ドゥカティ、ヤマハの3社に有利になっているようだ。

統一電子制御の導入にはメーカーによる情報提供と開発がキモとなる。

MotoGPの技術ディレクターであるコラード・チェッキネリとマニエッティ・マレリ社のチームが電子制御ソフトウェアを作成しているのだが、現時点ではモータースポーツ製造者協会(MSMA)とのみ情報交換を行っており、個別のメーカーとは交渉がないと明言している。

つまり、5社からなるMSMAが来年導入させる統一ソフトウェアにどんな機能を搭載するかを決めるということである。

しかし今シーズンからMotoGPに復帰するスズキとアプリリアはその決定に対する投票権がないのである。ホンダ、ヤマハ、ドゥカティからの提案は受け入れられることになる。ライバルメーカーの提案を拒否すれば自社がしっぺ返しを受けるからだ。

このやり方はスズキとアプリリアがMSMAに復帰する前に決められたのは明らかである。これはソフトウェア関連に限った話であり、その他の問題についてはスズキとアプリリアも投票権を持っている。

「提案することはできるんですがね。でも3メーカー、つまりホンダとヤマハとドゥカティだけが決定権を持っているんです。これはソフトウェア開発に限った話ですけど、うちはソフトに関しては投票権がない。まあ政治的な話ではありますね」と復帰メーカーのある人が語っている。さらにその人によればそのシステムを変えたいと考えているとのことだ。

セパンテストでこれまた復帰する別メーカーの幹部はCRASH.netに対して、この件にはあまり興味がないと言っている。ホンダとヤマハとドゥカティが開発するソフトウェアは自社の要求仕様を満たしているだろうと考えているからだそうだ。

今年7月1日をもってソフトウェア開発が凍結される。ホンダとヤマハとドゥカティは自社のソフトウェア開発を停止し、216年の統一ソフトウェアに向けての共同開発を始めるのだ。アプリリアとスズキはこのソフトウェア開発凍結は免除されることとなっている。
============
ふぅーん。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

SR何でも相談室は引っ越しました

昔はUUベースで500はコンスタントにあった何でも相談室ですが、最近では100近辺をうろうろしていて、独自ドメインでお金を払い続けるのもなんだかなーと思っていたのですが、それでもまあこれまでSR関係でお世話になってるわけで、恩返しは一生と思い直してniftyに引っ越しました。

新URLは
http://hpcgi2.nifty.com/moonfish/c-board/c-board.cgi
となります。

これからもよろしくお願い申し上げます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ケイシー・ストーナーへのインタビュー:釣りは楽しい、ヴィロポートは天才、復帰はない(ぜったい!)

引退して、本人も復帰するつもりはないって言ってるのに何かと噂の絶えないケイシー・ストーナーへのロングインタビューをOn Track Off Roadより。
============
ケイシー・ストーナーはこの2年楽しむことだけに勤しんできた。アドレナリンを楽しむのにはHRCのテストライダーをパートタイムでやり、4輪レースを行っている。生まれながらの天才レーサーであり、常に信念の命じるままに人生を歩んできた彼のMotoGPに関する発言はいつでも傾聴に値する。
今回スカイプでオーストラリアの彼にマルク・マルケスによってもたらされたMotoGPのテクニックの進化や、ストーナーが彼を倒せるかということや、テストライダーとしての役割やモトクロス世界GPに参戦したライアン・ヴィロポートについてや釣り番組への出演について尋ねてみることにした。


OTOR:釣りは楽しんでますか?

ストーナー:何年も前にフィリップアイランドである人と釣りに行ったんですけど、当時は全然知らなかったポール・ワーステリングの店に入ったんです。彼は業界では超有名人だったんですよね。でその店の人が僕のことを知っていて、彼に紹介してくれたんです。2010年に彼と釣りに行ってからずっと良い友達ですよ。彼はここオーストラリアでは人気番組を持っていて、僕も出演させてもらってるんですけど、ほんとはもっと一緒にやってるんです。2回位なんにも釣れないことがあって、それは放映されなかったんですよ。そういうことがやりたかったんです。いろんな場所に旅をするとかね。ほとんどはスポンサーの旅行会社持ちなんです。友達の一人と釣りに行って楽しい時間を過ごす。それがいいんです。実はテレビに出るのはそれほど好きじゃないんで。


OTOR:釣りは得意なんですか?

ストーナー:それほどレベルが高いとは言えませんね。まあ釣りのことは良く知っているし、新しい場面ではよく見て学んで、すぐに覚えられますけど。もう初心者じゃないんで、みんなについていけてはいますし。最高の先生たちに教えてもらってるんです。米国のバスフィッシング選手権に参加している友達がいて、そういう特別な人たちに教えてもらってるんで、相当いいところまで行ってると思います。釣り糸を水に投げ入れればいいと思ってる人もいますけど、そんなに簡単じゃないんですよ。


OTOR:戦いが厳しいレースをやっているときにも息抜きのために釣りをしていたんですか?

ストーナー:バイクに乗れるようになる前から釣りはしていたんですよ。だからもう長いことやってますね。バイクほど成功しなかったし、最初の頃は普通の釣りで、おもりと針につけた虫で始めたんだけど、だんだんいろいろやるようになったんです。とにかくアウトドアが好きだったんですよ。


OTOR:バイクの話になりますけど、パドックから姿を消した今、むかしよりライダーとして評価されるようになったとは思いませんか?

ストーナー:ですね。引退してから2年経って、みんな僕がもう戻ってこないとわかったあたりから特にですね。ホンダの人はいつも褒めてくれるんです。他のテストライダーではそこまでトップのタイムに近づけないんで、僕からしか取れないデータがたくさんあるんですね。だからホンダには喜んでもらえてます。僕のことっていうか、僕の発言にちょっと過剰に反応しすぎてたように見えますね。みんな僕がどれくらい正直で率直かってのを全くわかってなかったんですよ。僕が引退を表明したときも「もっとお金が欲しいから交渉のために言ってるんだろう」ってみんなコメントしてましたけし、注目を集めたいからだろうと言う人もいましたね。そういう風に勘ぐる人たちが多かった一方で、僕が本音だけを言っていて、昔からほんとのことや心から思ってることしか言ってなかったってわかってる人は少なかった。今は現役時代よりもっと尊敬されるようになってますね。


OTOR:あなたがMotoGPのレベルを押し上げたと言われていましたけど、今は同じことがマルク・マルケスについて言われています。彼の実績もすごいですしね。あなたはどうお考えですか?マルケスのテクニックがハードルを上げたとお考えですか?

ストーナー:最初の頃はみんな僕がアグレッシブ過ぎるって言ってました。バイクにも厳しければタイヤにも厳しいとか、いろいろ言われたんです。でもそれは僕だけがマシンを暴れさせることができたからなんです。他のライダーはバイクが暴れるのをいやがってた。でも僕はそれは気にならなかったんです。マルクも僕と同じやり方をしていて、それで他のライダーよりちょっと速いんですね。僕はダートトラック出身なんですけど、ダートトラックだとマシンは身体の下でいつも暴れているんです。だから小排気量より大排気量の方が得意だったってのもありますね。マルクも同じです。彼もダートトラックをかなりやっていて、他のヨーロッパライダーとは違う視点を持っているんです。ダートトラックはヨーロッパでは無かったけど、今ではレースも開催されてるし、みんな注目し始めている。今までもダートトラック出身ライダーがいて成功を収めてきましたしね。僕のマシンの振り回し方を見て、みんなダートトラックも悪くないって思い始めたのかもです。シルクのようにスムーズに走ったからといって必ずしもとんでもなく速いとは限らないんですよ。


OTOR:昨年はヴァレンティーノ・ロッシがマルケスや他のライダーと互角に戦うためにライディングスタイルを変えたことがメディアで話題になりました。あなたの場合、変わらなかったところと変えていったところはなんですか?

ストーナー:正直でいつづけたのが僕の強みでしたね。自分がわかってると思うことに安住してそのままでいこうなんて考えたことはありません。マシンを変えて自分に合わせてもらおうと思ったこともないですね。そこが他のライダーとの違いです。僕はマシンに合わせて自分を変えていった。だからこそドゥカティでも大成功できたんだと思います。自分たちの手にしているものに自分たちを合わせていったんです。他のライダーだったら2〜3周走ってすぐに気に入らないって切り捨ててしまうような状況で、大きなセッティング変更をやってうまく走るようにしてきたんですよ。プラクティスではそこまでうまくいかなくてもレースでは全力を尽くしたし、マルクも同じ感じで上手くやってますね。決勝日にはもう自分のマシンに関して悩みすぎないで、ライダーとしてできる限りのことをする。みんな開発をうまくやろうとしすぎてるんじゃないでしょうか。これを開発しろとかあれを開発しろとかって話ばっかりしてる。でもそんなのどうでもいいんです。開発に関しては自分のできることだけをして、つまり最高の情報を渡して、あとはエンジニアと会社が何かを作ってくれるのを待って、それをテストして、どこが良くてどこが良くないか評価して、コーナーのどの部分ではうまくいっているのか見極めればいいんです。いちばん大事なのは自分を見つめて状況の中でなすべきことをやることなんです。全体の中には必ず弱いポイントがある。だからそれをみつけて、そして自分の強みもみつけて、それを最大限に活かせばいいんです。


OTOR:メンタル面についてのお話を聞きたいのですが、そうした自分の強みを少しだけたくさん引き出すというのが打倒マルケスに必要なことなんでしょうか?

ストーナー:スピードに関しては自分は問題を感じたことがないですね。マルクはレースウィークが始まってから終わるまですごく安定している。でもホルヘやダニやヴァレンティーノが、それでもマルクを倒せることを証明している。チャンピオンを奪えるかについては…、うーん、わかりませんねえ。毎年状況は変わるし、怪我とかも考えないといけませんしね。スピードに関してはあんまり悩むことはないですね。みんなそれを気にし過ぎなんですよ。問題は誰を相手にしなきゃならないかなんです。とにかく真っ先にスタートを切って、あとは自分の目の前にあるものに対処すればいいんですよ。何が起こるかなんて事前にはわからないですからね。自分でも絶対まだ勝てる速さはあるとは思いますけど、全レース勝てるかというとそれはわからないですね。今のレベルはとんでもなく高いんですよ。


OTOR:テストについての質問ですが、今はそうした激しい競争の中に身を置いていなくて、その分バイクで速く走ることに喜びを感じるようになっていますか?それともレースがいちばん楽しいんですか?

ストーナー:正直テストは仕事ですね。あんまり楽しいものじゃなんです。自分好みのセッティング、つまり気持ちよくコーナリングして、十分なグリップを出せる状態にもっていけるわけじゃなですからね。こないだのテストではリアのプリロードを0.5mm下げたんですけど、それだけなんですよ!3日間でバイクをいじったのは本当にそれだけなんです。しかも最初の10分でですよ!バイクをほんの少しだけ下げて、あんまり良い結果は出なかったけど乗りやすくはなりました。コースは砂が浮いていて汚れてたんで最初の2日間はまともに走れるようにするための路面清掃に費やした感じですね。だから楽しめるようなものじゃなかったし、マシンを自分好みにもできなかった。でもデータは充分取れたしいろんな比較ができました。それぞれのマシンについて完璧なセッティングを出せなかったのは仕方がないですね。そんなことをしてらたHRCの時間がなくなってしまいますから。誰もできないくらいの速さでまだちゃんと乗れて良かったですよ。


OTOR:今はどれくらいの頻度でダートを走ってるんですか?

ストーナー:去年はけっこうな回数モトクロスバイクで走りましたね。少なくとも週イチで行ってました。でもそのあたりの雨が少なくてちょっと乾きすぎだったんですよ。僕の好みからすると硬すぎて、転倒したら怪我をしかねない状態だったんです。だからこの5か月は走ってないし、うちにも全然帰ってないですからね。まあそういう状況も変わるだろうし、雨も降ってますからいい感じになってるでしょう。


OTOR:250ですか、それとも450?

ストーナー:いつも450ですね。250はちょっとパワーが足りなくってつまんないんですよ。


OTOR:ライアン・ヴィロポートの話をしましょうか。すぐに仲良くなったみたいですけど、スーパークロスを間近で見ていかがでしたか?

ストーナー:モータースポーツとしては前から思ってたんですけど、相当難しい部類ですよね。僕はいつでも他のスポーツをやってる人を尊敬していて、だって最高の選手でも、そうでなくても凄いことをやってるわけなんですよ。トップに立つのはたいへんなこともよく知っているし、他のスポーツがどんなにたいへんなものかもわかってる。みんな簡単に批評しちゃいすぎですよ。スーパークロスに行く前から凄いものが見られるだろうと思ってたし、実際その通りでしたね。思っていたのと違ったのはレースへのもっていき方でした。プラクティスが凄く短くて、色んな人がああしろ、こうしろって言うのに耳を傾けなきゃいけない。これをやれとかあれをやれとか、上だとか下だとか、このラインだとかあのラインだとかダブルで行けとか、ダブル・シングル・トリプルで行けとか、とにかくいろいろ言われるわけです。プラクティスの間にセッティングを変える時間なんかほとんどなくて、まさかそんな感じだとは思いませんでしたね。テレビで見てると予選ヒートがあって決勝があって、それが1日か2日で行われる感じですよね。ライダーはすぐにコースを覚えなきゃならないんだけど、みんな毎周同じところを走るのがどれほど難しいか、尊敬すべきことなのかがわかってないんじゃないでしょうか。自宅近くで何万周も走ってる練習用コースじゃないんですよ。全然違うコースだし、すごく難しい。だから実際見てみたらますます尊敬するようになりましたね。


OTOR:ライアンに会って話してみて、バイクレースで同じレベルに達したもの同士ということで似たようなスピリットを感じたんですか?

ストーナー:僕なんかよりずっとすごいですよ!ライアン・ヴィロポートについては、クリス(ヒラード:ビジネス・マネジャーで有人。元アルパインスターズのアスリート・マネジャー)にビデオを借りたんですけど、たぶん2006年のアルパインスターズのホスピタリティで流れてたビデオで、彼に翌日ビデオを返すときに言ったんです。「このカワサキに乗ってる子供って誰だい?」ってね。それがライアン・ヴィロポートでライト(モトクロス250ccクラス)に今年から参戦するんだって教えてくれたんです。以来彼の大ファンなんですよ。若い子が走ってるのはたくさん見てるし、みんなそれなりに速かったけど、彼の走りはねえ…。80ccに丁度いいくらいの大きさに見えた。だから2006年以来ずっと彼のことを追いかけていて、彼がのし上がってきてシリーズを支配するのを見てきたんです。そして彼が転倒するのもね。下erが走ってないスーパークロスを見るのは辛かったですね。オールデン・ベイカー(有名なトレーナー)に紹介されて彼に初めて会ったんですけど、すぐに仲良くなりましたよ。30分くらい話し込んで、コースを一緒に歩いて、パドックの何人かに紹介してもらったんです。でその夜一緒に出かけて、共通点もたくさんみつけて、すっかり意気投合しちゃったんです。次のレースに彼が僕を招待してくれて、予定にはなかったんですけど結局3レースつきあって、全レースで彼は勝ったんですよ。楽しかったですね。


OTOR:やってみたいと思いました?レース参戦とまではいかなくても何周かあんな風に走ってみたいとか?

ストーナー:いやいやいや。スーパークロスはやってみようとは思いませんよ。彼とモトクロスはやってみたいですけど、5速で飛ぶダブルとか、2速全開のダブルを完璧にこなすとか、そういうのは無しでお願いしたいですね。大ジャンプには興味がないんです。でも自然の中を走るなら喜んで行きたいし、そういう古いタイプのコースならスーパークロスでもいいですけどね。でも最近はコーナーを立ち上がったらジャンプしてジャンプしてジャンプしてコーナー、またジャンプしてジャンプしてジャンプでしょ。ちょっとやりすぎですよ。ジャンプはばかばかしい。下りのランプにまともに着地できないとか、うまくいく確率が半々だとか、あんまり見てても楽しいコースじゃないですよ。どんどんコースが狭くなっていくし。別のレースの話ですけど、馬鹿げた感じになってましたよ。コースが狭いせいで全員が一列に走っていて抜く場所がない。コースがもう少し広くてテクニカルでスピードがでればねえ…。いまのところ抜きにくくなっちゃってますよね。


OTOR:ライアンが今年モトクロス世界選手権に参戦することについてはどう思いますか?

ストーナー:あんまりはっきりしたことは言いたくないでね。ライアンは誰の手も届かないところにいるんだし。他に彼に匹敵する才能のアスリートは他に見たこと無いですよ。彼がバイク界でやってることは本当に歴史的なことなんです。トニー・カイローリもすごく成功してるけど、ライバルが少なかったってものあるんじゃないかと思ってますし、ライアンみたいに徹底的に相手を叩きつぶしたわけじゃないですよね。カイローリは1レース目で5位に入っても2レース目では優勝するかもしれない。でもライアンが1レースでも落としたら彼にとっては最低のできってことなんです。彼はレースを支配しているし、もしそうできなかったとしたら、とんでもなく邪魔されたかスタートを大失敗したかってことで、そうでなければライバルをぶっつぶせるんです。ライアンが苦労するとしたら、コースがマディな場合でしょうね。こういうときヨーロッパのライダーは轍をうまく利用できるんですよ。ライアンとはそこが違うんですよね。ライアンは自由なライン取りが好きで、コースぎりぎりを通って轍を横切ってくんですよ。でもまあ彼と知り合って彼の才能について理解が深まると、怪我さえしなきゃいけるでしょうね。今年は大成功すると思いますよ。


OTOR:最後に、ロードレースの話に戻りますが、決断を後悔したことはないですか?テレビでバトルを見て、ちょっと戻ってみたいなあとか…。

ストーナー:ないですね。


OTOR:全く戻りたいとは思わないんですか?

ストーナー:全く思わないですね!思い返してみて、もっとうまくできたよな、って思うことはありますけど、もっと悪い結果に終わった可能性もあるわけですよ。あの頃に戻りたいとかは全然思ってなくって、違うやり方があったかなって思うだけですね。GPに戻りたいとは本当に全く思ってないんです。可能性はゼロですよ。昔みたいに楽しいマシンじゃないんです。電子制御の影響が強すぎますから。ヴァレンティーノが文句を言っていた頃は、まだ電子制御はほとんど関係なかったですけど、いまじゃあマシンをスライドさせることさえできない。すごくたいへんなことになってます。何もかも整然としていて、スライドさせるなんて許されてないんです。スライドさせたいと思ってもエンジニアが「だめだめ、ホイールスピンが出すぎるからだめ」とかなんとかご託を並べるんですよ。また素のバイクに乗りたいと思ってるんですけど、まあエンデューロやモトクロスを楽しんでるし、飛ばすのはそこでやってますからね。そうやって本当のバイクを楽しんでるんです。
============
じゃあラジコンついでに谷田部エンジョイスポーツランドに来るといいよ!

| | コメント (11) | トラックバック (0)

スコット・レンディングQ&A

鼻っ柱の強さでお馴染みスコット・レディングへの独占インタビューをCRASH.netより。
============
先日マドリッドで行われたエストレア・ガルシア0.0・マルクVDSのチーム発表会でスコット・レディングへの独占インタビューに成功した。イギリス人の彼はMoto2時代の古巣であるマルクVDSチームに戻りホンダのワークスマシンを駆ることになっている。

CRASH.net:スコット、シーズンオフはどんな感じだったんですか?

レディング:へんなシーズンオフでしたね。スーパープレスティジオで胸骨を折っちゃったんでずっと暇だったんですよ。今は体力回復のためのトレーニングに励んでいます。体力が回復してからはテストもいい感じで走れてますね。カタールで次のテストをするのが楽しみですよ。腕がちゃんと動かせるようになってすぐにスペインに来たんです。天気がいいからトレーニングもできるんでね。モトクロスとかモタードをやってました。いいトレーニングになりましたよ。


CRASH.net:12月にスーパープレスティジオを走ってますけど、トレーニングでもフラットトラックを利用してるんですか?

レディング:ええ。スーパープレスティジオの前にはやってなかったんですけどね。参加する前に2日練習したくらいですね。レースの当日にはとんでもなく緊張しましたよ。まあ楽しめはしたけど、ちょっと退屈だったのも事実です。モトクロスやスーパーモタードの方が好きですね。一番身体を酷使するモータースポーツだし、僕にとってはただぐるぐる回るより楽しいんですよ。


CRASH.net:1年間グレジーニ・ホンダで走ってまたマルクVDSMotoGPに戻ってきたわけですけど、なんとなくうちに帰ってきたような感じなんですか?

レディング:なんとなく、どころじゃないですよ。チームのやり方とか本当に故郷に帰ってきたような感じなんです。9時なら9時。30分遅れとか20分遅れとかないんです。みんな顔見知りですしね。まあメカニックはけっこう変わってますけど、チーム・マネジャーとか、そのあたりの人たちはよく知っているし、おかげでかなり楽になりましたね。レースに集中できるんです。


CRASH.net:チームとはかなり長い間一緒にやってましたけど、それでも慣れるまでには時間がかかりそうですが。

レディング:正直ヴァレンシアのテストはたいへんでしたね。変な感じでしたよ。知らない人がたくさんいましたからね。でもセパンの2回のテストを経て、みんなにも慣れたし、今はもうかなりいい感じのチームになってますよ。


CRASH.net:2回行われたセパンのテストではラップタイムを追求してなかったと報道されてますけど、テストの結果には満足していますか?

レディング:ええ、もちろん。セパンはなかなかたいへんでしたけどね。ラップタイムを出せるのは毎日始まって最初の30分くらいだったんです。その後は最後の10分くらいになるまでラップタイムが出せない。だからタイム自体は意味がないものなんです。だからフィーリングの改善と、電子制御抜きでのテストに集中しました。一歩一歩前進するためにね。カタールテストでいい方向性がみつけられればさらに前に進めるでしょうし、トップの連中に近づいていけるでしょう。


CRASH.net:それは当初からチームと話し合って決めたアプローチなんですか?

レディング:ヴァレンシアは最低でしたね。マシンも電子制御もなにもかも気に入らなかった。ちょっと対得られないような状況でした。で、セパンに行ったときに「電子制御をはずしてくれ」って言ったんです。マシンの本当の状態と本当のパワーを試したかったんです。最初に走り始めてすぐにこれは良いマシンだってわかりました。すごく楽しめたんです。電子制御をはずしたおかげでマシンのことがよくわかったし、パワーも使いこなせるようになった。おかげで自信がついて前に進めたんです。


CRASH.net:2015年型RC2113Vと去年乗ったオープンマシンとの最大の違いはなんですか?

レディング:ブレーキングスタイルが変わったことですね。去年はブレーキングでのグリップ感があったけど、今年はそれほどでもないんです。もっとブレーキングを強くしていいんですね。あと細々といろいろ違いますよ。ちょっとウィリーすると0.5秒くらい違ってしまう。1周の間に3回もウィリーすると1.5秒になるってことですね。ラップタイムを追求するのもいいですけど、詰めようとすれば詰めようとするほど、最後のちょっとのタイムを縮めるのがたいへんになるんです。


CRASH.net:2015年のチーフメカはクリス・パイクですが、関係はどうですか?

レディング:すごくいいですよ。まあ最初はそれほどでもなかったですけど。彼に言ったんです。「この船を正しい方向に進めなきゃならないんだ。そのためにあなたんはいるんですよ」ってね。彼が自信をつけてくると、どんどnものごとがうまく回り始めたんです。最初のセパンテストでは僕が主導権を獲っていて、「とにかくバイクをよこせ、とにかく乗るから」って言ってたんですけど、二回目のテストではうまく協働作業ができるようになって、むしろ彼が「これを試してみてよ」って言ってくれるようになったんです。
 彼のやり方はいいですね。率直だし、自分がやりたいことがはっきりしている。衝突することもありますよ。まだお互い完璧に知り合っているわけじゃないですからね。でもその衝突も良いシーズンを迎えるためなんです。正しいと思わなかったらはっきりそう言いますし。だから僕らはうまくやれてるんだし、だからこそシーズン開幕に向けていいチームができつつあるんです。


CRASH.net:比較のために過去のデータを見たりしてるんですか?

レディング:理解を深めるために去年のデータを見ることはありますけど、去年とは全然違うバイクだってのが問題ですね。今年はワークスマシンで、僕にとっては初めてのマシンなんです。1年走ってるけどマシンもタイヤも全然違う。実質的には今年がMotoGP初年度だと思ってます。


CRASH.net:それでも今年は2年目で、しかもチームを背負って立っている。プレッシャーは大きくなりましたか?

レディング:プレッシャーはかなりありますね。でもそのおかげで成長できるんです。プレッシャーが名蹴れbあそれに対応しようとも思わないですよね。だからプレッシャーがあるのはいいことだし、1人体制も悪くはないです。プレッシャーがあるから伸びていけるんですよ。みんながプレッシャーをかけるのは、僕がそれに対応できるってわかってるからなんです。僕にとっては自分の道をみつけるやり方のひとつなんですね。だからプレッシャーはあるけど、こんな感じでバイクに乗るのを楽しんでるってことです。


CRASH.net:一回目のセパンテストではマルケスから2.396秒差で、二回目は1.58秒差まで縮めています。一番の改善点は何ですか?

レディング:自信がついたのとバイクとタイヤの理解が進んだことですね。去年はニッシンとショーワの組み合わせだったんで。おかげで−からのスタートとなったんですけどね。今年はオーリンスとブレンボですから。(顎のあたりに手をやって)ニッシンとショーワはこれくらいで、(頭の上に手をやって)オーリンスとブレンボはこれくらいなんです。だから理解に時間がかかるんですけど、慣れてきてますよ。バイクに乗る度に学ぶことがあって、今でもニコニコしながら乗ってるんです。限界まではまだまだあるってわかってますからね。ラップタイム自体は大きな差だとは思ってないですけど、安定性はまだまだですね。いい感じで乗れるようになってますし、乗りこなせるところまでいってます。セッティングを変えるとタイムも変わってくるし、そうやってうまいところをみつけたいですね。


CRASH.net表彰台を目指したいといってましたけど、今シーズンの目標はそれなんですか?

レディング:ええ。いつも表彰台に昇るというのはむつかしいでしょうけど、不可能な目標ではないと思ってます。シーズン中に2回くらいは表彰台に上がりたいと思ってますし、それができれば上々ですね。トップ5に入るのが目標で、失うものは何もないから表彰台争いにばんばんからんでいきたいですね。おもしろくなると思いますよ。リザルトに関してはプレッシャーは全然無くて、とにかくここでのがんばりだけが評価されるという状況ですからね。


CRASH.net:MotoGPのデビュー戦のカタールで7位に入ってみんなを驚かせましたが、今年の開幕戦はどんな結果を期待したいですか?

レディング:同じくらいですね。セパンではニッキーから0.6/0.7秒遅れで、カタールでは彼に勝てました。カタールで自分が何ができるか楽しみですよ。セパンはあんまり好きなサーキットじゃなくて、カタールは全然違いますからね。タイム差を縮められれば自信もつくし、そうしたら結果もついてくるでしょう。とりあえずカタールでは7位以内に入りたいと思ってます。現実的な目標だと思ってますよ。自分にプレッシャーをかけすぎないようにはしたいんで、最初の2レースくらいはポイントを獲得して、ランキングを上にもっていくための基礎固めをしたいと思ってます。
============
いい感じで相変わらず生意気です。楽しみ楽しみ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

目標は高く持つべき、とチアバッティ(ドゥカティのディレクター)

去年夏にはこんな記事を訳しましたが、徐々に現場はうまくまわりつつあるようですね。MCNより。
============
ドゥカティのスポーティング・ディレクターのパオロ・チアバッティは2015年にさらに前に進むためにチームが一丸となっているとセパンで語っている。ケイシー・ストーナーがホンダに去って以来低迷しているドゥカティではあるが、去年のGP14はかなりの改善を見せている。それもドゥカティコルセ(ドゥカティのレース部門)にやってきたジジ・ダリーニャのおかげだろう。

マレーシアでMCNのインタビューに答えてくれたチアバッティは、去年ドゥカティが長足の進歩を遂げた理由について、レース部門の協働作業がうまくいっていることを挙げている。

「ジジが2013年にやってきたときには、もうドゥカティは何年もどん底のシーズンを送っていたんですが、レース部門のスタッフは当時とほとんど変わってないんですよ。変わったのは協働作業のやり方ですね。今ではみんなうまくいっしょにやれてるんです。普通は電子制御部門とシャーシ部門とエンジン部門のそれぞれの技術スタッフが別々に動くんですけど、その3部門がバイクにとっては重要で、最高のマシンを作るためにはどこかでお互いに妥協点を探らなければならないんです。

もちろんチームとして一体になって開発を進めることができるようになったということがけが成績向上の要因ではない。サーキットで結果を出せている理由には、こうした協業がうまくいっていることの他にも、レースでは使えないとしても予選で使えるオープンクラス用スーパーソフトタイヤや、燃料制限緩和が影響してるのは間違いないだろう。そのおかげでアンドレア・ドヴィツィオーゾとアンドレア・イアンノーネが良い結果を出せるというわけだ。

こういった優遇措置が勝利を導くかどうかは実際にシーズンが始まってみないとわからないが、ここ4年間で初めて空手形ではなく実績を出せる可能性がでてきてる。セパンテストでは新型マシンのポテンシャルを垣間見せた。チアバッティは優勝も視野に入ってきていると言う。

「うちの目標は表彰台争いをしながら、まずは1勝を挙げることですね。無理な目標ではないと思いますよ。もちろん高い目標ですけど、目標は高くしないとそこに到達なんかできないんです。だから自分たちにプレッシャーをかけて、より高い目標を達成したいんです。ホンダとヤマハは完璧なマシンを作っているし、彼らにはMotoGP界で最高の4人のライダーがいるわけですけど、うちだって近いうちにタイトル争いができると考えています」

GP15のサーキットデビューの様子は今週号のMotorcycle Newsをご参照あれ。
============
やっぱ組織をうまく動かすことが勝利への近道なんでしょうねえ。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

ダイヤタイヤを盗め!

タイヤと産業スパイについて、Mat Oxley氏がMotor Sport Magazineに書いてます。
============
バイクレース界で最も有名な産業スパイのことはあなたもご存じだろう。東ドイツ生まれのエルンスト・デグナーが、冷戦下のとんでもなく硬い鉄のカーテンの向こう側から亡命してきたときの話だ。彼はMZ(訳注:東ドイツのバイクメーカー)がひた隠しにしてきた2ストロークエンジンの秘密を手土産にこちら側にやってきて、そのノウハウを当時苦闘していたスズキに売り渡し、その結果スズキは翌年に初勝利だけでなく初タイトルまで手に入れることができたのだ。

誰もが知っている通りこうしたことは常に起こっている。単に我々が知らないだけだ。しかし10年以上前にアイルランドで起きた話はこれまた有名だ。

2005年5月、キルデア郡のモンデロパークで開催された英国スーパーバイク選手権の前日のことである。ライダーがモーターホームやキャンピングカーで寝静まった頃、ボルトカッターを保った一人の泥棒がミシュランのトレーラーに忍び込み、特定のリアスリックを持ち出し、そのまま夜陰に乗じて逃げていった。

もちろんミシュランの幹部は激怒した。当時彼らはバイクレースを支配していたのだ。13回の500cc/MotoGPタイトルを獲得し、その技術は世界中がうらやむものだった。それだけではない。2004年にピレリがタイヤを独占供給するまでは、ワールドスーパーバイクもミシュランのものだったのだ。ミシュランはHRCと深い繋がりをもっており、スーパーバイク仕様のタイヤを使うあの有名な鈴鹿8時間耐久で勝つためのタイヤを開発するためにBSBにも参戦していたのである。

モンデロの窃盗事件は間違いなくプロの仕業であり、つまりはライバルのタイヤメーカーが裏で糸を引いている産業スパイ事件だということである。ではどのメーカーだろうか?今日まで誰も捕まってはいないので、その後のことは犯人にしかわからない。おそらく盗まれたタイヤは解体され、コンパウンドも構造も詳細に分析されたことだろう。盗むことでしか得られない何かを誰かが学んだことだろう。丁度スズキとMZの事件と同じ構図だ。

私はこうした話に興味をかきたてられる。レース業界の恥部であり、それでも勝つためにメーカーがまじめに検討しているやり方でもある。

スピードを求めてスパイ活動をする話は他にもたくさんある。中でも私のお気に入りは1989年のルマンでのフランスGPのホンダとスズキの間に起こった話だ。今回スズキは被害者の側である(らしい)。因果応報である。

1987年の500ccチャンピオンでホンダのワークスライダーのワイン・ガードナーから聞いた話だ。もちろんHRCはこれを否定している。「すごく暑い日で、スズキはテントを巻き上げていたんだよね。それが僕のモーターホームから丸見えでね。それで日本人スタッフに『おい、写真を撮りに来いよ』って言ったんだよ。そしたらばかでかいレンズをつけたカメラを保ってきて、マジックミラーになった窓越しに1日中やたらたくさん写真を撮ってたね。で、彼らはそれを日本に持ち帰って、拡大してNSRの写真に重ねてみたんだ。それでわかったんだ。重心を低くし過ぎてたってことがね。スズキのエンジンはもっとフレームの高いところについていて、それで自分たちもそうすべきだと思ったらしいよ。すぐにホンダは対策してきて、おかげでマシンがすごく乗りやすくなって、どんどん速く走れるようになったんだよね。要するにそれまではなんの手がかりもなかったってことなんだけどね」

あくまでガードナーの話によればだが、これに加えて1989年のエディー・ローソンとアーブ・カネモトから情報を得つつHRCは500ccのフレームを作り込んでいったということだ。もちろんここではミック・ドゥーハンも大きな役割を果たしている。

閑話休題。タイヤの話に戻ろう。現在バイクレースを支配しているのはブリヂストンであり、ミシュランは2016年の復帰に向けてそれに追いつかなければいけない立場である。

層と運あ仕事になるだろう。しかし2009年にブリヂストンの独占供給となってから7年が経つのだから当然のことである。先週のセパンテストで問題になったのはフロントのグリップだ。

ホルヘ・ロレンソとアンドレア・ドヴィツィオーゾはそれぞれ3コーナーと5コーナーでフロントから転倒している。どちらも高速の下りコーナーであり、フロントに充分な荷重がかけにくい場所だ。曲率が大きく、コーナー進入速度が速いためにライダーはブレーキをあまり強くかけず、結果としてフロントタイヤをつぶして接地面積を大きくすることができないのである。さらにコースは下っており、逆バンクになっているため問題が大きくなっているのだ。

ミシュランとブリヂストンとダンロップが戦いを繰り広げていた頃を思い出してみよう。ブリヂストンに対してミシュランが劣っていたのはいつでもフロントタイヤだっだのだ。2006年にミシュランユーザーだったケイシー・ストーナーはその批判の急先鋒だったが、結局彼は2007年にブリヂストンにスイッチして天国を味わっている。

しかしレース界ではすべてを手に入れることはできない。MotoGPの技術は非常に高度で繊細であり、どこかを改善しようとすると、どこかに問題が出ることになっているのだ。ミシュランが500ccを支配していた時代、よりよいグリップを得ようとすると接地感がなくなるという問題に直面したことがあった。スピードを追い求めていくと、トラクションを得られる領域と滑りまくる領域の間の微妙な部分がどんどん狭くなっていったのだ。グリップは増しても、その分リスクも高まっていたのである。ミック・ドゥーハンのような一握りのライダーにしかそうした綱渡りはできなかった。他のライダーは宙高く舞い上げられ、これまで体験したことのない痛みを味わうことになったのだ。しかし最終的にはミシュランは良いタイヤを作ってみせた。グリップレベルは変わらないものの許容範囲は広がっていたのである。そこに開発の意義があるのだ。

ブリヂストンが成功したのはわかりやすい接地感ではなく高いグリップのおかげが、これが実現できた裏には昨今のトラクションコントールシステムの急速な発展がある。人間が感じ取れないほどのわずかな危機の予兆を察知するのだ。フロントタイヤに求められるのはコーナー進入時の強大なグリップだけになり、ライダーはフロントブレーキを強く掛けたまま倒し込みができるようになったというわけである。

コーリン・エドワーズはミシュランの契約ライダーであり(彼はミシュランで2回のWSBKタイトルを獲得している)、つまり彼は利害関係者ということではあるが、それでも去年10月に彼が私に語ってくれたことはかなり正しいだろうと考えている。

「ブリヂストンが世界最高のタイヤだと思うかって?うーん、ラップタイムをみればその通りだけどね。他のタイヤならもっとフィーリングがいいかって?もちろんだよ!ブリヂストンだと接地感とかいう話じゃなくて、もう信仰の問題なんだよ。タイヤを信じるしかない。さっきのラップはうまくいったから次のラップはもうちょっと攻められる。そう信じてタイムを削っていくんだ。いちばん感触が良かったのは2004年、2005年、2006年の3年間だね。ミシュランが限界まで攻められるタイヤを作ってくれたんだけど、これは接地感がすごくあったからなんだ」

つまりミシュランは2016年のMotoGP復帰に向けて、状態がわかりやすいタイヤではなく信じるに足るタイヤを作るべきなのだろうか?ライダーはそういうタイヤに慣れてしまっているし、そもそもライダーというのは特にフロントタイヤに関してはこれまでと違うものを嫌うものである。

ではミシュランのフロントタイヤが今のままだったらどうなるだろう。パドック界隈では(セパンでクラッシュしたものの)バターのように滑らかなロレンソのコーナー進入スタイルが適合するだろうと考えられている。そしてヴァレンティーノ・ロッシもうまくやるだろうと言われている。一方で「とりあえず突っ込んであとは運を天に任せる」的なマルク・マルケスの天才的スタイルは変更を余儀なくされるだろうとも考えられてる。とは言えあくまでこれはパドック周りの憶測に過ぎないし、その予言が当たるとは限らないのは誰もが知っていることである。

さて、そろそろブリヂストンは自社のトレーラーの鍵を増やすべき時期にきているということだろうか?
============
冒頭のエルンスト・デグナーはご想像通り鈴鹿の「デグナーカーブ」の由来です。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

新型ドゥカティは速すぎ。タイヤルールが不公平になってる、とロッシ

テストでは絶好調なドゥカティGP15ですが、やっぱり文句が出始めてます。CRASH.netより。
============
先週セパンで開催されたMotoGPテストでデビューしたGP15の速さを目の当たりにしたヴァレンティーノ・ロッシは今シーズンのドゥカティはホンダやヤマハと互角に渡り合えるだろうと断言した。

イアンノーネとドヴィツィオーゾがそれぞれ4番手と9番手のラップタイムを出したことでその確信はより強くなったようだ。

5番手タイムだったロッシは言う。「彼らは相当速いですね。ドヴィとイアンノーネはいい調子だしGP15は新型なのにもう既に速いですしね。プラクティスでは彼らはスーパーソフトタイヤを使えるんだけど、それだけじゃなくレースでも今シーズンのドゥカティは要注意ですよ」

ドゥカティが上々のデビューを飾ったことで、彼らがオープンクラスと同様の優遇措置を受けていることに対してロッシはますます反対の念を強くしている。この優遇措置は2013年以降に優勝のないすべてのワークスマシンに適用されるものだ。

つまりドゥカティに加えてスズキとアプリリアには、ヤマハとホンダより燃料容量が4L多く許されるほか、スーパーソフトのリアタイヤ(その代わりホンダとヤマハが使うハードタイヤは使用不可)、エンジン台数制限緩和、シーズン中のエンジン開発許可、テスト回数が多い等の優遇措置が与えられているのだ。

とは言え燃料制限緩和とスーパーソフトタイヤについては一定のリザルトを挙げるとホンダ、ヤマハと同様の条件となることになっている。燃料制限緩和とスーパーソフトタイヤが使えなくなる条件を理解していないと告白し、もしドゥカティが今シーズン1勝したらどうなるかと尋ねたロッシは、2L分制限がきつくなる(=ホンダ、ヤマハより2L増しまで制限される)と聞いてこう語った。「それて無意味ですよね。だって24Lでも22Lでも同じですから」

つまりロッシはドゥカティが現時点でも22L以上は使っていないと考えているということだ。ドゥカティ・コルセのジェネラルマネジャーであるジジ・ダリーニャがセパンでそれを裏付けている。「去年うちは全レースで22Lで走ってますよ」

ドゥカティのライダーがドライコンディションで2位を2回、または3位を3回達成しても燃料制限はきつくなるが、去年は3回の表彰台の内、ドヴィツィオーゾがテキサスで達成した1回だけがドライコンディション下だった。

さらにどんな成績を挙げればドゥカティがスーパーソフトを使えなくなるのか尋ねたロッシはその答えを知って、ドゥカティがスーパーソフトを使い続けてくれた方がいいだろうという結論に達した。

「ドライで3勝ですか!まじかよ・・・。だったらスーパーソフトを使う続けるはめになってほしいですね。でもこのルールはフェアじゃないと思いますよ。だってもうドゥカティは充分速いですからね。なんでまだ優遇措置を受けられるのか理解できないですよ。去年ならともかく、今年はうちと同じリアタイヤで同じように速いんですよ。だからなんでスーパーソフトを使えるのかまったくわかりませんね。
 本当におかしな話ですよ。モータースポーツではMotoGPでしかこんなことは起こりませんね」

オープンクラスに対する優遇措置は、例えばブリヂストンがソフト、ミディアム、ソフトの3種類のコンパウンドを持ち込んだ場合、ソフトとミディアムがオープンクラス(及びドゥカティ、スズキ、アプリリア)用で、ホンダとヤマハはミディアムまたはハードを使わなければならない。フロントタイヤについては全マシン同じ選択肢から選ぶことになる。

ホンダとヤマハのライダーが最も問題視しているのはハード側タイヤはほとんどの場合使えないもので、結局ドゥカティと同じミディアムを使うことになる、つまりソフト側コンパウンドを予選や路面温度が低いレースで使えるぶんだけドゥカティが有利だということである。

オープンクラス2年目となる2015年は、その最後のシーズンでもある。統一電子制御ユニットが導入されることにより技術規定は一本化されるのだ。しかし一定の回数の表彰台を獲得していないメーカーに対する優遇措置はエンジン開発凍結免除も含めて一部残る模様だ。その詳細については引き続き検討されることとなっている。

ドゥカティ時代の2011-2012年、ロッシは未勝利に終わり、2013年ヤマハに戻って昨年はチャンピオンのマルケスに次ぐランキング2位となっている。

2013年の終わりにダリーニャがドゥカティに加入したのはロッシが去ったとともにアウディがドゥカティを買収してまず取り組んだ組織再編の一環である。エンジン開発凍結ルールを避けるためにダリーニャがまずやったのはドゥカティをオープンクラスに移行させることだった。戦闘力のないメーカーにとっては致命的なハンディキャップだったからである。

最終的には未勝利のメーカーは、独自電子制御ソフトを使っていてもオープンクラスと同様の優遇措置を受けられるというルールが新設されることになった。ただしオープンクラスとは異なり、ドライレースの成績いかんでは燃料制限緩和とスーパーソフトタイヤという優遇措置は取り上げられることになっている。

開幕前のテストは残すところカタールでの1回だけとなった。そして開幕戦は3月29日、そのロサイルサーキットで開催される。
============
まあ、とりあえず今シーズンまではしょうがないとは思いますけども。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年2月 | トップページ | 2015年4月 »