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プジョー405試乗

いつもお世話になってる車屋さんアウトレーヴに奇跡の美しさのプジョー405が入庫したので試乗させてもらいました。これ

309を2回所有したことのある私にとっては「昔の彼女のお姉さん」で、当時のままの美しさと落ち着きにたいへん感銘を受けたですよ。

90年代初頭のプジョーらしく、何百km走っても疲れないだろう素晴らしいシートや、ハンドルにはチルトもテレスコもないのにびしっと決まるポジションとか、細くて見晴らしのいいAピラーとか、とてもうれしいポイントがいっぱい。しかもエンジン完調、内外装抜群(当時の仏車のプラ部品のクオリティから考えたら神に感謝レベル!)の個体でした。

でも買わないことにしたのは、あんまりにも奇跡の美しさでこれを維持できる自信がなかったのと、あとなんで妹が好きだったかを思い出したから。ちょっと軽くておてんばなところが良かったんですよ。

というわけで長距離走れるまともなセダンを安価でお探しの方には超おすすめ。

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ニッキー・ヘイデンQ&A

編集部を訪問したニッキーにCycle Worldが小ネタ質問をしてますので訳出。
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MotoGP世界チャンピンが編集部に来てスタッフに声をかけるなんてことはそうないことだ。しかし今回2006年のMotoGPチャンピオン、ニッキー・ヘイデンがボニア・モーターサイクルグループの一員である我がサイクル・ワールド編集部にやってきてくれたのだ。いい機会なのでケンタッキー生まれで33歳になる彼にいくつか質問をぶつけてみた。是非楽しんで頂きたい。

:体調はどうですか?

ヘイデン:完璧ですよ。


:楽しむためのバイクとしては何がお気に入りですか?

ヘイデン:ホンダCRF450のフラットトラッカーですね。


:もし鈴鹿8耐に出場することになったら誰と組みたいですか?

ヘイデン:弟のロジャーと組めたらクールだね。それかホンダの他のライダーかな。たぶんマルケスを選ぶでしょうね。勝ちたければ最速のライダーと組まないと!


:ホンダGromについてはどう思います?

ヘイデン:かっこいいですよね。父の会社の人が乗ってるんですけど、ときどき乗らせてもらうんです。小さくてクールなバイクですよ。最初に見たときは大したことないと思ってたんだけど夢中になっちゃうんです。


:世界チャンピオンになってないライダーで一番才能があるのは誰だと思いますか?

ヘイデン:引退したライダーも含めるなら間違いなくランディ・マモラですね。何度も2位に入ってますから。あとセテ(ジベルノー)もちょっと過小評価されてますよね。彼は本当に速いんです。ダニ・ペドロサの名前を挙げても良いでしょう。彼はあんなに勝ってるのにまだタイトルを獲ってない。でもチャンピオンになれる力は充分あるんです。


:もしバイクレーサーになってなかったらなんになってたと思います?

ヘイデン:無職、かな。


:自分にそなわってるレーサーとしての技術で一番優れてるのはなんです?

ヘイデン:スロットルコントロールですね。


:じゃあ一番劣ってるのは?

ヘイデン:ロードレーサーとしてはリアブレーキを使い過ぎなところですね。減速にも使うし曲がる時にも使うし、リアのグリップ感をつかむのにも使うし、ウィリーを抑えるためにも使ってる。でも今は電子制御があるんで、そっちに任せた方がいいんです。とは言え言うは易く行うは難しでね。


:いつかまたアメリカ人が世界チャンピオンになることはあるでしょうか?

ヘイデン:いつかねえ、まあ先のことでしょうね。もちろんいつかはアメリカ人チャンピオンが出るでしょうけど、今日明日の話じゃない。時間はかかるでしょうね。


:ファーストイン・スローアウトですか?それともスローイン・ファーストアウト?

ヘイデン:ファーストイン・ファーストアウトですよ!
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リアブレーキを使うと電子制御を邪魔するというのはたいへん興味深いですね。

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タイヤを保たせる方法を模索しないとね、とミラー

オープンクラスのホンダに乗ってセパン2ではトップから2.5秒遅れで22番手だった飛び級ルーキーのミラーはタイヤの保たせ方に苦労しているようです。MCNより。
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ジャック・ミラーのMotoGPへの飛び級昇格についてはパドック内で様々意見が飛び交っているが、彼はどんどん大型マシンに適応するようになっているし、体力もついてきている。

最終日に行ったロングランによるレースシミュレーションでは16周続けて走り、それなりのタイムを出してみせた。ただしラップタイムの落ち方が他のオープンクラスライダーより激しいのが懸念材料である。今年初のテストとなったセパン1では体力がついていかなかったのに比べるとずいぶん良くなっているとミラーは喜んでいる。

「今回のロングランはセパンでの一回目のテストより良かったですね。でももっと上に行きたいと思ってるんです。タイヤの保ちに問題があるんで、カタールテストではそこがメインのテーマになりますね。もちろん個々セパンでもタイヤの保ちの改善に取り組んでますし、そのためにライディングスタイルも見直しています」

ヴァレンシアでは印象的な走りを見せ、セパンの一回目でも素晴らしいタイムを出したミラーだが、今回のセパン2ではかなり苦労しているようだ。セパンでのプライベートテストを含むこれまでの3回のテストでは、ミラーを慣れさせるために電子制御の介入は最小レベルまで抑えられてきたのだが、徐々に電子制御を使うようにしてきているのがその原因らしい。

「今は電子制御のセッティングもやりはじめているんです。あとシャーシ周りの調整ですね。だんだん慣れてきてますし、コーナー脱出で自信を持ってスロットルを開けられるようにもなってきてます。現時点ではまだ望んだレベルにまで到達してませんけど、前には進んでますね。
 最初の2日間の結果にはちょっとがっかりしたというのが正直なところです。思ったようなレベルじゃぜんぜんなかったですからね。でもレースを終えた今は満足してますよ。カタールが楽しみですね。違うコースだしタイプもセパンとは違いますから。違うタイプのサーキットでホンダがどんな走りになるのか楽しみですね」
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RC213V-RS自体に問題はないのでしょうか。ちょっと心配。

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タイムは出てないけど心配はしていない、とペドロサ

セパンテストではマルケスの陰にすっかり隠れてしまった感じのペドロサですが、まあ予定通りといった感じらしいです。MCNより。
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先週のセパンテストではホンダエンジンの調整に費やしたペドロサの順位は7番手。しかしラップタイムを出すのに苦労しているのではないかという指摘については否定している。テストではあらゆる部分の問題を解決するためにチームは動いていたということだそうだ。

ペドロサは言う。「良い仕事ができたと思いますよ。エンジン周りのテストをいろいろやったんで、いろんな要素が絡み合ってたんですよ。だから全体を統合した最高の状態では走ってないんです。でも最終的に良いタイムがコンスタントに出せるようになりました。良い感じで走れてますし、3日間走ってマシンのこともかなりわかってきました。だから全体としては初日からかなり良くなりましたね」

セパンでトータル6日間のテストを終えて、ほぼできることはなくなったためマレーシアで走行を重ねるメリットが無くなってきたのだと言うことだ。ペドロサにとって大事なのは情報を収集して次のテスト地であるカタールに向かうことだったのだ。2週間後のカタールが開幕前の最後のテストとなる。

「もう別のサーキットに行ってどんな感じなのか試すべき段階ですね。あとまだ満足していない細々したことには手を入れたいです。コーナー進入と、あとコーナー脱出に関しては改善余地がかなりありますし。カタールでなんとかできるでしょうし、さらに前に進めると思います。次のテストと、あと開幕からの2戦くらいまではまだマシンがよくなっていくと思います」
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まあ開幕に間に合えばいいんですよ。

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マルク・マルケスへのインタビュー@セパンテスト2

テスト結果を見る限りは、今シーズンも大本命のマルケス。Cycle Worldがセパンテスト2でインタビューをしてますので訳出。
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マルク・マルケスは相変わらず凄い。2年連続でMotoGPタイトルを獲得した彼は2015年もタイムシートのトップを飾ってみせたのだ。セパンで行われた冬期テストで、自身がトップにいることを見せつけたのである。一回目のセパンテストで出した1分58秒867というラップタイムは2014年に彼自身が出したポールタイムの1分59秒791を上回っている。さらに今日終了した二回目のセパンテストでも1分59秒115というタイムでライバルの方へ・ロレンソを0.3秒上回っている。そしてレースシミュレーションでも素晴らしいタイムを叩き出し、2分を上回ったのはわずか3周にすぎない。

マルケスは最高峰クラスのルーキーイヤーにいきなりチャンピオンになるという1978年のケニー・ロバーツ以来の記録を、しかも史上最年少で飾って見せた。2年目となる昨年もタイトル争いでは終始リードを保ち、開幕から10連勝、ミック・ドゥーハンが1997年に記録したシーズン最多勝の12勝を上回る活躍を見せている。さてMotoGPの3シーズン目となる今年はどんな活躍を見せてくれるだろうか?

2015年の最初のテストにホンダは7台のマシンを持ち込んだ。4台がマルケス用、3台がダニ・ペドロサ用だ。2週間後に行われた二回目のテストでは、マルケスのためだけに新型フレームが導入されている。彼はより多くのトラクションを必要としていたのだ。


:勝つためにはこれまで勝ってきたライダーと同じこと、そしてそれ以上をやらなきゃならないわけですが、どうやったらマルク・マルケスを負かすことができるんでしょうか?

マルケス:わかんないですねえ。自分のことしか考えてないし、いつもより上を目指していて、去年より速く走ろうとしてるんです。ホンダはすごくいい仕事をしてくれて、カタールに向けても準備はできてますよ。


:限界はどこにあるんですか?

マルケス:僕は22歳で、まだまだ学ばなければいけないことがあるんです。もっと経験も必要ですしね。すごく高いレベルの中で戦っていて、ライバルは本当に経験豊富です。外からは去年は楽勝だったように見えるかもしれないですけど、相当たいへんだったんですよ。


:その若さでここまでの成功を収めて、モチベーションはどう保っているんですか?

マルケス:人生でいちばん大事なのは、その時いちばん楽しいことをやることだと思ってます、で、それが最初から僕がやりつづけてきてることなんですよ。この2年間本当に楽しんできたし、それがモチベーションになってるんです。いい思い出がたくさんあるし、人生のハイライトもたくさんあるし、でもいちばん大事なのはコースの中でも外でも自分が楽しめてるってことですね。


:2014年は自分のライディングスタイルに合ったマシンを要求してました。それほど精密ではなく完璧でもないマシンという言い方でした。それに対する日本のエンジニアの反応はどうだったんですか?

マルケス:すごく良い仕事ししてくれましたね。マレーシアでの冬期テストではいい感じで走れましたから。


:2014年シーズン終了時にはどんなことをホンダのエンジニアに対して要求したんですか?

マルケス:ヴァレンシアテストで乗ったマシンはアグレッシブすぎて気持ちよく乗れなかったんです。だから別の方向を探さなきゃならなくって、でもそれに応えてくれたんです!


:ホンダはシーズンオフに相当一生懸命やって、セパンには7台持ち込みました。4台があなた用で、3台がペドロサ用でしたけど、どれを選んだんですか?

マルケス:2週間前の一回目のセパンテストでは2014年型とヴァレンシアテストで試したバージョンと2015年型を試したんです。で、結局2015年型を選びました。すごく満足してますね。2015年型は2014年型と同じレベルまでもうきていて、まだまだ速くなる余地はあるんです。


:この2回の冬期テストの結果には満足してますか?

マルケス:最初は比較だけして、結果2015年型を選んで、そのあとはコーナー進入のセッティングを重点的につめていきました。二回目のテストではリア周りとエンジン特性についていろいろやったんですけど、結果には満足してます。一歩前進できましたからね。


:二回目のセパンでもRC213Vが2台ピットにありましたけど、1台はリアのグリップ感を増すための改良版という理解でよろしいですか?

マルケス:ええ。ホンダが持ち込んでくれた新パーツを試していたんですけど、昨日は2種類のフレームを試して、その路面温度が49℃という状況ですごくいいレースシミュレーションができました。一回目のテストからいいタイムが出せてましたけど、ロングランでも良い結果が出ましたね。今回のセパンでは2015年に使うマシンを絞り込むのと、ベースとなるセッティングを出すことが目的だったんですが、どちらの目的も達成できました。改良型フレームは使わないことにしたんですけど、2015年型には満足してます。パワー特性もブレーキングもコーナー進入も、コーナリング中も、コーナー脱出も全ていい。少なくともセパンではすごく気持ちよく走れてます。まあ他のコースでは何か問題がでるかもしれませんけどね。3月のカタールテストでは開幕戦に焦点を絞ってセッティングをさらに詰めていきたいと思ってます。


:誰が最大のライバルになりそうですか?

マルケス:去年はヴァレンティーノ(ロッシ)とホルヘ(ロレンソ)とダニでしたね。みんなモチベーションは高いしタイトル争いをしていた。今年はホルヘが最強のライバルになると思ってます。去年みたいな間違いは犯したくないと思ってるでしょうし。ヤマハのマシンもかなり良くなってるみたいですしね。まあM1は去年から相当戦闘力はありましたけど、今年は開幕からくるでしょう。


:一番尊敬しているライダーは誰ですか?

マルケス:ヴァレンティーノです。彼がこれまで成し遂げてきたこと、獲得してきたタイトル、優勝したレースについてはみんなよくわかってます。でも今彼がやっていることこそが凄いんです。36歳で優勝争いをいてるんですよ。まだ勝てる力がある。本当にすごいことです。目標にできる人がいてくれて本当によかったと思ってます。昔は35歳までには引退しないといけないと思われてましたからね。


:10年後はどうなっていると思いますか?

マルケス:わかんないですね。まだそういう話をするには早すぎる。今みたいに楽しめてれば、ずっとレースを続けられるでしょうね。でもまあ先のことはわかりませんからね。自分次第ですよ。
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うひゃー、今年もマルケスなのか〜。

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テストでの転倒の原因はフロント-リアのグリップのバランスの問題、とミシュラン

前回のセパンテストに続いて今回も大転倒したライダーがいたミシュランタイヤ。原因はフロントとリアのグリップの違いだと言っています。ちなみにライダーからのコメントはなし。ブリヂストンとの契約の関係で、ライダーは何も言ってはいけないらしいです。CRASH.netより。
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ミシュランの考えでは、木曜にセパンで行われたタイヤテストにおける高速コーナーでの転倒はフロントタイヤとリアタイヤのグリップのバランスの違いが原因だったということらしい。

ジャック・ミラー(5コーナー)、アレイシ・エスパルガロ(5コーナー)、ホルヘ・ロレンソ(3コーナー)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(3コーナー)は全員が高速コーナーで転倒したものの、ライダーは無事だった。

2016年にブリヂストンに代わってタイヤを独占供給することになるミシュランタイヤの試作品を、今回初めて参戦ライダーがテストすることになった。

セパンでミシュランのレーシングディレクターであるニコラス・グーベールはこう語っている。「現時点でうちに足りないのはフロントとリアのバランスの良さなんです。前後のタイヤがうまく協調しないといけないんですけどね。フロントとリアのバランスは4輪レースでは良く聞くんですけど、バクでも同じなんです。
 3コーナーでの転倒は、基本的にはライダーがスロットルを早く開けすぎたことによるものだと考えています。リアグリップを最大限に引き出そうとしたのにフロントがそれについてこられなかったんじゃないでしょうか。
 他のクラッシュしなかったライダーは、コーナー脱出でフロントのレベルが低いのでリアのポテンシャルを使い切れなかったと言ってますし」

グーベールはグリップのバランスの違いはマシンのセッティングで対応可能かもしれないと言っているが、そのためのセッティング変更は異なるタイヤの中からどれを選ぶかというテストではなかなか難しいことではある。

「これはタイヤの問題だけじゃなくて、バイクのセッティングを詰める時間が足りなかったと言っているメーカーもあるんです。時間がなかったからそれができなかっただけってね。
 ですけら、うちとしてはそれほど問題は無いと考えていますし、将来に向けてうちはうちで努力していきますよ。テストライダーもセッティングの方向を詰めてくれるでしょうし、うちもやるべきことはわかってます」

ミシュランが今回持ち込んだのは2種類のフロントと3種類のリアだ。グーベールはタイヤの耐久性については特に問題にならなかったと言う。チャンピオンのマルク・マルケスをはじめとして何人かのライダーがレースシミュレーションを行ったが、安定したパフォーマンスを発揮できたということだ。

ラップタイムは発表されていないが、ストップウォッチによる計測では、最速ライダーのタイムは2分1秒近辺であり、2分を切ったライダーはいない模様だ。

MotoGPライダーはブリジストンで3日のテストを終えたばかりだが、この時の最速タイムはマルケスの2分59秒1であり、レースシミュレーションでは2分0秒7というタイムが出ている。
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あれ、以外といけるのかもですね。

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シームレスギアボックスでペースが上がるロレンソ。そして親指ブレーキ!

セパン2テストでロレンソが親指ブレーキを試している様子。CRASH.netより。
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ホルヘ・ロレンソにとって二回目のセパンテスト初日はなかなか厳しいものだったが、今日2番手タイムを叩き出すことで、それも過去のものにできたようだ。

彼はシフトダウンまでシームレスになったヤマハの新型ギアボックスに取り組むと共に、親指リアブレーキも試していた。

「今日は旧型と新型の両方のギアボックスを試してました。どちらも長短ありましたね。雨が降ると新型はあんまり良くないんです。でもドライだと新型の方が気持ちよくブレーキングできましたね。今までより強くブレーキングできるんです。まあそのあたりは改善できるとは思ってますけど。
 月曜、雨で走った時にはシフトダウンでちょっとマシンが暴れて直立できないんです。グリップもあんまり感じられないし、新型ギアボックスだと直立してないとマシンがばたばたするんですよね」

親指ブレーキに関してロレンソはこう言っている。「(2008年の)中国で足首を骨折して、それで特に右の足首の微妙な感覚や筋力が無くなってしまったんです。足でブレーキを強くかけるのが難しくって、だからちょっと実験してみることにしたんです。でも今のところ親指ブレーキじゃない方がいいですね。去年もここで試してみたんですが」

今日のロレンソは2分1秒を切るタイムを18周記録している。これは新型ギアボックスで出したもので、最速タイムは1分59秒9だ。ホンダのチャンピオン、マルク・マルケスだけが彼のタイムを0.058秒上回っているが、今日2分を切ったのはこの二人だけである。ちなみにマルケスも2分1秒を切るタイムを17周記録した。

「今日は昨日より気力が充実してましたね。昨日は時差ボケもあって、あんまり眠れなかったんで疲れてたんです。コースもスリッピーでしたしね。それで他のテストで使ったセッティングが役に立たなかったんですよ」とロレンソは今日のタイムアップについて語っている。「だから今日は3つの要素が効いたんですね。僕のライディングとセッティングと、あとは気力です。
 明日はそれほど試すことがないんですよ。いくつかセッティングを試してみて、電子制御の調整をやって、新型ギアボックスはちょっと大事にしたいと思ってます。だから旧型ギアボックスに今日よりたくさん乗ることにして、新型ギアボックスはカタールテスト用にとっておきますよ」

チームメイトのヴァレンティーノ・ロッシはマルケスから0.464秒遅れで、2分1秒以内のラップは4周だった。
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それほど新型ギアボックスは貴重なものなのか・・・。

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セパンテスト二日目の皆様のコメント

いろんなところからライダーの皆様のコメントを。
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まずは1分59秒844でトップタイムのマルケスCRASH.net):「昨日と比べると速くなってますね。昨日はブレーキに問題があったんです。今日はエンジン特性と電子制御のセッティングのための新パーツを集中して試すことができました。
 昨日より速くなったし、午後にはいいセッティングが出せてすごくいい感じで走れました。明日はもっといろいろ溜めそうと思ってますけど、こんどはシャーシ周りですね。予定通りにいろいろ試さないといけないんでレースシミュレーションの時間はないかもしれませんけどね。でもいちばん大事なのはカタールに向けて全てを試しておくことですから。
 ブレーキの問題が解決できたのは良かったですね。すごい違和感があって、それでみんなが解決策を探る間はずっとピットで待ってなきゃならなかったんです。
(フロントグリップを失い転倒したことについて)チームには申し訳なかったです。本当にばかなクラッシュだった。アウトにはらんでラインをはずして、そしたらコースが汚れてるとこにはいっちゃってフロントから転けたんです。
 2台あったんですけど、1台は前回テストしたやつで、もう1台はそれに似てるけどリア周りが違うやつなんです。
 この2日間走ってみて前回テストしたやつの方が気に入ってるんですけど明日はもう1台を試してみます。でも現時点ではこっちの方がいいですね」

お次はマルケスから0.406秒遅れで4番手、GP15の出来具合に大満足のドヴィツィオーゾCRASH.net):「もうGP14.3より速いんですよ。とってもハッピーですね。エンジニアが凄い仕事をしてくれました。最初から去年より速いマシンなんてね。セッティングもどんどんよくなってるんで、本当に満足です。
 これからどこまで良くなるのかはわからないですけど、セパンの二回目のテストはいい感じですよ。ライバルから0.2秒遅れくらいだし、まだまだマシンに改善の余地はありますからね。
 普通に走れるんですよ!しかも何もかも普通なんです。スロットルを開けても閉じてもね。普通にコーナーに進入して普通に曲がれるんです。それが本当に嬉しいですしめちゃめちゃいい感じですよ。
 ただ突っ込みの最終段階で去年型ほどうまく止まれない理由がよくわからないんです。だからコーナー中盤でスピードが出過ぎちゃって、そこは解決しないといけませんね。いまそこをなんとかしようとしてるところです。
 いろんなセッティングを試しましたけど、まだマシンの全てを理解するところまではきてないんです。1日半しか乗ってませんからね。まあそこは冷静にならないと。
 明日の午前中はみんなタイム出しにトライするでしょうね。そうすればうちの本当の実力がわかるでしょう。でもまだトップには届いていない。コーナー中盤で限界まで攻められないからなんですが。だからまだどこでも自信を持てるわけじゃないんです」

そのドゥカティについてロッシはかなり警戒している様子(MCNのMtthew Birt氏のツイート):「ドゥカティは相当な脅威ですね。去年型も悪くなかったんですよ。1周だけならソフトタイヤのおかげで相当速かった。でも旧型でもかなり速くて、イアンノーネは前回テストで59秒3まで出しましたよね。GP15はそれより良さそうだし、ライダーも嬉しそうで、だから彼らが一歩進んだと言うことはトップ争いができるということですよ。ドゥカティはもうホンダやヤマハと充分戦えるでしょう。プラクティスではスーパーソフトを使ってアドバンテージを稼ぐんだから、ドゥカティより速いタイムを出すのは相当きつそうですね。レースだと去年はホンダとヤマハがドゥカティより特に後半は良かったんで、決勝はなんとかなるといいですね」

最後はトップから4.469秒遅れ(!)のメランドリ本人のツイッター):「言葉もない。乗れない。みんなに本当に申し訳ない・・・」
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つ、辛い。

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ガイ・マーチン:ナッツコーナーからの長い旅路

映画「クローサー・トゥ・ザ・エッジ」でのマン島TTレースに挑戦し続ける姿が切ないほど素敵だったガイ・マーチンですが、先日、今シーズン限りでの引退を表明しました。その彼に向けたコラムをMCNより訳出。
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全てのバイクファンがそうだっと思うが、私もガイ・マーチンが今シーズン限りでの引退を考えているという先週の記事を読んで驚くと共に悲しくなった一人だ。

ガイに最初に会ったのは2003年に彼がアイルランドにレースのためにやってきたときだ。以来彼には楽しませ続けてもらっている。

そのシーズンの開幕戦、雨でびしょ濡れのナッツコーナーサーキットでレインスーツをはためかせてはしる彼を見たときには、まさかこの男がイギリスで最も有名なレーサーになるとは思いもしなかった。しかしバイクに乗った彼が普通の人間でないことがわかるまでにそう時間は掛からなかった。最初は若いアイルランド人レーサーのためのサポートクラスを走っていたが、BSBから逃げ出してきた彼は明らかに他のライダーを凌駕していた。ライダーが速すぎるからといって怒鳴るチームオーナーはそんなにいないものだが、ダンドロッドで行われた150マイルレースではガイのスポンサーが怒りまくっていた。2位に大きな差をつけていたにもかかわらずガイがペースダウンのサインを無視してラップレコードを更新し続けたからだ。

ガイ・マーチンというのは実にユニークな男なのだ。早口すぎて言っていることの10分の1もわからないのだが、これほどあけすけにレースについておもしろいことを語る者はそうはいない。彼の性格は瞬く間にファンを魅了し、そしてマスコミも彼の人生の激しい浮き沈みに飛びつくことになった。

これは10年ほど前の出来事だが、当時と状況はほとんど変わっていない。ガイは相変わらずとんでもなく速く、相変わらずマスコミにも愛されている。何年にもわたって彼にインタビューしてきたが、ほとんどすべての公道サーキットで勝利を記録することになった。ただしアイリッシュ海の真ん中に浮かぶ小島では勝てていないというちょっとした例外はあるにはある。

ガイの無鉄砲さやカメラの前でのポリティカルコレクトネスとは無縁のしゃべりが彼をテレビのヒーローに押し上げた。バイクレースという狭い世界を超えて、バリー・シーン以来の押しも押されもせぬセレブになったのだ。

おかげで様々な恩恵にはあずかれたのだろうが、彼はこうした状況には慣れることはなかった。常に注目されることから逃れようとした彼のくわだてはすべて下らないものだった。彼がパドックに現れるとすぐに群衆に取り囲まれてしまうために、ガイは今ではレーダー網をかいくぐるためにマウンテンバイクを使うようになっているのだが、それでも自転車がみつかると、停めようとしている間に群衆が集まってきてペンとカメラを構えているのだ。

2シーズンほど前、サザン100マイルの片隅で、レースマシンの隣に置いた愛するトランジット(訳注:フォード製のトランポ)をガイが磨いているのをみつけた。こっそり隠れてやりたいことをやっている。未だにトラックの下にもぐって自分の手を汚す。それが彼の本質なのだ。しかし有名になればなるほど引退が難しくなるという罠がある。

チャンネル4のシリーズ番組「スピード」で彼の人生が取り上げられて世界中がこれを見たおかげで、リンカーンシャー生まれの男の名声はこれまでにないほど高まることとなった。おかげで出演する番組を選べるようになり、スポンサーは彼と契約するために列を作るようになる。財政的にはガイは相当豊かになったろう。過去を振り返っても彼はイギリスで最も稼げるロードレーサーの一人である。しかし彼が書臆するティコBMWのオーナー、フィリップ・ニールによれば、最近では彼はほとんど自分の時間が持てないらしい。

こうしたプレッシャーに対応しようとしつづけて来たのだから、ガイがレースをやめて楽になろうと思うのも無理はない。先週彼がFacebookで言った通り、人生にはレース以外にもやるべき興味深いことがたくさなるのだ。ガイには様々な可能性が開けているし、どの道を選んでもレースより稼げるだろう。テレビ番組でどんなことをやらされようが、TTコースを時速320kmで走ることを考えれば、大した危険ではない。

ずいぶん前にレースから収入を得ようとするのをやめようとした男に言わせれば、無理もない考えだ。しかしガイが本当にレースを引退してしまったらパドックはずいぶん退屈な場所になってしまうに違いない。
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クローサー・トゥ・ザ・エッジはスカパーのヒストリーチャンネルでも放映してます。未見の方は是非!

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MotogGPのエンジン開発凍結に例外を設けるのは良い妥協点

この優遇措置については割と否定的な感じで紹介してますが、良い考えではないかとアプリリアのレース部門のトップは言ってます。CRASH.netより。
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2016については、複数のMotoGPマシンメーカーに対してシーズン中のエンジン開発凍結の例外とするという考えに関して、アプリリアのロマーノ・アルベシアーノは「良い妥協点ではないか」と考えている。

来年は統一電子制御システムが全マシンに義務化されることで、現行のオープンクラストファクトリークラスという区分けが無くなる予定である。しかしながら、一定数の表彰台を獲得していないメーカーに対してはオープンクラス向け優遇措置のいくつかが適応されることになっている。

ただし現段階では優遇措置の詳細と、その適応対象となる成績については決定されていない。

MotoGPの技術ディレクターであるコラード・チェッキネリによれば、緩い燃料制限、エンジン台数、そして開発凍結の例外とするといった措置が検討対象に上がっているようだ。

これは現在ドゥカティやアプリリア、スズキと言ったメーカーに対して与えられている優遇措置に似たものである。現在は燃料制限緩和、エンジン台数、ソフト側リアタイヤ、テスト回数制限緩和、自由なエンジン開発がその内容だ。

しかしメーカーの協会であるMSMAが議論している2016年の優遇措置はエンジン台数制限緩和とエンジン開発凍結の例外措置だけではないかとチェッキネリは考えている。

「現時点では燃料とタイヤは議論の対象とはなっていませんね。エンジン台数とシーズン中のエンジン開発だけが対象です」とアルベシアーノはCRASH.netに対して語っている。

「エンジン開発凍結解除については賛成ですよ。技術的な観点から言えばエンジンが一番繊細で高価なパーツですからね。つまりエンジンに問題を抱えているのに開発が凍結されていたら、もうどうにもならないってことなんです。
 開発ができるのであれば手を施してテストしていいエンジンを作る余地もありますから。いい妥協点じゃないでしょうか。新規参戦メーカーと成績を挙げられてないメーカーに対する優遇措置はこれだけだと思いますよ」

今シーズンからMotoGPに復帰するアプリリアとスズキだけがこの優遇措置を受けることになりそうだ。翌年に参戦する予定のKTMもこの対象となるだろう。

ホンダとヤマハは優遇措置を受ける資格がそもそもなく、ドゥカティも今年は規定の成績を上回ることになるだろう。

昨年初めにドゥカティがオープンクラスに移るとドゥカティが宣言したのもエンジン開発凍結を免れるためだと公言している。その結果、成績を挙げていないメーカーへの優遇措置が導入されることになったのだ。

一方、電制制御にはお金がかかり過ぎることを理由に統一電子制御システムを導入することが良策かどうか尋ねると、アルベシアーノはにっこり笑ってこう言った。

「一番お金がかかるのはライダーですよ!エンジニアの翼をもぐというのは、ライダーの重要性が増していくということで、つまりライダーにますますお金がかかることになるんです。天才エンジニアでも年間6万ドル(邦貨換算700万円)で雇えますし、そのエンジニアのおかげで性能が上がってレースに勝てるかもしれません。一方でレースに勝てるライダーを雇うには1千万ドル(12億円)くらいかかるんですよ。
 まあ統一電子制御ユニットの導入というのはレースの面白さと電子制御部分にかかるコストを下げるという意味ではいいでしょうね。でも別の面からするとちょっと問題はある。勝ちたいと思ったら、まあうちは初年度なのでそこまで考えていませんけど、ライダーにもっとたくさん払わなければならなくなるってことですね。
 本当はもっとエンジニアに払うべきなんですよ。フォーミュラ1みたいにね!」
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まあ例外措置の話はおいといて、エンジニアがもっともらうべき、というのは賛成。

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もっとトラクションを!:マルク・マルケス

2015年型RC213V。テストでは速さを見せていますが2年連続チャンピオンのマルケスはさらなる進化を望んでいる様子。その意味とメーカーは何をしなければいけないのかについてCycle WorldのKevin Cameron氏が解説しています。
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今月初めにマレーシアのセパンサーキットで行われたMotoGPテストの終盤、レプソル・ホンダのマルク・マルケスが望んだのは「さらなるトラクション」であった。ここで言う「トラクション」とはコーナーやエッジグリップとは別の話であり、ホイールスピンなしに加速できる能力を差しているようだ。

私がこのコメントを見たときに思い出したのは2005年の話だ。このときもホンダのライダーたちがトラクションを求めていた。一方でヤマハのヴァレンティーノ・ロッシにはそんな必要はなかったのだ。何が違っていたのだろうか?ライディングスタイルの違いもある。ホンダのライダーはダートトラック風の乗り方をしており、それがカル・クラッチローが言うところの「ホンダ独特のV字型コーナリングライン」となって現れている。V字の頂点で最も強烈に向き変えが行われる。その向き変えに集中するためにライダーは思い切ってスピードを落とすのである。その分加速も強烈にしなければならない。つまりそこで加速のためのトラクションが必要となるのだ。

それとは対照的なのがコーナリングスピード重視のライディングスタイルだ。そのためにライダーは大きな弧を描いていくことになる。常に車速は速いままだ。こうしたスタイルのライダーは高いコーナリングスピードを実現するためにエッジグリップに頼ることになる。そしてコーナリングスピードが高い分、トラクションの必要性は低くなるのだ。2005年の終盤にロッシがトラクションを要求しなかった理由である。

ホンダの要求に対応してミシュランは太く、そして空気圧が低いタイヤを2006年のプレシーズンテストで登場させた。当初はこのタイヤのせいでホンダのマシンにはチャタリングが起きてしまったが、最終的に彼らはこれを克服することができた。一方のヤマハはテストでは増大したグリップからくるトラブルは少なかったものの、開幕戦でロッシがチャタリングに襲われると驚くことになる。これを解決するのには時間がかかり、ロッシはポイントスタンディングで大きく出遅れることとなってしまった。

レースではこうしたことがよく起きる。マシンに関連する全てのものが相互に影響し合っているのだ。パフォーマンスのある部分を改善しようと思ったら、必ずどこかに悪影響が出るのである。1年以上前にドルナがブリヂストンに対して序盤3周までのタイヤ温度上昇特性を改善するように要求した。これはダートトラック風の乗り方のマルケスには吉と出たが、コーナリングスピードを重視するヤマハにとっての生命線であるエッジグリップがわずかに失われることとなってしまった。つまりこれまで重視されてきた馬力やパワーバンドの広さやサスペンションといったことよりも、メーカーがどれほど早くタイヤやルールの変化に対応できるかの方が重要になってしまったことを意味している。微妙に異なる何種類ものフレームを単位時間にいかにたくさん設計し作成しテストできるかが求められるのである。

勇気のある弱小チームが驚くようなアイディアで巨大チームを倒すというのは素敵な話だが、そんなことは一度しか起きていない。2007年にケイシー・ストーナーがドゥカティと統一タイヤサプライヤーになる前のブリヂストンでチャンピオンを獲得したときだけだ。
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だからルールはある程度一定の方がいいのかもですね。

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追悼:榮久庵憲司

SR500を見る影もなくカスタムしちゃってる私にはその権利はないとそしる方もいらっしゃいましょうが、SRX-4はノーマルのまま乗っていたんですよ。というわけでGKデザイン創始者の榮久庵憲司氏に対する追悼文をAsphalt and Rubberより。
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工業デザインという仕事はあまり知られていないし、あまり評価されることもない。工場の中にあるものを適当に組み合わせるのだと思っている人もいれば、商品設計の一環だと思っている人もいる。しかし本当は大量生産の製品で人を幸せにする方法を表現するための果てしない探索なのである。

一般の人たちにとっては何を言っているんだろうという感じだろうし、気取った言い方に聞こえるだろう。しかしそれが真実なのだ。少なくとも日本の東京にあるGKデザイングループはそれを信じている。

あなたがバイク乗りならこの世界的に尊敬されるデザインスタジオにはなじみがあるだろう。彼らがデザインした2台目のバイク、YA-1(1958年)以降、ヤマハのマシンはGKがデザインしている。

日本製という言葉が意味するのが「安いが粗雑なコピー商品に過ぎない」というイメージだった時代に、ヤマハは財布だけではなく心もつかめるようなバイクを作ろうとしていたのだ。これこそが彼らの哲学「KANDO(感動)」である。

「感動」という言葉をざっくり訳すと、どきどきと満足が入り交じった気持ちということになるだろうか。そしてこれが今に至るまでのヤマハ発動機の根本理念となっているのだ。

昨今では口の巧さが先行するメディア戦略や綿密な心理調査に基づくマーケティングのせいでみんながうんざりしてしまっていて、こうした言葉も大げさに聞こえるだけかもしれない。グローバル企業がまたぞろ計算高いスローガンで利益を生み出そうとしていると思われるかもしれない。それもまた真実かもしれないが、別の視点から見てみると、彼らは心からそう思っていることがわかるはずだ。

ヤマハとGKデザインは長いこと素晴らしいものを生み出している。「感動」の精神を共有しているのだ。この精神的結びつきは非常に深く、だからこそ彼らの共同作業のすべて、つまりは彼らが生み出すバイクに反映されている。

精神的。それこそがGKの創始者榮久庵憲司を表す言葉だ。彼は僧侶になるべく学んでいた。その後アートの世界に入り、そしてデザインこそが人間を癒し幸せにするのだと気付いたのだ。現代社会では違和感のある考え方に見えるかもしれないが、戦後すぐの1950年代の日本では、こうやって自分を深く探求するのは普通のことだった。

同じ頃のイタリアもそうだったが、日本は復興が必要な時代だった。そしてイタリア人と同様に日本人も自らの技術と文化を見直していた。ヤマハとGKがテクノロジーと人間を研究することで素晴らしいバイクを作りあげようとしたのもこの流れのひとつなのだ。

GKとはグループ・コイケの略である。東京芸術大学の教授、小池岩太郎にちなんで名付けられた車名だ。彼がGKデザインの創始者となった4人のアーチストを育てたのである。そしてそのリーダーだったのが榮久庵憲司だ。

日本の大学を卒業した後、榮久庵はアメリカの有名なパサディナ・アートセンターカレッジに域、近代アメリカ工業デザインを学ぶこととなった。一緒に学んだ学生にはシド・ミードのような20世紀を代表するデザイナーがいる。


日本に戻ってきた榮久庵は、その頃立ち上がったばかりのヤマハ発動機にアピールするためにグループの力を結集して自動車デザインを提案する。両社のコラボレーションが熟成するまでにはその後何十年かを要しているが、しかし一旦それが結実するとヤマハは次々と革新的なバイクデザインを発表していくことになる。

こうした物語が雪に覆われたガレージにしまってある2015年型R1やYZ450Fに何の関係があるだろうと思われるかもしれない。しかしここから始まる物語こそが、なぜこういうデザインになったのか、どうしてこんな風に感じられるのか、こんな風に運転しやすいのかということを説明してくれるのである。


かつて日本製バイクのデザインはつまらないし、どこかで見たことのあるようなもので、何も感じられないと批判されていた。その頃ヨーロッパ製バイクは未来を予感させ、情熱にあふれていると言われていたものだ。

高名なイタリア人デザイナーのマッシモ・タンブリーニが去年急死した時には、かけがえのない彼の天才を惜しんで賞賛が送られたが、これもこうしたステレオタイプな考えにとらわれていたことは否めない。GK、そして他の日本製メーカーのアインを規定しているのは、一種の多文化性なのだ。

日本人というのは集団で働き、個人より集団を優先して考える。そして多神教文化を持ち、無生物にも魂が宿ると考えている。寺社や非常に精妙に作られた偶像は魂を持つのだ。そして機械も同じように魂を持つのである。

GKが目指していたのは人と機械の間の魂の交流なのだ。人間の身体と機械が血を通わせ合う。そして人間の魂がバイクによって昇華されるのだ。

日本の工業製品に対しては、気持ちが入っていない、しかも顔の見えない巨大企業が世界を支配しようとして作っているものだという偏見があるだろう。それは役員会議の場に関しては真実かもしれないが、GKデザインの人々はそこから遠く離れたところにいる。

僕が2000年にGKデザインのヨーロッパオフィスに入ったとき、きっとコンピュータに囲まれた真っ白なオフィスで白衣を着た技術者がものすごいバイクテクノロジーを扱っている図を想像していた。しかし驚いたことにGKデザイン・ヨーロッパはアムステルダムの下町の1階に居を構えていて、大きさと言えばスターバックスよりちょっと広いくらいだったのだ。

3人の常勤デザイナーが並んで座っている横に、大机があって、隅には空気の抜けたタイヤを履いたTDR250が置かれていた。コーヒーを飲みながらバイクの話をし、少し年をとった人たちは子供の話に花を咲かせ、毎年夏にはアッセンにレースを見に行った。

マネージング・ディレクターの石山篤が彼の机に飾っていたのは木製の額に入った空冷ドゥカティ単気筒である。スタジオには25人のデザイナーがひしめきあい、バンダイ製の小さなバイクのプラモやマンガのロボットが棚に所狭しと置かれていた。壁にはカスタムバイクや建築展のポスターが貼られ、笑顔の家族写真が机の上に散らかっている。

ヤマハのオフィスとは全くことなり、GKの東京のスタジオは騒がしくタバコの煙にまみれ、活気にあふれ、そしてカオスだった。GKダイナミクス(ヤマハ発動機のためのデザインに特化したGKグループの一社)で、最も重要な人物の一人、それがポニーテールの長身、田村純である。

今では管理者の立場となっているので、想像もつなかないだろうが、彼はスパイダーマンのコミックが大好きで、いつも笑っていて、デニムのジャケットにウェスタン風のシャツという格好だったのだ

そして何より多産でしかもとんでもなく影響力のあるデザイナーだった。2000年型R1、R7、ウォリアー、2005年型Fazer/FZ6、そしてあのMT-01などが彼の作品だ。MT-01が最もGKデザインのスピリット、そしてGKデザインの本質を象徴しているだろう。

MT-01は最初1999年の東京モーターショーでコンセプトバイクとして登場した。プッシュロッドのVツインエンジンとハイパフォーマンスに対する田村の愛がそのまま形になっているマシンだ。

ウォリアーは最新のスポーツバイクのテクノリジーを盛り込んだ現代型パワークルーザーのはしりである。既にウォ莉アーは形になっていたが田村はロング&ローなアメリカンを超えるマシンを作りたかったのだ。それがMT-01だったのだ。やりすぎとも言えるほど強調されたマッシブな1700ccエンジンをマンガ風ネイキッドデザインに搭載したマシンは、バランスの優れたシャーシも持っていた。

バズーカのようなエキゾーストはフレームに内蔵され、前にマシンを進めることに関係のないパーツはなにもかも極端に最小化されていた。その年のヤマハは99年型R6で量産市販車初となるLEDブレーキライトを導入し、そして03年型R6では4連プロジェクターヘッドライトをこれまた市販車で初めて導入することを目論んでいた。

このR6、デザイン的にはできる限りコンパクトに収めたかったが、手元にあるプロジェクターランプはコンパクトとは程遠い物だった。そいこで田村はおもしろい解決方法をみつける。クレイモデル完成締め切りの数日前、コーラを飲み干したときに、そのアルミ缶の凹面になった底部分がプロジェクターライトに丁度いいサイズだと気付いたのだ。

そこで彼は職人に頼んで缶を切ってもらい、内側を磨いてライトケースにそれをはめこんだのだ。クレイモデルに色がつくと、そのライト(缶)は素晴らしくフィットしていた。

このマシンのショーモデルの画像を検索すればコーラの缶がライトにはまっているのが見えるだろう。数年後に市販化されたのだ、それでもライトはコーク缶っぽさが残っている。

日本製という偏見を覆すようなネタはヤマハは他にもたくさんもっている。MT-03コンセプトについていたLEDヘッドランプはCATEYE製自転車用ライトからひっぺがしたものだ。1か月前に僕がアムステルダムの自転車ショーでみつけたものなのだが。

98年型R1のリアライトはかっこわるい黒いプラスチック製の箱に収められたつまらない丸いものだったが、なぜか90年代のバイクに大きな影響を与えてしまうことになった。

これを作ったデザイナーは、締め切り間際になるまでデザインができず、とにかくヤマハの役員に見せるまでに「何かライトっぽいものを作れ」と言われていたのだ。上司は彼に、まあそれほど重要じゃないし後からどうにでもなるからと言っていた。

そこでデザイナーは造形用の粘度を手に取った。それは円筒形だったので、とりあえず二枚ほど切り取ってみた。テールカウルしたの四角い箱はさっきの会議の直前にできたばかりだった。つまりは何のデザインコンセプトもない状態だったのだ。

しかし役員会はそれを気に入ってしまった。リアの二つの丸が象徴的に見えてしまったのだ。その控えめなデザインが気に入ったらしい。あるヨーロッパ人デザイナーは、このリアライトのおかげでバイク全体に意図が見えるとまで言った。結局そのデザインは変更されることはなかった。

GKは世界中にオフィスをもっていて、それぞれがその市場に向けたヤマハのバイクのデザインを行っている。タイの小さなスタジオは東南アジア向け「KANDO」デザインを引き受けているがが、実は東南アジアは世界第2位の市場規模なのである。

ロサンゼルスではGKDIがヤマハのアメリカンモデルとオフロードバック、そしてスノーモービルのデザインを行っている。南カリフォルニアの人間にスノーモービルのデザインがどうしてできるのかは謎だが。アムステルダムのGKデザイン・ヨーロッパはヨーロッパ向けマシンのデザインをやっている。

どのスタジオもヤマハとは直接の関係がないのもおもしろい事実だ。GKデザイングループは100%独立の企業なのである。もちろんヤマハからの発注にかなりの部分を頼ってはいるのだが。

日本企業ではこうしたことは良くあることで、安全性を担保しながらデザイン的には冒険をするのである。

GKがその好例だ。GKでデザインとして正しいと信じているのであれば、ヤマハのマーケティング部門や予算管理部門はそれに反対だと思っていても手を出しにくいのだ。他の企業ではなかなかそうはいかないだろう。

ヤマハのバイクは他のメーカーよりかっこいいか?ヤマハのデザインはヨーロッパのメーカーとも比較できるほど素晴らしいか?まあその答えは人によって違うだろうが、僕はGKが最高の西欧の天才たちが作るヨーロッパのデザイナーブランドに対抗できると考えている。

ドゥカティ1098をデザインしたジャンアンドレア・ファブッロはイタリアのメディアにタイして、R7を目指しているのだと語っていた。彼らのスタジオにあって、常に参照される唯一の外国製バイクである。

これもドゥカティの人下であるが、デザイナーのバート・J・グロエスベークはGKデザインヨーロッパでヤマハBT1100ロードスターをデザインしていた。そしてその影響がモンスターとディアヴェルに現れている。

そして何より象徴的なのは2002年型R1だろう。ミラノのEICMAショーで2001年に登場したときには「最高に美しいバイク」と称された。イタリア製バイク以外でこんなことを言われたのは始めてである。

真実というのはまあ個人的な意見に過ぎないとも言える。ブッダもそう言っている。GKのバイクデザインに対するアプローチは、自然界の美と、人がバイクに乗って感じる気持ちを融合して形にしようというものである。

この哲学が、現代の恐ろしいほどの技術が注ぎ込まれた日本製バイクに注ぎ込まれるのだ。それがGKが追求する真実である。毎回それが成功して、世界中のバイク乗りが畏敬の念に打たれるようなデザインになるとは限らないが、うまくいったときは魂の高ぶりを感じるようなものができるのである。


榮久庵サンをひと言で表すのは難しい。しかし彼はとても暖かい人で、人生と美に対する情熱にあふれていた。彼に3回も会うことができた僕は幸せ者である。彼はいつもにこにこしていて、そして瞳は常に輝いていた。バイクのことは語らず、良い形とは何か、そしてその意味とは何か、ということについて語ってくれた。

僕は若く、デザイナーとしての経験も積んでいなかった。ヤマハとその世界ビジネスの大きさに圧倒されていた。榮久庵サンがそこで僕に多様な視点を与えてくれたのだ。

GKデザインが考えるバイクとは、魂のポテンシャルを広げてくれるものなのだ。そして醒めた西洋人には陳腐な話に聞こえるだろうが、榮久庵サンがいてくれたことで、僕らはそれを信じることができたのだ。

僕は自分が引く線、一本一本に魂を込めるようにしていた。GKデザイン・グループは僕がいままでしてきた仕事の中で最高の場所だった。心からGKが懐かしい。みんなが榮久庵憲司がいなくなって辛く思っているだろう。そして彼が世界中のバイクデザインに与えた影響に思いを馳せるのだ。

終わりに
ほとんどのメディアは取り上げなかったが、去年、悲しいニュースを耳にした。ヤマハの株の一部を持つトヨタが、バイクのデザインも4輪デザインの支配下に置くと言ったのである。つまり50年にもわたる協働作業を成功させてきたGKを排除するということだ。

かつての同僚と話をした。彼らは仕事を失った以上に消沈していた。人生の喜びのために作られるヤマハの製品が、カローラとかカムリのようなつまらない製品のついでにデザインされるなんてことがあっていいのだろうか。榮久庵サンの哲学はもう継承されないということではないか。

GKデザイングループは続いていくだろう。専門特化した部門をいくつも持っているから大丈夫だろう。そしてこれからも日本や世界に影響を与え続けていくだろう。

ちなみに英語版Wikipediaの榮久庵憲司のページはずいぶん情報が少なく、大メディアの情報にまどわされているようだ。榮久庵サンがV-Maxをデザインしたわけではないし、それどころか1965年以降はバイクデザインには直接携わってはいない。

デザイン事務所にはよくあることだが、主宰がチームの仕事に責任を持つことになる。別に榮久庵サンをくさしたいわけではない。むしろチームとしてのGKを賞賛したいのだ。GKには何人もの才能ある出会いナーがいて、名前は表にでないが、すばらしいデザインを何年にもわたって生み出し続けているのだ。

本記事の筆者マイケル・ウラリックは国際的な賞も獲っているバイクデザイナーで業界アナリストだが、14年にわたってアジアやヨーロッパ、北アメリカ向けのデザインを企業のためにやっている。

さらに彼はパートナーのケヴィン・オニールとともに、アマロック・レーシング・チームのためにP1電動バイクの開発を行っている。彼はカナダ、ノヴァ・スコシア州のハリファックスに家族と共に住んでいるが、ここもまたバイク業界の中心から遥かに離れた場所である。これも何かの偶然かもしれないし、まあそうでないかもしれない。
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ちなみにトヨタがヤマハのデザインを管理するというのはこの記事ですかね。むぅぅ。

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セパンテストを受けてステップ2は大変更:アプリリア

セパンテストでは散々な結果に終わったアプリリアのMotoGPですが、とにかく前に進んでいく気持ちはある様子。CRASH.netより。
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アプリリアRS-GPのステップ2は散々な評価を受けることになった。

先週のセパンテストではアルヴァロ・バウティスタもマルコ・メランドリもこの最新型は2014年に同じマレーシアでテストしたその前バージョンよりひどいと評価している。

アプリリアのレーシング・マネジャーであるロマーノ・アルベシアーノはCRASH.netにこう語っている。「ライダーからのコメントを総合すると、ステップ2はその前のバージョンよりよろしくないですね。コーナー進入の感触が全然つかめなくて、グリップも感じられないとのことでした。つまりこのマシンには何か問題があるということなんです」

ステップ2はどこを変えたのかと聞くと、アルベシアーノはこう言った。
「マシンの重心をどこにもっていくかが問題なんです。このマシンについては重心の高さですね。あとフレーム剛性ですか」

重心高が変わるとアクセルを開けたときのトルクのかかり方が変化するだけでなく、ブレーキングやコーナリング時のタイヤ接地面積も変化するし、その結果、前後の重量変化も変わってくる。つまりマシンのフィーリングやグリップ感が変わってくるということだ。

「解決策をみつけるのは簡単ではないので、とりあえずは今回型は捨てることにしたんです。データ分析してすべてをチェックはしましたけどね」

分析結果は今回の3日間のテストにはフィードバックできなかったが、アプリリアの開発ライダーであるマイケル・ラヴァティはセパンでその翌日から行われたミシュランテストでいくつかのアイディアを試していた。

結果はなかなか良かったようだ。「2種類ほどのセッティングをマイケルに試してもらったんです。かなり大幅な変更を施しましたけど、おかげでパフォーマンスもフィーリングも前の型と同じくらいにはなってきてますね」

RS-GPはARTオープンクラスマシンのワークスバージョンであり、基本はスーパーバイクのアプリリアRSV4を踏襲している。現時点での最大の違いはニューマチックバルブが搭載されたエンジンだ。

「全部ニューマチックバルブエンジンですよ。もちろん最高のエンジンはうちのより速いですよ。でもこれはうちの最初のバージョンですからね。第一歩としては完璧ですよ。これからどんどん良くなっていきますからね。まだロード用RSV4のクランクケースを使ってることを考えたら、この成績は相当の驚きですよ!」と2013年いジジ・ダリーニャがドゥカティに移籍した跡を継いだアルベシアーノは微笑んで言った。

アルベシアーノの次の課題はシームレスギアボックスだ。これは今シーズンの前半には導入される予定だという。

「テストベンチではうまく動いています。今月イタリアでスーパーバイクマシンでシームレスギアボックスの実走テストを行う予定です。さっきも言いましたがクランクケースはMotoGPマシンと同じなのでギアボックスもそのまま使えるんです。まあ完全なニューパーツなんで、いつ実戦に使えるかは明言できませんけどね。でもシーズン中盤までには導入できると思うくらいには楽観視してますよ」

アプリリアが完全な新型MotoGPマシンを導入するのは2016年の予定だ。そもそも当初はこの年にワークス復帰する予定だったのだ。

「来年には完全な新型エンジンと新型フレームを登場させますよ。完全な新型マシンということです。9月か10月にコースで走らせる予定ですよ」

セパンテストではバウティスタがトップから3.057秒遅れの21番手、メランドリは4.774秒遅れの28番手だった。次のプレシーズンテストは同じセパンで2月23日〜26日に開催される。
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うーん、うーん。不安はぬぐえない。

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まだ10%位しか学ぶべきことを学んでない、とジャック・ミラー

Moto3からいきなりMotoGPにジャンプアップした期待の新人ジャック・ミラーですが、まだまだ学ぶべきことは多いと自覚している様子。MCNより。
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自分としてはMotoGPのタイトル争いをするにはまだまだ学ぶべきことがたくさんあるとジャック・ミラーは考えているようだ。

入門クラスであるMoto3からいきなりCWM LCRホンダでMotoGPを走ることになったジャック・ミラー。彼は2015年から3年間の契約をHRCと結ぶという破格の待遇を受けている。オーストラリア生まれの彼はKTM製の55馬力のMoto3マシンからオープンクラスとは言え250馬力を発揮するホンダRC213V-RSに乗り替えることになるのだ。

先週のセパンテストに参加したミラーの順位は20番手。同じRC213V-RSに乗るカレル・アブラハムやユージーン・ラヴァティを上回っている。

しかし2014年のMoto3タイトルをわずか2ポイント差でスペイン人ライバルのアレックス・マルケスに譲ってしまったミラーは、重くてパワフルなMotoGPマシンに対する自らの学習曲線には全く幻想を抱いていないと言っている。

「まだ学ぶべきことの10%ぐらいしか学んでないですね。コースに出るごとに強力なブレーキとパワーに慣れてきてますけど。まだどんどん学べているし、壁には当たってないですね」

ミラーはリアタイヤのホイールスピンへの対応がシーズン前の最大の課題だと考えている。とは言え現時点ではチームも彼がMotoGPマシンに一刻も早く慣れることができるよう、電子制御の介入は最小のセッティングで走らせているのだが。

「僕の最大の課題はホイールスピンが多すぎることですね。路面温度が上がるとリアタイヤの温度が上がり過ぎちゃうんです。まだほとんどトラクションコントロールは使ってないんですけどね。次のテストではもっと電子制御を試す予定です」

そしてミラーは自分のライディングスタイルが確実に進化しているとも言っている。「ちょっとずつ変わってきてますね。ホンダではきれいにコーナーを曲がるのは難しいんです。だからうまくマシンを減速させてきっちり曲げなければならない。そこがMoto3との違いですね。Moto3ならコーナリングスピードを稼げるしスムーズにコーナーを抜けられるんです。
 トップとの差はそれほどひどいものではないですけど、もっと近づかなければいけないですね。でもライディングスタイルも着実に変わっているんですよ。マシンを早めに起こしてスロットルを開けすぎないようにしてるんです。タイヤの端を使っているときにはホイールスピンが起こりますからね。簡単ではないですけど学習はしてますよ。
 ハードなブレーキングは僕のスタイルに合ってますね。あとはタイヤの太さに慣れないといけないかな。コーナーリングアプローチでタイヤがつぶれる感じに対応しないといけないんです。今はそこを追求していて、タイヤの限界を探っているところです。だからタイヤを替えずにかなりの距離を走って、たれた時の特性を把握しようとしてるんです」
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今シーズンも後半になれば結構いいところまでいきそうな予感。

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ヤマハ vs. HJC:空力をめぐる5mmのせめぎ合い

340km/hの最高速が出るMotoGPマシンは当然空力がとことんまで追求されているのですが、そこは4輪とは違う2輪の辛さ。ライダー(と装備)の空力はマシンメーカーのコントロール範囲外。でもこんなせめぎ合いも起こっているようです。Sport Riderより。
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レース界では寸法はノギスで測られる。そしてそれはミリ単位で調整される。とは言えMotoGPマシンの空力特性がヘルメットの顎部分のたった5mmに左右されるとは驚きではないか。

ヤマハのレース開発部門とホルヘ・ロレンソをサポートする勧告のヘルメットメーカー、HJCとの間で交わされている議論の話だ。「あと5mmなんとかしなければならないんです」とヤマハのMotoGPディレクターの辻幸一がマドリッドでの2015年チーム発表会でSport Riderに説明してくれた。彼はYZR-M1の開発責任者である。「ホルヘと空力テストをしたんですけどストレートで完全にカウルに潜り込むにはあと5mm必要なんですよ」

普通のレースファンには馬鹿げた話に聞こえるかもしれないが、辻サンによればこの微妙な差が空力的には非常に重要なのだそうだ。「マシン側ではもう5mmをなんとかするのは不可能なところまでやったんです。ホルヘのヘルメットをのせるのは電子制御ユニットの上なんですよ。うちのオリジナルのハードウェアを使えるなら良いんですけど、ドルナの標準電子制御ユニットはすごく大きくて、これ以上削ることもできないし、場所を変えるのも無理なんです。だからHJCにホルヘのヘルメットの顎部分を5mm短くできないかお願いしてるんですよ」

ロレンソのヘルメットがMotoGPマシンのとんでもないスピードによって引き起こされる空力的な問題に直面したのはこれが初めてではない。去年もエンジニアは寸法の問題に気付いていた。恒例のセパンのシーズン前のテストでのことだった。去年の最初のテストではセパンの2つの長いストレートでカウルの中に伏せるライダーの写真が撮影され、これが日本に送られて空力担当エンジニアによって分析された。空力特性の精緻な分析はここから始まるのだ。

去年発生した空力問題はかなり尾を引いた。具体的にはヘルメットの後頭部に装着されたスポイラーのデザインの問題である。それほど激しいスピード域ではないあたりでの空力特性を改善するためにデザインされていたため、ストレートでMotoGPライダーが通常ではあり得ないほどカウルに潜り込むと、そのスポイラーがウィングフラップというかエアブレーキ的な効果を発揮してしまったのである。これはマシンのパフォーマンスに影響するだけでなく、超高速域で頭が後ろに引っ張られるとともに大きく振られるためにライダーにとっては非常に不快なものとなるのだ。シーズン後半、HJCの技術者が違う高さに装着される数種類のスポイラーを試していたのは皆が知るところである。完璧な空力特性とそうでないものの違いは非常に明白だ。スズキがアレイシ・エスパルガロとマーヴェリック・ヴィニャーレスで測定した結果がそれを物語っている。身長の高いアレイシと、そうでもないマーヴェリックで最高速に0.8km/hの違いがあったのだ。しかもこれはヴァレンシアやヘレスと言ったストレートの短いサーキットでの話である。セパンのように長いストレートが2本もあるようなコースでは、さらに差は広がっていくのだ。確かに0.8km/hというのはささいな違いに思えるかもしれない。しかしこれが20〜25周積み重なるのだ。さらにサーキットでは高速セクションで稼いだタイムの方が低速セクションで稼いだタイムの方がラップタイムに効いてくることも忘れてはならない。

これは技術的側面がMotoGPにおいてどれほど大事かを示す興味深い一例だ。マシンのパーツだけではなくライダーの安全装備も最高のパフォーマンスを出せるかどうかに影響するということである。他にもこうした話はある。捨てバイザー(シールドの上に被せられた非常に薄いプラスチックフィルム)がパフォーマンスに影響しているということはご存じだろうか?それがどれほど大事か知ったら、あなたも驚くだろう。だが、これは次のネタにとっておくことにしよう。
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しかしそこ5mmも削れる余地があるんでしょうか。HJCの言い分も聞いてみたいですね。

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あれは本当のメランドリじゃない(と思いたい)とアプリリア

セパンテストでは最下位タイム。「お願いだからWSBKに戻らせてくれ、代わりにジョルディ・トーレスをMotoGPで走らせればいいじゃん」とアプリリアに頼んでいるというまで流れちゃってるメランドリですが、一応アプリリアは「本当の彼ならもっといける」と言っています。本心かどうかは別。CRASH.netより。
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アプリリアのレーシング・マネジャーであるロマーノ・アルベシアーノは、3日間のセパンテストを終えて最下位に沈んだマルコメランドリが、それでもリセットして再出発してくれることを願っている。

アプリリアワークスがワールドスーパーバイクからMotoGPにに軸足を移したのに伴い、メランドリも2003年から2010年まで走っていた懐かしの場に復帰することとなった。彼はMotoGPで通算5勝を挙げ、2005年にはグレジーニ・ホンダでランキング2位につけている。そしてそのグレジーニが来年はアプリリアを走らせることになる。

昨年に引き続きグレジーニで走るアルヴァロ・バウティスタはアプリリアで初日15位、2日目17位、3日目21位と徐々に順位を落ちし、結局トップのマルク・マルケスからは3秒遅れという結果に終わった。

一方のメランドリは初日26位、2日目、3日目は最下位の28位となっている。彼の最速タイムはマルケスから4.8秒遅れ、去年型オープンクラスアプリリアを走らせるイオダのアレックス・デ・アンジェリスからも0.242秒遅れという状況だ。

「アルヴァロについてはとても満足していますね。かなり速いですし安定していますし、それになによりやる気がある。チームに彼を迎え入れることができてうれしいですよ。完璧です」とアルベシアーノはCRASH.netに語っている。

「昨日(3日目)と一昨日(2日目)のマルコはちょっとトラブルに見まわれたんですよ。リセットできるといいでんすけどね。この3日間では本当のマルコ・メランドリは見られなかった。少なくとも私はそう信じています。コースで走っているところを見ても何かおかしいですからね」

アルベシアーノはメランドリにとって厳しい状況であることは認めている。この4シーズンワールドスーパーバイクでタイトル争いをしてきたのに、いきなり戦闘力のないマシンでMotoGPを戦わなければならなくなったのだ。

「確かに彼にとっては辛いでしょうね。まあ僕らも彼に新しい挑戦をしてくれるよう頼んだわけなんですけど。彼には是非一緒にやってほしかったんです。いいライダーだし開発能力もありますからね。だから彼が速さをできるだけ早くとりもどしてくれるといいですね」

セパンではこの他にマイケル・ラヴァティもアプリリアワークスの一員として走っている。ラヴァティは過去2シーズン、PBMでMotoGPを走っていたが、今年は英国スーパーバイク選手権でBMWを走らせる傍らアプリリアのMotoGPマシンとワールドスーパーバイクマシンのテストを行うことになっている。

アルベシアーノは彼についてこう語っている。「マイケルとは初めて一緒にやったんですが、驚きでしたね。凄く速いしコメントや報告ももの凄く正確なんです。心から彼の仕事には感謝しますね。うちにとってはかけがえのない資産です」

アプリリアは2016年に向けて全く違うMotoGP用マシンを開発中である。つまり今シーズンは昨年までCRT及びオープンクラスでARTが走っていたマシンのアップデート版を走らせるということだ。

2015年型「RS-GP」の基本構成はARTのマシンと同一だがそれでもニューマチックバルブになっているし、シームレスギアボックスがシーズン前半には導入される予定だ。

セパンテストにもRS-GPのバージョンアップ版である「ステップ2」が持ち込まれていたが、バウティスタもメランドリも11月にテストした旧型の方を選んでいた。
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ダニも相当不運だと思うけど、メランドリの不運さってハンパ無いですよねえ・・・。

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セパン・ミシュランテスト:秘密は守られたがタイムを見るとまだまだやることが

セパンテストの後はミシュランのタイヤテストが行われています。MotoMatters.comより。
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2015年のMotoGPテスト1回目が終わったところだが、メーカーはそのままセパンに居残ってテストを行っている。MotoGPテストの4日目は2016年からタイヤを供給することになるミシュランのためのものだ。

ブリヂストンからミシュランになることには法律的な問題が残されており、テストは秘密裏というほどではないにせよ、かなりの厳重警戒の下に行われた。参加したのはテストライダーのみであり、タイヤについてメディアに語ることは許されていなかった。タイムは記録されることなく、もちろん発表もなかった。しかし何人かの根性のあるジャーナリストがコースサイドでストップウオッチ(スマートフォンだったりもするが)を持ってタイムを計測しようとしていた。機密性があるのは充分理解できる。ミシュランはまだ開発の初期段階であり、ブリヂストンはオフィシャル・タイヤ・サプライヤとして市場から利益を得るためにドルナにかなりの額を払っているのだ。

とは言え今日のセパンテストからわかることもかなりある。ジャーナリストが計測した非公式タイムを見ると、ラップタイムはブリヂストンから1〜2秒遅れ。その前3日間ブリヂストンを装着したワークスホンダRC213Vに乗っていた青山博一のタイムが参考になるだろう。彼のペースを見るとミシュランではブリヂストンから1秒ほど遅れている。まだプロジェクトが始まったばかりだということ、そしてブリヂストンはこれまで大量のデータを蓄積し開発を進めてきたということを考慮すると、ミシュランはかなり良い仕事をしていると言えよう。

問題はクラッシュが多かったことである。ホンダもヤマハもスズキも、5コーナーで転倒している。これは最初にくる左コーナーだ。ミシュランはこのコーナーでは無理をしないようライダーに言ったとのことだ。しかしそれでも転倒は続いた。問題はフロントタイヤにあるようだ。5コーナーでは切れ込みやすいようである。

このテストの目的は次のセパンテストに向けて様々なタイヤの中から良いものを絞り込むことだった。次のテストではワークスライダーがミシュランを試すのである。ミシュランのマネジャーであるピエロ・タラマッソが何人かの記者の前で語るには、フロントを7種類、リアを5種類も珍だとのことである。次のセパンテストでワークスライダーが試すタイヤを前後3種類ずつに絞り込みたいのだそうだ。ワークスライダーのフィードバックに基づき将来の開発方向が決定されることになる。基本的なタイヤ構造(ケーシング、コンパウンド、プロファイル)は7月に最終決定される予定だ。2016年はミシュランとしてはフロント、リア共に、各GPで3種類のタイヤを供給したいとのことである。
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ふむふむ。

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2015年MotoGPセパンテスト1回目まとめ:ホンダvsヤマハ 互角の戦い

マルケスが1分58秒台を出したりして、今年もホンダが圧倒的かと思いきや、結構ヤマハもがんばっているようです。MotoMatters.comより。
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誰のマシンが最速なのか?それはホンダなのか?それともヤマハに上を行かれているのか?セパンで行われた今年最初のMotoGPテストでその答えは出たのだろうか?月曜の段階で答えはわかったように思えた。しかし金曜には再び答えは闇の中だということが判明している。まだシーズン開幕までには時間があり、現段階でわかっているのは、今シーズンがすばらしい年になるだろうということだけだ。誰が一番速いかを決められないということは、レースが接戦になることを意味しているのである。

ヤマハとホンダの力関係はどう変わったのか?ヤマハはセパンに今すぐにでもレースに出られるマシンを持ち込んできた。もちろんテスト対象のパーツは山ほどあるが、ヤマハの哲学からすれば、テストパーツの効果は少ないはずだ。もちろんいい方向に影響することは間違いないが。マシンはもともと速かったが、さらに速さを増した。つまりヤマハは初日から速く、日々少しずつさらに速くなっていたのである。

一方のホンダはマルク・マルケス用に4種類、ダニ・ペドロサ用に3種類のマシンを持ち込んでいる。彼らレプソルの2人は初日はマシンの比較に徹していたようだ。水曜にはマシンを絞り込み、木曜にはそれを確認し、木金でさらに調整という段取りで進めていたのである。テストの最後には2015年型ホンダRC213Vはその強さをまざまざと見せつけた。問題は無かったわけではないが、それでもそのポテンシャルは驚異的だ。マルケスはこう言っている。「2014年レベルにはきてますね。この新型についてはまだやらなきゃならないことがいくつか残ってます。いちばん大事なのはフィーリングの改善ですね」

ホンダはつまり相当なアドバンテージを確保したということだろうか?コース初となる1分58秒台を叩き出したマルケスを見ると、その通りだとも思える。さらにペドロサは2番手タイムを出しており、アタックラップでの失敗があったせいで58秒代に届かなかっただけだと言っている。しかしペドロサで印象的だったのは最速タイムではなくレースシミュレーションだ。2分00秒台で10ラップ、2分01秒台で9ラップをこなしているが、このシミュレーションタイムはマルケスが去年10月のレースで出した優勝タイムを14秒も上回っているのだ。このときのマルケスは1周目に2分08秒台だったにもかかわらず、ラストラップは2分14秒台まで落としている。

もちろん10月と直接比べるわけにはいかない。サーキットのコンディションはどのライダーも最高だったと認めているのだ。3日間のテスト期間中、雨は降ることもなかったのだ。夕方のスコールもなし。28台のMotoGPマシンが走ることでコースはきれいでラバーグリップもあった。気温も10月より低かったし、路面温度は15℃も低かった。これらすべてが合わさって良いタイムが出しやすかったのだ。とは言えそれでもすごいタイムが出たと言えよう。ロッシは状況についてこう言っている。「今日はすごくいいコンディションでしたね。でも1分58秒8までいくとはね。まあ出したのがマルケスなら納得ですけどね」

これまでのところはホンダが優位なように見えるが、まだテストである。ロッシは言う。「ホンダも一発出しは相当良いタイムだし、序盤はいい感じですね。だから今日レースをやったらホンダが勝ったでしょう。でもうちもそれほど離されてはいませんよ」。セパンの2回目のテストでは今回見えてこなかったことがいろいろ見えてくるだろう。ホンダは2015年型RC213Vのリファインを行ってくるはずだ。コーナー脱出を改善し、同時にホイールスピンを抑えるというあたりだ。マルケスはこう言っている。「コーナー中盤の加速でちょっとタイムをロスしてるんです」。つまりはエンジンが相当アグレッシブだということだ。「エンジン特性を変えれば相当良くなるでしょうね」

しかしヤマハも次のセパンテストでは大ジャンプをすることになる。完全なシームレスギアボックスの導入だ。シフトアップだけでなくシフトダウンでもシームレスになるバージョンだ。これが2週間後のテストで初お目見えとなる予定である。何もなければロッシとロレンソは初めてこのギアボックスを試すことになるが、間違いなくブレーキングでの弱みを相当カバーしてくれることになるだろう。ロッシは言う。「特にブレーキングが良くなってます。データを見ると深く突っ込めるようになってますからね。でもまだ十分じゃないですよ」。新型ギアボックスはここを解決することになるだろう。これで大進歩を遂げることになればホンダとヤマハは再び同列に並ぶことになる。ことによったらヤマハが上に立つかもしれないのだ。

今日のロングランの結果だけを見るとやや誤解を招きそうである。ペドロサの走りは確かに印象的だった。ただいい時間にシミュレーションをやったという点も否めない。ロッシとロレンソも同様である。しかしロッシのロングランはパーツテストも兼ねていた。そしてマッピングとブレーキセッティングを変えるために2回ほどスローダウンしている。ヤマハはレースディスタンスで試したかったのだ。マルケスのレースシミュレーションはかなり遅い者だったが、ペドロサ、ロッシ、ロレンソは昼過ぎに走り出している。一方マルケスのシミュレーションは3時頃で、最も熱くなる時間だったのだ。路面には油分が浮き、全くグリップしない状態だった。

ドゥカティについては、かなりいいテストだったと言えよう。ドゥカティがドヴィツィオーゾとイアンノーネの二人のアンドレアのために持ち込んだのはGP14.3だ。現時点では最もGP15に近いマシンである。二人が試した新型フレームはレース本番仕様に近いディメンションで、エンジン特性はかなりスムーズになっている。未だにアンダーステアはあるものの(GP15で解決してほしい問題は?ときかれたドヴィツィオーゾは即座にこう答えている「コーナリングです!」)、次のセパンテストに導入する新型のためのテストは十分に行えたようだ。タイムもかなりいい。二人とも1分59秒台に入れているのだ。イアンノーネの最速ラップは1分59秒388で、トータルで3番手となっている。ヤマハワークスの二人を上回るタイムなのだ。

セパンの1回目のテストにデスモセディチGP15が登場しなかったのは残円だが、ジジ・ダリーニャのマネージング力を十分に見せつけることができたと言えよう。セパンテスト用のGP14.3に加えられた改良はわずかだが、それでもGP15の基本的ディメンジョンを試すことはできた。セパンテストの2回目では、ドヴィツィオーゾとイアンノーネは新型フレーム、エンジンのテストを行い、基本セッティングを探ることになっている。一方、ダニオ・ペトルッチはGP15用の電子制御のテストを刷る予定だ。電子制御セッティングは他のマシンにも適用できるので、ペトルッチが乗るのはGP14.1(2014年後半にクラッチローが乗ったマシン)だが、これはすぐにGP15に使われることになるはずだ。

テスト結果が良かったことでドゥカティのワークスライダーは楽観的な気持ちになっている。アンドレア・イアンノーネとしてはもっと早くGP15を手に入れたかったようだ。どれくらい?彼の言葉を聞いてみよう。「ものすっごくですよ。でも2014年の結果には満足していますし、2015年もいい感じで始められました」。一方、ドヴィツィオーゾはもう少し慎重である。「悲観はしてませんけど現時点でこれ以上何か言うのは意味がないですね」。新型マシンが走り出すまではまだわからないということだろう。

スズキにとってもすばらしいテスト結果だったろう。とは言え彼らの弱みがあらわになってしまってもいる。次のテストに向けての改善ポイントについてアレイシ・エスパルガロはこう叫んでいる。「もっとパワーを!」。チームメイトのルーキー、マーヴェリック・ヴィニャーレスも同意見だ。どちらもハンドリングは褒めている。コーナリングは素晴らしいとのことだ。しかしパワーが足りない。非公式のトップスピードを比べると、ホンダが325km/hだったのに対してスズキは315km/hしか出せていないのだ。これは乗り越えられない壁ではない。10月のレースでマルク・マルケスが出したトップスピードは平均で324km/hだったのに対してポル・エスパルガロが出したのは316kmだったのだ。とは言えスズキの予定とは違っている。

当初のスズキの計画ではセパンでパワフルなエンジンを導入するはずだった。しかしヴァレンシアでレース、テスト共に信頼性の問題が発生してしまった。スズキのエンジニアはその後の6週間、信頼性を取り戻すために時間を費やし、なんとかそこは解決できたおかげでセパンにはかなり丈夫なエンジンを持ち込むことができた。しかしおかげでパワー向上にかける時間がなくなってしまったのだ。問題の原因について問われたチームマネジャーのダヴィデ・ブリヴィオは口を濁している。複数のパーツの問題で、様々な要素が絡んでいるとしか教えてくれないのだ。問題が発生したのは去年の10月のテストが初めてだったそうだ。パワー向上の予定日雨手はブリヴィオは口をつぐんだままである。

マーヴェリック・ヴィニャーレスのパフォーマンスを見ると、パワー向上のスピードがが追いつかなさそうだ。ルーキーのヴィニャーレスはテストで素晴らしい結果を出している。神秘もしたし、ライディングスタイルも帰ってきていいる。そして速さはどんどん増している。トップとの差は初日から最終日にかけて0.9秒も縮まっているのだ。そして自身のタイムは2.2秒更新している。これを上回るのはロリス・バズだけだった。とは言えバズの初日のタイムはかなり遅かった。ヴィニャーレスは総合タイムで12番手に着けている。より経験の不快チームメイトのエスパルガロからはわずか0.5秒遅れだ。セパンテストで一番輝いた一人だと言えよう。イアンノーネもかなりタイムを上げてきたが、ヴィニャーレスにとってMotoGPマシンはまだ3回目のテストなのだ。

同じく来年からMotoGPに復帰するアプリリアの方はこれほど楽観的にはなれないだろう。新型ニューマチックバルブエンジンを華々しく持ち込んだものの、新たな問題が発生した模様だ。さらに悪いことにはアプリリアが2015年型として持ち込んだ新型フレームは使われないままピットに置き去りにされていた。ワークスライダーは二人ともこれを気に入らなかったのだ。ARTの2014年型フレームの方が良かったようである。さらにアルヴァロ・バウティスタはそれなりのタイムをだしたものの、スターライダーのマルコ・メランドリは最下位に沈んでしまっている。ファクトリークラスだけではなくオープンクラスにも遅れを取っている上、ルーキーやテストライダーにも上を行かれてしまったのだ。4.7秒というマルケスとの差はやや絶望的だ。それよりなによりチームメイトからも1.7秒遅れというのはどうしたものだろう。

なぜこんなことになってしまったのか?メランドリはそもそもMotoGPに来る気などなかったのだ。アプリリアがワールドスーパーバイクを撤退してMotoGPに集中することにしたおかげで選択肢がなくなってしまったのである。アプリリアとの契約が残っているため別チームにいくのも難しかった。そもそもアプリリアの撤退発表時期が遅かったというのもある。メランドリ自身もMotoGPに来たくなかったと言っている。セパンのタイムを見るといつまで彼がMotoGPにいるのかははなはだ疑問である。

レプソル・ホンダの二人がトップ2になった一方、オープンクラスのホンダのタイムはそれほどいいものではなかった。クラッチローがオープンクラスホンダでは最速だったが、11番手に沈んでいる。クラッチローはスコット・レディングと同様にホンダのアグレッシブなエンジン特性に苦しんでいるのだ。クラッチローもレディングも口をそろえて言っているのは、コーナー進入ではすばらしいもののエンジン特性がアグレッシブなためにコーナー立ち上がりでホイールスピンが起きるということだ。これはワークスライダーも苦労していたところである。しかし経験とワークスのバックアップ体制のおかげで、エンジンを手なずけることができているのだ。

新型のオープンホンダは馬力の問題はなくなったようだが、それがタイムの改善につながったのかどうかは疑問である。ニッキー・ヘイデンの手首はかなり良くなっているようだが、チャタリングに苦労している上、エンジンを手なずけるための電子制御セッティングもうまくいっていない。乗りこなすのが難しいことはタイムを見れば明らかだ。馬力不足を指摘され続けたRCV1000Rでヘイデンが出したタイムはトップから2.0秒遅れだったのに、パワフルなRC213Vでは2.6秒遅れになってしまっているのだ。マシンはパワフルになってファクトリークラスにも負けないくらいになっているのに、タイムは出せないのである。

スコット・レディングは他の問題にも悩まされていた。これはプラマック・ドゥカティに乗るダニオ・ペトルッチをも悩ませていることだが、これまでパワーのないマシンに慣れていたので、ライディングスタイルを変える必要に迫られているのだ。RCV1000Rは乗りやすかったとレディングは言っている。スロットルを開けるとリアから曲がるスタイルだったのだ。同じことをRC213Vでやるとホイールスピンが起こりタイヤが摩耗してしまうだけでちっとも曲がらないのだそうだ。

ペトルッチも同じ問題を抱えていると言う。パワーのないCRTマシンに乗っていたころにはブレーキを早めにかけてコーナリングスピードを稼ごうとしていた。これは脱出加速を稼ぐためである。しかしドゥカティではブレーキングを遅らせてマシンを曲げたら、すぐにマシンを起こして、それからでないとスロットルが開けられないのだそうだ。これまでとは全く違うやり方を求められており、今まで通りではスロットルの開け始めが早すぎてホイールスピンを起こしてしまうとのことである。スロットルを開けるのを我慢しなければならないということだ。マシンを起こしてタイヤの太い部分が接地するまではスロットルを開けられないのである。

ホンダやドゥカティやヤマハや、それにオープンクラスのライダーも昔から言っていることだが、一生懸命やればやるほど遅くなるのは皮肉なことだ。リラックスして冷静になればマシンは上手く反応して早く走れるのである。MotoGPライダーに求められるのは全身全霊をかけて走る野性味ではなく、仏教の僧侶のように冷静に観察し、じっくり考えて動くことなのだ。ことによったらマルケスやペドロサは、つなぎの下にレプソルオレンジの袈裟を着ているのかもしれない。
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たぶん現地に行かないでここまでの分析をして記事にできるってのがプロのわざです。
<訂正!>本人、現地入りしていました。 @hige_penguin さん、御指摘ありがとうございます!!

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ニュータイヤでタイムが出せないのを嘆くクラッチロー

なんか不安が増していくなあ・・・。MCNより。
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2013年のモンスター・テック3・ヤマハ時代のカル・クラッチローはニュータイヤを履いたときにはめっぽう速いことで有名だった。

しかし去年ドゥカティに移籍してからは乗りにくいデスモセディチGP14のおかげですっかりその強みは失われてしまった。

そして今週行われた3日間のセパンテストで乗ったCWM LCRホンダのRC213Vでもニュータイヤでの速さは取り戻せないままである。

彼のベストタイムは2分00秒536。順位は11番手に終わっている。タイヤがたれてきてからのタイムは安定しているのだが、ニュータイヤのグリップの良さを活かすことができないのだとクラッチローは言っている。

今日の午後、MCNの独占インタビューに答えて、彼はこう言った。「まあ今日の結果には満足してますよ。ラップタイムは全然だし、ポジションも良くないけど、だからってもし今日レースが行われてたらその順位だったってわけじゃないってことはわかってますからね。まだマシンについて学んでいる最中で、ニュータイヤを全く活かせてないんですよ。ユーズドタイヤなら他のホンダから0.2〜0.3秒遅れで済んでるのに、ニュータイヤ同士で比べると全然追いつけない。一発出しもできないんです」

突然ニュータイヤが苦手となったことについて、彼はブリヂストンが2014年に導入した熱対策済みタイヤのせいではないかと考えている。

「去年は熱対策済みタイヤが自分に合ってなかったんですけど、今年もだめですね。ロレンソみたいに乗ろうとずっとやってきて、で、彼も去年は苦労したでしょ。彼はコーナリングスピードを稼いで、リーンアングルも大きくして、それで速く走るタイプなんだけど、それができてなかった。僕にはそれが二重に効いちゃってるんですよ。今年は今までよりさらにマシンを早く起こして走らなきゃならないってことなんです。ホンダだとコーナリングスピードも稼げないし、スロットルの開け始めも遅れてしまう。だから昔みたいに速く走れないんですよ。僕が速かったのはサイドグリップを活かしてコーナリングスピードを稼いでたからなんです。でもホンダだとサイドグリップが活かせないし、タイヤもそういう風にできてない。でもまああんまりこだわらないようにしたいですね。ここがカタールだったらもっと上にいけたでしょうから。まあ楽しむためにここに来たわけじゃないですからね。なんか調子が取り戻せてないし、やっと今日になって乗るのが楽しくなり始めたところなんですよ」
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うーん、うーん。苦しそうだなあ・・・。

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2016年もメーカーによっては優遇措置を与えることに

ええ〜(−”−)。CRASH.netより。
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2016年の統一電子制御義務化に伴いオープンクラスはなくなることになっているが、いくつかのメーカーは技術面で優遇されることになりそうだ。

現行のオープンクラスは統一電子制御ユニットを使用しなければならないかわりに、タイヤ、エンジン開発、テスト回数等の優遇措置を受けている。

これはファクトリーオプションのマシンでも2013年に優勝したことがないか新規参戦するメーカー(今シーズンはドゥカティ・スズキ・アプリリア)にも適用されているが、2016年以降もこうした規定は残るようである。

MotoGPの技術ディレクターであるコラード・チェッキネリはセパンのMotoGPテストでCRASH.netに対してこう語っている。「今決めなければいけないのは、いい成績を残していないメーカーに対する優遇措置の内容ですね。
 2016年には技術規定は一本になりますけど、ちょっと誤解されているようなんです。規定は一本化しますが、戦闘力のないメーカーへの優遇措置がなくなるということではないんですよ。規定が一本化されてもそれは残ると思います。
 現行ではオープンオプションとファクトリーオプションという2つの規定があって、それを選ぶことができるようになっています。2016年にはそうした呼称はなくなります。規則が2種類あるみたいに見えますからね。
 ルールは一本化されますが、戦闘力のないマシンには下駄を履かせることになります。でもこれはリザルトで決まる優遇措置で、今みたいにどちらかを選べるというものにはなりません。あと同じメーカーのマシンだったら同じように扱われることになります。例えば同じホンダでファクトリークラスとオープンクラスが存在するという今みたいなものとは違うということですね。

どのメーカーに対して優遇措置を与えるかについては、現在ドゥカティ、スズキ、アプリリアに適応されているのと同じ考え方になるようだ。

「どんなリザルトを出したら適応されなくなるかについてはまだ議論している最中です。まあドライコンディションで2014年からの間に一勝するか、2位一回、3位一回の組み合わせか、3位3回ってところかと思いますよ」とチェッキネリは言う。

「ここまでの成績を挙げられなければ、燃料使用量(2016年は22Lが上限)を緩くするのとシーズン中のエンジン開発凍結免除を与えることになるでしょうね。
 ホンダとヤマハが2016年もエンジン開発を凍結されることになるでしょうけど、ドゥカティも凍結されるといいですね。それくらいの成績は挙げてほしいですから。スズキとアプリリア、それから2017年に新規参戦するKTMはエンジン開発ができるようになるでしょう。
 個人的には、よりソフトなリアタイヤはなくなると思ってます。タイヤサプライヤがミシュランに替わるわけですけど、新規参入するわけですからそこまでは求められないでしょう。まあそこも議論しているところですけど」

2016年のエンジン使用台数についてチェッキネリは9基を標準としたい考えだがメーカー側はもっと少なくしたいと考えているようだ。

「私としてはエンジン台数はコストを抑えつつ、実現可能なところというあたりに収めたいですね。現状では5基ですけどレース開催回数が増えることを考えると6基でもいいでしょう。今のところ6基から9基の間になりそうです。
 個人的には総コストを抑えるには9基が適切だと思っています。同スペックなら6基より9基の方が耐久性を落とせる分だけトータルでもコストが抑えられるということです。1シーズンを1基のエンジンでやろうとしたら、スペックがちょっと落ちる9基より高くなるのは間違いないですからね。
 だから私としてはリザルトに応じて、9基+エンジン開発凍結または12基+エンジン開発凍結免除とするのが良いと考えています。
 とは言えMSMA(モータースポーツ製造者協会:メーカーの集まり)でこういう議論になっているとは思ってません。私の理解では、彼らは6基を9基にするかという議論はしていて、リザルトみあいの優遇措置は開発凍結免除だけにしようとしているようです。リザルトにかかわらずエンジン台数は同じということですね」

セパンテストでのMSMA会合では2016年のエンジン台数について全会一致とはならなかった。つまり決定はFIM・ドルナ・IRTA(チームの集まり)・MSMAで構成されるグランプリコミッションにゆだねられることになるのである。
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うーん、道具を使うスポーツで、しかも興業としてのおもしろさを確保しなければならないので、そうしたい気持ちもわかりますけど、なんとなくもやもやはするなあ。

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セパンテスト3日目コメント

めんどくさいのでまとめてセパンテストのコメント抜粋を。マルケス、ペドロサ、ロッシ、レディングです。
BSNとCRASH.netより。あ、サーキットレコードは2分01秒150なので、いくら涼しいとは言えみんな凄いタイムを出してるってことですね。
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マルケス(1位 1分58秒867)BSNより:「午前中はみんなすごいラップタイムを出してましたけど、1分58秒台がインパネに表示されたときには興奮しましたね。1周だけならすごいタイムを出せるし、しかもレースシミュレーションでは気温が上がってもいい感じで、良かったです。
 雲が出ていていい感じの気温だったんでいつもより良いタイムが出せたんですね。雨も降らなかったですし。本当にいい気分ですよ。でも頭を冷やすためにピットに入らなきゃならなかったんです。
 その間に、電子制御をあれこれやって、いろんな大事なデータを手に入れることができました。もちろん問題もありましたけど、問題を出すためにテストをしてるわけですしね。戦いの始まりに向けていい感触がつかめたと思います。
 新型マシンでレースシミュレーションをやったのは初めてですけど、フロント周りにはまだ改善の余地がありますね。でもきっと直せると思ってます。リアにも問題はあるしエンジン特性にも手を入れなきゃなりません。そんな状態ですけど、それでも2014年と同じくらいの状態にはあるわけですから満足ですね」

ペドロサ(2位 1分59秒006)CRASH.netより:「今日やった仕事には満足しています。リア周りがかなり良くなったんですよ。まだ改善の余地はありますけど、テスト全体としてはかなりの進展が見られましたし、それは良かったですね。
 チームもうまく回っているし、いろんなことがスムーズにすすんでいます。だからそれについても満足しています。レースシミュレーションもやりましたけど、新型でやるのはこれが初めてでした。
 もちろん改善しなきゃならない点もいくつかありますけど、これが初のシミュレーションだということを考えれば、かなりの良い結果ですね」

ロッシ(4位 1分59秒401)CRASH.netより:「今日はみんなにとって良いコンディションでしたね。でも1分58秒8ってのはねえ。まあ彼(マルケス)が最初に58秒台に入れるとは思ってたし、みんなもそうだと思うけど、驚きではないですね。
 あのラップは素晴らしいものだったし、すごく印象的だった。あとペドロサの1分59秒0も凄いですよね。だから今年のペドロサは去年より強いと思いますよ。
 実際最高のレースシミュレーションをやったのもペドロサですしね。マルケスのシミュレーション結果は見てないですけど、みんなが言うにはちょっとタイムは落ちるけど、気温が上がってからだったらしいから、マルケスのタイムはコンディションの悪さを差し引かないといけないですね。
 僕とホルヘ(ロレンソ)とダニは同じタイミングでレースシミュレーションをやってましたけど、そこではダニが最速だった。1周だけなら相当良いタイムが出せるんですよ。それにレース序盤も速いですね。だから今日レースをやったらホンダが勝ったでしょう。でもうちもそれほど離れてはいませんよ。
 自分としてはロングランでの状況を把握したかったんでレースシミュレーションをやったんですけど、全然いい感じじゃなかったんです。だから本当ならもっと良いタイムが出せたと思いますよ。
 そういう意味ではホンダにそれほど差をつけられたとは思ってないしです。でもワークスホンダと比べたらちょっとだけ遅いのは事実ですね。だから全体としては悪くはなかったですけど、優勝争いをするにはまだまだマシンに手を加えなきゃならないですね。
(レースシミュレーションのために変えたのは)スイングアームと加速時とエンブレ時の電子制御マッピングですね。いろいろ確認できたのは良かったですよ、最速ラップを狙うという手もあったんですけど、ロングランで新パーツがどういう影響を与えるかを理解することの方が重要だったんです。
 いまくいったところもあれば、そうでもなかったところもあります。2〜3周してすぐにマッピングを変えるためにピットインしたりもしました。
 それにすごく疲れましたね。レースシミュレーション前に30周も走ってたんですよ。でも感触は悪くなかったです。
 ホルヘもシミュレーション序盤はいい感じでしたね。ペドロサは僕らよりちょっと速かったんで、うちもがんばらないといけません。それほど離されてはいないですけど。
 今日はいい一日でしたよ。満足しています。昨日は苦労しましたから。今日は少しは楽しめましたよ。マシンのセッティングが変わってうまく曲がれるようになったんです。チャタリングがなくなったのもすごくよかったですよ。昨日より今日の午前中の方が良いタイムをだせました。
 ラップタイムは悪くないですよ。1分59秒4ってのは自分のベストタイムですし、そこは良かった。マシンも乗りやすいし、初回テストとしては良かったです。最大の問題はホンダですね(笑)。ニュータイヤだとうちよりちょっと速いし、トータルでも速いですからね。
 ホンダはブレーキングもいいしコーナー進入もいい。あんまりリアタイヤに依存してない感じですね。うちも良くはなってますよ。特にブレーキングは良くなっている。データを見るとブレーキでより突っ込めるようになってるんです。でもまだ十分じゃないんですよ。だからもっといろいろやらないとね。次のテストでは新パーツが来るはずなので楽しみですね。
 あとブラドルはオープンヤマハでよく頑張ってますよね。2分00秒2ですから。スーパーソフトがドゥカティやブラドルやスズキには助けになってるんでしょう。でもいずれにせよいいタイムですよ。彼はヤマハ向きなんじゃないですかね」

レディング(17位 1分1秒263)BSNより:「ライディングスタイルを変えたんです。乗る場所も変えたし、ブレーキングもアクセルの開け方も、とにかく何もかも去年とは違いますね。マシンを作り上げるところから始めたいんで、まずは電子制御無しで走ってるんです。だから理解は進みましたよ。
 去年のマシンはパワーも少なくって、ソフトタイヤが使えましたよね。今年のマシンはパワーもあって、だからこれまでみたいにどこでもスピードをのせてって走りができなくなってるんです。速く走るためにはスピードを抑えなきゃならないところがあるんですよ。でも走れば走るほどタイムは上がるし、自信もついてきました。
 ブレーキングをどうやるかってところがポイントですね。マルク(マルケス)を見るとすごくリアを滑られながら深く突っ込んでいくでよ。あんな風にやるのは難しいですね。あんなラインで走ったことは無かったし、だからあんなところにマシンをもっていけるかどうかが鍵なんです。
 ラップタイムも一段上がったし、いろいろ学ぶこともできましたね。アクセルの開け方とブレーキングが相当上手くなったんです。マシンには手を着け始めたばかりだし、またいろいろ学ばなきゃなりませんね。マシンのことを良くわかるようにならなければ。
 トップのタイムからは大きく離されちゃってるんでレーしシミュレーションどころではなかったですね。それに冬の怪我もありましたし。トップから2秒も離れてるんで、とにかく少しでもそのタイムに近づけるようにするのが先決なんです。
 マルケスと戦おうとは思ってませんよ。まずはトップ6が狙いです。そこは手が届くと思いますよ。セパンみたいなコースだとちょっとウィリーしただけで10分の1秒とか遅くなっちゃうんです。今のところはラップタイムを出すことじゃなくて、まずは一歩一歩理解を進めていくことが重要なんです」
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タイムシートはこちら(MotoGP公式)。

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マルケスは良いバランスを求めて3種類のフレームをテスト

もう一本セパンテストネタいきますね。MCNより。
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マルク・マルケスはセパンテストの初日、終盤にニュータイヤで走り、結果、ヴァレンティーノ・ロッシを10分の1秒差で上回るトップタイムを叩き出した。2013年のMotoGP以来トップに君臨するマルケスではあるが、ホンダの得意とするブレーキングでの安定性をさらに追求して、今年もチャンピオンを獲得しようと虎視眈々である。

マルケスのアグレッシブなライディングスタイルは、ブレーキングでフロントタイヤにものすごい荷重を掛けることによって実現されている。その直後にブレーキレバーをリリースしコーナーに向けてアグレッシブに身体を落とすのだ。今週始まったセパンテストでHRCがブレーキングの安定性を追求していたのは、マルケスに4台のRCV213Vを預けていたことからも明らかだ。

今日彼が試したのは2014年型、ヴァレンシアテストで使われたもの、そして新しい中間型だが、マルケスはその新型マシンが気に入ったようだ。

「今日は3種類のマシンを試しました。1台は去年型で、もう一台は2015年型ですがヴァレンシアで試したバージョン、そしてもう一台がヴァレンシア版と去年型の中間版です。種類も試すのは休み明けには辛かったですね。でも最終的には最新型が気に入りました。去年型とヴァレンシアテストで使ったものとの中間型ですね」

マルケスはさらに続けて、今日の一番の目標は、明日以降に使うマシンを選ぶことだったと言っている。ヴァレンシアテストのマシンはフロントエンドがよくできていてコーナリングもいいのだが、ブレーキングでの安定性に欠けるために過去2年間のホンダの強みがやや失われていたからだそうだ。

「ヴァレンシアで乗ったマシンはフロントに信頼感があってよかったんですがブレーキングが良くなかったんです。だからホンダに、去年型のブレーキングの良さは保ってほしいって言ってたんですよ。すごく良い仕事をしてくれましたね。ブレーキングの良さは去年型と同じ感じで、もちろんフロントの安心感はちょっとだけ減ったんですけど、でも去年よりは良くなっていますからね。すごくいい感じです。いい妥協点がみつけられたと思いますよ」
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むう、マルケス無双になるのか・・・。

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2008年以来、最高のいい感じ、とロレンソ

もう一本セパンテストネタいきます。BSNより。
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モヴィスター・ヤマハのホルヘ・ロレンソによれば、彼のコンディションは2008年にMotoGPに昇格したとき以来の良さだという。冬の間に相当身体作りをやったようだ。

去年のセパンテストでは、古傷の手術のせいで満足できるトレーニングができなかったと言っていたロレンソだが、今年はそれを繰り返すことはなく、体重も7年前に戻っている。

ロレンソはセパンでこう語っている。「2011年と2012年はかなりトレーニングを積んで、たぶんその頃は今より1kgほど重かったんですよ。今は2008年に250からMotoGPに上がったときと同じくらいで、あの頃はかなり軽かったんですけど、今はそれくらいにまで絞っているんです。トレーナーを変えて、トレーニング方法も変えて、そのおかげで、すくなくとも当時くらいには身体ができてますね。当時よりいいかどうかはわからないですけど。
 戦闘力のある状態で1年を始めらるのは素晴らしいですよ。去年と違って身体的には全然問題はないですしね。だからすごく嬉しいですよ。ヤマハもいろいろがんばってくれて、ヤマハ向きではないこのコースでも良いペースで走れましたしね。3番手タイムはすごく良い結果だと思います。
 明日は別のマシンを試しますけど、細々したテストばかりですね。大きなネタは次のテストになるでしょう。タイヤにも真属してますよ。去年と変わってない感じですね。いい感じで、コーナー中盤ですごくいい。不安はないし安定していると思います。
 マシンはスロットルを開けたときにいい感じで走れるようになってます。去年との一番の違いですね。コーナリングスピードを維持しながらブレーキングもよくなるといいと思ってます。ブレーキングもコーナリングスピードも加速も一番ってわけにはいかないでしょうけどね。そんなことができたら1分56秒とかで走れちゃうでしょ?」
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ちなみに今日のロレンソのタイムは2分00秒.262を出したマルケスから0.259秒遅れの2分00秒521でした。

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暴れるホンダを喜ぶクラッチロー

セパンテストネタ、続きます。MCNより。
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カル・クラッチローは2015年に乗ることになっているワークスホンダRC213Vはこれまで彼が乗ったマシンの中で最も体力的に厳しいマシンだと考えている。

長い冬休みを終えてマレーシアのセパンに帰ってきた彼は10番手という結果に満足している。

ワールドスーパースポーツでチャンピオンを獲得したこともある彼が61ラップして記録した最速タイムはレプソル・ホンダのマルク・マルケスから1.451秒遅れの2分01秒713だ。

マルケスは最後の5分間に爆発的タイムを記録したが、2015年のウィンターテスト初日をそれまでリードしていたのはヴァレンティーノ・ロッシだった。

マルケスは2013年、2014年にタイトルを獲得。しかも2014年は13勝を挙げている。

しかしクラッチローによればRC213Vはマルケスが易々と乗っているのとは裏腹に、決して乗りやすいマシンではないようだ。彼はセパンのパドックに設けられたCWM・LCRホンダのオフィスでMCNにこう語っている。「僕に言えるのはマルケスがとんでもないやつだってことですね。正直行ってヤマハに比べると手に余る感じなんですよ。乗りにくいし、これまで乗ったマシンのどれより体力的に厳しいんです。めちゃくちゃ暴れるし、他のマシンよりかなり制御に苦労するんです。ダニ(ペドロサ)が優勝したりトップ争いもしてる時ってのは上手く乗れてるときなんですよ。でもマルケスが勝てるのは奴に才能があって、このマシンでの勝ち方をわかってるからなんだと思いますよ。テレビで見るより相当乗りこなすのが難しいですね」

とは言えクラッチローはこの極東の地での結果に満足しているようだ。エンジンブレーキが一定しないために今日はそれほどタイムを上げられなかったとも言ってはいるが。

「今日の結果にはすごく満足していますよ。ポジションはそれほどでもないですけど、いい感じなんです。マシンのフィーリングもいいし、このコースで走るのにはかなり慣れてきましたよ。グリップをもっと良くしたいとは思ってますけど、いい感じで乗れたし自信も持てましたし、まあしばらく乗ってなかったんでリスクも冒さなかったんですけどね。エンジンブレーキの調整にかなり時間をかけました。なんかいいフィーリングがつかめなかったんですよ。今晩はそこについて検証を重ねないといけないですね。一番の問題だし、セパンはハードブレーキングが必要なコーナーがたくさんあって、しかもマシンがうまく減速できないんです。ブレーキングがうまくいけば1秒くらい簡単に縮められるんですよ。セパンはハードブレーキングするポイントが多いですから。でも今はあるコーナーではエンブレが効きすぎて、別の場所ではエンブレが足りなかったりするんです。一定していないんですよ。しかもラップごとに違ってたりもするんです」

もうひとつの問題はニュータイヤのグリップを引き出しきれないことだそうだ。

これは2014年のドゥカティ暗黒時代にも抱えていた問題だ。

モンスター・ヤマハ・テック3時代にはニュータイヤで良いタイムを出せるのが強みだったクラッチローはこうも言っている。「ニュータイヤでも27周した後でもタイムが変わらないんですよね。去年と同じような感じで、僕の強みはニュータイヤだと1秒くらい速いってことなんですけどね。でも今日もそこはうまくいかなかった。27周走った後でも2分01秒7ってのはいいことですけど、ニュータイヤでは2分01秒9しか出せなかったんです」
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うーむ、ちょっと先行きが不安・・・。

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シームレスギアボックスはおとなしく待つよ、とロッシ

セパンテストが始まりましたね。なんとなくシーズン開幕が近づいてきた感じでワクワクします。

というわけで、とりあえずBike Sport Newsより、ロッシのコメントを。
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モヴィスター・ヤマハのヴァレンティーノ・ロッシは完全版のシームレスギアボックスについては2回目のセパンテストまで喜んで待つつもりだと言っている。ばたばたするのがいやだということらしい。

ロッシもチームメイトのホルヘ・ロレンソもシフトダウンにまで対応した完全版のシームレスギアボックスが今回のセパンテストで使えるものと期待していたが、完璧なものをヤマハが供給するまでにはもう2週間待たなければならないようだ。

ロッシはセパンでこう言っている。「僕らも知らないんですよ。そりゃできるだけ早く試したいですよ。でも彼らには黙々と仕事をしてほしいですからね。ギアボックスについてジョークを言ってるなんて勘弁ですよ。危ないですからね」

とは言え完全版のシームレスギアボックスなしでもロッシは2番手タイムを叩き出している。その上を行ったマルク・マルケスは最後の最後にタイムを出したのだが、それも一発出しであり、一方のロッシは継続して良いペースを刻んでいるのだ。

「最初から最後まで速かったのは良かったですね。ニュータイヤでも良いタイムを出してますけど、古いタイヤでもマルケスや、ロレンソ、ペドロサと同じようなタイムが出せましたし。これは大事なことですね。
 マシンもよく走ってくれたんで満足です。攻めた走りができますし、マシンが良くなった感じがするんです。まだいろいろやらなきゃならない細々したことはありますし、明日も明後日も仕事が詰まっていますけどね。最終的にマルケスにはやられちゃいましたけど10分の1秒差ですし。
 うちとワークスホンダの差は去年と同じくらいですね。去年はタイヤがたれると特にマルケスに差をつけられちゃったんで、そこに力を入れたおかげで近づいてきてます。彼は最後までペースをキープできてましたしね。
 ブレーキングも悪くないですよ。去年のレースの時よりいい感じです。コーナー進入がうまくいくようになったんですよ。まあそれで十分かどうかはわかりませんけどね」
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ちなみにタイムシートはこちら(MotoGP公式)。

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