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ホンダとヤマハがドゥカティへのハンディについて語る

ハンディをもらったおかげでそこそこの成績を収められた今年のドゥカティですが、これについてホンダ、ヤマハ、ドゥカティの3人のチームマネジャーが語っています。CRASH.netより。
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ホンダもヤマハも、今シーズンドゥカティに与えられたハンディは適切なものだったし、おかげでドゥカティがMotoGPから離脱しなかったのだと考えている。

エンジン開発凍結ルールは未勝利チームに対しては極端に不利に働くことから(シャーシ開発も制限されればなおさらである)、ドゥカティ・コルセの新マネジャーであるジジ・ダリーニャはシーズン前にワークスクラスからオープンクラスに移行することを決定してホンダとヤマハを驚かせた。

オープンクラスはそもそもプライベーター用のCRTカテゴリーの代替ではあるが、「クレイミングルール(買い取りルール)」がないことが決定的に違う。そのとき意図されていたかどうかはともかく、これによって最新のワークスプロトタイプをオープンクラス向けにすることができるようになって性能が著しく向上した。単に統一電子制御ソフトを使うだけでよかったのである。

この電子制御ソフトはオープンクラスの唯一不利な点だったが、ドゥカティ主導によるアップデートがドゥカティがオープンクラスに移行することを発表する数日前に行われている。

既にヤマハが2013年型YZR-M1をオープンクラス用にリースするということで(しかもパワーはホンダの新型販売用オープンマシンを大幅に上回っている)一発喰らわされていたホンダは、明らかな不満の意を表することになった。

「もしオープンクラスに洗練されたソフトウェアに多くのガソリンと、多くのテストと、多くのエンジンを使えるワークスマシンが導入されるなら、もうワークスマシンとコストが変わらなくなりますよ。このルールが本来目指していたのはコストが安いクラスを作ることじゃなかったんでしょうか?今じゃあドゥカティの解釈によってそうじゃなくなってしまった」とレプソル・ホンダのチームマネジャーであるリヴィオ・スッポは当時語っている。

最終的にドゥカティはワークスクラスに残るという妥協案が出されたが、それでもオープンクラスト同等のハンディをつけた上に独自電子制御ソフトを使うことができた。ただし性能の低さと引き替えということで次のような条件もつけられていた。

ドライコンディションでドゥカティのライダーが優勝、または2回の2位、または3回の表彰台を記録したら、オープンクラスに許された4リットルの燃料の余裕は2リットルまで半減される。またドゥカティが3勝したら、オープンクラス用ソフトタイヤは使えなくなるという条件だ。

こうした条件はドゥカティがオープンルールの下で強くなりすぎるのを避けるためである。

しかしながら他の技術的譲歩(5基ではなく12基のエンジン、エンジン開発凍結やテスト回数制限からの解放)は2016年の統一ECUソフトの導入まで許されている。

そうしたファクトリー/オープンの中間ルールは今シーズンhあドゥカティのみに適用された(2013年に勝利していないメーカーが対象だからだ)が、来シーズンはスズキとアプリリアが同じルールで参戦することになる。

2013年は表彰台い上がれなかったが、今年は3回の表彰台を記録している。しかしアンドレア・ドヴィツィオーゾがドライで表彰台に昇れたのはオースチンだけである。そしてオープン用ソフトタイヤが予選では効果的だったものの、レースではむしろ不利に働いた。ワークス用ハードコンパウンドはホンダと山羽しか使えなかったのだ。


ホンダはドゥカティをMotoGPに引き留めておきたかった

シーズン最終戦ヴァレンシアGPの咳で、ドゥカティ専用のルールの影響についてスッポは、ホンダとしては他のメーカーがMotoGPに残るための手助けはしたいと考えているし、ドゥカティの優位性は適切なものだったと言っている。

「正直に言うと、ホンダとしてはいつでも歓迎ですよ。例えばスズキにも同じことをしたわけですし」とスッポはスズキが過去にもエンジン使用台数についてハンデを与えられていたことを引き合いに出してこう言った。「これは競争で、だからいいことですよ。来シーズンは参戦メーカーも増えますしね。いろんあメーカーがどんどん参戦してくれば、それだけホンダとしても喜ばしい状況になると考えています。
 去年のドゥカティのリザルトはみんなをハッピーにするようなものではなかったし、つまりドゥカティがこれからも長年にわたって参戦し続けていくためには何かしなきゃならなかったということです。これはホンダにとってもいいことなんです。ドゥカティはいいブランドだし、おかげでMotoGPの価値も上がりますしね。
 ですからいくらかのハンディを与えることは正しいことだと思いますし、現時点では合理的な判断ですよ。パフォーマンスのレベルも近づいてきましたしね。10連勝とかするようになったらまた何か考えなきゃならないですけど!現時点では問題ないですよ。いずれにしても2016年はまた同じスタートラインに立って全メーカーが同じレベルになるということですし」


ヤマハ:ドゥカティへのハンディはサテライトチームには厳しいものとなった

レースの勝利もタイトルもドゥカティへのハンディに影響h亜受けなかったが(ドゥカティのトップのドヴィツィオーゾはランキング5位だ)、ヤマハのレーシング・マネジメント・ディレクターであるリン・ジャーヴィスによればサテライトのヤマハとホンダは大きな影響を受けたという。

「私の意見もリヴィオと同じですね。ワークスチームにとっては大した問題ではなかったですよ。トップ4がドゥカティの前にいるわけですから。ドゥカティへのハンディはタイトル争いにはほとんど影響なかったですね。でもサテライトチームはモチベーション維持の点でたいへんだったでしょう。すごくいいパフォーマンスを見せるライダーがいてもドゥカティに負けてしまうことがあるんですから。予選でもレースでもね。
 だからサテライトチームがファクトリールールに縛られていることを考えると、相当きつかったでしょうね。大事なのはできるだけ早くルールを統一してこの状況をなんとかすることでしょう。同じレースを3クラス(ファクトリークラス・ハンディ付きファクトリークラス・オープンクラス)が走っているというのはね。これは参戦チームにとっても観客にとっても良いことだとは思えません」


ドゥカティ:2013年は「恥ずかしい」年だった

ドゥカティ・コルセのスポーティングディレクターであるパオロ・チアバッティは今シーズンの進化に満足している。2013年という「とても恥ずかしい」一年を過ごした後だけにだ。

「シーズンを通じて良い進歩が見られました。まあ今シーズンうちだけがマシン開発を許してもらっていましたし、でも2013年のトップとの恥ずかしい差を埋めるにはそれが必要だったんです。
 今年のうちのメインの目標は勝者から10秒以内のゴールでしたけど、それは達成できました。予選では速さを見せられたし、表彰台も3回獲得できました。フィリップアイランドではカルがもう少しで2位ということろまでいきましたしね」

ドゥカティは確かに改善されたものの、どの程度がオープンクラスルールによるもので、どの程度がマシン開発によるものなのかは難しい問題だ。

これは2016年にすべてのメーカーが同じ技術ルールで走るまではわからないだろう。しかしブリヂストンからミシュランへの変更で、前年との比較が難しくなるだろうことも予想される。

「うちは24リットルの燃料を使えてはいますけど、いちばん効果的だったのはエンジン開発を凍結されなかったことですね。エンジンパフォーマンスそのものも上がりましたけど、エンジンがシャーシに及ぼす影響を良い方向にもっていけたんです」とオープンルールがドゥカティの進化に与えた影響について聞かれたチアバッティは答えている。

「もしエンジン側のマウントボルトの位置を変えようと思っても、開発が凍結されてたらそれもできないわけです。でも今シーズンはいろいろ変えられて、それでGP14.2を導入できたんです。GP14の改良版ですね。エンジンをいじれたからできたことです。これがいちばん大事なポイントだと思いますね。
 タイヤも予選では優位性につながりました。でもレースでhあソフトオプションは2回しか使わなかった。だからレースではあまり優位には働いていないです。予選でも0.2秒くらいしか違わないですけどね。ワークスライダーでテストできるというのも開発スピードを上げるのには助かっていますし、それでパフォーマンスが上がりましたね」

ホンダとヤマハがワークスライダーで2015年型マシンのテストを始めている一方で、新型ドゥカティは来年2月のセパンテストまでデビューしない。

「新型マシンはちょっと遅れていて、セパンまではデビューしません。でもジジ(ダリーニャ)が言うには遅れたとしてもちゃんとすべてを整えてからの方が、無理してデビューしていろいろ直すよりいいんです。いろいろ良い方向に向かっているし、来年は優勝を目指せると自信を持っています」

ドゥカティは2003年にMotoGPに参戦を開始し、初年度で優勝を飾った。そして2007年にはケイシー・ストーナーがチャンピオンを獲得している。しかしストーナーが2010年限りでチームを離れてからは、ヴァレンティーノ・ロッシをもってしても2シーズンで3回の表彰台を獲得したのみだった。

アンドレア・イアンノーネがドヴィツィオーゾのチームメイトとして2015年はワークスマシンを走らせることになっている。

ホンダはたった1シーズンでRCV1000Rをひっこめることにし、ワークスパワーを得たRC213V-RSを2015年に導入する。このマシンhあヤマハやドゥカティのオープンマシンと同様、販売ではなくリースで供給される。
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「恥ずかしい年」・・・。

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コメント

お疲れ様です。
またまた興味深い記事ですね。 

二輪界の最高峰であるMOTOGPをハード面で日本メーカーが支配していることは日本人として嬉しいんですが、何か、日本車が強ければ強いほど、MOTOGP全体が窮屈になってしまっているように感じます。日本人がその勤勉さ、緻密さをフルに発揮した場合、欧州人は、合理的に手を引くのでは? うまい日本語が浮かびませんが、何故なら楽しくないからかと思います。ドゥカティは今年の状況に対し、決して、「恥ずかしい」とは思っていないでしょうね。 本文の様に「恥ずかしい」から合理的にレギュレーションを利用して有利なアレンジを可能にすることを選んだと思っています。 賛否両論はあるとは思いますが、これはあり!と自分は強く感じます。 ドゥカティが本当に強くなればホンダヤマハと同じ条件でやらなくてはならないわけなので。以前のSBKのドゥカティ偏重に比べれば遥かにOKでしょう。

景気の回復が主要因とは思いますが、来年はアプリリア、スズキが参加、来年は、ワークスだけで5チーム、素晴らしい! CRTに始まったドルナのチャレンジは、ここに来て、当初の期待を超えていい方向に向かっているように感じます。ジャックミラーが、KAWASAKI FTR(ファンの方すいません) とかで10位争いをするより、RCV213V-RSで6~7位争いをするのを見ている方がはるかに楽しいですよね。 20台弱の台数を確保し、尚且つそれぞれのクォリティーを上げていければ、そして何よりも、才能のあるライダーが、そのポテンシャルを示すための最低限のマシーンを供給してあげたいですよね。 なんといってもプレミアクラスですから!

脱線しましたが、面白い記事、いつもありがとうございます!

投稿: ken | 2014/11/26 20:52

>kenさん
 Moto3みたいに序盤15台とかでトップ争いとか胸熱です!見たい!

投稿: とみなが | 2014/11/26 23:31

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