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直言御免。クラッチロー語る パート3:ジャック・ミラーがチームメイトになること、そして精神力について

MotoMatters.comによるカル・クラッチローへのインタビューのパート3です。
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今年はカル・クラッチローにとって厳しい年となった。4回の表彰台でランキング5位に入った絶好調だった2013年終了時点では彼は翌シーズン優勝 するだろうとまで思われていたにもかかわらず、ドゥカティでの初年度は散々な結果となっている。技術的なトラブル、クラッシュ、デスモセディチに取り憑いたアンダーステアとの果てしない戦い。今年のクラッチローは集団に飲み込まれゴールまでまともな争いができないままだ。これは彼がドゥカティとの契約書に サインした時点では思いもしなかった状況である。
今シーズン14戦目となるアラゴンのレースに先だって、我々はクラッチローに今年のこれまでの状況、そして来年の展望、この状況下でどうやってやる 気を失わないでいられるのか、等々について尋ねてみた。カル・クラッチローは例によって包み隠さず真っ正直に今シーズンを語ってくれた。責めるべき相手は責め、不遇なシーズンを送ったライダーが感じる恐れと自分に対する疑いについて話してくれたのだ。このインタビューで彼は他のライダーが話すことがないレースの一面について語り、ライダーとして、そして人としての勇気について教えてくれた。
月曜に掲載した第1回はドゥカティに適応するための苦闘、そして2014年がMotoGPキャリアで最 も厳しい年になったことについてだった。第2回では引き続き暗黒に覆われた今シーズン、結果が出せない中、どのようにしてやる気を維持しているのかについて語っている。今日掲載するの第3回では精神力がいかに重要かということ、ジャック・ミラーのMotoGP昇格について語る。

MotoMatters:ジャック・ミラーがチームメイトになることについてはいかがですか?Moto3からMotoGPに上がるというのはすごいことですし、まあオーストラリア風に言うと、かなりの暴れん坊ですけど。

クラッチロー:よくわかんないですね。2レースばかり前に始めて知ったんですけど、僕は、いいんじゃない、なんで契約しないの?って感じでした。これまでで最高の出来事ですよ。楽しいでしょうね。でも考えれば考えるほど、まあ彼には1年は必要ですね。でも僕が言う話じゃないですよね。全然わかんないですよ!問題ないかもしれないし。Moto2で1年学んだ方がいいんじゃないかとも思いますけど、MotoGPで1年学んでもいいんですよ。違いはないでしょ。よく決断したなとは思いますけど。
 みんなも言ってるとおりパワーの違いについては言っといた方がいいでしょうね。55馬力から250馬力とかそれくらいになるんですから。まあ、それほど大きな違いとも思いませんけどね。右手次第なんです。スロットルを開けたければ開ければいいし、そうしたくなければそうしなきゃいい。パワーがほしくなければスロットルを開けなきゃ良いだけなんです。それくらいはできるでしょ。
 問題があるとしたらMotoGPマシンはMoto3ほど楽しくないってことくらいですね。つまり、MotoGPでは誰かの後ろについて走りながら何か動きがあるのを待つとか、次のラップで抜いてやろうとか、そういうことはないんです。MotoGPはMoto3より5割増しで厳しいでしょうね。それが僕の意見です。
 誤解しないでほしいんですけど、自分がMoto3に行ったら勝てるって言ってるわけじゃないんです。言いたいのは、集団で走って8番手で、よし、ここから抜け出してやろうとか、次のコーナーで3台抜こうとか、そういうことはできないってことなんです。でも1年あれば学べるでしょうね。2年目にはちょっと速くなるでしょうし、3年目はもっと速くなるでしょう。
 だから、そうですね、おもしろいでしょうね。チームのやる気も凄いし、いい感じなんですよ。去年はブラッド(ブラッドリー・スミス)と一緒に素晴らしい1年を過ごしましたけど、ある意味ブラッドはそれをテック3で懐かしんでるかもですね。僕らは良いライバルだったし、アンドレアと僕が今のチームで良いライバルって感じでね。今は全然ライバルではなくって、彼の方が圧倒的に速くて、僕より30秒ばかり前でゴールしてるんですけど。だから良いチームでリラックスできれば、チームの2人とも良い結果を残せるだろうと思いますよ。
 あと、面白いのは、今日ブラッドと話したんですけど、彼はリラックスした方がいいんですよね。で、僕と一緒ならリラックスできたんですよ。今の落ち込んでる僕じゃできないことですけど。でも去年のブラッドは、特にシーズン終盤は速かったし、それは彼がチームのナンバー1じゃなかったからなんです。扱いは同じでしたよ。でも期待されるものが違ったんです。だから彼は気にしないで走ることができた。去年ムジェロで転倒して、2回ばかり怪我をして、それで乗り方を学んだんですね。去年の終盤はレース序盤から僕をつついてくるようになって、それは自信を持ったからなんです。今はポル(エスパルガロ:テック2のチームメイトでMoto2時代のライバル)を負かすことだけに夢中になってる。だから彼に言ったんです。楽しめよって。去年の終わりみたいに走って、そうすればまた速くなるし、トップ争いだってできるだろうってね。


MotoMatters:なるほど、興味深い話ですね。ここまでレースのメンタル面について話していますが、2週間前Moto2とMoto3のライダーについて記事を書いたんです。すごいレベルになっていて、才能の違いは小さいし、みんな素晴らしいライダーで、でも違いはある。それはメンタルだっていう記事なんですが。ここまでレベルが上がるとメンタル面はどれくらい重要になるんですか?

クラッチロー:先週ミサノで勝ったヴァンレティーノが良い例なんですけど、彼はFP3とFP4で誰よりも良い結果を出して、メンタル的に勝てるところまでいけたんだと思ってます。マルクが転倒しようがどうなろうが勝てたでしょうね。それが彼の強さなんです。シルバーストンでは9秒遅れだった。で、9秒ってのは大きな差だとは言えないけど、かなりの差ですよね。でも1週間で勝てるところまできた。それは良いタイムを出せたセッションがあったからなんです。
 メンタル面は重要ですよ。マルク(マルケス)は誰よりもメンタルが強い。だって誰よりも楽しんでるんですから。だから今週どこまでもどしてくるか楽しみですよね。まあ優勝争いできるとこまで来るでしょうね。彼の心を乱すものなんてないんですよ。いつもの通りの週末になるか・・・、でもミサノでは他のライダーほど強くはなかったんで、だからおもしろいだろうと思うんですよ。でも彼のメンタルは本当に強い。楽しんでるからなんでしょうね。


MotoMatters:メンタルの強さってのは学ぶことができるものなんでしょうか?

クラッチロー:わかんないですね。でも学べると信じてますよ。僕も状況によってはすごく弱いことがある。でも誰にも負けないって自信が持てる状況もあるんです。だから学べると思いますよ。でも自分で学ばなきゃならないことで、誰かに教えてもらうわけにはいかないんです。メンタルの強さに、これで充分ってのはないんです。誰もがもっとメンタルを強くしたいと思ってる。みんなそう思ってる。でもみんなメンタルは強いんですよ。でなきゃGPなんて走れません。みんな自分でその強さを身に付けてきたんです。自分でやるしかないんですよ。
 でもおもしろいのは、メンタルの強さを身に付けるのも失うのもあっという間だってことですね。本当にそう思います。うまくいってるときには、それが続くんですよ。波乗りで波の頂点に乗ってるみたいな感じで、どんどん、どんどん行けるんです。でも落ち込み始めると、まじf**kって感じですよ。でもだからこそ良いセッションがあったり、うまく乗れたりすれば強さが戻ってくるんです。そうすればまたひとつ強くなれる。奴みたいに走れる、自分ならできるとか思えるようになるんです。不思議ですよね、ほんとに不思議。
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メンタルかー。メンタルなー。

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