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ジェレミー・マックウィリアムズへのインタビュー

カーボンモノコック+スイングアーム付きサスというMoto2にあらまほしい珍妙マシンでシルバーストンにワイルドカード参戦。土曜の転倒で鼻骨を骨折するも不屈の闘志で決勝出場、ダコタ・マモラを上回る29位でゴールしたジェレミー・マックウィリアムズ(御年50歳)へのインタビューです。CRASH.netより。
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CRASH.netはヘレスのワールドスーパーバイクでジェレミー・マックウィリアムズにインタビューを行った。革新的なブラフ・シューペリアでのシルバーストンMoto2ワイルドカード参戦について語ってもらったのだ。そして若いライダーへの支援についても話してくれた。
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CRASH.net: シルバーストンについてですが、どうしてGPに復帰したんですか?

マックウィリアムズ:よく聞かれるんですが、あれほど革新的なマシンを見たらね。それにMoto2にこうした新アイディア満載のマシンが参戦するのは主催者としてもうれしいでしょ。もちろん新しすぎるとも言えるし、もっと速く走るには時間が必要ですけどね。
 まあブラフ・シューペリアも地元に戻ってフロント周りのテストをもっとしなきゃいけませんけども。一晩でなんとかなるとは思いませんが、半年もあればなんとかできるでしょう。来年はMoto2にフル参戦したいと彼らも考えているし、いろいろ考えなきゃならないことがたくさんありますね。
 根本的に変えなきゃならないこともありますよ。でもうまくといいと思ってますし、テイラーメイド(マシンの製作会社)とブラフ・シューペリアはWILスポーツ(ニュージーランドのスポーツマネジメント/スポンサー集め会社)にコンタクトしてるみたいですしね。
 シルバーストンで良かったのはWILスポーツのフィルとシェリルがプロジェクトの関係者に会ってくれたんで、ブラフ・シューペリアがシルバーストンであのすごいマシンを走らせた次のステップが見えてきたということですね。


CRASH.net:日本のMotoGPのテストライダーが全力でマシンを走らせて、実際のレースでの限界近くの走りからデータを集めるような感じだったんですか?

マックウィリアムズ:そうですね、そんな感じです。彼らがテストしていたのはアメリカで、大したことのない選手権だったんです。そこではかなり良かったんですが、Moto2では厳しかったですね。僕にしてからがこのクラスで走ってみてびっくりしたんですから。本当に厳しいクラスなんですよ。ヨーロッパ・ジュニア選手権のトップ5とか6のレースが全体で行われているようなものなんですからね!
 何かをデータを得ようと思っていたわけじゃないですし、それは参戦前にテストでちゃんとやっておくべきことなんです。でもなかなかうまくはいかなかったですね。僕が戦闘力の劣るMoto2マシンで復帰するというのがみんなに注目されてしまったんのもありますね。
 テストではあんまりいい結果を得られなかったですけど、本気で誰も走ったことがないわけですし、107%(訳注:予選タイムがトップの107%を超えると決勝に出られません)をMoto2でクリアするのは初めてこのクラスを走るライダーには本当にたいへんなんですよ。いいマシンでも107%はたいへんなんです。だってカリォとかラバトとかヴィニャーレスが前にいるんですよ。しかも信じられないタイムを出してくるんです。
 ティトをアルメリアで見てみたんですが、34秒台ってなんですかねえ。トム・サイクスが240馬力のスーパーバイクでテストで出したタイムが34秒台なんですよ!もう落ち込みましたけど、自分から首を突っ込んだんだからなんとかしなきゃいけない。だってチームにとってはデータを収集して前に進むしかないわけですからね。
 この件に関しては何も後悔していませんよ。だってこのプロジェクトを前に進めることもできたわけですし、将来への道も開けたわけですから。これからもかかわっていきたいと思っています。


CRASH.net:ベルファストのクイーンズ大学のチームでレースをするのとはどう違うんですか?メカニカル・エンジニアリング学部がGPで速ければとてもおもしろいと思うんですが。

マックウィリアムズ:昔は散々テストをして戦闘力が証明できたパッケージで参戦できたんです。メカニカル・エンジニアリング学部はやる気があって、担当教授のロバート・フレックががんばってくれました。僕がアイルランド選手権やイギリス選手権やヨーロッパや世界GPで戦っているときにずっと助けてくれました。
 当時良かったのはスポンサーが見つけやすかったってことですね。それにオーストラリアやアメリカの協力会社ともうまくやっていたんで、インジェクションシステムをレースに持ち込めたんです。そういった共同作業は今は難しくなっていて、今ではWILスポーツやPataがいなければそういうことはできないですね。


CRASH.net:ブラフ・シューペリアでのMoto2プロジェクトの話はこれくらいにして、今はワールドスーパーバイクのパドックで忙しそうにしてますけど、何をやってらっしゃるんですか?

マックウィリアムズ:シルバーストンに参戦したのにはWILスポーツがからんでいたということもあるんです。彼らはうちのストック・チームとカイル・スミスをサポートしてくれてるんですよ。WILスポーツがいなければ参戦できなかったですね。そこがWILスポーツの狙いでもあるんですが、若いライダーをヨーロッパや世界のレベルに連れて行きたいと思っているんです。


CRASH.net:ではここでWILスポーツのディレクターのフィル・ロンドンに来てもらいましょう。どうしてバイクレースに関与しはじめたんですか?ニュージーランドのライダーをヨーロッパに連れてくるとか、他にも理由はあります?

ロンドン:ニュージーランドではWILスポーツは他の分野で才能ある、でも全国レベルや世界レベルに打って出るリソースを持たない若いアスリートを支援しています。
 バイクレースに関しては私の息子とその友達が始まりですね。ヨーロッパ・ジュニア選手権(EJC)の初年度までスポンサードしていました。4年前のことです。私の息子はいつもバイクに乗りたがっていて、でもうちの家族はレースをやったことが無かったんです。EJCにかかわったおかげで、ライダーをヨーロッパに連れて行くことが費用対効果が最も大きいことがわかったんですよ。
 フェルナンデス一家(アウグスト・フェルナンデスはEJCのランキングトップ)とカイル・スミスを今は支援しています。チャンスが来たときに、どうやって彼らをサポートできるか考えちゃいましたけどね。うちはスポーツエージェンシー(訳注:代理人会社)ではないのでライダーには今後のキャリアについてのちょっとした手助けができるだけなんです。


CRASH.net:そのお金はどこから来るんですか?

ロンドン:ニュージーランドでは不動産会社も経営していて、それが資金源になってます。同じ気持ちの人々と一緒にやるのは素晴らしいことですが、そこから利益を得ようとは思っていません。そういう会社ではないんです。うちがかかわるライダーやその家族に関しては「NA」ポリシーってのがあるんですよ。「No Assholes(訳注:やな奴にはならない)」ポリシーなんですけどね。
 うちがサポートしているライダーが全員世界チャンピオンになるわけじゃないですけど、この世界で相当いいところまでいけると思っています。次のニュージーランド人かオーストラリア人のチャンピオンを育てたいですね。スペイン人やポルトガル人がここでワイルドカード参戦してますよね。カイル・スミスとかもそうですが、彼らにはチャンスが必要なんです。


CRASH.net:こんどはジェレミーにお聞きしますが、カイル・スミス(去年Moto2に9戦参戦しただけでGPから離れ、今年はスーパーストック1000で2勝している)をGPで走らせたいと考えているんですか?

マックウィリアムズ:カイルをどのように育てていくかについては既に話しをしているんです、彼はひっぱりだこのライダーだし、他のチームもほしがっていますからね。でもカイルを他のチームには渡したくありませんし、彼を他のライダーのお手本にしたいんです。うちが育てて強くなったライダーを若いライダーが見てくれれば、彼らにもモチベーションになりますよね。だから来年もカイルにはうちのチームにいてほしいと思ってます。

ロンドン:ジョナサン・グリーンがコメントしてくれたんですが、うちは昔ながらのアマチュア的忠誠心というものを持ち込んだんだそうです。つまりライダーをきちんとサポートして、もう君はクビだからって今風に言われない環境を提供すれば、ライダーは翌年以降のことを心配することなく走れて、レースに集中できるんです。

マックウィリアムズ:ライダーの視点から言うと、最近のこの業界はライダーには生きにくくなってますね。ウェッブ記事でも、どこかのライダーがパフォーマンスが悪いからクビになったとかいうのをよく読みます。
 まあそういう風潮はGPから始まったんでしょうけどね。一定の成績に達しなかったら契約破棄みたいな条項が入ってますからね。でもそういうライダーこそ助けてあげなければいけないんです。成績が悪いからといってライダーを見捨てることはうちはやりません。大事なのはベストを尽くしているかどうかなんです。


CRASH.net:故郷の北アイルランドでゆっくりして、こうしたプロジェクトにかかわらないでいることもできると思うんですけど、どうしてパドックに戻ってきたんですか?

マックウィリアムズ:何もやることがないというのが辛いんですよ。EJCにも何年もかかわっていますしね。スーパースポーツでも(リヴァモトで)忙しかったですし。でも両方は無理でしたね。スーパースポーツが一段落して、今年はEJCとストックの両方に手を広げてますが、とても楽しんでいます。
 それで手一杯で週末は本当に忙しいですけど、本当に楽しいですよ。雰囲気もいいし、仕事をするにはいい場所です。ここのパドックも大好きですよ。MotoGPも楽しかったですけど、スケールは大きいし、何もかもが20倍の値段なんですよ。ここはまだいいですね。楽しいし、チームは家族みたいですから。

ロンドン:あとジュニアの選手がトップレベルのライダーに会えるというのもいいですね。ジェレミーが来てくれるなんてすごいことですし、でもそれだけじゃなくてワールドスーパーバイクとワールドスーパースポーツからゲストを招いてトークショーもするんですよ。

マックウィリアムズ:私が感銘を受けたのはキーナン・ソフォーグルなんですけど、彼が話に来てくれたんですが本当にすごいですよ。EJCのライダーの名前を全員言えたんです。レースもよく見ているし、それによく覚えている。どのライダーがいつトップに立ったかとか言えるんですよ。みんなびっくりしてましたね。黙って耳を傾けてたけど、彼がそんなに近くでレースを見てくれてることは信じられなかったみたいです。
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やっぱ、お金持ちにはどんどんレースに投資してほしいですよね。

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