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火曜随想:ワークスの未来

MotoMatters.comでもお馴染みの写真家、スコット・ジョーンズ氏によるワークスの未来についてのコラムです。Asphalt & Rubberより。
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マルク・マルケスはまだ21歳だ。今シーズン2度目のタイトルを獲ることは確実だろう。彼はサーキットの専制君主である。まだまだ速くなるだろうし経験も積むだろうことを考えたら、彼はバイクレース界のミヒャエル・シューマッハーにもなれるだろうと思う。

ホンダにとってはいい話だ。マルケスがホンダで勝ち続けてっくれるのだから。HRCは「ロッシから学んだ」のだ。そこでマルケスをいい気持ちにさせて彼が他のメーカーのオファーに心なびかないようになんでもするだろう。

彼がこれから勝ち続けるだろう上に、ホンダはダニ・ペドロサをチームメイトとして2年間確保し、さらには来年スコット・レディングがリース版RC213VにマルクVDSチームを乗せることが決まっている。もしレディングが次の2シーズンで結果を出せればペドロサの席はレディングが受け継ぐことになり、レディングはアルパインスターズ製のオレンジと赤のつなぎを身に付けることになるだろう。

さらにホンダは(レプソルの支援を受けて)若く将来のあるスターたちも暖かく迎えている。アレックス・マルケスにアレックス・リンス、さらにはファビオ・クアルタラーロが、マルクの最高峰クラスでのキャリアが終わったら、その時は自分こそが跡を継ぐべく控えている。

しかし21歳のマルケスはタイトル争いができなくなったとしてもこれから9年か、もしかしたらそれ以上の年月にわたって優勝争いをし続ける可能性があるのだ!これは他のワークスにとって何を意味するだろうか?

ドゥカティは会社とビッグ・レッドと言われるスポンサー(訳注:マールボロ/フィリップ・モリス)が許す限りのものを注ぎ込んでいる。ワークスチームのライダーに対してだけではない。アンドレア・イアンノーネにも最新パーツを供給しているのだ。来年はプラマックがワークスマシンでセカンドチームとなる。ジジ・ダリーニャをドゥカティのMotoGPプロジェクト復活の切り札として連れてきたことで、ケイシー・ストーナーが乗っていなくても勝てるマシンを本気で作るつもりがあることを示してみせた。

完全に作り直された(そしてできることならより戦闘力のある)GP15があればドヴィはマルケスを倒すことができるだろうか?たぶんその答えは彼のレプソルホンダ時代を見ればわかるだろう。イアンノーネはMoto2でマルケスと互角に戦っていたがどうだろう?これについては時が答えを出してくれる。ドゥカティの来年を背負うライダーが誰になるかはまだわからないが、フィリップモリスは常にその時手に入れられる最も才能のあるライダーと契約してきたのだ。

スズキも2015年に復帰する。おそらくライダーは安定して速いアレイシ・エスパルガロと日の出の勢いのマーヴェリック・ヴィニャーレスになるはずだ。スズキに関してはマシンよりもライダーが重要となるだろうが、スズキの名誉のために付け加えるなら、彼らはMotoGP復帰に当たってとにかく速いライダーを確保してはいるのだ。

アプリリアにはMotoGPで勝つかどうかを心配する以前にやるべきことがたくさんある。MotoGPレースでマルク・マルケスをどうやって倒すかはさておき、最高峰クラスに新たなメーカーが参戦してくるのは言祝ぐべきだろう。ではヤマハはどうだろう?

ヤマハは次の2年間もすばらしい金づるであるヴァレンティーノ・ロッシを走らせる。彼はこの週末にはまだMotoGPレースで勝てる力があることを証明している。来年ロッシはマルケスを破ってタイトルを獲得できるだろうか?もしそうならすごいことだし不可能ではないだろうが、可能性は限りなく低いだろう。

来年、そしておそらく再来年もヤマハはホルヘ・ロレンソも走らせるが、彼は能力的には間違いなくマルケスに挑戦する資格はあるだろう。しかしホンダに乗らずに勝つには何らかの策が必要に違いない。

ブリヂストンの最終年となる来年、タイヤはどうなるのか?ロレンソ向きかも知れないし、そうではないかもしれない。2016年のミシュランにも同じことが言える。しかしロレンソはホンダが持っていてヤマハが持っていないものをカバーするのに間違いなくタイヤの助けが必要となるだろう。

いつかは起こることだが、ヴァレンティーノ・ロッシが引退したら、ヤマハにとってのマルケス/レディング/リンス/クアルタラーロはどこから来るのか?

ヤマハには幼稚園から才能を育ててくれるレプソルはついていない。レプソルがバックアップしていないライダーから将来の候補をみつけなければならないのだ。VR46チームがMoto3でホンダから距離をとっていることを思えば、ロマーノ/フェナティが2年ほどしたらヤマハに乗るかもしれない。ロッシは自身の助けになる、そして結果として将来のヤマハに役立つライダーを探しているのは間違いない。

現時点ではヤマハのロッシ後を背負って立つのはポル・エスパルガロになるだろうと思われる。ポルは個人的に最もよく知っているライダーの一人でもある。だから言っておくが私が彼の能力を評価するときには多少の偏りがあるに違いない。しかし2014年の結果がすべてを物語っているだろう。

彼はマルク・マルケスを恐れてはいないのだ。既に下位クラスでマルケスと互角に戦っているし、力が劣ってはいないことを認識できるくらい何度も勝っている。そして去年スコット・レディングを破ることでタイトルの獲得方法も身に付けているはずだ。GPレースの最年少ポイント獲得記録は彼のものであることを覚えているだろうか?(2006年にワイルドカード参戦したカタルニアで15歳8日で13位に入っている)

彼はルーキー・オブ・ザ・イヤーの最右翼であり、2015年に向けても十分なポテンシャルを見せつけている。現在のランキングは6位で、前にいるのは5人のワークスライダーだけで、後ろにはワークスサポートを受けているイアンノーネ、ブラドル、バウティスタ、クラッチローの4人を従えている。2014年の彼は「タイトル候補以外で1番」というだけではなく、それ以上の力をみせているのだ。何より彼が乗っているのはサテライトマシンだというだけでなく、オープンルールの適用も受けていないのである。

しばらく前に私はMotoGPのルーキーはあまり早く駆け上がらない方がいいという記事を書いた。今でもテック3のようなサテライトチームが才能のあるルーキーの受け皿になるべきだと考えている。ポルはMoto2チャンピオンということで期待もされていたが、今シーズン勝つだろうとは誰も思っていない。彼がルマンで4位でフィニッシュしたり予選で2位に入ったりしたというのはルーキーとしては望外の成績なのだ。

しかしMotoGP2年目のポルには是非ヤマハにワークスサポートのあるマシンを提供してほしいと思っている。ホンダがLCRや(現在の)グレシーニにしているようにだ。ヤマハの資金に限りがあることは重々承知しているが、ポルのようなライダーにはそうすべきだと思うのだ。最高峰クラスで1年間の経験を経れば100分の1秒が重要となる世界での苦労も少なくなるだろう。

たぶんこの希望は無邪気に過ぎるだろう。ポルは既にワークスサポートを受けているライダー(中にはオープンルールの適用を受けているライダーもいる)を上回る成績を挙げているのだから、ロレンソやロッシと同じバイクを与えることがそれほど助けにもならないのかもしれない。

しかし私の本能がささやくのだ。ポルは来年勝てるライダーだろうと。少なくともライダーとマシンのコンビネーションは完璧だ。だからこそ彼に良いマシンを与えてほしいのである。
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ヤマハは本当にどうするんでしょうねえ・・・。

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