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これまで見たことがないほど馬鹿馬鹿しい出来事

私も含めて世界中のかなりの人が盛り上がりを見せているカワサキH2ですが、これを肴にバイラルマーケティングについてAsphalt & Rubberが書いてます。ちょっと迷いましたが、いろいろ考えさせられる記事なので訳しましょう。
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Asphalt & Rubberを始めてからバイク業界の様々な出来事を見てきたが、こういうことは初めてである。この秋になってから当サイトにも近日デビューする新型バイクについての投稿が多くなっている。今日もそうしたネタがたくさん寄せられた。

今朝は熱心な読者と称する熱い投稿をいただいた(これで2人目だ)。なぜスーパーチャージエンジンの新型カワサキH2について話題にしないかというのだ。インターネットでもバイラル的に広まっているとその投稿は語っていた。その主張を裏付けるかのようにその投稿にはH2に関するフォーラムのFacebookページへのリンクが貼ってある。今回のH2の情報の発信元へのリンクのようだ。

しかし私たちの大量のRSSフィード(今では600サイトほどをカバーしている)を見ても、その「バイラル」話はMotorcycle.comしか取り上げていない。その記事には「カワサキの尖ったスポーツバイク、H2についての内部情報」とのタイトルがついているが、執筆者は愛すべき「Motorcycle.comスタッフ」で、プロっぽく、いたる所クエスチョンマークだらけだ。

Motorcycle.comはアクセスを稼いでいるだろう(私は本心で言っている)。しかし私にはひとつのサイトしか取り上げていない事象をバイラルと呼ぶ習慣はない。まあそれはさておき、誇張というのも一種の駆け引きのひとつではあるのだ。

良い編集者であるべく、私はストーリーを深掘りすることにしている。しかし今回調べてみた結果に私は暗い気持ちになったのである。

投稿にあった「内部情報」に関するサイトは2週間ほど前にできた掲示板だ。現時点で51人が69スレッドで318本の投稿となっている。まあこうしたフォーラムサイトの初期にはよくある感じだ(私もこうした経験はしている)。

そして内部情報の投稿者はここでは初めての投稿で、この投稿しかしていない。参考までにハンドルネームの「Nessuno」とはイタリア語で「名無しさん」という意味だ。

つまり匿名のイタリア語を話す誰かが今まで聞いたこともないウェブサイトに「川崎重工に繋がりのある友人の友人」の話として新型バイクの詳細を投稿しているということなのである。むぅ、まあいいだろう。これはインターネットで日々起こっていることではないか。

調べてみた
ここまで言っていなかったが投稿にはリンクが貼ってあった。ここで問題にしている掲示板とMotorcycle.comへのリンクだ。どちらもVerticalSope(バーティカルスコープ)社のものである。バイク業界の最大のプレイヤーのひとつとしてバーティカルスコープは2輪関連のメジャーな掲示板のほとんどを所有している。Motorcycle.comもそうだ。さらには私たちに1日2回投稿するような人(複数かもしれない)も雇っているということだ。

当サイトの投稿ページへでは発信元の信頼性を担保するために常にIPアドレスを記録している。今回の自称「熱心な読者」からの投稿は74.213.184.33からのものだった。

検索してみるとこの投稿はバーティカルスコープが運用するコンピュータから発信されたもので、投稿者であるマークもマイケルもどちらも同じIPアドレスからの投稿だった。発信元のメールアドレスは変えてあったが、どちらもH2について記事にするように頼んできている。むぅ、実に興味深い。

つまりどういうことか
まあ要するにバーティカルスコープ社の誰か一人が同社が立ち上げたサイトで「バイラル的に広まっている」話をうちに投稿してきたということだ。さらにその投稿にはバーティカルスコープ社が所有する2つのサイトへのリンクが貼ってある。内容について言えば、同社のスタッフによる記事はこの「バイラルストーリー」について匿名の同じ筆者が書いているものだけである。

残念なことにMotorcycle.comの「スタッフ」というのは署名付きの記事が書けないほどの臆病者であり、「このマシンはこれまでで最速・最強のカワサキになるに違いないと思われる」としか言っていない。つまり彼らはジャーナリズムの第一のルールである、ソースを確認するということをやっていないということである。

ジャーナリストの口から出る最も上手なマーケティング的欺瞞
これがマーケティングのための誇張であることがわかったのは良かった。結局のところ書いてあるエンジン排気量やらエンジン設計やら出力馬力やらは私の猫がTumblerで記録する程度の信頼性しかないからだ。

昨日褒めたサイトや雑誌だとしても、それが私が見てきた中で最も怠惰なバイクジャーナリズムの結果であるなら批判することだって厭わない。しかしそれがバイクジャーナリズム業界で起こっていることでもあるのだ。

問題はしかし、もっと大きなことが起こりつつあるるかもしれないということ
インターネットでの情報すっぱ抜きはこれまでよくあったことだし、その多くが掲示板サイトでなされてというのも事実である。しかし真実を知っているという誰かが50人のメンバーと70のスレッドしかない掲示板に投稿するというのはどういうことだろう(しかもそのほとんどにレスがついていないことも付け加えておこう)。

本来ならより明るい光に引き寄せられる蛾のように、何万人ものユーザーを誇るKawiForum(これもバーティカルスコープ社のものだが)に行くべきではないか。しかしカワサキH2に興味のある人を新たなサイトに集めたいと思うのであれば、今回のような投稿をするのはうまいやり方ではある。

投稿者についてもう少し考えを巡らせると、この「名無しさん」がカワサキではなくKHI(訳注:川崎重工の略)と表現しているのも不思議ではある。カワサキというのが普通の言い方ではないか。KHというのはH2のマーケティングで多用される言い方で、タービンについての川崎重工の経験を強調して宣伝しているときに使われているのだ。カワサキというすばらしいバイクメーカーの重要性はここでは強調されていない。

バイク業界で責任を持つべき企業がマーケティング重視の信頼性のない記事に我々を誘導しようと画策しているという事実には心からがっかりする。

最もいいシナリオならMotorcycle.comがくだらない記事を書いているということに留まるが、最悪の場合、バーティカルスコープ社とその支配下にあるサイトが誰ともしれない「名無しさん」の言葉を全力で広めようとしているということもあり得るのだ。
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要するに「工作員乙」と言ってる記事なんですが、誰が雇った工作員かはとても重要。

ちなみに私はH2が3気筒であることを心から願っているのですが、たぶん4気筒なんですよね。

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