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ストーブリーグ表2015(2014.9.30時点)

祝!スズキMotoGP復帰正式発表&ライダー決定!!

Stove_2015_140930

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ダニ・ペドロサのブログ:良かったこともあります

こんどはダニのブログです。Repsol公式より。
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ハイ、みんな。

まずは最初に、昨日誕生日を祝ってくださった皆さんにお礼が言いたいです。このサイトやツイッターでたくさんお祝いの言葉をいただきました。皆さん、世界最高のファンです!

今回のレースは本当にカオスでしたね。皆さんにレースで何が起こっていたかお話したいと思います。正直に言うと本当にコントロールするのが難しいレースだったんです。外から見ていたら簡単そうでもバイクの上では全部の情報が入っているわけではないし、アドレナリンも出ているし、すごいスピードで走りながら意志決定をしなければならないんです。

日曜は残りが何周もあるのに雨が降ってきました。転倒前の2周くらいは確かに雨は降っていましたけど、その前よりは弱くなっていたんです。

最終のストレートに入るところでまた雨が強くなってきました。そこでホルヘがピットに入ってマシンを交換することにしたんですけど、マルクと僕は走り続けることにしたんです。後から考えればホルヘの判断が正しかったし、僕らの判断は間違っていたんですけどね。

でもレースの時点では天気がどうなるかなんてわからないわけです。自分で分析して判断しなければならない。その判断の助けになるのは乗ってる自分に手に入る情報と前のライダーの様子だけなんです。しかも勝ちたい気持ちで走りながら判断しなければならない。

でもいいこともたくさんありました。まずはトップグループで走れましたし、ペースもよかったしバトルもできました。勝ちも見えていましたしね。さらに土曜の予選も良かったし。今回はフロントローが目標でしたがそれも達成できたんです。

全般的にはいい感じでしたし、ホンダの地元であるもてぎに向けて希望がでてきました。

天気が悪い中、応援してくれてありがとうございました。また言いますけど、アラゴンの雰囲気は最高です。ファンクラブの皆さん、特に、サンドラ、イザベル、アントニオにはいつも応援ありがとうと言いたいです。

ダニ
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確かに時速300km近いスピードでアドレナリン出まくりで判断するって人間業じゃないです。

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マルク・マルケスのブログ:学ぶべきことの多いレース

雨中をスリックで走行中に転倒し、それでも13位でゴールしたマルケス。もてぎでチャンピオン獲得の可能性も結構あります。そんなマルケスの反省の弁をRepsol公式から。
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みなさんこんにちは!

昨日は良いレースをまたみなさんにお見せしたかったんですけど、そうはなりませんでした。でも素晴らしい週末でしたし、いろいろ学ぶべきことも多くて、良い経験になりました。

アラゴンGPに向けて期待は高まっていたんです。良いレースをお見せできると思っていましたし、金曜、土曜とすべてがうまくいっていたんです。でも日曜が雨になる可能性が高いこともわかっていました。

そしてその通り雨になりました。レース中盤で雨が降り始めて、ものすごくたいへんなレースになってしまいました。ピットに入ってマシンを乗り換えなかったのは僕のミスですね。毎周計算しながら走っていて、ピットインしてマシンを交換したライダーとタイムを比べても、この程度のタイム落ちなら勝てると思っていたんです。

クラッシュしてしまって、でもあそこでクラッシュしなくてもどこかで必ず転倒してたでしょうね。あんなコンディションではタイヤをコントロールするのは不可能なんです。それに僕の後ろでダニがクラッシュしていたのにも気付いていなかったんです。もしそれを見ていればマシンを交換したでしょうね。

雨の経験が不足しているせいでミスをしてしまったんだと思います。でも良い経験になりましたし、少しだけどポイントも獲れてランキングではまだ2位以下に差をつけているのも良かったです。

あともちろん最高なのは弟のアレックスがランキングトップに立ったことですね。それだけ努力し続けているし、アラゴンでは素晴らしいレースをしました。がんばり続けてね!

ところで僕はFIM大使なんですけど、おかげでKiSS(訳注:Keep it Shiney & Sustainable FIMの環境運動)ステッカーをアラゴンでは貼らせてもらいました。もちろん今回はこのサーキットのためです!

次は日本で、これから休み無しの3週連続になります。ホンダの地元もてぎでチャンピオンを決められたら最高ですね。すばらしいことでしょう。

最後にみんなに是非知っておいてほしいんですが、昨日からPole Repsolで僕のブーツが当たる抽選が始まってます。3連戦のどれかに参加すると当たります!ぜひ参加してみてください!

思いっきりハグを。

マルク
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Pole Repsolについてはスペイン語の詳しい方、どなたかプリーズ!どうも登録が必要な様子。

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ドゥカティGP11の青い炎(カタール、ロサイルサーキット)

先日大久保光選手のGPワイルドカード参戦を記事にしてくれた写真家のScott Jones氏がすばらしい写真の裏側について記事を書いています。写真はリンク先をご覧下さいな。すばらしいです!
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写真1キャプション:炎を撮るための350枚の努力の結果>

これは私のMotoGP写真の中でもお気に入りの一枚だ。これを撮るのに苦労したというものあるし、これが「We×Japan」プロジェクトのための1枚であることもその理由だ。2011年の東日本大震災とそれに続く津波被害のサポートのためにMotoGPパドックが一丸となったプロジェクトである。

しかし私がこの写真を気に入っている一番の理由は、これがスチル写真にできて他のメディアにはできない美しさを表現しているからである。炎が噴き出る瞬間をとらえたこの写真は近接撮影で撮ったもので、色もすごいし、炎はフレームからはみ出ている。私が予想していたより大きな炎だったのだ。青い炎を撮りたかったのだが、自分が撮った写真は私の予想を超えて素晴らしいものになっていた。

裏話
2011年MotoGP開幕戦のロサイルの日曜の夜のことだった。いつものようにピットレーンで写真を撮っていたとき、私はこれまで見たこともない光景に気付いた。

何台かのマシンがピットボックスの前で空ぶかしをしていて、そのたびに青い炎がエキゾーストパイプの中でゆらめいていたのだ。その青い火が見えるのは一瞬の間だけだったが、私はこれをなんとかして写真に撮りたいと思った。エンジンから漏れた燃え残りの燃料がエキパイからオレンジ色の炎となって燃え出るのはよく見かけるものだ。しかしカタールの夜、ライトに照らされた中の青い輝きには、何か違うものがあるように感じたのだ。

何台かのマシンでその青い炎をフレームに収めようとしてみたが、さきほど言った通り、それは一瞬(千分の1秒か、それ以下か?)のことで、200枚ほど撮ってみたが一枚も青い炎はとらえられないままだった。

そこでカメラ(この時はNikon D300)の秒速8コマの最速モードにして、エンジン回転に合わせてシャッターを切ることで、なんとかその炎を撮ろうと試みてみた(炎が出るのはガスがプラグで着火されないまま燃焼室を通り抜けたときだ。そのガスが超高温になったエキパイに触れると、それで発火し炎が出るのだ)。そしてシャッタースピードは思い切り遅くして、火が出たときにもシャッターが開いている確率を高めることにした。Exifデータは以下の通りだ。1/125th at f/6.3, ISO 1600, Nikon D300 with Nikkor 70-200mm f/2.8

ファインダーをのぞいているときに何度も青い炎を目にしたが、しかしそれでは遅すぎる。光はシャッターがおちていない時だけファインダー越しに私の目に届くのだ。つまりもし自分が撮りたいものを撮れていれば、その時点では何も見えないはずなのである。最後のマシンが方向転換してピットボックスに入ると、私はすぐにカメラのLCD画面でチェックしてみた。しかし何も映っていなかったのだ。

その後、ヘクトル・バルベラのドゥカティが暖機しているのにでくわしたので、こんどは163枚撮ってみた。そのマシンがエンジンを切って、ピットに戻ると、またチェックしてみたが、またまた何も確認できなかった。

メディアセンターに戻りコンピュータで失敗写真を策sじょしている時、私は最初の一枚をみつけた。

写真2キャプション:炎は見えるがエキパイの奥>

まあ嬉しくなかったわけではないが、正直言ってもっとましな写真を撮りたかったので、ちょっとがっかりしたのも事実だ。

他にも何枚もの写真を削除した。そしてピットで私がちょっとだけ動いたために撮影確度が違っている写真の中に2枚目を発見した。

写真3キャプション:炎が小さすぎ>

炎は辛うじて見えるだけだ。最初の一枚よりだめである!しかしさらに何枚かを削除したとき、ついに最高の今井を発見したのだ。これが一番上の写真である。私の望みを遥かに超えるできだった。

「We×Japan」ステッカーも見える。この写真は日本赤十字の震災基金のために最初に提供されたもので、売り上げは何百ドルかになり、それが赤十字に寄付された。そして今はPHOTO.GPの遠征基金のために販売している。サイズも選べるので是非!

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ロッシの最新状況:2014/9/29 モヴィスター・ヤマハのリリース

派手に転倒してめまいがするということで病院に担ぎ込まれてCTスキャンを撮ったヴァレンティーノ・ロッシですが、モヴィスター・ヤマハが公式サイトにインタビュー付きで状況を掲載してますので訳出。
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今朝ヴァレンティーノ・ロッシは9:30に起床し、クリニカ・モビーレのミケーレ・ザーサ医師の診察を受けた。

診察後、ヴァレンティーノはモヴィスター・ヤマハMotoGPチームのスタッフが待つ、そしてホルヘ・ロレンソがモヴィスターのテレビCMを撮影しているピットに戻った。

以下のQ&Aは昨日メディア対応ができなかったヴァレンティーノへのインタビューである。

ヴァレンティーノ、調子はどうですか?

ロッシ:大丈夫ですよ。全然問題はありません。それが一番大事なことですね。頭にこぶができた以外は全然大丈夫なんです。昨日の夜はちょっと頭痛がありましたけど、今日はOKですよ。100%ね。レース前にセッティングを変えて、それが当たっていただけにとても残念ですね。マシンはすごく良かったんですよ。僕も調子が良かったですし最初の2〜3周でトップとの差を詰められましたしね。良い気分で良いレースができると思いながら走ってたんですよ。だから転倒して本当に残念です。まあでも金土と苦労していて日曜は戦闘力のあるマシンに仕上がってたのはよかったですね。ここは僕らにとって有利なサーキットでもありませんし。


レースは見ましたか?ご自分のクラッシュと他のライダーの走りについてお願いします。

ロッシ:不運にもイアンノーネと同じで僕も人工芝に乗っちゃったんですよ。人工芝はとても危ないし、特に今回みたいに午前中に雨が降ってまだ乾いていないという状態ではひどいですね。もう乗っちゃったら終わりなんです。マルクとダニはスリックで走り続けようとしてましたけど、リスクを冒しすぎましたね。結局クラッシュしてしまったわけですし。僕について言えば、もう1m先でコースアウトしてたら単にはらんだだけで済んだんでしょうね。あと1mのところで人工芝に乗って転んじゃったんです。


これからアジア-オーストラリア3連戦ですが、今後についてはいかがですか?

ロッシ:これから3レース続きますけど、どこも素晴らしいサーキットで、コースのこともよく知ってますからね。全部好きなコースなんです。前回のように全力を尽くしますよ。
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元気そうで重畳重畳。もてぎには来てくれそうですね。

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「MotoGPはクレイジーなことがあるよね」とロレンソ

途中で雨が降り始めるという難しいコンディションの中、大荒れに荒れたアラゴンを制したのは今季初優勝のホルヘ・ロレンソでした。彼のコメントをCRASH.netより。
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長く遠ざかっていた表彰台の頂点にこういう形で返り咲くとはホルヘ・ロレンソ本人も含めて誰も思っていなかったろう。日曜のあら後はドライからウェットに変わるコンディションの中、大荒れのレースとなった。

モヴィスター・ヤマハの彼はタイヤのグリップ不足に苦しみ予選は7位とふるわなかった。しかしレプソルホンダのマルク・マルケス、ダニ・ペドロサを決勝1周目の1コーナーで脅かしたのもロレンソだった。

雨が強くなり始めるとロレンソはピットに入りウェット用マシンに乗り換えたが、これがレースの鍵を握っていたのだ。マルケスとペドロサはスリックのまま走るリスクを冒してしまったのである。その結果どちらも2周ほどしたところで転倒し、ロレンソがフォワードのアレイシ・エスパルガロ、ドゥカティのカル・クラッチローに10秒の差をつけて悠々と勝利を飾ることになった。

ロレンソにとっては昨年のヴァレンシア以来の今季初勝利であり、しかも自身の最高峰クラス最悪のグリッドから優勝してみせたのだ。

ロレンソは笑顔でこう語った。「バイクレースでは何でも起こりますね。クレイジーなこともありますよ。うまいくいって驚いてもらえることもあれば、だめすぎて驚かれることもあります。今回はすごくすごく良い形で終われましたね。こういう難しいコンディションではどんなことでも起こりえるし、集中しなきゃならないんです。いつマシンをチェンジすべきか考えないといけませんしね。あと必要なのは運ですね。
 今日は運が味方してくれました。でもそれだけじゃなくてドライでもウェットでもいい感じで乗れたんですよ。集中してマルクについていくために全力を振り絞りました。だから今回の優勝はいろんなことが積み重なったおかげですね」

ロレンソとマルケスは何度もトップを入れ替えた。マルケスがレース中盤で雨が降り始めてすぐのホームストレートでロレンソに抜かれる際、手を振ってアピールしなければならないほどだった。

ロレンソはこれについて言う。「マルケスが僕に抜かせたかったのかどうかはわかりませんね。彼が雨にびびっていたのか、何かエンジンに問題を抱えていたのか。だからとりあえず彼を抜いて限界で走って逃げようとしたんです。でも彼は着いてくるし、それでエンジンが壊れているわけじゃないことがわかりましたね。また彼が僕を抜いて、僕が抜き返して、でも雨の中では彼らとは同じレベルでは走れなかったです」

雨が強くなり13位にまで落ちたアッセンのコンディションを思わせるような状況になってきた。

ロレンソは言う。「雨のせいであんまりいい感じで走れなくなったんです。リアのグリップが感じられなくなって、周ごとにホンダのライダーが前に離れていってしまった。アンドレア(ドヴィツィオーゾ)が近づいてきて、今回は3位か4位か、ことによったら5位かもと思い始めたんです。
 でも『2分4秒』ってサインボードを見たときに勘がひらめいたんです。ウォームアップでのウェットタイヤのペースを覚えていたのもあるんですが、『毎周悪くなる一方ならそのうち転んじゃうな』って思ったんですよ。そして最終コーナーで『このままスリックでマルクとダニについていくか、それともピットに入るか』って考えたんです。それでピットに入るという賭けに出ました。さっき言った通り運も良かったんです。でも今日は雨で気持ちよく走れましたし、いい選択をしたということですね。
「1位だってサインを見たときには残り何周かもわからなかったし、2位が誰かもわかりませんでした。集中を切らさないようにがんばりましたよ。ウォームアップでは僕より速いライダーもいましたからね。マシンはそこら中で滑るし、でも勝てるチャンスを逃すわけにはいかないんで、絶対転べませんでしたね。
 チーフメカのウィルコ(ツィーレンベルグ)とレース前に話してたのは、3位争いはできるよね、ってことでした。勝てるとは思ってもいなかったんです。でも最終的に雨でクラッシュするライダーもいる中、勝てたんです。
 この何戦かいい感じできてたんですけど、ここではいろんな問題が出て、それにここで勝ったことはないですからね。だからここでは絶対勝てないと思ってたんです!信じられない勝利ですよ。それにここの冠スポンサーはモヴィスターだから、本当にここで勝てて嬉しいです。だから今日h亜完璧な1日になりましたね」

ロレンソは4連続で2位に終わった後、一方チームメイトのヴァレンティーノ・ロッシやペドロサが転倒したことにも助けられたとは言えついに勝ったのだ。その結果残り4戦を残してロレンソはロッシに12ポイント差、ペドロサに15ポイント差までせまっている。

「この5〜6戦はずっと表彰台に上がれています。去年の日本では良い結果が出せましたし、運も味方してくれてますからね。ヴァレンティーノのクラッシュは不運でしたし、ダニもずいぶん後ろでした。
 だからランキングでも彼らに近づけたし、ランキング2位争いが見えてきましたね」
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久しぶりに饒舌ですね。日本に向けて好調を維持してほしいものです。マルケス独走の退屈なレースは見たくないですからね。

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公式リリース>アラゴンGP2014

ホンダヤマハドゥカティ(英語)

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もてぎ日本GPでマルケスがチャンピオンを決定する条件

ちょっと試算してみました。間違い御指摘大歓迎!

ざっくり言うと、マルケスがペドロサの前で、ロッシがマルケスより2つ以上順位が上でなければ、チャンピオン決定。ロレンソは基本的に優勝しかないですが、それでもマルケスが7位以下でないとチャンピオンの可能性はなくなります。

Marq_champ_motegi

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一応計算用エクセルファイルも。
「marq_champ_for_motegi.xlsx」をダウンロード

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ストーブリーグ表2015(2014.9.27時点)

いろいろ見返しつつ整理しつつ、さらにフォワードレーシングがロリス・バズ、レオン・カミヤーと交渉という報を受けて修正。

プラマックが確定したのですっきりしましたね。

残りは先のフォーワードに加えて、アスパーとアヴィンティアとグレシーニです。あと早々に落としていますがカルディオンAB/カレル・アブラハムの去就は謎。

Stove_2015_140927_2

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大久保光+「ああっ女神さまっ」が海外で記事に!

私でも知ってる藤島康介氏のマンガ、「ああっ女神さまっ」とコラボしてもてぎの日本GPに大久保光選手が参戦しますが、これをなんとMotoMatters.comでお馴染みの写真家Scott Jones氏が自身のサイトPhotoGPで取り上げていますので、あわてて訳出!しかもサイトのURLが「oh-my-goddess」ですよ(笑)。
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日本という国とバイクレースの繋がりは他の国とはずいぶん違っている。あらゆるレベルのレースが日本メーカーのマシンで支配されていることはご存じの通りだ。バイク自体、日本の歴史の中で重要な地位を占めている。日本の企業で最も世界に名が売れているのもバイクメーカーなのだ。

しかし日本が世界のバイク文化に果たす役割を考えても、ちゃんと言うならこの記事ではMotoGPに果たす役割ということだが、日本におけるバイクレースの本質は未だに西洋人には謎が多いものである。

藤原らんかのアートワークは我々も大好きだ。毎年彼女の描いたポスターを手に入れようとしているのだが、相変わらずそれはかなわぬ夢だ。

今年こそもてぎに行こうと毎年思っているのに、それもできていない。だから手に入れるのは来年・・・、ということになってしまうのである。

ホンダやヤマハやスズキがMotoGPで、そしてカワサキがワールドスーパーバイクで成功しているにもかかわらず、日本のファンがバイクレースをどう思っているかについては、米国にいてはよくわからないものである。ヨーロッパでも同じだろう。まあ、私の渡航経験レベルの話ではあるが。

日本メーカーがいなくなったバイクレースというのは相当寂しいものになるだろう。だから日本という国の文化についてもその貢献度合いに応じて興味を持つべきではないか。個人的にはずっとそう思っており、その現れがMotoMatters.comの日本トリビュートTシャツなのである。

そんなわけで今朝自分のメール受信箱のプレスリリースフォルダを見たときにはかなりうれしい気持ちになった。もてぎの日本GPだけに登場するあるネタである。他のGPではあまり見られないだろうネタだ。他国ならせいぜいアメコミヒーローやビデオゲームのブランドがヘルメットやマシンのカラーリングに応用される程度だろう。しかしもてぎではMoto3にワイルドカード参戦するオオクボ・ヒカリ(訳注:もちろん大久保光。せっかく海外メディアに載っているので、それっぽく表現)が彼のホンダNSF250Rを日本では有名なマンガ「ああっ女神さまっ」のカラーリングに染めるのだ。

21歳の彼はライダーでもあり、彼自身のチームであるHot Racingのオーナーでもある。彼は全日本のJ-GP3クラスに19歳の時から参戦しており、昨年はランキング3位だった。彼のツイッターを見ると私も日本語が読めたら!と心から思う。

「ああっ女神さまっ」は藤島康介によるロマンティック・コメディでもう26年も連載が続いている。さらに2005年には映画にもなった。単行本は200万部以上(訳注:2000万部が正しいです)を売り上げている。マシンのアートワークは日本人ならよく知っているものだろう。

Ohmygoddesslivery

プレスリリースによれば大久保クンはこう言っている。「この度、MotoGP日本ラウンドに参戦するにあたり藤島康介先生、講談社様の協力のもと『ああっ女神さまっ』とコラボレーションすることになりました。私はもともとこの作品の大ファンで今回このように一緒に世界と戦うことができることになり、本当に嬉しく思います藤島先生、講談社様。本当にありがとうございます。皆さんも私達と共に世界と戦いましょう!!応援よろしくお願い致します」。

プレスリリースを見る限り、これは資金的な援助やスポンサーということではなく、いわゆるコラボレーションのようだ。大久保クンはメジャーリーグへの扉を大好きな漫画とともにぶち破ろうとしているのだ。私は日本人の友人にいろいろ聞いてみた。その日本人は大久保クンのこれまでのこともよく知っている人だ。

その友人によれば、これはチームやライダーがワイルドカード参戦にあたって特定の商品の宣伝をするためにカラーリングを変えるといった普通のスポンサー契約ではないということだ。むしろライダーがそのマンガを愛していたから起こりえたことだそうである。ライダーがマンガの作者と出版社の許可を得て日本GPのために「ああっ女神さまっ」の画を使っているということなのだ。その他にもTシャツやステッカーも用意してもてぎのGPウィークで販売することになっている(訳注:通販でも買えます)。すべて彼のワイルドカード参戦費用の足しになる。藤島サンと講談社がマンガの画像を若い大久保クンのために使わせてあげているのだ、それもこれもMoto3でワイルドカード参戦するためである。

しかしストーリーはここでは終わらない。若いながらも立ち上げたばかりのチームのオーナーとして大久保クンは日本のマンガファンをバイクレースに呼び込みたいと考えているのだ。つまり西洋の人間には日本のバイクレースがおかれた状況がわかっていないということでもある。MotoGPを支配している国のバイクレースがかなり厳しい状況にあるのだ。

私の日本人の友人は言う。「大久保クンがやろうとしているのは人気マンガとコラボして日本のロードレースファンを増やそうということなんです。残念なことに日本ではロードレースの人気はそれほどではないんですよ。ちゃんとしたデータはないですけど、全日本選手権はAMAと同じか、それ以上に悲惨な状況だと思います。生中継もないですし、観客も少ないですし。それ以上に問題なのは日本人ライダーが世界に行ってないことですよね。だから彼の試みは彼なりに一生懸命考えた結果で、まずはマンガファンの興味を惹いて、レースの面白さをわかってもらおうということでしょう」

AMAよりひどい状況だって?なんということだ!しかしこれはどういうことなのだろうか?ホンダやヤマハやスズキやカワサキの国で21歳のMoto3ライダーがロードレースに興味を持ってもらおうとマンガとコラボしなければならないのだ。

ジャック・ミラーがアレックス(リンスとマルケス)とMoto3のタイトルを賭けてもてぎ(2014年10月12日)で激突する一方で、私はオオクボ・ヒカリが「ああっ女神さまっ」マシンでどこまでやってのけられるかも見守りたいと思う。もてぎに行けて日本バイクレース史に残るような写真を撮れたらどんなに良かったろうと心から思う。グッドラック!大久保クン!
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ここまで言われたんだから、まじがんばってほしいですね!

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2015年MotoGP暫定カレンダー

バルセロナ対レアルマドリード(スペインのプロサッカーチーム)の試合に追い出されて開幕戦カタールの日程が1週間ずれました(とほほと思いつつ、まあ仕方ないとも思いつつ)。その他ネタとしてはシルバーストンがドニントンに戻ったり(主催は一応サーキット・オブ・ウェールズ)、もてぎが再び連休中日だったりといったあたりでしょうか。FIM公式より。
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3/29 カタール ドーハ・ロサイル(ナイトレース)
4/12 アメリカズ オースチン
4/19 アルゼンチン テルマス・デル・リオ・オンド
5/5 スペイン ヘレス・デ・ラ・フロンテラ
5/17 フランス ルマン
5/31 イタリア ムジェロ
6/14 カタルニア カタルニア・バルセロナ
6/27 オランダ アッセン(土曜日)
7/12 ドイツ ザクセンリング
−−−サマーブレイク−−−
8/9 インディアナポリス インディアナポリス
8/16 チェコ ブルノ
8/30 イギリス ドニントン
9/13 サンマリノ マルコ・シモンチェリ・ミサノ
9/27 アラゴン モーターランドアラゴン
10/11 日本 もてぎ
10/18 オーストラリア フィリップアイランド
10/25 マレーシア セパン
11/8 ヴァレンシア リカルド・トロモ-ヴァレンシア
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来年も全18戦の長丁場です。

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ニッキー・ヘイデン:レースは僕の人生で、情熱の対象だ。ただの仕事じゃない。

手首の怪我からいよいよアラゴンGPで復帰するニッキー・ヘイデンへのインタビューを彼が所属するチーム・アスパーが掲載しているので訳出。
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右手首に2回の手術を施した元MotoGPチャンピオンでドライブM7アスパーのニッキー・ヘイデンがたった2か月、4レースを欠場しただけでアラゴンで復帰する。彼がこのまま引退するのではないかと思った人もいるだろうが、ヘイデンは最も経験豊かでモチベーションの高いライダーの一人なのだ。そして彼にとって走ることは人生そのものなのである。ケンタッキー・キッドは現代MotoGPの象徴であり、数々の逆境を乗り越えてきた。そして彼は「NO」という言葉とは無縁なのである。この2か月、勇気を振り絞ってキャリア最悪の怪我と戦い、固い決意で復帰してきた。ついに雌伏の時は終わったのだ。

どんな手術をしたか教えていただけますか?

ヘイデン:手首には小さい骨が2列に並んでるんです。その内、傷んでいる上側の列を摘出しました。気狂いじみて聞こえるかもしれませんがレントゲン写真を見れば納得しますよ。


何が問題だったんですか?痛みなのか、感覚がなくなったのか、力が入らなくなったのか。

ヘイデン:いくつか問題があったんです。手術を決める直前の2レースで何か問題があると気付いたんです。うまく乗れなかったんですよ。ずっと手首が痛くて、それに慣れてしまっていたんですけどね。でも関節が安定しなくなっちゃったんです。骨がずれてしまって、連動しなくなっちゃったんですよ。特定の動きをすると、手首の中で何かがちゃんと動いてないことがわかるんです。動きも悪くなって、力も入らなくなりました。そんな感じで手術を決意した理由は一つじゃないんです。


誰の意見で手術することにしたんですか?

ヘイデン:それに関しては最初から自分の中に迷いはなくて、やることははっきりしていましたね。手首を治してできる限り早く復帰するってことです。だから手術に関しては自分で決めました。いろんなお医者さんに話を聞いて、いろんな意見を集めたんです。もちろん全員の意見が一致したわけじゃないですけど、できる限りの情報を集めて決めたんです。同じような怪我で苦労した何人かのライダーにも話を聞きましたよ。


どれくらいの間、手首を動かせなかったんですか?

ヘイデン:手術の後10日間は絶対動かさないように言われたんで、完全に手首を固定してそのままサンディエゴに留まりました。その後、脱着可能な固定具をもらったんで、シャワーを浴びて傷をきれいにできたんですよ。


どんなリハビリをいつ始めたんですか?

ヘイデン:2週間くらいしてまずは指をゆっくり動かし始めました。それが最初のリハビリですね。それから2日ほどして軽いトレーニングを始めました。低負荷のスタティックトレーニングです。同時にレーザー療法とか磁気療法とか超音波とか多血小板血漿の注射とか、とにかくいろいろやりましたね。最初はきつかったですよ。1か月ばかりの間に2回も手術をしたんですから。6月に手術をして、7月にはもっと大きな手術をしたんです。手術で3か月動かせなかったんで、筋肉はすっかり弱ってしまいましたね。それに腕と手の骨(訳注:関節?)がかちかちになっちゃいました。


どの時点で全力トレーニングを始めたんですか?

ヘイデン:そうですね、特にいつというのは無かったです。だんだん全力を出せるようになってきたんですよ。最初はエアロバイクで体力をつけて、その後はプールでトレーニングして、で、ジムに行ってコンディションを着くって上半身と脚力を鍛えました。あとリハビリプログラムもこなしていました。これには安静にするという時間も入ってマイしたね。それからランニングとかいつもやってることも始めました。要するに手術後すぐはまずは安静にして、リハビリをして、リハビリ付きトレーニングをやっていたということです。


お医者さんは何と言ってたんですか?

ヘイデン:手術後はできるだけ早く手を動かすように言われましたね。それでも少しずつやらなきゃならなくって、回復には時間が掛かりました。執刀してくれたお医者さんは成功だと言ってくれたし、その後もどんどん良くなっていますね。


バイクには乗ったんですか?

ヘイデン:先週から125ccのダートトラッカーでフラットトラックを走り始めました。最初に乗った時にはあんまりいい感じじゃなかったですね。もっと時間が掛かることは明らかでした。でも今秋も2回ばかり乗って、いい感じになってきますよ。手のことを考えずに乗れて本当にうれしいです。手首がだめだったときは辛かったし、ずっと怪我をだましだまし乗ってたんです。もうだめかと思うこともありましたよ。


あなたのようなファイターがうちでレースを見なきゃならないってどんな感じだったんですか?

ヘイデン:観客としてインディアナポリスにも行きましたし、テレビでも見てましたけどね・・・。辛かったですよ。でも回復へのエネルギーは少しも衰えませんでした。とにかく1日でも早く回復するように、そしてできるだけいい状態になるように必死でトレーニングをしました。やっと復帰できるし、こんなにうれしいことはなかったですね。レースは僕の人生で、情熱の対象で、だからただの仕事じゃないんです。この怪我を過去のものにできてとてもうれしいですし、またチームに合流してバイクに乗れるのも本当にうれしいです。楽ではなかったですけど、またレースができるんです。


アラゴンではどんな結果を期待していますか?

ヘイデン:これだけ長くレースをしてなかったんで、ちゃんとしたペースで走るのは難しいとは思いますけど、全力でがんばりますよ。どんな困難が待ち受けていようともね。MotoGPマシンがうちにあるわけじゃないから、実機でトレーニングもできなかったし、どんな感じになるかはわからないですけどね。ブレーキとかタイヤとか・・・、サーキットに行かないとMotoGPマシンのライディングを再現する術はないんです。だから僕のホンダにまた乗ったらどんな感じになるか楽しみですね。特に目標は設定してないんです。とにかくアラゴンに行って全力を尽くして、あとは結果を待つだけですね。これまで本当にたいへんでしたけど、家族やチームやファンが応援してくれたおかげで希望を失うことはなかったし、前に進めたんです。
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かっこいいなあ。

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公式プレビュー>アラゴンGP2014

ホンダヤマハドゥカティ(英語)

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ワールドスーパーバイク-Q&A:ダヴィデ・ジェンティーレ(ユージーン・ラヴァティのデータ分析担当メカ)

そんなわけでさっきの電子制御の話につなげるわけではありませんが、ワールドスーパーバイクでスズキに乗るユージーン・ラヴァティのデータ分析担当メカへのインタビューがCRASH.netに載っていたので訳出。どうやったらレースのデータ分析の仕事に就けるかとか、なかなかおもしろいです。中盤には電子制御の技術的な話題があります。なるほどなるほど。
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注:本インタビューはユージーン・ラヴァティが来シーズンMotoGPに参戦することを発表する前に行われている。

CRASH.net:こんにちは。まずはあなたについて聞かせてください。

ダヴィデ・ジェンティーレ:僕はイタリア人でこのチームで働いています。みんなにはイタリア人のデイブって呼ばれていますね。
 昔はバイク乗りでレースもやっていました。ロードレースじゃないですけど、2〜3年ばかりオフロードとエンデューロをやってました。若いときのことですけどね。
 今でもバイクには乗っていて、いろいろ言いバイクを持っています。ヤマハR1とかRG500γとかです。でも最近はドゥカティ・モンスターS4に乗っていて、天気が良ければちょい乗りに出かけすね。まあ僕はイギリス人じゃないんで天気が良くないとだめですけど!


CRASH.net:レースをやめたのはいつですか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:ずいぶん昔ですよ。1992年だったかな。僕はヴァレンティーノ・ロッシじゃないってことは言っておいた方がいいと思いますけどイタリア選手権では結構いいところまでいって、望みが無いわけじゃなかったんです。最終的に大腿骨を骨折して膝もつぶしちゃったんでキャリアが終わっちゃったんですよ。でもレベルはそれほど低くなかったですね。


CRASH.net:どうやってデータ分析担当メカになったんですか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:元々は普通のメカニックだったんです。トリエステで機械工学の学位を取ったんですけど、電子系を勉強してたわけじゃないんです。大学では内燃機関全般について勉強していましたけど、特にバイクのエンジンが好きだったんですよ。
 で大学の最後の頃になってアプリリアのレースチームで働く機会があったんです。学位を取るには必要だったんです。アプリリアはトリエステ大といろいろつながりがあったんでね。
 その時は125と250のGPマシンにたずさわってました。あと400ツインの初期にも関係しました。これは後に例の恐ろしいキューブ(訳注:3気筒MotoGPマシン)になるんですが。キューブのエンジンの開発が始まった頃のことを覚えてますけど、あれは本当にモンスターマシンで恐ろしいものでしたよ!
 その後アプリリアに入ってRSV1000で燃焼伝播について取り組みました。そしたらレース現場で人が必要になったんで誘われたんです。おもしろそうだから承諾しましたよ。
 レースチームでは新型マネジメントシステムの研究をしていて、データロガーから情報を集めるとか、そういうことをやってたんです。いろんなパラメータを表示してコントロールするためのプログラムを開発していて、幸運にもそれにかかわることができたんです。楽しかったですし、以来その分野で働いてるんです。そんなわけで機械工学のエンジニアが電子制御をやってるんですよ。


CRASH.net:バイクのデータ分析をやりたいとしたらエンジニアとしての勉強とIT分野の勉強と、どっちを優先すべきですか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:私の意見ではやっぱり機械工学のバックグラウンドが必要ですね。バイクの力学とか熱力学とかはわかっていなければなりませんから。バイクにどう力が作用して、ライディングがそれにどのように影響するかについて理解しなければならないんです。とは言え今の僕の仕事は数字まみれですけどね。
 数値とマシンで実際何が起こっているかの関係性が大事なんです。加速やグリップやトルクとかについては実際に使えるレベルで理解していなければなりません。


CRASH.net:いわゆる普通の仕事には就いていないんですか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:そうですね、大学を卒業してからボルトメーカーで働いたことがありますよ。あんまりいい仕事じゃなくって、3か月したらドゥカティが面接に呼んでくれたんです。


CRASH.net:アプリリアで働いてたって言いませんでしたっけ?

ダヴィデ・ジェンティーレ:ええ、マティア・パシーニとランディ・ドゥ・ピュニエの2人と一緒に何シーズンかやりました。ランディがまだバリバリだったころにね。実は大学に行きながら働いていたんですよ。卒業してボルトメーカーに就職したんです。安定した仕事だと思ったんですよ。でも7時に起きて5時まで仕事するってのは僕のスタイルじゃなかったんです。だからドゥカティに呼んでもらえて良かったですよ。


CRASH.net:データ分析担当メカというのは安定した仕事なんですか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:まあレース現場の仕事というのはなかなか不安定ですね。契約は普通1年だし、まあ良くって2年ってところなんですよ。それがレースというものです。でもデータ分析担当メカならシーズン終わりには次の仕事が見つかるってことがわかりましたね。多分僕はラッキーなんでしょう。あんまりこの仕事をやってる人は多くないですからね。
 ダヴィデ・ジュリアーノhttp://it.wikipedia.org/wiki/Davide_Giuglianoとドゥカティでやってたときにはチーフメカみたいなこともやりました。チーフメカ兼戦略立案って感じでしたね。結構おもしろかったですよ。ダヴィデは全力を尽くすライダーでしたから。でも一緒に働くのはたいへんでしたよ。うまくいかないとすぐ怒るし、手が着けられなくなることもあった。でも一旦信頼してもらえたらすごくいい関係を築けるし、たぶん今でも僕のことが大好きだと思いますよ!
 仕事の時間は一定しませんけど、シーズンの今頃が一番忙しいですね。レースの仕事だけじゃなくシーズン終わりのテストの準備もありますから。
 給料はすごくいいと思います。100万ユーロ(訳注:邦貨換算1億4千万円)とは言わないですけど、チーフメカくらいはもらってます。僕みたいな技術を持っている人は少ないんで、価値を認めてもらえるんです。
 いい思いをしてると思いますよ。だって自分でシステムを開発して好きなことができるんです。レプソル・ホンダじゃこうはいかないですよね。いつも誰か別のスタッフと一緒にやらなければならない。僕はクリエイティブなチャレンジが大好きなんです。


CRASH.net:他に一緒にやって楽しかったライダーはいますか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:AMAでベン・ボストロムとやってたときも楽しかったですね。残念なことにその年は彼hあ健康問題を抱えていて、ベン・スピースという最大のライバルもいました。彼はすべてのライダーを撃破してましたからね。


CRASH.net:ところでベン・スピースがWSBKで大活躍したのはマシンのアドバンテージとアクティブサスのおかげだと思いますか?それともベン自身のライダーとしての能力だと思います?

ダヴィデ・ジェンティーレ:あれはヤマハがビッグバンエンジンを出した最初の年で、それほど熟成されていなかったんで、トム・サイクスみたいないいライダーでも6位か7位でした。でもベンについて言うと、あんな強いライダーは見たことが無いですよ。だからマシンとか電子制御のおかげじゃないと思います。あのときのヤマハのパッケージはそれほどでもなかったんですよ。全部ベンがあの年にすごいことをやったってことを意味しているんです。
 当時僕のチームもアクティブサスを使っていて、僕が知る限り手が掛かる割には大して見返りがなかったんです。アクティブとは呼ばれていましたが単にピットに戻らなくてもダイヤルで調整できたというだけの代物だったんです。セクションごとに、例えばあるコーナーに入るときに調整するなんて、あれほど接戦でブレーキングしてるときにできるわけがありません。多少は意味があったかもしれませんがね。


CRASH.net:今、WSBKはモーテック(訳注:電子制御機器メーカー)を使っていますが、あなたはマニエッティ・マレリを使っていましたよね。その経験は移行できたんですか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:今モーテックのための新マッピングを作っているところです。でも基本的なロジックやマッピングは同じなんです。それにモーテックはソフトウェアキットを出していて同じことができるので、僕にとっては結果は似たようなものですね。
 プロセッサーのスピードはすごく速くなっているんで、安いユニットでもライダーが気付かないくらい速く対応できるんですよ。マレリの電子制御ユニットは2個だか3個だかのCPUを内応していて、モーテックのはもっとシンプルですけど、これ以上性能を上げる必要はないですね。
 現段階ではすべてのマッピングを来シーズン使うことになる安いECUに移行するためにいろいろやっているところです。マッピングはC++とかで書かれているんですが、僕はプログラミングはできないんです。僕がやるのはプロシージャーを整理してプログラマーに渡すところまでですね。
 プロシージャーの整理とプログラミングのためにはソフトのかなり深い部分まで知らなければなりませんし、ECUをコントロールするためにすべての機能をわかっていなければならないんです。どのチャンネルを使うかとか、この値になるまでこれを反復するとか、まあそういったことですね。
 僕の仕事はそれ以上のことをしなきゃならなくって、現実世界と関連づけなきゃならないんですよ。例えばトラクションコントロールを作りたければこのチャンネルを使ってこういうマッピングをしなきゃ、とかですね。


CRASH.net:チャンネルってどういうことですか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:チャンネルってのは測定値のことで、要するにスピードとかピッチアングルとかのことですね。アウトプット、つまりエンジンをコントロールするのに必要ないろんな変数ってことなんです。
 トラクションコントロールがいい例ですね。一番簡単なトラクションコントロールはフロントホイールとリアホイールの回転数を比較するプログラムです。
 その比で設定値と閾値を決められます。で閾値との差分からエラー値を設定する。閾値は要するにそれ以上のホイールスピンをさせたくないという数値で設定値から5%ずれとかいう風に決めるんです。
 スピンが設定値の5%を超えたら設定値からどれくらい乖離しているかの信号が出て、その値に従ってエンジンをコントロールするんです。そうすれば設定範囲内にホイールスピンを収められるというわけです。
 トルクを制御するにはいろんなやりかたがありますけど、例えば点火進角を大きくしてエンジンパワーを制御範囲内にするという手があります。その他にも設定値からの乖離幅に従っていろんな手を使いますね。例えば3%ずれなら点火を弱くするとかです。
 残念ながらこれはちょっと複雑な話なんですよ。何が起こっているかを把握しながら同時にコントロールの結果を見て、それを比べるんです。状況が良くなっているのか悪くなっているのかを把握しなきゃならないということです。これはインテグラル・パスと呼ばれています。
 コントロールのためには3種類の数値を使います。ひとつはその時点での設定値のとの比率で、もう一つは傾向を見るために微分した結果で、3つめは介入の結果どうなるかを積分した結果です。これがコントロールのための3要素です。
 これを全部マッピングして開発者に渡して、その後デバッグすることになります。


CRASH.net:例えばモーテックのECUを私の公道用SV1000に積みたかったら何をすればいいんですか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:ECUもソフトも買えますけど、お金次第でいろいろ手に入りますよ。
 でトラクションコントロールとかを使いたければECUに書き込んでエンジン制御をいじるためのマネジメントインターフェイスが必要です。でも正直言うとそれ以前にいじるための技術が必要ですし、でなければ何が起こっているかわからないまま数字をいじるだけになっていまします。
 デフォルト状態のECUでは燃調や進角のマッピングとかいろいろ設定しないとエンジンもかけられないですよ。それにバイクごとに設定値は異なりますしね。
 そういう設定値が入っているECUを買うこともできますが、お金がなければただの箱を買うことになります。箱の中身がないと基本的なマネジメントマッピングを入力するだけでまるまる1年かかるかもしれません。
 基本的なマッピングでエンジンが普通に動くようになったら次は自分なりのトラクションコントロールとかウィリーコントロールとかエンブレコントロールを入れなければなりません。


CRASH.net:そういうことをレースでもやっているんですか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:ええ、その通りです。でもトラクションとかウィリーとかエンブレのコントロールといったことの裏にはトルクのコントロールがあるんです。あらゆる回転数とスロットルポジションの組み合わせでエンジンがどれくらいのトルクを発生するかを理解して、それで初めてちゃんとしたマッピングができるんです。
 こうしたマピングはコーナーごとに違いますし、リーンアングルでも違います。リアタイヤのプロファイルは丸いですから、タイヤのどの部分が接地しているかで(訳注:回転数が同じでも)リアタイヤからのスピード値は変わるんです。それに加えてタイヤの摩耗も考慮しなければならない。
 オフセットと呼ばれるマッピングもあります。これはタイヤが摩耗してもそれを調整して一定の値になるようにするものです。


CRASH.net:あなたはユージーン専属なんですか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:テストしているときにはユージーンとアレックス(ロウズ)の両方といっしょにやってます。でもレースではユージーン専属ですね。
 レース後はユージーンから報告を直接聞いて、必要な変更をします。プログラムを調整してECUにインプットするんです。
 ライダーはたいてい感覚で話すので、その意味を咀嚼して物理的に何が起こっているのかを理解しなければなりません。ライダーを理解して、彼らがどう語るかをわかってないければいけないんです。僕の大事な技術のひとつですね。
 最初にユージーンと一緒にやったときにはアイルランドなまりがちょっとわかりにくかったですけど、今は彼のことをよくわかってますし、でもユージーンのお父さんは別問題ですよ!


CRASH.net:ユージーンは何を重視するんですか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:彼はエンブレに対しては神経質ですね。ライディングスタイルが2スト乗りっぽいんですよ。エンブレのセッティングには正確さを求めるんです。エンブレがかからない感じでコーナーに入っていくのが好みで、(訳注:バック)トルクをコントロールするのに一番簡単なのはバタフライ弁を開けることですね。
 実際エンブレの良し悪しが一番大事なポイントなんです。コーナー進入が一番タイムを削りやすいし、それ以外でタイムを稼ぐのはなかなかたいへんなんです。
 エンブレが良ければ0.5秒とか稼げるんですが、世界最高のトラクションコントロールでもせいぜい0.2秒違うくらいなんですよ。トラクションコントロールなしで走っても最速ラップにはそれほど影響しないんです。
 トラクションコントロールで大事なのはタイヤを保たせられるということなんです。でもラップタイムにはエンブレの方が影響しますね。ですからそちらのマッピングは凄く複雑ですし、今でも開発は続けています。


CRASH.net:アレックスはどうですか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:ユージーンはトルクの出方もトラクションコントロールもエンブレもがスムーズなのが好きで、一方アレックスはもっとアグレッシブなのが好みですね。とにかくすぐに最高馬力が出るのが好きなんです。トラクションコントロールもあまり入れませんし、エンブレも利かせます。コーナー進入も脱出もアグレッシブで、その分コーナリングスピードは低くて、見た目が派手なんですね。普通のスーパーバイクスタイルですよ。


CRASH.net:ユージーンのスタイルはMotoGP向きだということですか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:ええ、その通りですね。スムーズだしコーナリングスピードも速い。ユージーンはいいシートを探していますけど、彼が残ってくれるといいですね。


CRASH.net:フィリップアイランド以降、パフォーマンスが落ちたのは何か理由があるんですか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:フィリップアイランドはスズキ向きのサーキットなんですよ。ストップ&ゴーではないですし、それがうちのエンジンに向いているんです。ロングストロークで低回転域でもトルクがありますからね。ですからめちゃめちゃパワーが無くてもフィリップアイランドなら速く走れるんです。WSBKでもMotoGPでも同じことが起こっています。
 ラグナセカも似たようなキャラクターのサーキットなんです。だから本当はもっといけたはずなんですがエンジントラブルが発生して、2レース目ではリスタートが何度もあって、ユージーンはあんまりスタートが得意じゃないんですよ。ユージーンはレースディスタンスで力を発揮するんです。
 スタートの問題は実は機械的な問題もあって、ユージーンはスズキのクラッチに苦労しているんです。アグレッシブな使い方には向いているんでアレックスはうまくやってるんですけどね。でも残念ながらルールでクラッチには手を着けられないことになってますから。


CRASH.net:レースを続けるモチベーションはどこから来るんですか?問題を解決したいという欲求か、それともサーキットで競い合うことなのか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:両方ですね。コースに出ればアドレナリンのおかげで、とにかく最後の言ってまでやり尽くそうという気になります。
 工学と数字もでも大事な側面です。レース中のライダーをよく観察して、それとライダーのコメントを比較するんです。レースを見るということはデータを取得するのと同じなんです。
 レース中に新しいマッピングのアイディアを得ることもあります。それでテストベンチにかけてコースでもテストするんです。


CRASH.net:CRASH.netでは「TalentFan(訳注:才能第一)」という投稿者がいて、彼は可能な限りすべての電子制御をやめるべきだと主張していますが、電子制御担当としてのご意見はいかがですか?

ダヴィデ・ジェンティーレ:僕の答えは「安全性」というひと言ですね。
  最近では公道マシンでも電子制御があれば安全になりますし、だからレースマシンに電子制御を載せて悪い理由はないでしょう?
 電子制御の最大の目的は安全性で、スピードが上がるのは副産物なんです。でもスピードが上がればますます安全性は重要になりますからね。


CRASH.net:ありがとう、ダヴィデ。

ダヴィデ・ジェンティーレ:どういたしまして。
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文中マッピングとしているのは原文ではstrategyです。このあたり電子制御に詳しい方、ヘルプ・プリーズ!

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エッセイ:バイクレースは電子制御から解放されるべきか?

電子制御競争がレースマシンの鍵を握るようになってきていいます。パワーの制御だけでなく、燃費制御やトラクションコントロールと多岐にわたり影響を及ぼしている一方、カル・クラッチローがドゥカティの電子制御がいかれたためにひどい目に会ったりロッシは電子制御が介入しないようにスロットルコントロールをしていると言われたりと功罪有り。これについて技術系にめっぽう詳しいKevin Cameron氏がCycle Worldにコラムを書いていますので訳出しましょう。
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ここにいいタイミングでちょっとしたニュースが飛び込んできた。フォーミュラ1の2015年の新技術規定だ。オートモーティブ・エンジニアリング(自動車エンジニアリング学会の機関誌)の最新号によると次のような状況になっているらしい。「ザウバーチームの発表では新たなパッケージには電子制御機器を入れるための新たなスペースが必要とのことである。チームのザウバーC33フェラーリには40か所以上の電子制御用ボックスが組み込まれているが、その内30以上については冷却が必要であるとのことだ」

バイクの電子制御についてもこれまで何度か議論になっている。元々は軍事航空宇宙技術として開発された電子制御が次に民間航空機に適用され、さらには4輪、そして今ではバイクに応用され、コントロール性と安全性を高めるのに役立っていることから、これを歓迎する人たちがいる。

一方で、電子制御をはぎとってしまえ、と主張する人たちもいる。彼らはかつてのマニュアルコントロールが支配的だった偉大な時代の再来を熱望しているのだ。うむ、それは言い過ぎかもしれない。彼らとて別に点火時期や燃調やエンジン暖気といった現在は100%電子的に制御されている部分まで取り除こうとしているわけではないのだ。では「はぎとり派」は何を望んでいるのだろう?まあこれは1950年代を懐かしむのと同じようなものなのだろう。そういう人たちでもポリオの危険や人種差別や冷戦による人類絶滅の危機を懐かしんでいるわけではないのだ。

なんにせよF1を電制制御から解放された地であると言う人がいるが、それは間違いだということは指摘しておきたい。最近導入されたエネルギー・マネジメントシステムを何がコントロールしていると思っているのだろうか。F1は先進的なハイブリッドカーで、ブレーキからエネルギーを回生し、電力を得るためにターボチャージャーを利用し、バッテリーに貯めた電力を使ってタイムラグ無しで加速するためにターボを回している。さらに25kWhのリチウム・イオンバッテリーをコントロールし、ターボの回転をルールの上限である125,000回転に制御している。その上、他の条文で指定されている割合を超えないように貯めた電力を分割するということまでやっている。

燃料の流量も(電子制御で)100kg/時間を超えないよう規制されており、積める燃料は100kg(132リットル)にが上限だ。4バルブ、1.6L、90度V6と指定されたエンジンの再公開点数は15,000回転である。バッテリー/電子制御の組み合わせによるモーターでの出力は160馬力に規制されていおり、1ラップで33.3秒までしか使えない。おわかりいただけただろうか?

これが全部ドライバーの手でコントロールされたらもっとスポーツらしくなるとでも言うのだろうか?

昔ながらの丸い白地で機械式のヴェリアやVDOやスミスのタコメーターとにらめっこをしながらエンジンを15,000回転に、ターボを125,000回転に保つのは可能なことなのだろうか?(つまりメーターは2つ必要ということだ) さらにドライバーは燃料出口に設置された流量計を常に見ながら、しかも手にしたストップウォッチで33.3秒を計りながら走らなければならない(電子制御を禁止するならストップウォッチは機械式だ!)。

さらにさらにその一方でうまいこと設置されたナイフスイッチでドライバーはターボチャージャーが生み出す力を2つの発電機をコントロールしながらバッテリーのチャージとエンジンの吸気の圧縮に切り分けなければならない。もしターボが125,000回転の上限に達したら、ナイフスイッチを器用に操ってバッテリーにより多くの力を供給し、ターボの回転数を抑えるのだ。エンジンの力が足りないと感じたならバッテリーのスイッチを入れてターボの回転数を上げ、8速のトランスミッションを駆使してリアタイヤにパワーを供給する。加速時にはナイフスイッチをさらに頻繁に使ってバッテリーのパワーをターボに装着されたモーター兼発電機に送りターボの回転を上げ、原則時にはスイッチを切り替えてドライブラインのモーター兼発電機を発電モードにして回生ブレーキを作動させる。

ルールでは1ラップごとのエネルギーをメガジュールというあまりなじみのない単位で記載しているため、伝統を重んじる人たちはこれをハロンあたり何ブッシェル(訳注:1里あたり何貫目ぐらいな感じでしょうか)と換算したがるかもしれない。しかしそれも電卓を使ってはいけないのだ。電卓は「電子」計算機なのである。電制制御を使わないということは計算尺を使うと言うことだ(私は大丈夫だ。今でもK&Eのlog-log二重式計算尺を持っている)。

一方でドライバーが見るのはエンジン温度やらオイル温度やら発電機温度やらインタークーラー温度やらバッテリー温度やら交流可変周波数制御発電機の温度やらバッテリーの状態やら残燃料やらその他の無数の数値を現代人が「蒸気式計器」を呼ぶような巨大なダッシュボードで見続けなければならない。もしどれかがオーバーヒートしたらドライバーは1940年代式の可変抵抗器を使って冷却ファンに電気を供給しなければならない。なぜドライビングを1952年まで巻き戻さなければならないのだ。B36爆撃機のような10発エンジン機の航空機関士兼パイロットになるようなものだ!適切な油圧のために目を凝らして見張りを続けろとでも言うのだろうか!

まあちょっとおもしろがりすぎたかもしれない。申し訳ない。しかしこれが現代の乗り物で起こっていることなのだ。40もの電子制御機器用ボックスの意味がそこにある。
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うーん、ここまでお読みいただいた方には申し訳ないですが、ちょっとやりすぎな記事ですね。すみません、すみません。

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アマチュア写真家はプロと作品を比較すべきか?

海外でも結構いますが、日本のサーキットでは長い望遠レンズを構えたカメラ好き/写真好きが観客席にたくさんいます。マダムこと私の妻も300mmにテレコンつけてサーキットをうろうろしてたクチですが、なかなかいい写真が撮れないって悩んでました。そんなアマチュア写真家のみなさんへのプロからのメッセージです。MotoMatters.comでお馴染みのScott Jones氏のコラムをPHOTO.GPから。
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最近私はある友人と話をする機会があった。彼は今年のシルバーストンで撮ったMotoGPの写真が私の写真のように見えないのだとがっかりしていたのだ。パブで飲み食いしながら私がラップトップでその日に撮った写真を選択している最中、彼としばらく話をした。彼は私の隣に座っていたので、私がAdobeのLightroomでその日の写真にキーワードを付け、写真を選び、そして私のWeb上の顧客に送るまでの一部始終を見ることができた。

彼が同じ日に撮った写真と私の写真との最大の違いはフォーカスである。環境は同じだ。少なくとも天気や光の加減などに違いはない。しかし私の写真リストは捨てる写真が少ないのだ。

彼は私のプロ用機材がどれくらい関係しているのか、そしてお金さえあれば私のような結果を得られるのかについて聞いてきた(彼はキャノンの100-400mmLレンズキャノン7Dを持っている)。さらに彼は私にコースサイドに入る許可証がどれくらい関係しているのかについても尋ねてきた(私たちが話し合っていたのはコースサイドの写真のことだ。彼はピットレーンでは写真を撮る術がないのだから)。どれくらい落ち込むべきなのかとか、彼が週末に撮った写真を私のものと比べることにどれくらい意味があるのか、といったことが議論の中心だった。

そういうことを考えている熱心なアマチュア写真家は彼だけではないだろう。そこで私はここにその時の議論のポイントを書き留めておくことにした。この話に聞き覚えがあるなら、たぶんあなたはプロではなく真剣に取り組んでいるアマチュアだと思う。真剣なアマチュアとはモータースポーツの現場に自分でそろえられる最高の機材を抱えて駆けつけ、週末中全力を尽くすという意味だ。状況が許す限り最高の写真を撮ろうと努力しているに違いない。

その前提の上で、あなたが興味を持ちそうな私の見方を書いておこう。

コースサイドへのアクセスと機材の良さは確かに写真の質を左右する。コース上の被写体により近づけるということはフレーム内で被写体が大きくなるということであり、データ量も豊富になるということだ。もし被写体(2輪でも4輪でも)が遠すぎればその被写体はぼやけ、細かい部分はつぶれてしまう。被写体に割り当てられるピクセル数が少なくなるからだ。さらに対象がカメラから遠いと空気のせいで画像が歪むのである。暖かい日には特に問題となるが、涼しくて天候が穏やかで、くっきりした写真が撮れると思っても、空気によって歪んでしまうことがあるのだ。

コースサイドにアクセスできるということはたいていは(いつもとはいかないが)フェンスやその他の邪魔者を回避できるということでもある。フェンス周りで写真を撮ろうとするとなかなか苦労するものだ。それがないというのはかなりのアドバンテージである。さらに許可証を持っていればコースを様々な視点から撮影できることになる。フェンスの後ろからではなかなかライブ感に満ちた写真を撮ることは難しいとは言えよう。

機材についてはどうだろう。6,000ドル(訳注:65万円)のカメラが2,000ドル(22万円)のカメラと同じだったら、6,000ドル払っている我々は馬鹿者ということになる。9,000ドル(100万円)のレンズと1,500ドルのレンズを比べた時にも同じことが言える。300ドル(3万円)のレンズについては何をか言わんやだ。

しかし電子的な製品の常として、価格/パフォーマンス比で見ると、高価格帯では価格の上昇ほど性能は上昇しないものだ。つまり最高のものを手に入れるための追加投資は、最初の投資とは比べものにならないほど多くなるということだ。

何年か前、私は非常に成功し技術もある(成功と技術は必ずしもリンクはしないのだが)4輪レースカメラマンに会ったことがあるのだが、彼はカメラ本体については実にユニークなアプローチをしていた。最高のキャノンを2年ごとに買うのではなく、最新型のセミプロ向けを2台買っていたのだ。そしてそれを1年使うとebay(訳注:ネットオークションサイト)に出品し、次のシーズンにはまた最新のミドルレンジの本体を入手していた。

それほど高名な写真家がキャノンのフラッグシップを使っていないことに驚いたが、彼はそれはお金の無駄だと切って捨てたのだ。彼の好みのミドルレンジの本体は5年前に使っていたプロ向けより性能が良く、当時よりいい写真が撮れるということなのだ。さらに価格はずいぶん安く、現金払いで買えるとも言った。もし深刻な問題があれば新型を買えばいい、そうすれば高い機材の修理のために時間と金を費やし無くて済む、というのが彼の主張なのだ。

つまり私の最初のコメントに関して言えば、2,000ドルではなく6,000ドルの本体を買うのはバカバカしいということである。個人的には最後のちょっとしたパフォーマンスのひと伸びがほしいのだが、それが個人的趣味なのか実際に仕事として要求されているかについては私にもわからないというのが正直なところだ。実際最高価格のカメラにできて安いカメラにできないことはあるのだ。しかしたいていの場合、特に4輪であればミドルレンジを買うというのは悪い考えではないだろう。

私の経験ではニコンD300D300Sでスピードの速いバイクを撮るよりもD3D4で撮った方が明らかに良い結果が出せた。フォーカシング性能がより高いのである。4輪も2輪も撮っているが、4輪の方がカメラの性能が低くても大丈夫なようだ。これは4輪が2輪よりはるかに大きいこと、つまりオートフォーカスが利きやすいためであると私は考えている。さらに同じ距離からなら4輪の方が大きいために被写体のデータ量が多くなるということもある。4輪のコーナリングスピードが遅いということもあるかもしれない。焦点を合わせやすいのだ。カメラマンからすれば大きな被写体を追いかけるのはより簡単だし、いい写真が撮りやすいということである。

だから4輪の写真を撮るならミドルレンジでも十分かも知れないが、バイクレースでうまくいくかどうかは難しいところだ。個人的にはMotoGPのコースサイドから撮るならD4やD3Xの方がD300より満足度が高い、ただしピットレーンでは話が別だ。D300やD300Sでも美しい写真が撮れるのである。

D300とD300Sの名誉のために言っておくと、私はコースサイドでも両方を使っている。以前はD700でいい写真が撮れていたし、今の方がより良い写真を撮れている。2〜3年もすればD4やD3Xでもっといい写真が撮れるだろう。経験がものを言うのだ。私はD300やD300SよりD4やD3Xの方が慣れているのだ。

これこそが私が最後に言いたいことである。プロとアマチュアを比べるというのはどういうことかというと、要するに大事なのはどこから撮れるかとか機材がどうこうではなく、経験の差なのである。

冒頭に挙げた私の友人は確かに熱心な写真家ではあるが、毎日の仕事は写真とは何の関係も無い。彼はMotoGPや国内選手権に時々出かけて写真を撮っているだけなのだ。だから彼がどれほどモータースポーツ写真を愛していて、撮影を楽しんでいても、年間5回ほどしか機会がないのである。

私の考えではこれが彼や彼と同じ境遇にあるすべての人が自分の写真をプロと比べて落ち込みすぎる必要がないという理由だ。

私が本気でMotoGP写真を撮り始めて以来、何万コマもの写真を撮ってきた。さらに現像にも多くの時間を費やしてきたし、何が間違いだとか、どうすればもっと良くなるのかについて研究し続けてきた。自分が尊敬する他の写真家の写真も研究した。いろんな実験をして技術も磨いてきた。その時々で手に入れられるカメラで、オリジナルの写真ができるだけよくなるようにしてきたのだ。そしてコンピュータを使って現場での失敗をカバーしながらよりよいものを作ろうと努力している。

嫌な気分になりたければ、あなたの機材をプロのMotoGPカメラマンに渡して、週末中、彼/彼女をフェンスの観客席側においてみるといい。プロならあなたと同じ機材であなたが立ち入れる場所から全然違う写真を撮ることに賭けてもいい。テクニックと、たぶんもっと重要な決断力が違うのだ。

例えばジジ・ソルダーノにミドルレンジの機材で写真を撮らせたとしよう。彼が撮る写真はやはり素晴らしいだろうことは疑いもない。確かに彼がコースから1mのところで撮った写真とは違うだろうが、やはり素晴らしいものになるはずだ。彼が撮る写真はコースサイドへのアクセスやプロ用のニコンとは全く違うところにその意義があるからである。

だからもしあなたがこないだのGPで撮った写真がプロの撮ったものとは全然違っているからとがっかりしても、一晩でそれを解決するためにプロ用機材にお金を注ぎ込むなどとは考えないでほしい。観客席のフェンスの内側に入るつてを探すのも意味はない。根本的にあなたの写真を変えるには自分の機材を今よりもっと知性と愛情をもって使うことである。私が言いたいのは、いつ、どこにカメラを向けるか、そして自分のほしい画を撮るためにどうセッティングを決めるかということに精通すべきだということなのだ。そしてシャッターを切っているときに、どうカメラを動かすか(またはどう固定するか)をよくわかっているべきである。

そうしたことを身に付ける最も確実な方法は、考えながら練習するとことだ。ただたくさんシャッターを切ればいいのではない。そんなことをしても出かけて何千枚も写真を撮って、でも何の目的もなくやる。それではだめだ。考えながら写真を撮る。次に撮る写真がどうなるといいか、明確なイメージを持って撮る。そうしながら何がうまくいって何がうまくいかないかと試していく。そうすれば次にどうすればいいかがだんだんわかってくるのだ。たくさん学べば、気付かないうちにそれだけいい写真が撮れるようになる。そしてシャープな良い写真が撮れるようになるのだ。

その頃にはピントの合っているだけの写真では満足できなくなるだろう。ピントの合っている写真はいくらでも撮れるようになる。そして自分の写真にもっと別のものがほしくなるのだ。そうなって初めて写真が本当に面白くなり始めるのである。

リンク先の写真ニコンD4ニコン500mm f/4.0
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まあ身も蓋もない結論っちゃー結論ですが、それでも「考えながら撮れ」というのはとても正しい気がします。昔と違ってデジタルなんで試行錯誤にフィルム代を犠牲にする必要はありませんから、いろいろ考えながらやるのがいいんでしょう。ちなみに私は(マダムに影響されたのもあるけど)「写真は構図と影で決まる」説。

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MotoGPマシンでの身長の限界ってどれくらい?

Moto3やMoto2では身長の高いライダーは、体重のこともあるし空力的にもなかなか辛いというのは周知の事実ですが、MotoGPの場合はどうなんでしょう。そんな記事をCRASH.netが書いていますので訳出。なかなか興味深いです。
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チーム・アスパーが身長の高さを理由にロリス・バズをあきらめたらしいというニュースでライダーの体格についての議論が再燃している。

ワールドスーパーバイクで勝利経験のあるバズの身長は1m92cm。フランス人の彼をホンダ製オープンマシンで走らせるという契約素案でサインまで交わしたにもかかわらず、チーム・アスパーはバズがストレートで遅く、マシンにフィットしていないではないということを問題にしたというのだ。

バズの体格についてはもっと前からわかっていただろうに、という問題はさておき、チーム・アスパーは既に身長の高いライダーをRCV1000Rに乗せて走らせている。ニッキー・ヘイデンの代役であるレオン・カミヤーだ。彼はこの状況を考えれば素晴らしい仕事をしていると言えるが、1m89cmという身長はバズよりわずかに低いだけだ。では問題はどこにあるのだろうか?

カミヤーは言う。「バズにとって身長が不利になったとは思いませんよ。でも僕ぐらいが限界でしょうね。
 ステップに足を乗せて座った状態ではニッキーと10mmしか違いませんし、バズもそんなもんでしょう。でもハンドルも10mm遠くしなければならない。そこが問題なのかもしれませんね。尻からスクリーンまでの距離が問題になるんです。
 ハンドルはこれ以上遠くはできないんですよ。カウルに接触しちゃいますからね。僕もぎりぎりで、だから彼もたいへんだと思います」

身長は空力にも悪影響を及ぼす可能性がある。さらに身長に伴って重くなる体重も加速やブレーキングで不利に働くことになる。

「走り出せば気持ちよく乗れますし、コーナリングもうまくいくんですけど、まあ体重は助けにはなりませんね」とカミヤーは続けて言う。
「マシンとライダーの合計体重で最低重量を制限しないのはおかしいですよね。だって実際に違いがでるわけですから。15kgとか20kgとか重い状態でマシンを止めようと思ったら、そりゃ辛いですよ。流れるようなコースではいいですけど、ストップ&ゴーのサーキットだと明らかに違うんです。

しかし身長とか体重はファクトリークラスのヤマハとかホンダのライダーにはそれ以上に影響する。使えるガソリンがオープンクラスより4L少ないからだ。ファクトリークラスで一番背が高いのはモビスター・ヤマハのヴァレンティーノ・ロッシだが、彼の身長は1m82cmで体重は65kgだ。

「バスケットボールなら背が高くてもいいでしょうけど、MotoGPでは大きな問題になりますね」とロッシは言う。僕はかなり背が高いですけど、まあ幸いにも体重はそれほどでもないんですよ。
 でもこれ以上太らないように相当気を付けているんです。5kgも太ればラップタイムで0.1秒くらい変わってくるんですからね。本当ですよ。だから他のライダーと同じレベルで走るには他の部分でよっぽどがんばらないといけないんです。
 僕ぐらいがMotoGPでは限界じゃないですかね。でもバズやカミヤーはもっときついでしょう。燃費にも響きますからね。体重が重ければその分だけガソリンも使う。つまりマシンがどんどん遅くなるってことなんです。背が高いライダーはみんなそこで苦労するんですよ」

身長の高いライダーには朗報かも知れないが、2016年から導入される統一ECU(ソフトウェア)ではヤマハとホンダへの燃費制限が緩められるのだ。ロッシはこれが今後の躍進の鍵になると信じており、ヤマハのエンジニアが燃費を良くしてくれたことが今年の復活の鍵だったとも考えている。

「去年はチェッカーを受けてすぐガス欠したことが2〜3回あるんです。20Lで走るというのは、身長と体重で二重に不利になるということなんです。ですから背の高いライダーにとって2016年にもっとガソリンが使えるというのはいい話ですね」

チーム・メイトのホルヘ・ロレンソはロッシよりわずかに軽いだけだが身長は9cmも低い。

ロレンソは言う。「ホンダはいちばん小さいマシンなんでバズが乗ったらたいへんでしょうね。でも彼は才能もあるし、ストレートの加速で不利になる分コーナーで取り戻すことができるでしょう。マルコ(シモンチェリ:183cm)が2011年にやってたみたいにね。まあわからないですけど、彼にチャンスをあげてもよかったんじゃないでしょうか」

ドゥカティに乗ってワールドスーパーバイクで活躍しているチャズ・デイヴィスはGPでも3クラスを走っている。彼は183cmで70kgあった。

「サイズはMotoGPでは特に問題ですね。メーカーはずっと小さいライダー向けにマシンを開発してきたんです。スポーツとして見たときにもあまりいいことではないと思いますね。でもそれって今に始まったことじゃありませんから」とデイヴィスはCRASH.netの取材に対してミサノでこう答えている。

「背が高いと有利なこともあるんですけど、小さいことの有利さに比べたら大したことじゃないですね。ダニほど小さくなくてもいいですけど、マルケスやロレンソくらいの大きさならいいでしょうね」

ペドロサは1m60cm・51kgで、チームメイトでチャンピオンのマルク・マルケスは1m68cm・59kgだ。ホンダ/ヤマハのファクトリーマシン勢には2015年にスコットレディング(1m85cm・78kg)、カル・クラッチロー(1m70cm・69kg)が加わることとなっている。
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軽ければいいもんじゃないとHRCのリヴィオ・スッポが言っていたので、それぞれ悩みはあるということでしょう。ちなみに2011年のMotoMatters.comの記事ですが、ライダーの身長・体重リストはこちら

ちなみにカルの身長は165cmが本当だと思います。

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ジャック・ミラーについて知っておくべき5つのこと

ルーチョ・チェキネロがカルを差し置いて彼が第1ライダーだよとまで言うほど(LaChiricoさんのイタたわGP)期待が大きいジャック・ミラーについて、RedBull公式が記事をリリースしているので訳出。
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2015年にジャック・ミラーがMotoGPに参戦!カリスマオージーとのバトルを覚悟せよ!

ジャック・ミラーが来年MotoGPに参戦することが公式発表された。ついに最高峰クラスでその技量が試されることになる。

様々な憶測が飛び交い、メディアが右往左往し、その裏で着々と準備が進められ、ついにMoto3のランキングトップのミラーが2015年にCWM LCRホンダのセカンドライダーとして走ることが発表された。

ミラーが乗るのはホンダRC213V-RSというオープンクラスマシンである。彼はMoto2を飛ばしていきなりMotoGPに参戦することになったのだ。

19歳の彼のこの2年ほどの進化はめざましいものだ。これは山ほどのハードワークと才能の賜である。RedBull.comは彼の5つのキーポイントをまとめてみた。


心の底ではオフロードライダー

オーストリアでミラーがバイクに乗り始めたのはダートトラックとモトクロスだ。ダートトラックでは4度の国内選手権タイトルを手にしている。

「農場で木に衝突したりしてたんですよ。ロードレースで走り始めたのはそのずいぶん後ですね。いつでも110%で取り組んでいますが、これもモトクロスで身についたことなんです!」

彼のアイドルは同じオーストラリアのチャド・リード(訳注:AMAスーパークロスのチャンピオン)だった。そして10代の内に別のことがしたくなりロードレースに転向したのだ。


ものすごくいい奴!

カリスマという言い方はミラーの性格を言い表すには退屈すぎる言葉である。思った通りのことを口にし、笑うことが大好きで、いつも楽しんでいる。もちろん完璧なプロフェッショナルでもある。他のライダーが時間をかけて苦労しながら絶妙なバランスをみつけようとしているのを尻目に、ミラーはすぐにそれをみつけてしまうのだ。

彼は同時にいたずら好きでもある。まだ若いにもかかわらずなかなか厳しい状況をくぐり抜けるために編み出した生き方なのかもしれない。例えば彼が子供の頃、両親にモトクロスを禁止されたときのことだ。

「パパとママが1週間ほど出かけるんでベビーシッターを頼んだとき、最初のレースには出ないようにと言われたんです。だから僕はそのベビーシッターにお願いしてプールの水を抜かせてもらってスケートリンクを作っちゃいました」


ケイシー・ストーナーとは様々な共通点が

これはおきまりのパターンに見えるかも知れない。若く才能のあるオーストラリア人ライダーで、しかもとても速く、トップに立つことを運命づけられている。しかしもっと奥底の部分で似ているところがあるのだ。

ストーナーと同様にミラーはクイーンズランドの海岸沿いの自宅の牧場でダートバイクを始めている(ストーナーの場合は農場だ)。どちらも和解時kにヨーロッパに渡り(ミラーは15歳、ストーナーは14歳)レース界で夢を実現しようとした。どちらの家族もその夢のために様々なことを犠牲にしている。

ミラーの最初のMotoGPレースである来年のカタールでは、ストーナーと同様にLCRでホンダに乗ることになる。

ミラーのチーフメカのクリスチャン・ガバリーニは2007年からストーナーが引退する2012年まで彼のチーフメカでもあった。


道は長く険しい

ミラーがトップに立つまでには様々な苦労があった。多くの試練に見舞われており、彼は14歳になるまでに既に27回の骨折を経験しているのだ。

ミラーは苦難の年であった2012年終わりには世界選手権から離れなければならないところだった。レースを続けるために彼の家族は多くの犠牲を払っている。だからこそ今回MotoGPへの参戦がかなったことは大きな喜びだろう。

「ここまでくるのは本当に戦争だったと言ってもいいくらいです。血と汗と涙の結晶で、両親もいろんな犠牲を払ってくれました。家を抵当に入れるとか、ほんとうにいろいろやってくれたんです」


ジャックはロック好き!

スターティンググリッドではAC/DC(訳注:世界的に有名なオーストラリアのハードロックバンド)を聞いている。そして・・・、

「僕はロックンロールな人生が大好きなんですよ。だからモーターヘッド(イギリスのハードコアメタル/スラッシュ/パンクバンド)のレミーとかが好きなんです。まじでハードコアロックな奴らはハードな人生を送るんですよね」

良く言った!
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へー、モーターヘッド好きなのか〜。
でも意外な苦労人なんですね。応援しがいがあります。

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ジェレミー・マックウィリアムズへのインタビュー

カーボンモノコック+スイングアーム付きサスというMoto2にあらまほしい珍妙マシンでシルバーストンにワイルドカード参戦。土曜の転倒で鼻骨を骨折するも不屈の闘志で決勝出場、ダコタ・マモラを上回る29位でゴールしたジェレミー・マックウィリアムズ(御年50歳)へのインタビューです。CRASH.netより。
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CRASH.netはヘレスのワールドスーパーバイクでジェレミー・マックウィリアムズにインタビューを行った。革新的なブラフ・シューペリアでのシルバーストンMoto2ワイルドカード参戦について語ってもらったのだ。そして若いライダーへの支援についても話してくれた。
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CRASH.net: シルバーストンについてですが、どうしてGPに復帰したんですか?

マックウィリアムズ:よく聞かれるんですが、あれほど革新的なマシンを見たらね。それにMoto2にこうした新アイディア満載のマシンが参戦するのは主催者としてもうれしいでしょ。もちろん新しすぎるとも言えるし、もっと速く走るには時間が必要ですけどね。
 まあブラフ・シューペリアも地元に戻ってフロント周りのテストをもっとしなきゃいけませんけども。一晩でなんとかなるとは思いませんが、半年もあればなんとかできるでしょう。来年はMoto2にフル参戦したいと彼らも考えているし、いろいろ考えなきゃならないことがたくさんありますね。
 根本的に変えなきゃならないこともありますよ。でもうまくといいと思ってますし、テイラーメイド(マシンの製作会社)とブラフ・シューペリアはWILスポーツ(ニュージーランドのスポーツマネジメント/スポンサー集め会社)にコンタクトしてるみたいですしね。
 シルバーストンで良かったのはWILスポーツのフィルとシェリルがプロジェクトの関係者に会ってくれたんで、ブラフ・シューペリアがシルバーストンであのすごいマシンを走らせた次のステップが見えてきたということですね。


CRASH.net:日本のMotoGPのテストライダーが全力でマシンを走らせて、実際のレースでの限界近くの走りからデータを集めるような感じだったんですか?

マックウィリアムズ:そうですね、そんな感じです。彼らがテストしていたのはアメリカで、大したことのない選手権だったんです。そこではかなり良かったんですが、Moto2では厳しかったですね。僕にしてからがこのクラスで走ってみてびっくりしたんですから。本当に厳しいクラスなんですよ。ヨーロッパ・ジュニア選手権のトップ5とか6のレースが全体で行われているようなものなんですからね!
 何かをデータを得ようと思っていたわけじゃないですし、それは参戦前にテストでちゃんとやっておくべきことなんです。でもなかなかうまくはいかなかったですね。僕が戦闘力の劣るMoto2マシンで復帰するというのがみんなに注目されてしまったんのもありますね。
 テストではあんまりいい結果を得られなかったですけど、本気で誰も走ったことがないわけですし、107%(訳注:予選タイムがトップの107%を超えると決勝に出られません)をMoto2でクリアするのは初めてこのクラスを走るライダーには本当にたいへんなんですよ。いいマシンでも107%はたいへんなんです。だってカリォとかラバトとかヴィニャーレスが前にいるんですよ。しかも信じられないタイムを出してくるんです。
 ティトをアルメリアで見てみたんですが、34秒台ってなんですかねえ。トム・サイクスが240馬力のスーパーバイクでテストで出したタイムが34秒台なんですよ!もう落ち込みましたけど、自分から首を突っ込んだんだからなんとかしなきゃいけない。だってチームにとってはデータを収集して前に進むしかないわけですからね。
 この件に関しては何も後悔していませんよ。だってこのプロジェクトを前に進めることもできたわけですし、将来への道も開けたわけですから。これからもかかわっていきたいと思っています。


CRASH.net:ベルファストのクイーンズ大学のチームでレースをするのとはどう違うんですか?メカニカル・エンジニアリング学部がGPで速ければとてもおもしろいと思うんですが。

マックウィリアムズ:昔は散々テストをして戦闘力が証明できたパッケージで参戦できたんです。メカニカル・エンジニアリング学部はやる気があって、担当教授のロバート・フレックががんばってくれました。僕がアイルランド選手権やイギリス選手権やヨーロッパや世界GPで戦っているときにずっと助けてくれました。
 当時良かったのはスポンサーが見つけやすかったってことですね。それにオーストラリアやアメリカの協力会社ともうまくやっていたんで、インジェクションシステムをレースに持ち込めたんです。そういった共同作業は今は難しくなっていて、今ではWILスポーツやPataがいなければそういうことはできないですね。


CRASH.net:ブラフ・シューペリアでのMoto2プロジェクトの話はこれくらいにして、今はワールドスーパーバイクのパドックで忙しそうにしてますけど、何をやってらっしゃるんですか?

マックウィリアムズ:シルバーストンに参戦したのにはWILスポーツがからんでいたということもあるんです。彼らはうちのストック・チームとカイル・スミスをサポートしてくれてるんですよ。WILスポーツがいなければ参戦できなかったですね。そこがWILスポーツの狙いでもあるんですが、若いライダーをヨーロッパや世界のレベルに連れて行きたいと思っているんです。


CRASH.net:ではここでWILスポーツのディレクターのフィル・ロンドンに来てもらいましょう。どうしてバイクレースに関与しはじめたんですか?ニュージーランドのライダーをヨーロッパに連れてくるとか、他にも理由はあります?

ロンドン:ニュージーランドではWILスポーツは他の分野で才能ある、でも全国レベルや世界レベルに打って出るリソースを持たない若いアスリートを支援しています。
 バイクレースに関しては私の息子とその友達が始まりですね。ヨーロッパ・ジュニア選手権(EJC)の初年度までスポンサードしていました。4年前のことです。私の息子はいつもバイクに乗りたがっていて、でもうちの家族はレースをやったことが無かったんです。EJCにかかわったおかげで、ライダーをヨーロッパに連れて行くことが費用対効果が最も大きいことがわかったんですよ。
 フェルナンデス一家(アウグスト・フェルナンデスはEJCのランキングトップ)とカイル・スミスを今は支援しています。チャンスが来たときに、どうやって彼らをサポートできるか考えちゃいましたけどね。うちはスポーツエージェンシー(訳注:代理人会社)ではないのでライダーには今後のキャリアについてのちょっとした手助けができるだけなんです。


CRASH.net:そのお金はどこから来るんですか?

ロンドン:ニュージーランドでは不動産会社も経営していて、それが資金源になってます。同じ気持ちの人々と一緒にやるのは素晴らしいことですが、そこから利益を得ようとは思っていません。そういう会社ではないんです。うちがかかわるライダーやその家族に関しては「NA」ポリシーってのがあるんですよ。「No Assholes(訳注:やな奴にはならない)」ポリシーなんですけどね。
 うちがサポートしているライダーが全員世界チャンピオンになるわけじゃないですけど、この世界で相当いいところまでいけると思っています。次のニュージーランド人かオーストラリア人のチャンピオンを育てたいですね。スペイン人やポルトガル人がここでワイルドカード参戦してますよね。カイル・スミスとかもそうですが、彼らにはチャンスが必要なんです。


CRASH.net:こんどはジェレミーにお聞きしますが、カイル・スミス(去年Moto2に9戦参戦しただけでGPから離れ、今年はスーパーストック1000で2勝している)をGPで走らせたいと考えているんですか?

マックウィリアムズ:カイルをどのように育てていくかについては既に話しをしているんです、彼はひっぱりだこのライダーだし、他のチームもほしがっていますからね。でもカイルを他のチームには渡したくありませんし、彼を他のライダーのお手本にしたいんです。うちが育てて強くなったライダーを若いライダーが見てくれれば、彼らにもモチベーションになりますよね。だから来年もカイルにはうちのチームにいてほしいと思ってます。

ロンドン:ジョナサン・グリーンがコメントしてくれたんですが、うちは昔ながらのアマチュア的忠誠心というものを持ち込んだんだそうです。つまりライダーをきちんとサポートして、もう君はクビだからって今風に言われない環境を提供すれば、ライダーは翌年以降のことを心配することなく走れて、レースに集中できるんです。

マックウィリアムズ:ライダーの視点から言うと、最近のこの業界はライダーには生きにくくなってますね。ウェッブ記事でも、どこかのライダーがパフォーマンスが悪いからクビになったとかいうのをよく読みます。
 まあそういう風潮はGPから始まったんでしょうけどね。一定の成績に達しなかったら契約破棄みたいな条項が入ってますからね。でもそういうライダーこそ助けてあげなければいけないんです。成績が悪いからといってライダーを見捨てることはうちはやりません。大事なのはベストを尽くしているかどうかなんです。


CRASH.net:故郷の北アイルランドでゆっくりして、こうしたプロジェクトにかかわらないでいることもできると思うんですけど、どうしてパドックに戻ってきたんですか?

マックウィリアムズ:何もやることがないというのが辛いんですよ。EJCにも何年もかかわっていますしね。スーパースポーツでも(リヴァモトで)忙しかったですし。でも両方は無理でしたね。スーパースポーツが一段落して、今年はEJCとストックの両方に手を広げてますが、とても楽しんでいます。
 それで手一杯で週末は本当に忙しいですけど、本当に楽しいですよ。雰囲気もいいし、仕事をするにはいい場所です。ここのパドックも大好きですよ。MotoGPも楽しかったですけど、スケールは大きいし、何もかもが20倍の値段なんですよ。ここはまだいいですね。楽しいし、チームは家族みたいですから。

ロンドン:あとジュニアの選手がトップレベルのライダーに会えるというのもいいですね。ジェレミーが来てくれるなんてすごいことですし、でもそれだけじゃなくてワールドスーパーバイクとワールドスーパースポーツからゲストを招いてトークショーもするんですよ。

マックウィリアムズ:私が感銘を受けたのはキーナン・ソフォーグルなんですけど、彼が話に来てくれたんですが本当にすごいですよ。EJCのライダーの名前を全員言えたんです。レースもよく見ているし、それによく覚えている。どのライダーがいつトップに立ったかとか言えるんですよ。みんなびっくりしてましたね。黙って耳を傾けてたけど、彼がそんなに近くでレースを見てくれてることは信じられなかったみたいです。
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やっぱ、お金持ちにはどんどんレースに投資してほしいですよね。

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コラード・チェッキネリへのインタビュー:MotoGPの統一ソフトウェアの目的?公道で使えるようにするためです

統一ECU(電子制御ユニット)ソフトウェアが2016年から導入されます。これについては賛否両論で、ホンダに至っては今年2月段階でHRCの中本修平副社長が「自前ソフトを使えないなら撤退する」とまで言ってます(ワークスライダーとの契約状況を見るとまあそれはなくなったようですが)。というわけでMotoMatters.comがMotoGPの技術ディレクターであるチェッキネリ氏に諸々インタビューを行っているので訳出。
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2016年からMotoGPクラスのマシンは全て同一種類の統一電子制御ソフトウェアを使うことになる。ソフトウェアの開発はMotoGPに参戦するワークスがコードと要求仕様をひとつのウェッブサイトに提供する形で協働して行っている。ここまではよく知られていることだ。しかし私たちが知らないことでいろいろ興味深いことがある。どんな技術に対応しているのか?どんな機能があるのか?ソフトウェアはどれくらい優秀なのか?開発プロセスはメーカーとドルナのどちらが主導しているのか?

その答えを求めてMotoGPの技術ディレクターであるコラード・チェッキネリにシルバーストンでインタビューを試みた。彼は現在統一または共通ソフトウェアと呼ばれるものへの移行管理を行っている。チェッキネリは開発プロセスの管理や共通ソフトウェアの目的の定義を行い、すべての参加者にとって公平なものになるよう日々努力しているのだ。

長いインタビューだが実に興味深いものになった。様々な話題について話をしてくれたのだ。開発プロセスのロジスティクスから、使用できる技術、彼がこのソフトウェアの目的と考えること、そしてプロセス管理の方法等についてである。チェッキネリは共通ソフトウェアがどのように開発されているのか、そしてそれをどのように管理するのかの詳細について語ってくれた。開発は協働して行われているが、一部のファンが望んでいるのとは異なり誰もがそのコードにアクセスできるようなオープンプロセスではないとのことだ。

そしてチェッキネリはソフトウェアの将来についても語ってくれた。サーキットでの使用だけでなく市販車への適用も考えているという。ソフトウェアの目的はMotoGPレベルの電子制御エンジニアなら誰でも最高のパフォーマンスをこのソフトから引き出せるようにすること、つまり極端に複雑なソフトウェアを運用するための秘密の力は必要ないということである。独立したチームやワークス以外のチームでも使い易いということであり、彼らでも最高のポテンシャルを引き出せるようになるのだ。オープンカテゴリーを走らせるチームが今年初めのセパンテストで問題にしていたのはこの点である。このとき彼らに渡されたのは非常にパワフルだが極端に複雑なソフトウェアだった。そのアップデートはすぐに取り下げられ、従来型ソフトウェアの進化型に置き換えられることになった。

チェッキネリの考えでは共通ソフトウェアは市販の公道用マシンにも適用できるものにしたいということだが、これも興味深い話だ。サーキットで開発された技術が直接市販マシンにフィードバックできるようにするというのがその目的である。これは技術に制限をかけるということではなく、むしろすべてのライダーに恩恵を与えたいということなのだ。トラクションコントロールやエンジンブレーキ制御も排除しないが、それは市販マシンへのフィードバックを考慮して、乗りやすさのために使われることになる。共通ソフトウェアでもコーナーごとのセッティングが可能となる見込みだが、チェッキネリはこれを排除すべきだと強く考えている。もっと別の領域を開発すべきだというのだ。チェッキネリは強く主張していたが、その目的はメーカーが極端なパフォーマンス競争に陥らないようにし、むしろライダーに乗りやすいパッケージを提供するよう方向性を変えるためなのだ。チェッキネリは共通ソフトウェアでメーカーが注ぎ込む費用が削減できるとは考えていないが、それでもMotoGPに直接関係ない電子制御開発に注ぎ込んだ多大な投資からのリターンを減らすことが目的なのだとも語っている。

まずは開発プロセスの話と、現段階でどの程度まできているかについてから話が始まった。

MotoMatters.com:私の理解ではチャンピオンシップソフトウェア(訳注:統一ソフトウェア)はマニエッティ・マレリ社がメーカーと一緒に開発していますが、今後はどのメーカーも情報提供ができる協働用ウェッブサイトが使われるようですね。まずはこのプロジェクトはどこまできているんでしょうか?

チェッキネリ:おっしゃったような話は現時点ではまだアイディア段階にすぎません。プロジェクトにたずさわっている私からすると、ある種の自然淘汰をソフトウェアに対して行っている所です。アイディアはありますし、マレリの人もアイディアを持っているでしょうから、まずはこちらから考えを伝えているんです。というか、そうした進化はエンドユーザーの希望にもよるんですよ。エンドユーザーってのは2016年に参戦する全メーカーってことですね。で、確かに計画としてはプロセスをもっと正式なものにして、共有しつつ公正さを確保することは必要です。そこでSharepointサーバにそのためのツールを確保しています。これから許可された人しか入れないを構築して、要求をインプットしたり、それを評価したり、その要求を取り入れるかどうか決めたら優先順位を付けて、それを公表します。で、みなさんに進捗状況をお知らせするということになります。
 現行のオープンマシン用ソフトウェアがベースとなっていますけどまだそれほど洗練されたやり方ではないですね。まだただのメーリングリストですよ。


MotoMatters.com:バグ対策ソフトみたいな感じですね・・・。要求はすべて共有するんですか?それとも基本的には共有しないで、評価後に初めて共有することになるんですか?

チェッキネリ:もし我々に検討してほしいのであれば、要求はすべてこのサーバに置かれることになります。ですから自動的に共有されることになりますね。でも共有といっても許可されたメンバーだけが共有するものであって、1メーカーにつき1人か2人になるでしょう。ウェブサイトは公開しませんし。これについてはサイト内の制限区域で行われることになります。


MotoMatters.com:つまり完璧なオープンソースというわけではないのですね。私がそのサイトに行ってもコードはみられないと。

チェッキネリ:それは無理ですね。でも参加者ならできるということです。ですから参加者グループをどう定義するかという問題ですね。書き込みのパーミッションを持っている人もいれば、リードオンリーの人もいます。でもまだアイディアに過ぎませんけどね。


MotoMatters.com:このソフトウェアは誰が主導するんですか?ドルナとマニエッティ・マレリなのか、メーカーなのか。

チェッキネリ:実際は私、ということになりますね。私がすべての要求を吟味して、その可否を決めることになります。で、採用となったら優先順位を付けるんです。ご質問へのお答えとしては、こういうことですね。こうしてソフトウェアの方向性を決めるんです。
 もちろんプロセス自体には柔軟性を持たせますよ。何かしようとしたときに、先にやっておくべきことがあるかもしれない。でも方向性自体はそれほどぶれることはありません。ただ、やりたいことをやるんではなく、ちゃんと順番付けして、何を先にすべきか決めなければなりません。とは言え、基本的には私が自分の意志で決めることになりますね。
 今話しているツールについてはもうすぐリリースできると思います。今のところ私だけがアクセスできる状況で、自分で使い方を勉強しているところです。2016年の共通ソフトウェアについてはメーカーが必要とする時期よりかなり前もってリリースできる予定です。これに関してはメーカーは開発プロセスに関与しないと決めてますからね。決められた期日(2015年6月15日)までは自分たちの秘密を開示したくなかったということです。この日以降は独自ソフトウェアの開発が凍結されます。2〜3週間でツールの方はリリースできる予定ですね。そこから年単位の時間がかかるでしょうけど。現在の状況はこんな感じです。
 ツールがリリースされてうまく動けば、ソフトウェアの開発にはメーリングリストに替えてこちらのツールを使うことになります。違うリスト、つまりオープンマシンを使っているチームのメンバーと一緒にこのツールを使うことができるようになっているので、実際それでやってみて、本番環境でうまくいくかのテストをする予定です。


MotoMatters.com:オープンマシン用ソフトウェアで先進的な電子制御に対応するんですか?例えばシームレスギアボックスにも対応できるようにするかってことですが。

チェッキネリ:はい。


MotoMatters.com:電制制御のレベルをどうするかという課題もありますね。多くのチームがそ文句を言っていますが。あなたのお考えでは電子制御のレベルを制限しようとしているんですか?それともメーカーが今のレベルを維持できるようにするんですか?

チェッキネリ:これはすごく大きなプロジェクトでいろんな組織がからんでいます。私のような主催者サイドもいますし、メーカーもいますし、チームもいます。他にもたくさんいますよね。今考えているのは少なくとも2つの選択肢があるということです。私の意見はチームの意見に近いと思いますが、どうでしょうか。とりあえず私の意見としてはSFレベルにならない程度には合理的である必要があると思っています。今のところオープンマシン用ソフトウェアの進化版という感じですね。
 今でもソフトウェアは進化していますし、これからもそうなるでしょうが、もちろん違う相手と開発を始めたらペースも変わるでしょう。でも現時点でのコンセプトとしては現行ソフトウェアの進化版ということです。もちろん世界最高のソフトウェアとはならないでしょうね・・・。


MotoMatters.com:つまり目標はちゃんと機能するソフトウェアを作ることであって、世界を驚かせるようなものをつくるということではないんですね。

チェッキネリ:目標はトップクラスの性能ですけど、パフォーマンスについてトップということではありません。使いやすさとパフォーマンスの妥協点を探ることになるんです。そういう意味で最高のものにしたいんですよ。ワークスチームが使っているようなものにはなりません。あれは最高の妥協点というものではない。複雑で人類には理解できないものになりかけている。でもパワーは出る。ですから最高の妥協点を見つけてるんではなく、とにかくパフォーマンス優先なんです。そういうのを目指しているわけではないんですよ。
 開発では先ほど申し上げたように、チームつまり独立したチームということですが、チームは私と同じ考えでしょう。でもMSMA(訳注:モータースポーツ製造者協会:現時点ではホンダ、ヤマハ、ドゥカティで構成される)に参加するような大メーカーはそうは考えていないでしょうね。彼らは今と同じレベルまで全員が到達できるという理想像を描いていますからね。でもそれは無理ですよ。ですから最終的にどんな結果になるかはわかりませんが、現時点での私の考えはそういうことです。


MotoMatters.com:つまり電子制御エンジニアが1人か2人しかいない独立系のチームでもそのパッケージから最高のパフォーマンスを引き出せると言うことですね。

チェッキネリ:全ユーザーが100%までこれを使いこなせるというのが私の理想です。確かに理想論ですが、そういうコンセプトでいきますよ。もちろんユーザーのレベルが今より高くなって今よりポテンシャルのあるソフトウェアにできるという可能性も考えています。ワークス以外のチームについても今よりメーカーの関与が大きくなるでしょうからね。そうすればレベルも上がりますし。でも主催者としては誰でもフルにポテンシャルを発揮できるようなソフトでなければならないと考えています。公平性の原則に従っているんです。
 目標としては可能な限りパワフルにしたいと考えています。原則的には、大きなチームほどソフトウェアのポテンシャルを引き出せるということは避けたいんです。もちろん大きなチームならより良いライダーを確保できますし、いいチームも確保できるというのは事実です。でも私の立ち位置ははっきりしていて、とにかく公平性ということなんです。その優先順位ははっきりしています。


MotoMatters.com:つまりまだ何を許可して何を許可しないかは決まっていないということですね。コーナーごとのセッティングとか、そういうことですが。

チェッキネリ:まだ決まっていませんね。でも私の考えでは現行のオープンマシン用ソフトウェアを基本に開発していくことになる可能性が高いので、そこは考えないといけません。コーナーごとのセッティングを許すと戦略の幅が広がっていきます。
 でもそれは私はどうかと思っています。そういう部分に時間を割くのは無駄だと思うんですよ。市販バイクにフィードバックできない技術ですからね。主催者の立場としては投資をちゃんと公道マシンで改修できる方向に向かわせたいんです。責任ある立場というのはそういうものではないでしょうか。まだそういう方向に持っていこうとはしていませんが、でも私としてはそれこそレベルの高い目標なんです。そういう意味ではコーナーごとのセッティングはお金の無駄ですね。


MotoMatters.com:市販車にとって重要なのはなんでしょうか?スロットルレスポンスですか?燃費ですか?

チェッキネリ:現時点での予測ですが、乗りやすさが重要ですね。いろんなことに影響します。エンブレの制御だとかトラクションコントロールだとか、とにかくすべてが市販マシンにとって重要なフィードバックになるようにしたいというのが現時点のシナリオです。ですからコーナーごとのセッティングの機能ははずしたいですね。そうすれば時間も無駄にならないですし、機会費用の損失も防げますし、誰もがうまい妥協点を探ることになります。そうすれば公道マシンにもいろいろかかわってきますよね。
 その結果、どこでもいい感じで走れるマシンができるようになるでしょう。市販マシン的に、ということです。しかも今は禁止されている別のシナリオも検討できますしね。例えば電子制御サスとかABSとかそういうものですね。


MotoMatters.com:EUでは全市販マシンにABSが義務づけられますし、電子制御サスも以前より市販マシンでみられるようになっていますね。

チェッキネリ:まだ時期尚早だとは思いますけど、投資するにはいい分野だと思います。メーカーが公道マシン関連の分野にもっと投資するようになるといいと考えている主催者としては、その方が誰にとっても健全ですし、結果としてモータースポーツが生き延びるチャンスも広がるでしょう。モータースポーツからのフィードバックがあるんですからね。メーカーはレースを純粋なマーケティング費用としてではなく研究開発の場にもしたいと思っているんですし。
 でもこれは彼らがそういっているだけで、実際には別の方向を向いていますよね。


MotoMatters.com:どんなにコストをかけても勝ちたいと思っているということですか?

チェッキネリ:ええ。ですから私の考えではコーナーごとのセッティングができるとなると、10人のスタッフがコース中を駆け回って図面に起こしてすべてを測定しなければならない。そうしないと良いセッティングが出せないんです。20人いればもっと良くなる。そこに限界はないんです。もし1000人いれば900人の時より、ほんの少しだけですが、良いセッティングができる。そうなればそこに資金を注ぎ込むことになります。だから導入しない方がいい機能もあると思っているんです。


MotoMatters.com:コーナーごとのセッティングというのは公道では意味がないとお考えなんですね?GPSが一般的になってきていて、乗り物の制御にも使われるようになっています。すでに4輪には装備されてますよね。その観点からレースとの関連性はありませんか?

チェッキネリ:ないですね。全然そうは思いません。まずご存じの通りGPSはMotoGPでは許可されていません。コーナーごとのセッティングというのはGPSとは全然違う機能なんです。市販マシンには全く意味がないんですよ。レーサーはホイールの回転を検知してタイム測定用のセンサーを通るたびにリセットしているだけなんです。
 でもGPSが使えるようになったとしても現時点でのGPS技術は精度に欠けるんです。これはバイクだからということではなくてバイク業界を動かしている人の問題なんですが。でも将来的に充分精度が上がっても、自分がどこにいるかわかるだけではだめなんです。コースのどこにいるかがわかれば、カントがどれくらいついているか、路面の摩擦係数はどうかとか何でもわかるようになります。でも公道では意味がないんです。もちろん世界中の道のカントや傾斜や摩擦係数が入っている地図があれば別ですけどね。しかもそれでもわからないことはたくさんある。濡れているかも知れないしほこりが浮いているかもしれない。公道というのは常にコンディションが変わるんです。ですから自分の居場所によってセッティングを変えることに意味を全く見いだせないんですよ。
 日産GT-RはサーキットでしかフルパワーにならないようにGPSと連動していると読んだことがありますが、使い道はそれくらいですね。ですから場所によってセッティングを変えるとしてもその程度です。でもこれはコーナーごとというレベルではなく、サーキットにいるかどうかという大きなレベルで充分なんです。


MotoMatters.com:ではまとめると、あなたが目指しているのはパワフルなソフトウェアだけど、パワフルすぎると熟練した有能なエンジニアでないと使いこなせない、ということなんですね。

チェッキネリ:ポテンシャルを超えてさらに10%を絞り出すことに価値を見いだせないんですよ。それはテレビではわからないことだし、むしろ興業としてはつまらなくなるんです。

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こうした情報を取材して長い記事を書くには非常に時間を要します。もしこの記事を楽しんでいただけたならMotoMatters.comを是非ご支援ください。サイトサポーターになっていただくのでも、素晴らしいカレンダーの購入でも、寄付でも結構です。よろしくお願いします。
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わたしからもよろしくお願いします。

なんとなくホンダの言い分しか聞いていませんでしたが、こうした視点もとても重要ですね。

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これまで見たことがないほど馬鹿馬鹿しい出来事

私も含めて世界中のかなりの人が盛り上がりを見せているカワサキH2ですが、これを肴にバイラルマーケティングについてAsphalt & Rubberが書いてます。ちょっと迷いましたが、いろいろ考えさせられる記事なので訳しましょう。
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Asphalt & Rubberを始めてからバイク業界の様々な出来事を見てきたが、こういうことは初めてである。この秋になってから当サイトにも近日デビューする新型バイクについての投稿が多くなっている。今日もそうしたネタがたくさん寄せられた。

今朝は熱心な読者と称する熱い投稿をいただいた(これで2人目だ)。なぜスーパーチャージエンジンの新型カワサキH2について話題にしないかというのだ。インターネットでもバイラル的に広まっているとその投稿は語っていた。その主張を裏付けるかのようにその投稿にはH2に関するフォーラムのFacebookページへのリンクが貼ってある。今回のH2の情報の発信元へのリンクのようだ。

しかし私たちの大量のRSSフィード(今では600サイトほどをカバーしている)を見ても、その「バイラル」話はMotorcycle.comしか取り上げていない。その記事には「カワサキの尖ったスポーツバイク、H2についての内部情報」とのタイトルがついているが、執筆者は愛すべき「Motorcycle.comスタッフ」で、プロっぽく、いたる所クエスチョンマークだらけだ。

Motorcycle.comはアクセスを稼いでいるだろう(私は本心で言っている)。しかし私にはひとつのサイトしか取り上げていない事象をバイラルと呼ぶ習慣はない。まあそれはさておき、誇張というのも一種の駆け引きのひとつではあるのだ。

良い編集者であるべく、私はストーリーを深掘りすることにしている。しかし今回調べてみた結果に私は暗い気持ちになったのである。

投稿にあった「内部情報」に関するサイトは2週間ほど前にできた掲示板だ。現時点で51人が69スレッドで318本の投稿となっている。まあこうしたフォーラムサイトの初期にはよくある感じだ(私もこうした経験はしている)。

そして内部情報の投稿者はここでは初めての投稿で、この投稿しかしていない。参考までにハンドルネームの「Nessuno」とはイタリア語で「名無しさん」という意味だ。

つまり匿名のイタリア語を話す誰かが今まで聞いたこともないウェブサイトに「川崎重工に繋がりのある友人の友人」の話として新型バイクの詳細を投稿しているということなのである。むぅ、まあいいだろう。これはインターネットで日々起こっていることではないか。

調べてみた
ここまで言っていなかったが投稿にはリンクが貼ってあった。ここで問題にしている掲示板とMotorcycle.comへのリンクだ。どちらもVerticalSope(バーティカルスコープ)社のものである。バイク業界の最大のプレイヤーのひとつとしてバーティカルスコープは2輪関連のメジャーな掲示板のほとんどを所有している。Motorcycle.comもそうだ。さらには私たちに1日2回投稿するような人(複数かもしれない)も雇っているということだ。

当サイトの投稿ページへでは発信元の信頼性を担保するために常にIPアドレスを記録している。今回の自称「熱心な読者」からの投稿は74.213.184.33からのものだった。

検索してみるとこの投稿はバーティカルスコープが運用するコンピュータから発信されたもので、投稿者であるマークもマイケルもどちらも同じIPアドレスからの投稿だった。発信元のメールアドレスは変えてあったが、どちらもH2について記事にするように頼んできている。むぅ、実に興味深い。

つまりどういうことか
まあ要するにバーティカルスコープ社の誰か一人が同社が立ち上げたサイトで「バイラル的に広まっている」話をうちに投稿してきたということだ。さらにその投稿にはバーティカルスコープ社が所有する2つのサイトへのリンクが貼ってある。内容について言えば、同社のスタッフによる記事はこの「バイラルストーリー」について匿名の同じ筆者が書いているものだけである。

残念なことにMotorcycle.comの「スタッフ」というのは署名付きの記事が書けないほどの臆病者であり、「このマシンはこれまでで最速・最強のカワサキになるに違いないと思われる」としか言っていない。つまり彼らはジャーナリズムの第一のルールである、ソースを確認するということをやっていないということである。

ジャーナリストの口から出る最も上手なマーケティング的欺瞞
これがマーケティングのための誇張であることがわかったのは良かった。結局のところ書いてあるエンジン排気量やらエンジン設計やら出力馬力やらは私の猫がTumblerで記録する程度の信頼性しかないからだ。

昨日褒めたサイトや雑誌だとしても、それが私が見てきた中で最も怠惰なバイクジャーナリズムの結果であるなら批判することだって厭わない。しかしそれがバイクジャーナリズム業界で起こっていることでもあるのだ。

問題はしかし、もっと大きなことが起こりつつあるるかもしれないということ
インターネットでの情報すっぱ抜きはこれまでよくあったことだし、その多くが掲示板サイトでなされてというのも事実である。しかし真実を知っているという誰かが50人のメンバーと70のスレッドしかない掲示板に投稿するというのはどういうことだろう(しかもそのほとんどにレスがついていないことも付け加えておこう)。

本来ならより明るい光に引き寄せられる蛾のように、何万人ものユーザーを誇るKawiForum(これもバーティカルスコープ社のものだが)に行くべきではないか。しかしカワサキH2に興味のある人を新たなサイトに集めたいと思うのであれば、今回のような投稿をするのはうまいやり方ではある。

投稿者についてもう少し考えを巡らせると、この「名無しさん」がカワサキではなくKHI(訳注:川崎重工の略)と表現しているのも不思議ではある。カワサキというのが普通の言い方ではないか。KHというのはH2のマーケティングで多用される言い方で、タービンについての川崎重工の経験を強調して宣伝しているときに使われているのだ。カワサキというすばらしいバイクメーカーの重要性はここでは強調されていない。

バイク業界で責任を持つべき企業がマーケティング重視の信頼性のない記事に我々を誘導しようと画策しているという事実には心からがっかりする。

最もいいシナリオならMotorcycle.comがくだらない記事を書いているということに留まるが、最悪の場合、バーティカルスコープ社とその支配下にあるサイトが誰ともしれない「名無しさん」の言葉を全力で広めようとしているということもあり得るのだ。
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要するに「工作員乙」と言ってる記事なんですが、誰が雇った工作員かはとても重要。

ちなみに私はH2が3気筒であることを心から願っているのですが、たぶん4気筒なんですよね。

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ストーブリーグ表2015(2014.9.19時点)

LCRはファクトリーとRCV1000Rが一台ずつという御指摘と、エガーターがMoto2残留という報を受けて微妙に修正しました。デ・アンジェリスのフォワード入りの確度も諸々考慮して高めています。

Stove_2015_140919

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【不定期ポスト】気が向いたらよろしくお願いしますm(__)m

PCサイトで見ると右のいちばん上にあるKampa!、ネタを更新しました。¥15から管理人をとても喜ばせることができます!

まあ会社のお昼休みのひまつぶしにも使えるし、おいしいごはんを食べさせてあげてもいいかな、という方は是非!

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フィル・リードのグランプリ今昔

生ける伝説フィル・リードに関する記事です。MotoGP公式より。
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ミサノでフィル・リードがモビスター・ヤマハMotoGPのホスピタリティを訪れヤマハの250ccタイトル獲得50周年を祝った、イギリス生まれのリードがその頃との違いを述懐する。
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リードとヤマハの初タイトルは9月13日のイタリアはモンツァの250ccクラスで達成された。1964年のことだ。その後リードはMVアグスタで1973年、74年と500ccを連覇している。

「自分がまだ生きてるのが不思議ですよ。神様に感謝しないといけませんね」とリードは冗談でこのインタビューを始めた。「何度かクラッシュしてますし、レースを戦った相手は世界最高のライダーたちなんです」

最初のタイトルを獲得したときのレースについて話しながらリードはレースが当時とどれほど変わったかについても語ってくれた。

シトロエン・サファリにバイクを2台乗せてイングランドを出発するんです。翌日の早朝にサーキットに着いてホンダ6気筒のすごい音を聞いたものです。ライバルがテストしてたんですね。がっかりしましたよ。『もう終わったな、タイトルなんてとれっこない!』ってね。でも日本から来た私のメカニックの一人が言ったんです。ヤマハは信頼性を重視してマシンを作ってるんだって。ホンダのマシンは乗りにくくて、でも速かった。そして技術的にやりすぎている上にテストも十分じゃなかったんです。だから1周か2周するとホンダのジム・レッドマンは彼の6気筒マシンを最後まで走らせるためにスロットルを緩めなきゃならなかったんです。私のチームメイトのジェフ・デュークが私のスペアマシンを使ってレッドマンを抜いてラップレコードを記録しました。でヤマハが1−2を決めるという素晴らしい結果になったんです。その後私はホテルに戻ってメカニックを空港まで送っていきました。プレスカンファレンスもテレビの取材もなくて、そのままイングランドに帰ったんです。その後日本に行って鈴鹿の最終戦に出て、ヤマハの本社に行ってやっと休みとお祝いパーティーになりました。市の中心部でやったんです。すごく楽しかったですよ。もう本当に嬉しかったです!楽しいチームと一緒にやるのは本当にいいことですね。で、ヤマハは本当に楽しいチームだったんです」

MotoGPレジェンドとして殿堂入りしている75歳のリードが彼の時代と現代を比較してこう語る。

「彼らはもの凄く一生懸命やってますよね」とマルク・マルケスやダニ・ペドロサ。ヴァレンティーノ・ロッシ、ホルヘ・ロレンソについて言う。「マシンに乗るだけじゃなくて、予選があって、ウォームアップがあって、とにかくいろんなセッションがある。それにプレスカンファレンスもあるしスポンサーによるイベントにもでなかやならない。乗るためには仕方がないんでしょうけどね。でもまあたくさんお金ももらってることだし・・・、すごいですよね!世界中にテレビ中継されて、その分スポンサーからは十分なリターンがある。ヘルメットやツナギやグローブやブーツやなにやらにステッカーがついている。今は見返りも大きいんです。
 私が最初にヤマハと契約した時には年間5,000ポンドだったんですよ!今のお金にしたら37,000ポンド(訳注:邦貨換算660万円)くらいですかね。まあ大した額じゃないですよ。でもプライベートの国際イベントにマシンを持ち込んでも良くって、そっちの方がGPより稼げましたね。ダッチTTやイタリアGPでは300リラくらいしか稼げなかったですけど、アドリア湾国際イベントでは3百万リラくらいくれたんです。『まじか!』ってくらいですよ。だからあのイベントにはみんな出たがりましたね。ホンダもスズキもワークスマシンを持ち込んで、あとベネリとかマリニスも賛歌してましたよ。たいへんなレースでしたけど、本当に楽しかったですね」

ルットン生まれのリードが次に話題にしたのはチャンピオンのマルク・マルケスについてだ。2013年にタイトルを獲得したときに会ったことがあるという。

「12月のFIMの表彰式でマルクに金メダルを渡すのは名誉なことでしたね。私はマルクにこう言ったんです。『今シーズン15回ってのは蔵趣旨過ぎじゃないかね?』と。そしたら彼は笑ってこう答えました。『問題ないですよ!』ご存じの通り全然問題なかったわけですけどね。彼はハードルを上げたんです。今じゃ彼を負かすのは本当に難しいことになってます。でもそれと同時にホンダはヤマハの改善に苦しめられ始めているんじゃないでしょうか。ヤマハの人たちは本当に一生懸命やるし、ホルヘとヴァレンティーノという素晴らしいライダーもいるわけですから」

フィル・リードは最高峰クラスでタイトルを獲った6人のイギリス人ライダーの内の一人である。彼がタイトルを獲ったのは1973年と74年。他にはレス・グラハム(1949年)、ジェフ・デューク(1951年、53-55年)、ジョン・サーティース(1956年、1958-60年)、マイク・ヘイルウッド(1962-65年)、バリー・シーン(1976-77年)がいる。
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シトロエンサファリって2台積めるんだ・・・<そこか。

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KTMが来夏からMotoGPマシンのテストを開始

久しぶりにMotoGP公式より。
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KTMは10年ほど前にチーム・ロバーツで一瞬だけMotoGP参戦したことがある。現在は軽量クラスで非常に力を発揮しているが、KTMのレース部門のトップであるピット・ベイラーがこのたびMotoGPにフル参戦する予定であることを表明した。

ベイラーは言う。「役員会の決定としてKTMが最高峰クラスに挑戦という大きな一歩を踏み出すことを表明します。当初はMoto2に参戦して少しずつ上を目指そうと考えていましたが、KTMがホンダエンジンで走るマシンを開発するのは、本当のKTMを作ることにはならずナンセンスですよね。ですから直接MotoGPに参戦することにしたんです。既にこのプロジェクトは動き出していて、2017年に向けて忙しく準備をしているところです。
 これこそ本当のKTMです。コンセプトとしてはV4エンジンをパイプフレームに積むことになっています。サスはWP社製で100%オーストリアのKTM製になります。ですから外部からのパーツ供給はない予定です。
 真の意味でKTMマシンにしたいと考えているので、結構たいへんですね。相当きついプロジェクトになることは覚悟していますし、MotoGPクラスで走るまでには年単位の時間が掛かると考えています。でもうちの技術者ならできるはずです。長期にわたるプロジェクトになりますね。
 まだプロジェクトは緒に就いたばかりですけどバイク界の最高のレースに参加できることを楽しみにしています。MotoGPはメーカーにとっての夢ですし、世界最高レベルのレースですからね。これが私たちの目標です」

MotoGPプロトタイプマシンのテストはいつからかと訊かれて、彼はこう答えている。「来年の夏からの予定です」
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しかし日本語サイトの質の低さはなんとかならないものか・・・。

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新しいライディングスタイル、新しい転倒スタイル

先日のミサノを受けてマン島TTウィナーであるマット・オクスレイ氏がコラムを書いています。彼のコラムはいつも新しい視点を提供してくれるので、とてもおもしろいです。Motor Sport Magazineより。
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さて、「老犬に新しい芸を覚えさせることはできない」という諺を考えた人は自分が何について語っているのかわかっていなかったのだろうと思う。

この日曜、イタリアで中年男が上り調子の若者を打ち破ってみせた。これにはいくつか理由があるが、まずは彼が新しい芸をひとつかふたつ覚えたということが最も大事だろう。

ヴァレンティーノ・ロッシはGP年鑑モトコース(Motocourse)の古い版を読んでYZR-M1の乗り方を変えたに違いないとしか私には想像できない。なぜなら彼の乗り方は1990年代のBSBチャンピオンであるジェイムズ・ウィッザム(James Whithnam)の乗り方にそっくりだからだ。ヨークシャー出身のウィッザムの乗り方はずいぶん奇妙だった。上半身を完全にバイクからのり出し、首をコーナー内側に伸ばし、まるでコーナーの頂点に向けてマシンを引っ張るかのようだったのだ。

ウィッザムは暴れ馬だった1992年型スズキGSX-R750でこの乗り方を身に付け、その後、彼は絶好調を維持できた。この乗り方はロッシにも向いていたようだ。彼はハンドリングが素晴らしいホンダに乗る若く生きのいいマルク・マルケスに追いつくにはどうしたら良いのかと科学的に分析した結果、このライディングスタイルに到達したのだ。

「もしトップにいつづけたいなら最速のライダーが何をしているのか学ばなければならないんです」とロッシは言っている。「今の僕は前より上半身をのり出してコーナリングを改善しているです。よく観察した結果ライディングポジションを変えて、マシンの動き方も変えたんですよ。今は前荷重も多めにしてウィリーをコントロールしてます」

前荷重を大きくすることでロッシがかねてから言っている、マシンより人間の方が重要だという言葉が証明された。他のライダーがウィリー防止のために電子制御の介入を許してしまっている一方、ロッシはそのせいで点火がカットされて加速が鈍るくらいなら自分でコントロールした方がましだと知っているのだ。つまり彼は自分で荷重をコントロールすることで電子制御による助けを断っているということである。

もちろんロッシがやったのはそれだけではない。彼の2014年型M1は去年型より彼のライディングにあっているのだ。もちろん今年モデルのいちばんの進化はクラッチ無しでシフトダウンできる新型ギアボックスにあるのだが。このおかげでブレーキングでもホンダに伍するようになっている。

「新型ギアボックスのおかげでマシンは安定してますからブレーキングでも深く突っ込めるようになりましたね」とロッシは言う。「全後輪ともにグリップできるよう、減速にはエンジンブレーキも活用しているんです。去年は前輪だけに頼っていましたからね」

そしてミサノである。MotoGPでヤマハがホンダを加速で離すのを見たのはいつ以来だろう?私は覚えていないがものすごく昔の話に違いない。そしてそれが起こったのは一回だけではない。少なくとも2回起こっているのだ。ロッシがストレートでマルケスを2回置き去りにしているのである。

ことによったらプラクティス初日を無意味にした金曜の雨のせいかもしれない。ヤマハはホンダより偏ったところの内マシンで、セッティングも楽なのだ。通常であればホンダのライダーは完璧なセッティングのための完璧なスケジュールをこなしている。金曜はサスやジオメトリーといった昔ながらのセッティングを行い、それが済んだら土曜は電子制御のセッティングに集中する。ミサノではそのスケジュールを2日間に詰め込まなければいけなかった。明らかに時間が不足していたようだ。さらに路面が滑りやすかったためにトラクションを得られないRCVがずいぶんと弱くなったのも大きかったはずだ。クランクが軽いためパワーの出方がピーキーなのである。決勝でのマルケスの加速が鈍っていたのはホイールスピンのせいでトラクションコントロールが働き、点火カットによりパワーが落ちたためである。

MotoGPのレースはコース上だけで行われているのではない。ピット作業もレースの大きな部分を占めているのだ。金曜の雨がマルケスとロッシの両方に影響している。簡単に言うならロッシ、彼のスタッフ、そしてヤマハはマルケスとそのスタッフとホンダよりいい仕事をしたということなのだ。

レースについて言うなら、マルケスはロッシについていくために明らかに自らの限界を超えて攻めていた。最終の高速右コーナーで何度か彼はアウトにはらんでクリッピングにつけなかった。彼が安全を重視して2位を確保するためにスロットルを緩めるのではなく、勝利を目指して戦うことを選んだのは尊敬すべきだろう。彼ほど2位以下にポイント差をつけていれば、普通のライダーなら慎重さを選ぶのも勇気であると考えるに違いない。しかしマルケスは生まれながらのレーサーなのだ。よほどのことが無い限り、彼は限界まで攻め続けるのだ。

そして彼は転倒した。別にロッシが新しいライディングスタイルを発見したから転んだわけではない。むしろマルケスは新しい転び方をしてみせたのだ。彼のスタイルはいつもリーンアングルが深く膝も肘も地面に接している。つまりフロントからスリップダウンする前からとっくに地面に着いているのである。これまた見事な転び方である。

決勝でマルケスがフロントから転んだのは右の低速コーナーで、マシンとライダーが一体になって路面を滑っていった。マルケスには30分ほどにも思えたかもしれないその2秒ほどの間、彼は全精力を注ぎ込んで膝と肘でマシンを立て直そうとしていた。マシンが止まって初めてライダーがマシンから離れたのだ。確かにクラッシュはしたが、ほんのちょっとの差だったのだ。

マルケスは2週間ほど前、ブルノのテストでも同じことをやっている。マシンは完全に横倒しになり、膝と背中と肘は地面に着いていた。しかしその時にはコントロールを取り戻したのだ。彼はそれができたのである。

私はロッシの勝利を言祝ぎたい。私を含めて多くの人が二度と無いかもしれないと思っていた勝利なのだ。そしてマルケスのことも言祝ぎたい。彼は新しい、そして痛みを伴わないクラッシュの方法をみせてくれたのだ!唯一の問題はもちろんそのためには64度という深いバンク角が必要だということである。
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マルク、恐ろしい子・・・。

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ストーブリーグ表2015(2014.9.18時点)

LCRとの契約発表を受けてミラーを確定させました。HRCとの契約は2017年までですが、たぶん1年間だけLCRで走って、成績次第で2016年からレプソルホンダではないでしょうか。

Stove_2015_140918

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ストーブリーグ表2015(2014.9.17時点)

MotoMatters.comを参考に情報を追加整理しましたが、カルディオンABのアブラハムについては一応不参加の方向は私の中では変わらないのと、プラマックドゥカティはまだ候補を整理していません。

また、MCNが「ジェリー・バージェスがLCRホンダで復帰という噂をチームオーナーであるルーチョ・チェッキネロが否定という記事の最後に『ジャック・ミラーとLCRの契約は今日(水曜)または明日発表の予定』」ってさらっと書いています。ご参考まで。

Stove_2015_140917

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ロレンソのチームマネジャー語る:ミサノのフロントタイヤは冒すべきギャンブルだった

フロントにハードを選ぶというギャンブルに失敗したロレンソですが、それでも価値のあるギャンブルだったとチームマネジャーのウィルコ・ツィーレンベルグが語っています。MCNより。
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ホルヘ・ロレンソが所属するワークスヤマハのチーム・マネジャーであるウィルコ・ツィーレンベルグはミサノのレースでハードフロントタイヤを選択したのは冒すべきギャンブルだったと考えている。

ロレンソはこれまでミサノで2連勝しているが、先週の28周のレースでは唯一ハードコンパウンドのフロントを選択したライダーだった。

ロレンソはFP4でハードフロントを使って安定して速いペースで走れたことから、同じような気温の下で行われる決勝でもハード側でいけると自信を持っていた。

しかし序盤はリードしたものの、ロレンソはモビスターヤマハのチームメイトであるヴァレンティーノ・ロッシについていくことができず、結局ロッシが去年のアッセン以来の今季初優勝を挙げることとなった。

ツィーレンベルグは今回のハードタイヤの選択でロレンソいけるはずの予定だったとMCNに言っている。「去年勝ったのもハードのフロントタイヤだったんです。その時のペースはすごく良かったんで、それで何も問題はないはずだった。だからハードを選んだんですけどね。
 ランキングでは4位で、勝っても負けてもあまり関係はなかったんです。でもそれだけじゃなくてハード側で彼は気持ちよく走れていたんでハードで決勝を走ることにして、それがアドバンテージになると思ったんですが結果は違いましたね。

 ヴァレンティーノはすごくいいリズムで走っていて、2人がソフトタイヤで走ったときにはヴァレンティーノの方がホルヘより速かったんです。だからハードタイヤのせいというより、彼が本当に今回は速かったということですね。シルバーストンではハード側は全然使わなかったんですが、決勝では使ってしなかったんですが、それでうまくいきました。
 ミサノのFP4でも2周してタイヤが暖まってくると彼はすごくいい走りができたんですが、決勝ではそういう感触が得られなかったんです。ストレートのブレーキングではいい感じだったんですが、コーナーで辛かったようです」

ブリヂストンの東雅雄はロレンソのフロントタイヤに関するギャンブルについて恒例の分析でこう言っている。

「速く走るためにはフロント周りの感触に自身を持てることが必要なので、フロントタイヤは非常に重要なんです。リアはスライドして動いても問題はありませんがフロントに関しては100%の自信を得られないといけないんです。
 ですからフロントタイヤのチョイスはライダーの個人的な好みに従うものですし、同時にセッティングにもよります。ホルヘだけがハードコンパウンドのフロントスリックの方がソフトより気持ちよく走れたんですね。
 今年ハードよりミディアムコンパウンドが好まれたのにはいくつか理由があります。マシンのキャラクターの変化や舗装が1年分劣化したことや、ドライでのセッティングの時間が少なかったこととかですね。でも結果としてはミディアムのフロントもハードのフロントも決勝用としてはいいタイヤでした。
 ホルヘについて言えば、決勝では3番目に速いラップタイムを出していますし、ものすごくラップタイムが安定していたのでハードのフロントも今年はいい選択だったと思います」
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次のレースもギャンブルに出るでしょうか?楽しみですね。

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火曜随想:ワークスの未来

MotoMatters.comでもお馴染みの写真家、スコット・ジョーンズ氏によるワークスの未来についてのコラムです。Asphalt & Rubberより。
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マルク・マルケスはまだ21歳だ。今シーズン2度目のタイトルを獲ることは確実だろう。彼はサーキットの専制君主である。まだまだ速くなるだろうし経験も積むだろうことを考えたら、彼はバイクレース界のミヒャエル・シューマッハーにもなれるだろうと思う。

ホンダにとってはいい話だ。マルケスがホンダで勝ち続けてっくれるのだから。HRCは「ロッシから学んだ」のだ。そこでマルケスをいい気持ちにさせて彼が他のメーカーのオファーに心なびかないようになんでもするだろう。

彼がこれから勝ち続けるだろう上に、ホンダはダニ・ペドロサをチームメイトとして2年間確保し、さらには来年スコット・レディングがリース版RC213VにマルクVDSチームを乗せることが決まっている。もしレディングが次の2シーズンで結果を出せればペドロサの席はレディングが受け継ぐことになり、レディングはアルパインスターズ製のオレンジと赤のつなぎを身に付けることになるだろう。

さらにホンダは(レプソルの支援を受けて)若く将来のあるスターたちも暖かく迎えている。アレックス・マルケスにアレックス・リンス、さらにはファビオ・クアルタラーロが、マルクの最高峰クラスでのキャリアが終わったら、その時は自分こそが跡を継ぐべく控えている。

しかし21歳のマルケスはタイトル争いができなくなったとしてもこれから9年か、もしかしたらそれ以上の年月にわたって優勝争いをし続ける可能性があるのだ!これは他のワークスにとって何を意味するだろうか?

ドゥカティは会社とビッグ・レッドと言われるスポンサー(訳注:マールボロ/フィリップ・モリス)が許す限りのものを注ぎ込んでいる。ワークスチームのライダーに対してだけではない。アンドレア・イアンノーネにも最新パーツを供給しているのだ。来年はプラマックがワークスマシンでセカンドチームとなる。ジジ・ダリーニャをドゥカティのMotoGPプロジェクト復活の切り札として連れてきたことで、ケイシー・ストーナーが乗っていなくても勝てるマシンを本気で作るつもりがあることを示してみせた。

完全に作り直された(そしてできることならより戦闘力のある)GP15があればドヴィはマルケスを倒すことができるだろうか?たぶんその答えは彼のレプソルホンダ時代を見ればわかるだろう。イアンノーネはMoto2でマルケスと互角に戦っていたがどうだろう?これについては時が答えを出してくれる。ドゥカティの来年を背負うライダーが誰になるかはまだわからないが、フィリップモリスは常にその時手に入れられる最も才能のあるライダーと契約してきたのだ。

スズキも2015年に復帰する。おそらくライダーは安定して速いアレイシ・エスパルガロと日の出の勢いのマーヴェリック・ヴィニャーレスになるはずだ。スズキに関してはマシンよりもライダーが重要となるだろうが、スズキの名誉のために付け加えるなら、彼らはMotoGP復帰に当たってとにかく速いライダーを確保してはいるのだ。

アプリリアにはMotoGPで勝つかどうかを心配する以前にやるべきことがたくさんある。MotoGPレースでマルク・マルケスをどうやって倒すかはさておき、最高峰クラスに新たなメーカーが参戦してくるのは言祝ぐべきだろう。ではヤマハはどうだろう?

ヤマハは次の2年間もすばらしい金づるであるヴァレンティーノ・ロッシを走らせる。彼はこの週末にはまだMotoGPレースで勝てる力があることを証明している。来年ロッシはマルケスを破ってタイトルを獲得できるだろうか?もしそうならすごいことだし不可能ではないだろうが、可能性は限りなく低いだろう。

来年、そしておそらく再来年もヤマハはホルヘ・ロレンソも走らせるが、彼は能力的には間違いなくマルケスに挑戦する資格はあるだろう。しかしホンダに乗らずに勝つには何らかの策が必要に違いない。

ブリヂストンの最終年となる来年、タイヤはどうなるのか?ロレンソ向きかも知れないし、そうではないかもしれない。2016年のミシュランにも同じことが言える。しかしロレンソはホンダが持っていてヤマハが持っていないものをカバーするのに間違いなくタイヤの助けが必要となるだろう。

いつかは起こることだが、ヴァレンティーノ・ロッシが引退したら、ヤマハにとってのマルケス/レディング/リンス/クアルタラーロはどこから来るのか?

ヤマハには幼稚園から才能を育ててくれるレプソルはついていない。レプソルがバックアップしていないライダーから将来の候補をみつけなければならないのだ。VR46チームがMoto3でホンダから距離をとっていることを思えば、ロマーノ/フェナティが2年ほどしたらヤマハに乗るかもしれない。ロッシは自身の助けになる、そして結果として将来のヤマハに役立つライダーを探しているのは間違いない。

現時点ではヤマハのロッシ後を背負って立つのはポル・エスパルガロになるだろうと思われる。ポルは個人的に最もよく知っているライダーの一人でもある。だから言っておくが私が彼の能力を評価するときには多少の偏りがあるに違いない。しかし2014年の結果がすべてを物語っているだろう。

彼はマルク・マルケスを恐れてはいないのだ。既に下位クラスでマルケスと互角に戦っているし、力が劣ってはいないことを認識できるくらい何度も勝っている。そして去年スコット・レディングを破ることでタイトルの獲得方法も身に付けているはずだ。GPレースの最年少ポイント獲得記録は彼のものであることを覚えているだろうか?(2006年にワイルドカード参戦したカタルニアで15歳8日で13位に入っている)

彼はルーキー・オブ・ザ・イヤーの最右翼であり、2015年に向けても十分なポテンシャルを見せつけている。現在のランキングは6位で、前にいるのは5人のワークスライダーだけで、後ろにはワークスサポートを受けているイアンノーネ、ブラドル、バウティスタ、クラッチローの4人を従えている。2014年の彼は「タイトル候補以外で1番」というだけではなく、それ以上の力をみせているのだ。何より彼が乗っているのはサテライトマシンだというだけでなく、オープンルールの適用も受けていないのである。

しばらく前に私はMotoGPのルーキーはあまり早く駆け上がらない方がいいという記事を書いた。今でもテック3のようなサテライトチームが才能のあるルーキーの受け皿になるべきだと考えている。ポルはMoto2チャンピオンということで期待もされていたが、今シーズン勝つだろうとは誰も思っていない。彼がルマンで4位でフィニッシュしたり予選で2位に入ったりしたというのはルーキーとしては望外の成績なのだ。

しかしMotoGP2年目のポルには是非ヤマハにワークスサポートのあるマシンを提供してほしいと思っている。ホンダがLCRや(現在の)グレシーニにしているようにだ。ヤマハの資金に限りがあることは重々承知しているが、ポルのようなライダーにはそうすべきだと思うのだ。最高峰クラスで1年間の経験を経れば100分の1秒が重要となる世界での苦労も少なくなるだろう。

たぶんこの希望は無邪気に過ぎるだろう。ポルは既にワークスサポートを受けているライダー(中にはオープンルールの適用を受けているライダーもいる)を上回る成績を挙げているのだから、ロレンソやロッシと同じバイクを与えることがそれほど助けにもならないのかもしれない。

しかし私の本能がささやくのだ。ポルは来年勝てるライダーだろうと。少なくともライダーとマシンのコンビネーションは完璧だ。だからこそ彼に良いマシンを与えてほしいのである。
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ヤマハは本当にどうするんでしょうねえ・・・。

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ストーブリーグ表2015(2014.9.16時点)

バウティスタは先走ってグレシーニで確定させていましたが公式発表されましたね。そしてそのニュースと同時にメランドリはワールドスーパーバイク残留との話が出てきているので、一旦リストから落としています。

それにしてもプラマックはどうなるんでしょう・・・。

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ダニ・ペドロサのブログ:難しいレース

ロッシの優勝とマルケスの転倒の間で、すっかり空気と化してしまったペドロサですが、それでもランキングはしぶとく2位につけてます。
こちらもRepsol公式より。
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こんにちは!

マシンの感触がどうにもよくならなかったレースを終えて、うちでこのブログを書いてます。いろいろ考えれば3位というのはいい結果ですね。週末を通して全然いいフィーリングが得られなかったんです。

まずはアルベルト・コンタドール(訳注:自転車選手)のブエルタ・エスパーニャ3勝目におめでとうと言いたいです。彼は本当にすごい選手で、この結果にふさわしい人ですね。とてもうれしいです。ツールのけがで彼も苦労していましたけど、みごとに回復してまたトップに返り咲いた。アルベルト、ほんとうにおめでとう!

今回のGPはまず写真撮影から始まりました。この写真、どうですか?(訳注:リンク先をご覧下さい) あとはご存じの通り雨の金曜です。そういうスタートはあまり理想的ではないですね。本当は土曜の予選に向けてセッティングを詰めたいんですけど、こういう難しいコンディションだと何も役立つデータが得られませんから。

雨のセットアップはうまくいって速く走れました。雨ではいいフィーリングだったんですけど土曜には天気が変わってしまった。いそいでセッティングを詰めていったんです。最終的にはそれなりのタイムが出せて予選は5位でした。

決勝日はスタートをきめようと思ってたんですが、1周目にトラフィックに捕まってしまいました。トップグループは良いペースで走っていたのに、僕はその間にちょっとポジションを上げるだけでした。それでもライバルと同じくらいのペースで走れたのはよかったと思いますし、実際ロッシやロレンソと同じくらいのラップタイムでしたからね。それに表彰台で週末を終えられるのは悪くはありません。

次はアラゴンですね。大好きなサーキットなので良いレースができると思います。アラゴンでお会いしましょう。バイクと共に楽しんでください。

いつも素晴らしい応援をありがとう。

ダニ
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リンク先の写真に萌え死ぬ人多数・・・かな?

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マルク・マルケスのブログ:もう一度立ち上がってポイントを稼ぎにいきます

Repsol公式より、まずはマルケスのブログです。ガソリンスタンドの新規開店祝いにRC213Vで給油に訪れてます(笑)。
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こんにちは!

まずみんなに言わなきゃならないのはこれですね。とりあえず1ポイントは獲得できて嬉しいです。だって最後までがんばってチャンピオンシップポイントを稼ぐことができたわけですからね。ピットウォールでチームのみんなが喜んでくれましたし。それだけでもポイントが獲れる順位でゴールできてよかったです。

先週はすごく忙しかったですね。でも本当に楽しかったです。水曜にはコルポロ(イタリア)の新しいガソリンスタンドの開店に立ち会いました。たくさんの人が来てくれてすごくいい雰囲気でしたね。そのときの映像がこちらです。みんなも是非見てください。

午後は #Spurtléda58 に行って楽しんできました。他のGPライダーと一緒にカートレースをしてきたんです。カートは凄く速くていいバトルもありましたよ。へへへ。

GPに関して言うと、金曜はかなり普通じゃなかったですね。コースはほぼ1日中ウェットでレインセットアップに時間をとられたんです。で、土曜にはコンディションがすごく変わって、コースコンディションも良くなりました。でもいいセットアップをする時間が足りないと予選は厳しいものになりますね。ものすごくがんばったんですが予選は4位に終わりました。

レース序盤はいい気持ちで走れました。トップについて行けたし、そのペースで行けば優勝争いもできると思ったんですよ。でも残念なことに縁石に乗り上げてクラッシュしてしまいました。でもそういうことは起こるものだし、大事なのはまた立ち上がって走り続けることです。

最終的に完走もできたしポイントも獲れました。たった1ポイントですけどそれでもタイトルには大事な1ポイントだし、それでモチベーションも高まります。弟が2位に入って20ポイントを稼いでタイトル争いに食い込んでいるのにはおめでとうと言いたいです。すごいことをやっているわけだし、これまでにないほど目標に近づいているわけですから。

ここまで読んでくれて、そして応援してくれてありがとうございます。次のアラゴンに向けて集中していきます。みなさんにお会いできるのを楽しみにしています。

ではアラゴンで!

みなさんにハグを。

マルク
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もてぎでのチャンピオン獲得を期待しましょう。

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ストーブリーグ表2015(2014.9.15時点rev.2)

MCNがユージーン・ラヴァティがアスパーに行くのではないかと報じたのを受けてラヴァティのアスパー入り確度を上げて、プラマックからははずしました。あおりをくってカリォの行き場がなくなってます。

Stove_2015_140915_2

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MotoGP:サンマリノGPまとめ(技術的視点から)

今度はCycle WorldからKevin Cameron氏による、なぜヤマハがホンダに勝てたのかに関する技術的側面を中心とした解説です。
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ヴァレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソの2人のヤマハライダーが1−2フィニッシュでホンダに完勝した。一方マルク・マルケスは10周目にフロントからクラッシュしており、マルケスのチームメイトであるダニ・ペドロサが3位となった。

プラクティス中の雨がまずは悪いニュースだった。日曜も雨になるならまだしも、プラクティス中に得た情報が使い物にならないことを意味するからだ。金曜のFP1とFP2がウェットだったため、マシンのセットアップは時間との戦いとなった。そして情報獲得競争に勝ったヤマハが良いセッティングをみつけ、結果としてマルケスのミスを誘うことになったのだ。

ミサノのコース図はまるで錨のようだ。錨爪の先端と錨の柄の先端に低速コーナーが設置され、それぞれが短いストレートでつながっている(ストレートの最高速は283km程度)。つまりホンダにアドバンテージがあるという風に見えるのだ。ホンダが得意とするのは低速コーナーとブレーキングスタビリティ、そして鋭い加速だからだ。

ではマシンとライディングスタイルの違いをみてみよう。ホンダは現時点でMotoGP最強マシンだと言われているが、マルケス、ペドロサの強みであるハードブレーキングを担保するためにフロントサスはマシンとライダーの荷重を100%支えられるよう硬くなっている。フロントが沈み込んだあたりでのサスの硬さを求めると、その分リアのスプリングレートも上げざるを得なくなる。そうしないとコーナリングの最中に荷重を掛けたときにマシンのリア側がフロント以上に沈み込み過ぎてしまうからだ。もしリアが沈みすぎるとフロントの荷重が抜けてマシンが出口でアウトにはらんでしまうのである。これは「スクワット・アンド・プッシュ(沈み込みの反動)」と呼ばれる現象だ。こうしてホンダライダーは思う存分ブレーキをかけられるのだが、その分、サスの硬さも求めることになる。

ミサノについてもう一つ重要な点は、路面のグリップが悪く、さらにバンピーだということだ。去年マルケスはこのコースについて「グリップはあんまりないし、それよりバンピーだというのも問題ですね。あちこちにバンプがある上にグリップも良くない。最大の問題はでもバンプですよ。それに合わせてセッティングしないといけないんです」と語っている。

去年ここで勝利したロレンソはそのレースの前にこう言った。「ブレーキングでマシンを減速するのに苦労していますね。それにいつも通りに加速しようとするとリアが空転しちゃうんです」。去年は日曜のウォームアップでは速さを見せ、チームが良いブレーキングのセッティングを見つけてくれたのだと語っている。

リアの空転は路面のせいだろうが、しかし減速で苦労するのはここ3年ヤマハにつきまとってきた問題である。ブレーキングを始めるとその瞬間からリアの荷重が少なくなり、リアが振れることになる。そしてもしリアタイヤが地面を離れると(マルケスはいつもそうだし、これをスムーズにやっているが)転倒の危険に直面するのだ。MotoGPの初期にはブレーキングの不安定性が深刻な問題だった。リアが振れ始めるとすぐにそれが止められないほど大きくなり、ライダーを投げ出したのだ。とは言え時代を経るに従ってそうしたリアの振れのきっかけをなくすための策がいくつかみつかってきた。一つはエンジンブレーキのコントロールで、もう一つはシフトダウンをスムーズにすることだ。

さてそろそろ核心に近づいてきたようだ。どのチームもサスを柔らかくするとメカニカルグリップが増すことはわかっている。柔らかいサスがバンプを吸収し、マシンが暴れるのを抑えることができるのだ。ルカ・カダローラとフレディ・スペンサーはどちらもサスのスプリングレートを低く(柔らかく)することでメカニカルグリップを得て、コーナリングスピードを稼ぐ助けとしていた。その分グリップの高いコーナーでサスがボトムしやすくなったことに対しては、スプリングのプリロードを上げ対処していた。そうしたライダーのマシンのシート部分を上から押したことのある人はみなこれにとまどったものだ。「ワオ!すごく硬いのが好みなんですね」と言ったものだ。しかし硬さとプリロードは別物である。

ホンダのライダーはどちらもダートトラックスタイルの走りで、ブレーキングはハードで深い。そしてコーナーではすばやく倒し込む。どちらについても、これを実現させるにはスプリングレートを上げなければならない('48年型ビュイック[訳注:ふわふわのサスペンションの車]でスラロームをすることを考えてみるといい)。このためにメカニカルグリップが失われることは百も承知の上だ。しかしマルケスやペドロサがやっているようなスライド走法によりタイヤが発熱することで、バンプではじかれても縁石でどきっとしてもすぐにグリップを回復できるのである。しかしミサノでは路面のグリップは平均以下であり、タイヤのグリップを回復させるほど十分に発熱させられないのだ。

トップライダーの区間タイムを見てみよう。これでわかるのはロッシのタイムは4区間とも安定しているということだ。一方のマルケスはセクション1、2で速いが、セクション3、4でははっきりと遅くなっている。そして後半セクションがミサノの特徴を最も表しており、11コーナーと14コーナーはその前のコーナーより低速でタイヤの右サイドに負担をかけるコーナーとなっている。

ヤマハのマシンはコーナリングスピードが速い分、ブレーキングをそれほどハードにしなくても良い上に、メカニカルグリップが高いことで滑りやすい路面でバンプがあってもホンダよりグリップを得やすくなっている。マルケスはセクション3、4で遅い分をセクション1、2で限界を超えて攻めることでなんとか取り戻しているのだ。つまりそれだけミステイク・ゾーンに足を踏み入れやすいということでもある。マルケスが勝ったレースでこれまでみせてきたように快適なペースで走っているのであればラップタイムは時計のように安定しているはずだ。しかしそれ以上に速く走ろうとすると、すべてを正しくこなすのが難しくなり、小さなミスが現れ始める。その結果としてラップタイムは安定しなくなりるのだ。はらんでしまったりインにつけなかったりといったミスは取り戻すのに時間がかかるからだ。ライダーが速く走れば走るほど、ミスは多くなり、しかも大きなミスとなる。それがミステイク・ゾーンだ。

マルケスやその他のトップライダーは誰もがケニー・ロバーツの格言を身にしみて知っている。「低速コーナーは低速で走れ」。しかしセクション3、4での遅れを取り戻したいマルケスにそれはできなかった。彼はコース前半の1速・時速70kmまで落とす右コーナーであるリオ(錨爪の先端)でフロントから転倒してしまった。リスタートしてレースには復帰したものの15番手で1ポイントしか獲得できなかったのだ。

ロレンソは土曜はハード側のフロントタイヤで好調だったが、他のライダーは日曜にソフト側を選択していた。彼は言う。「昨日はハード側で良かったんですけど、今日はエッジグリップが全然なかったですね。タイヤは安定はしてたんですけど、昨日ほどは良くなかった。限界まで攻めたんですが、ヴァレンティーノが強かったですね。彼は勝利にふさわしいですよ。
 まあスタートは良かったですけど序盤からリーンでもブレーキングでもフロントに自信を持てなかったんです」

ホンダがグリップを得られなかったことはペドロサの言葉でよくわかる。「2台のドゥカティ(イアンノーネとドヴィツィオーゾ)を抜くのに時間がかかってしまって、しかも抜いたら抜いたでフロントもリアも滑るようになったんです。マシンをコントロールするのがたいへんでした。
 2周もするとロレンソや他のライダーから離れてしまったんです」

ドヴィツィオーゾとイアンノーネは4位と5位でフィニッシュしている。これはドゥカティが「1周しか速くない症候群」から抜け出しつつあることを証明しているだろう。最終ラップまで良いタイムをキープできるようになったのだ。

ロッシが自身のライディングスタイルを変えながら向上し続けているのは私たちをワクワクさせてくれる。しかも彼は未だにレースが、バトルが大好きなのだ。大人が伸び盛りの若者に見せつけてやったとも言えるだろう。彼はサーキットからわずかの距離である地元、タブーリアの家族や友人やファンの前で1年以上も遠ざかっていた勝利を手にしたのだ。今回の勝利はさぞかし甘い果実だったに違いない。
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技術系翻訳なのでちゃんと伝わっているかどうかですが、おもしろい記事でした。

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2014ミサノMotoGP日曜まとめ:伝説ライダーの復活

ロッシ優勝で大いに盛り上がるMotoGP界隈。MotoMatters.comのまとめ長文を訳出します。ロッシ讃頌ですよ。
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日曜のミサノは完璧なイタリアおとぎ話と言えよう。Moto3、Moto2の両方でスペイン国歌が流れた後、MotoGPレースが終了するとイタリアのファンはイル・カント・デリ・イタリアーニ、つまりイタリア人の歌を高らかに歌い上げることができたのだ。ヴァレンティーノ・ロッシが81回目のMotoGP勝利を数限りない46の黄色い旗がはためく前で飾ってみせたのである。それも自宅から数kmの地元サーキットでだ。ロッシの勝利は去年のアッセン以来。ミサノでは2009年以来となる。

しかしロッシの夢のような勝利はフロックではない。保留付きの勝利ではないのだ。2013年のアッセンと違って怪我でいなくなったライダーもない。必ずや結果を残すというロッシの決意、戦闘力のあるマシンと素晴らしいセッティングを実現したチームの努力の賜である。ロッシはプラクティスを支配し、予選ではフロントローを獲得し、スタートも良かった。そしてチームメイトであるホルヘ・ロレンソを追い、マルク・マルケスを打ち負かした。マルケスのミスを誘ったのだ。

かつてのヴァレンティーノ・ロッシがよみがえったのだ。私を含めて多くの人間がもうそういうことはできないのかと恐れていた昔のロッシである。彼は未だに強さを保っていたということだ。肩の怪我、2年間のドゥカティでの低迷、ヤマハに適応するのに苦労した1年間を経てついに彼は速さを取り戻したのだ。勝利の方程式を再び取り戻したのである。ドゥカティ時代に苦しみ、そしてライディングスタイルを新時代のMotoGPに適応させるために苦闘し、アプローチを変え、新たな技術を獲得し、そしてその結果をコース上で発揮する。これらはすべてロッシが未だに勝利を渇望していることを雄弁に物語っている。ヴァレンティーノ・ロッシは間違いなくこれまでバイクに乗ったあらゆる人間の中で最も才能のあるライダーの一人である。しかし今回の勝利は単に才能によるものではない。すべてをつぎこみ、努力をし、野望を絶やさず、メンタルの強さも保ち続ける。その積み重ねがミサノでの勝利をたぐりよせたのだ。

土曜日から勝利の予感はしていた。ロッシはドライになると真っ先に飛び出しFP4では素晴らしい速さのレースシミュレーションをやってのけた。新たな予選方式で十分なグリップを得られる術をまだ身に付けてはいないもののフロントローを獲得した。ミサノのような抜きにくいコースでは極めて重要なことだ。ミサノでやるべきことをこなしていたロッシだが、他のホンダと同様にマルク・マルケスが苦労しているのを見るとロッシの速さに拍車がかかる。ロッシの振る舞いは水中に血の臭いを嗅ぎつけた鮫のようだった。あたかも獲物の周りをぐるぐる周り、攻撃の時を探っているかのようだったのだ。

その時は4周目にやってきた。ロッシが先頭で逃げるロレンソを追いかけているときだ。一撃で仕留めたわけではない。8コーナーでロッシが襲いかかってきたとき、ロレンソも粘り強く対抗はした。クエルチア、トラモントと順位を入れ替えつつ、しかしロレンソはついにアウトにはらんでしまい、ロッシとマルケスに抜かれてしまう。

ロッシとマルケスは共にロレンソを突き放し、そしてマルケスはロッシになんとか追いつこうとする。しかしマルケスは既にぎりぎりで走っていたのだ。クラッシュは時間の問題だった。彼が転倒したのは当然のように見えた。4コーナーのインサイドをカットし、そこで縁石に乗り上げてしまう。「コーナーでインに入りすぎて縁石に乗り上げちゃったんです。あそこではやっちゃいけないことだった。でフロントからいっちゃいました」とマルケスはレース後に語っている。

彼はプレッシャーに負けたのか?それともやりすぎてしまったのか?マルケスはこれを単純なミスだという。勝ちたい気持ちがいきすぎてしまったらしい。「僕はいつでも全レース勝つつもりで走っているんです。後ろの方でポイント計算をしながら走るなんてことはやりたくなかった。そうじゃなくてもっとリスクを冒してでも前を走りたかったんです」。マルケスが限界で走っていることは明らかだったが、マルケス自身は最初の3周か4周しかプッシュしていないと言っている。その後は彼によると「頭を冷やして」ロッシについていっただけだそうだ。しかし自分のペースで走っていたようには見えない。フロントタイヤは常に外側に逃げようとしていた。ホルヘ・ロレンソのチームマネジャーで元レーサーのウィルコ・ツィーレンベルグもマルケスがロッシを負かそうと限界を超えてしまったという見方に賛成する。

彼はミスをするようにしむけられたのだろうか?もっともありそうなのは、ロッシは単に全力で走っていただけで、マルケスが彼に勝ちたいと思い込みすぎてしまったというシナリオだ。土曜のマルケスはヤマハに対抗できるだけのペースを獲得できなかったが、日曜午前中になんらかの対策を見つけたようだ。しかしそれだけでは何かが足りなかったのは明らかである。

ロッシの勝利が大観衆を沸かせるというのは、砂漠は砂っぽいと言うのと同じくらい意味がない表現だ。MotoGPマシンの音量規制は130dB/Aだが、これはジェット機の離陸時の騒音に匹敵する。しかしロッシがロレンソに替わってトップに立ってから数周の間、歓声でマシンの音が聞こえなかったほどだ。ミサノ用スペシャルヘルメットの手形が象徴するように多くの観衆が後押ししたのである。日曜のロッシは観衆という波に乗って滑っていった。いい大人がティーンエイジャーのように叫んでいたのだ。

男も女も30代で、ロッシが初めて勝ったときには10代だったような年頃だ。モヴィスターヤマハで最高峰クラスを走り始めて15年目、ロッシはGP参戦19年目である。それほどの長きにわたって走り続けること自体が偉業である。しかしロッシはそれだけにとどまらない。常にトップレベルで戦っているのだ。驚くべきこととしか言いようがない。

ロッシの人なつっこい笑顔の裏にはカミソリのような勝利への渇望が隠されている。それが彼を前に推し進め、トレーニングを続けさせる原動力である。彼が自らライディングスタイルを変えようとし、そして実際に変えてみせたということだけでも彼は特別なライダーであると言える。優勝できる力をこれほど長い間高いレベルで維持していることは真に偉大なライダーの証だ。

彼の戦闘力は維持されているというよりむしろ向上しているのだ。レース後ロッシは、過去になかったくらいライディングが良くなっていると語っている。「今の僕が史上最高のヴァレンティーノですね。年間10勝とか11勝してたときと比べても遅くはなっていませんよ。大きな問題はライバルが強くなってきているということなんです。彼らは僕より若い次世代のライダーですからね。それに僕よりプロフェッショナルで、レースにすべてを注ぎ込んでいますから」。マルク・マルケスやホルヘ・ロレンソ、ダニ・ペドロサはみな記録に残るライダーだ。そのライダーたちを破ることができるというもの偉大なライダーであるもうひとつの証左であろう。

ホルヘ・ロレンソはフロントタイヤにハードをチョイスしたことが裏目に出た。プレスカンファレンスで彼は去年のデータに基づいてハードを選んだとのことだ。去年はハードでレース中のファステストを記録していたのだ。チャンピオンの望みが絶たれたことでギャンブルすることもできるようになったのだが、予想したほどグリップしなかったようだ。土曜からウォームアップまでは最速で、今シーズン初優勝にも自信を見せていたがそうはならなかった。ロレンソは言う。「ヤマハが1−2を決められてとてもうれしいですけど、僕自身について言えばがっかりな結果ですね。優勝も狙っていたんです」。しかし彼はモヴィスターヤマハのチームメイトについて行けなかった。「今日のヴァレンティーノは優勝にふさわしいですよ」。ロッシはミサノがヤマハにとって今シーズン最も優勝の確率が高いと言われていたことを実証した。しかしロレンソはそれがロッシではなく自分であることを望んでいたのだ。

ミサノでホンダよりヤマハが速いのはなぜだろう?机上の論ではミサノはホンダ向きのサーキットに思える。ハードな加速をする後にハードブレーキングが必要となるのだ。しかし滑りやすい路面とコーナー出口の形状がヤマハに加速時のアドバンテージを与えているようだ。これは他のコースにはあまり見られない特性である。ヤマハのマシンはコーナー出口でトラクションを得られる要になっている一方、ホンダはリアタイヤが空転を始めてしまい十分な脱出加速を得られないのだ。

リアがきちんと路面をかまないことでダニ・ペドロサは苦労していた。しかし彼の問題はそれだけではなかった。フロントとリアのどちらが問題かと尋ねられたときのペドロサの答えは実にシンプルだった。「両方です」。彼はスタートは良かったもののすぐにアンドレア・ドヴィツィオーゾとアンドレア・イアンノーネの2人のドゥカティライダーにつかまってしまい、さらにはヤマハのポル・エスパルガロにも抜かれてしまった。ペースは良かったのだがドゥカティを抜くのに時間をとられすぎ、抜いた頃にはトップからかなり遅れてしまったのだ。マルケスがクラッシュしたおかげで表彰台には昇れたが、最終ラップまでアンドレア・ドヴィツィオーゾと熾烈な争いを繰り広げることとなってしまった。

ドヴィツィオーゾはかなりがんばったと言えよう。彼は優勝したロッシからわずか5秒遅れだったが、ここまでトップに近づけたのはしばらくなかったことである。ドヴィツィオーゾの結果はドゥカティの戦闘力が確実に向上していることを示している。しかし彼の順位は地元パワーのおかげという面もある。レースを通じて表彰台が見える場所にいつづけ、そのおかげでかなりのところまでいけたのだ。いつになくリスクを恐れず、最後の10ラップでは何度も限界を超えていた。ペドロサにもう少しのところまで迫ったのである。自分が体力的にも最終ラップまでいけることに驚いたかもしれない。いつもなら集中力をもってドゥカティの戦闘力を保のに疲れてしまうのに、今回彼はミサノで新たなステージに上がったのだろう。ペドロサに追いつくために最後の10周を全力で攻め続け、表彰台の最後の1席を確保するためにがんばったのだ。もう少しだったが残念ながらペドロサを抜くことはかなわなかった。

ドヴィツィオーゾのライディングは素晴らしいもので、家の近くのサーキットで友人や家族の前で走ることがどれだけ力になるかを証明したと言えよう。さらに今年のドゥカティがいかに進化したかも示している。改良された部分はささいなことの積み重ねだが、これが合わさることでマシン全体は驚くほど進化したのだ。2週間後のアラゴンではどこまでマシンが良くなるかについてはドヴィツィオーゾは慎重だ。新パーツが望むような違いをもたらしてくれるかには確信が持てないらしい。シルバーストンとミサノの結果は彼のライディングによるものでマシンのおかげではないという。「この2戦、僕がやったことはすごいことですよ」

カル・クラッチローがドゥカティと袂を分かつことにした今となっては、アンドレア・イアンノーネは実質的にドゥカティのセカンドライダーだ。しかしドヴィツィオーゾのペースには追いつけなかった。とは言え地元で5位に入っている。パワーの差でワークスマシンに追いつけなかったのだが、これまでで最もトップグループに近づいたレースだ。ドゥカティのライダーがミサノでテストをしたことも少しは助けになっているかもしれないが、3週間目とは路面状況が完全に異なっていることを思えば、期待していたほどテストの効果はなかったろう。

ロッシの勝利に加えて2台のドゥカティがトップ5に入るというのはイタリア人にとっては夢のような週末だったろう。Moto3ではエネア・バスティアニーニも良い走りをしているし、アーサー・シッシスに取って代わったマヒンドラのアンドレア・ミーニョもよく頑張った。ロッシはイタリアのファンにスペイン人と戦える力がまだあること、スペイン人がちょっとでも沈めばそこにつけいってみせることを証明してみせた。そして今回のレースでは高いレベルの新たな世代が台頭していることも示された。ミサノでのMotoGPレースの後、コースを埋めた観衆は大満足だったろう。

しかしロッシの勝利は単にイタリアの勝利ということではない。ロッシという存在は国を超えて、モータースポーツを代表しているのだ。MotoGPがスポーツ番組で取り上げられることがない国でもロッシならば2分間ばかりテレビで放映されるのだ。正直言うと10周目の後でレースへの興味は失せてしまった。ロッシは冷静にロレンソとの差をコントロールしていたのだ。しかしそれをやっていたのはロッシであり、世界中に名を知られ、世界中から愛される彼がやるならファンはそれを許すのである。彼がどう勝つかは関係ない。彼が勝てることが重要なのだ。

スペインのジャーナリストであるメラ・チェルコレスがロッシのことを「Patrimonio de la humanidad」と表したことがある。ヴェニスやストーンヘンジやイエローストーン国立公園といったユネスコ世界遺産のことだ。それはほんの少しだけ大げさかもしれないが、ヴァレンティーノ・ロッシはもう何年もにわたってスポーツを超えて人類のものになっているのかもしれない。MotoGPがそれほど人気のない国に住んでいると、何をしているのか訊かれてバイクレースについて書いていると答えるときに「知ってるでしょ、ヴァレンティーノ・ロッシが走ってるやつですよ」と言うと、誰もが納得してくれる。そして誰もがバイクレース界の象徴に微笑みを浮かべるのだ。ミサノのレースはなぜロッシが第一人者の地位に居続けるのかを教えてくれた。

史上最高のライダーは誰なのかについての議論もあるだろうし、彼より才能のあるライダーもいるだろうが、バイクレース界に最も影響を与え、そしてこのスポーツを世間に知らしめたのが誰かという点についてはヴァレンティーノ・ロッシ以外を挙げる人はいないだろう。だからこそロッシの勝利はモータースポーツの勝利なのである。
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ふう。私はロッシがデビューした頃から見ていて、なんとなくその影響力を過小評価しているところもあるんですが、やっぱ引退後はまずいんでしょうねえ。

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公式リリース>サンマリノGP2014

ホンダヤマハドゥカティ(英語)

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ストーブリーグ表2015(2014.9.15時点)

マルクVDSがレディングでMotoGP参戦という公式発表を受けて、レディングを確定させました。

あとはプラマックとアスパーですね。

Stove_2015_140915

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マルケスのチャンピオンはもてぎで決定?

サンマリノGPで転倒、再スタート、1ポイントに終わったマルク・マルケスですが、それでもチャンピオン最有力であることには変わりません。6/29のオランダGP終了時点でも検証していますが、一応更新。
幸いにもアラゴンでのチャンピオン決定はなくなり、もてぎの日本GPで決まりそうな感じですね。

Marq_champ_140914

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公式プレビュー>サンマリノGP2014

ホンダヤマハドゥカティ(英語)

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レディングがグレシーニとアプリリアの契約について語る

一応今のところはグレシーニのチームにいるレディングですが、来年アプリリアに乗る可能性は極めて薄い、ということでチーム・グレシーニがアプリリアとの4年契約を発表したことについてのレディングの発言をCRASH.netから。
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雨のミサノの初日は13番手だったスコット・レディングだが、グレシーニが2015年からのアプリリアへの変更を公式発表したことを受けて、彼の来年に関する質問が相次いだ。

ルーキーのレディングはホンダのオープンマシンに乗るライダーではランキングトップであり、当初はそのままグレシーニでファクトリークラスのホンダに乗るものと思われていたが、それも不可能となった。

21歳の彼はグレシーニのRC213Vを引き継ぐことができる資金を保つチームからのオファーを待っている状態だ。今のところマルクVDSが最有力と見られているが、一方で彼はアプリリアのプロジェクトの実力を測っているようでもある。

パドックで質問に対してレディングは来年に関する決定が近いこと、ことによったら今週末にも発表できるかもしれないと言った。

「すぐだと思いますよ。チームがアプリリアにスイッチすることが公式発表されましたが、これは僕にとってもいろいろ変わるということです。今夜はじっくり時間をかけて選択肢について考えて、今週中か来週半ばには気持ちを決めるつもりです。すぐに決めたいと思ってますけど、悩ましい問題ですからね。まあすぐに結論はでるでしょう」

レディングの契約にはホンダのワークスマシンに乗るということが含まれており、グレシーニがアプリリアにスイッチしたことでレディングは違約金無しでチームを離れることができるはずだ。

CRASH.netから彼に対して、自由にグレシーニを離れることができるのかと訊いてみたところ、彼はこう答えた。
「出て行くというのと、来年何をすべきかというのは別の問題ですね。大事なのは来年戦闘力のあるマシンを手に入れるということで、アプリリアももしかしたら来年は戦闘力のあるマシンになるかもしれない。ホンダはもちろん戦闘力がありますから、ちゃんと考えて状況を把握しないと行けないですね。そういうつもりで考えて、来年どうすべきかってことですよ。
 グレシーニがアプリリアにスイッチするということで来年の契約については条件を満たせなくなったと言うことですから、そこはなんとかしないといけません。もしアプリリアでいくとなったらここに残りますけど、それでどうなるでしょう?チームは同じでもマシンのメーカーが変わるってのは望んでいたことではないですから、将来についてはじっくり考えないとね。そういうことですよ。とにかく今晩大事なポイントを比べてみて決めることにします」

アプリリアが来年に向けて大幅改良をしてくるだろうとずっと言われ続けてはいるが、その道筋も明らかではなく、2015年はニューマチックバルブの投入だけになるだろうとも言われている。しかしイタリアではアプリリアがシームレスギアボックスも導入し、その他エンジンの改良やシャーシ周りのニューパーツも導入するだろうという噂が流れている。

もしそれが本当ならアプリリアの戦闘力は大幅にアップするだろう。しかしレディングとしては早い内にチャンピオン争いができるマシンを手に入れることが最優先で、2015年のファクトリークラスのホンダは彼がMoto2ni残るのではなくMotoGPに飛び込むことを決意した大事な人参なのである。

「2年経ったら何もかも変わってしまいますし、2016年とか17年にアプリリアでタイトル争いができるかも知れないというのは素晴らしい話ですけど、結果が出せなければそこでシートを失って誰にも拾ってもらえないことになってしまいます。将来のことを考えなければならないんですよ。目の前のことではなくね。将来のために今オープンマシンに乗ってるんですけど、今年は何もできていない。オープンマシンに乗ってるのはファクトリーマシンを手に入れるためなんです。そういう契約だからMotoGPを走っているんです。
 来年もオープンマシンに乗れというならMoto2に残ってタイトル争いをして、それから別のシートを探しますよ。今現在はいろいろ考え直さないという状況なんです。これからはタイトル争いがしたいし、そうなると思います。僕は21歳でまだ若いってみんな言いますけど、実際問題あと8年くらいしか残っていないわけで、時間が余ってるわけじゃないんですよ」

グレシーニとアプリリアはまだライダーを発表していないが、その内一人はワールドスーパーバイクから移籍してくるマルコ・メランドリではないかと言われている。チームに残ってアプリリアを開発することは可能かと訊くと、レディングはこう答えた。

「ライダーによりますよね。もし僕が開発を頼まれたら即座に断って出て行きますよ。まあ今時点ではMoto2の時みたいにいい状況にあるんでマシンを開発することもできると思いますしアプリリアでもできるでしょうけど、これからのキャリアを考えたら、今そういうリスクを冒すべきではないと思ってます」

このところグレシーニは不運続きだ。2006年ポルトガルGPでのトニ・エリアスで勝ったのを最後に勝利に見放され、ホンダのワークスマシンを入手する資金の獲得にも難渋し、結局異なるメーカーからの支援を受けるほかなくなってしまった。

グレシーニが直面している困難について、レディングはオーナーであるファウスト・グレシーニにはメーカーを変えるという選択肢しかなかったろうと言っている。そして決定が個々まで引き延ばされたことについてはいらいらしているとも語った。

「その決定はファウストがしたというわけではないと思いますよ。チームの財政のためにそうせざるを得なかったんです。ホンダのマシンはすごく高価で、アプリリアならむしろ援助してくれますからね。財政面を考えてそうしなやきゃならなかったんです。お金が無いのに『それ買いますよ』なんて言えるわけがない。
 この決断は彼が最初に考えていたものではないですね。だから彼を責めるつもりはありません。でももう何か月か前にこういう決定も選択肢だと言ってくれてたならとは思いますよ。でもこれは決まったことだしアプリリアも戦闘力のあるものになるでしょうから、現時点では正しい決定だったんでしょう」
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「2年経てばすべてが変わる。結果を出せなければシートを失って誰にも拾ってもらえないという」発言。中上のことをいやでも思い浮かべちゃいます・・・。

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ストーブリーグ表2015(2014.9.13時点)

グレシーニがアプリリアとの契約を発表したのを受けて、レディングのマルクVDSの確度を高めたり、アヴィンティアとドゥカティの契約発表を受けてバルベラをフライング気味に確定させたりしています。
グレシーニのアプリリアはないと思ってたんですけどねえ。

Stove_2015_140913

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ペドロサのチーフメカ、マイク・レイトナーへのインタビュー:レースの戦略、スタートの危険性、タイヤの過去と未来

ペドロサと10年間一緒にやっているチーフメカへのインタビューです。Motomatters.comより。
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ダニ・ペドロサが彼のチーフメカであるマイク・レイトナーと働き始めてもう10年以上になる。ペドロサが250ccにデビューした2004年からなのだ。ペドロサとレイトナーの絆は強い。オーストリア人であるレイトナーの手によってペド画長は2回の正解タイトルと41回の勝利を2つのクラスで挙げているのだ。

マルク・マルケスがMotoGPにやってきたことでレプソル・ホンダには様々な変化があった。マルケスの天性のスピードのせいで、ペドロサと彼のチーフメカはレースへのアプローチを考え直すことになったのだ。2人はマルケスという若いチームメイトに対抗する術を考え出さなければならなかったのである。今シーズン序盤ではペドロサはレイトナーの戦略がうまくいっていないと何度もこぼしていた。その戦略のせいで戦えなくなっていると言っていたのだ。

ペドロサの戦闘力は増しているし、それはブルノで今シーズン初めてマルケスを破ったのが彼であることがそれを証明しているが、未だに序盤の不振が尾を引いてペドロサのピットには緊張感が漂っている。ペドロサがレイトナーを替えたがっているという噂まで出る始末だ。

ペドロサのレース戦略にどんな変化があったのかを確かめたくなったので、チーフメカのマイク・レイトナーにインタビューをすることにした。その内容は非常に興味深く、どのようにチームがレースにアプローチしているのかが明らかになった。レイトナーは、ペドロサが序盤に攻めるだけ攻めることが有効な戦略であることに気付いた最初のライダーであることや、他のライダーがそれを真似するようになったことについて語ってくれた。そしてブリヂストンタイヤの性能の高さと逆に危ない面や、MotoGPではスタートが重要であることについても教えてくれた。

レイトナーはさらにドゥカティが使っているエクストラソフトタイヤのせいでMotoGPレースの序盤が混乱したものになっているとも語っている。Moto2レースで路面に残ったタイヤラバーのことも考えなければならいとも言う。これらがどのようにレース中に変化するのか、そして戦略にどう影響するかというのが問題なのだそうだ。

ペドロサが2015年に新しいチーフメカを迎え入れる可能性については全く語っていない。本当は聞きたかったのだがこのケンについては公式に聞いてはいけないことになっていたのだ。関連するその他の質問(ヴァレンティーノ・ロッシのチーフメカ変更がどう奏功しているかとか)についても禁じられた。しかしそうした質問なしでもレイトナーへのインタビューはMotoGPの深い部分について興味深い様々なことを教えてくれた。

MotoMatters.com:今シーズンずっとダニはレース戦略が変わったと言っていました。さらにそれには不満だとも。うまくいくときもあればいかないこともあるって言ってますね。去年までは彼はレース序盤は速かったですが、その速さが終盤まで保ちませんでした。ダニによれば戦略変更は彼がレース終盤で速く走るためにあなたの考えたことだそうですね。そのアイディアについて、何を変更したのか解説していただけますか?
レイトナー:シャーシセッティングやサスペンションやその他電子制御のマッピングとか普通にやってるセッティングもいろいろ手をつけています。細かいことはお教えできませんが。今シーズンの始めにかなりの進歩ができました。今はその方向で、まあそんな感じの方向でやっていますね。

MotoMatters.com:どうして方向性を変えたのですか?
レイトナー:もっと速く、そして限界で走るにはいろいろ変えなければならないんですよ。理由はそれだけですね。

MotoMatters.com:その「限界」というのはレース終盤の話ですか?
レイトナー:全般についてですね。ラップタイムは年々速くなっているし、マルクもすごく速い。それにダニはいつも上を目指しているんです。だから今のライディングに不満なら違う方向を考えなければならないということなんです。
 そういうことなんですよ。でもこの話は冬期テストの時から始まっているんです。それからずっと取り組んでいるんですよ。

MotoMatters.com:じゃあレースの後半で速くしようというのではななく、序盤から終盤まで速くしたいってことですか?
レイトナー:全般のパフォーマンスを上げたいということですね。最初から最後までです。もちろん終盤でちょっと遅くなることもありますし、序盤で遅いレースもあるんですよね。ですから序盤も終盤も良くしたいんです。

MotoMatters.com:ダニはいつでもスタートはいちばん速くて、常にホールショットを奪っていましたよね。
レイトナー:ええ、それはその通りです。みんなそう言いますし、それは見ればわかることなんでみんな何か言ってきますけどね。例えば去年ホルヘはすごくスタートが速くなった。最初からすごく速かったですよね。でも今年ドーハでクラッシュしてからは少し遅くなりました。それほど序盤を速くするのは難しいことなんです。今では彼らは最初からプッシュしています。スタート直後からね。私たちが遅くなったとは思っていません。うちはずっと同じペースなんですけど、他のライダーが速くなっているんです。私たちはすでに限界に達していて、そこに他のライダーが階段を一段上ったんだと考えているんです。

MotoMatters.com:要するにダニにはアドバンテージがあったけど他のライダーに追いつかれたということですね。
レイトナー:そうです、そうです。ダニはスタートの重要性に気付いた最初のライダーの一人なんです。ですから彼は一歩先んじていた。そして当然のように他のライダーも同じことをしはじめたんですよ。

MotoMatters.com:ダニの考えに従ってスタートを速くするにはやはりセッティングが重要なんですか?セッティングはどれくらい影響するんですか?
レイトナー:そうですね、全部が関係しますよ。ギアレシオやクラッチのセッティングやマッピングや・・・。ご存じの通りいろんなことが関係してくるんです。そしてそのためには何かを犠牲にしなければならないこともある。でもありがたいことに4輪のレースではないですからね。リズムをつかんで安定したラップを刻むことができるなら、毎レーススタートに成功しなくても大丈夫なんですよ。でもスタートがいいといろいろ楽になります。集団から逃げられるし、その分リスクは減りますしね。まあそういうことです。

MotoMatters.com:ブリヂストンのタイヤはそういう戦略に向いているんですか?がんがん攻めればすぐに温度が上がる特性だと聞いていますが。
レイトナー:そうですね。でもそれは前からですからね。そこはライダーがなんとかしないとならないところでもあります。

MotoMatters.com:メンタルも関係しているということですか?
レイトナー:ええ。例えばミシュランからブリヂストンに変えたときにはフィリップアイランドで痛い目に会いました(編注:1ラップ目のサザンループ)。当時はタイヤの特性を理解していなくて、当時はとにかく学習、学習、学習って漢字でしたね。でも他のライダーも同じところで優位性を確保しようとするんです。
 いずれにせよ今では予選の状況がかなり変わったんでいろいろ難しくなっていますね、いちばんの違いはドゥカティが使っているタイヤです。エクストラソフトのことなんですけどね。もしうちが100%でなかったらブルノみたいにドゥカティから0.2秒遅れということもあるんです。そうするとスターティンググリッドが2つさがってしまうことになる。でもレースペースではその位置にはドゥカティはいない。とは言え1コーナーでは前にいるんですよ。かなり難しい状況ですよ。

MotoMatters.com:ドゥカティがエクストラソフトを使っているせいでスタートが難しくなっているということですか?
レイトナー:その通りです。もしドゥカティの後ろになったらなかなか抜けない。1ラップ目はグリップがいいのでアドバンテージが彼らにあるんです。ご存じの通りエンジンも速いですしね。予選で彼らの前にいけなければ余分なリスクを背負うことになるんですよ。マルクはうまくやっていますけどロレンソもヴァレンティーノもやられることがありますよね。ダニもそうです。ブラッドリーはブルノではうまくやりましたね。同じタイヤでうまくやれましたから・・・。

MotoMatters.com:でも結果は2台のドゥカティに前を行かれてしまいました。
レイトナー:ですね。ですからスターティンググリッドがそうとうトリッキーなことになっているってことですね。

MotoMatters.com:ある意味マルクがスタートが得意でないというのはいいことですか・・・。
レイトナー:まあスタートが下手だとは思いませんけど、彼の強みでもないですね。でもすごくいいスタートを決めることもある。スタートを決めるには運も必要なんです。特に2列目にいるときはね。予想できないこともありますから。目の前にラインが開けることもありますが、運が悪ければスロットルをとじなければならないかもしれないし、もしかしたら他のマシンに突っ込んでしまうかもしれない。もし他のライダーがラインを変えたりしたら自分にできることはなにもない。本当に難しいんですよ。

MotoMatters.com:そういうことも予想するんですか?中にはラインを変えるライダーもいるとのことでしたが、ラインが読めるライダーもいるということです?
レイトナー:連鎖反応ですからね。最初のライダーがこうしたら次のライダーはこうして、っていう具合に混乱に巻き込まれちゃうんです。ですからものすごい反射神経が必要だし、ミスもできないってことでしょう。

MotoMatters.com:ブリヂストンタイヤはもし攻めることができれば温度がすぐにあがるという話をしましたが、レース終盤についてはどうですか。スタートと同じような性能が終盤まで保つんですか?
レイトナー:もちろんそんなことはないですよ。レース終盤まで最初と同じ性能を発揮できるタイヤなんてありませんよ。

MotoMatters.com:ですよね。でも2〜3年前は25周目とか27周目とかにファステストラップが出てましたけど・・・。
レイトナー:今年もそういうことは起こってますけど、他の要素もありますからね。燃料を消費するんでマシンは軽くなりますし、ゴールに向けてひとつでも前に出ようとがんばるってこともあるかもしれませんし、でも普通はタイヤはレース終盤に向けて性能が落ちていきます。どんなコンパウンドかにもよりますし、路面温度や天気にもよります。それにMoto2レースの後では路面状況も変わりますしね。

MotoMatters.com:それはおもしろいですね。ギ・クーロン(訳注:テック3の名物ベテランメカニック)もMoto2レースの後の路面状況について話していました。ライダーはみんなタイヤ痕で路面状況が変わると言っていますし。クーロンによればMoto2の影響よりも路面温度とか違う要素の方が強く影響しているとのことでしたが・・・。
レイトナー:いや、それは違うと思いますよ。予選やFP4ではもっと路面状況がいいことが多いんです。Moto2は基本MotoGPの後ですからね。実際、週末を通してMoto2はMotoGPの後に走るのに、レースではMoto2が先になる。もちろんコースによって影響度合いは変わりますけどね。Moto2が先に走っても問題のない舗装もあるんですよ。まあ数は少ないですし、たいていは状況が悪くなりますね。
 それにライダーのコメントをきけば、最初の10ラップがいかにひどいかわかりますよ。そして突然グリップするようになるんだそうです。

MotoMatters.com:それは路面がきれいになっちゃうからですか?
レイトナー:そうだと思います。誰か一人が言ってるなら無視してもいいでしょうけど、8人とか10人が同じコメントを言うってことは何かあるってことでしょう。

MotoMatters.com:タイヤについてもうひとつおきかせ下さい。2016年にはミシュランになるわけですが、何か予想していることはありますか?もう2016年のことを考えてます?マシンやセッティングにどんな影響があるんでしょうか?
レイトナー:今メーカーがテストライダーでのテストを始めていますが、まだ緒に就いたばかりです。チームが知らされているのは17インチに戻るということだけですね。どんなタイヤになるかは全然わかりません。まだ様々な種類のタイヤを試している段階で、これからどれにするか決めるわけですし。

MotoMatters.com:17インチになると何か違いはありますか?
レイトナー:もちろんです。ホイールが大きくなるとハンドリングが重くなるのが普通ですね。でも現時点ではどんなタイヤを使うかもわからないわけですし、ハイトの低いタイヤになるのかもしれないですし、まあわからないですね。本当に知らないんです。新しいタイヤはどうなるんでしょうねえ。タイヤ外径が変わるかどうかも全然わからないですし。

MotoMatters.com:ミシュランにとってMotoGP最終年となった2008年と同じような感じになるんでしょうか?
レイトナー:わからないですね。本当に全然わからないんです。私が知ってるのは噂できいて記事で読んだことだけで、今のところミシュランは市販タイヤとディメンジョンを変えるつもりはないということですね。ストリート用に売っているタイヤと同じようなでぃめんじょんではないかということです。でも正直言って何かを語るには時期尚早ってとこでしょう。

MotoMatters.com:つまりセパンでの初テストをやってから考えるということですか?
レイトナー:最初のテストですからね。そこで初めて実物を目にすることになるんです。
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いろいろ興味深いですね。

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ドルナCEOのエスペレータ氏「ロッシがレースを続けるのは重要だ」

まあ、興業としてはそうなんでしょうね。持続性はないけども。MCNより。
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9回もチャンピオンを獲ったヴァレンティーノ・ロッシの力は伊達ではない。

マルク・マルケスもMotoGPのポスターボーイ/象徴としてはそれなりに力を発揮してはいる。彼は記録破りのパフォーマンスを見せつけているのだ。

しかしチケットの売れ行きに最も影響を与えるのはイタリアのヒーローであるロッシである。

だからMotoGPのボスであるカルメロ・エスペレータが35歳になるロッシがワークスヤマハYZR-M!であと2年、つまり2016年まで走り続けると知って喜びに打ち震えたろう。

ロッシは彼が2000年にホンダで最高峰クラスに参戦して以来MotoGPの守護神となっている。エスペレータはMCNにこう語った。「あと2年、彼に走ってもらえるのはとても重要なことですね。ヴァレンティーノと話したんですが、彼も契約を延長できて喜んでいます。彼が走り続けるのは単に金のためだと言う人もいますけど、開幕戦のカタールでも表彰台に昇りましたし、今シーズンはいい調子ですよね。彼がヤマハと契約を更新するつもりだと私に言ったとき、彼の表情は間違いなく彼がMotoGPに残りたいんだということを語っていました。個人的にはヴァレンティーノはまだ勝てる実力があるし、タイトルも獲れる可能性はあると思っています。年齢よりはるかに若い身体をもっているんです。体力的には5年前と変わらないでしょう。ですから彼のパフォーマンスに影響を与えているのは精神状態ですね。ミック・ドゥーハンが何度も私に言っていましたが、レースというスポーツで最も重要なのは心の状態で、それ以外はどうでもいいんだそうです。でヴァレンティーノはまだ勝てる精神状態ですし、勝てると信じているでしょう」

ロッシは前回のシルバーストンのイギリスGPで最高峰クラス246線出場という記録を打ち立てた。

ホームGPとなるミザノで4位以上に入れば史上初めて5000ポイントを超えたライダーとなる。
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ヒーローがいなくなることを心配しても仕方がないでしょう。ロッシ以前もGPは楽しかったんだし。

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短めネタ2題:レミー・ガードナー16歳MotoGP参戦&ロッシ告白「ヤマハを離れたのは失敗」

いずれもBike Sport Newsより。こちらこちら
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レミー・ガードナーミザノでMoto3に参戦

1987年の500cc世界チャンピオンであるワイン・ガードナーの息子、レミー・ガードナーがMoto3にデビューする。怪我で欠場するキーファー・レーシングのルカ・グリュンヴァルドの代役である。

ガードナーはフィリップアイランドのMoto3にワイルドカード参戦する予定だったが、その前にグリュンヴァルドの替わりにミザノで走ることになった。

ガードナーは言う。「正直今週末にGPマシンに乗れるなんて思ってもみませんでした。でも10月のフィリップアイランドに向けていい予行演習になりますね。
 誰かが怪我をしてレースに出られないのは全然いいことではないですけど、この機会を活かして良いチャンスとしたいですね。今週末にできるだけいろいろ学習して、いい経験にしたいです。自分にプレッシャーはかけるつもりはないですよ。いまのところ全力を出し切れれば満足だと思ってます」
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ロッシ告白「ヤマハを離れたのは失敗」

9回の世界タイトルを獲得しているヴァレンティーノ・ロッシが2010年でヤマハを離れたのは失敗だったと語っている。ヤマハを離れたのはヤマハがホルヘ・ロレンソをチームメイトにしたのにむかついたからだとも言っている。

ロッシはドゥカティに移籍したものの、最低の2年間を過ごしただけで再びヤマハに戻っている。彼によれば今では2人の扱いに差はなく、今年の目標はランキング2位になることだという。

「ドゥカティに行ったのは間違いでしたね。ヤマハにはむかついていたんです。だって2004年と2005年にヤマハでタイトルを獲りましたけど、その後かなり苦労しました。でヤマハは強いチームメイトを連れてきた。で僕はそれにむかついたんです。でも今は自分が間違っていたと思いますね。それにヤマハのピットでの待遇はこれまでもずっと平等だったんです。
 2008年にホルヘが来たとき、すでに僕らは同じレベルだった。今でもそうです。今年はヤマハが僕についても相当がんばってくれていて、僕が全力を出せるようにしてくれる。でもロレンソにもそうしてるんです。チームにとって2人の重要性は全く同じなんですね。
 今シーズンの目標は大きな挑戦ですよ。今ランキングでホルヘの上にいて、でも彼は僕に追いつきたくて、それに調子も上げてきてますからね。それに僕らはホンダにも勝たなければならない。ペドロサはそれほどポイントでも離れていないですからね。それが僕らの今の目標です」
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マダム(妻)に「ガードナーの息子がGPデビューするんだよ」と教えたら、「泣き虫かなあ、泣き虫だといいなあ」と言ってましたね。あのかわいさで泣いたりしたら相当キュンキュンパワーが炸裂するでしょう。

そしてロッシ。間違いを認めるというのは強さの証拠なので、本当に相当調子がいいのではないかと。ミザノでは勝つかもですよ。

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アプリリア、MotoGP参戦について明かす。

来年メランドリとバウティスタでMotoGPにワークス参戦復帰するという噂が流れているアプリリアですが、このたびその全容が明らかとなりました。CRASH.netより。
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アプリリアの2015年MotoGP復帰計画はこの数週の内に公式に発表される模様だ。ロマーノ・アルベシアーノが同社の最高峰クラス復帰の野望について語っている。

ノアーレに本拠を置くアプリリアは当初2016年のMotoGP復帰を公式表明していたが、最近になって1年前倒しするのではという観測が流れるようになった。

CRASH.netがアプリリアレーシングのマネジャーであるアルベシアーノに近いうちに何か発表があるのか尋ねたところ、彼はこう答えた。「あり得ますね」

アプリリアを所有するピアジオグループは、昨年の最終戦後のヴァレンシアテストで2016年にMotoGPに復帰する予定であると発表していた。しかしその後の検討により予定を変更して1年前倒しで参戦することになったようなのだ。

アルベシアーノはこう言っている。「いろいろ検討した結果、計画を変更することにしたんです。将来参戦擦ることまでは決まっていたんですが、ある日、気付いたんですよ。なんで待つのかってね。早く参戦すればそれだけ早く戦闘力をつけることができる。1年は実験のためのシーズンだと位置づけることができるんですよ。過渡的なシーズンとね。そこであまり期待はされないままいろいろ学ぶことができるんです。この考えを受け入れて、OK、そうしよう、そうすれば2016年から参戦するよりも良い状態で2016年を迎えられるってなったんですよ。正直言うとスーパーバイクのレギュレーション変更もこの決断を後押ししたんですけどね」

アルベシアーノはさらに2015年型マシンのスペックについて、それが開発中のニューマチックバルブになるだろうとも明かしてくれた。しかしそれ以上に2016年型は異なるものになるだろうとも語った。

「ライバルが使っている新技術、例えばシームレスギアボックスなんかも開発しています。ファクトリー2カテゴリー(編注:ドゥカティやスズキと同様のオープンクラスレギュレーションを適用されるワークス)で走る予定ですから自社製ソフトウェアが使えますね。外装やカウルも新しくなります。かなり手を入れたんですけど、まだ100%プロトタイプとは言えませんね。例えばクランクケースはRSV-4のものです。でもかなりMotoGPスペックに近いものになりますよ。その次の年は完全に新型を導入します。
 2015年に向けてマシンを作るのは確かにたいへんですよ。シーズン中に開発も続けなければならないし、同時に2016年型も開発しなければならない。そっちは完全新型ですしね。膨大な仕事量になりますから優先順位をつけなければいけませんね。シーズン序盤は2015年型の開発をやって、後半はそちらはほっといて2016年の新型に集中することになるでしょう。」

噂ではアプリリアのライダーはマルコ・メランドリとアルヴァロ・バウティスタだと言う。そして長年ホンダと一緒にやってきたグレシーニ・レーシングがマシンの世話を擦るのではないかと言われている。

アルベシアーノはこれについては何も言わなかったが、来年のライダーはもう決まっているかと一押しすると彼は答えた。「50%は終わってますね」
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50%というのはそれぞれのライダーで50%ずつなのか、それとも2人の内1人が決まっているということなのか・・・。

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デニス・ノイスのベスト記事(2004年):MotoGPマシンの魂

MotoGPジャーナリスト界の重鎮、デニス・ノイス氏が2004年に書いた記事がSuper Bike Planetにアップされてました。欧米視点がとてもおもしろいので訳出。ところどころ訳注もつけてます。
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(昔のフォルダから素晴らしい記事を掘り出した。デニス・ノイスが書いたものである。今回彼は再掲載することを許可してくれた。しかも彼のメモ付きだ:編集部)

この記事は私が2004年に書いたものだ。去年ミサノで久しぶりに尾熊洋一(訳注:1980年代から90年代半ばのホンダのWGP監督)に会って、この記事は未だに古くなっていないと感じた。尾熊サンと私は尾熊流の会話を交わした。長い沈黙と時々動詞が抜かれるブロークンな話し方だ。私の記憶では(ノートも録音もないが)こんな感じだ。「ノープロブレム・・・うーん・・・ホンダだけじゃなくて、ヤマハも、でもドゥカティは・・・うーん・・・ドゥカティのことは助けないと、わかるためにね。(長い沈黙、そして尾熊は太陽が眩しいのか目をつぶったまま語り始める。ミサノのパドックが一望できるバルコニーで話していたのだ) むかし本田さんに教えてもらって、僕がアーブ(訳注:カネモト)サンとジェレミー(訳注:バージェス)サンに教えて、アーブサンとジェレミーサンが今度は若いエンジニアに教えて、でも今でも教えられるかな?コンピュータも満載だし・・・うーん・・・ノープロブレム」

私に4台メーカーのなんたるかはそれぞれたった3語以内で(いちばん短いのは4文字で)表現できると教えてくれたのは俳優のケン・フランケルだ(Hawaii Five-0シリーズをはじめとする多くの映画、特に「トラ・トラ・トラ」で知られる。フランケルは歌舞伎シアターで演じたこともあるほど日本の不思議に精通している)。彼は私に日本人特有の言外のコミュニケーションと「モクサツ(黙殺)」(字義通りにとるなら「沈黙で殺す」)という戦略について教えてくれた。

昔ながらの日本人らしいボスの最後の生き残りはおそらく先般引退した古澤政生だろう。ホルヘ・ロレンソの怒りっぽいチーフメカであるラモン・ファルサダに言わせれば、彼は「コンピュータを憎んでいる」のだそうだ。そしてそれに最も近いホンダの男と言えば、ずる賢くお茶目で説得力のある中本修平だ。

ジャーナリズムがペーパーレスになった今、編集部のディーンがインターネットの山の中のどこからか見つけてくれたこの記事のことはほとんど忘れていたのを告白しておこう。−DN
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ワールドスーパーバイクでは参戦マシンのテクニカルデータはオーナーズマニュアルに記載されている。ワールドスーパースポーツではFIMの監督官が6台のホンダCBR600RRをスタンダードのリアアクスルを使っていないことを理由に失格とした。しかしこれらと異なりMotoGPは真のプロトタイプレースである。つまり外観や写真から推測できる以外のことはトップシークレットなのだ。見たこともない金属でつくられており、サテライトではチームメカすら知らないこともあるだろう。

そしてこれはMotoGPマシンの技術的側面については対して語ることがないということでもある。これまで繰り返されてきたインライン4とV4、V5の良い点、悪い点といったことや、ヤマハのビッグバンクランク(訳注:クロスプレーンクランク)や、そしてあなたも私もこれまで聞いたり読んだりした、まあそういうことしか語れないのだ。なので今日は技術的な話はすこし置いておいて、ちょっと精神的な話をしようと思う。まあ他によい単語がないのだがMotoGPマシンの「魂」について語らせてほしい。

みんなヴァレンティーノが、ライダーはマシンより重要だと言うのを聞いただろう。今シーズン、GPキャリアで初めて不利なマシンに乗るヴァレンティーノのようなライダーだけがそんなことを言えるのだ。GPレースという現実世界では、並外れたライダーでなければちょっとした不利ですらカバーできないのだ。今日の極めて洗練されたMotoGPにあっては、石ころを磨いてもダイヤにはならないということだ。

去年、戦闘力のあったマシンは3種類。本題RC211V、ドゥカティ・デスモセディチ、ヤマハYZR-M1だ。技術的にはホンダが一歩抜きんでていた。そしてその優位性はロッシが乗ることによってさらに増すことになった。今はロッシがヤマハに乗っている。そしてヤマハは去年と比べるとずいぶん良くなっている。しかしIRTAテストから開幕までの彼の輝きは消えるかもしれない。これから待ち受けているのはホンダの中速域とトップスピードの強さが活かされるサーキットだ。ヤマハの本当の試練はこれからだ。

ドゥカティは今のところペースがつかめていないようだ。ムジェロに向けてわくわくするようなプレスリリースが何本か出されているが、現実は今年型GP4に加えて去年型まで持ち出さなければならないほどトララブルに見舞われているのだ。ロリス・カピロッシとトロイ・ベイリスの二人は2台を並べてどちらがましか選ばされることになっている。

プレシーズンテストに加えて開幕からの3戦はライダーに焦点が当たっていた。しかしそろそろメーカーに焦点が当たるべき頃合いだ。今では企業文化と呼ばれることもあるが、要するに大事なのは実際に会社でレースにたずさわる何人もの人たちの魂であり、なぜリースをするかという理由なのである。

日本企業を3語以下で
古くからの私の知り合いでテレビにも出ている、でもそれより重要なのは無類のバイク好きで今は引退して日本に住み日本語を流暢に操る男が教えてくれたことだが、日本のバイク業界で4台メーカーのレース部門がどのように呼ばれているかを3語で表現する方法を教えよう。これは彼が言ったことだが、彼も私も誰かを誹謗するつもりは全くないことをお断りしておく。

ヤマハ:純粋マーケティング
スズキ:レース気狂い
カワサキ:金持ちのレース
ホンダ:NASA

彼にヨーロッパメーカーはどう思われているのか聞いたら、彼はこう答えた。「夢追い人」

彼が自信に満ちてこういう呼び方を教えてくれた上に、それを裏付ける様々な逸話も教えてくれたせいか、いまだに私の頭の中にはこのイメージが染みついている。

イメージが先かそれとも観察の結果なのかはもうよくわからなくなっているが、以来ヤマハワークスはセールスのためにレースをしているのだと見ている。何年にもわたってヤマハのグランプリレースは最高の500ccマシンやMotoGPマシンというわけではなかった。しかし彼らは最高のプロの広報と、そして最も恐れを知らないライダーを抱えている。ロバーツ、レイニー、ローソンを思い出すといい(そして今はヴァレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソだ:DN)。

過去のレースレポートをひもとくと、この3人は常にマシンに文句をつけていた。でも勝ってもいたのだ。ケニー・ロバーツが彼独特の言い方でウェイン・レイニーにこう話したのを覚えている。「もしこれで勝ち続けたらヤマハの連中はこれがどんなクソバイクか気付かないままだぜ」。そしてジョン・コシンスキーがレース後マシンを降りてマシンがいかにひどいかについてまくし立てたのも忘れられない。「だれもこんなのには乗れるわけないね」。一方その時、ピットの向い側ではアメリカ国歌が流れ始めていた。ジョンがとても乗れないと言っていたのと同じヤマハに乗るレイニーがまた勝ったのだ。ジョンはウェインの勝利についてこう言った。「おかげで何も変わらないんだ」

現在のヤマハはマシンそのものよりロッシのために努力しているように外野からは見える。しかし新型YZRはロッシのインプットがあったからできたわけでは決してないというのが真実だ。新型マシンは多くのライダー(チェカ、バロス、メランドリ、ジャック)や少なくとも最低一人の元ライダー(ランディ・マモラ)のおかげで、ロッシが契約する前にある程度出来上がっていたのである。実際、ロッシは新型マシンのポテンシャルを理解していたからこそ母なるホンダを離れる決意をしたとも言えるのだ(DN:ロッシと彼のスタッフがヤマハに移籍した最大の効果はエンジニアである古澤政生がクロスプレーン方式に自信を持てたことだろう)。

今シーズンヤマハがすべてをうまく運べるかどうかはあと2〜3戦観なければわからないが、しかしロッシと契約することでヤマハは素晴らしい広告看板を手に入れたことになる。1993年にレイニーがミサノでクラッシュして以来の低迷時代を思えばなおさらだ。今シーズンもことによったら低迷するかも知れないが、現時点ではマーケティングは大成功である。

スズキに気狂いタグをつけた友人が語ってくれたその根拠をお話ししよう。これはどちらかというとそれを作った人に対するタグではなくマシンそのものに対するタグである。最近の1000ccストリートマシンはどれも165~170馬力を発揮するためスズキのGSX-R1000がずいぶん普通に見えてしまっているが、これは史上最速の公道ロケットマシンなのである。そしてスズキこそがGSXR-750(後に1000も導入される)を産みだしハイパフォーマンスロードバイクの先鞭をつけたメーカーなのである。

スズキが最高のGPマシンを作っていると思われていた時期は1977年まで遡らなければならないだろう。その年バリー・シーンがRG500で2度目のそして最後のタイトルを獲得した。さらにこのロータリーバルブのスクエア4マシンはマルコ・ルッキネリが乗った1981年、フランコ・ウンチーニの1982年の2度タイトルを獲っている。

ケヴィン・シュワンツがいなければ80年代後半から90年代初頭にかけてやられっぱなしということになったろう。2000年にはケニー・ロバーツJr.がドゥーハンのいないホンダとレイニーのいないヤマハを破ってルーキーながらタイトルを獲得する。しかしここ最近はスズキががんばっているのはとんでもなく速くとんがったロードバイクだ。ヤマハやカワサキを置き去りにするような妥協のないマシンである。ホンダにいたっては最近のCBR1000RRまですっかり影を潜めていた。スズキという会社の商業哲学を表すなら「大胆」というのが「気狂い」よりは適切な言葉かもしれない。

カワサキはもちろん川崎重工業グループであり、日本では語りぐさとなっているが、60年代、ホンダやヤマハやスズキの方がヨーロッパでは自分たちより有名だということにうんざりしたカワサキの重役たちがバイクの魅力に最初に気がついたのだという。そこで彼らが考えたのがエキサイティングなプロジェクトだ。橋梁や機関車やタンカーを作るより魅力的で、名を上げるのにもってこいのプロジェクト。カワサキのようなリッチな会社の一員としてバイクを作る。最初は利益が出なくてもそれほど問題はないのだ。それが「金持ちのレース」という謂いの根拠だと私の友人は請け合った。(長い訳注:カワサキのバイクの歴史はもう少し遡って1954年に端を発します。さらに言うならカワサキ大排気量車のルーツと言ってもいいメグロ製作所は195037年(←御指摘を受けて訂正しました)からバイクを作ってますので、これはどうなんでしょうねえ。真偽のほどはかなり怪しいかと)

今ではカワサキのバイク部門は独立し収益部門となっているが、未だにメインスポンサーはおらず、とんでもなく金のかかるMotoGPを走っているにもかかわらず本気でスポンサーを探している様子もない。

とは言え、最もうまくつけられたのはホンダの「NASA」という表現である。

かつて私は現在では引退してしまったHRCの元トップである尾熊洋一と本当の翻訳者を通じて話す機会を得た。いつもなら会社がつけた人間が、尾熊の素晴らしいフレーズを矮小化し、まるで会社の商業的利益を代表してレースをしているかのように翻訳してしまうところだった。

しかしその日オランダではHRCの翻訳者がダッチTTお馴染みの金曜朝の渋滞に巻き込まれ、彼女無しで楽しく親密なプレスカンファレンスが始まったのだ。かわりにそこにいたのは善意で翻訳を請け負ってくれた日系アメリカ人だった。

私は今でも彼が戦いについて熱をこめて語った様子が忘れられない。

「他のメーカーは自分たちがなぜレースをしてるかわかってないんですよ。ホンダが自信をもってやってるからついてくる。まあ追い抜くこともありますけど、でも追い抜いちゃったら自分で道を切り開けるかというとそうでもない。将来展望がないからなんです。そしてホンダがまた追い抜く、で彼らは喜んでついてくる。彼らには見えない光をホンダが見ていることを知ってるんですよ」

そこにホンダの翻訳者がやってきて、最後の言葉を英語で聞いて青ざめていた。そして翻訳者は彼女に交代し、尾熊サンは同じ熱い情熱で語っているように見えたのに、翻訳される言葉はもう同じではなかったのだ。

しかし垣間見えた、そして少しだけ聞こえたのはホンダの心からの独白だったろうと私は強く思う。会社の文化の奥底の大事な部分でホンダはレース界のNASAなのである。

そしてドゥカティと予算不足のアプリリアはあらゆる意味で「夢追い人」である。
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ヤマハの中の人がセールスを考えていたり、カワサキのレース部門が金持ちとは思いませんけど、会社のスタンスというのは何らかの形で影響を及ぼすはずなので、なかなか面白い記事でした。

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宇都宮ギョーザ会のお知らせ

今年もやります、宇都宮ギョーザ会。
10月11日(土)19時くらいから、場所は例によって宇都宮駅近くのイキイキギョーザです。
参加ご希望の方はレスかDMをお願いします!

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ストーブリーグ表2015(2014.8.24時点)(再掲)

MotoGPストーブリーグで検索してくる方が多いので、8月の奥に沈んでしまった記事を再掲。
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チームグレシーニがスポンサー撤退に伴いRC213Vをあきらめるためにスコット・レディングがマルクVDSチームに行くのではないかという観測を反映。シルバーストン明けにはもっとせいりされるはず。

Stove_2015_140824

「stove_2015_140824.pdf」をダウンロード

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ロッシのお気に入りの最高峰マシンは?

という記事がCRASH.netに載っていたので訳出。へぇ〜。
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15シーズンで246回のMotoGPレースという最高峰クラスの記録をヴァレンティーノ・ロッシが打ち立てた。

しかし彼が乗ったマシンで一番のお気に入りは何だろう?

「今MotoGPマシンのレベルは信じられないくらいですね」と7回の500cc/MotoGPタイトルを獲り、80勝を記録しているロッシは語る。

「乗るのがとても楽しいんですよ。あらゆる部分で限界がすごく高いんです。ブレーキングも加速パワーもね。それにコーナリングスピードもエッジグリップも凄い。だから今は素晴らしい時代ですよ。
 お気に入りという意味では今年のマシンとあとホンダの500ですね。あれはすばらしかった。あと凄かったのは2005年のヤマハM1です。現在のM1も同じくらいいいですね」

35歳のロッシは既に2016年までのMotoGP契約をヤマハと結んでいる。

ロッシの500cc/MotoGPキャリア
2000:ホンダ500cc2スト(優勝2回、ランキング2位)
2001:ホンダ500cc2スト(優勝11回、チャンピン)
2002:ホンダ990cc4スト(優勝11回、チャンピン)
2003:ホンダ990cc4スト(優勝9回、チャンピン)
2004:ヤマハ990cc4スト(優勝9回、チャンピン)
2005:ヤマハ990cc4スト(優勝11回、チャンピン)
2006:ヤマハ990cc4スト(優勝5回、ランキング2位)
2007:ヤマハ800cc4スト(優勝4回、ランキング3位)
2008:ヤマハ800cc4スト(優勝9回、チャンピン)
2009:ヤマハ800cc4スト(優勝6回、チャンピン)
2010:ヤマハ800cc4スト(優勝2回、ランキング3位)
2011:ドゥカティ1000cc4スト(優勝0回、ランキング7位)
2012:ドゥカティ1000cc4スト(優勝0回、ランキング6位)
2013:ヤマハ1000cc4スト(優勝1回、ランキング4位)
2014:ヤマハ1000cc4スト(優勝0界、ランキング3位)*
*:12戦終了時点
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こうして見るとすごい成績ですねえ。

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もう1年オープンマシンで走るつもりはない、とレディング

グレシーニの来年がふわふわしちゃったおかげで、自身の来年もよくわからなくなっているレディングにPaddock Chatterがインタビューしていますので訳出。
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Go&Funグレシーニホンダのスコット・レディングのMotoGP初年度は多くの人を驚かせている。オープンクラスのホンダRCV1000Rでトップ7に食い込む活躍を見せ、インディアナポリスではオープンクラスでトップとなっているのだ。

元マルクVDSのMoto2ライダーである彼は、去年シルバーストンで劇的な勝利を飾り、ファンに対してプレッシャーをはねのける精神力を証明するとともに、ファンの期待に応えてみせた。そして今週も充分期待に応えてくれたと言えるだろう。レディングは今回愛国的な特別の赤白青のペイントで登場しさらにファンを沸かせてもいる。

地元での初MotoGPレースを確実に10位でフィニッシュした彼は、来年の鍵となるワークスマシン獲得に向けて動いている。我々は21歳になる彼をシルバーストンでつかまえて、今シーズンの状況についてインタビューした。

今年はあまり自分のできが良くないと言ってますけど、どうしてそんなに自分に厳しいんですか?
 いや、そういうわけじゃないんですけど、オープンマシンの3〜4人のライダーと戦ってオープンのトップになるのが目標じゃないんです。僕はトップ争いがしたいんですよ。勝ちたいし表彰台のために最高のライダーと戦いたいんです。でも現時点では後ろの方しか走れない。確かにオープンクラスではトップですし、ワークスマシンを食うこともありますけど、それ以上を目指したいんです。僕がレースを終えると「よくやった」って言ってくれる人がいますけど、単に「自分の仕事をした」だけなんです。それは別にうれしいことでもなんでもない。インディではオープンマシンでトップでしたけど、それはエスパルガロがクラッシュしたからで、それにトロフィーがもらえるわけでもなんでもない。「OK、よくやったね」くらいな感じで、でレースはどうだったよ、ってことなんですよ。パルクフェルメに行っていいかどうかってくらい変な感じでしたよ。エスパルガロがクラッシュしたときだけ行けるなんてね」

MotoGPライダーになって忙しくなりましたか?
 マスコミ対応で忙しくなりましたね。MotoGPに来るといろいろ待ってる友達や知り合いがたくさんできるんです。でも変わって一番良かったのは最高峰クラスに来られたってことですね。バイクレースの世界最高の舞台にいるんです。だから忙しくなるのは当然だし、レース界でいちばんの場所の一員なんですからね。
 時には忙しすぎて休みがほしくなったり他のことをしたくなったりもしますよ。マスコミ対応、マスコミ対応、マスコミ対応ってのはきついですからね。特に地元だとね。でもたくさんのファンが会いに来てくれて、写真を撮ったりサインをもらったり。誰かのためにサインができなかったりすると申し訳なく思いますよ。今回みたいな週末はいろんなところに行かなきゃならなくって、サインとかできないと本当にすまないって気持ちになるんです。本当にごめんなさいってね。僕はみんなのために何にでもサインしてあげたいんです。でも時間がなくてそういうことができないんですよ。
 木曜の8時からずっと忙しいんです。最初にしたのはサインですけど、すぐにBTスポーツにメディアの仕事で行って、ベネッツに行って、それからライダーズ・フォー・ヘルスに出て、自分の時間が全然なかったですね。昼ご飯を座って20分食べただけですよ。今日はそれ以外してないんです。だからファンに「だめなんですよ」って言わなきゃならなくて、すごく申し訳ないんです。時間があればサインはするんですけど、今は全然時間がないんで、本当にごめんなさいって気持ちになって落ち込みますね。

来年のことが早く知りたいですか?
 まあがっかりはしてないんですよ。1年くらいは我慢できますけど、2年間我慢はしたくないですね。だったらうちに帰るかMoto2に戻るか、別のことをするかですね。でも来年もオープンマシンで走る気は全くないですよ。もちろん来年のことがわかれば今年を乗り切るモチベーションにはなりますけど、まあコースに出れば絶対全力を尽くすわけだし、オープンマシンでももっといけると思ってますからね。僕らならできるはずです。

Moto2では体重というハンデを負っていましたけど、MotoGPでもハンデになってますか?
 今のところ体重で問題は起こってないですね。でも中団で走っているのとトップライダーと走るのでは違うでしょうから、トップライダーとトップマシンでトップ争いをしたらわかりませんね。だから来年をお楽しみに、ってところです。

今年学んだ最も重要なことは何ですか?
 今年何か特別なことを学んだとは思ってないんですよ。レースはレースですからね。もちろんマシンやカーボンブレーキやタイヤやパワーや、そういったことは全部新たに学ばなければならないことでしたけど、そういうことを除いたらレースはみんな同じですよ。

ほとんどの時間をスペインで過ごしているんですが楽しいですか?
 スペインはライダーにとってシーズン前に準備するにはいい場所なんです。イングランドではライセンスや保険や身体検査なしではスーパーモトも走れないですからね。しかもまる1日走れないのに100ポンド(訳注:邦貨換算1万7千円)もかかるんですよ。スペインに行くと「おお!MotoGPライダーですか、好きにコースを使って下さい!」ってなるんですよ。それが大きな違いですね。ずいぶん物事が簡単だし、それに暖かいんですよ。だから完璧な場所ですね。外でトレーニングするのもいいし、それが2013年といちばん違うところですね。

イギリスが恋しくなったりしませんか?
 ちょくちょく帰ってきてるんですよ。でも今日みたいな日はサイクリングに行くと寒いし雨だしトレーニングも辛いですね。でもそれがなければうちに帰って家族や友達に会うのは楽しいですよ。

地元レースで楽しいのは何ですか?
 正直言うとファンですね。サーキットに来てくれたみんなが作り出す雰囲気がすばらしいし、鳥肌が立つくらいいいエネルギーをもらえます。みんな僕のために来てくれるなんて最高だし、おかげでウィークが楽しいものになります。あえてそうは言いませんけどね。うまくいくとわかってるし、それがホームグランプリというもので、みんなが味方してくれるんですよ。

5年後はどうしていたいですか?
 理想的にはマルケスの隣のピットにいたいですね。彼こそが倒すべき相手だし、同じバイクに乗りたいですからね。現時点ではそこに向けて着々と進んでいると思います。今はすべてがうまくいくように努力しているところです。今シーズン手にしたマシンで最高の成績を収めなきゃならない。だって今やってることは間違いなく来年にも再来年にも影響するわけですし、だから1年1年が大事なステップなんです。

若いライダーに何かアドバイスはありますか?
 どのレベルで走っているかにもよりますけど、いつも僕がみんなに言ってるのは、あきらめるなってことです。いいときもあれば悪いときもあるし、人間がでかければきつい時もなんとか乗り切れるんです。雨が降ったり風が強かったりしたら、そういう時こそトレーニングに出かけなきゃ行けない。うちでゆっくりしてちゃだめなんです。ゲームでトップに立ちたかったら、でっかい人間にならなきゃいけないし、きついときこそ深い穴を掘らなきゃ行けないんです。
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こんなに(いい意味で)生意気なことを言うライダーだったんですね。来年が楽しみです。

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ありがとうございます!>鼻セレブ

りょうじさんからいただきました!
これから秋の花粉症の季節なのでとってもうれしいです!!

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ロレンソとマルケスのコメント(怒るロレンソ、気にしてないマルケス)

見応えのあるバトルの末、昨日のイギリスGPもマルケスが勝ったわけですが、両者のコメントをCRASH.netより(ここここ)。
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まずはロレンソ。

「いや、あの抜き方はスポーツマンシップにのっとってはいないですね。ちょっと攻撃的すぎますよ。マルクは他の誰よりアグレッシブで、それができるマシンだというのもありますね。
 彼はブレーキングがすごくうまいんです。でもうちのマシンは現時点では、まあ去年に比べれば改善されてますけど、あんなラインはとれないんです。だからポジションを守るのはすごく難しいんですよ。
 いずれにせよ今週末はタイヤがうちにとってベストじゃなかったんです。金曜からはかなりマシンを良くしたんですよ。金曜はひどかったですからね。毎ラップ1.3秒もはなされていたんですよ。だから20ラップ走ってマルケスから0.7秒遅れというのは実は期待していなかった結果なんです。
 もう0.2〜0.3秒くらい速くしないと引き離せないですね。0.4〜0.5秒くらいしかなかったんでいくつかのコーナーでは彼に追いつかれてしまったんです。それ以上できることはなかったですね。特にリアタイヤがタレ始めてからはどうにもなりませんでした。序盤みたいに加速できなかったんです。
 だから序盤みたいにブレーキングでの遅れを加速でとりもどすことができなかったんですよ。でも全力をつくして戦って思い残すことはないんで、今回のレース結果は誇っていいと思ってます。
 マルクが常に優勝候補だってのは明らかですけど、びっくりさせられることもありますね。自分としてはいいスタートができて、最高にプッシュしてこれ以上ないほどうまく乗れてたんですが。
 マシンも良くなったんですが、ホンダがすごいんですよね。すこしずつ良くはなってきているんでマルクとバトルができるようになってきてます。彼と接触したせいで0.5秒くらい遅れちゃいましたね。そしてリアタイヤがいっちゃったんです」

そしてロレンソに「あれはないだろう」と言われているマルケスは全然反省していない様子。
「僕が抜く直前のコーナーでちょっと接触はありましたね。でも次のコーナーで決着がついたんです。あれは自分でも素晴らしい動きだったと思います。確かにアグレッシブでしたけど接触はなかったですしね。
 最終ラップもそんな感じでした。去年は最終コーナーで彼が僕を抜いて、その時もちょっと接触しましたね。でも今年はすべてがうまくいったんです。ブルノのあとで表彰台のてっぺんに昇れるのはすばらしいですね。自分でも勝てるチャンスがあればそれを逃すつもりはないって言ってましたし。
 序盤はタイヤをセーブしようとしてたんです。でもペースがすごく速かったんでそれは難しかったですね。特にリアの左サイドをセーブしようとしてたんです。テレビでラストラップを見ればわかると思いますが、追いついた時には限界でした。みんなそうだったと思いますけど。
 今日は違った展開になると思ってたんですけどホルヘがすごく序盤から速くて、でもこっちもレースの途中から追いついていけて、最後に彼とバトルができたんです。
 最後にアタックをかけたのは、たいていタイヤが新品じゃない方が気持ちよく走れるからなんですよ」
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なんかあれですね、セテ・ジベルノーとロッシの関係を思い出しますね。まあマルケスはロッシほど腹黒じゃなく見えますが(見えるだけかもですけども)。

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公式リリース>イギリスGP2014

ホンダヤマハドゥカティ(英語)

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ありがとうございます!>クナイプ

たけはらさん、ありがとうございます!
涼しくなってお風呂が楽しい季節になったので、とても嬉しいです!!

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