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ライディングスタイルの変遷1

という記事をCycleWorldにKevin Cameron氏が書いてます。3回のつづきもの。なかなかおもしろそうなので訳します。
第1回はハングオンの誕生とその理由について。
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バイクレースを見るとき、それが現場であろうとDVDであろうと常に気がつくのはライディングスタイルの違いだ。何年にもわたってスタイルの違いは議論を巻き起こしてきた。ジェフ・デューク(世界タイトル6回、マン島TT6勝を挙げている)は4気筒のMVアグスタに乗るジョン・サーティースのハングオンには批判的だった。それ以来年取ったバイクファンはいつでも私にこう言っている。「バイクの真ん中にきちんと座るスタイルほどかっこいいものはないね」。今は亡きゲイリー・ニクソンはまさしくこの乗り方で勝利し、彼らの見解を裏付けた。

しかしバイクの乗り方というのはズボンの丈のような流行り物なのだろうか?1960年に出版された「ジョン・サーティースによるレース解説(John Surtees on Racing)」という小冊子で彼はこう書いている。「マシンをできるだけ立てて走らせるのはトラクションを最高に引き出すためだ。このやり方ならリーンウィズやリーンアウトで走るよりもパワーを使うことができてコーナーをより早く駆け抜けられる。リーンウィズやリーンアウトだとマシンを寝かせなければならないし、その分だけリアが滑るのを防ぐためにスロットルを緩めることになるからだ」

現在でも同じような議論が起こっている。どうすれば加速力を得るためにタイヤの接地面積を稼げるかということだ。5度の世界チャンピオンに輝いた ミック・ドゥーハンは、マシンの内側に低く構えたままコーナー出口で素早くマシンを起こし、タイヤの接地面積を最大にして加速していた。そして今ダ ニ・ペドロサとマルク・マルケスは驚異的な最大リーンアングル(58-63度)から瞬時にマシンを起こしている。これも同じ理由だ。コーナー脱出で加速し ているときにタイヤの反発力を最大に活かすためなのだ。
これには他の理由もある。元250ccチャンピオンのケル・キャラザースと空港で話したときに教わったことだ。彼は1960年代初頭、オーストラリ アで250cc4気筒のホンダRC161に乗っていたときにハングオンスタイルを学んだと言う。RC161のスイングアームとバックボーンフレームの接続 部分は剛性が低く狭かったため、コーナー脱出加速で蛇行したそうだ。キャラザースは内側に体を残したままマシンを起こすことで蛇行しないようにしてスロッ トルを大きく開けてより大きな加速を得ようとしたとのことである(これはタイヤの接地面積を大きくしてクッション効果を得ることができたために蛇行を誘発 する振動を防げたということのだろう)。
しかし待ってほしい。サーティースは逆にリーンアウトの可能性についても言っていなかったか?これは戦前によく見られたスタイルで、マン島TTで5 回勝っているフレディ・フリスがその代表格だった。このリーンアウトスタイルについてサーティースはこう言っている。「僕の理論ではスタイルは時代に従って 変わっていくものだ。戦前のレーシングマシンはホイールも大きく、重心と車高が高く、ライディングポジションはコンパクトだった。そうした要素のせいでマ シンの切り返しでは体を大きく動かす必要があったし、そのせいでライダーの体はマシンとは反対方向に動くことになった」
歴史がこれを裏付けている。1951年のAJSポーキュパイン500ツインのホイールサイズは21インチから19インチに落とされた。3年後には デュークが乗るジレラがノートン的なハンドリングを得るために(訳注:デュークは1952年までノートンのワークスライダー)最先端の直列4気筒をなんと 3inchi(7.5cm)も下げている。素早い対応だ!
リーンアウトには他にも理由がある。フリスと同時代のライダーたちはまずはリジッドフレーム、すなわちリアサスペンションなしのマシンから始めてい た。こうしたシングルクレードルのフレームは横方向にしなるため、コーナリングではライダーがリーンアウトし、マシンをより倒すことでフレームをサスペン ション代わりに使っていたのだ。
私がキャラザースにデュークがハングオンスタイルを非難していたことについて尋ねると彼はこう答えてくれた。「当時(1950年代)、デュークのス タイルが最先端だったんですよ」。彼は重心の低いマシンに適応し、向き変えも素早かった。実際デュークの最初の成功は1950年のノートン・マンクスに よってもたらされたものだ。これはノートンにとって最初のダブルクレードルフレームで油圧式の柔軟な前後サスペンションを備えていた。一方のサーティース は後にノートンに乗って、グリップの良いタイヤではハングオンしないとエキパイとステップが擦ってしまうことに気付くことになる。
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このままパート2になだれ込みます。お楽しみに!

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