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スコット・レディングはどこへ行く?

グレシーニ・ホンダのメインスポンサーであるGo&Fun(エナジードリンクメーカー)が資金難に陥っているらしく、来年グレシーニがホンダのプロトタイプを確保できるか雲行きが怪しくなってきました。というわけでドゥカティ説まででていますが、とりあえずこのあたりの状況をMotomatters.comがまとめてくれてますので訳出。
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普通の状況であればスコット・レディングの2015年の行き先はいまごろもう決まっていただろう。HRCとの契約があり、グレシーニがGo&Funで走ることになっていたのだから、アルヴァロ・バウティスタに代わってファクトリーオプションのホンダRC213Vで来年走るのはほぼ決まりだったのだ。2〜3レース前までは唯一の疑問はレディングがショーワのサスとニッシンのブレーキを使い続けるかということだった。この2社はグレシーニにとって重要なスポンサーなのである。もちろん可能性としてはワークスホンダ同様にオーリンスとブレンボにスイッチすることも考えられた。

ところがこの2週間でずいぶん状況が変わってしまった。ブルノで行われたチェコGP前にグレシーニが2015年の資金探しに苦労しているという噂が流れてきたのだ。どうもメインスポンサーのGo&Funが資金難に陥っているらしいのだ。これはアンドレア・イアンノーネのマネジャーであるカルロ・ペルナートがレポーターにヘルメットのスポンサー代金をGo&Funから受け取っていないと言ったことでも裏付けられる。つまり契約は終わっているものの2015年に引き続きGo&Funがグレシーニホンダのスポンサーにつくかどうかは非常に疑わしくなっているということである。

メインスポンサーがなくなる上にサテライト用RC213Vのリース金額も値上げされることになっている。既に350万ユーロ(訳注:邦貨換算5億円)以上とも言われるリース料金がさらに上げられるというのだ。これでグレシーニチームはコーナーに追い詰められることになる。オーナーであるファウスト・グレシーニは既にこの件についてHRCと話し合いをもっているようだ。2015年のリース申し込みの当初の締め切りは7月末だったが、ホンダはこれを延長したという。グレシーニに資金集めの時間を与えるためだ。新たな締め切りは次のシルバーストンに設定された。イギリスGPまでにグレシーニはサテライトホンダを注文するか、これをあきらめるか決定しなければならない。

もしグレシーニがRC213Vの資金を集められなかったらチームとしてはどうするのだろうか?噂ではアプリリアにスイッチするとも言われている。2015年のアプリリアワークスの復帰にあわせてグレシーニがこれを運営するというのだ。私はファウスト・グレシーニとHRCのリヴィオ・スッポの両者にこの噂について確認したところ、両者ともこれを否定した。グレシーニはこう言っている。「いろんな人がそう言ってますけどアプリリアとは全然話はしていませんよ。なんでそんな噂が流れるんでしょうかねえ」。スッポはこの噂には根拠がないと指摘し、さらにサテライトホンダの速さとアプリリアベースのARTの遅さを考えたら選択肢はひとつしかないと言っている。「勝つためにレースがしたいのか、お金を集めるためにレースがしたいのか、ってことですよ」もしグレシーニがサテライトホンダを入手できなかったらオープンホンダで1人体制となるのが現実的だろう。2015年型RCV1000Rが大幅なエンジン改良を受け、2014年型RC213Vのエンジン(ただしシームレスギアボックスは除く)を使うことを考えたら戦闘力も充分あるからだ。2015年についてはアプリリアはARTのアップグレード版を使い、2016年に完全に新型となるマシンをデビューさせる予定だ。

グレシーニの最大の問題は、もし彼らがサテライトホンダをあきらめたらもう二度と手に入れることはできないということだ、サテライトマシンを入手するというのはダービーに勝てる一角獣を手に入れるくらいたいへんなことなのだ。その1代をあきらめると言うことは将来にわたって手放すことを意味するのである。グレシーニはもう18年もサテライトホンダマシンを使用しており、素晴らしい成功を収めている。あきらめるということは大幅な後退を意味することになるのだ。パドック内のある人物はこう言った。「ホンダRC213Vは世界に4人分しか存在しないんだ。もし手に入れられるなら手に入れて、それからお金のことを考えればいい」

2016年からの新ルール導入も問題を複雑にしている。全てのマシンは同じソフトウェアを使うことになっているが、メーカーがそれぞれのチームに違うスペックのマシンを供給することになるのだろうか?統一電子制御ユニット(ECU)は3メーカーが協働して作ることになっている。メーカーとしてはシームレスギアボックスに対応したソフトがほしいのは当然だが、そうなると異なる価格で供給される異なるマシンの差をさらに大きくすることになるだろう。つまり2016年により戦闘力のあるマシンを手に入れたいと願っている2015年のサテライトチームにとっては、現在のサテライト契約がより価値を増すということになるのだ。

スコット・レディングにとっては、グレシーニが2015年のRC213Vのための資金を集められなければ他のチームに行くしかない。レディングはマルク・マルケスやホルヘ・ロレンソ、ダニ・ペドロサ、ヴァレンティーノ・ロッシと同様のファクトリーオプションのマシンを手に入れていたいと考えているのだ。「オープン蔵アスで勝つためにレースなんかはしたくないですね。ちゃんとした結果を残したいんです、ワークスホンダやワークスヤマハと戦ってね」とBTスポーツのサイトにレディングは書いている。

他のメーカーもレディングに興味を示している。ドゥカティは生きのいい若いイギリス人を体に入れたいと考えているのだ。レディングは2012年にドゥカティをテストしており、このときはすぐに速いスピードで走らせることができた。ドゥカティのチームボスであるパオロ・チアベッティはイギリスのバイク誌であるMCNにグレシーニとの交渉がまとまらなければレディングと是非話がしたいと考えていると語っている。この場合レディングはヨニー・ヘルナンデスのチームメイトとしてプラマック・ドゥカティでワークスマシンを走らせることになるだろう。

しかしもっともありそうなシナリオはマルクVDSチームがMotoGPに上がって来ることだ。チームはもう少しでMotoGPマシンを走らせられそうだったのだが、資金の問題と競争力のあるパッケージが入手できないという問題であきらめていたのだ。2014年に関しては入手可能だったのはオープンクラスのホンダだけであり、これは競争力があるとは思えないものだった。チームは同時にオープンクラスのヤマハにも目をつけていた。フォワードと同様にM1のエンジンをリースしてカレックスにのフレームで2015年を走ろうとしていたのだ。しかし2016年にはミシュランが新たなワンメイクタイヤとして登場することになり、コストが上がるだろうと予想されている。2015年に向けて設計されたマシンはすべて2016年に向けて設計しなおさなければならない。カレックスのような小メーカーには過大なコスト負担となるのだ。

ホンダのサテライトバイクが手に入るというチャンスをみすみす見逃すわけにはいかないだろう。マルクVDSチームはビルギーのビール王であるマルク・ファン・デル・ストラテンという資金力のあるパトロンをもっているのだ。しかも資金を投入するだけの価値のあるチームでもある。グレシーニがホンダRC213Vを入手できなければマルクVDSチームがその契約を引き継ぐことになるだろう。リール料も払ってさらに多くのスポンサーも集められる。情報通の間では既にHRCとの間でグレシーニの撤退について話が行われているとささやかれている。

実際、マルクVDSがMotoGPにステップアップするというのがスコット・レディングにとっても最高のシナリオだろう。ワークスRC213Vが手に入るだけではない。サスやブレーキも選べるのだ。これはレディングにとっては重要なポイントだろう。彼は常々オーリンスとブレンボに替えるべきだと言っているのだ。「パドックでは結果を残さなければ生き残れないんです。もう一年リスクを冒すわけにはいきません。今年のバウティスタみたいな結果は避けたいんですよ。彼は今年は苦労しているしクラッシュも多い」。レディングはブルノテストでそんなふうに言っているのだ。レディングはニッシンとショーワの努力を認めながらも、マルケスやペドロサと対抗するにはできるだけ同じ条件にしたいし、状況を簡単にするためにサスも同じものがいいと言っている。

まだ状況は混乱している。まずグレシーニがシルバーストンでホンダとミーティングを行い、将来計画について決めることになる。そこが決まればすぐにいろいろ決まるだろう。
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ひゃー、混乱してきましたねえ。

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