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ミゲール・ガルッツィへのインタビュー

世間はカル・クラッチローのLCR入りの噂で持ちきりですが、当サイトはもう少し様子見します。というわけで、夏休み企画、ドゥカティ・モンスターやらホンダVTR250(要出典)のデザイナーであるミゲール・ガルッツィへのインタビューをCycle Worldより。
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カリフォルニアというのは創造性に満ちあふれた土地である。超先進的なテクノロジーと革新的なデザインでいっぱいだ。世界中の自動車会社がデザインセンターを設置し、すばらしい成果を挙げている。一方、バイクメーカーはそれに比べるとかなり消極的だが、ピアジオはカリフォルニア、パサデナのコロラド大通りに研究開発センターを持っている。ピアジオ・アドヴァンスト・デザイン・センター(PADC)と名付けられたそれは2013年に最高経営責任者のロベルト・コラニノが、イタリア、そしておそらくヨーロッパ全域で行われているこれまでのアプローチではバイク産業が袋小路に入ってしまうと考えて設置されたものである。

コラニノがPADCのトップに据えたのはミゲール・ガルッツィ。最高のバイクデザイナーである彼は1959年、アルゼンチンのブエノスアイレス生まれである。パサデナの高名なアート・カレッジ・オブ・デザインを卒業したこともあり、当地には元から強い繋がりがあった。卒業後、ガルッツィは1986年にヨーロッパに渡り、GMのドイツ支社、すなわちオペルで働き始めた。そしてホンダに移り600cc単気筒マシンのプロジェクトにたずさわる。彼がチャンスをつかんだのは1989年に当時ドゥカティとモトモリーニを傘下に収めていたカジバグループに移ってからのことだ。

カジバでガルッツィはドゥカティを救うことになるモンスターをデザインしたのだ。ガルッツィは言う。「でもドゥカティではあんまり楽しくなかったですね。それでクラウディオ・カスティリョーニ(訳注:カジバの創業者)にヴァレーゼのカジバに行かせてくれって頼んだんです」。そしてカジバがドゥカティを売却した後に、モンスターの発展形とも言えるラプトールとエクストラ・ラプトールをデザインした。

カジバでクラウディオ・カスティリョーニと良い関係を築いたガルッツィは、カスティリョーニのバイクへの情熱にも充分触れることになった。2006年にはガルッツィはピアジオグループに移籍し、そこで会社が倒産するのではないかという心配から解放され、思う存分腕をふるうことになる。ガルッツィの最近の作品としてはアプリリア・ドルソデュロ、すばらしい、RSV4、そしてモトグッツィのカリフォルニアとそのツーリングバージョンやカスタムバージョンがある。

そして2013年にガルッツィはパサデナに戻ってきた。彼の息子たちが当地の大学に入学したので、彼も家族と一緒に過ごしたかったのだ。インターネットのおかげで世界中のどこでも好きなところにオフィスを構えて、アイディアや情報をやりとりできる。そこでコラニノはパサデナにPADCを作ることに同意したのだ。コラニノの考えではPADCは単なるデザインセンターではなく、ガルッツィがイタリアやアジアに拠点を置くピアジオのデザイン部門の全体をコーディネートする場でもある。そしてさらに重要なことに、ガルッツィによれば、彼はPADCでデザインと技術の新たなトレンドを分析し、バイク産業の新たな可能性を探るのだという。彼は4人のデザイナーを率いると同時に、最高の研究開発をマネジメントすることになっている。

「クラウディオ・カスティリョーニと一緒に仕事をするのはとても楽しかったですね。火山のように新たなアイディアが次から次へと湧いてくるんです。とんでもないアイディアもありましたけど、そういうものこそが革新的なコンセプトの基になるんですよ。でもクラウディオは自分の創造性とか情熱に財政的な制限をつけるのを良く忘れちゃうんですよね。びっくりしたのは燃えるようなイメージと投影するわけでもないのに、コラニノさんには真の洞察力があるってことですね。個人用交通手段に関しては的確に未来を見通せるんです。クラウディオとは違って予算にも目配りができますしね。起業家としては絶対必要なことなんですけども。
 ピアジオのバイク部門を10年で大改革しようとしているんです。それでここにいるんですよ。スクーター関連はすごく好調なんで、私はモトグッツィとアプリリアに注力しています。これから5年間で新車攻勢をかけますよ。しかもみんな革新的な技術を搭載している。あと生産工程も革新的なものになります。考えてみて下さい。何年もの間同じ部品で同じ素材で同じ供給会社でコストがかさんでいく。でバイクの値段はバイク自身の魅力を越えてしまうんです。もっと安価に同じ部品を作る方法を考えないといけない。でないとみんなの希望に応えられないんです。最近出てきた3Dプリンタは無限の可能性を秘めていますね」

マツダ・レースウェイ・ラグナセカでのワールドスーパーバイクにはピアジオの幹部と研究開発部門ののメンバーが集まってミーティングを開いたそうだ。「僕は『とにかくとんでもないアイディアを出し合って、自分の欲望や夢を形にする最高にクレイジーなものを作ろう』って言ったんです。でも誰もほんとうにとんでもないっていうアイディアを出さなくてびっくりしたんですyほ。だから僕がここにいるんですけどね。若いデザイナーや学生さんたちと一緒に働くのに意義があるんです。彼らはこの危機の時代に生きていて、しかも自分たちの創造性でそれを乗り切ってきているんです。
 バイクがちょっと知性的に、ちょっと合理的に、ちょっと機能的になりすぎているって感じているもいると思います。そういうのがバイクをつまらなくしてるんですよね。ホンダがコンパクトで、楽しくて、乗りやすくて、壊れないバイクを持ち込んできたときに新しい時代が始まったんです。で、なんの手もかからない楽なバイクの時代が始まった。どのバイクもそんな感じですよね。なんか閉じてしまってるんです。今動き出している新しいコンセプトや新しい技術にはすごい可能性が秘められています。あらゆる新しい可能性をとらえて、ピアジオに導入したいんです。それとこれはすごい挑戦なんです。コラニノさんはその機会を与えてくれた。最高の未来予測です。次のEICMA(訳注:ミラノモーターショー)には新しいのもをお見せできると思いますよ」

今年で100周年となるEICMAは11月4-9日で開催される。
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トップデザイナーが家族と過ごしたいからって理由でそこにデザインセンターを作っちゃうってすごい、すごい!

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