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スーパーバイクで走った方が速かったね、とクラッチロー

予選15番手と地元で散々な状態のクラッチローがインタビューに答えています。CRASH.netより。
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地元シルバーストンでのMotoGP予選で15位に沈んだカル・クラッチローだが、レースに向けても光は見えないらしい。

クラッチローは5列目からのスタートとなるが、それより問題なのは予選2番手に入ったチームメイトのアンドレア・ドヴィツィオーゾから2秒遅れのドゥカティ最下位ということだろう。

クラッチローにとっては散々な週末だが、例によって正直に状況を話してくれた。決勝にも希望はなく、デスモセディチに乗って苦労するだろうということだ。

「ここんとこと同じですね。がっかりな週末ってことですけど。全然速く走れないんです。他のドゥカティについて行けないし、ここまでシルバーストンで遅かったことはないんじゃないですかねえ。たぶんスーパーバイクで走った方が速かったですよ。
 スーパーバイクの時はちゃんとバトルもできたんですよ。ここでこんなに弱かったことはないんです。マシンのフィーリングは皆無だし接地感もゼロ。明日になったらいきなりそれがみつかるとはとても思えませんね。
 何か改善の糸口を見つけられればいいんですけど、他のドゥカティライダーだけじゃなくて、全員に遅れを獲ってるわけですから。現時点では僕より彼らの方が速いんですよ。もちろんマシンとタイヤの感触がわかるようになれば前の方に出て行けるとは思いますけどね。
 ここまで苦しんで、チームメイトから2秒遅れになるなんてキャリアでも初めてのことだと思いますよ。何て言えばいいんですか?これが今の僕のおかれた状況だし、地元だろうが何だろうがそれは関係ないんですよ。ここにはレースをしにきてるんで、このペースはがっかりですね」

クラッチローはリアから「ひどい振動」が出たため予選ラップを途中で中断している。しかしそれがなくてもトップ3でフィニッシュできるとは一瞬も思わなかったそうだ。

「僕を追っかけてくれるライダーもいますけど、ここでは全然速くないんでなんでなのか理解できませんね!誰か別のライダーを追っかければいいんですよ。でも2回目のアタックラップはリアタイヤからひどい振動が出たんで途中でやめたんです。3周ばかりで2〜3回クラッシュしそうになったんで、どっちりにしろトップ3なんて無理でしたけどね」

タイヤの問題が無くてもクラッチローの苦労は続きそうだ。

「新品タイヤでもグリップが全然感じられなくて、1周するともう30周したくらいにタイヤがたれてしまうんですよ。どこまで倒せるかわからないんでバイクを曲げられないんです。
 タイヤは温度が上がりすぎたみたいな感じになるんです。でも実際には冷えていて、今週のタイヤ温度は他のライダーにとっても悩みの種になりそうですけどね」

2015年はLCRホンダに移籍することになっているクラッチローは、それでも土曜のシルバーストンを無傷で終えることができた。過去3シーズンは常に怪我に見舞われてきたのだ。彼は皮肉でこう締めくくった。「まあ明日がありますけどね・・・」
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相当ひどい状況ですねえ。珍しく怒ってる感じ。

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ブラフ・シューペリアに乗るマックウィリアムズ、イギリスGP初日のコメント

私にとってイギリスGPはこの人がこのマシンで走るのを観るためにあるようなものです。というわけで初日のマックウィリアムズのコメントをCRASH.netより。
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不順な天候とセットアップの問題で革新的なブラフ・シューペリアに乗るジェレミー・マックウィリアムズの復帰初日となるシルバーストンの金曜は混乱の元に終わってしまった。

北アイルランド出身で50歳の彼はMoto2にワイルドカード参戦しているが、燃調マップ(混合比を決める電子制御用データ)の問題にかなり苦労した。とは言えチームが問題解決の糸口は発見できたことについては自信を見せている。

2001年のダッチTT250ccクラスで優勝経験のある彼はトップのエステヴェ・ラバトから8.154秒差だった。今回CRASH.netの独占インタビューに答えてマックウィリアムズはこう言っている。

「いろいろ学ばなければならないことがたくさんあって、まあ僕がマシンに慣れるってのもそのひとつなんですけどね。フロントに問題があって、あと僕もまだ気持ちよく乗れていないんだ。データを見て何が問題かはわかってるんで、明日はもっと前進できるといいですね。
 テストのときにこうしたことは全部片付けておかなきゃならないんですけどできなかったんですよね。だから今日もテストみたいなもので、他のチームと比べたらまだまだなんです。でもこれ以上後ろにはいけないですから前に進むだけですよ!
 明日が楽しみですね。でも現実も見なきゃならい。中団あたりのライダーともかなりタイム差がありますから。だからまだまだやらなきゃならないことがたくさんあるんです。まずはアイディアを試して前に進まないとね」

最大の問題は燃調マップが適切ではなくトップスピードを稼げなかったことだという。

「燃調マップに課題を抱えているんです。まあそれが全部の理由ではないですけど最速の連中からは20km/hは遅いんですよ。燃調マップがいかに大事かということですね。だからこの問題を解決できれば少なくともストレートではついていけるでしょう。うまく調整できて同じくらいのスピードが出せれば素敵ですね」

チームの学習スピードが速いことを思うと自分としてはコースアウトやクラッシュしないことが最大の目的だったと彼は言う。

「天気が味方してくれなくてコースは濡れちゃうし、そのまま完全には乾かなかったんで時間がかなりロスしてしまいましたね。セッションを通して滑りやすかったし、グラベルに突っ込んだり、チームのみんなに徹夜させたりするわけにはいきませんから。
 時間もあまりないので一歩一歩着実に進みながら、でもミスはしないように全力で走れる用にしないといけないんです」

最後尾の35位となったがそれでも予選足切りの107%タイムは切ることができた。

「うれしいですよ。こんな全く新しいプロジェクトで世界選手権で予選が通りそうなんですからね。よくやったと思いますよ。でもまだまだ先に進んでより速く走れることを目指したいんです。あと3秒縮めるまでは本当には喜べませんね」
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さて、今日の予選はどこまでいけるでしょう!

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公式プレビュー>イギリスGP2014

ホンダヤマハドゥカティ(英語)

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ポル・エスパルガロのチーフメカ、ニコラス・ゴヤンへのインタビュー:ヤマハM1をMoto2ライダーに合わせる話

ヤマハM1はMoto2ライダーに合わせて開発されているという興味深い話。このあたりにも250cc出身のホルヘ・ロレンソ不調の原因があるかもしれませんね。Motomatters.comより訳出。
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パドックの内外にかかわらず多くのMotoGPウォッチャーは2013年の早い段階でヤマハがポル・エスパルガロと契約したのを懐疑的な目で見ていた。1年経ちMotoGPのシーズンも半ばを過ぎた現在、そうした目で見るものは誰もいない。誰もがこの決断を尊敬しているのだ。エスパルガロ兄弟の弟であるポルはサテライトライダーではランキングトップに立ち、シーズン当初から戦闘力を発揮している。

ヤマハはポル・エスパルガロについてはっきりしたプランをもっていたのだ。Moto2でライディングスタイルを確立した若いライダーは250cc時代とは乗り方が違っている。Moto2レーサーはリアタイヤをスライドさせてコーナーを曲がろうとする一方で、250cc2ストローク時代のライダーはブレーキングを早めに済ませてコーナリングスピードを稼ぐことで結果を出していたのだ。ヤマハYZR-M1は当初は250ccスタイルに合わせて開発されたが、Moto2クラスで学んだライダーがMotoGPに参戦するようになると、ヤマハはマシンを新たな世代の若いライダーに合わせて開発する必要があることに気付く。そしてMoto2チャンピオンであるエスパルガロと契約した時、ヤマハは既にMotoGPマシンの開発にMoto2スタイルがどのような影響を与えるか、真剣に検討を始めていた。

この開発を指揮したのがポル・エスパルガロのチーフメカであるニコラス・ゴヤンである。フランス人の彼は2003年からMotoGPのデータ解析及び電子制御にかかわってきた。この年から最高峰クラスは4ストロークにスイッチしている。カル・クラッチローと働いていたダニエレ・ロマニョーリが彼と共にドゥカティに移籍したのを受けてゴヤンがMotoGPルーキーのエスパルガロのチーフメカとなった。以来ゴヤンはMoto2チャンピオンであるエスパルガロと共にヤマハM1を新たなMoto2スタイルに適応させるために努力し続けている。今回ブルノテストの後にゴヤンに対してマシンの改良点とポル・エスパルガロからのフィードバックについてインタビューを試みた。

Motomatters.com:ヤマハのスタイルというのはコーナリングスピードをできるだけ稼いでマシンを暴れさせないようスムーズに走らせるというものだとみんなが考えています。つまりストレートでブレーキングを終えて、ホイールをきちんとラインに乗せると。でもポル・エスパルガロはときどきMoto2スタイルを見せますよね。まずはどうしてそういうことになったか、それと彼とそういう話をしているのかについて聞かせてください。
ゴヤン:ええもちろん。それがヤマハのやりたいことなのは間違いないです。ポルは初めてヤマハと仕事をするMoto2チャンピオンで、ヤマハは彼の新たなスタイルにとても興味を持っています。Moto2ライダーはみんな新世代のライダーで特有のスタイルがあるんです。みんな知っているとおり肘を擦りますよね。さらにブレーキングではリアがかなりふられます。ポルはヤマハでもsのスタイルでかなり速いんです。
 ですからヤマハはかなり興味を持っていますね。特にホンダに追いつこうとしている今はね。ホンダを見るとかなりこのスタイルに合わせてきている。だからヤマハはこの方向でマシンを開発するためにポルにかなりの投資をしています、ブレーキングを良くしたいんですよ。だからマシンをセッティングして、エンブレのセッティングをして、いろいろ試してます。ヤマハの方向性を決めようとしてるんです。

Motomatters.com:そういう挙動にするためにマシンにはどんなことをしてるんですか?何をしようとしているのか教えて下さい。エンブレを強化使用としているのか、リアブレーキを強化しようとしているのか。
ゴヤン:最初は、去年を見ればよくわかりますけど、ヤマハのマシンはブレーキングで挙動が安定せずかなり振られてました。ですからマシンをスムーズにしようとしてますし、それはかなりいいところまでいっています。ルマンでそういう方向性を決めて、マシンのセッティングもエンブレのセッティングも、その他も全部とにかくスムーズにしてリアに荷重を掛けられるようにしてリアスライドを一定にしようとしてるんです。それでうまく曲がれるようになる。ですからそういう方向でがんばってますよ。スライドをコンスタントにしようとしてるんです。

Motomatters.com:つまり主にエンブレとか電子制御が中心で、サスにはあまり手を着けていないということですか?
ゴヤン:マシンのセッティングと言いましたけど、要するに全部ということですね。マシンのバランスの問題で、サスもフロント、リア共にセッティングしなければなりません。同時に動くものですからね。あともちろん電子制御、特にエンブレのセッティングです。

Motomatters.com:現在のヤマハM1でそれができるんですか?それとも何か改造しなければならないということですか?
ゴヤン:一定の限界には来ていると思いますね。最初にあなたがおっしゃったとおりずっと前からこの件は検討していて、うちのマシンのいいところはコーナリングスピードでコーナーを速く駆け抜けることができるところなんです。うちのマシンはストレートで強くブレーキをかけるのは得意で、そこでブレーキをリリースしてコーナーに速い速度で入っていく。ですから現時点でhあ新たなブレーキングスタイルへの適応に苦労していますね。まだやり方を探らなければならない。この方向で開発は続けていますが、現時点ではマシンの挙動に完璧にフィットしているとは言えませんね。ですからまだ方向性を見つけたとは言えない。いろいろ試している最中で、光も見えてきてますが、問題もたくさん出てきている。とにかく今は努力している最中です。

Motomatters.com:サーキットによっても違うんですか?ここではうまくいくけど別の場所ではだめとか?
ゴヤン:ええ、その通りです。もっと正確に言うならサーキットでもコーナーによって違うんですよ。ですからハードブレーキングを必要とするようなタイトコーナーではうまくいくんです。でも高速コーナーがあるとある程度リーンしたままブレーキングしなければならない。そうなるととたんにうちのスタイルでは難しくなるんです。

Motomatters.com:つまりルマンやもてぎではうまくいくけど、フィリップアイランドでは難しいということですか・・・。
ゴヤン:その通りです。

Motomatters.com:つまり、基本的には新たな方向性を探っていて、もう限界まで来ていると。そしてこの方向を追求するかどうか考えなければならないところっまできているということですね。いいところが失われていっているということはありませんか?
ゴヤン:それもその通りです。わかってきたんですが、特にこのコース(ブルノ)では週末の終わりになってかなり厳しくなった。もうこの方向を追求するのは限界だということに気付いたんです。ですから別の方向を探るか、マシンのセッティングを少しだけ元に戻すかしないといけないのかもしれません。でもいずれにせよ、あなたがおっしゃるとおりもうこれ以上先には進めませんね。いいことがないですから。むしろ問題の方が大きくなってしまいます。それは私たちの目指すところではありませんから。

Motomatters.com:ヤマハはそういう方向性にマシンを変えるべきだとお考えですか?世界チャンピオンでレースに勝てる実力を持つけど全然違うスタイルのホルヘ・ロレンソがいるわけですが。その一方でMoto3やMoto2から上がって来るライダーもいる。
ゴヤン:難しい質問ですね。ヤマハの将来を私が決めるわけじゃないですから。でも私が知る限りヤマハはこの方向性にかなり興味を示していて、ポルにもたくさん投資をしていて、それはさっき話した通り、ポルのスタイルが新しいからなんです。だからヤマハは彼のデータを詳細にチェックしています。この方向性でいくための何か新しいものを導入すると信じていますよ。でもまあ確かではないですけどね。ヤマハの決断しだいなんで。
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ホンダがMoto2のワンメイクエンジンサプライヤになったのもこんな深謀遠慮があったんでしょうか・・・。なんか個人的にはパワーのホンダ、コーナリングのヤマハ、みたいに特徴が出ているのが楽しいし、ホンダサーキット、ヤマハサーキットがあるのも楽しいので、みんなホンダ風/Moto2風スタイルになっていいのかなーとは思いますけど、まあそれは外野の勝手な考えで、まずは勝つことですからね。がんばれヤマハ!

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MotoGPホスピタリティの裏側

華やかなMotoGPを支えるあこがれのホスピタリティ。これもたくさんの人によって支えられてます。RedBull公式より訳出。リンク先の写真やインフォグラフィックも是非ご覧あれ!
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MotoGPパドックのホスピタリティスイートは5つ星ホテルより豪華なこともある。食べ物やサービスももちろんだ。

LCRホンダMotoGPチームのエリザベッタ・ボネッティがRedBull.comにチームホスピタリティを案内してくれた。レース週末の裏側を見せてくれたのだ。

ホスピタリティの設営にはどれくらい時間がかかるんですか?
設営に1.5日くらいですね。火曜と水曜午前中一杯という感じです。家具とか諸々を水曜午後から木曜午前にセッティングします。

ホスピタリティの設営は何人でやってるんですか?それと週末には何人くらが働いてるんですか?
ホスピタリティの中では8人が働いています。コーディネータが1人、ウェイターが3人、ヘルパーが1人、コックが2人とアシスタントコックが1人です。サーキットに着くとみんなホスピタリティの設営にもかかわるんです。

週末で何人くらい来るんですか?
ミサノでは250〜300人くらいの方が毎日ホスピタリティを訪れます。チームメンバーやゲストやヘルパーさんたちですね。ほとんどみんなLCRホンダのホスピタリティでランチを食べるんですよ!だからランチは2〜3回転ですね。みんなに最高のサービスを味わってほしいんですよ。今年のムジェロGPでは木曜から日曜のトータルで1,111人のゲストが来ました。

どれくらいの量のご飯がでるんですか?
ビュッフェが2種類で、温かい食事と冷たい食事です。温かい食事にはパスタとかラザニアとかライスみたいなファーストコースと肉とか魚とかのセカンドコースを用意します。
冷たい食事としてはチーズとかサラミとかハムをいろいろとかミックス等だとかサンドイッチとか野菜とか、あとピザまでありますよ!
うちのコックの一人はデザートが得意なんです。いつもケーキが2種類とプリンとかがありますよ。

スパゲッティやピザは何トンくらい用意するんですか?
パスタはすごいですよ。ゲストは皆さんおすきですからね。普通はGP一回で80〜100kgのパスタを用意します。肉は80〜90kgですね。その他に80kgのポテトとトマトとか人参とか豆とかサラダとかの野菜を10〜20kgくらい買いますね。

レッドブルは何缶くらいですか?あとワインとかビールとかは?
レッドブルは毎レース500〜800缶です!アルコールやジュースも出していて、まあ何でもありますね。プロセッコ(訳注:イタリア製スパークリングワイン)も皆さん大好きです。毎レース60本以上は空きますよ。でも気温にもよるんですけどね。暑いときはみなさんワインはあんまり召し上がらないでノンアルコールが良く出るんです。
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2015年(アメリカ仕様)SR400ライディングインプレッション

ほら、一応ね、「SR」ダンディ別館なので、たまにはSR関連の記事も訳しますよっと。Cycle Worldより。
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レトロバイクが大好きな人なら誰でもこのバイクに目がとまるだろう。すらりとした美形の2015年型ヤマハSR400は1978年型とほとんど変わっていない。ヤマハは賢いことに78年型との変更を最小限に抑えているのだ。マシン右側に取り付けられたキックスターターがこの米国に再上陸したヤマハシングルのキモである。このマシンを始動するにはそれしかないのだ。そこが素晴らしい。

カリフォルニアはヴェニスビーチで夏のいい天気の中我々の初試乗は始まった。マシンの色は「リキッドグラファイト」。フェンダーが輝いている。まずはヤマハのプロダクトプランナーであるデレク・ブルックスが始動方法について教えてくれた。私はヴェロセットMSSやノートンコマンド850、ヤマハRD350も持っていたので特に問題はなかった。しかしキックスタート未体験のテスターも一人いたのだ。なんということだ・・・。

SR400のキックスタートは(ほぼ)昔風のものであるが、電子制御フューエルインジェクションのおかげで実に現代的に簡単だ。399ccのシングルエンジンにはキックスタートに最適な場所にカムがきているかどうかを判断するためのガラスの除き穴がついている。それは絶対に必要というものではないが、最初は役に立つだろう。基本的にピストンを上死点まで上げて、ハンドル左にマウントされたデコンプレバーを引きピストンを上死点から少し先に動かしておく。そうすれば思った通りにスムーズに踏み抜くことができるのだ。なにひとつ乱暴なことはおこらず、エンジンが熱かろうが冷えていようが、スムーズにエンジンがかかる。チョークは必要ない(というかついていない)。バイクにキックで火を入れるのは実に素敵な体験だ。まあそうでない人もいるだろうが。特に信号待ちやキックしにくいところでエンストさせたときには。

とは言えSR400はエンストもしにくいバイクだ。じつにうまく燃調がコントロールされており、ボトムエンドのトルクも(排気量からすれば)十分である。クラッチも許容範囲が広く、フライホイールの重さのおかげで慣性があり停止も簡単でスムーズだ。昔のキャブ付きシングルとは異なり、アイドリングやスロットル操作ランダムに火を噴くことはない。SR400はアイドルは実にスムーズで穏やかな音を発するだけだ。スロットルを開ければ素直に反応する。Cycle Worldのダイノに乗せたところ、エンジンは6400回転で24馬力を発揮し、5500回転で28.5Nmのトルクを絞り出した。トルクについては注釈が必要だろう。2500回転でも27.1Nmを発揮することを忘れてはならない。ただし中回転域で多少の落ち込みがあることも言っておこう。レッドゾーンは7000回転からだ。

街乗りには適切なパワーであり、5速ギアを駆使して特にドラマもなく時速128km/h(以上)のスピードまで出せる。しかし105km/h以上でクルーズしようとすると振動はそれなりのものとなる、ハイスピードでも走ることはできるが96km/hまでが幸せな範囲である。

カヤバのフォークはソフトでダンピングも軽く、街中を少し乗り回すには最高だ。やはりカヤバのツインリアショックについては(十分なツールキットに含まれるツールで)プリロードを上げることにした。私は100kgほどあるのだ。サスペンションについては素晴らしく柔軟とは言えないもののハイウェイでもばたつくことはなくステアリングも軽く確実である。

小さくコンパクトなSR400は満タンで174kgに過ぎない。シート高は78cmで、しかも幅が狭いため実に扱いやすく、普通の人ならかかとまでべったりつく。シートはサポートも良く快適である。フラットな「ヴィンテージ」スタイルのシートもなかなかだ。ホイールベースは141cmでとても機敏に動くことができる。運転免許試験用のバイクが必要?SRはその第一候補である(訳注:アメリカはバイク持ち込みで試験を受けます)。

2015年型がチューブ式のワイヤースポークホイールとリアドラムブレーキなのは皮肉なことだ。オリジナルの1978年式SR500はフロント、リア共にディスクブレーキにキャストホイールでチューブはいらなかった。しかしヤマハは差別化を図ろうとしているのである。78年という時はクラシックなイギリス製500ccの現代的解釈だった。今日のSR400はSR500自体のクラシックな解釈であるとも言えよう。ああ、なぜ399ccかと疑問に思う人もいるかもしれない。これは日本の免許制度のせいである。400cc以上のバイクの免許は非常にとりにくいのだ。

18インチアルミリムにスチールのフェンダー、すっきりしたスタイルのおかげでこのバイクの存在感は抜群である。最近では見られなくなったセンタースタンドもついており、これもとても便利だ。エンジン周りのパフォーマンスアップ用アフターパーツも豊富である。やろうと思えば500cc用ロングストローククランクも手に入る(eBayへどうぞ)。オリジナルの8.5:1の圧縮比を上げることも可能だ。抜けの良いエキパイもある。シンプルなエンジンだけにDIY派のオーナーにも最適だ。

そして考えてほしい。これは新車で買えるのだ。ネジが落ちたり錆びたりしていないのである。定価5990ドル(訳注:邦貨換算62万円)に充分値する。キックでバイクに命を吹き込む楽しみがついてくるのだ。
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ノーマルいーなー、かっこいーなー。

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技術オタクとレース好き

バイクレースのファンにはどんな種類があるか、そしてそれぞれを満足させるには、というお話。CycleNews.comより。なかなか刺激的論考なので訳出。
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MotoGPをこれほど魅力的にしているのは何なのだろう?みたこともないようなハイテクマシンか、それともスターライダーか。ファンごとにそれぞれ意見はあるだろうが幸いなことにMotoGPはその両方を兼ね備えている。完璧な商品パッケージなのだ。まあオープンクラスマシンにはオープンクラスにはプロトタイプマシンにあるようなハイテク技術が盛り込まれているわけでないが、それでもそれなりの魅力はある。そしてヴァレンティーノ・ロッシが引退したら誰がその穴を埋めるのだろうかといらいらし始めている人のためにマルク・マルケスが登場した。

確かにファンにはいろんな種類がある。しかし大まかに二つに分けることができるだろう。技術オタクとレース好きだ。

技術オタクというのはその名の通りである。人類が到達した最高技術にこの上なく惹かれる人種だ。彼らが好きなのは最高のマシンであり、その技術が解き放たれる様子が見たいのである。技術制限はすべてゴミでありタイヤ戦争を待ち望んでいる。レース自体は宿題に全力をつくして取り組んだチームが結果を出してご褒美を得るためのものにすぎない。激しい競争のために条件をそろえるなど考えもしない。つまり技術オタクハードコアなモータースポーツファンは、5人のライダーがトップ争いをしようが気にしない、一人のライダーが10秒差で独走してもかまわないのだ。最高の技術の集まりのMotoGPという現場でもさらに抜きんでたものが勝つのを見たいだけなのだ。勝利がたとえ一人のライダーに集中しようとかまわない。何人ものライダーが勝利を目指して戦う状況・・・、まあそれはボーナスみたいなものだ。

技術オタクはとにかく複雑なものが好きだ。特にルールに関してはそう言える。ルールを見るだけで1シーズンを過ごすことができる。誰がレースをするかなぞ関係ない。もしハイテクマシンを殺すような権力がのさばると彼らの興味は急速に消えていく。そこでレース好きに転向できればいいのだが。

一方でレース好きをカジュアルなファンと呼ぶのは少々不公平だろう。彼らが狂信的になることもあるからだ。彼らの興味の対象はライダーであり、時にはメーカーのファンであったりもする。彼らはルールには興味を示さない。ただし「私のライダー」がそのルールのせいで不利にならない限りだ。誰もが競争の激しさだけを楽しみにレースを見ているわけではない。普通は誰かを応援するものだ。誰か自分の代理人がほしいのである。それがレースを見て、録画して、チケットを買って、雑誌を読んで、Tシャツまで買う動機なのだ。もちろんマシンのことも好きだが、技術的に後退しようがそれで興味が失われることはない。

さらに彼らは地滑り的に決まってしまい一人のライダーが支配するようなレースは嫌いである。まあそれが彼らのお気に入りのライダーでなければだが。だからレース好きは接戦が好きでもある。エンターテイメントを求めているのだ。そういうファンはお気に入りのライダーが引退したり勝てなくなったりすると興味を失ってしまうことがある。それに替わる新たなレース界のヒーローを見つけられなければ間違いなくそうなるだろう。

どちらかが間違っているのだろうか?もちろんそんなことはない。それぞれに意味はあるし、頭の働くプロモーターならどちらも大事にするだろう。ハードコアなファンを排斥したくはないだろうが、幅広いファンを獲得するチャンスを捨てるのも得策ではない。

ロードレース界では技術オタクとレース好きの興味を両立させるのは極めて難しい。この経済状況が厳しい時代にあってはなおさらだ。息を呑むほどの凄いマシンをグリッドに並べるほどには経済的には豊かではない、つまり景気後退局面では両者のバランスをとるために様々なルールが試験的に導入されることになるのだ。ハードコアファンが離れないようにしつつグリッドを埋めなければならない。そしてハードコアなファンというのは、それだからこそ/それにもかかわらず、少数派にとどまっているのが現実だ。同じことがメーカーに対しても言える。メーカーというのは要するに真の技術オタクの集まりなのである。彼らは勝つためにかなりの資金をつぎこんでいる。技術的後退には全く興味がないのだ。ただしお金に困れば別の話になるが。

MotoGPはワールドスーパーバイクや米国スーパーバイクシリーズと比べてうまくやってきた・・・かもしれない。ワールドスーパーバイクでは素晴らしいレースが展開されているし技術的にも観るべきものはあるが、特に米国ではMotoGPほどには注目されていない。ジェフ・メイやアーロン・イェーツやEBRチームには申し訳ないが、要するにアメリカ関連チームがトップ争いをしていないせいもある。

ワールドスーパーバイクには素晴らしいキャラクターの持ち主がいるのも確かだが、スター性には欠ける。もしヴァレンティーノ・ロッシか(まあ2016年までMotoGPの契約を結んでしまったのでもし実現するとしても先の話だが)ニッキーヘイデンが走ればまた状況は変わるかもしれない。

スーパークロスでは注目が集まるのはライダーだ。確かにひいきのメーカーを持っているファンもいるが、古典的な意味でのワークスバイクが参戦しているわけではないので技術オタクの入る余地はあまりないのだ。技術オタクがファンとしてついているなら、きっと彼らはワークスマシン未満のモトクロスバイクに不満たらたらだろう。

スーパーバイクでもルールについては議論があるが、まああまり語られることはない。実際議論になるのはライダーについてだ。それがスーパークロスの中心だからだ。

スーパークロス関連のネットのスレッドを見れば、厳しいこきおろしはライダー関連のものばかりである。技術的な発展を阻害している主催者に対するコメントはほとんどない。そしてスーパークロスが成功していることを考えればワークスマシンがなくても大丈夫だということがわかるだろう。スターがいて、そのプロモーションも充分機能しているのだ。

さらにスーパークロスではロードレースに比べて見応え重視となっている。そのおかげでカジュアルなファンを引きつけ、そしてそのまま引き留めておけるのだ。レースはスタジアムで開催され、オープニングセレモニーは花火とレーザーショーで彩られる。そこまでやって失敗するわけがない。マノロ・ブラニクの靴を履き、ルイ・ヴィトンを抱えた、どう考えても技術オタクとは程遠い妹を初めてレースに連れて行ったのはサンディエゴのスーパークロスである。オープニングセレモニーでは花火とレーザーの中、フリースタイルモトクロスライダーのトラヴィス・パストラーナがバックフリップでフィニッシュラインを越えていった。こんな素晴らしいレース初観戦があるだろうか。彼女にロードレースに行かないかと誘ったとき、彼女はこう言った。「で、花火はあるの?」

オーケイ。誰でもついてきてくれるわけではない。しかしロードレースにもレース好きのファンが必要なのだ。花火を除けば、こうしたファンを惹きつけるのはライダーのキャラクターである。レースファンは技術オタクではないのだ。

ではもしMotoGPのトップスターえあるロッシやマルケスやロレンソやペドロサをスクーターに乗せてレースをさせたらどうだろう。ハードコアなファンはそっぽを向くだろうか?たぶんそうではないだろう。しかし彼らは徐々に立ち去って行くに違いない。
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確かにねえ、スクーターレースがGPになってもなあとは思いますよ。昔のテレビ東京の番組みたいな感じで、余興としては見てみたいですが。

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愛と憎しみのシルバーストン:カル・クラッチロー語る

いや、まじでそういうタイトルです。CRASH.netより。
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今週末のイギリスGPでのカル・クラッチローの目標はとにかく怪我なしで土曜を乗り切ることである。

2010年にワールドスーパーバイクでダブルウィンを飾った後、テック3ライダーとしての3回のMotoGPでは常に怪我にアクシデントに見舞われているのがクラッチローのシルバーストンである。

彼は2011年のイギリスGPでは予選で鎖骨を骨折し決勝は欠場。2012年は土曜のプラクティスで足首を骨折している。

しかしこの時彼はレースに出場して最後尾から6位にまで上がりサーキットを沸かせることになった。

2013年も土曜に彼を不幸が見舞う。クラッチローは午前中のプラクティスで2回の転倒を喫し、1度目は時速300kmでの転倒で、右腕に怪我を負ってしまう。それでも予選でフロントローを獲得したものの、ウォームアップで3度目の転倒を喫し、レースは7位でゴールすることとなった。

「みんなが思うよりたくさんシルバーストンのメディカルセンターには行ってますね。でもスタッフはみんな優しいし、最高の薬をくれますから!」とクラッチローは笑いながら語る。「おかしいですよね。シルバーストンには愛憎入り交じる感じなんですよ。すごくいい結果と最悪の結果とね。
 コース自体は好きだし、大観衆の前で走るのも楽しいですよ。でも自分だけがプレッシャーを受ける立場になると結構辛いですね。ほんとにたいへんなんですよ。地元に帰ってきて勝たなければというプレッシャーにさらされるのは辛いものなんです。だから今年はブラッド(スミス)にそれは任せますよ!自分は心配することはないですね。今年は3人の中でいちばんトップに近いというわけじゃないですから。
 でも楽しみでもあるんです。速いイギリス人が5人もいて、レースを面白くするんだし、だからみんなを同じように応援してほしいですね。レースが待ち遠しいし、気持ちは楽ですよ」

クラッチローは現在ランキング14位に沈んでおり、ベストリザルトは6位である。ブルノではグラベルに突っ込んだドゥカティをコントロールしようとして肩を痛めた上に、レースはリタイヤしている。

「肩は痛みますよ。正直言うと肩には前から問題を抱えているんです。関節炎がひどくて、でも治療のための手術には踏み切っていないんですよ。6週間走れないんですけど、今シーズンが終わるまで6週間も空いてるところはないですからね。だから今年の終わりにはまあ大丈夫でしょう。注射も打ってますからね。
 よくあることですよ。ブルノではクラッシュしないようにマシンをホールドして傷めてしまった。たぶんシルバーストン前にも注射が必要でしょうけど、それ以外は大丈夫ですよ」

ブルノでは残り周回数も多い状態でレースに復帰したが、彼はその後6周走ってリタイヤすることを選択した。彼はテキサスでの転倒でリアタイヤに手を当てて骨折してしまったが、それがリタイヤを決めた理由だと言う。

「ブルノではそれ以上走る意味はなかったんですよ。1分半も遅れていたし、テキサスのこともありましたしね。こうしたことがまた起こったらどうするかについては事前にチームと話をしていましたしね。
 無理して戻って骨折した手で走り続けて次のレースに出られなかったら最悪ですから。でも結果にはがっかりしてますよ」

シルバーストンがワークスドゥカティライダーとしての彼の唯一の地元レースとなる。彼は既にLCRホンダと2015年の契約を結んでいるのだ。
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好きなのに好かれない・・・。

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ワールドスーパーバイク:よりよいレースを産み出すための新ルール

来年からワールドスーパーバイクに導入される新ルール(全車EVOクラス化)についてKevin Cameron氏がCycle Worldに寄稿していますので訳出。MotoGPにとっても無視できない動きです。まあプロモーターの親会社は一緒ですから様々な動きが同期してるんでしょう。
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来年のワールドスーパーバイクは大きく変わることになる。市販車ベースをフルチューンしたレーシングマシンからコスト抑制型のノーマルに近い、言わば英国スーパーバイクやスーパーストックに近いものになるのだ。現在でもこのEVOクラスがグリッドを埋めるために12台参戦している。

一方でこれは経営的判断でもある。25年前は毎レース60台以上のエントリーがあったが、現在のSBKはいくつかのワークスと資金力のあるチームだけのものとなっている。このままいけばそのうち参戦台数は0となってしまうだろう。

そうはいっても私も含めて多くの人が最速マシンを作り上げるという魅力をこのクラスに感じているのも事実だ。エンジンやフレームやサスの改造に取り組み、その結果故障することのないチタンコンロッドや真空再融解法で作られたへたらないバルブスプリング、軽量マグネシウムホイールなどが導入されている。こうしたアイディアを含む様々なパーツが導入されタップタイムが縮まってきたのだ。サーキットにいないときには圧延機や旋盤やグラインダーベンチの横にいるのだ。充実した人生である。

新たに導入されるEVOクラスは恐れていたほどこうした技術を抑圧するものではなかった。何円にもわたってSBKはアメリカ人のスティーヴ・ホワイトロックの指導の下に発展してきた。彼はあらゆるレベルのバイクレースで経験を積んだ人物である。彼のポリシーは「彼らが必要なものを手に入れられるようにする」ことでグリッドを埋めるということだ。純粋なノーマルクラスのレースでは最新のバイクを販売しているメーカーが勝ってしまうことになると考えているのだ。新モデルには新技術が盛り込まれているからだ。そのため他のチームは追いつくために自分たちのパーツを改良しなくてはならない。ホンダのCBR1000RRにはフライバイワイヤー(電子制御式)スロットルがついていないため、ホワイトロックはチームにフライバイワイヤーの装着を許可している。

これは公式に認められた「ずる」だと考える人もいる。ドルナの親会社がWSBKの興行権を持つインフロント社を買った際に、彼らはホワイトロックのような考えを導入しないで接近戦を実現する厳格なルールを作ろうとした。ホワイトロックのやり方は主観的に過ぎると考えたのだ。元レーサーであるポール・スマートの息子のスコットがホワイトロックの替わりに技術監査を行うことになった。厳格なルールを求めるグループはやっと自分たちが認められるときが来たと喜んだものいだ。

しかしことはそれほど早くは動かなかった。結局ホワイトロック式の考え方が賢明にも引き継がれたのだ。ベースモデルがフライバイワイヤーを採用していないマシンを使うチームは2,500ユーロ(訳注:邦貨換算35万円くらい)以内でこれをとりつけられることになったのだ(2017年からは市販モデルにもホモロゲーションのためにはフライバイワイヤーが義務づけられる)。カムシャフトや他バルブタイミングシステムは自由に交換しても良いが、オリジナルの場所に取り付けられなければならない(バルブサイズや挟み角の変更は不可)。コンロッドは変更可能だが材質は同一でオリジナルの重量を超えてはいけない。このルールは実に現実的だ。ノーマルのコンロッドは、そして特に大端部(ビッグエンド)のキャップボルトはレースでの回転数に充分耐えられるように作られているのだ。シリンダーヘッドは混合気の流量を増やすために改造可能だがノーマルパーツから作らなければならず再鋳造は認められない(「いやこれはノーマルですよ。ノーマルパーツを使って一旦溶かして金型に入れたんです」という話もあった)。燃焼室も改造可能で圧縮比も自由にいじることはできるが、ピストンはノーマルでなければならず改造付加でオーバーサイズピストンの使用も認められない。

スイングアームピボットの位置は、はたつきを抑えるために重要だが、ノーマル位置から5mmの範囲で変更可能となっている。ノーマルで位置可変機構が導入されていなくてもだ。またスイングアーム自体も変更可能である。17インチでフロント3.5インチ、リア6.0インチまでのアルミ製であればホイールも変更可能だ(鍛造マグネシウムホイールは鍛造の上に削りだし加工が必要なため実に高額となる)。

ギアレシオは一時減速比も含めて固定であり、前もって決めなければならない。このおかげでチームはカセットギアボックスを用意する必要がなく、さらにすべてのギアに対して5種類ものレシオを用意するといったことからも免れられる。

ブレーキやサスペンション等の多くのパーツは許可リストの中から選択することができる。確かにこれはAMAプロレーシングが資金稼ぎのためにやったあのいやらしいパーツ許認可制を思わせるものではあるが、最新もMotoGP風ロッド貫通式フォーク(訳注:through-rod fork:訳に自信なし)なぞ3メーカーしかさいようできずお金の問題なのだから、このルールは合理的である。

そこで気がつくかもしれない。MotoGPで採用されている先進的だが費用のかかる技術、例えば自動シフトアップ/ダウンシステムや、CNCマシニングを施したピストンやヘッドで燃焼を最適化することは市販ベースのクラスには入り込む余地は無いのである。そんなことになったら持たざるものたちを表彰台から追い出すことになってしまう。

英国スーパーバイクの成功は誰もが認めるところである。グリッドは常に埋まり、いつでも接近戦があちこちで見られる。そのおかげで英国のライダーは世界でも最高レベルのレースに参戦できるのだ。スペイン選手権の成功も相まって、EVOクラスへの影響は多大だ。目的はエントリー台数の増加と接近戦によるエキサイトメントなのである。

原理主義者は「電子制御もひっぺがして、人間同士の戦いに戻すべきだ」とも言っている。確かにある面ではそれに共感できるところもある。60年前はレースは一人の人間が一つのシリンダーを使っていたのだ。そこについていたのはルーカス製のマグネトーひとつとアマルのキャブひとつである。しかしレースマシンはそのころから4倍以上のパワーを出すようになっている。アメリカ海軍がジェット機にアプローチと着陸のための電子制御を搭載しているのは、高度に訓練されたパイロットを一人たりとも失わないためだ。同じことがバイクレースにも言える。高度にチューンされたエンジンによるしっぺがえしは大きな事故を招き、グリップの高いタイヤはいきなり滑るのである。市販マシンだけでなくレースマシンにも電子制御は搭載されるべきだ。これがコース脇で待機している救急車の助けにもなるのだ。

確かに嫌われ者のインテークリストリクターについてもEVOクラスのレギュレーションには書かれている。ちゃんとした競い合いを確保するために慎重に表現された項目だ。極端な状況に対する抑止力でもある。仲間からある改造を使用としているチームがあるとホワイトロックが聞いたときのことだ。それが多大なアドバンテージをもたらすとしって彼はそのチームのピットに行き、こう言った。「わかったよ。でももしそっちがXを導入するなら、君らがYを使ってるってカワサキが講義するって言ってるんだけどね。だから慎重に考えた方がいいよ」。リストリクターの恐怖は同じような効果をもたらすだろう。性急に何か新しい機構を導入しようとすることに対する抑止力となるのだ。

人間がやることに変わらないものなどない。技術は常にシンプルなものから複雑なものに進化していく。放っておけばどんなものでも高額になりいずれ買うことができなくなるものだ。1972年にカスタムレーシングフレームを買ったときに私が払ったのは数百ドルだ。しかし今日Moto2チームはその400倍以上を払っている。物価上昇率を見込んでも67倍になるのだ。ナンセンス極まりない。

こんな風に価格が高騰するのはレースにとって良いことは一つもない。しかし技術発展が全くないのも悲しいことだ。すばらしいレーシングマシンがボーリングシューズ並の価値になってしまうのを見たい者はいないだろう。しかしSBKやBSB、CEV、そして(在りし日の)AMAプロレーシングプロスーパーバイクの楽しさは、一定のルールが必要であることを強く示唆している。もっとたくさんのアメリカ人ライダーがヨーロッパで走って、もっとたくさんのヨーロッパ人ライダーがデイトナを走る。そんな日が来るのを私は楽しみにしている。
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そして日本人ライダーも・・・。

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クラッチローがキャドウェルBSB(英国スーパーバイク選手権)のドゥカティカップにワイルドカード出場

ま、早速本文に行きますか。Bike Sport Newsより。
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いやいや、そうではなくて、カルのお父さんのデック・クラッチローがキャドウェルパークのドゥカティ・トライオプションズ・カップに今週末参戦するという話だ。御年68歳の彼はまだつなぎをクローゼットにしまうつもりはないらしい。

クラッチロー父がリンカーンシャーのコースを離れて22年になる。しかしアドレナリンとドキドキへのあこがれは相変わらずのようだ。トップ10にもとどかないタイムながらもこのクラスを楽しんでいる様子である。

前回この年金受給者であるクラッチロー父がレースをしたのは13年前だ。現在はMotoGPで走る息子のカルの支援が生活の中心である。クラッチローはレース1では20位に入ったが月曜のレース2ではもっと良い成績を出したいと考えている。そして長きにわたるレース経験にもかかわらず彼は今だにナーバスになると言っているし、今日も状況は同じだったそうだ。

「週末中レースのスタートに向けてナーバスになってたね。こんな気持ちになったのは1992年以来かな。クイックシフター付きのマシンに乗ったことがないんだよ。ちょっと不思議な感覚だね。でもそれ以前にマシンのポテンシャルをフルに引き出すことができないんだよ。昔風の乗り方だからね」父クラッチローはbikesportnews.comにこう語っている。

「プラクティスでは散々だったな。13年レースをしてなかったけど、まだまだいけると思ってたのにね。もう68歳で、でもまだいけるしレースでどきどきできるんだ。最高だね。
 予選ではいい感じで走れたし、楽しめたよ。2秒タイムを縮められたんだ。で、ライバルとバトルしてさらに2秒短縮だよ。びりじゃなかったんだよ。素晴らしいね。
 レースでは緊張したね。結果はがっかりだけど、次のレースではもっといいところをみせたいと思ってるよ。でもまずはバイクに乗れて、みんながやさしくしてくれているのを喜ばないとね。今日のレースに招かれて、で、ここは私が最初に勝ったサーキットだから参加することにしたんだ。また夢の世界に入れたんだよ。
 またアドレナリンが出るのを感じられたし、走ることができた。でも今日が終わった時点ではまだ他の連中についていけることもわかったんだよ。この年でもね。まあ自分が間違ったことをしてるんじゃないかという気持ちもあって、それにいらいらもしたけどね。
 明日は雨になるといいと思ってるけど、それでも状況は有利にはならないかな。でも面白いことにはなると思うよ。バイク乗りってのはみんないいやつで、なんか家族みたいなんだ。特にここキャドウェルパークみたいなところだとね」
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リンク先の写真が超かっこいい!カルもこうなるのかしらん。

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ありがとうございます!>綿棒

ぽんたさんからいただきました!

ちょうど切れていたところでとてもうれしいです!!耳掃除し放題!!

Membau

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今日のSHIRAKAバル(2014.08.25)

わはははは~。

本日はシャルドネのグラスにフォアグラ、桃のコンポート添えをいただきました。

外はカリッ、中はトロトロのフォアグラに生桃のコンポートを合わせていただくのですよ!いつものことですが腰が抜ける美味しさ。
量は少ないですが、この幸せを900円で手に入れられるなんて!

もしメニューに残ってたらたのみなさい(命令)。

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2st6気筒750cc!

RG500のエンジンを1.5倍にして作った2st6気筒750ccマシン!後ろから見ると時計回りにマフラーが1本、2本、3本となっているところが震えるかっこよさです。リンク先のfacebookから訳出。詳しい内容はこちらにも。
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そろそろ世界に公開するころだろう。CoMotor製RG750だ、これは90年代に着手され2000年代に完成した。RG500のエンジンにコピーしたシリンダーをつけて、さらにワンオフのギアボックスとクランクケース、点火システムをそなえている。

スペック概要は以下の通りだ。さらにその下にマシンの歴史を記載する。

・165馬力 160kg
・ハリス製YZR500用フレーム改
・ハリス製ワンオフGPラジエター
・RG750カスタムエンジン(RG500+追加クランク+追加シリンダー×2)
・RGB500乾式クラッチ
・APレーシング製ブレーキディスク&6ポットブレーキ
・マルケジーニホイール
・オーリンスGPフォーク&リアサス
・カスタムカーボンファイバーカウル
・カスタムフルプログラマブルFI点火装置
・カスタムチタニウムエキパイ

レス・コーという名の男がバイクをほしいのだがぐっとくるものがないと言い出した1993年がこのプロジェクトの始まりだ。彼は2ストロークのマシンがほしかったのだが、当時2ストはすでに絶滅の危機に瀕していた。ヤマハTZで70年代にレースをしていた彼はエキパイで有名なピート・ギブソンやロータスカーズの2ストの天才デイヴ・ブランデルやハリス兄弟と知り合いだった。公道用GPマシンを作りたいなら誰もが知り合いたいと思う面々だ。当時はまだRG500エンジンがロードゴーイングレーサーの間ではよく使われていることから、彼もそれを使うことにした。デイヴ・ブランデルがシリンダーの鋳造でレスを手伝い、オリジナルの4気筒110馬力を6気筒165馬力にスープアップした。新たなクランクとプライマリギアを組み込むのには多大な労力を要することとなった。RG500のクランクケースは新規鋳造ではなく改造で対応しているためオリジナルのスズキのパーツが多数使われている。2気筒分が追加されたことにより角度の狭角の広いデルタ型のV4エンジンをもつそれは「CoMotorデルタ6」と名付けられた。

エンジンができたら次はハリス兄弟社製YZR500フレームへのマウントだ。当時彼らはプライベーターのためのヤマハ用レーシングスペックのフレームを作成していた。これも改造で対応しているが、実に複雑な仕事となった。サイドマウントのロータリーバルブ用キャブが邪魔になったのだ。オリジナルのウォーターポンプはスイスオート社製のGPポンプに換装された。これは後付けの2気筒分に冷却液を供給するためだ。同じ理由でハリソン社製のGPラジエターが採用され、オリジナルの110馬力から165馬力にパワーアップしたエンジンを効率的に冷やしている。RG500のオリジナルピルポンプは2基とりつけられ、充分な潤滑を保証している。残りの部分はお金さえあればなんとかなるものだ。マルケジーニのホイール、オーリンスのフロントサスとリアサス。APのディスクには6ポットのキャリパーが組み合わされる。電気系で最高のパーツはF1用イグニッションである。当初はオリジナルの360度点火だったが、最終的には2気筒ずつ3組のシリンダーに最適になるよう180度点火とされた。カーボンファイバー製のエアダクトはキャブに十分な量の空気を供給することができる。RGB500のクラッチによりパワーは確実にリアホイールに伝達される。

次に注目すべきはピート・ギブソンの手になるエキゾーストだろう。フルチタニウムにカーボンのマフラーがついている挑戦的なものだ。レスはTZ750を愛していたことから、エキパイは基本サイド出しにすることになった。そしてボルトやナットにいたるまでチタンが贅沢に使われている。

FRZのプロジェクターヘッドランプは巧妙にノーズ部分に隠され、必要となればチタン製のメカニズムを介してポップアップするようになっている。ボディワークはカーボン/ケブラーで構成されマシンの軽さと機動性を担保している。

マシンが完成すると、予定していなかったがダイノマシンに乗せられたが、3本のクランクにつながるプライマリシャフトが素材の問題で破損してしまった。結局CNCシャフトに換装されることになる。全てのシリンダーに火が入ると160馬力160kg、つまりパワーウェイトレシオが1kg/馬力ということになる。これはS1000RRに匹敵する性能だ。500cc時代のGPバイクの180馬力、145kgにも近い数値である。信じられないプロジェクトで、情熱がなければとても実現できないきちがい沙汰だが、55,000ポンド(訳注:邦貨換算950万円)の値がついている。自分でやろうとしても無理な値段だろう。
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かっこいいなあ。

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移籍について:カル・クラッチロー インタビュー

ドゥカティからLCRホンダへの電撃移籍をかましたカル・クラッチローへのインタビューがCRASH.netに載っていたので訳出。
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来週のイギリスGPはカル・クラッチローがワークスドゥカティに乗る最後のホームGPである。

2013年にはテック3でサテライト勢のトップとなったクラッチローは結局デスモセディチの気難しいコーナリングの犠牲者となったトップライダーの一人になってしまった。

その筆頭はもちろんヴァレンティーノ・ロッシである。彼は9度の世界タイトルを獲得しているが10レース終わったところでドゥカティでは勝てないと理解しはじめたと語っている。クラッチローも9戦を終えて同じ結論に達したようだ。しかしロッシが2年契約を全うしたのに対してクラッチローは1年でオプションを行使し、チームを離れることになった。

詳細なことはいまだにはっきりしていないが、当初クラッチローはチーム残留を決めていたが、結局彼はLCRに移籍し、その後釜にはプラマックのアンドレア・イアンノーネが座ることになったのだ。

クラッチローは語る。「思ったようにはいかなかったですね。結局ドゥカティとはお互いに合意できたんです。彼らには素晴らしいライダーが2人いて、それで来年を戦えるんですしね。で、僕にはLCRからのいいオファーがあったんです。要するにそういうことですよ」

チームメイトのアンドレア・ドヴィツィオーゾが5位であるのに対してクラッチローのランキングは14位と惨憺たる状況であるが、これは彼がテキサスで手に怪我を負ってアルゼンチンを欠場し、さらにいくたの技術的トラブルに見舞われたせいだけではないだろう。

クラッチローの最高順位は6位でドヴィツィオーゾは2度の表彰台を獲得しているのだ。ではなぜ彼だけうまくいっていないのか?

ひとつには、クラッチローがホルヘ・ロレンソ風のライディングをヤマハで追求してしまったことにあるかもしれない。彼はドゥカティに合わせてスタイルを変えたくなかったということだ。クラッチローによれば、スタイルを変えようとしたが、それでかえって状況は悪くなったのだという。

「今年の初めの段階ではライディングスタイルを変えるつもりなんてさらさらなかったんですが、でも少しは変えなければなりませんでしたね。でもそれも効果はなかったんです。スタイルを変えないときの方が毒かティでもいい成績が出せたんですよ。スタイルを変えようかなと思ってるときの方が良かったんですね。
 ドゥカティはブレーキングゾーンではすごくいいんですが、そこは僕が得意とするところじゃないんです。で自分でもそこをなんとかしなきゃと思ったんですが、僕のやりたいブレーキングがマシンに合わなかったんですよ。ちょっとは変えようとはしたんですが、ぶっちゃけ成績には全然関係なかったですね」

クラッチローとドヴィツィオーゾが2012年にテック3でチームメイトだったときには同程度の成績を収めていた。ドヴィツィオーゾはレースで、クラッチローは予選で輝いていたのだ。クラッチローの考えでは、今年の2人の大きな差は特にブレーキングでマシン能力を引き出すことができるというドヴィツィオーゾの強みにあるという。

「どんな場所でも後れをとってるというわけじゃないんですよ。でもマシンの強みがドヴィの強みとマッチしてるんですね。データを見ればどこでタイムが落ちているかわかるんですが、あなたももうわかってるでしょ。
 ドヴィは凄くいいライダーですよ。それに頭もいいし、だから今年は彼に勝つのはたいへんですね。いきなりドゥカティに来てまだ慣れていないってものありますけど。去年の彼の成績を見れば僕と同じくらいだってわかるでしょ。優勝ライダーからのタイム差とかね。今年は彼は2年目だしすごく強くなっているし、ドゥカティのライダーはみんなそんな感じですよね。
 いつでもどちらも100%で走っているんだけど、僕の100%はドヴィの100%にかなわないっていうのが現状なんです」

その分析に基づいてヤマハとドゥカティでの彼のパフォーマンスの差を考えると、クラッチローがMotoGPマシンに求めることが明らかになるだろうか?

「そうですね。僕はブレーキングが得意な方とは言えないんです。だからコーナリングスピードの速いマシンの方が向いてますね。
 ドヴィはあまり気にしないんですよ。彼はマシンが減速できればいい。彼はマシンが望みの方向を向いたまま止まればいいんです。そうすればかなりラフにコーナーに入っていける。彼はコーナリング中のリアグリップを気にしないんです。ブレーキングでタイムを稼げますからね。
 そこはライダーによっても違いますね。例えばロレンソもブレーキングがそんなに得意というわけではないけど最速ライダーの一人ですよね。僕はこれまでずっとブレーキングで深く突っ込めるマシンを望んできたんです。で曲がって立ち上がると。でもコーナリングスピードはとても大事なんです。
 今年のホンダはこれまでよりもかなり良くなってると想いますね。間違いなくコーナリングスピードが上がってる」

来シーズンおクラッチローはファクトリークラスのRC213Vに乗ることになる。今シーズンRC213V意外に駆ったマシンはない、マルク・マルケスが勝ち続け、先日のブルノではチームメイトのダニ・ペドロサが買ったのだ。

クラッチローは4回の表彰台を獲得しランキング5位となった2013年のことを口にする。

「あの時はワークスバイクは絶対手に入れられなかったけど、それでもいいところまでいきましたね。テック3のマシンは表彰台に昇れる力があったんです。だからまた表彰台争いがしたいですね。ホンダに慣れるにも時間は掛かるとは思いますよ。乗りやすいマシンとは思えないし。
 みんなホンダに乗れば勝てると思ってますけど、そんなわけはないですよ。でもサテライトのトップになることは可能でしょうね。まずはそこが第一目標ですし、それが達成できたらそれ以上も考えたいですね」

クラッチローはドゥカティで様々な困難と闘わなければならなかったひどいシーズンが今後に尾を引くとは考えていない。

「2011年途中でスーパーバイクに戻らないかと誰かに言われたとしたら、それに飛びついてたでしょうね。それくらいつらかった。で翌年はカタールの開幕戦でワークス3台に続いて4位でゴールできたんです。来年も同じことが起こるかもしれません。だから『今年が悪かったから来年もたいへんだ』とかは思わないですよ。
 自分の実力には自信を持っています。まだ速く走れるはずですよ。去年のマシンは他のマシンと比べて特別いいってわけじゃなかったですけど良い成績を残せましたからね。ワークスにも張り合えたし、苦労したレースもなかった。来年はそれを再現したいです。まあ今年のトップ4は来年もトップ4に君臨しそうですけどね」

今年のLCRライダーであるステファン・ブラドルがランキング9位に沈んでいることもクラッチローは気にしていない。「マシンについては問題ないと思いますし、チームも問題ないでしょうね。ブラドルは今年苦労しているけど、そういうこともありますよ。
 ジジ(ダリーニャ:ドゥカティ・コルセのジェネラルマネジャー)はいい仕事をしてますよ。でも彼は来たばっかりですからね。いろいろ変えなければならないことがあって、それは着実にこなしています。でも他のチームと比べたら来年型マシンの開発も遅れてるんですよ」

ホンダとヤマハが先週のブルノで2015年型をテストしたのに対して、ダリーニャによればドゥカティが大進化を遂げたGP15を出すのは2月だということだ。

「ドゥカティの中にはパドック中で最高の頭脳を持つ人がいるってのは確かですよ。
 彼らはとにかく追いつこうとしていて、2014年型は2013年型と大して変わってないですけど、あれは今年の始めにセパンで登場したんで、他のメーカーは去年の途中から2014年型をテストしてましたからね。
 たいへんだろうとは思いますけど、一旦トップに返り咲けば、間違いなく優勝争いができるでしょう。
 来年はすごく良いライダーを2人抱えて、しかも今でもいい成績を出してますからね。ドゥカティがどのレースでもまたトップ争いができるようになるといいと思ってます。それだけの努力はしてるんですよ」

MotoGPは8/29-31にシルバーストンにやってくる。金曜8:30から土曜、日曜とBTスポーツで中継予定だ。
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ドゥカティが嫌いになったわけじゃないんですね。

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ストーブリーグ表2015(2014.8.24時点)

チームグレシーニがスポンサー撤退に伴いRC213Vをあきらめるためにスコット・レディングがマルクVDSチームに行くのではないかという観測を反映。シルバーストン明けにはもっとせいりされるはず。

Stove_2015_140824

「stove_2015_140824.pdf」をダウンロード

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スコット・レディングはどこへ行く?

グレシーニ・ホンダのメインスポンサーであるGo&Fun(エナジードリンクメーカー)が資金難に陥っているらしく、来年グレシーニがホンダのプロトタイプを確保できるか雲行きが怪しくなってきました。というわけでドゥカティ説まででていますが、とりあえずこのあたりの状況をMotomatters.comがまとめてくれてますので訳出。
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普通の状況であればスコット・レディングの2015年の行き先はいまごろもう決まっていただろう。HRCとの契約があり、グレシーニがGo&Funで走ることになっていたのだから、アルヴァロ・バウティスタに代わってファクトリーオプションのホンダRC213Vで来年走るのはほぼ決まりだったのだ。2〜3レース前までは唯一の疑問はレディングがショーワのサスとニッシンのブレーキを使い続けるかということだった。この2社はグレシーニにとって重要なスポンサーなのである。もちろん可能性としてはワークスホンダ同様にオーリンスとブレンボにスイッチすることも考えられた。

ところがこの2週間でずいぶん状況が変わってしまった。ブルノで行われたチェコGP前にグレシーニが2015年の資金探しに苦労しているという噂が流れてきたのだ。どうもメインスポンサーのGo&Funが資金難に陥っているらしいのだ。これはアンドレア・イアンノーネのマネジャーであるカルロ・ペルナートがレポーターにヘルメットのスポンサー代金をGo&Funから受け取っていないと言ったことでも裏付けられる。つまり契約は終わっているものの2015年に引き続きGo&Funがグレシーニホンダのスポンサーにつくかどうかは非常に疑わしくなっているということである。

メインスポンサーがなくなる上にサテライト用RC213Vのリース金額も値上げされることになっている。既に350万ユーロ(訳注:邦貨換算5億円)以上とも言われるリース料金がさらに上げられるというのだ。これでグレシーニチームはコーナーに追い詰められることになる。オーナーであるファウスト・グレシーニは既にこの件についてHRCと話し合いをもっているようだ。2015年のリース申し込みの当初の締め切りは7月末だったが、ホンダはこれを延長したという。グレシーニに資金集めの時間を与えるためだ。新たな締め切りは次のシルバーストンに設定された。イギリスGPまでにグレシーニはサテライトホンダを注文するか、これをあきらめるか決定しなければならない。

もしグレシーニがRC213Vの資金を集められなかったらチームとしてはどうするのだろうか?噂ではアプリリアにスイッチするとも言われている。2015年のアプリリアワークスの復帰にあわせてグレシーニがこれを運営するというのだ。私はファウスト・グレシーニとHRCのリヴィオ・スッポの両者にこの噂について確認したところ、両者ともこれを否定した。グレシーニはこう言っている。「いろんな人がそう言ってますけどアプリリアとは全然話はしていませんよ。なんでそんな噂が流れるんでしょうかねえ」。スッポはこの噂には根拠がないと指摘し、さらにサテライトホンダの速さとアプリリアベースのARTの遅さを考えたら選択肢はひとつしかないと言っている。「勝つためにレースがしたいのか、お金を集めるためにレースがしたいのか、ってことですよ」もしグレシーニがサテライトホンダを入手できなかったらオープンホンダで1人体制となるのが現実的だろう。2015年型RCV1000Rが大幅なエンジン改良を受け、2014年型RC213Vのエンジン(ただしシームレスギアボックスは除く)を使うことを考えたら戦闘力も充分あるからだ。2015年についてはアプリリアはARTのアップグレード版を使い、2016年に完全に新型となるマシンをデビューさせる予定だ。

グレシーニの最大の問題は、もし彼らがサテライトホンダをあきらめたらもう二度と手に入れることはできないということだ、サテライトマシンを入手するというのはダービーに勝てる一角獣を手に入れるくらいたいへんなことなのだ。その1代をあきらめると言うことは将来にわたって手放すことを意味するのである。グレシーニはもう18年もサテライトホンダマシンを使用しており、素晴らしい成功を収めている。あきらめるということは大幅な後退を意味することになるのだ。パドック内のある人物はこう言った。「ホンダRC213Vは世界に4人分しか存在しないんだ。もし手に入れられるなら手に入れて、それからお金のことを考えればいい」

2016年からの新ルール導入も問題を複雑にしている。全てのマシンは同じソフトウェアを使うことになっているが、メーカーがそれぞれのチームに違うスペックのマシンを供給することになるのだろうか?統一電子制御ユニット(ECU)は3メーカーが協働して作ることになっている。メーカーとしてはシームレスギアボックスに対応したソフトがほしいのは当然だが、そうなると異なる価格で供給される異なるマシンの差をさらに大きくすることになるだろう。つまり2016年により戦闘力のあるマシンを手に入れたいと願っている2015年のサテライトチームにとっては、現在のサテライト契約がより価値を増すということになるのだ。

スコット・レディングにとっては、グレシーニが2015年のRC213Vのための資金を集められなければ他のチームに行くしかない。レディングはマルク・マルケスやホルヘ・ロレンソ、ダニ・ペドロサ、ヴァレンティーノ・ロッシと同様のファクトリーオプションのマシンを手に入れていたいと考えているのだ。「オープン蔵アスで勝つためにレースなんかはしたくないですね。ちゃんとした結果を残したいんです、ワークスホンダやワークスヤマハと戦ってね」とBTスポーツのサイトにレディングは書いている。

他のメーカーもレディングに興味を示している。ドゥカティは生きのいい若いイギリス人を体に入れたいと考えているのだ。レディングは2012年にドゥカティをテストしており、このときはすぐに速いスピードで走らせることができた。ドゥカティのチームボスであるパオロ・チアベッティはイギリスのバイク誌であるMCNにグレシーニとの交渉がまとまらなければレディングと是非話がしたいと考えていると語っている。この場合レディングはヨニー・ヘルナンデスのチームメイトとしてプラマック・ドゥカティでワークスマシンを走らせることになるだろう。

しかしもっともありそうなシナリオはマルクVDSチームがMotoGPに上がって来ることだ。チームはもう少しでMotoGPマシンを走らせられそうだったのだが、資金の問題と競争力のあるパッケージが入手できないという問題であきらめていたのだ。2014年に関しては入手可能だったのはオープンクラスのホンダだけであり、これは競争力があるとは思えないものだった。チームは同時にオープンクラスのヤマハにも目をつけていた。フォワードと同様にM1のエンジンをリースしてカレックスにのフレームで2015年を走ろうとしていたのだ。しかし2016年にはミシュランが新たなワンメイクタイヤとして登場することになり、コストが上がるだろうと予想されている。2015年に向けて設計されたマシンはすべて2016年に向けて設計しなおさなければならない。カレックスのような小メーカーには過大なコスト負担となるのだ。

ホンダのサテライトバイクが手に入るというチャンスをみすみす見逃すわけにはいかないだろう。マルクVDSチームはビルギーのビール王であるマルク・ファン・デル・ストラテンという資金力のあるパトロンをもっているのだ。しかも資金を投入するだけの価値のあるチームでもある。グレシーニがホンダRC213Vを入手できなければマルクVDSチームがその契約を引き継ぐことになるだろう。リール料も払ってさらに多くのスポンサーも集められる。情報通の間では既にHRCとの間でグレシーニの撤退について話が行われているとささやかれている。

実際、マルクVDSがMotoGPにステップアップするというのがスコット・レディングにとっても最高のシナリオだろう。ワークスRC213Vが手に入るだけではない。サスやブレーキも選べるのだ。これはレディングにとっては重要なポイントだろう。彼は常々オーリンスとブレンボに替えるべきだと言っているのだ。「パドックでは結果を残さなければ生き残れないんです。もう一年リスクを冒すわけにはいきません。今年のバウティスタみたいな結果は避けたいんですよ。彼は今年は苦労しているしクラッシュも多い」。レディングはブルノテストでそんなふうに言っているのだ。レディングはニッシンとショーワの努力を認めながらも、マルケスやペドロサと対抗するにはできるだけ同じ条件にしたいし、状況を簡単にするためにサスも同じものがいいと言っている。

まだ状況は混乱している。まずグレシーニがシルバーストンでホンダとミーティングを行い、将来計画について決めることになる。そこが決まればすぐにいろいろ決まるだろう。
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ひゃー、混乱してきましたねえ。

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備忘:バリューチェーンに顧客を位置づける話

ツイッターの自分のつぶやきのまとめ。

レースって思い出/思い返しも含めて最終製品だと思う。つまり顧客の思い出というパーツがはまって初めて完成するということ。そこをコントロールできなかったら製品が完成しないということでもある。顧客をバリューチェーンの仕上げ段階に組み込むことはできないものか?

例えばバイクという商品もそう。(カブを除けば)実用品ではないのだから顧客のライフスタイルを完成させることがバイクとしての製品の完成だと思う。つまりライフスタイルを作る顧客もバリューチェーンの一部ということ。

バリューチェーンという概念が企業を越えて上流のサプライヤを巻き込んでサプライチェーンマネジメントという概念ができたのと同様に、下流に概念を拡張して例えば「カスタマー・チェーンマネジメント」みたいなことはできないものか?実際ハーレーがやってるのはそれ。

(後からつけた注:CRMとは微妙に違って、顧客をコントロールするというより、顧客のライフスタイルも含めて最終製品という感じ。だからあくまでVCM:バリューチェーンマネジメントの枠組み)

バイクならライフスタイルをバイクとともに作った顧客、レースなら月曜に職場で昨日のサーキットを反芻してにんまりしている顧客が最終製品=ショーケースということ。だからショールームにある車を磨き上げるように、製品をうちに持ち帰った顧客を「磨き上げたい」

(後からつけた注:磨き上げたいというのはややおこがましい。むしろ顧客に磨き上げてもらうことで製品が完成するということ。だから企業外のサプライヤに精度の高い良い製品を作ってもらうにはどうしたらいいかを考えるのと同じように、顧客に素敵なライフスタイルを作ってもらうにはどうすればいいか真剣に考えないといけない。「Nicest People on Honda」ってのもヒントになるかも。つまりはホンダに乗ってNiceな人になろうということでもある。で、Hondaに乗ってるナイスな人がショーケース。バイクは売って終わりじゃなくて、バイクに乗って人生を楽しんでいる人を見て「ああ、ああいう風になりたいな」と思ってもらえて初めて売った意義があるという感じ)

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スポンサーのおっしゃるままに

MotoGPライダーがどんな風に契約に縛られてるかに関する興味深い記事。MotosprintよりGoogle翻訳(伊→英)excite翻訳(やっぱり伊→英)を駆使しつつ翻訳。
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MotoGPライダーがどうしてそういう行動をとるのか不思議に思ったら契約書を見てみるといい。我々はGPライダーがはっきりものを言わないとよく文句を言うが、それは彼らが契約書に縛られているからなのだ。
契約書にはトップライダーたちがいくら契約金をもらっていくらのボーナスを得るか(まあたいていはすごく高額だ)という基本的なことが書かれているわけだが、それがすべてではない。「私が払うから君は走れ」というわけにはいかないのだ。あらゆる種類の義務がてんこもりだ。個人的なことまで決められている。秘密保持からPR関連まで、やっていいこととやってはいけないことが事細かに書かれている。どんな服を着ればいいか、どんなふうに振る舞うべきか、そして言っていい言葉と言ってはいけない言葉まで。

かつては2種類の契約書が作られていた。ひとつは経済面と技術面に関する契約書、そしてもうひとつが肖像権に関するものである。現在は1本の契約書にまとめられている。他のスポーツの契約書とあまり変わらない、要するに頭を使わないと読めないものなのだが、これはライダーの契約書がサッカー選手のそれを下敷きにしていることを考えれば当然だ。もちろん違うスポーツなので違う部分もあるのだが。

レースが開催される週末には様々なイベントがライダーを待っている(時には水曜からイベントが始まることもある)。バイクに乗るだけではだめなのだ。スポンサーはこういうイベントへの参加も含めて契約金を払っているのである。レーサー間で金額に大きな差はあるが(たいてい契約金額だけで7桁ユーロ、その他に個人スポンサーとの契約もある)、基本的な内容は同じである。会社の国籍やマーケティング対象国により多少の違いも出てくる。しかし契約書を書くのは弁護士で、幹部が承認し、さらにチームマネジャーとレーサーとの間で長い交渉が行われる。これが契約合意・発表にいたるまでに時間がかかることがある理由でもある。

さて、契約書の中身に入るまえにひと言お断りしておこう。今回の記事を書くために接触した相手は匿名を強く望んでいるので、一般的な話が中心になる。しかしここに嘘はひとつもない。
結論:高額な契約でありその分義務もたくさんある。しかし最終的には良識で判断することも必要だ。それはライダーもマネジャーも同じである。

走るということは・・・

お金が大事
ライダーたちはお金がすべてではないと良く言うが、交渉での最初の議題はやはり契約金額である。その額が契約先決定にあたっては非常に重要である。さらに基本契約額が決まると次は成績に応じたボーナスの話だ。ライダーによっては受け取る額を何倍にもすることがある。ただしその場合の基本契約額は決して高くはないのだが。実際ゴール順位で支払われる金額が変わるライダーもいる。普通は各レース15位まで、最終ランキングは10位までが考慮される。さらにテストのパフォーマンスも8位まで考慮されるようだ。

沈黙の掟
たいてい契約は2年1セットである。ライダーやチームがプロジェクトを自信をもって進められるようにするためだ。契約終了日については議論のあるところだ。普通は契約年の最終日である。しかし「新シーズン」がシーズン最終戦の翌日から始まることから、契約には12月31日以前に翌年の新チームでマシンをテストする権利がうたわれている。11月のヴァレンシアテストが良い例だ。新チームのマシンをテストする許可は与えられるものの「沈黙」が条件なのである。ライダーはコメントを発表することは許されない。その時点のスポンサーのことを慮らなければならないのだ。これは2003年にホンダがロッシに対して翌年1月1日までヤマハのテストをさせなかったような事態を避けるための知恵でもある。

メインスポンサー
これまた微妙な問題である。まずはレースとそれ以外の部分をはっきりと分けなければならない。レースに関しては契約で明示されている。マシンにステッカーのついているスポンサーは「制限および例外なくライダーのメインスポンサーとなる。レースマシン、トランスポーター、メディア対応、公式イベント、口頭・筆記のインタビューに関しても同様である」と書かれているのだ。つまりライダーがチームの一員として行動することになるレースやイベントではチームの公式スポンサーの服を着なければならないということだ。ライダーがスポンサーマークがついていない、チームカラーでもない服を着られるのはチームとは関係なく行動するときだけである。
チームスポンサーはライダーと直接契約していなくてもライダーの肖像を自由に使うことができる。またスポンサーフィーだけでなく賞金もメーカーに入ることになっている。ライダーに入るのではない。IRTAからの賞金はすべてメーカーに入ると契約書に書かれているのだ。

個人スポンサー
これはかなりはっきりした話だ。ライダーの個人スポンサーとチームスポンサーが衝突するときにはチームスポンサーが優先する。どんな場合でもライダー(そしてその代理人)はパーソナルスポンサーのために知恵を絞らなければならない。チームスポンサーとの間の問題がなければ(それを最終的に決めるのはバイク会社だ)パーソナルスポンサーのためのスペースを見つけなければならないのだ。チームとライダーの間の契約ではマシン、チームウェアにパーソナルスポンサーのロゴをつけることはできないのが普通だ(もちろん契約で決められていれば別だが)。そのいい例が帽子である。ライダーは2つの帽子を使い分けている。ひとつはパーソナルスポンサー(たいていはエナジードリンク)、ひとつはチームのスポンサー(表彰台では公式タイヤサプライヤのものをかぶることになっている)。ライダーに残されているのはヘルメット、つなぎ、ブーツだ。しかし色、チームスポンサーのロゴについてはチームが決めている。

肖像権
ライダーの成績より見た目が大事かと思わせることもよくある話だ。実際契約を結ぶ際にはライダーの肖像権が問題となる。ロッシやマルケスやロレンソでは特に大きな問題だ。彼らは自らのビジネスのために肖像権を守ろうとする。莫大な額がからんでいるのだ。たいていの契約ではこの件に関してはもの凄い数の条項が作られる。チームはコース上、そしてサーキット内(この場合はGPウィーク中の肖像も含まれる)でのライダーの肖像を使うことができるのが普通だ。サーキット外(例えば書斎)にいるときの肖像に関しては微妙なところだ。この場合ライダーがどんな種類の行動をしているのか定義づけるのは難しいため、誰が肖像権を持っているかは決めにくい。

GP以外のレース
チームとライダーの契約には特定のレース(例えば過去には日本のメーカーはGPライダーを鈴鹿8耐に出場させたがった)への出場が含まれていることがある。しかし一般的にはGPの開催回数ベースの契約となる。テスト分は別払いのことが多く、開発のためのテストの日数で決められることになる。テストの日数、日程、場所まで契約書に記載されることもある。

抜き打ちテスト
「レースに耐えうる体調どうか契約期間内にチェックする」という条項が含まれていることが普通である。これはどうでもいいことではない。メーカーやチームがライダーの体調を把握する権利を保持しているのだ。通常シーズン3回、様々な項目がチェックされる。そしてその項目はすべて契約に記されている。身体能力のチェックは普通「心身」のチェックと称されており、チームが選定した医師、医療職によって行われるものである。費用はメーカー持ちなのだが、これはメーカーが最終的にライダーが走れる状態かどうかを判断する権利を持っているためである。

バイクの安全性保証
ほぼすべての契約書に、ライダーの安全を確保するために、メーカーは(技術的に)安全なマシンを製造しなければならないという条項が含まれている。これはチーム、会社が故障を最小限にするために常に努力していることを思うと意味のない項目にも思える(なんだかわかりきったことを否定しているようだ)。
バイクメーカーは常にバイクの技術的なことや開発プランを自分のコントロール下におきたいと考えている。これはそもそもチームやメーカー幹部の専決事項だと考えているのだ。契約書にはメーカーがマシンの色やロゴの位置まで決める権利を持てるよう書かれている条項が含まれることまである。他の条項では、ライダーがマシンを勝手にいじらないようにとも書かれている(そのためにライダーはカウルにステッカーを貼るのでさえメーカーに許可を求めなければならないのだ)。契約書のこの章には「優先順位」と呼ばれる項目もある。これはシーズン中に開発された新型パーツを優先的に使えるという条項である。この条項は当然他のライダーの契約書にはないものだ。最近の例ではヤマハがアッセンに3本の新型エキゾーストを持ち込んだが、ロレンソに2本(つまり2台分)、ロッシには1本しか残されなかった。明らかに優先順位はロレンソにあったのだ。ロッシはこう言っている。「これでヤマハのファーストライダーがロレンソだってことがはっきりしたよね」
しかし彼はそれ以上のこともやっている。250cc時代ロレンソのスペイン人マネジャーはロレンソのエンジンが他のライダーより速いことをメーカーに要求していた。他より時速何キロ速くなければいけないかまで書いていたのだ。これは事実である。実際3戦目の後にマネジャーが、契約条項を「忘れてはないか」確認しにメーカーにまで出向いているのだ。

絶対しゃべるな!
ライダーはメーカーとの契約、そしてメーカーと何をやっているかについては秘密にすることに同意している。これは契約期間中ずっと適用されるものだ。アイディア、コンセプト、新発見、設計、開発、様々な手順、データ、直接または間接に手に入れた知識などなど、ライダーがかかわるすべてが秘密にされる。チームメンバー(当たり前だ)、そしてライダーの法律コンサルタント(彼はライダーから秘密を守るよう言われている)を除いては情報を共有してはならないことになっている。裁判等で情報を開示するようライダーが命じられた場合は、メーカーが適切な判断ができるようお伺いを立てなければならない。秘密情報を不適切なかたちでライダーが使った場合、彼は法的に訴えられ賠償金を払うことになる。

チームオーダー
これは全ての契約書に含まれるわけではない。例えばホンダはチームオーダー嫌いで知られている。しかし「ライダーはチームマネジャーがチームにとって最高の結果を得るために発した指示に従わなければならない。他のライダーにも同じ指示が出されることがある」という条項がある場合もある。そしてこの条項に解釈の余地を作らないよう、ライダーが指示に従わなかった場合の罰金も明示されている。チームまたはメーカーから得られる金額が減ることになるのだ。しかしこうした条項は常に論争の元になっている。ライダーが指示に従ったどうかは難しい問題で極めて主観的な判断が必要なことなのだ。

何かあれば罰金!
罰金、つまり規律を守るために契約金から差し引く金額は契約書に確かに存在している。常に厳格に適用されるというわけではないが、様々な面にわたって書かれているのだ。例えば理由のない欠場や(2009年、ドゥカティで走っていたストーナーが夏に3レースを欠場したが、このときは罰金の対象となった可能性がある)、怪我による長期欠場(この場合は保険会社がライダーに契約に従って払うことになる)、法律違反(この場合は即時契約破棄となることもある)等である。

契約更改
契約更改については様々な条項で定められているが、普通は更改についての話し合いを始める時期が記されている。たいていの場合、メーカーが決定権を確保しようとし、話し合いを始める時期もメーカーが決定する。しかし例外(クラッチローとドゥカティのように)も存在し、ライダーが決定権を持つ場合もある。
もうひとつ大事なポイントは優先順位である。メーカーは他のメーカー以上の条件を提示することでライダーをつなぎ止めようとする。そこでライダーには他のメーカーが文書で出した条件をそのまま開示するよう義務づけることもある。メーカーはそれを見て一定の期間(通常は短く、10日営業日程度)内に新たな条件を提示する。ライダーは競合相手のオファーをメーカーに開示しなければならないのだ。

契約破棄
これもいくつかの条項で定められている。一般的には以下のようなケースだ。死亡した場合は当然である。そして障害を負った場合。つまりライダーが怪我や病気で一定期間(通常は3か月)以内に復帰できず契約を履行できない場合だ。ライダーが有罪判決を受けたり犯罪(交通違反は除く)を犯したりした場合、メーカーがイメージを傷つけられたと考えたばあいにはメーカー側から破棄を通告されることになるだろう。薬物使用の証拠が出た場合も同じである。
契約には不幸にもライダーが走れなくなるような怪我を負った場合についての条項が含まれている。この場合メーカーは一定期間分(合意の下で)契約額を減額することになる。例えば活動停止から20日目以降、1か月あたり8%を減額するといった具合だ。契約期間に対する活動しなかった日数に応じて減額するという条項の場合もある。
レースで負った怪我に関してはメーカーは即座に契約破棄が可能だが、その場合には全額払わなければならない。

目標が達成できなかった場合
ライダーが目標を達成できなかった場合にメーカー側から契約破棄をすることができるという条項もある。そういうことになってはいるが、実際にはこれが行使されるかどうかは微妙なところだ。契約には普通ライダーが達成すべき最低のランキングが(2年契約ならそれぞれの年について)定められているため、メーカーがライダーの出した結果に満足できなければ契約を破棄できるのだ。場数を踏んだマネジャーだと最低ラインを達成できなかったライダーを守るために、例えばランキング5位以内に入れば目標を達成できなくても契約更改ができるという条項を入れたりすることもある。

決して忘れないように
これも難しい条項だ。ライダーは、容易に想像できることだがかなりの保険に入っている(怪我や障害による不出場に関するものだ)。メーカーはこうした保険契約についてはメーカーとの契約締結後2週間以内に提出するように定めている。

旅費は誰がもつのか?
レースに関する諸々の費用はメーカーもちである。レース以外のイベントも同様だ。さらにライダーは(もしモーターホームを所有していない場合)ホテル代や交通費をメーカーにもつように要求することになる。

とにかく全部書いておけ
いつも話し合いを続けているが、とにかく離したことは全て書いておく必要がある。少なくとも法的になにか関係しそうなことは文字にしておくことだ。
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Casa(大文字で始まる)をメーカーと訳しちゃったんだけど、なんか自信がないとか、そもそもweb翻訳はヨーロッパ語同士でも精度が悪い上に法律用語っぽいものも入ってるので和訳が怪しいとかいろいろあります。御指摘プリーズ!
でもおもしろかった。

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ジェレミー・マックウィリアムズ インタビュー

ブラフ・シューペリアがカーボンフレーム&テールカウルにラジエターってな素敵なマシンでMoto2に参戦するってのは去年の9月にお伝えしましたが、それに乗るのが御年50歳のジェレミー・マックウィリアムズというこれまた素敵なお話。CRASH.netがインタビューしてくれてますので訳出。
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ジェレミー・マックウィリアムズがなんと来週末のシルバーストンにワイルドカード参戦することが発表された。北アイルランド生まれの彼は革新的マシンのブラフ・シューペリアでMoto2クラスに出るのだ。

マシンはタンク一体型のカーボンファイバーモノコックで、フロントサスはテレスコピックにシングルウィッシュボーンを組み合わせている。スイングアームもカーボン製のこのマシンはカリフォルニアに拠点を置くテイラーメイド・レーシング社製だ。

チームは先月ルーク・モッシー(Luke Mossey)をライダーにシルバーストンにワイルドカード参戦すると発表したのだが、計画が急遽変更され、マックウィリアムズにチャンスがやってくることになった。

2001年オランダGP250クラスのウィナーであり、先日のインディアナポリスGPではサポートクラスのハーレーダビッドソンレースでポール・トゥ・ウインを飾った彼がCRASH.netの独占インタビューに答えてくれた。まずはこのチャンスがどう転がり込んできたかについてだ。

「こういうことになったのはテストをすることになって、時間はないんだけどマシンをできるだけ速くしてくれないかって、あとレースに出てくれないかって彼らが打診してくれたんだ。彼らが用意していたライダーは候補から落ちて、ちょっと困ったことになってたんだよね。だからマロリーパークでテストすることにしたんだけど、いいマシンに仕上がってびっくりしてるよ。
 実際レースに出てみないとなんとも言えないけど、少なくとも出発点はいい感じだし、来週のテストで結果が出せてシルバーストンに乗り込めるなら、それなりのレベルでレースができると思うよ。アメリカではいろんなレースに出てるし、だから完全に新型マシンってわけじゃないしね。」

シルバーストンが迫る中、チームは性能を試すにはもってこいのドニントンパークでもう1日このMoto2マシンのテストを行う予定だ。

「別の場所でもテストがしたかったんだ。ドニントンパークとは連絡を取り合っていて、まあマロリーパークでのテストも考えていたんだけど、理想的ではないからね。走れないよりはいいけど、GPが走るようなコースで走りたかったんだ。だからキャドウェルパークとかマロリーパークは理想的じゃない。で走れることになったんでどうなるか楽しみだね。ドニントンには連絡しているんで、また金曜午前中に連絡してみる予定だよ」

マックウィリアムズがGPにデビューしたのは1993年のことで、Moto2でトップを争うマーヴェリック・ヴィニャーレスが生まれる前の話だ。

マックウィリアムズは2002年のオーストラリアGPで2ストロークで行われた最高峰クラスの最後のポールを獲得している。彼はGPに戻るのを楽しみにしているが、新型マシンで極めて競争が激しい中排気量クラスにチャレンジするのは簡単なことではないと覚悟している。

「Moto2はかなりしっかり見ているよ、BTスポーツの仕事があるからね。でもちゃんとわかってるさ。すごく激しいクラスだし、うちの戦闘力は下位の方だろうし、相当苦労するだろう。簡単じゃないさ。ぶっちゃけ表彰台を目指して走るなんてことは考えてないよ。それは非現実的だよ。すごく革新的なシャーシでまず第一歩を踏み出したところだしね」

Moto2には様々なフレームメーカーが参戦しているが、すべて同じ基本構造とデザイン哲学で作られたものだ。みんな同じようなシャーシである点についてはパドックでも批判する人がいるが、ブラフ・シューペリアまで革新的だと学習曲線の傾きはかなり大きいとマックウィリアムズは言う。

「今まで試したことのなかったいろんなことが盛り込まれているんだよ。カーボンモノコックにウィッシュボーン付きテレスコピックフォークだからねえ。乗り方も新しいコンセプトに合わせなければならない。洒落や酔狂でやってるわけじゃなくって本気で取り組んでいるんだよ。だからチームも最大のがんばりを見せてるし、僕も操舵」

マックウィリアムズはさらに彼のシルバーストンでの目標はMotoGPの主催者にフル参戦できる実力を持ったチームであることを示すことだと語っている。

イギリスGPが2015年の参戦締め切りなのだが、ブラフ・シューペリアとしてはここで新技術の実力を見せたいと考えているようだ。ワイルドカード参戦を認めるとともにチームが熱望する来シーズンのフル参戦の見極めとするというIRTAとドルナのサポートを受けたのだ。

今後もテストライダーとしてチームにかかわるのかと尋ねると彼はこう答えた。「だから今回走るというわけじゃないよ。チームにとっての来年に向けての重要なステップにちょっとでも役に立ちたかったんだ。来年チームがフル参戦したいのは明らかだし、でなきゃこんなことはしないだろうしね。
 だからもしそこで彼らが誰かを必要としているならアメリカでテストチームを編成するだろうし、テストライダーもアメリカ人になるだろう。その時になればそういう話もするだろうけど、現時点ではとにかく来週末に集中してるんだ」

マックウィリアムズがシルバーストンでレースをするのは初めてのことになる。彼は英国ドライバーズクラブの要請で2010年にシルバーストンにMotoGPが戻ってくるのに際して行われた改修へについてのアドバイスを行っているのだが、そのような経験は他のMoto2ライダーと比べたら大した役に立たないだろうとも思っているのだ。

「新セクションの設計は手伝ったし、コース開放日にドゥカティで走ったことはあってレイアウトは気に入っているよ。でも本気で走ったことはないからスピードを出したらどうなるかはわからないね。シルバーストンにも慣れなきゃいけない。よく知らないコースだしね。でもなるようになるよ!もっとたいへんなのはシャーシバランスをコースに合わせることだね。高速の流れるようなコースだからね」

中排気量クラスの最高年齢制限は50歳であり、マックウィリアムズがGPを走るのもこれが最後になるだろう。

先般、スペイン選手権チャンピオンがMoto3に参戦する際には最低年齢制限がなくなったのと同じように最高年齢制限も撤廃させたいと考えてはないかと尋ねたら、彼は笑ってこう答えた。

「いまだって最高年齢が高すぎるくらいだよ!正直言うなら僕以外の誰がこんな年でMoto2に参戦すると思うかねえ。それができるライダーはそう多くはないだろうし、実際にチャンスを得るなんてほとんどあり得ないよ。まあ40歳ぐらいに引き下げてもいいんじゃないかな。
 40代でもMotoGPで戦えたと思うから、まあ僕は例外だろうけど、僕みたいな年でこの正解にどっぷり浸かって世界選手権を戦いたいなんて思う奴はそうはいないだろうね」
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もうね、カーボンモノコックの珍妙マシンだってだけでも超応援するのに、それに乗るのがマックウィリアムズですからね。本気でがんばってほしいです。唯一の心配は中上の前でゴールしちゃう可能性もなきにしもあらずなところ。

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今日のSHIRAKAバル(2014.08.22)

本日いただいたのはアミューズ(ヴィシソワーズ、イカとコーンのタルタル、北海道チーズのキッシュ)と新サンマのカルパッチョ。

ヴィシソワーズが太ネギ風味で絶品!

そしてサンマ!旬前なので油のりがちょうどいいとか、付け合わせの野菜がすごく美味しいとかを吹っ飛ばして、出しゃばり過ぎないソースがもの凄いです。パンでぜーんぶさらうくらい。思い出し笑いするほど素敵な一皿でした。ポワーンってなるよ!

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チームメイトはレイがいいな、とクラッチロー

もしかしてラヴァティとかミラーが来るかもしれないのに、そんなこと言っちゃっていいの?CRASH.netより。
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カル・クラッチローとしては2015年を戦うLCRホンダでのチームメイトにジョナサン・レイを希望しているようだ。

クラッチローはステファン・ブラドルに代わってプロトタイプRC213Vのシートを手に入れたわけだが、LCRはオープンクラスマシンのライダーも同時に探しているところだ。

Moto3のランキングトップであるジャック・ミラーがLCRのシートに収まるのではないかとずっと言われているが、レイ、そして同じワールドスーパーバイクを走り勝利経験もあるユージーン・ラヴァティの名前もブルノでは挙がっていた。

レイは2009年から現在までホンダでWSBKを走っており、2012年には怪我を負ったケイシー・ストーナーの代役として2回MotoGPを走っている。PBMのライダーであるマイケルの弟であるユージーン・ラヴァティはかつて250クラスを走っていたが、LCR、スズキ、プラマックドゥカティ、フォワードヤマハのライダー候補として噂されている。

CRASH.netがクラッチローにレイ、ラヴァティ、ミラーの3人の内、2015年のチームメイトとしては誰がいいかと尋ねたところ、彼はレイがMotoGPにふさわしいのではないかと答えてくれた。

「好みをいっていいならジョニー・レイだね。だって彼はホンダライダーの誰よりもいい成績を何年にもわたって挙げ続けてるんだよ。ここ何年もワールドスーパーバイクで最高とは言えないパッケージで走ってるのにね。彼は凄く良いライダーだと思うよ。
 でもまあ誰が来るかはわからないけどね。そもそもチームメイトが来るかどうかもわからないんだし、その噂が本当かどうかも知らないんだ。みんなそう言ってるけど、現時点ではチームもわかってないと思うよ」

クラッチローがチームメイトを得たとしても異なるスペックのマシンに乗っているため、データを比べることはできない。チームメイトの有無とは別に、クラッチローはワークスホンダからデータが得られるだろうと考えている。

「一人チームにいたことがないんでチームエイトのデータがどれくらい重要かは実はわかってないんだ。ここ3年はテック3でワークスヤマハとチームメイトからデータをもらったり、ドゥカティでは他の連中のデータをもらってたりしたからね。
 データを共有するのはいいことだよね。一人チームだとたいへんかもしれないけど、ワークスホンダのデータもあるから。
 確かに彼らとも戦ってるわけだし、そういう相手と比べるのが自分を速くするのにいちばん役立つんだ。でもデータを見ればいいってもんじゃない。相手がどうして速く走れてるのかわかったところで自分に役立つとは限らないからね。
 同じ走り方をしているライダーなんていないと思うよ。速い場所がみんな違っていて、それぞれ得意不得意があるんだ。データだけを見て同じようにやろうとしてもそれは難しい話だね」

MotoGPは8/29-31にシルバーストンにやってくる。金曜8:30から土曜、日曜とBTスポーツで中継予定だ。
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ワークスホンダがデータ出すかなあ・・・。

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タイヤメーカー交代でHRCが恐れるのはコストの高騰

そりゃそうですよね。MCNより。
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ホンダは2016年にMotoGPの公式タイヤサプライヤがミシュランとなるに際してコストが天井知らずに上がることを恐れている。

ホンダに限らず全てのメーカーが来シーズン限りで撤退するブリヂストンの跡を継ぐミシュランに合わせるためにかなりのコストと時間をかけることになるのは間違いない。

HRCは既に2008年にミシュランからブリヂストンにスイッチするためにコストと時間をかけてマシンを開発している。

ホンダのボスである中本修平は目の前の精力と金を必要とする仕事に対して既にうんざりしている。

ホンダは今月末に日本で新型ミシュランをテスト擦る予定だ。中本はMCNにこう語った。「ブリヂストンタイヤを理解するために多くの時間を費やしましたしフレームやスイングアームも何種類と作ったんですよ。しかもいろんなジオメトリーを試さなければなりませんでした。つまりタイヤメーカーが替わると言うことはまたこうしたテストを行って、精力と予算をかけなければならないということです。今でもブリヂストンタイヤのことは全部が理解できているわけではないんです。特にタイヤの成分が変わるとね。現実にはブリヂストンの性能の80%くらいしか引き出せてないでしょう。まあ70%くらい引き出せばヤマハには充分対抗できますが、これが50%になるとヤマハには勝てないでしょうし、こんないい結果は得られてなかったでしょうね。マルケスは良いライダーですけど、難しいでしょう。2016年の新型タイヤはそんなわけで70%も理解できればいいでしょうね」
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相変わらず正直すぎて楽しい中本さん。

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ストーブリーグ表2015(2014.8.20時点)

メランドリのアプリリアワークス追加と、LCRにジョナサン・レイとユージーン・ラバティ(どちらも公式に交渉中とのCRASH.netの記事より)を追加しました。

Stove_2015_140820

「stove_2015_140820.pdf」をダウンロード

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ロレンソによるALSチャリティーのアイスウォーターチャレンジ

ロレンソALS(筋萎縮性側索硬化症)のチャリティーでアイスウォーターチャレンジをやってます(リンク先はFacebook)。

ロッシとマルケスとペドロサにふってるのが味わい深い。

ってなことは別にして、実は私はこのやり方があまり好きじゃないんです。ひとつは「幸福/不幸の手紙」フォーマットであること。もうひとつは(セレブリティは寄付もしてるんだろうけど)、寄付は集まらずに氷水をかぶって面白がるだけのひとを増やして終わりではないかと危惧するから。

まあ、ロレンソらしいおっちょこちょいさといえばその通りで、そこがかわいいんだけども。

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今日のSHIRAKAバル(2014.08.19)

旗の台クラーラ以来の食べ物屋さんカテゴリー新設ですよ。

自由が丘のSHIRAKAバル

おいしいというその一点だけでも人を幸せにできるお店です。

今日いただいたのはアミューズ(前菜3品盛り合わせ)と「カボチャのクロケット」。

アミューズはキッシュのチーズ感が絶品なのと、サーモンとコーンのタルタルのサーモン感が素晴らしい一品。
そしてカボチャのクロケットは熱すぎて舌火傷注意!ですが、生姜風味が利いていて夏らしい感じ。しかも食べ終わってうちに帰ってからも舌にその記憶が残ってるくらいのおいしさです。とりあえず今日行く人は必ずオーダーするように。

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公式リリース>チェコ2014

ホンダヤマハドゥカティ(英語)

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2014ブルノ土曜日まとめ:マルケスの秘密の戦略、Moto3でのドラマ

マルケスがわざとイアンノーネを後ろにつかせて引っ張ることで、ライバルとの間に本戦での戦闘力に劣るドゥカティをはさんだんじゃないか(笑)とのロッシの指摘をマルケスが「それはないですよ。でもロレンソとかペドロサとかロッシが後ろについてたんだったらスロットルを緩めましたけどね」とか言ったりしていて、何かとおもしろいのですが、Motomatters.comがこのスリップストリームの意味について解説してくれています。
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バイクレースで成功する秘訣。それは変動する様々な要素をいかにコントロールするかにかかっている。しかしライダーもチームもコントロールできない要素が二つある。だからこそ皆が恐れているその要素とは「天候」と「クラッシュ」だ。ブルノの土曜日の天候はMotoGPとMoto2ではなんとかもったが、Moto3には大混乱をもたらした。クラッシュもなかなかコントロールがむつかしい。MotoGPとMoto3ではこれが鍵となったのだ。

鉛色の空の下でプラクティスは始まった。午前中には雨が降るだろうと予想されてのだ。重い雲がやってきて、そして去っていく。雲がモラヴィア地方に襲いかかりサーキットから去っていく。午後中、雲が切れることはほどんとなかった。Moto3の予選がその犠牲になってしまった。コース脇に立っていると雨が降り始めたと思ったらすぐに止んでしまった。ツイッターで報告しようと思っている間に天気が変わってしまったのだ。ツイッターでは嘘をついたようになってしまった。最終的にはフラッグも出されたので私が嘘をついていないことは証明されたのだが。フィリップ・エッテルがクラッシュしてエアフェンスをパンクさせセッションがフェンス修復まで延期されたのだ。

MotoGPの予選が始まるまでには雨はやんで、コンディションが良くなったおかげでカル・クラッチローが2013年に出した予選レコードタイムを破れそうな様子だった。マルケスがポールを獲得するのは別に驚くようなことではない。たとえそれが今年9回目だったとしてもだ。しかし彼がポールを獲ると同時にフロントローのグリッドをコントロールしていたとしたら驚きである。マルケスはピットから出てすぐトップタイムを叩き出したが、2回目のランでは後ろにライダーを引き連れていた。アンドレア・イアンノーネである。そしてマルケスが自分のタイムを更新すると同時にイアンノーネはマルケスのスリップストリームを利用してそのタイムを上回って見せた。その時点でイアンノーネがマルケスを上回って暫定ポールとなる。しかし彼のエクストラソフトタイヤは終わってしまい、これ以上マルケスについていくことはできなかった。結局マルケスはポールを奪い返し、イアンノーネはグリッド2番手となる。最終的にはヴァレンティーノ・ロッシの後ろについてタイムを出したアンドレア・ドヴィツィオーゾがイアンノーネに前にいくことになったのだが。

いずれにせよドゥカティが2台もフロントローにいるというのはロッシにとっては問題だろう。ロッシは3列目7位に沈んでしまった。ロッシは意地悪混じりのジョークでマルケスの戦略を評している。ドゥカティを引っ張ることで自分とライバルの間のグリッドにドゥカティを挟んでいるのではないかというのだ。ロッシは言う。「まあ彼はアタマがいいよね
ホルヘも僕もダニも後ろにつかせてくれないくせに、ドゥカティは引っ張ってあげるんだから」。マルケスはこの意見を笑い飛ばしている。とは言え否定したのはロッシの主張の半分だけだが。別にドゥカティを引っ張るつもりはなかったそうだが、ライバルを引っ張るつもりもないそうだ。彼は記者会見でこう言った。「まあ自分の意志でスロットルを緩めることはできますからね。もし僕の後ろにいたのだダニとかホルヘとかヴァレンティーノだったら間違いなくスロットルを緩めていましたよ。でも他のライダーだったら別に気にしませんからね」。まあこの告白はマルケスのライバルというものがいかに少ないかを示しているとも言える。ホンダワークスとヤマハワークス以外なら誰を引っ張ってあげても構わないというのだ。そのおかげで他のライバルの脅威を減じることができるのだ。うう。すごい戦略だがずるはしていない。

ブラッドリー・スミスはフロントローを逃してがっかりしている、テック3ヤマハの彼は珍しく予選で絶好調だった。彼はこういう言い方でがっかりを表現している。「最終コーナーを立ち上がってタイム差を見たら3/4秒上回っていたんです」。それで彼は油断してしまったのか、数分の一秒を失うことになった。「シケインで4/1000秒だったんですよ」と彼は言う。しかしそれでも彼は4番手でハッピーだ。ヤマハ最速で、すべてがうまくいった週末となった。テック3との契約更新のお祝いになったろう。

スミスはホルヘ・ロレンソのタイムも上回っている。ロレンソはフリープラクティスでは常にそれなりのペースをみせつけてきた。FP3と予選中にセッティングを変えて有利な状況に持ち込もうとしたのだが、うまくいかず、結局最初の走行ではタイムむが出せなかった。そこで試行用のセットアップを施したセカンドバイクに乗り替えてタイムを出したのだ。おかげでグリッドは6番手に沈み、ライバルのダニ・ペドロサにも前を行かれることとなった。

ではマルケスがわざとドゥカティを引っ張っているという話をロッシがしたのはなぜだろう。ソフトタイヤがあれば予選タイムに近いラップを刻めるはずだ。もちろんレースタイムを通じてソフトタイヤをもたせるのはつらいだろうが。新品タイヤならドゥカティはトップに迫る位のタイムまで攻めることができるはずである。6周目を超えるあたりでパフォーマンスが落ち始め後ろに下がってしまうために順位を落としてしまうのだが。もしドゥカティがマルケスとライバルの間に割り込めば、マルケスに逃げる時間を与えることができ、おかげでマルケスは2年目のタイトルに向けて悠々と走り続けることが0できるというわけだ。ドゥカティのおかげでマルケスはレース終了まで余裕を持って走ることができるのだ。

まあロッシの指摘は的外れで、意識してやっている戦略ではないだろう。しかしマルケスは予選結果に満足している。マルケスの考えるライバルは限定されている。ダニ・ペドロサ、ヴァレンティーノ・ロッシ、そしてホルヘ・ロレンソだ。ロレンソは確かにいつもの安定性を見せてはいないが、何かしらの解決策をみつけるであろうことは想像に難くない。

とは言うものの、タイムシートを見ればマルケスの真のライバルはチームメイトだけだ。マルケスとペドロサはどちらも1分56秒台中盤でラップを重ねており、他のライダーのタイムは56秒台後半で、ほとんどは57秒台にまで落ちてしまっている。FP4での唯一の例外はヴァレンティーノ・ロッシで、彼がセッション最速タイムを出しているが、それが無理して出したタイムだったことは彼が最速ラップタイムに挑戦していた5周目に転倒したことでもわかるだろう。

ロッシは小指の擦過傷以外はほぼ無傷だった。もっとひどい状況もあり得たし、実際彼は小指が骨折しているのではないかと不安になり、クラッシュしたときには地面を拳で殴りつけたほどだった。後に彼はレポーターにその時の恐怖を語っている。かつて小指を骨折したまま走ったことがあったが、その時は痛みでマシンのコントロールができなかったそうだ。ブルノも特に3,8,14コーナーがそうなのだがもそうだがバンピーなコースではなおさらである。彼がいい成績を収める可能性はなくなってしまっtなおではないかと恐れていたのだ。骨に異常がなかったのは幸いである。

ポールからスタートすることでマルケスの11連勝は堅いと思うかもしれない。それでも彼が打ち負かされれる日が近いという気もするのだ。ダニ・ペドロサのブルノでの様子を見ると、今週末がその日になるような気もするのである。そんな匂いがするのだ。バルセロナ以来、初めてマルケスが負けるのではないか。今回ではなくても次のシルバーストンかもしれない。ヤマハ向きのコースで、去年はロレンソが見事な勝利を遂げた場所だ。この数週間は相当おもしろいことになるだろう。

Moto2ではティト・ラバトとマルクVDSのチームメイトであるミカ・カリォの立場が再び逆転したようだ。今回苦しんでいるのはカリォの方で、彼は予選終盤、タイム出しをしようとしていたラップで転倒してしまった。彼のグリッドは6番手である。一方のラバトは例によって素晴らしいタイムを叩き出しポールからスタートすることになる。トム・ルティとサンドロ・コルテセがフロントローに食い込んだ、サム・ロウズが4番手である。彼はワールド・スーパースポーツ時代にここで走ったことがあるのだ。おかげで輝きを取り戻すこととなった。イギリス人の彼が表彰台を獲る可能性もある。

Moto3はいきなりの雨にたたられることとなった。予選中に雨が降った上に、エアフェンスが壊れたことで中断までされたのだ。雨は断続的に降り続けたが、フルウェットにはならなかった。最速タイムを出すことができず、レインフラッグは常に振られ、あちこちでスピードを落としたり上げたりという光景が見られた。さらに混乱を深めたのは、引っ張ってくれる速いライダーを待ちながらレーシングライン上をうろうろしているライダーたちだった。これに起こったのがランキングトップのジャック・ミラーである。彼がコーナーを立ち上がる度に前にはレーシングライン上でゆっくり走るライダーがういたのだ。スリップストリームにつこうとしていたのだ。ペッコ・バグナイアがいちばんあからさまだった。ミラーはそれに激怒して、しかもそれを行動で表してしまった(訳注:走っている最中、拳で相手の腕を殴りつけています)。

他の場合であればこうした表現はペナルティポイントに値するだろう。しかしバグナイアはやりすぎだったし、ミラーはバグナイアに危うく衝突するところだったのだ。どちらも口頭での厳重注意となったが、ペナルティポイントは科せられなかった。Moto3の予選はレースディレクションの頭痛の種となっている。レーシングラインでたらたら走るライダーは常になんとかしたいものなのだ。ブルノでは何人かのライダーがレースディレクションに呼び出されたが誰もが(真偽は別として)無実を訴えた。レインフラッグのせいでしかたなくゆっくり走っていたというのだ。まあ確かに雨のせいでゆっくり走っているのか、速いライダーを待っているのかは区別するのが難しい。スコットランドの法律では裁判所が「証拠不十分」という評決を出すことが可能である。被疑者が有罪だと思われるのだがそれを合理的な疑いなく証明できない場合に出す評決である。レースディレクションもブルノの後ではこうした評決を出したくて仕方がなかろう。

なぜライダーは引っ張ってもらいたがるのだろう。アンブロジオのブラッド・ビンダーに尋ねてみた。答えは見栄下位だった。いつくつかのサーキットにおけるラップタイムを比較したところ、0.5〜0.7秒の差があったというのだ。ブレーキングポイントも同じで、リーンアングルも同じ、スロットル開度も同じ、何もかも同じなのに、人の後ろについた方が速いのだ。「全然努力しなくてもタイムを稼げるってことなんですよ」とビンダーは言う。ちょっと頭の働くチームなら、チームのライダーに協力させる。スカイVR46のロマーノ・フェナティとペッコ・バグナイア、レッドブルKTMのジャック・ミラーとカレル・ハニカ、エストレアガルシアのアレックス・リンスとマルケス。いずれもお互いを引っ張り合っている。ミラーとハニカに至ってはアジョのライダーとも協働しタイムを上げているくらいだ。KTMのハニカとミラー、そしてハスクバーナのダニー・ケントとニコラス・アジョが協力してタイムを上げているのだ。

こうしたスリップストリームの使い合いはジャック・ミラーには関係なかった。ホンダはブルノで有利な立場にある。マルケス、リンス、マスブー,ヴァスケスは誰もがタイムを出すことができた。ポールを獲得したアレックス・マルケスによれば、中速コーナーが多いおかげでホンダシャーシの弱点がカバーされるというのだ。つまりKTMはホンダが克服できるチャタリングに悩まされているということである。

プラクティスでは優位性を保ったがホンダがレースで勝てるとは思えない、ブルノのようなコースでは集団が形成され何回もトップが入れ替わることになるだろうからだ。マルケスにとってやるべきことは一つである。リスクを冒してジャック・ミラーとエフレン・ヴァスケスからポイントを少しでも奪うことだ。毎週末いちばん面白いのはMoto3である。今回もそうだろう。レースは坂を登り切った最終ラップの最終コーナーまで決まらないに違いない。ホームストレート前の左、右と続く複合コーナーがドラマを産むことになるだろう。
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へー、へー、スリップストリームだけでそんなに違うんですねえ。一周0.5秒縮まるってすごい!だって0.5秒違ったら10周で5秒離されるはずのところを挽回できるってことですよ!!

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ハイプサイクル

ツイッターでハイプサイクルネタが出てたのでさっきの記事にあわせてちょっと作ってみました。いろいろ応用できますね。パワーポイントは自由に改変して下さいな。

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【不定期ポスト】気が向いたらよろしくお願いしますm(__)m

先日Kampa!のおかげでダイソンの掃除機を手に入れたわけですが(まじありがとうございました!)、そんなわけで新ネタ投入です。PC版の右のツールバーの一番上にあるKanpa!でもAmazonでもクリックしていただいて、まあちょっとは楽しんでるから管理人にもいい目を見させてやるかな、と思われた方は是非!

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ストーブリーグ表2015(2014.8.15時点)

バウティスタがアスパー、グレシーニ、アプリリアと交渉中とのMCNのMatthew Birt氏のツイートを受けて修正。

Stove_2015_140815

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CRTとは何だったのか?

Kevin Cameron氏がMotoGPクラスにおけるCRTの導入を総括しつつMotoGPの政治的動きについて語っています。Cycle Worldより。
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CRTは結局どうなってしまったのだろう?どこから来て、どこへ行ってしまったのか?

2002年にMotoGPが始まった起き、ピーター・クリフォードの個人チームは余り知られていない東欧の会社であるブラタのV6エンジンを積んで走るつもりだった。しかしそれは実現せず、クリフォードはヤマハYZR-M1のエンジンをチューンして「MotoGPプロトタイプ」として走らせることになった。

しかしそれは結局拒絶されることになった。ルールが明示している。市販エンジンと見分けがつかないエンジンはお断りなのだ。これはプロトタイプだけのクラスなのだ!このクラスにエントリーするにはシリンダーとクランクケースの角度は市販エンジンから最低5度は異なっていなければならない。それができなければさようなら、なのである。

新たに導入された4ストローククラスには情熱を持った様々なチームがやってきた。F1を育てた多くのスポンサーが4ストロークという魔法の言葉に惹かれて参入してくるに違いないと思った者もいる。新たな時代の幕開けだ!

しかし年が経つにつれて情熱は冷めていった。アプリリアはF1エンジンをベースに開発した金食い虫のキューブエンジン(訳注:3気筒の最高の音色のマシン)がストレートで最速でもラップタイムでは最も遅いのに失望して撤退。ケニー・ロバーツのプロトンV5は資金難。KTMは前評判の高いMotoGP用プロトタイプエンジンを14基作ったがロバーツのチームがチェック後に要求した変更は予算を大幅に超えていたのだ。F1並の価格でエンジンを供給しようという会社もあったが、結局それを受け入れるチームはなかった。カワサキは撤退がらみの相次ぐ法的問題にうんざりし、二度と戻ってこないことを表明した(ホンダがAMAプロレーシングを撤退したのを思い起こさせる)。

BMWはF1で鍛えたエンジニアの集団を擁してやってくると噂されたが、MotoGPにセーフティカーを供給することの方がよっぽど費用対効果が見込まれているようだ(確かに夢のようなキューブに似た最先端の300馬力の3気筒エンジンについても噂されていたが、トルクカーブが極端にピーキーでテストライダーがハイサイドを起こしたらしいという話とともに消えていったのだ)。

ネクストバッターズサークルにいたのはイルモアだ。レーシングエンジンでは成功している会社の一つで、シーズン終了後に行われる恒例のヴァレンシアテストで白いカウルの800ccプロトタイプを走らせた。スズキのワークスマシンと同様にF1発祥のニューマチックバルブを備えたこのマシンは、外部の熱交換機で冷却水を温めないとエンジンを始動できなかった。これが未来なのか?MotoGPは禁断の領域に入り込もうとしているのか?その結果?F1と同じ幅18インチのタイヤに合わせたパワーバンドのおかげでハイサイドが増えるだけか?うーむ、そうなったらF1とMotoGPの違いはなんなのだろう?

次第に恐ろしい事実が浮き彫りになってきた。これまでは静かな湖面の下に潜んでいたのだが、水位が下がることで表に現れてきたのだ。バイクメーカーでなければMotoGPに参戦しようなどと考えてはいけない。例えバイクメーカーでもドゥカティのクラウディオ・ドメニカリが2003年に言ったことを覚えておくべきだ。「参戦には3200万ドル(35億円)、運営に年間1000万ドル(11億円)かかるんだ」

このまま将来にわたってグリッドの台数が減っていくとどうなるかドルナが予測を始めたとたんに幹部たちは青ざめた。ホンダ、ヤマハ、ドゥカティが2台か4台のバイクを参戦させるだけになってしまうのではないか?しかもその内のどのメーカーが抜けてもおかしくない状況だ。なんということだ!

そこで導入されたのがCRT(Claiming Rule Teams:当初はマシンが速すぎたら買い取り-Claim-できるということから名付けられたが、そのルールはすぐに引っ込められた)だ。CRTはスーパーバイクのキットエンジンをプロトタイプシャーシに載せたマシンである。「プロトタイプ」至上主義者たちは黙り込んでしまった。まずはグリッドを埋めよう!この偉大なスポーツを守っているメーカーにとっても金がかかりすぎるためにレースがばかばかしいものになってしまうのを何とかして止めなければならない!

ご存じの通り今ではホンダの「市販レーサー」(非常に上質に仕上げられているが加速力に劣るスプリングバルブのRC213Vクローン)、そして廃棄ヤードに捨てられずに済んだ旧型ヤマハ、奇妙なペーパーワークによって競争力がないと宣言してもらったことでエクストラソフトのリアタイヤと余分な燃料を許されたドゥカティにCRTは駆逐されてしまった。ちなみにドゥカティが成功しすぎたらワークスと同様のハードタイヤと1ライダー5基のエンジンに20Lの燃料に戻されることが決まっている。

この新たなルールにより戦闘力の劣るスーパーバイクエンジンのCRTは消えてしまった。同時に草の根ビルダーがワークスに一泡吹かせるという希望を抱えていたドルナの幹部はCRTのあまりのつまらなさに恥じ入ることとなってしまう。ひどい状況だ。これは1980年代初頭のAMAの「インスタントエキスパート」制度を思い起こさせる。草レーサーにエキスパートライセンスを与えるというものだ。ラップタイムは考慮しない。とにかくグリッドを埋めればよかったのである。

今でも悲観主義者がいて、彼らは貧乏なMoto2チームがグリッドを埋めるチームに出されるという報奨金を目当てに鋳造シャーシにスーパーバイクエンジンを詰め込み、倉庫の奥から不良品のサスとブレーキを引っ張り出してくるのではないかと噂している。

状況は落ち着いたのだろうか?危機は去ったのだろうか?そぷではないだろう。ドルナのCEOであるカルメロ・エスペレータは回転数制限と統一電子制御ソフトウェアで現状でも存在している大きな差を縮めようと考えているのだ。一方でホンダは自らのすばらしい研究開発部門を最大限に活かすためのルールを導入しようとしている。でなければレースをする意味などないのだ。いずれにしても個人的な感情の話ではなく、単にビジネスの話ではあるのだが。

この竜虎相まみえる状況から目を話さない方がいいだろう。しかし同時にエスペレータとホンダの中本修平の仲の良さも決して忘れてはならない。楽しいゴルフの席ですべてが解決されてきたのだ。

何かが起こる日は近い。
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昨日のタイヤ問題の記事もそうですが、2016年に向けて政治的な動きが活発になってきたんでしょうね。

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MotoGPタイヤをめぐる陰謀

Q1からQ2に進出したライダーには余分にソフトタイヤを供給すべきだというニッキー・ヘイデンの提案をMSMA(モータースポーツ製造者協会:ワークスマシンを供給するホンダとヤマハとドゥカティで構成される)が蹴った件についてのMat Oxley氏の記事。Motor Sport Magazineより。
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レースというのは基本的に利己的なものだ。それ以外ではあり得ない。いい奴は勝てない、という古くからの言い伝えが真実ではないのは、どんなに性格が良くても勝てるライダーはレースのことを考えるときには無慈悲な殺戮者に変貌するからである。レースがスタートすればなおさらだ。

しかしそんな厳しい世界でも全体の利益のために利己主義を引っ込めるべきときもあるのだ。

2か月ほど前、ニッキー・ヘイデンが良い考えを思いついた。彼はQ1/Q2という2回の予選が設定されていることの根本的な問題に気付いたのだ。Q1のトップ2がQ2を走ることになるのだが、Q2ではたいてい下位に沈んでしまう。既にソフトタイヤを使い切っているからである。そんな中でQ2に出るのにどれほどの意味があるだろうか?そこでヘイデンはこういう提案をした。Q1からQ2に上がったライダーには余分のリアタイヤを供給してはどうかというのだ。

ヘイデンの提案は非常に合理的なものである。もし他のライダーより15分長く走らなければならないなら、その分、余分にリアタイヤを供給されてもいいではないか。MotoGPのタイヤ本数は非常に厳しいのである。グランプリ・コミッションにその提案が提出されたとき、構成メンバーのうち3者、ドルナ、FIM、そしてIRTA(参戦チームの集まり)はヘイデンの提案は採択されるべきだと賛成した。

しかし構成メンバーの最後のひとつであるMSMAはこの提案を拒絶したのだ。結局Q1からQ2に上がったライダーは意味のないQ2を走り続けることになった。自分のポジションを上げる見込みがほとんどないにもかかわらずだ。

「ヘイデンの提案はすごくいいアイディアで、考えるまでもないと思ったんですけどねえ」とIRTA書記長のマイク・トリンビーは言う。「だからMSMAが拒否権を発動したときには驚きましたよ」(訳注:グランプリ・コミッションは全会一致が原則)

もちろんMSMAはワークスの利益を代表しているのではあるが、こういうときこそMotoGPは全体の利益を利己主義に優先させるべきではなかろうか。

MSMAが拒否権を発動した理由は誰にもわからない。グランプリ・コミッションは透明性の高い組織ではないのだ。しかしこういう理由があるのではという話をきいた。MSMAとしては2人だけが余分なリアタイヤを供給されるのは不公平で、そもそも15分余分にコースを走れるだけでも感謝すべきだと考えているというのだ。しかし摩耗したタイヤで走る余分な15分というものにどれほどの意味があるというのか?

さらにMSMAとしてはシーズン途中にルールを書き換えるのが嫌だったという話もある。しかしドルナがシーズン開幕直前にオープン2ルール(訳注:ファクトリー2ルールのことと思われ)を発表した時に、無理矢理(しかもばかばかしい方向に)書き換えさせたのは誰だったろう?さらに言うならアレイシ・エスパルガロが開幕戦カタールでオープンスペックのフォワードヤマハに乗ってフリープラクティスでトップに立ったとき、少なくとも一人のワークスのトップがドルナに対してオープンクラスからエクストラソフトタイヤを取り上げるようロビー活動したのを私は知っている。

エスパルガロにしても他のオープンクラスライダーにしてもコンディションが特殊だったカタールを除けばワークスにとっての真の脅威となっていない状況で、彼らは何を恐れているのだろう?

オープンクラスマシンのほとんどがMSMAの参加ワークスによって製造されているのだから、彼らも弱小チームに救いの手をさしのべてレースを楽しくしてもいいのではないか、それがモーターサイクルレーシングのためになるのではないかと考える人もいるだろう。Q1からQ2に上がったライダーが3列目に食い込むのが見られたかもしれないのだ。だからといってワークスがいらつくこともあるまい。

MSMAが奇妙な政治的振る舞いをしたのを見てもヘイデンは決して激怒することはなかった。ヘイデンは言う。「彼らにも理由があるんでしょう。なんか政治的なものだろうけど。タイヤが7本しか使えないのは厳しいですよね。Q2に出てもタイヤをセーブしなければならないんですから。別にワークスに影響があるとは思えないんですが」

ヘイデンの言うとおりだ。これはMotoGPの今後のレギュレーションに関する激しい戦いの中の小さな一コマに過ぎない。ワークスは2016年に発効される多くのコストカットルールについてドルナと争っている最中で、今回のタイヤ問題でもなぜ彼らがこんな態度をとったのか、誰にもわかっていないのだ。

戦争では良くあることだが、すべては戦術と戦略の一環なのである。敵に対してフェイントをかませたり、びっくりさせたりさせるのが手なのである。しかしワークスを食おうと死ぬ気で走っているグリッド中盤の選手がその犠牲になるのは正しいことでは決してない。
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海外メディアはMSMA(中でもホンダ)に対してとても厳しいのが常ですが、まあ今回はもっともなことを言っていると思いますよ。

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公式プレビュー>チェコ2014

ホンダヤマハドゥカティ(英語:MotoGP公式サイト)

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ストーブリーグ表2015(2014.8.14時点)

Motomatters.comの情報に基づき修正しました。

スミスが確定したり、青山がリストから落ちたり、プラマックが大人気だったり、カリォがもてもてだったりしてます。もっともプラマックはまだ交渉が軌道に乗ってないからこういうことになっているという気もしますが。

ところでキャメロン・ブービエール(Cameron Beaubier)って誰?AMAのライダーらしいのですが、発音すら定かではない・・・。

Stove_2015_140814

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ストーブリーグ表2015(2014.8.12時点)

MCNがプラマックにラヴァティが有力、対抗はザルコとエガーターという記事を出していたので反映しました。

Stove_2015_140811

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公式リリース>インディアナポリスGP2014

ホンダヤマハドゥカティ(MotoGP公式による日本語訳)

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ケヴィンにおたずね:エキパイにテープを巻くべき?

これまたKevin Cameron氏ですが、今回は主にSRクラスタ向けに翻訳。Cycle Worldより。
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質問:ボバーがチョッパーに替わってバイクカスタムの主流になってますけど、エキゾーストパイプにシリンダーヘッドまでテープを巻いているバイクをよく見るようになりました。クロームメッキとかステンレスのエキゾーストが青く変色するのがきらいな人もいますね。私は自分のトライアンフ・スピードトリプルのエキパイが茶色がかった青になってるのが気に入ってるんですが。バイクのエンジンで一番熱いのがシリンダーヘッドの排気バルブから排気ポートにかけてだということを考えると、それに近いエキパイをテープで覆ってしまうのはヘッドの冷却を阻害するように思えます。私が何かみのがしているんでしょうか?それともまだ結論が出ていない議論なんでしょうか?

ジョー・ハットン
ニューメキシコ州アルバカーキ

答え:エキパイにバンデージを巻くのはNASCARから始まったことです。その目的は、ぎゅうぎゅうに詰まったエンジン部分の温度を安上がりに下げるためでした。毛ないカスタムバイクにこれが使われているのは見た目の問題でビルダーがそれを気に入っているからです。機能的には全然影響がありません。MotoGPやワールドスーパーバイクのパドックを歩いてみても、ファイバーグラスのテープでエキパイを巻いているマシンなんてありません。

数年前ジョン・ウィットナー(モトグッツィでバトル・オブ・ザ・ツインに参戦しているビルダー)が、チタンパイプにこうしたテープを巻くとオーバーヒートして酸素と結合し黄色く変色した上、粉々になってしまうと警告していました。GPでは500cc2ストローク時代に様々な方法でエキパイを保護していることが日本GPの時にありましたが、これは騒音規制に合わせるためでした。後にこれは悪影響しかないことがわかり、使われなくなっています。
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だそうですよ、みなさん。

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ライディングスタイルの変遷3

さくさくいきますよ。Cycle Worldより。
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ホルヘ・ロレンソはどうして今のようなライディングスタイルになったのだろうか?2ストロークの125cc、250cc出身だからである。125はパワーがなく、早めに曲がる「ポイント・アンド・シュート」スタイルで失ったスピードは脱出加速だけでは回復できないのだ。そういうわけで125のライダーは曲率を大きくとることでコーナリングスピードをできるだけ稼ごうとする。1950年代から60年代のグランプリで見られた伝統的な走り方だ。
ロレンソが250のGPタイトルを獲得したときには既に最高峰クラスは800cc4ストロークになり、タイヤのエッジグリップももの凄いものとなっていた。このおかげで彼は大型マシンでも自分の培ってきたコーナリングスピード重視のスタイルで走れたのだ。ヴァレンティーノ・ロッシが2000年に250から上がってきたときの最高峰クラスはパワーの出方が唐突な500cc2ストロークだった。そのためロッシは向き変えを早く終えてマシンを起こすスタイルに変わっていったのだが、これはパワーを最大限に引き出すためである。
2009年から始まった現在のワンメイクタイヤルールの下では、個々のライダー専用のタイヤを開発することはできない。パドック全員が同じタイヤを使うのだ。1990年代から2006年までレース界を支配していたミシュランがエッジグリップを向上させることでMotoGP黎明期の極端なリーンアングルが実現させると、次いで2007年から2008年にはブリヂストンは安定した性能でこれに対抗。そのおかげで彼らはMotoGPのワンメイクタイヤに選ばれることとなった。
ダートトラックスタイルはこのコーナリングスピード重視のタイヤにどう対応したのだろうか?ニッキー・ヘイデンがMotoGP参戦初年度に体験したことを思い起こしてみよう。彼が攻めれば攻めるほどタイヤは摩耗しグリップが失われ、結局彼はスローダウンするか転倒していた。エッジグリップ重視のタイヤはホイールスピンやスライドには明らかに対応できていなかったのだ。ヘイデンはある程度は対応できたものの、供給されるタイヤは彼の元々もっていたスタイルには向かないものだった。
2007年にケイシー・ストーナーがドゥカティでタイトルを獲ったときには、多くの人がブリヂストンのエッジグリップにぴったりはまったコーナリングスピード重視のライディングスタイルのおかげなのだと考えた。しかしその年、ドゥカティのエンジニアであるフィリッポ・プレツィオージは、ストーナーの本質はコーナリングスピードにあるのではないと語っている。そしてそれを証明したのはヤマハだった。彼らがコースサイドに持ち込んだ計測機器によれば、ストーナーは最大リーンアングルでトラクションコントロールを作動させていたのだ。これは彼がアンダーステアに悩むドゥカティを曲げる唯一の方法を使っていたことを意味する。スロットルで曲げるということだ。ストーナーはご存じの通りケニー・ロバーツやダニ・ペドロサと同様にダートトラック出身である。
しかし2011年、彼が2度目のタイトルをホンダで獲得したときには、彼は「ブリヂストンタイヤはどのリーンアングルでも接地面積が変わらないのでタイヤに加速力を伝えるためにマシンを起こす必要はなかった」と私に語っている。彼はブリヂストンタイヤの特性のせいで誰もがコーナリングスピード重視にならざるを得ないのだとも主張していた。彼は嘘をついていたのだろうか?私が調べたところでは彼は正直に話してくれたと思う。最大リーンアングル付近ではタイヤのエッジの柔軟性のおかげで、スロットルに対してタイヤが緩やかに横滑りするのだそうだ。いきなり滑るとか空転するとかではなく、たわむのだという。そのおかげでコーナーの頂点付近で(ポイント・アンド・シュート走法ほどではないにせよ)一気に曲がることができる。カル・クラッチローが言うところの「ホンダのV型コーナリングライン」を実現することができるのだ。Vの頂点でリーンアングルは最大となりエッジが少しずつ横滑りする。これで最速のコーナリングが実現するのである(観客にはV型のラインには見えないが、近くで走っているライダーが自分のラインと比べるとわかるのだ)。
昨シーズン、元250のレーサーでオーリンスの技術者であるジョン・コーンウェルが言っている。「エッジグリップはレース中にどんどん失われていく大事な資産なんですよ」。ホンダの技術者も同じことを言っている。エッジグリップはコーナリングの頂点で短時間しか使えないのだそうだ。しかしロレンソはもっとエッジグリップを使いたいのである。できればコーナー全域にわたってだ。グリップが減りやすいコースや非常に気温が高い場合、ロレンソがトップ争いから脱落してしまうのはこのためだろう。
125のライダーと同じように、加速力で劣るマシンはコーナリングスピードを稼ぐしかない。1982年から83年にフレディ・スペンサーがパワーに劣る3気筒のNS500でやっていたのがまさしくこれである。ドゥカティのスパーバイクマシンも加速に重要な中回転域のパワーが足りなかったためにコーナリングスピードに頼っていた。1997年、ホンダはプライベーター向けのVツイン500ccマシンを開発したが、これはV4マシンより30馬力も劣っていた。唯一の望みは高いコーナリングスピードだったのだ。プラクティスではV2マシンが求めるコーナリングスピード重視のラインはV4マシンのポイント・アンド・シュートのラインとクロスすることになった。そしてV2のコーナリングスピードはタイヤがたれるまでしか保たなかったのである。2000年にミック・ドゥーハンがこれを指摘している。当時のミシュランではエッジグリップが保つ限りコーナリングスピードを重視してもタイムが出るが、タイヤがたれるとライダーはポイント・アンド・シュート式のライディングにスイッチしなければならなかった。その方が安全(倒している時間が短いから)で、エッジグリップに頼らなくても良かったからである。
開発は今でも続いている。マルケスがMotoGPに登場したとき、彼を驚かせたのはブリヂストンのフロントタイヤが大きな荷重に耐えることだった。コーリン・エドワーズが何年も前に言っている。「とにかく荷重を掛けるんだ。どうなっているかはわからないけど、それで速く走れるんだよ」。以前はフロントに荷重を掛けるとフロントが滑ってしまっていた。ここから回復できるというのがスペンサーの特徴で強みのひとつだった。今シーズン始めにヴァレンティーノ・ロッシが言っているが、彼は現在供給されているタイヤに合わせてライディングスタイルを変えたという。最新のタイヤがエッジグリップを失っても空転やスライドへの耐性が十分なら、エッジグリップに頼ったコーナリングスピード重視の走法を捨て、V型コーナリングラインにトライするのもうなずける話である。
来シーズンがブリヂストンのMotoGP最終年度となる。これに替わるミシュランがどのような特性を持つことになるかはまだわからないが、最速のライダーたちは新たな走法を生み出すことになるだろう。そして自分のスタイルを貫くライダーもいる。こうやって歴史は作られてきたのだ。
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キャメロン氏によるタイヤの話はここでもありましたね。なるなる。

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ライディングスタイルの変遷2

どんどんいきますね。前回に続いてその2です。Cycle Worldより。
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第二次世界大戦後、何年もの間バイクレースでは全天候対応の溝付きのしかも硬いゴムのタイヤが使われていた。レースの最後まで保つように硬く作られていたのだ。ジョン・サーティースをはじめとするイタリア製4気筒マシンに乗るライダーたちは、こうしたマシンの広範囲で発揮できるパワーをスロットルで制御することでコーナリングラインをコントロールする術を見つけ出した。サーティースはこのテクニックを1960年の彼が書いた小冊子「ジョン・サーティースによるレース解説(JohnSurteesonRacing)」で「ドリフト」と呼んでいる。しかしこれが「ポイント・アンド・シュート」と言われるスライド走法の起源に直接なるわけではない。それがやってくるのはもっと後のことだ。
硬いゴムのせいでグリップが限られるため、急激な動きはどこにもなかった。サーティースはこうアドバイスしている。「ベストラインというのは一定の曲率で最高のスピードを稼げるラインだ」。つまり最近で言えばホルヘ・ロレンソ風のハイスピードコーナリングである。このスタイルはずっと「レールの上を走るような」と尊敬されていた。しかしこれでは派手なライン変更はできないことになる。
ケーニー・ロバーツがレースを学んだのはダートの上である。彼がロードレースに移行したとき、スピードに慣れるのに3週間かかったという。そして同時に1974年型のヤマハTZ750にも慣れる必要があった。彼の言葉によれば「何もかもが過剰なマシン」である。加速はとんでもなく、ヨーロッパ製のロードレース用マシンと同様にエンジンは(「トラクションを稼ぐために」)マシンのかなり後ろ側に搭載されていたのだ。つまり急加速によってフロントは容易に持ち上がり、ラインをキープするのがたいへんだったのである。
ライダーというのは勝利を目指すものだ。ちょっと曲がりにくいくらいでは彼らを止めることはできない。必ず解決策を見つけるものである。ロバーツが見つけたのは、スロットルを開けてリアタイヤを滑らせて曲がることである。ダートトラックスタイルだ。1978年、このスタイルのせいで今は亡きバリー・シーンが「謎の病気」にかかることになる。
2ストロークエンジンの特性のせいで基本的なライディングスタイルが変わることになったのだ。スロットルに対する反応が激しく、4ストロークとは異なり突然パワーが出るのだ。いっぱいにリーンしたところでスロットルを開けると突然加速する。そして突然のエンジンパワーでマシンは転倒することになる。そうなるとこれまでのコーナリングスピード重視のラインは使えない。例えば巨大なTZのトルクは9300回転で倍増するのだ。こんなマシンでスムーズに走れるだろうか!
答えはコーナー入り口でほぼ向き変えを済ませ、突然のパワーにも対応できるようリアタイヤの接地面積を稼ぐためにマシンを起こすことだった。それ以外のやり方ではスロットルを開けきれないのだ。基本的にはコーナリングマシンと言うよりドラッグレーサーであり、それを活かすには最大リーンアングルを手前にとって、残りのコーナーはとにかく加速に使うことで次のストレートに向けてのスピードを稼ぐしかなかったということである。こうしたライディングスタイルは現在では「ポイント・アンド・シュート(訳注:原義はオートフォーカスとか自動露出とか言う意味。たぶん「ポイントに来たら一気に曲がって加速する」みたいな意味でしょう)」と呼ばれているが、元々は大型2ストロークエンジンに対応するためのものだったのだ(TZ750は同時に「トルクの塊」とも称されており、6500回転から走らせることもできたという)。
昔から良くある間違ったライディングスタイルは「突っ込み王」と呼ばれるライダーのそれである。スピードをのせすぎたままコーナーに入ると加速に使える区間が短くなってしまう。賢いライダーならコーナー出口でそうしたライダーを簡単に抜き去ることができるのだ。キャリアの短いライダーは目の前を走るライダーしか目に入らない。「もっと深く突っ込めば抜けるはずだ・・・」と思ってしまう。確かに抜くことはできるが、コーナーエントリーが速すぎてはらんでしまい、さっき抜いたライダーにインに飛び込まれてまたコーナー出口で抜かれてしまう。4回のタイトルを獲ったコーク・バリントンがブレーキを遅らせたライダーを1レースで何度も抜いたのを見たことがある。そしてその内、彼は抜く度に左手を挙げて「やあ、また会ったね」と無言の挨拶をしたほどだ。
ブレーキを遅らせてタイムを稼ごうとするライダーは、プラクティスの方が速いと何度もチームから指摘されることになる。プラクティスではブレーキングを早く終わらせて向き変えを早めに終わらせることで加速にすぐに移れるのだ。残念なことにこれがいつでもできるわけではない。実際のレースではいつもの癖が出て後ろに下がってしまうのだ。2年前、ヤマハがベン・スピースに対して、彼自身のスタイルであるダートトラックやスーパーバイク風の乗り方からホルヘ・ロレンソ風のコーナリングスピード重視の乗り方に変えるように強いプレッシャーをかけても、なかなか速くなれなかったのはこういうことである。それは今でも変わらない。ヤマハは今ではロレンソに対して彼のコーナリングスピード重視のスタイルをホンダのダニ・ペドロサやマルク・マルケスのようなコンパクトに曲がるスタイルを強制しようとしているが、これもなかなかうまくはいっていないのだ。

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すぐにパート3へ。

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ライディングスタイルの変遷1

という記事をCycleWorldにKevin Cameron氏が書いてます。3回のつづきもの。なかなかおもしろそうなので訳します。
第1回はハングオンの誕生とその理由について。
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バイクレースを見るとき、それが現場であろうとDVDであろうと常に気がつくのはライディングスタイルの違いだ。何年にもわたってスタイルの違いは議論を巻き起こしてきた。ジェフ・デューク(世界タイトル6回、マン島TT6勝を挙げている)は4気筒のMVアグスタに乗るジョン・サーティースのハングオンには批判的だった。それ以来年取ったバイクファンはいつでも私にこう言っている。「バイクの真ん中にきちんと座るスタイルほどかっこいいものはないね」。今は亡きゲイリー・ニクソンはまさしくこの乗り方で勝利し、彼らの見解を裏付けた。

しかしバイクの乗り方というのはズボンの丈のような流行り物なのだろうか?1960年に出版された「ジョン・サーティースによるレース解説(John Surtees on Racing)」という小冊子で彼はこう書いている。「マシンをできるだけ立てて走らせるのはトラクションを最高に引き出すためだ。このやり方ならリーンウィズやリーンアウトで走るよりもパワーを使うことができてコーナーをより早く駆け抜けられる。リーンウィズやリーンアウトだとマシンを寝かせなければならないし、その分だけリアが滑るのを防ぐためにスロットルを緩めることになるからだ」

現在でも同じような議論が起こっている。どうすれば加速力を得るためにタイヤの接地面積を稼げるかということだ。5度の世界チャンピオンに輝いた ミック・ドゥーハンは、マシンの内側に低く構えたままコーナー出口で素早くマシンを起こし、タイヤの接地面積を最大にして加速していた。そして今ダ ニ・ペドロサとマルク・マルケスは驚異的な最大リーンアングル(58-63度)から瞬時にマシンを起こしている。これも同じ理由だ。コーナー脱出で加速し ているときにタイヤの反発力を最大に活かすためなのだ。
これには他の理由もある。元250ccチャンピオンのケル・キャラザースと空港で話したときに教わったことだ。彼は1960年代初頭、オーストラリ アで250cc4気筒のホンダRC161に乗っていたときにハングオンスタイルを学んだと言う。RC161のスイングアームとバックボーンフレームの接続 部分は剛性が低く狭かったため、コーナー脱出加速で蛇行したそうだ。キャラザースは内側に体を残したままマシンを起こすことで蛇行しないようにしてスロッ トルを大きく開けてより大きな加速を得ようとしたとのことである(これはタイヤの接地面積を大きくしてクッション効果を得ることができたために蛇行を誘発 する振動を防げたということのだろう)。
しかし待ってほしい。サーティースは逆にリーンアウトの可能性についても言っていなかったか?これは戦前によく見られたスタイルで、マン島TTで5 回勝っているフレディ・フリスがその代表格だった。このリーンアウトスタイルについてサーティースはこう言っている。「僕の理論ではスタイルは時代に従って 変わっていくものだ。戦前のレーシングマシンはホイールも大きく、重心と車高が高く、ライディングポジションはコンパクトだった。そうした要素のせいでマ シンの切り返しでは体を大きく動かす必要があったし、そのせいでライダーの体はマシンとは反対方向に動くことになった」
歴史がこれを裏付けている。1951年のAJSポーキュパイン500ツインのホイールサイズは21インチから19インチに落とされた。3年後には デュークが乗るジレラがノートン的なハンドリングを得るために(訳注:デュークは1952年までノートンのワークスライダー)最先端の直列4気筒をなんと 3inchi(7.5cm)も下げている。素早い対応だ!
リーンアウトには他にも理由がある。フリスと同時代のライダーたちはまずはリジッドフレーム、すなわちリアサスペンションなしのマシンから始めてい た。こうしたシングルクレードルのフレームは横方向にしなるため、コーナリングではライダーがリーンアウトし、マシンをより倒すことでフレームをサスペン ション代わりに使っていたのだ。
私がキャラザースにデュークがハングオンスタイルを非難していたことについて尋ねると彼はこう答えてくれた。「当時(1950年代)、デュークのス タイルが最先端だったんですよ」。彼は重心の低いマシンに適応し、向き変えも素早かった。実際デュークの最初の成功は1950年のノートン・マンクスに よってもたらされたものだ。これはノートンにとって最初のダブルクレードルフレームで油圧式の柔軟な前後サスペンションを備えていた。一方のサーティース は後にノートンに乗って、グリップの良いタイヤではハングオンしないとエキパイとステップが擦ってしまうことに気付くことになる。
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このままパート2になだれ込みます。お楽しみに!

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公式プレビュー>インディアナポリス2014

忘れてた・・・。

ホンダヤマハドゥカティ(英語)

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ストーブリーグ表2015(2014.8.9時点)

自宅仕事が一段落したのでストーブリーグ表更新。
ブラドルとかロレンソとかを確定したくらいですが。

Stove_2015_140809

「stove_2015_140809.pdf」をダウンロード

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更新滞ってます

本日いっぱいまで自宅仕事に勤しみたいので、更新が滞ってます。全然進んでないんだけど。

ブラドルのフォワード入りとか、諸々もまとめて週末に。

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ストーブリーグ表2015(2014.8.2時点)

ドゥカティのプレスリリースを受けてクラッチローをLCRに、イアンノーネをドゥカティワークスにしました。

Stove_2015_140802_2

「stove_2015_140802.pdf」をダウンロード

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クラッチローのLCR移籍が本決まり(っぽい)

ドイツのSPEEDWEEKが報じています。

クラッチローの後釜はイアンノーネで、イアンノーネが抜けた穴をプラマックは埋めないとならないとのこと。
ブラドルはフォワード・ヤマハの可能性大とも。

なんとなくありそうもない話だったので様子見に徹していましたが、ほんとみたいですね。ちょっと不明を恥じてるところ。

今、出先なので帰ったらストーブリーグ表を更新します。

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ミゲール・ガルッツィへのインタビュー

世間はカル・クラッチローのLCR入りの噂で持ちきりですが、当サイトはもう少し様子見します。というわけで、夏休み企画、ドゥカティ・モンスターやらホンダVTR250(要出典)のデザイナーであるミゲール・ガルッツィへのインタビューをCycle Worldより。
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カリフォルニアというのは創造性に満ちあふれた土地である。超先進的なテクノロジーと革新的なデザインでいっぱいだ。世界中の自動車会社がデザインセンターを設置し、すばらしい成果を挙げている。一方、バイクメーカーはそれに比べるとかなり消極的だが、ピアジオはカリフォルニア、パサデナのコロラド大通りに研究開発センターを持っている。ピアジオ・アドヴァンスト・デザイン・センター(PADC)と名付けられたそれは2013年に最高経営責任者のロベルト・コラニノが、イタリア、そしておそらくヨーロッパ全域で行われているこれまでのアプローチではバイク産業が袋小路に入ってしまうと考えて設置されたものである。

コラニノがPADCのトップに据えたのはミゲール・ガルッツィ。最高のバイクデザイナーである彼は1959年、アルゼンチンのブエノスアイレス生まれである。パサデナの高名なアート・カレッジ・オブ・デザインを卒業したこともあり、当地には元から強い繋がりがあった。卒業後、ガルッツィは1986年にヨーロッパに渡り、GMのドイツ支社、すなわちオペルで働き始めた。そしてホンダに移り600cc単気筒マシンのプロジェクトにたずさわる。彼がチャンスをつかんだのは1989年に当時ドゥカティとモトモリーニを傘下に収めていたカジバグループに移ってからのことだ。

カジバでガルッツィはドゥカティを救うことになるモンスターをデザインしたのだ。ガルッツィは言う。「でもドゥカティではあんまり楽しくなかったですね。それでクラウディオ・カスティリョーニ(訳注:カジバの創業者)にヴァレーゼのカジバに行かせてくれって頼んだんです」。そしてカジバがドゥカティを売却した後に、モンスターの発展形とも言えるラプトールとエクストラ・ラプトールをデザインした。

カジバでクラウディオ・カスティリョーニと良い関係を築いたガルッツィは、カスティリョーニのバイクへの情熱にも充分触れることになった。2006年にはガルッツィはピアジオグループに移籍し、そこで会社が倒産するのではないかという心配から解放され、思う存分腕をふるうことになる。ガルッツィの最近の作品としてはアプリリア・ドルソデュロ、すばらしい、RSV4、そしてモトグッツィのカリフォルニアとそのツーリングバージョンやカスタムバージョンがある。

そして2013年にガルッツィはパサデナに戻ってきた。彼の息子たちが当地の大学に入学したので、彼も家族と一緒に過ごしたかったのだ。インターネットのおかげで世界中のどこでも好きなところにオフィスを構えて、アイディアや情報をやりとりできる。そこでコラニノはパサデナにPADCを作ることに同意したのだ。コラニノの考えではPADCは単なるデザインセンターではなく、ガルッツィがイタリアやアジアに拠点を置くピアジオのデザイン部門の全体をコーディネートする場でもある。そしてさらに重要なことに、ガルッツィによれば、彼はPADCでデザインと技術の新たなトレンドを分析し、バイク産業の新たな可能性を探るのだという。彼は4人のデザイナーを率いると同時に、最高の研究開発をマネジメントすることになっている。

「クラウディオ・カスティリョーニと一緒に仕事をするのはとても楽しかったですね。火山のように新たなアイディアが次から次へと湧いてくるんです。とんでもないアイディアもありましたけど、そういうものこそが革新的なコンセプトの基になるんですよ。でもクラウディオは自分の創造性とか情熱に財政的な制限をつけるのを良く忘れちゃうんですよね。びっくりしたのは燃えるようなイメージと投影するわけでもないのに、コラニノさんには真の洞察力があるってことですね。個人用交通手段に関しては的確に未来を見通せるんです。クラウディオとは違って予算にも目配りができますしね。起業家としては絶対必要なことなんですけども。
 ピアジオのバイク部門を10年で大改革しようとしているんです。それでここにいるんですよ。スクーター関連はすごく好調なんで、私はモトグッツィとアプリリアに注力しています。これから5年間で新車攻勢をかけますよ。しかもみんな革新的な技術を搭載している。あと生産工程も革新的なものになります。考えてみて下さい。何年もの間同じ部品で同じ素材で同じ供給会社でコストがかさんでいく。でバイクの値段はバイク自身の魅力を越えてしまうんです。もっと安価に同じ部品を作る方法を考えないといけない。でないとみんなの希望に応えられないんです。最近出てきた3Dプリンタは無限の可能性を秘めていますね」

マツダ・レースウェイ・ラグナセカでのワールドスーパーバイクにはピアジオの幹部と研究開発部門ののメンバーが集まってミーティングを開いたそうだ。「僕は『とにかくとんでもないアイディアを出し合って、自分の欲望や夢を形にする最高にクレイジーなものを作ろう』って言ったんです。でも誰もほんとうにとんでもないっていうアイディアを出さなくてびっくりしたんですyほ。だから僕がここにいるんですけどね。若いデザイナーや学生さんたちと一緒に働くのに意義があるんです。彼らはこの危機の時代に生きていて、しかも自分たちの創造性でそれを乗り切ってきているんです。
 バイクがちょっと知性的に、ちょっと合理的に、ちょっと機能的になりすぎているって感じているもいると思います。そういうのがバイクをつまらなくしてるんですよね。ホンダがコンパクトで、楽しくて、乗りやすくて、壊れないバイクを持ち込んできたときに新しい時代が始まったんです。で、なんの手もかからない楽なバイクの時代が始まった。どのバイクもそんな感じですよね。なんか閉じてしまってるんです。今動き出している新しいコンセプトや新しい技術にはすごい可能性が秘められています。あらゆる新しい可能性をとらえて、ピアジオに導入したいんです。それとこれはすごい挑戦なんです。コラニノさんはその機会を与えてくれた。最高の未来予測です。次のEICMA(訳注:ミラノモーターショー)には新しいのもをお見せできると思いますよ」

今年で100周年となるEICMAは11月4-9日で開催される。
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トップデザイナーが家族と過ごしたいからって理由でそこにデザインセンターを作っちゃうってすごい、すごい!

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