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2015年(アメリカ仕様)SR400ライディングインプレッション

ほら、一応ね、「SR」ダンディ別館なので、たまにはSR関連の記事も訳しますよっと。Cycle Worldより。
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レトロバイクが大好きな人なら誰でもこのバイクに目がとまるだろう。すらりとした美形の2015年型ヤマハSR400は1978年型とほとんど変わっていない。ヤマハは賢いことに78年型との変更を最小限に抑えているのだ。マシン右側に取り付けられたキックスターターがこの米国に再上陸したヤマハシングルのキモである。このマシンを始動するにはそれしかないのだ。そこが素晴らしい。

カリフォルニアはヴェニスビーチで夏のいい天気の中我々の初試乗は始まった。マシンの色は「リキッドグラファイト」。フェンダーが輝いている。まずはヤマハのプロダクトプランナーであるデレク・ブルックスが始動方法について教えてくれた。私はヴェロセットMSSやノートンコマンド850、ヤマハRD350も持っていたので特に問題はなかった。しかしキックスタート未体験のテスターも一人いたのだ。なんということだ・・・。

SR400のキックスタートは(ほぼ)昔風のものであるが、電子制御フューエルインジェクションのおかげで実に現代的に簡単だ。399ccのシングルエンジンにはキックスタートに最適な場所にカムがきているかどうかを判断するためのガラスの除き穴がついている。それは絶対に必要というものではないが、最初は役に立つだろう。基本的にピストンを上死点まで上げて、ハンドル左にマウントされたデコンプレバーを引きピストンを上死点から少し先に動かしておく。そうすれば思った通りにスムーズに踏み抜くことができるのだ。なにひとつ乱暴なことはおこらず、エンジンが熱かろうが冷えていようが、スムーズにエンジンがかかる。チョークは必要ない(というかついていない)。バイクにキックで火を入れるのは実に素敵な体験だ。まあそうでない人もいるだろうが。特に信号待ちやキックしにくいところでエンストさせたときには。

とは言えSR400はエンストもしにくいバイクだ。じつにうまく燃調がコントロールされており、ボトムエンドのトルクも(排気量からすれば)十分である。クラッチも許容範囲が広く、フライホイールの重さのおかげで慣性があり停止も簡単でスムーズだ。昔のキャブ付きシングルとは異なり、アイドリングやスロットル操作ランダムに火を噴くことはない。SR400はアイドルは実にスムーズで穏やかな音を発するだけだ。スロットルを開ければ素直に反応する。Cycle Worldのダイノに乗せたところ、エンジンは6400回転で24馬力を発揮し、5500回転で28.5Nmのトルクを絞り出した。トルクについては注釈が必要だろう。2500回転でも27.1Nmを発揮することを忘れてはならない。ただし中回転域で多少の落ち込みがあることも言っておこう。レッドゾーンは7000回転からだ。

街乗りには適切なパワーであり、5速ギアを駆使して特にドラマもなく時速128km/h(以上)のスピードまで出せる。しかし105km/h以上でクルーズしようとすると振動はそれなりのものとなる、ハイスピードでも走ることはできるが96km/hまでが幸せな範囲である。

カヤバのフォークはソフトでダンピングも軽く、街中を少し乗り回すには最高だ。やはりカヤバのツインリアショックについては(十分なツールキットに含まれるツールで)プリロードを上げることにした。私は100kgほどあるのだ。サスペンションについては素晴らしく柔軟とは言えないもののハイウェイでもばたつくことはなくステアリングも軽く確実である。

小さくコンパクトなSR400は満タンで174kgに過ぎない。シート高は78cmで、しかも幅が狭いため実に扱いやすく、普通の人ならかかとまでべったりつく。シートはサポートも良く快適である。フラットな「ヴィンテージ」スタイルのシートもなかなかだ。ホイールベースは141cmでとても機敏に動くことができる。運転免許試験用のバイクが必要?SRはその第一候補である(訳注:アメリカはバイク持ち込みで試験を受けます)。

2015年型がチューブ式のワイヤースポークホイールとリアドラムブレーキなのは皮肉なことだ。オリジナルの1978年式SR500はフロント、リア共にディスクブレーキにキャストホイールでチューブはいらなかった。しかしヤマハは差別化を図ろうとしているのである。78年という時はクラシックなイギリス製500ccの現代的解釈だった。今日のSR400はSR500自体のクラシックな解釈であるとも言えよう。ああ、なぜ399ccかと疑問に思う人もいるかもしれない。これは日本の免許制度のせいである。400cc以上のバイクの免許は非常にとりにくいのだ。

18インチアルミリムにスチールのフェンダー、すっきりしたスタイルのおかげでこのバイクの存在感は抜群である。最近では見られなくなったセンタースタンドもついており、これもとても便利だ。エンジン周りのパフォーマンスアップ用アフターパーツも豊富である。やろうと思えば500cc用ロングストローククランクも手に入る(eBayへどうぞ)。オリジナルの8.5:1の圧縮比を上げることも可能だ。抜けの良いエキパイもある。シンプルなエンジンだけにDIY派のオーナーにも最適だ。

そして考えてほしい。これは新車で買えるのだ。ネジが落ちたり錆びたりしていないのである。定価5990ドル(訳注:邦貨換算62万円)に充分値する。キックでバイクに命を吹き込む楽しみがついてくるのだ。
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ノーマルいーなー、かっこいーなー。

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