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エルヴェ・ポンシャラルへのインタビュー:競争の激しい世界にいるんだから・・・。

ワークスシートはどんどん決まりつつあり、ファクトリーマシンの席も埋まりつつある中、ヤマハファクトリーマシンを2台(1台はポル・エスパルガロで決まり)もっているテック3の代表、エルヴェ・ポンシャラルがCRASH.netのインタビューに答えていますので訳出。
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日曜のドイツGP終了後に行われたテック3代表エルヴェ・ポンシャラルへの独占インタビュー。2015年のMotoGP及びMoto2のライダーについてきいてみた。

MotoGPチームであるモンスター・テック3・ヤマハののポル・エスパルガロとブラッドリー・スミスは現在ランキング7位と11位。独自シャーシを使うMoto2チームのマルセル・シュロッターとリッキー・カルダスは12位と16位である。

CRASH.net:2015年にポル・エスパルガロがテック3MotoGPチームに残るのは間違いないと思いますが、もう1席についてはどうなりそうですか?
ポンシャラル:ポルはうちに残ってくれますね。99%確かです。ヤマハはホルヘの最終決定を待っているところですが、まあ間違いなく契約するでしょうし、ポルはうちに残ってくれるでしょう。
 2人目についてはまだわかりませんね。シーズンもまだ折り返しで、いろいろ動いていますから。ブラッドリーについてはちょっと残念ですね。彼は速さのあるライダーなんですが。なんにせよ今週のザクセンリングは最悪でした。週末を通して5回も転倒するなんて、ちょっとひどいですね。
 なんで彼がクラッシュしたかもわかっていますし、それについて誰かを責めるつもりはありませんけど、まあ現時点で来シーズンが決まっていないというのは、彼がプッシュしすぎてミスを繰り返すというのが主な理由ですよね。
 誰もが望んでいるシートですよ。だってワークスのヤマハM1ですからね。Moto2やMoto3から上がってきたいライダーもたくさんいます。まだどうなるかはわかりませんけど、今朝のヤマハとのミーティングでチェコGP(8/15-17)まで決定を延ばすことに決めました。
 現時点ではいろんな噂がパドックに流れてますけど、ほとんどがくだらない話ですね。いろんなライダーやそのマネジャーが、自分は来年契約がないって言ってきますけど、調べてみたら2年契約だったりする。だからサマーブレイクが開けるのを待って、どうなるか見ることにしたんです。
 Moto2についても同じです。リッキーとマルセルには満足していますよ。去年に比べたらすごく良くなっていますから。チームのことを考えてくれるし、毎レース7位から12位の間でフィニッシュしてくれるわけですから、Moto2のような競争の激しいクラスではありがたいことです。でももっと良い成績を求めているんで、こちらももう少し待ちたいですね。

CRASH.net:Moto2ではアレックス・マリネラレーナが候補に挙がっているんですか?
ポンシャラル:そこは難しいところですね。アレックスをヘレスとバルセロナのテストに招待したんですけど、彼は来なかったんです。体は大丈夫なんですよ。自転車トレーニングもしているし、彼と電話したときには普通にしゃべっていたんで回復はしているんだと思います。でも何かの理由で彼はその時ちょっと鬱だったのかもですね。
 彼としては喜んでいたし、夢がかなったって言ってましたけど、今はちょっと状況が変わっているのに気付いているかもしれません。また彼と、それからからの主治医と話し合いたいと思ってます。主治医が、また頭を打つかもしれないからバイクレースに戻るのは待った方がいいって言ってるらしいんです。ですからこれも話し合い待ちですね。

CRASH.net:リッキーとマルセルについては今年速くなったんで満足しているということでしたが?
ポンシャラル:ええ、すごく良い仕事をしてくれてるんでうれしく思っています。マルセルも良くやってますし、でももっと良い成績が出せるはずですね。リッキーには実は期待してなかったんですが、すごくがんばってくれてます。

CRASH.net:Moto2にはMoto3から引っ張ってこようとしてるんですか?
ポンシャラル:はい。でも残念なことにこの世界は肝っ玉が据わっていて挑戦を厭わず自分の力を見せつけないとやっていけないんですよね。でもMoto3のトップ4〜5人と話すと、カレックスでしかやりたくないって言うんですよ。カレックスを買うつもりは絶対ないんですけどね。
 モータースポーツ界で私を感動させたのは2人いて、それはミヒャエル・シューマッハーとヴァレンティーノ・ロッシだって常々言ってます。シューマッハーはベネトンでチャンピオンを獲って、その後すべてを手に入れた。でもフェラーリに行きたいと言った。それもフェラーリがタイトルを獲得してないからという理由でですよ。誰もがその決定をクレージーだし、彼はお金につられたに違いないし、キャリアには致命的だとまで言いましたけど、結局あの通りになったわけです。彼のキャリアの最高峰はフェラーリ時代だったんですよ。
 ヴァレンティーノもそうですね。レプソル・ホンダでもタイトルを獲れたはずなのにヤマハに移籍した。
 彼がヤマハに移籍したとき私はもうヤマハとやっていて、その年ヤマハは1回しか表彰台を獲れなかった。ルマンでうちのチームのアレックス・バロスが獲得したやつです。ワークスヤマハはビアッジとチェカで、結局表彰台には載れなかった。でもヴァレンティーノはヤマハに行って勝つんだと言ったんです。誰もがそれを笑ったし、それはくそみたいな考えでヤマハに行ったって何もできやしないとまで言ったんです。でも彼は最初のレースのウェルコムで勝って、結局タイトルを獲った。
 うちがヤマハやフェラーリだと言ってるわけじゃないです。でもリッキーはうちのマシンに乗って彼にとって最高の結果を出したんです。マルセルもうちのマシンで自身の最高成績を収めています。ですからうちのマシンにも競争力はあるんです。うちのマシンがベストだとは言いませんよ。だってカレックスが勝ってるんだし、彼らを尊敬もしてます。でもスッターは2か月ばかり前に勝ちましたけど、それまではスッターが勝てるとは誰も言ってなかったじゃないですか。
 Moto2かMoto3の速いライダーが来てくれるのを待っているんです。そして我々のプロジェクトを信じて一緒に勝とうって言ってくれるのをね。もしそういうライダーがうちと一緒に勝ってくれたら、MotoGPマシンにも乗せたいと思うし、それがうちの計画なんです。でも現時点ではそういうことを言ってくれるライダーはいませんね。

CRASH.net:MotoGPの話に戻りますが、去年ヤマハはポルをテック3に入れるようにあなたに言いましたけど、来年に向けて特定のライダーを2人目として据えるようになにかプレッシャーをかけられてますか?それともご自分で決められるんですが?
ポンシャラル:自分で決めますよ。うちは独立したチームで誰を乗せるかは私が決めるんです。ヤマハはそれを追認するだけですよ。
 3回くらいライダーをオファーされたことがありますね。まずは2008年にヤマハがロレンソとサインしたときですけど、コーリン・エドワーズとの契約が1年残ってたんでヤマハがうちにコーリンを走らせてくれないかと言ってきたんです。私はそれでよかったんで、彼のワークス契約の最終年は内で走ってもらうことにしました。でその後はテック3とコーリンが契約したんです。
 2つめの場合はベン・スピースのときですね。日本のヤマハ本社とは2年契約だったんですけど、初年度にワールドスーパーバイクのタイトルを獲ったら次の年はWSBKでもMotoGPでも好きな方を選べるという契約だったんです。ワークスにはホルヘとヴァレがいたんで、ヤマハがうちに頼んできて、うちとしてもベンのようなワークス契約のあるいいライダーを迎え入れるのは大歓迎だったんです。
 3つめのパターンが去年のポルですね。ヤマハとしては2013年当初にはホルヘとヴァレがどうなるかわからなかったんです。もちろんポルについても大歓迎でしたよ。でも来年の2人目についてはすべて私の一存です。ヤマハはもう自分の抱えているライダーで満足だし、もちろんホルヘが契約するまでは100%とは言えないですけど、それも時間の問題でしょう。

CRASH.net:今年でブラッドリー(スミス)とは4年目になりますが、彼の強みと弱みについてはどうお考えですか?
ポンシャラル:彼の強みはですねえ、125から引っ張ってきたんですが、彼はうちのプロジェクトについて何も知らないままうちに来てくれたんです。Moto2の最初のシーズン、序盤は凄く良くって、3回連続表彰台とかも獲得してくれました。シルバーストン終了時点ではランキング3位で、前にいたのはステファン・ブラドルとマルク・マルケスだけだったんです。
 彼の強みは、どこでもアグレッシブで速くてモチベーションが高いところですね。スタートもいいし、1周目は速い。でも彼の特にMoto2での弱みはセッティングにこだわりすぎて、セッティングでなんとかなると思っちゃって、それで2年目は混乱しちゃったところですね。
 MotoGPでも速さは充分あって、いいMotoGPライダーだと思いますよ。確かにそうなんですけど、こういう競争が激しいところでは時間がないんです。才能を見せるのに10年とかは待ってもらえないんですよ。
 若くて速いライダーはたくさんいて、自分の力を見せたいと夢見ている。ブラッドリーはすでにチャンスをつかんだんで、あとは才能を見せるだけですね。まだうちが決断するまでに何レースかはあるわけですし。
 彼の弱みはプレッシャーへの対応ですね。今週末も5回もクラッシュしているし、たぶん心ここにあらずだったんでしょう。でも私も彼が来年うちで走れるとは言ってられません。私自身がヤマハやスポンサーから結果を出すようにとプレッシャーを受ける立場で、この結果には満足しているとはとても言えませんからね。4年間培ってきた関係でもう家族みたいになってることを考えたら、なおさら悲しいですよ。
 でもさっき言ったように競争は激しいし、これは赤十字じゃない。だから辛いこともあるし厳しくならなければならないこともあるんです。競争の世界に身を置くと決めたら、その世界のルールでいくしかないんです。

CRASH.net:Moto2からMotoGPに上げたいというライダーは誰かいますか?
ポンシャラル:もしブラッドリーを変えるならMoto2かMoto3で走っている若いライダーになりますね。

CRASH.net:Moto2では誰が?
ポンシャラル:まあブラッドリーに替えるならすごく若いライダーってことで。

CRASH.net:Moto3のライダーの方がありそうってことですか?
ポンシャラル:それじゃあだめですか?みんな保守的になりすぎなんですよ。そりゃワークスチームは保守的になってもいいでしょうけど、4番目のヤマハライダーですよ。Moto3からだっていいでしょう。うちのライダーとして誰が最適か見極めるのに時間がほしいというのはそれが理由でもあるんです。うちは家族的なチームで、でもみんな嘘をついて自分には契約がないと言う。で調べてみると2年契約があったりする。だからチェコまで待つことにしたんですよ。

CRASH.net:Moto3ライダーから選ぶとすると2015年のカタール開幕戦までにMotoGPのテストは4回しかなくって、それなりにリスクを冒すことになりますけど?
ポンシャラル:もし実力があれば、それでルーキーイヤーに4番手のライダーが勝つことなんてだれも期待してないなら、で、そのライダーが充分賢くてチームの助けがあれば、12日間のテストで充分ですよ。プレッシャーもないんだから気楽な気持ちでスタートできますし不可能なことなんてありませんよ。

CRASH.net:ジャック・ミラーかロマーノ・フェナティかアレックス・リンスは候補に入っていますか?
ポンシャラル:いいえ。その3人は候補ではないですよ。ジャックとはかなり話し合いましたけど、彼とだけ話しているわけでもないですしね。
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「競争は激しいし、これは赤十字じゃない。だから辛いこともあるし厳しくならなければならないこともあるんです。競争の世界に身を置くと決めたら、その世界のルールでいくしかないんです」・・・かっこいい・・・。

で、スミスは馘ですかねえ・・・。

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