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グッドウッドが愛される理由

イギリスの貴族が私有地(!)で1993年から開催しているグッド・ウッド・フェスティバル・オブ・スピード(ウィキペディアの説明はこちら)。映像でみるだけでもとても楽しそうなイベントで、私的なものとはとても思えない規模と完成度なんですが、これがどうしてそんなに愛されているのかについてマット・オクスレイ氏がMotorSportMagazineに書いています。
私もいつか行ってみたいイベントのひとつ。リンク先の写真も是非ご覧あれ!とても楽しそう。
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私はアッセンには行っていない。先週は北東に向かうのではなく、その反対方向、グッドウッドに向かったのだ。

グッド・ウッド・フェスティバル・オブ・スピードはエンジン好きにとっては、グラストンベリー(訳注:野外ロックフェスの開場)やアスコット競馬場に匹敵するものだ。ドライバーズクラブの周りをうろうろすれば、そこには着飾った男女がたくさんいる。なによりここは爆音に満ちた生きたモータースポーツ博物館なのである。

これがグッド・ウッド・フェスティバル・オブ・スピードに20万人もが集まる主な理由である(集めようとすればもっと集まるだろうがウェストサセックス州が大渋滞を恐れてこれ以上のチケット発売を許可していないのだ)。他のスポーツと違い2輪レースや4輪レースには道具の歴史が詰まっている。誰も(もちろん私も)100年前のラグビーのゴールポストやクリケットのスタンプを観に行くために国を横断したりはしない。しかしフレディ・スペンサーが乗った1985年型のロスマンズ・ホンダNSR500やジャコモ・アゴスチーニの1969年型MVアグスタを観に行くためならよろこんでそうするだろう(もちろん私もだ)。

この催しは混乱ぎりぎりのところで踏みとどまっているように見える。しかしよいパーティーというのはそういうものだが、あるべきところに収まっているのだ。ファンはバイクに群がり、メカニックが目の前でエンジンに火を入れるとびっくりして飛び上がる。私は週末に何台かのマシンでヒルクライムをやったのだが、パドックからスタート地点までマシンを押すときに、群がる人々をブリッピングで押しのけるのはちょっと楽しかった。

怖がった人も何人かいたかもしれないが、これこそがレースイベントに行く理由ではなかろうか?100mもあろうかというグラベルと3mもあるフェンスの後ろに座ってライダーとマシンが来ないかと地平線に目をこらすよりよっぼど楽しいだろう。

これがフェスティバル・オブ・スピードの人気のもうひとつの秘密である。もしMotoGPやF1のパドックパスをなんとか手に入れるとか借りるとか盗むとかしても、レーサーやマシンの近くによることができたならそれは幸運というものだ。グッドウッドではしかしそれが実現する。目の前にいるのだ。まあ人混みをかきわけて到達しなければならないというのはさておいてだが。

この週末を経て、私はなぜドルナが1ラウンド3クラスのレースを開催する以上のファンサービスをしないのか不思議に思うようになった。シルバーストンのようにファンサービスに力を入れている主催者もいるが、しかしほとんどの場合は80ポンドと引き替えに3つのレースを見せて、では来年、となってしまうのだ。

ドルナはテレビ放映にとりつかれているが、本当はサーキットに来たファンが支払っただけの楽しみを得るように努力すべきなのだ。MotoGPの技術の歴史展みたいなものを巡回してもいいだろう。

グッドウッドの丘を登るのはジャーナリスト冥利に尽きる体験となった。週末を通してライディングの前後にあちこちのエリアで何時間も今のそして過去のスターたちと一緒にいたのだ。彼らにも逃げ場はなかった。その機会を逃さないために私はボイスレコーダーを右のブーツに突っ込んでおいた。

私のちょっとしたインタビューを逃れられるライダーはいなかった。アゴスチーニからファースト・フレディー、ブラッドリー・スミスにスコット・レディング(彼らは日曜のためにプライベートジェットでアッセンから飛んできた)。グッドウッドはこのために間違いなくかなりのお金をつぎこんでいる。

日曜の朝にはレディングと話をした。その後、彼はロスマンズ・ホンダRS500のスペンサーレプリカに乗っている。その数m先にはスペンサー本人が笑顔で195年型ロスマンズNSR500にまたがってスロットルをひねっている。私はレディングに対してあれに乗れなくて残念ですねと言ったら、レディングが、何が違うのか聞いてきた。そこで私はRSはRCV1000RみたいなもんでNSRはマルク・マルケスのレプソルRC213Vみたいなものだと説明した。確かにレディングがNSR500やRS500について知るわけがない。彼が生まれたのはスペンサーが引退する直前なのだ。

丘の頂上では、土曜の午後にアゴスチーニに対してマルケスについて聞いてみた。何が彼をそれほど特別な存在にしているのだろうか?銀髪の伝説的英雄の答えはこうだ。「なんでマルクがあれほど速いかなんて誰にもわからないよ。マルク自身だってわかってないだろう。内なる何か、神から与えられた何かだと良く言っているんだ」・・・なるほど・・・。

何よりもおかしかったのはワイン・ガードナーが日曜の朝に丘の頂上で頭を抱えながら前夜のパーティーで飲み過ぎたシャンパンによる二日酔いをなんとかしようとしていたことだ。そのパーティーのサプライズゲストはビーチボーイズだった。彼らは演奏したのだ!本当に驚いた。

最もおもしろくなかったこと(少なくとも私にとって)は、ジョン・マクギネス(訳注:マン島TTのレコードホルダー)にいいところを見せようとケヴィン・シュワンツの1933年型スズキRGV500でウィリーしようとしたときのことだ。何かのタイミングがずれて、危うく目の前をうろつく往年のGPマシンに突っ込むところだった。彼は大笑いしたに違いない。
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日本ではパドックパスが普通に売られている上、ピットウォークもあるんで一概には言えませんが、それでもがんばってファンサービスしている方なのかもですね。

そして「近くで見てなんぼ」というのは大賛成。というわけで今年の日本GPは久しぶりに(いつものZ席だけど)かぶりつきに席を取ろうと思ってます。Z席が自由席だった時代はいつもそうだったし、コース全体を見渡すためにスタンドの上の方に行くくらいならテレビで十分かもと思ったんですよ。

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