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私はどんな風に翻訳しているのか Part2:英文和訳は区切りが命!

先日翻訳の方法に関する記事を書いたら、私の周辺では比較的好評だったので調子に乗って第2弾をやってみます。今回の題材は昨日訳したこちら

今日のテーマは「どこで区切って訳すか?」です。区切りを見つけられればあとは辞書と日本語能力に頼って英文和訳はできますよん、というお話。

さて、私のやり方ですが、英文和訳は英語の語順の通り、前からパーツごとにばんばん訳していって、最後に日本語の語順に整えれば完成、というのが基本です。で、ここでポイントとなるのが「パーツごとに」ってところなんですね。

区切りを上手に見つけられれば、「パーツに分解」&「パーツをつなぐ前置詞、接続詞、関係代名詞、過去分詞、現在分詞、不定詞等々を見ながらパーツ間の関係を把握」→「そこまで理解できればパーツごとに翻訳して、正しい関係につなげて日本語の語順にする」という流れで翻訳が進みます。

例えば一番最初のこの文章。「At the Barcelona round of MotoGP – or to give it its full title, the 'Gran Premi Monster Energy de Catalunya' – title sponsors Monster Energy are to unveil a new flavor of their product, called 'The Doctor', marketed around Valentino Rossi.」 訳すときはどこに区切りがあるのか意識しつつ、

At(~で)「MotoGPのバルセロナラウンド」
–or(または)「その正式名称で言うならモンスターエナジー・カタルニアGP」
「冠スポンサーのモンスターエナジーは新たなフレイバーの製品を発表する」
,called(~という名の)「ザ・ドクター」
,marketing around(~をマーケティングの中心に据えた)「ヴァレンティーノロッシ」

と、とりあえず訳しちゃいます。この文章は「–」とか「.」で区切られているからあまり悩まなくていいですね。これを日本語の語順に整えると、「モンスターエナジーはMotoGPのバルセロナラウンド、正式名称で言うならモンスターエナジー・カタルニアGPで、ヴァレンティーノロッシをマーケティングの中心に据えたザ・ドクターという名の新たなフレイバーの製品を発表する」となるわけです。掲載版では「カタルニアGPの正式名称は「モンスターエナジー・カタルニア・グランプリ」である。その名の通り冠スポンサーのモンスターエナジーはここで「ザ・ドクター」というヴァレンティーノ・ロッシをフィーチャーした新製品を発表する。」としてますが、これは私が楽して英語の語順の通りに訳しちゃってるからですね。たぶん前者の方が英語のテストではいい点数がもらえます。

区切りはどこにあるかというと、


  • 「,」とか「–」とかの明らかな区切り記号

  • 「at」とか「on」とか「before」とか、とにかく前置詞

  • 「and」とか「but」とか「or」とか、とにかく接続詞

  • 「that」とか「what」とか「where」とか、とにかく関係代名詞

  • 結構忘れがちですが例文で言うと「called」みたいな過去分詞の前:これは「that is called」という関係代名詞でつながるところを省略していると考えてください。あと「marketing aroud」は現在分詞ですが、これも「that is marketing around」の省略型ですので、marketingの前で切って読みます

そして区切るべきところをみつけるもう一つのポイントは動詞です。一区切りに(不定詞も過去分詞も現在分詞も含めて)動詞はひとつだけになるように区切るのです。逆に動詞が一区切りに2つ以上入っていたら、もう少し分解できるということですね。

ではこの文章はいかがでしょう?(5段落目の3つめの文)
「What seems likely is that if the pressure from government regulators and legislators grows too great, energy drink companies will reduce their presence in traditional sports while they explore alternative avenues.」

動詞を数えていきましょう。「seems」「is」「grows」「will reduce」「explore」と5つもありやがります。区切りの目安は「What」「that」「if」「and」「,」「in」「while」と5つかー。でもこの数が一致しているからといって区切りもそのままいくとは限らないのが罠のひとつなんですよ。ま、とりあえず区切って訳していきます。

What seems likely」ここまでが主語ですね。補語は「that」以下。要するに「that〜ということがありそうだ」というSVCの構文です。
「that」「if」って関係代名詞と接続詞が並んでいますが、ここは混乱しないで上述の通り、「that」以下が補語なので、「if」以下を落ち着いて区切っていきます。
if the pressure from government regulators and legislators grows too great」:「もし政府の規制当局や立法府からのプレッシャーが思ったより強くなるのであれば」としておきます。あ、andが区切りになるはずなのに区切ってない、と気付いたあなた、鋭い!ただこのandは動詞と動詞をつないでいるのではなく、名詞と名詞(regulatorsとlegislators)を繋いでいるだけなので、あまり気にしないことにしました。
energy drink companies will reduce their presence」:「エナジードリンクメーカーはその存在感を薄めていくことになるだろう」
in traditional sports」:「伝統的なスポーツにおける」
while they explore alternative avenues.」:「彼らが別の道を探る一方で」

あとは日本語になるようにつなげるだけ。「もし政府の規制当局や立法府からのプレッシャーが予想以上に大きくなるのであれば、エナジードリンクメーカーは伝統的なスポーツへの関与を小さくして、別の道を探ることになるだろう」という感じでしょうか。

次の次の文章も面白い構造ですね。もう解説無しで区切っちゃいます。ポイントは大事なことなので何度でも言いますが、前置詞・接続詞・関係代名詞&一区切りに動詞はひとつ。
「Like the tobacco companies」 「that came before them」「, they have no particular loyalty to motorcycle racing」「, other than the fact」「 that part of the audience」「 they wish to capture」「 (young」「, fashion-conscious」「 and with money to spend on trend-sensitive goods」「, which energy drinks」「 basically massively overpriced caffeinated sugar water」「 surely are) 」「follow the sport.」

区切りすぎて何がなんだかわからなくなってるかもしれませんが、気にせず訳していきましょう。()内は実際に私が頭の中で訳しながら読むときに補っていることばと心の声です。

「タバコメーカーと同様に」「(タバコメーカーは)彼らの前にいたのだが」「別にモーターサイクルレースに忠誠心があるわけではない」。「〜という事実以外には」。(どんな事実かと言うと)「観客の一部」、(どんな観客かというと)「彼らがつかまえたい観客」(つまりは)「若くて」「流行に敏感で」「流行のものに使うお金がある」。(例えば)「エナジードリンクは」「要するにとんでもなく高価でカフェイン過多の砂糖水(だが)」「これも間違いなく流行の一つ」(という層が)「モーターサイクルレースを観ている」

これを日本語に組み立てるわけです。組み立てるときは接続詞や関係代名詞をみながらやっていくわけですが、それは別のお話。(実際には例えばthat以下は、主語に対する動詞をとっとと見つけて、「the part of the audience」「follow the sport」:「観客の一部がレースを観ている」という骨を作ってからそこに飾りをつけていってます。あ、この文章の骨をみつける話もいつかしよう。)

「エナジードリンクメーカーの前にレースに資金を提供していたタバコメーカーと同様に、別に彼らもレースに忠誠心があるわけではない。ただレースを観ている観客には彼らが取り込みたい、若くて流行に敏感で流行のもの(意味なく高価でカフェイン過多の砂糖水であるエナジードリンクも流行のひとつには値内々)に金を使える層がいるというだけなのだ。」

で、くどいところは省略したりして、掲載版の「タバコメーカーと同様に、彼らは別にモータースポーツに忠誠心があるわけではないのだ。若くてセンスが良くて流行(意味なく高価でカフェイン過多の砂糖水 であるエナジードリンクもその流行のひとつに違いない)に金を使うという、彼らが取り込みたい層がモータースポーツの観客と重なっているというだけなので ある。」となったわけですよ。

さて、次回はさっき思いついた「文章の骨(主語+動詞)を探す」というネタで行きましょうか(ま、今回が好評なら、ですが)。

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