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ストーブリーグに(ばかなことを)想う

写真家のScott Jones氏の妄想新ルールに関する楽しいコラムをAsphalt& Rubberからどうぞ。
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フランスGPの最初の1周のおかげでMotoGPファンはずいぶん楽しむことになった。まずはアンドレア・ドヴィツィオーゾがマルク・マルケスを抜いてトップに立ち、そのおかげでポールだったマルケスは2番手に落ちてしまう。その一瞬後にはステファン・ブラドルも彼をアウトからパスし、マルケスは3番手に。

集団がダンロップシケインにさしかかると、ポル・エスパルガロにも抜かれ4番手に、さらにヴァレンティーノ・ロッシにラ・シャペルで抜かれ5番手に落ちる。ホルヘ・ロレンソがガラージュ・ヴェールでマルケスを無理矢理抜くと、彼はコースアウトし結局10番手で復帰することになった。

ランキングトップのマルケスにとっては散々なスタートとなったが、ファンにとっては素晴らしい半周であった。マルケスがトップに立って逃げるなどという眠気を誘う展開ではなく、彼が10位から追い上げるのを見られるのだから。

後の数周はマルケスがMotoGPの他の誰よりも高いレベルで走れることを示すこととなった。彼が確実に前のライダーを抜き続けるのは素晴らしい見物だった。彼が一人でタイムトライアルのような走りを続け、残りの集団が彼に追いつこうとむなしい努力を続けるのとは比べものにならない楽しさだ。

マルケスがトップを目指して走るのを見るのもおもしろかったが、ドヴィ、ロッシ、ブラドル、そしてポル・エスパルガロが2位争いではなく素晴らしいトップ争いをしたのだ。

実を言うとこれを見たのはフランスからの帰りのフライトでなのだが(写真を撮っていたので現場では一部しか見られていない)、その間中思い出していたのは2012年にリヴィオ・スッポと交わした会話である。

よくあるオフレコ会話で、本当は全部お伝えしたいくらいおもしろいのだが、そこで話題になったのは最高のライダーが最高のマシンに乗るとレースは最低のつまらなさになるということである。

それはIROCレース(使われる車はドライバーの技量がはっきり出るよう可能な限りイコールコンディションとされる)にヒントを得たアイディアの話から始まった。
私は言った。「おもしろいとはおもいませんか?ライダー-メーカー間で契約が取り交わされるというモデルを捨てて、ライダーが独立するんです」 驚いたことにスッポも全く同じアイディアを私に語り始めた。彼は彼で何年もそれを温めてきたという。そこで私はどこかで彼からその話を聞いて、いつの間にか自分のアイディアだと思い込んでしまったのだろうかとまで考えたほどだ。

まあどちらでもいいだろう。そのアイディアはこんな風に展開する。メーカーがライダーを契約で支配下に置くのではなく、パーソナルスポンサーを得たライダーがシリーズに参戦する。参戦するのはメーカーではないということだ。

メーカーはマシンを設計、製作し、ワークス以外のチームはスポンサー契約に基づきシャーシ及びエンジンをリースまたは購入する。

レースごとにライダーは違うマシンに乗る、つまりマシンも多くのライダーに乗られるということである。最高のライダーとはシーズンを通して異なるマシンを乗りこなしたライダーとなる。最高のチームは異なるライダーで最高の成績を挙げたところだ。

どのチームもマルク・マルケスを走らせる機会がある。ある週にレプソル・ホンダに乗ったと思えば、次の週はイオダARTに乗るといった具合だ。ダニオ・ペトルッチにも同じことが起こる。最低のマシンに最高のライダーが乗ったら何が起こるか見られるのだ。そしていつもバックマーカーになるようなライダーが最高のライダーに乗ったら何をしてくれるかがわかる。

毎レース、ライダーとマシンの組み合わせが変わるということは、現在のシステムではほとんどテレビに映らないようなチームがトップライダーが乗るときには突然注目を浴びることになるということだ。そしてペトルッチのようにパワーのないマシンで苦闘しているライダーも、自分の能力を見せつける機会が複数できるということになる。

最高のライダーが最高のマシンに乗る機会は1シーズンに数回しかやってこない。しかしそういう場合でも毎週ごとにセッティングが進化していくということがなくなるので、今ほど圧倒的ではなくなるだろう。

この理論でいけばレースはもっと激しいものになり、楽しいものになるはずだ。様々なマシンをシーズンを通して乗りこなすことでライダーは自分の才能を証明できる。メーカーはライダーによらず自分たちのマシンが最高のポイントを獲得できることを証明するのだ。

ライダーとサテライトチームはこの話に乗ってくれるかもしれないと思っている。しかしメーカーチームが乗るとは思いにくい。ホンダは当たり前だが自社のマシンにマルク・マルケスとダニ・ペドロサが乗ってくれて完璧にハッピーな状態だからだ。

ほかにもこれがアイディアに留まり実現に向かわない理由は山ほどある。その中のいくつかはこの記事へのコメントにも書かれるだろう。

しかしこれからの数年間、マルク・マルケスがレプソル・ホンダで独走するのを何度も見せられることになるのだ。そのたびに私はついこのアイディアを思い出してしまうだろう。これがスッポのアイディアだろうと私のアイディアだろうとそれはどうでもいいことだ。そして私はマルケスがヘイデンのRCV1000やPBMや、(これが一番おもしろそうだが)ドゥカティに乗ったらどうなるだろうかと妄想してしまう。

日曜日には何が起こるか全くわからないレースがやってくるのだ。つまりフランスGPの最初の11ラップみたいなことが毎レース起こるのである。それが 私には素敵に思えて仕方がないのだ。
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どんな組み合わせが最も楽しいか妄想しましょう!

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コメント

面白いアイディアだと思うけど「世界選手権」としてはどうだろうか?
メーカーとチームとライダーが協力しバイクを造り上げていく過程も含めて一つのシーズン、数年の流れ、この一戦に注目し「世界選手権」と認知しているのではないだろうかと思うのですよ。
ライダーだけでは成立しないスポーツだと考えるのですが。

投稿: サトウ | 2014/05/30 08:06

>サトウさん
 それも一理ありますね。でもマルケス独走が何シーズンも続くより、私は今回のアイディアの方がおもしろいなあと。もっともチームやメーカーにスポンサーがつくかどうかが疑問ですが・・・。

投稿: とみなが | 2014/05/30 22:23

F1でも同様のアイディアが数年前にありましたね。

投稿: ひさすえ | 2014/05/30 23:26

>ひさすえさん
 へぇ〜。でも導入されなかったんですね。やっぱ難しいのか〜。

投稿: とみなが | 2014/05/31 19:08

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