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重量制限に関する大議論:近々MotoGPの重量制限が引き下げに

さっきの翻訳ネタで使ったMotomatters.comの文章を全文訳出。実はさっきの記事で解説しているほどには考えずにやってることがよくわかりました(←考えろよ)。
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340mmカーボンディスクがMotoGPで再び許可されるというニュースのせいで水面下でここしばらく続いてきた議論が再燃している。 既に義務になっているもてぎに加えて全てのサーキットで340mmディスクがやっと使えるようになったのだ。これは過去3年にわたってMotoGPマシン のパワーと重量が増してきたためである。しかし真の解決策は最低重量を下げることにあるはずだ。
グランプリコミッションが320mmより大きいディスクを禁止したのは皮肉なタイミングだった。コストカットと合理化のためにこのルールが導入されたのは MotoGPが1000ccに戻ったときなのだが、これは同時にマシンがより速くなることを意味していたのだ。さらに問題を悪化させたのは最低重量の引き 上げだった。当初は800cc時代の最低重量150kgが153kgに引き上げられたのだが、しかし話はここで終わりではなかった。CRTマシンが生き延 びられるように2012年には157kgへ、そして2013年には160kgへと2段階で最低重量が引き上げられることになったのだ。

2年間でエンジン排気量は25%上昇し、馬力は10%程度上がることになった。一方重量も7%近く重くなっている。いかにもブレーキに問題を起こしそうな話であり、実際にそれは起こっている。ベン・スピースは2012年のもてぎでブレーキが利かないというトラブルに見舞われた。それで2013年には大型ディスクがもてぎで義務づけられたのだ。2013年のヤマハライダーは全員が口をそろえてブレーキングパワーの欠如を指摘し、カル・クラッチローは未だにドゥカティ・デスモセディチGP14のブレーキングに悩まされている。340mmディスクが使えるようになればすぐに問題は解決するだろうが、長期的には最低重量が再び引き下げられることが必要である。

このルール改正は意外とすぐに導入されそうだ。2016年のMotoGPルール大改正までには最低重量引き下げもなされそうな勢いである。市販ベースのCRTマシンは既になくなったことで最低重量をどうしても重くしなければならない理由がなくなったのだ。新世代のオープンクラスマシンはCRTよりファクトリープロトタイプに近い。つまり重量削減はそれほどたいへんな話ではなくなったのである。市販ベースのオープンマシン(アヴィンティア・カワサキやアプリリアRSV4のエンジンを使うARTやPBM)でさえ、この数年の開発を経てプロトタイプマシンに近づいているのだ。

では重量はどれくらい削減されるのだろう。ヘレスでレースディレクターのマイク・ウェッブが我々に語ったところでは、155kgか、ことによったら150kgまで削減することを考えているとのことだ。もっとも155kgの方が可能性が高いようだが。どちらの重量でも大丈夫などころか、もっと軽くできるとの話もある。フレームデザインの天才であるFTRのマーク・テイラーがそれほどコストをかけずとも達成できる重量について語ったところでは、給料分だけ働けるまともなエンジニアなら150kgのMotoGPマシンを設計できるとのことだ。それ以下だとかなりたいへんだが、高価な素材と技術を使えば140kgでもいけるかと尋ねられると、彼は可能だと答えた。ただしマシン自体が高価になるとも言っているが。

とは言うものの、重量制限引き下げの主な理由はブレーキングの問題だけではない。それ以上に切迫した理由があるのだ。スピードと重量が増加すればクラッシュしたときにマシンが飛ばされる距離が伸びるのである。ハイスピードで走るMotoGPマシンのもつ運動エネルギーは莫大だ。350km/hまで加速するのには莫大なエネルギーを擁する。もちろんこれを減速するにも同じだけの逆向きのエネルギーが必要だ。現在のクラッシュ対策は舗装部分→グラベルトラップ→エアフェンスの順となっているが、これも限界に来ている。エアフェンスは最後の手段としての意味しかない。理想的にはマシンもライダーもグラベルの終わりに達するまでに止まっていることが望まれるのだ。エアフェンスには可能な限り当たらないようにすべきである。

これまでエアフェンスはどんどん奥に設置されるようになっているが、とんでもなくコストがかかる対策である。しかも観客にとってもコースから遠ざかることになりいいことはない。そしていくつかのコースでは既にそれも難しくなっている。もうこれ以上エアフェンスが下げられなくなっているコースもあるのだ。例えばザクセンリングの1コーナーは既に10コーナーと11コーナーを結ぶセクションに近づいてしまっている。アッセンのラムズホークのランオフエリアはパドックに接さんばかりだ。ムジェロのストレートエンドにあるサン・ドナートは大きな丘の下にあるがランオフを拡張するためにその丘を掘り返すことになった。もしこれ以上スピードが上がれば、これはコーナリングスピードでもトップスピードでも同じだが、MotoGPで安全に走れるサーキットなどなくなってしまうだろう。

この問題を解決するには2つの方法がある。運動エネルギーは1/2mv²(訳注:mは質量、vは速度)で定義される。クラッシュしたマシンが滑る距離を減らすのに最も効果的なのはクラッシュ時の速度を落とすことだ。速度は運動エネルギーに対して2乗で効いてくるので、これを下げれば効果は絶大だ。しかしスピード制限は難しい。ドルナはトップスピードを下げるための回転制限を導入しようとやっきになっているが、この結果コーナリングスピードが上がることになるのは火を見るよりも明らかだ。800ccに排気量を制限したときに起こったのが正しくこれである。トップスピードを下げるならコーナリングスピードを下げる方策も導入しなければならない。これはグリップを下げるしかないが、そのためには電子制御を簡単なものにするか、タイヤの性能を落とすことになる。しばらくGPに参加していなかったミシュランの復帰は短期的には効果はあるだろう。しかしその内ミシュランの性能も現在のブリヂストンの性能まで上がってくるだろうし、そうなれば振り出しに戻ることになる。

重量を減らすのにはスピードを減らすほどには効果がない。重量と運動エネルギーは指数関係ではなく比例関係だからだ。しかし導入するのも簡単だし管理も簡単だ。ワークスは3メーカーとも最低重量を守るためにおもりを積んでいる。チタンやその他の特殊素材をステンレスに替えて重量を稼ぐこともある。おもりを取り除くとセッティングはかなり変更することになるし、設計も大幅に変更しなければならないかもしれない。しかし技術革新を必要とするわけではないのだ。2016年には新たなタイヤサプライヤーが来るし、電子制御も統一されしかも現在のものほど複雑ではなくなる。これを機に最低重量引き下げについての議論もまた始まるだろう。つまりは時間の問題ということである。
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そしたら鈴鹿に戻ってくるとかないかなあ・・・。

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私はどんな風に翻訳しているのか

2005年からだからもう10年近く海外サイトの翻訳をやっていて、そういえば自分ってどういう風に翻訳してるんだろうと興味がわいてきました。というわけで解説付き実況翻訳というのをやってみます。お時間とご興味のある方はどうぞご笑覧くださいませ。

ネタはこちらのMotomatters.comの記事。ちなみにMotomatters.comはオランダ人のDavid Emmetさんが書いているのですが、ネイティブの記事と比べて英文法がちゃんとしてるので参考にしやすいかと思います。

まず用意するものですが、
(1)英語翻訳サイトのブックマーク
 私はWeblioを基本に、俗語はUrban Dictionaryを組み合わせています。

(2)電子辞書
 これは何でもいいですが、一応英和と英英を使うことが多いですね。

(3)英文法に関する基本的な理解
 英語は「主語+動詞」が基本で、これに「目的語」がくっつくとかいった中学3年生くらいの英文法は理解していないとつらいです。基本5文型はわかっていることが前提。別にSとかVとかが何かわかっていなくてもOKですが一応列挙しておきます。懐かしい・・・。


  • SV(主語+動詞:I sing.とか)

  • SVC(主語+動詞+補語:主にbe動詞なやつです。I am a man.とか)

  • SVO(主語+動詞+目的語:一番普通の文章ですね。I read a book.とか)

  • SVOO(主語+動詞+間接目的語+直接目的語:○○に▲▲した、なたいなやつ。I give her a ring.とか)

  • SVOC(主語+動詞+目的語+補語:○○を▲▲の状態にした、みたいな感じ。I kept her waiting.とか)


(4)基本的な単語に関する理解
 前置詞(at、on、in・・・)、接続詞(and、but、or、for、so)、関係代名詞(that、what、where、when・・・)は頻出します。これは文の構造を理解するのに超重要!
 こつは

  • 接続詞の前と後は基本的に同じ構文なので、例えばandが何と何をつないでいるかをみつけるには、同じ構文になっている2つの組みを探すのが近道

  • 関係代名詞は例えば「▲▲+which+○○」だったら「○○であるところの▲▲」と読むのが基本ですが、「,」が前についている(▲▲+,which+○○)場合は接続詞を補って読みます。これはどっかに例が出てきたらまた説明しますね。

(5)日本語力
 当たり前のようですが、日本語になっていない(意味がつたわらない)翻訳は、要するに間違っているということです。英語で理解しても伝わる日本語にならなければ翻訳ではないということでもあります。そういう意味では訳している文章の分野(この場合はバイクレース)についての知識もなんとなくあるといいですね。340mm discというフレーズを見て、フロントのブレーキディスクだということがわかっていないと、文章があっているかどうかもわからないですから。

(6)酒とつまみ
 つまみは手がべたべたしないものが吉。

前置きがながくなりましたが、準備ができたところで始めますか。


私はこんな感じで左に翻訳対象、右にテキストエディタを開いてやってます。
Screen


ではタイトルから。
The Great Weight Debate: Minimum Weights To Be Reduced Soon In MotoGP
重量制限に関する議論、と読んで、それがGreatなんだけど、どうGreatかは本文を読んでから判断することにしましょう。「偉大なる」って感じじゃなさそうですしね。「:」以下はそのまま「最低重量が引き下げられる」と読むわけですが、これがsoon(すぐに)かつin MotoGP(MotoGPで)なので、日本語にするときはとりあえず「Greatな重量制限関連議論:近々MotoGPで最低重量が引き下げに」とまで訳しておきます。タイトルって省略が多いので、結局本文を読んで最後に日本語を整えた方がいいことが多いです。

では本文に入りましょう。以下、本当に訳しながら打っているので、超冗長、試行錯誤の様子まで書いていきます。すいませんがおつきあいください。って、この記事、全文の翻訳を解説するわけじゃないのでご安心を。最初の2段落だけの予定です。

The news that 340mm carbon brake discs are to be allowed once again in MotoGP has rekindled a debate that has been going on behind the scenes for some time.

「The news that」まで読んで「なんとかというニュースは」とまで解釈できます。その後、どんなニュースかというと、と思いながら「that」以降を読んでいくと(ここでthatは関係代名詞だとわかって読んでいるんですが、それは名詞のすぐ後にきているから、というのとthat以降が文章になっているからです)「340mm carbon brake discs are to be allowed」ときて「340mmカーボンディスクが許可されたというニュース」とまで読んでいきます。その後に続く「onece again...」というのは付け足しなので、軽く流しましょう。そしてちょっと不安になりつつ「The news」という主語に対する動詞を探しますが、この場合は「has rekindled」がすぐにみつかります。そこでほっとしつつ、「ニュースが何かを再燃させた」とまで理解。で、何を再燃させたかというと「a debate」なわけです。この文章は要するに、主語S:The news、動詞V:has rekindled、目的語O:a debateのSVO構文ということですので「ニュースが議論を再燃させた」となります。

 このあたりで私はタイプを始めます。「340mmカーボンディスクがMotoGPで再び許可されるというニュースが」までは確定。で次はどんな議論を再燃させたか読んでいきましょう。「that has been going on」ですから「このところ続いている(議論)」となります。で、「behind the scene」は「表舞台の裏で」ととりあえず理解しておきます。そんな日本語はないので、後から整えますが。「for some time」は「ここしばらく」とくるわけです。つなげると、このところ続いている(議論)」「表舞台の裏で」「ここしばらく」 日本語として整えると「水面下でここしばらく続いてきた議論」とでもなりますか。でさっき訳した主語部分とつなげると「340mmカーボンディスクがMotoGPで再び許可されるというニュースが水面下でここしばらく続いてきた議論を再燃させた」となります。これで最初の文は完成。


次の文にいきましょう。

The move to allow the discs at all tracks, and not just Motegi where they are already compulsory, has come as both power and weight of the MotoGP machines has grown over the past three years.

ぱっとみで「The move to allow the discs at all tracks, 」までを「そのディスクを全コースで使用できることを許可するように変更されるという事実は」と読むんですが、瞬時に「340mmディスクを全コースで使用できるよようになったことで」と変換しています。これは日本語が長い文章を主語にするようにできていいないので、不定動詞やThatで始まる(「・・・ということは」みたいな訳になる)文章は「・・・を理由に」と訳すと収まりがいいからです。次の「 and not just Motegi where they are already compulsory,」は「もてぎ、ここでは既に340mmディスクが義務となっている」みたいにとりあえず英語の語順の通りに訳します。んでここまでの文章を整えてタイプを始めます。「340mmディスクが既に義務となっているもてぎに加えて、全てのサーキットで大型ディスクが使えるようになったことで」とくるわけです。で、「それで何が起こったんだろう」と思いながら読んでいくと(←ここ重要!文章の流れにそって「ふむふむ、それで?」となりながら読まないと文脈をとらえきれないことがあるんですよ)、「has come as both power and weight of the MotoGP machines has grown over the past three years. 」とくる。

あ、さっきの偉そうに書いた「○○なことで」という文末は間違い(><)と気付きました。なぜそれがわかるか。この文章、「,」があるところ以外のどこで切れるかというと、ちょっとわかりにくいのですが、「has come」の後ろなんです。つまり飾りをとっぱらうと「The move has come」「as」「power and weight has grown」なんです。だから訳すなら「ついにmoveがやってきた。パワーと重量が増してきたからだ」となるんですね。すみません。ほんとに冗長で。

で、moveですねえ、とりあえず「ルール改正」とでも解釈しておきますか。

じゃあもといして、「ついに既に義務になっているもてぎに加えて全てのサーキットで340mmディスクが使えるようになったのだ。これは過去3年にわたってMotoGPマシンのパワーと重量が増してきたためである」としましょう。

「ルール改正」はどこいったかって?「ようになった」ってところにそんな感じを入れてるつもり。最終的に逐語訳にはならないってこともよくあります。

さて、ここで解説です。この文章、接続詞が3つ出てきます。andが2つとasがひとつ。それぞれが何と何をつないでいるかを考えることも構文の解釈には重要です。まず最初のand。これはall tracksとMotegiをつないでいるのはMotegiがサーキットのひとつであることから自明ですね。where以下はもてぎを解説するための文章なので気にしなくて構いません。では次のandは?これも簡単。powerとweightですね。問題はasです。これはasの後ろがまるごと文章になっているので、これとつなぐ前の部分も文章のはずと思いながら読むと、上記の通り「The move has come」と「power and weight has grown」をつないでいることがわかります。とりあえずandが何と何をつないでいるかを()でくくると、こんな感じになりますね。

The move to allow the discs at (all tracks, and not just Motegi where they are already compulsory),has come as both (power and weight) of the MotoGP machines has grown over the past three years.


みなさーん、ついてきていただけてますかー?


次の文章は簡単です。もう文章の順番で訳すだけ。

But the real solution lies in reducing minimum weight.

「しかし真の解決策は最低重量を下げることにある。」

でもこの記事の一番言いたいことなので、とても重要です。ってこの3つめの文章の段階でなんとなくわかりますね。英語というのは基本的に結論が先に来るので、今回もそういうことでしょう。


次の段落にいきましょう。


There was a certain irony in the moment chosen by the Grand Prix Commission to ban carbon discs larger than 320mm.

There was a certain irony はとりあえず「皮肉なものだ」とでもしておきましょう。何が皮肉かというと「グランプリコミッションが320mmより大きいディスクを禁止したタイミング」って感じですかね。「the moment chosen by GPC to ban」を「GPCが禁止したタイミング」と訳していますがちょっと自信がないので、次の文章を読んでからこの文章は確定することにします。


The move – made for reason of cost savings and rationalization – came just as MotoGP was to return to 1000cc, meaning the bikes were about to reach higher top speeds.

ちょっとめんどくさそうな構文のときは主語と動詞を確認します。この場合は主語が「The move」、動詞が「came」ですね。as以降は○○の時、を表す前置詞ですので、「このルール改正は行われた。それはMotoGPが1000ccに戻ったときに」という文章になります。
次に飾りをつけていきます。まず飾り1。「– made for reason of cost savings and rationalization – 」→「コストカットと合理化のために導入された」と読みます。なので主語は「コストカットと合理化のために導入されたこのルールが」という感じですね。
飾り2は「meaning the bikes were about to reach higher top speeds」。meaningは意味する、なのですが、何を意味しているかというと「the bikes were about to reach higher top speeds」つまり「マシンがより速くなること」です。

さてパーツができました。
「コストカットと合理化のために導入されたこのルールが導入されたのはMotoGPが1000ccに戻ったとき」
「これ(1000ccに戻ること)はマシンがより速くなることを意味していた」

そこで前の文章を思い出してください。「グランプリコミッションが320mmより大きいディスクを禁止したのは皮肉なタイミングだった」とすれば、次の文章を「コストカットと合理化のためにこのルールが導入されたのはMotoGPが1000ccに戻ったときなのだが、これは同時にマシンがより速くなることを意味していたのだ」とすれば皮肉な感じが出ますよね。マシンは速くなったのに止める力(ディスクのサイズ)は制限されたってあたりが皮肉だってことです。こんな風に文章の意味を考えながら訳していくのも重要でございますのよ。いま気付いたんだけど。


次いきましょう。

Compounding the problem, the minimum weight was also increased.

「Compaunding the problem」はその通りに「さらに問題を悪化させたことに」と読めばOK。で、「何が起こったんだっけ」と思いながら次を読むと「the minimum weight was also increased」→「最低重量が引き上げられた」とくるので、ここはそのままいきましょうか。

The initial proposal was to raise the minimum from 150kg, the weight of the old 800cc machines, to 153kg.

英語の場合は文章の飾りを「,」〜「,」で区切ることがあるんですが、これが典型ですね。だからとりあえず「The initial proposal was to raise the minimum from 150kg to 153kg.」と読みましょう。というか、「from 150kg」(150kgから)とくれば「to」(〜まで)を探したくなりますので、探してみて「to 153kg」(153kgまで)とあるとほっとしてタイプにかかれるわけです。間の「the weight of the old 800cc machines」はさっき書いた通りの飾りで、150kgというのは800ccマシンの最低重量だったということです。なので日本語は「最初の提案では800ccの最低重量150kgが153kgに引き上げられた」としておきます。


次もこの流れですね。

「However, to make life easier for the CRT machines, the weight limit was raised even further, in two steps, to 157kg in 2012 and 160kg in 2013」

「However」→「しかし」ときて、「to make life easier for the CRT machines」は「CRTマシンが生き延びられるように」とでも訳します。「the weight limit was raised even further」→「最低重量はさらに引き上げられた」。「in two steps」→「2段階で」。「to 157kg in 2012 and 160kg in 2013」→「2012年には157kgへ、そして2013年には160kgへと」と読む順番にパーツを作っていきます。で、これを組み合わせて「しかしCRTマシンが生き延びられるように2012年には157kgへ、そして2013年には160kgへと2段階で最低重量が引き上げられることになった」とすればこの文章自体は完成です。


ではここまで訳した文章を並べてみましょう。

「340mmカーボンディスクがMotoGPで再び許可されるというニュースが水面下でここしばらく続いてきた議論を再燃させた。ついに既に義務になっているもてぎに加えて全てのサーキットで340mmディスクが使えるようになったのだ。これは過去3年にわたってMotoGPマシンのパワーと重量が増してきたためである。しかし真の解決策は最低重量を下げることにある。
グランプリコミッションが320mmより大きいディスクを禁止したのは皮肉なタイミングだった。コストカットと合理化のために導入されたこのルールが導入されたのはMotoGPが1000ccに戻ったときなのだが、これは同時にマシンがより速くなることを意味していたのだ。さらに問題を悪化させたことに最低重量が引き上げられた。最初の提案では800ccの最低重量150kgが153kgに引き上げられた。しかしCRTマシンが生き延びられるように2012年には157kgへ、そして2013年には160kgへと2段階で最低重量が引き上げられることになった。」

うーん、ちょっと気持ち悪いので、文意を保持しながら整えます。

「340mmカーボンディスクがMotoGPで再び許可されるというニュースのせいで水面下でここしばらく続いてきた議論が再燃している。既に義務になっているもてぎに加えて全てのサーキットで340mmディスクがやっと使えるようになったのだ。これは過去3年にわたってMotoGPマシンのパワーと重量が増してきたためである。しかし真の解決策は最低重量を下げることにあるはずだ。
グランプリコミッションが320mmより大きいディスクを禁止したのは皮肉なタイミングだった。コストカットと合理化のためにこのルールが導入されたのはMotoGPが1000ccに戻ったときなのだが、これは同時にマシンがより速くなることを意味していたのだ。さらに問題を悪化させたのは最低重量の引き上げだった。当初は800cc時代の最低重量150kgが153kgに引き上げられたのだが、しかし話はここで終わりではなかった。CRTマシンが生き延びられるように2012年には157kgへ、そして2013年には160kgへと2段階で最低重量が引き上げられることになったのだ。」

えー、ここまでで9段落中2段落まで訳せました。残りはこれからまとめて訳してアップします。お楽しみに!

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ストーブリーグに(ばかなことを)想う

写真家のScott Jones氏の妄想新ルールに関する楽しいコラムをAsphalt& Rubberからどうぞ。
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フランスGPの最初の1周のおかげでMotoGPファンはずいぶん楽しむことになった。まずはアンドレア・ドヴィツィオーゾがマルク・マルケスを抜いてトップに立ち、そのおかげでポールだったマルケスは2番手に落ちてしまう。その一瞬後にはステファン・ブラドルも彼をアウトからパスし、マルケスは3番手に。

集団がダンロップシケインにさしかかると、ポル・エスパルガロにも抜かれ4番手に、さらにヴァレンティーノ・ロッシにラ・シャペルで抜かれ5番手に落ちる。ホルヘ・ロレンソがガラージュ・ヴェールでマルケスを無理矢理抜くと、彼はコースアウトし結局10番手で復帰することになった。

ランキングトップのマルケスにとっては散々なスタートとなったが、ファンにとっては素晴らしい半周であった。マルケスがトップに立って逃げるなどという眠気を誘う展開ではなく、彼が10位から追い上げるのを見られるのだから。

後の数周はマルケスがMotoGPの他の誰よりも高いレベルで走れることを示すこととなった。彼が確実に前のライダーを抜き続けるのは素晴らしい見物だった。彼が一人でタイムトライアルのような走りを続け、残りの集団が彼に追いつこうとむなしい努力を続けるのとは比べものにならない楽しさだ。

マルケスがトップを目指して走るのを見るのもおもしろかったが、ドヴィ、ロッシ、ブラドル、そしてポル・エスパルガロが2位争いではなく素晴らしいトップ争いをしたのだ。

実を言うとこれを見たのはフランスからの帰りのフライトでなのだが(写真を撮っていたので現場では一部しか見られていない)、その間中思い出していたのは2012年にリヴィオ・スッポと交わした会話である。

よくあるオフレコ会話で、本当は全部お伝えしたいくらいおもしろいのだが、そこで話題になったのは最高のライダーが最高のマシンに乗るとレースは最低のつまらなさになるということである。

それはIROCレース(使われる車はドライバーの技量がはっきり出るよう可能な限りイコールコンディションとされる)にヒントを得たアイディアの話から始まった。
私は言った。「おもしろいとはおもいませんか?ライダー-メーカー間で契約が取り交わされるというモデルを捨てて、ライダーが独立するんです」 驚いたことにスッポも全く同じアイディアを私に語り始めた。彼は彼で何年もそれを温めてきたという。そこで私はどこかで彼からその話を聞いて、いつの間にか自分のアイディアだと思い込んでしまったのだろうかとまで考えたほどだ。

まあどちらでもいいだろう。そのアイディアはこんな風に展開する。メーカーがライダーを契約で支配下に置くのではなく、パーソナルスポンサーを得たライダーがシリーズに参戦する。参戦するのはメーカーではないということだ。

メーカーはマシンを設計、製作し、ワークス以外のチームはスポンサー契約に基づきシャーシ及びエンジンをリースまたは購入する。

レースごとにライダーは違うマシンに乗る、つまりマシンも多くのライダーに乗られるということである。最高のライダーとはシーズンを通して異なるマシンを乗りこなしたライダーとなる。最高のチームは異なるライダーで最高の成績を挙げたところだ。

どのチームもマルク・マルケスを走らせる機会がある。ある週にレプソル・ホンダに乗ったと思えば、次の週はイオダARTに乗るといった具合だ。ダニオ・ペトルッチにも同じことが起こる。最低のマシンに最高のライダーが乗ったら何が起こるか見られるのだ。そしていつもバックマーカーになるようなライダーが最高のライダーに乗ったら何をしてくれるかがわかる。

毎レース、ライダーとマシンの組み合わせが変わるということは、現在のシステムではほとんどテレビに映らないようなチームがトップライダーが乗るときには突然注目を浴びることになるということだ。そしてペトルッチのようにパワーのないマシンで苦闘しているライダーも、自分の能力を見せつける機会が複数できるということになる。

最高のライダーが最高のマシンに乗る機会は1シーズンに数回しかやってこない。しかしそういう場合でも毎週ごとにセッティングが進化していくということがなくなるので、今ほど圧倒的ではなくなるだろう。

この理論でいけばレースはもっと激しいものになり、楽しいものになるはずだ。様々なマシンをシーズンを通して乗りこなすことでライダーは自分の才能を証明できる。メーカーはライダーによらず自分たちのマシンが最高のポイントを獲得できることを証明するのだ。

ライダーとサテライトチームはこの話に乗ってくれるかもしれないと思っている。しかしメーカーチームが乗るとは思いにくい。ホンダは当たり前だが自社のマシンにマルク・マルケスとダニ・ペドロサが乗ってくれて完璧にハッピーな状態だからだ。

ほかにもこれがアイディアに留まり実現に向かわない理由は山ほどある。その中のいくつかはこの記事へのコメントにも書かれるだろう。

しかしこれからの数年間、マルク・マルケスがレプソル・ホンダで独走するのを何度も見せられることになるのだ。そのたびに私はついこのアイディアを思い出してしまうだろう。これがスッポのアイディアだろうと私のアイディアだろうとそれはどうでもいいことだ。そして私はマルケスがヘイデンのRCV1000やPBMや、(これが一番おもしろそうだが)ドゥカティに乗ったらどうなるだろうかと妄想してしまう。

日曜日には何が起こるか全くわからないレースがやってくるのだ。つまりフランスGPの最初の11ラップみたいなことが毎レース起こるのである。それが 私には素敵に思えて仕方がないのだ。
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どんな組み合わせが最も楽しいか妄想しましょう!

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公式プレビュー>イタリアGP2014

ホンダヤマハドゥカティ(MotoGP公式による日本語訳)

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スズキGPマシンテストは絶好の機会、とラヴァティ

スズキとペドロサの記事は昨日訳出しましたが、ユージーン・ラヴァティも虎視眈々とスズキのシートを狙っています。岡山→フィリップアイランドと続くテストに関する彼のコメントがCRASH.netに載ってましたので訳出。
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ユージーン・ラヴァティは来るスズキMotoGPマシンのテストについて、来年のフル参戦に向けての重要なオーディションだと考えている。

ヴォルトコム・クレセント・スズキのWSBKチームとの契約前にはプラマック・ドゥカティから2014年のシートをオファーされていた彼は、今週岡山で行われるスズキの新型4気筒MotoGPマシンのテストに参加する予定だ。さらにテストライダーのランディ・ドゥ・ピュニエとともにフィリップアイランドでのテストにも参加すること予定である。

今シーズン初戦のフィリップアイランドでのスズキデビューを勝利で飾りはしたものの、ラヴァティは実に現実的である。おのテストを来年のフル参戦のための重要な機会だと考えているのだ。スズキは3年のブランクを経て2015年にMotoGPに復帰することになっている。

ラヴァティはこれに備えて、コース上のパフォーマンス以外でもチームを感心させるべく予習をしてきたと言う。

彼はCrash.netにこう語っている。「とても楽しみですね。先週はいろいろ予習をしましたよ。ドニントンに向けての準備もありましたが岡山のことも勉強したんです。あそこは走ったことがありませんからね。フィリップアイランドはよく知ってますけど、それでも一生懸命予習しました!
 ただおもしろかったって言うだめだけに行くわけじゃないですよ。良い機会ですからね。僕がどれだけ良いところを見せられるか、いいチャンスだと思ってます。難しいとは思いますが岡山では天気さえ良ければ4時間あるんで、良いセッティングを出して気持ちよく走りたいです」

スズキが来年復帰することで来シーズンに向けたストーブリーグが熱くなっている。最も派手なのはダニ・ペドロサへのアプローチという噂だ。さらにドゥ・ピュニエも2015年のフル参戦を狙っている。得意とするフィリップアイランドでテストできることを喜びながらも、彼が比較される相手は非常に手強いこともラヴァティはわかっている。

「フィリップアイランドでは1日半のテストで、ランディが後半の1日半を担当します。フィリップアイランドは得意ですけど、僕のラップタイムが比較されるライダーは去年あそこですごく速かったし、だから彼だって喜んでると思いますよ。
 6月のテストということで風は強いし凍えるような寒さでしょうね。だからそういう状況でブリヂストンを初体験するというのはなかなか厳しい話です。まあ結果が楽しみですね。おもしろいことになると思いますよ」

ドゥカティに有利なようにオープンルールを適用するという決定の前にプラマック・ドゥカティでMotoGPを走らないという決断に関してもラヴァティは後悔していない。その時点で最良の決断をしたと考えているのだ。

「なかなか難しい質問ですね。後知恵で過去を振り返るのはあんまり好きじゃないんで。もし僕が今の状況になるとわかってたらどうしたかですか・・・。まあそれでも載らなかったでしょうね。今だからわかることを前提に過去を振り返るのは、その時点で間違った情報で間違った判断をしたと思ってるときだけですから。ワークス4台が全部オープン適用になるなんてその時はわからなかったわけですし、まあ考えるまでもないですね」
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ユージーン・ラヴァティがスズキのMotoGPマシンをテストするというのは既にお伝えしていたんですが、この記事で「沖縄でシェイクダウン」となっていたのは「岡山でシェイクダウン」の間違いだったのですね。

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ペドロサが800万ユーロをスズキに要求:これって「茶色いM&M's」かも

ハードロック好きなら知ってるかもな「茶色いM&M's」にペドロサのスズキへの法外とも言える要求をなぞらえている記事。Motomatters.comより。ちなみに最初にこちらのイタたわGPさんの記事をお読みになるとより味わい深いかもです。
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既にマルク・マルケスがホンダと2015、16の2年契約を結び、ヴァレンティーノ・ロッシもヤマハとの2年契約にサインする直前であると言われる今、興味の対象はダニ・ペドロサとホルヘ・ロレンソに移ってきている。ロレンソはヤマハに残りたいのか、それともホンダに移籍するのか?ペドロサは契約金の減額に応じるのか、それとも他のワークスに行くのか?いずれもこの数週の内にははっきりしてくるだろう。

ペドロサの事情の方が興味深いだろう。情報通が彼の去就について情報を流し始めている。スペインのモトチクリッシモ誌(有料)によれば、ペドロサはホンダから基本給の減額をオファーされているとのことだ。基本給を600万ユーロ(8億4千万円)から150万ユーロ(2億1千万円)に減額する代わりに、勝利給とチャンピオン獲得のボーナスをはずむということらしい。

一方、スズキもペドロサに興味を持っている。スズキは復帰するマシンで勝てるライダーを望んでいるのだ。今のところランディ・ドゥ・ピュニエが出しているタイムはワークスホンダ、ヤマハから1秒以上遅いのだ。現時点で契約が決まっていないライダーの中で勝てる可能性のあるのは4人だけである。実際2008年以降で勝っているのは6人だけで、その内ケイシー・ストーナー、ダニ・ペドロサ、ホルヘ・ロレンソ、そしてヴァレンティーノ・ロッシが複数回の勝利を挙げている。あとはベン・スピーズがアッセンで1勝しただけだ。もしスズキが実績のあるライダーを狙うならダニ・ペドロサしかいないのが実情なのだ。

ペドロサはまだMotoGPのチャンピオンを獲得していないとは言え、史上最も成功したライダーの一人で、勝利数ではMotoGPクラスでも全クラスでも8番手につけていることも思い出すべきだろう。そして下位クラスでは3回のチャンピオンを獲得している。彼の勝利数はウェイン・レイニーを上回り、マルケス、ロレンソ、ロッシといったライダーにも勝つことができる。チームメイトのストーナーにだって勝ったことがあるのだ。日曜日に彼の名前が優勝候補として挙がらないことはない。

ペドロサもそのことを知っている。彼がスズキに行きたい以上にスズキが彼を必要としていることも知っている。ドイツ語サイトのSpeedweekによればペドロサはスズキに800万ユーロ(11億円)を要求しているという。これが実現するなら大した契約となる。ペドロサがチームメイトに大きく差をつけられていることや、彼がMotoGPクラスのタイトルを獲っていないことを考えればなおさらだ。ペドロサとの契約は勝利を約束するものではないのだ。

これはペドロサがとんでもなく傲慢だということだろうか?実はそうではなさそうである。ペドロサはいつだって驚くほど謙虚である。少なくともエリートアスリートの標準から考えればそういうことになる。となればこれはスズキがそこまで払うことはないだろうと知った上でのペドロサ流の丁寧な断り方なのだろうか。それはあり得るだろう。他のトップライダーたちと同様にペドロサも自分が何をすべきで何をすべきでないか明確にわかっているからだ。そしてもう一つ考えられる理由がある。別の分野の話から始めることにしよう。

1980年台はじめのころ、多くのロックバンドがとんでもない要求をするようになり、それが契約書の添付書類に記された。バックステージに置いておくべき食べ物や飲み物やその他諸々についてだ。最もとっぴだったのがヴァン・ヘイレンが要求していたというM&M'sチョコレートである。ただし茶色のM&M'sだけはすべて抜くように書かれていたのだ。さらに、もし茶色のM&M'sが一個でも入っていたらコンサートをキャンセルし、しかも全額要求できるとの添え書きまであった。

当時この話はロックバンドがいかに傲慢かを表すエピソードとして語られていたが、ヴァン・ヘイレンにはこの条項を契約書に入れるそれなりの理由があったのだ。彼らは巨大なライティングシステムや花火一式をコンサートに持ち込んでいた。そしてこれらのステージセットが正常に機能するには特殊な電源と安全装置が必要で、分厚い契約書にはそのための詳細な技術仕様が書かれていた。もし会場でなにかがうまくいかなかったりしたら、ミュージシャンもスタッフも観客も命の危険にさらされかねない。つまりM&M'sをチェックすれば契約書がどこまで確かに履行されているかがわかるということだ。もしメンバーが茶色いM&M'sをみつけたら彼らは会場すべてをチェックしなければならないということだ。どこかに危険な契約違反が潜んでいないとも限らないからである。

これがペドロサとスズキの契約にどう関係するのか?スズキはGPで素晴らしい成績を挙げ続けているわけではない。この21年間でチャンピオンを獲ったのは1993年のケヴィン・シュワンツと2000年のケニー・ロバーツJrだけである。真の意味でマシンに競争力があったことはなく、スズキで走ったライダーのだれもが口をそろえて、うまくいかないのは予算が少ないからだとこぼしていた。頑固なまでに我が道を行くこの会社は、決してホンダやヤマハに追いつくために予算を増額したりはしなかったのだ。

もしスズキと契約するならこのことをよくわかっている必要がある。今回は違うというスズキの主張にも用心深くなるべきだろう。スズキは競争力を獲得するために十分な投資をするだろうとチームマネジャーのダヴィデ・ブリヴィオが心から思っているのは間違いない。しかしブリヴィオが予算を決めるわけではないのも事実である。スズキの役員室でスズキの役員が決める話なのだ。

ではスズキが本気で勝つためにお金を使うつもりでいることはどうやったらわかるだろうか。もし自分が賢いライダーなら簡単な方法がある。巨額の契約金を要求するのだ。例えば800万ユーロくらいならどうだろう。それに応えられるかどうかでスズキの本気がわかるというものだ。もしトップライダーを獲得するための何百万ユーロだ出せなければ、どうして競争力のあるMotoGPマシンのために何千万ユーロをつぎこむことなどできようか。

つまり私はダニ・ペドロサの800万ユーロというのが、彼なりのM&M'sだと密かに思っているのである。
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ちなみに筆者のDavid Emmetさんは現在ムジェロに向けてバイクで旅をしている途中なので、しばらく長文はなし・・・かな?

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ロッシと8耐

BS12 TwellVで8耐が今年は生中継されます!
というわけでもないのですが、SuperBikePlanetより、ロッシの8耐についての記事を訳出。
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大人になる前のヴァレンティーノ・ロッシはいくつもの理由で日本人ライダーと、そして日本そのものが大好きだった。子供の頃のロッシのあこがれの一人が阿部ノリックである。当時のだれもがそうだったようにあの特徴的なライディングスタイルの阿部が1994年の鈴鹿で優勝しかけたのを口を開けて見守っていたのだ。後に125ccレーサーとしてデビューするとロッシは「ロッシフミ」というステッカーをライディングギアに貼っていた。これはもちろん阿倍の名前である典史からとったものだ。

ロッシはアニメ風のステッカーが大好きで、しかも寿司が大好きでもあり、日本文化が大好きでもあった。そしてその気持ちはロッシが125や250でレースを始めると高まる一方だった。このクラスでは多くの日本人ライダーが走っていたし、日本人ファンも多くいたのだ。ロッシはもちろん世代を代表するライダーだが、日本人の若いレースファンもイタリア人と同様にロッシに魅了されることとなった。

そんなロッシが鈴鹿8時間耐久について知っていることと言えば、ほとんどはイタリアの雑誌かVHSで見るレースの断片から得たものだった。日本にある最高のレーシングコースである鈴鹿で開催されていることは知っていたし、ワークス同士の激しい争いが世界中からやってくるトップライダーによって繰り広げられていることも知っていた。ロッシは250のルーキーライダーだったが既にどこを走っても速く、そしてそれは大排気量4ストロークに乗っても同じだった。彼は250に参戦したときからいくつものチームに対して自分を8耐で乗せてくれと頼んでいた。そしてその願いはホンダと契約したことで叶うこととなった。HRCで8耐を走ることになったのだ。

しかし鈴鹿8耐を楽しむのに一番の方法はテレビで見るか本で読むかすることだと言われてもいる。WSBKのチャンピオンで8耐でも勝ったことのあるスコット・ラッセルはもっとはっきり言っている。8時間もレースをするのはサドマゾの世界なのだそうだ。8耐が最ももりあがっていた時期には勝利そのものがライダーにとって素晴らしい賞品だったが、代償も大きかった。暑さ、そして湿度との厳しい戦いは日本中のマスコミが注目することでライダーにとっては大きなプレッシャーだった。さらにGPシーズンの最中に日本に何回か渡り、数日間のテストをこなさなければならない。そして旅の疲れで必ず腹をこわす。というわけで鈴鹿8時間耐久の楽しさは急速に失せていくのだ。

ロッシと8耐の愛の日々は1年しかもたなかった。

ホンダが2000年の8耐でロッシと組ませたのはアメリカ人のコーリン・エドワーズ。彼は既に8耐での優勝経験があり、勝利のためには何をすべきかよくわかっていた。VTR1000(RC51)に乗ったエドワーズは序盤で他に圧倒的な差をつけロッシにバトンを渡した。あとはリードを守る程度に速く走れば充分だった。にもかかわらずロッシは他のマシンのバトルに巻き込まれ転倒してしまう。そしてあのエドワーズがロッシに言ったというせりふが出てくるのだ「ガキめ!あのf**kな走りはなんだよ」 マシンは修復されそしてまたエドワーズが乗って出て行った。しかし再びクラッシュし今度はマシンを完璧に壊してしまった。マシンは大破し一時は火に包まれたりもしたのだ。ロッシは後に言っている。「日本人がマシンを直して僕をまた走らせようとしていて、でも僕もみんなにそう言ってたんだけど修理が無理だったわかって、本当にうれしかったよ。あと8時間も走るなんてとてもやりたくはなかったからね」

そしてこういうことも言っていた。「8耐への愛はレース後ヨーロッパに戻る飛行機に乗る前にさめていたね。テレビでみるほどクールじゃないし、参加して楽しむタイプのレースじゃぜんぜんないよ」 鈴鹿8耐はライダーに多大な労苦を強いるもので、ロッシは自分の履歴書に「8耐優勝」の文字がなくてもなんとも思わなくなっていた。

しかしロッシにとって悩ましいことにホンダとの契約には2001年の8耐参加も含まれていたのだ。

2001年の7月には既にロッシはVHSや雑誌で8耐に憧れた少年ではなくなっていた。その年の夏にはロッシは世界的スターへの道を駆け上がっているところだった。彼が日本にやってきたときには8耐での勝利はどうでもよくなっていたのだ。2001年が彼の最後の鈴鹿8耐となった。そして彼は別人になっていた。前の年のロッシは若き反抗者で、彼と彼のとりまきはまるで動物園の動物のようだった。空港で日本人にひどい態度で接し、ホテルの土産物屋で盗みを働いた。堅苦しいと言われる日本人がどんな反応をするか見たいだけでだ。こうした行為は日本では非常にまれだ。日本人は困惑し、このスーパースターとその友人たちが万引きをしたり割り込みをしたりするのを見ても立ち尽くすだけだった。

しかし2001年に鈴鹿に戻ってきたときにはすべてが変わっていた。とりまきはおらず、万引きもなし。かの有名なバー、鈴鹿ログキャビンで酔っ払うこともなし。2000年にはエドワーズが鈴鹿のエキスパートで、ロッシは疑問が湧くたびにエドワーズのセッティングを参考にし、それに従っていた。しかし2001年の鈴鹿8耐の時にはロッシは既に500ccチャンピオンを獲ろうとしており、その年の終わりには11勝を上げることになるのだ。鈴鹿では素晴らしい速さを見せ、予選で83チーム中3番手につけた。ホンダのピットで驚きに口を開けてモニターを見上げるエドワーズの姿は今でも語りぐさだ。

2001年の8耐でのロッシのモチベーションは、もう2度と8耐を走りたくないというところにあった。そのためにこそ勝ちたかったのだ。もしクラッシュしたり優勝できなかったりしたら、HRCは彼が勝つまで8耐への参加を要望し続けたろう。

レース中盤で疲れ切った、しかしまだ速いエドワーズからマシンを受け取る前に、ロッシは自分が守るべきラップタイムを言い渡されていた。エンジンを酷使しすぎないようにしながらもトップ3を守ってレースを終えるためのタイムだ。

しかしマシンにまたがったロッシはすべての指令を無視してみせる。1スティント目が終わるとHRCの上級エンジニアがクールダウンルームで点滴を受けるロッシを訪れ、RC51からダウンロードしたデータを見せながら「どんなつもりでエンジンをオーバーレブさせた上にシフトも粗雑で耐久仕様のクラッチをすべらせすぎている」と叱ると、ロッシは自分の無知をわびて二度としないと約束した。

2001年8耐のロッシの終盤のスティントは実にすばらしかった。トップから30秒遅れで手渡されたRC51を10秒遅れまで晩夏してエドワーズに返しているのだ。とんでもないスピードである。エドワーズが最後のスティントを終えてロッシにマシンを渡すときにロッシは彼にこう叫んでいる「勘違いしないでね。もう二度と8耐にはもどらないよ!」

エドワーズとロッシは2001年の8耐で優勝する。自分がずっと憧れていたレースで勝てたのは素晴らしいことだが、同時に二度と8耐を走らなくていいというのも同じくらい嬉しかったとロッシは後に語っている。

そして8耐は非常に厳しいレースであり、結局2002年のプレシーズンまで体が回復しなかったとも語った。しかし2001年の8耐は心から勝ちたかったし、それでその後のシーズンが良いものになったとも語っている。
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そんなわけで今年はテレビ観戦の予定ですので、8耐観戦会もやりますよん。その内告知します。

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MCN3連発:大型ブレーキディスクを歓迎するライダーたち、RC1000V2015年型は大変革、ホンダはジョナサン・レイを走らせたいらしい

あーしーたーはー
RBXF!
気持ちが舞い上がって翻訳が手につかないので、MCNからコメントのみを抜き書き3連発。
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まずは340mmフロントブレーキディスクが導入される(もてぎは必須。他のコースは320mmとどちらかを自由に選択)のを受けて、ライダーたちが喜びのコメントを発しています。
カル・クラッチロー「どのレースでも使えるようになったのは嬉しいですね。速く走れるようになるしラップタイムも上がるでしょう。でも何よりもライダーの安全という点でいいことですよ。マシンはすごく重くなっているし速くなっているんで、大型ディスクで安全になるのは間違いないですよ。小さいライダーにとっては関係ないかもしれないですけど、僕やヴァレンティーノやアレイシには助けになりますね」

340mmの使用を許可するよう主張し続けていたホルヘ・ロレンソ「マシンは前より重くなっているし、ライダーによるかもしれませんけどブレーキングで問題が出ていたんです。2〜3周もするとブレーキが利かなくなるんですよ。大型ディスクが本当に使いたいし、カルメロ(エスペレータ)が言うように、スピードも少し落とした方がいいでしょう」

一方、HRC副社長中本修平氏はこんなことを言っていたんだそうです。それで記事中では『ホンダの反対にもかかわらず今回の決定がなされたことは驚きである』と書かれています。以下中本氏の発言。「マシンの重量は去年と同じだし、トップスピードも10とか20km/hじゃなくて2km/hくらいしか上がってないんですけどね。技術的には320mmのディスクで充分安全にレースを終えられるはずです。もてぎではみんなが問題を抱えていたんで340mmディスクを使いましたけど。あとバルセロナとセパンもディスク温度が高くなる可能性がありましたから。でもオースチンやアルゼンチンでは平均温度はそれほどでもないんです。確かにチームやライダーの中にはブレーキングパフォーマンスを上げたいという意見もあるのはわかっていますし、それは充分理解できます。でも安全委員会も去年この話を検討していて、ブレーキ性能はディスクサイズだけの問題じゃないという結論に達していました」
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お次は苦闘するRC1000Vの大幅アップデートが2015年にあるかもというお話
これまたHRC副社長の中本さんの発言です。
「今年は大改良をする予算がないんです。もしうまい方法があれば喜んで新型パーツを供給するんですが。(2015年の大幅アップデートについて)それはすでに考えています。うちの市販マシンは比較的安価ですしパフォーマンスもそれなりにあるとは思いますけどね。前にいるのはファクトリークラスとヤマハのファクトリーエンジンを積んだオープンマシンだけですから。まあこれは悪くないと思いますよ」
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そしてジョナサン・レイをホンダが来シーズンのMotoGPにエントリーさせたいと考えているというネタ
こちらはチームボスのリヴィオ・スッポ氏のコメントです。「レイはすごく良い仕事をしているし個人的には彼がMotoGPで走るのを見たいですね。ずっとホンダに乗ってくれてますし彼のことが大好きなんです。だから彼に何かしてあげられるといいですね。去年はケイシーの代役として2戦走っていますが、なかなかたいへんでした。
 MotoGPとワールドスーパーバイクを交互に乗り替えていたんですよ。毎週違うタイヤを履いた違うマシンに乗っていたということです。なのにいい仕事をした。MotoGPで彼が走っているのを見るのはたのしいでしょうね。
 彼が来シーズンどのチームで走るかについてはまだ何もわかっていませんけどホンダもたくさん走っていますからね。市販マシンなら比較的簡単な選択肢でしょうね。いま4台走らせていて、すべてそれなりの成績を出していますから」
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バイクフリップ、見られるかしらん。

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ダンロップがタイヤ入札に参加しなかった理由

ミシュランが2016年からのMotoGPクラス公式タイヤに決定しましたが一社入札だったとのこと。ピレリについては不参加の意向が既に報じられていましたが、ダンロップもコメントを出しています。CRASH.netより。
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ミシュランがワンメイクタイヤに決定したのを受けて、なぜ2016年からのワンメイクタイヤの入札に参加しなかったかについてダンロップが説明している。

ブリヂストンが来シーズン限りで撤退すると発表した時には、現在Moto2とMoto3にタイヤを供給しているダンロップもミシュラン、ピレリと並んで候補の一社だった。

ドルナは3社が興味を示していると表明していたものの、蓋を開けてみれば正式に応札したのはミシュランだけだった。

「MotoGPは非常に重要な世界的イベントですしFIMのイベントであるMoto2、Moto3にタイヤを供給することでMotoGPのオーガナイザーと良好な関係を続けている点については誇りに思っています」とダンロップモータースポーツのサンジャイ・カーナは言う。「ダンロップは既に多くのバイクメーカー、そして世界に名だたる選手権と良好な関係を築いています。まずはこうした既存の大事なユーザーに対して供給するタイヤの開発に集中すべきだという決定をしました。
 ダンロップとしてはRoad Racing(訳注:全米選手権?)やFIM耐久選手権のように複数のタイヤメーカーによる競争があるところこそが我々がトップレベルのレースこそが勝てることを証明できると考えています。
 2016年以降についても決定している計画が既にありますので今回はMotoGP公式タイヤサプライヤーの入札に参加しないこととしましたが、将来の可能性を排除するものではありません」

先日のF1スペインGPでWSBKのタイヤサプライヤーであるピレリも検討はするがMotoGPの入札には参加しない予定だと語っていた。

ダンロップによれば今回の入札は2016年から2018年を対象としたものだったそうだ。
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ということはまた2019年に向けて入札が行われるということですね。

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ムジェロ:聖地の中の聖地

TTウィナーでもあるジャーナリスト、マット・オクスレイ氏によるライダーの心理についての記事です。こちらと合わせてどうぞ。MotorSportMagazineより。
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レーサーの心理というものは実に不安定なものだ。さっきまであった自信が手品師のトリックのように煙と共に瞬時に消え失せてしまう。自信とはある意味魂の奥底にある、しかし幻想のようなものなのだ。ある瞬間にはなぜかわからないのに確かに存在していて、しかし一瞬後には自分にそれがあったことさえ信じられなくなる。そして自信を取り戻せるとも思えなくなってしまう。

ヴァレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソはこの自らを頼む(なんなら自らを騙すと言ってもいい)という不思議な状態の対極にいる。自信がさらなる自信を生み出し、それが再生産される。ロッシは正しくこういう状態にあるに違いない。自信がなくなり始めるとこれが負のスパイラルを生み出す。これがロレンソがはまってしまった状況だ。

正のスパイラルと負のスパイラルは紙一重である。毎週のように正しいスパイラルに身を置くことはほぼ不可能だろう。1990年から500ccで3連覇をなしとげたウェイン・レイニーは誰よりも自分の気持ちをコントロールできるライダーだったが、同時にチームオーナーであったキング・ケニー・ロバーツ強力な助けも存在していたのだ。

「ウェインが落ち込んでいるときにはいつでも話し相手になってあげてたんだ」と自身も78年から500ccタイトルを3回連続で獲得しているロバーツは回想する。「それに舞い上がってるときにも彼と話すようにしていた。ばかもんめ、地に足をつけるんだ、ってね」

複雑な技術的問題ではなく心理的な問題によって大した原因もなく成績が左右されることも多々あるものだ。レーサーの心に何が去来しているか推し量ることなどできないのも心理的問題の難しさが理由である。


<ライダーの気持ちを推し量ること>
MotoGPレーサーの頭の中で起こっていることについては想像するしかない。私もあなたも彼らと真の意味で親密ではないからだ。だから私はロッシが2010年にムジェロで脚を骨折したとき、彼は引退するだろうと信じていた。私ならそうするからだ。

自分が9回の世界タイトルと105回の優勝を飾っていて、しかも2週間ごとに死ぬ気でがんばらなければならないとしたら、私ならそこでやめただろう。みんなありがとう。良い時を過ごさせてもらったよ。もうゆっくりしても良いと思うんだ。スピードはもういいよ。楽をしたいし、ソファでくつろぎたいんだ。しかし私はロッシではなく、つまり私は間違っていたということだ。

悲惨だった2013年についても同じことが言える。良い結果もたまにはあったが、彼は盛りを過ぎ明らかに下り坂にあった。何人ものヒーローがたどってきた道だ。目も眩むほどのすばらしい成績を出していたのに今では悲惨な結果しか出せない。下り坂にあるレーサーというのは結果が伴わないと相当な苦労を味わうことになる。スポンサーはもうおべっかを使ってくれず、ファンは静かに去っていく。

そんな状況にあったらバイクを停めて、誇りが残っている内にパドックを後にし、そしてたんまり溜まった貯金を数えながらランチにワインと洒落込もうではないか。そうなればなによりクリニカモビーレの階段を脚をひきずりながら登る心配をしなくて済むのだ。折れた左手に10本もの釘を入れられることもないし(神経に触らなければラッキーというものだ)、そこからピットに連れ戻されることもない。ピットに戻ればメカニックに尻を蹴飛ばされ、どうにかこうにかマシンに乗り込み時速340kmで走りながら次はコースアウトしないように祈ることになる。

もし私がロッシならすることは決まっている。居心地のいい豪邸にフランシス・ベーコンでも飾って、セラーを素晴らしいワインで満たし、水着に着替えてプールにでも飛び込もうかと考えるのだ。しかし私はロッシではなかった。

ロッシの復活、これは新たなチーフメカと改良型フレームのおかげだが、その復活が続くのであれば何年か前に噂になった彼の伝記映画企画をハリウッドが再度持ち出してくるかもしれない。彼は王であり、そして一時は虐げられ、そして見事に復活してみせた。まさしくハリウッド向きのストーリーだ。

しかし私が脚本家ならちょっと脚色したいところだ。ドゥカティでの悲惨な2年間をミラノの街での放埒な2年間に置き換えるだろう。ドラッグ売りのラテン系アメリカ人セレブから買ったコカインをキメて、何人もの美女をはべらす日々だ。

妄想はこれくらいにして・・・。いずれにせよロッシは私の想像を遥かに超えている。最近になって私は彼が賞味期限切れだというようなことを言いかけたが、それもやめである。2014年のカタールは素晴らしかったが去年もカタールは良かったのだ。だからそこでの結果にはあまり驚かなかったのが事実である。オースチンとアルゼンチンの成績は大したことがなく、つまりは彼の季節は終わったということだと思ったのだ。もう表彰台に昇って喜ぶこともないだろうと。

ロッシがアルゼンチンで惜しい4位に終わったとき、私はロッシの友人の一人に、彼は表彰台から1.6秒まで近づけて喜んでいるだろうねと言ったら、まるで汚らわしいものを見るような目つきでこう言われた。「ヴァレンティーノは表彰台のてっぺんに上がるつもりで今シーズンを迎えてるんだ。表彰台の一番したから2秒落ちが目標なんじゃない」

そしてヘレスではダニ・ペドロサとホルヘ・ロレンソという、ここ4シーズン勝つのに苦労してきた相手を易々と退け、マルク・マルケスに次いで2位に入ってみせた。次のルマンではトップに向かって爆走し、トップに立つと差を広げ、結局ブレーキングをミスしてマルケスに抜かれてしまった。しかしマルケスがいなかったらどうだろう。ロッシはこの2戦で優勝し10回目のタイトルを確実なものとしていたということになる。


<尊敬心>
ルマンのレース後プレスカンファレンスは2人の仲の良さが際立つものだった。メディアに身を置いている我々は、明らかにお互いを嫌っているライダーがPRトレーニングの成果を発揮して薄ら笑いを浮かべながら当たり障りのない言葉を発し、お互いに尊敬しあっているなどとのたまう記者会見にうんざりしている。しかしルマンでは2人は間違いなくお互いを尊敬しており、しかもそれは人格とレースに立ち向かう勇気の両面において成立しているのだ。

ロッシは21歳の若きチャンピオンが相当好きらしい。彼の天才を褒めそやし、レースで彼と交錯したことを楽しそうに語る。彼は終始笑顔だった。そして次のレースがムジェロであることを思い出すと、もう一度22歳に戻ってマルケスと戦いたいと言った。

マルケスは35歳の精神的に頂点にある男が2〜3日の間なら簡単に22歳に戻ってみせるだろうとわかっていて、笑いながらこう言った。「ムジェロではヴァレンティーノはまた22歳になりますよ!」

ムジェロは記念すべきレースである。ロッシの300戦目であり、2010年以来初めてホームで勝てるチャンスを得たのだ。彼は今自信に満ちあふれており、これが彼の最後のチャンスではないとしても、その時はそれほど遠くないと知っているファンの期待に取り囲まれている。

一方マルケスはやや寡黙だった。去年のムジェロはシーズン最悪の週末だったからだ。3日間で4回転倒し、しかもその内1回は時速336kmでの転倒だった。これが彼の唯一の完走できなかったレースである。

さて、ここ3年ムジェロで連勝しているロレンソはどうだろう。「いらいらしてマイナスモードに入っている」とルマンでロッシに言われたりもしている。マルケスからタイトルを奪い返せると自信を持って開幕を迎えたにもかかわらず、マルケスに5連勝を飾られてしまったからだ。そしてロレンソはまだ1回しか表彰台に昇っておらず、マルケスからは80ポイント離れてしまっている。これが彼の自信を失わせ、そして表彰台が遠ざかっていることは想像に難くない。これは彼自身に起因する問題である。

去年見せた序盤の速さこそがロレンソの持ち味だった。8勝のうち6勝は1ラップ目からトップに立ちそのまま勝っているのだ。しかし今年は集団に飲み込まれがちで、ここはロレンソの得意とするところではない。ロレンソが速く走るためには前が空いていないといけないのだ。誰にも邪魔されないからこそ彼の切り裂くようなコーナリングが見られるのである。そうでない場合、どうしても遅れてしまうのだと彼は言う。「6番手で走ってみるといつもと勝手が違いました。スムーズに走れなかったんです」

もしロレンソが頭を整理し直せて、もしロッシがこのままの心理状態をキープして、そしてもしマルケスが他を圧倒して逃げるということがなければムジェロでは最高のレースが見られるだろう。
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私ただいまKampa!をいただいて舞い上がっておりますので、正のスパイラルに入って訳しまくりモードです!

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マルケスのタイヤマネジメントのうまさについて:フランスGP日曜まとめ

CycleWorldのKevin Cameron氏がフランスGPでのタイヤマネジメントについて興味深い記事を書いていますので訳出。
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マルク。マルケスがルマンで開幕5連勝を飾った。この若者は全レースを勝つつもりなのだろうか?もし状況が許せばそれも可能だろう。

今年のMotoGPではタイヤをいかにうまく使うかが鍵になっている。もしフロントに荷重をかけすぎればタイヤの温度が上がりすぎコーナー中盤でアンダーステアが出てしまう。結果として加速時にはアウトにはらんでしまうことになるだろう。しかしコーナー進入までにタイヤの温度が十分に上がらなければ、グリップが失われ、同じ結果となる。加速でアウトにはらんでしまうのだ。

このタイヤの使用可能域を広げてうまく使いこなしているのがマルケスだ。日曜の決勝は当初の予想より暑くなり、路面温度は46℃まで上がった。ホルヘ・ロレンソはコーナリングスピードを稼いで速く走るタイプのライダーだが、これがうまくいく温度範囲は実に狭い。タイヤが機能する程度には暑く、そしてエッジグリップがなくならない程度には暑すぎないことが必要なのだ。

ロレンソは6位という残念な結果に終わった後にこう言っている。「スタートは悪くありませんでした。でも序盤では誰も抜けなかったんです。それであまり良いペースが出せなかった」なんというドラマだ!マルケスはこう言っているのだ。「僕はちょっとスタートでリラックスしすぎたんですね。それで遅れてしまった。で、ホルヘが僕を抜いていったんですが、おかげで僕はアウトに行ってしまった。それがなければ接触していたでしょうからね。あれのせいでみんなが僕を抜いていったんです」

原因がどうあれ、マルケスは10番手まで落ちてしまう。ドゥカティのアンドレア・ドヴィツィオーゾがその間にすばらしいスタートダッシュを見せ、ステファン・ブラドルがそれについていった。各車が接触しそうな距離でコーナーを駆け抜けていく。数周にわたってドヴィツィオーゾが懸命にレースをリードしたがその内後続に巻き込まれ、何度かの抜き合いの内にヴァレンティーノ・ロッシがブラドルをやすやすと抜き去ると、彼はついに追いつかれてしまう。ドヴィは序盤に1分34秒台で走っていたものの、しばらくすると彼のラップタイムは1分35秒台にまで落ちてしまった。

ブラドルのペースも落ちる。「タイヤがフレッシュだった時はすごく速かったんですが、6〜7周で脱出時にリアタイヤが機能しなくなったんです」とブラドルは言う。

マルケスはすばらしいタイムを出し続け、毎周のように他のライダーを抜いていった。他のライダーがグリップを失う中、マルケスだけはそうならなかったのだ。ことによったら彼はそれほどグリップ力に頼っていないのかもしれない。

コーナー進入時にタイヤに何が起こっているか考えてみよう。路面に接触している部分は急激に温度が上がり、それに伴いグリップも増す。そこでライダーが上手にスロットルを開けるとタイヤが「マシンを曲げる」ことになる。最適の状態ならタイヤの広い部分のグリップ力が頂点まで達し加速力に備えることができるのだ。しかしライダーがタイヤのある部分だけに荷重を掛けすぎると、そこだけ温度が上がり粘着力が増すが、もう一方はそうはならず、コーナー中盤や加速で問題が生じることになる。理想はローストチキンのように「全体がきつね色」になるようにすることである。

ルマンはまるでアコーディオンのように短いストレートと小さいコーナーが交互にやってくるサーキットだ。タイヤショルダーを非常に高温にするような高速コーナーがないのである。そこで供給されるタイヤはシーズンで最もソフトなものとなる。トップライダーはすべてソフト側のリアタイヤを選択している。金曜と土曜の予選を通じてライダーはソフト側がうまく機能すると判断したのだ。

ついにマルケスが追いつくとトップのロッシはブレーキングで突っ込みすぎてはらんでしまう。そしてその後はなんのドラマも起こらなかった。なんの接近戦もなかったのだ。「大事なところでブレーキングをミスっちゃいましたね」とロッシは言う。「ちょっと深く突っ込みすぎてはらんじゃったんです。すごく残念ですね。マルクに楽させちゃいましたよ」

3位に入ったのはグレシーニホンダのアルヴァロ・バウティスタだ。才能あるライダーだが2014年の初表彰台である。「冷静になって徐々にペースを作っていきました。ポジションも上げられましたし。3番手につけた時点でロッシをとらえようとしたんですが差がつきすぎてましたね」

ロッシが今年になって2位に入る実力を見せているのは、マルケスを以前の手法が通用しないことを理解したからである。去年はマルケスが何をしているのかを学び、それを自らの深い経験に付け加えることになった。ロッシがドゥカティに適応できなかったとき彼のキャリアはほぼ終わったと思ったものだが、まだまだ適応力があることを見せつけてくれた。

で、ダニ・ペドロサがポル・エスパルガロの後ろの5位とは何事だろう?ペドロサによれば序盤にニッキー・ヘイデンやアンドレア・イアンノーネの転倒の原因となった接戦はそれほど問題ではなかったとのことだ。「フロントに問題を抱えていて順位を上げられなかったんです。もっと攻めようとするとグリップが失われて、それで前に行くのにラップ数を重ねてしまったんですよ」

他のライダーもフロントタイヤのグリップに悩まされていた。しかしグリップというのは単なる数字の問題ではなく、言わば果実を得るために丁寧に世話しなければならない庭のようなものだのだ。パイロットは上のレベルのライセンスを取るにはより多くのことを同時にこなさなければならないと言う。レースも同じようなものだ。ハイテンポで指されるN次元のチェスのようなものなのだ。考えることなくできる者は適応に悩むこともない。

エスパルガロは有頂天だった。この週末について「ちょっとした夢みたいですよ。予選でフロントローを獲得して、これ以上はないって思ったくらいです。でもラッキーにもレースディスタンス中うまくパフォーマンスを発揮できましたね」それはラッキーではない!彼の名前はこれからも上の方に度々登場することだろう。

ドヴィツィオーゾは8位となった。いい予選結果にもかかわらず彼がリアリストぶりを発揮して、レースは最初の一周だけではないと言うのを何度聞いたことだろう?しかしドゥカティで5周もトップを走れたというのは大した進歩である。

ロッシとマルケスのどちらもがロレンソが明らかに不幸な状況にあると行っている。ロッシは言う。「今年はマルクも見ての通り経験を積んだし、ホンダの方が技術的にもヤマハを少し上回っていて、ホルヘにとってはそういうのが辛いんでしょうね。勝つのはほとんど不可能だけど、彼は2位にはなりたくないんです。だからハッピーとは言えないでしょうね。たぶんそのせいでちょっと問題を抱えているんでしょう」
そしてマルケスはこう言っている。「ロレンソはちょっと苦しんでるみたいですね。まあその内この状況から抜け出して楽しめるようになるでしょう。で、また速くなると思いますよ。でも楽しめなければ速くは走れないんです」

ファウスト・グレシーニは苦しんでいるライダーに再び喜びを与えることで成功に導くことができる。バウティスタの素晴らしい3位について彼はこう語った。「アルゼンチンGPの後にアルヴァロと話し合ってわかったんですけど、うまい心持ちが必要なんですよ」

1974年にスリックタイヤが導入されたとき多くのライダーがタイヤの機能を発揮させることができずレースで遅れをとることになった。何時の時代でもトップライダーは、マシンやタイヤの革新がもたらす新たな可能性をうまく噛み砕くことができるのだ。さあ他のライダーもこれをうまく噛み砕き、そして楽しむことができるだろうか。
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こちらの記事と同じような要旨ですね。それにしてもホルヘが心配。

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ロレンソがロッシとマルケスに大反論!

ロッシとマルケスがロレンソについて「楽しんで乗れてなけりゃきついよね。ちょっとスランプなんじゃないの」みたいなことを口をそろえて言ったらしいんですが、それに対してロレンソが大反論ってお話。まずはロッシとマルケスのコメントをautosport.comより抜き書き。
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ロッシ「個人的には勝ちたいと思ってるけど勝てないのはそれほど大きな問題じゃないですね。だってこの2〜3年はもっとひどかったんだし、それに比べれば今は楽しいですよ。
 ロレンソのことも少しはわかりますよ。僕にとってはマルクの後ろで表彰台に昇るってのは悪いことじゃないですけどね。彼とバトルしていてもリラックスはしてますから。
 でもホルヘにとってはきつそうですね。彼は勝ちたいんですよ。
 去年ホルヘはすごく良いレースをして、チャンピオンは獲れなかったけど彼のキャリアでベストといってもいいレースありました。
 でも今年はマルクも見ての通り経験を積んだし、ホンダの方が技術的にもヤマハを少し上回っていて、ホルヘにとってはそういうのが辛いんでしょうね。勝つのはほとんど不可能だけど、彼は2位にはなりたくないんです。
 だからハッピーとは言えないでしょうね。たぶんそのせいでちょっと問題を抱えているんでしょう」

マルケス「速く走りたいなら楽しまなきゃってのが僕の考えなんです。ヴァレンティーノも楽しんでるし、とても速いですよね。僕には良くわからないけどロレンソはちょっと苦しんでるみたいですね。
 まあその内この状況から抜け出して楽しめるようになるでしょう。で、また速くなると思いますよ。でも楽しめなければ速くは走れないんです」

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そしてこれに対するロレンソの反論をSPEEDから。これまた発言のみを抜き書き。
ロレンソ「いや、そういう問題じゃないですよ。テキサスでの第2戦の時点で今年のチャンピオンはほとんど無理だと思ってますし、勝とうとも思ってないんです。
 状況が悪くなるとすぐに批判する人は出てくるもんだし、みんな何かしら口を出したがるもんなんですよ。だから状況が変わるのを待たないとね。
 過去何年かはずっとフロントローからスタートしていてそれで集中できたんですけど、6位からのスタートだと勝手が違って、ちょっとスムーズさに欠けちゃったんです。
 もっと加速しようとしてリアに荷重をかけたんですけど、そしたらフロントの接地感がなくなって、でもリアのホイールスピンはひどくって、って感じでしたね」
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場外乱闘か?ってタイトルでしたけど、まあロレンソは努めて冷静を装ってますね。逆襲に期待しましょう!

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2014 フランスGP日曜まとめ:ロッシの復活、ロレンソのスランプ、ドゥカティの低迷、ミラーの逆襲、そして奇妙なフロントフォーク


Motomatters.com
による長文まとめ。
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今頃ロッシはマックス・ビアッジと同じ思いを噛みしめていることだろう。「27周でミスをしたのは一回だけなんですけどね」とロッシはレース後のプレスカンファレンスで語っている。「でもそこが決定的だったんです」 ロッシは9コーナーで突っ込みすぎてはらんでしまい、マルケスに抜かれることとなった。このミスはマルケスのプレッシャーによるもので、ロッシは攻めざるを得なかったのだ。「もっとプッシュして1分34秒0に入れようとしたんですけど、その時点で限界でしたね」 自分が限界までプッシュしなければマルケスがすぐに抜きにかかることがわかっていたのだ。そのがんばりがマルケスに抜かれた原因であろう。

10年前を思い起こすと感慨深いものがある。ロッシはハンターであり、マックス・ビアッジやセテ・ジベルノーといったライダーを獲物にしていた。彼らを追いかけ、ミスをするのを待つ。今やその立場は逆転し、彼はマルケスが追いかけてくると動揺してしまうようになった。ついに彼はビアッジの立場となってしまったのである。

しかし今回のレースはロッシのものだった。彼だけが無敵のマルケスと対等に渡り合うことができる。ロッシもマルケスもロッシのミスには驚き、がっかりしていた。どちらも激しいバトルを期待していたのだ。「彼に勝てたかどうかはわかりませんね」とロッシは言う。「でもバトルはしたかったですよ。楽しかったでしょうねえ」 結局勝ったのはマルケスだ。彼もロッシの後ろについたときには「いいバトル」を期待していたとプレスカンファレンスで言っている。しかしすぐにロッシはミスを犯し、マルケスはその機会を逃さなかった。マルケスは逃げ、そして半周の内にロッシに0.5秒の差をつけてしまう。そこで勝負は決まってしまった。マルケスがそれほど早く逃げを打ったのは、ある意味ロッシへの尊敬であろう。マルケスはロッシとのバトルに備えていたが、ロッシが何をしかけてくるか様子を見るほどの余裕はなかったのだ。5連続のポール・トゥ・ウインでマルケスは自信をつけたろうが、まだ彼は安心しているわけではない。

その自信のなせるわざか、マルケスはスタートで失敗している。そして1周目でも単純なミスを犯した。「ちょっとリラックスしすぎてましたね」とマルケスは言う。そしてそのせいでさらにミスをしてしまう。ロレンソを抜こうとしてアウトにはらみブレーキをかけてしまったのだ。おかげでマルケスは行き場が無くなりガラージュ・ヴェールでコースアウトしてしまい10番手に後退してしまった。突然目の前に多くのライダーを抱えることになった彼はせめて表彰台をと攻め続けることになる。

その走りは王者のものであった。彼が見ていたのは目の前のライダーではない・彼によればロッシを見続けていたと言うことだ。ドヴィツィオーゾとブラドルが前にいることは理解していたが、レースのペースをつくっているのはロッシだとわかっていた。毎周、ガラージュ・ブルーS字2つめの10コーナーでロッシが最終コーナーに入るのが見えていた。そして毎周彼はロッシに近づいていった。彼がロッシに追いついたのは11周目である。そして次の周にはトップに立った。

ロッシのミスによりトップに立ったのは棚ぼただとしても、他のライダーを抜くのは容易なものだった。まるで外科手術のような正確さだった。ほとんどのライダーはガラージュ・ブルーS字かダンロップシケインで料理された。マルケスが何も考えずに抜けたのはロッシだけで、それはロッシのミスによるものである。その他はマルケスの素晴らしいライディング、深いブレーキングとコーナリングスピード、そして立ち上がりの速さによるものだ。どれをとっても教科書に載せたいような見事なパスである。

そんなわけでレースの前半はおもしろいものになった。しかしそこで見せられたのはマルケスがどれほど強いかということである。記録は彼のものである。そしてたとえ半周遅れとなってもそれは何のハンディにもならないということだ。ホンダは確かにヤマハよりよくできているだろうが、マルケスの強さのほとんどは彼自身に起因するものである。ヴァレンティーノ・ロッシが言うとおり「マシンの性能を100%引き出せるのは彼だけだ」ということだ。

マルケスの支配で見えなくなっている興味深いことがたくさんある。まず言っておくべきは、ロッシの復活は間違いないところで、ロッシはM1を思うがままに扱っているということである。ロッシがスタッフを入れ替えたのは単にモチベーションの問題だけではなく実際に技術的な面でもメリットが大きかったことがはっきりした。今のところシルヴァーノ・ガルブセラを雇ったのは完璧な結果を出している。プラクティスごとにマシンを進化させ、トップ争いができるマシンをレースに投入できているのだ。

そしてこのおかげでロッシが再びヤマハのトップライダーに返り咲くという奇妙な状況が起きている。公式にはどちらのライダーも同じように扱われることとなっているが、メーカーは結果を出しているライダーの言うことを聞くものだ。現時点ではそれはヴァレンティーノ・ロッシである。彼はペドロサにランキングで2ポイント差に迫っており、5レースで3階表彰台に昇っている。ロレンソには36ポイント差をつけ自信満々の状態で真のホームレースのムジェロに臨むことになるのだ。ロッシは言う。「他のレースと同じで優勝すれば25ポイントですけど、ムジェロは名誉の問題なんですよ」 これはマルク・マルケスに対する一種の警告であり、それは彼も充分認識しているだろう。

ではホルヘ・ロレンソには何が起こっているのだろうか?おそろしく正直なことに、彼は自分のライディングに問題があると告白している。スタートに失敗し、失地を挽回しようとしたが、プラクティスで見せた印象的な速さを再現するのはとても無理だろうと思えるほど緊張がありありと見て取れた。「レースまではよかったんですよ」とロレンソはプレスに語っている。スタートに失敗したことで他のライダーの集団にのみこまれ、普段は体験しないポジションからの追い上げをせざるを得なかった。「レースをリードするなんてとても無理でした。2位も無理でしたよ。普段ならそのあたりにいるんですが」

ロレンソの問題は熱対策されたブリヂストンタイヤである。ブリヂストンはエッジグリップの高い新型タイヤの供給を始めたが、ロレンソの役には立っていないようだ。ロレンソによれば問題はタイヤのドライブセクション(加速に最初に対応するエッジのすぐ内側の部分)でグリップが失われるという点である。コーナーを抜けてスロットルを開けるとリアが空転し前に進まないというのだ。この問題は午前中のウォームアップでメカニックが見つけたと思ったギャンブル的なセッティングでさらに悪化した。

リアの荷重を増やしたのだが、午前中の低い気温ではコーナー加速がうまくいったのだ。この変更でフロントタイヤのグリップ感はやや失われたが、それでもロレンソはそこに喜んで賭けることにした。午後になって気温が上がるとリア荷重のメリットは消え失せ、ロレンソはリアのグリップ感のなさにも悩まされることになった。フロントにいたっては全くグリップしなくなっていた。それでもロレンソはロッシの成功に慰められている。もっとも彼自身についてはがっかりしており、時が過ぎるのを待つしかないと考えているようだ。「少しずつ良くなっていますから、いつかはうまくいくでしょう」

タイヤに悩まされているのはロレンソとヤマハだけではない。ダニ・ペドロサも同じような問題を抱えていた。まるでウェット路面を走っているようだとこぼしていたのだ。ペドロサが抱えていた問題はリアではなくフロントだった。フロントエンドが切れ込もうとしたのだ。このおかげでトップを目指して抜いていくこともできず、5位になるのがせいいっぱいだった。ロレンソと同様、ペドロサも序盤は集団に飲み込まれ、ブラッドリー・スミスやアンドレア・イアンノーネといったライダーの激しいライディングに悩まされることになった。ペドロサはこうしたバトルには慣れておらず、グリップ不足と手術をしたばかりの腕も相まって、抜いていくことができなかったのだ。

ではドゥカティはどうだろう?アンドレア・ドヴィツィオーゾはフロントローからスタートしたものの、これを結果に結びつけることはできなかった。カル・クラッチローにいたっては11位という冴えない結果に終わっている。ブレーキングは改善され新型タイヤも機能しているのの、デスモセディチが抱えている最大の問題は解決されていない。曲がらないのだ。去年と同じ問題だとドヴィツィオーゾは語る。「理由は同じですよ。限界も変わらない。新型タイヤでグリップは出ましたしラップタイムも良くなっています。でもタイヤのたれが早くて、あと曲がらないってのもありますね」 つまりドゥカティの問題は解決していないということだろう。

スタート位置は違ったものの、ドヴィツィオーゾとクラッチローのゴールタイムは3秒しか離れていない。そしてどちらも優勝したマルケスからは20秒以上離されている。ドヴィツィオーゾの強さはニュータイヤでの序盤の速さで、クラッチローはここを活かすことができていない。しかしタイヤがたれてくるとクラッチローとドヴィツィオーゾは似たようなものになってしまう。はっきりさせるために28周のレースの最初の5周を比べてみよう。5周目までにドヴィツィオーゾはクラッチローに5秒の差をつけているが、6周目から28周目まではクラッチローが速く1.3秒の差がついている。ドゥカティの問題はなかなか難しそうである。ニュータイヤでは加速の良さを活かしてウィークポイントをカバーできるがタイヤがたれるとタイムが出なくなってしまうのだ。

マルケスとロッシによるすばらしいレースと、そのチームメイトであるペドロサとロレンソの冴えない結果は他のライダーの良さを覆い隠してしまっている。3レースで3回のクラッシュという最悪のシーズンスタートとなったアルヴァロ・バウティスタは素晴らしいライディングで18か月ぶりの表彰台を獲得した。セッティングがうまくいけばショーワのサスとニッシンのブレーキは充分機能するのだ。バウティスタは表彰台を充分狙えるライダーなのである。しかしコースによってはデータがないことで戦闘力のあるサスセッティングができないという問題はある。

たぶん最も印象的だったのはポル・エスパルガロだろう。予選でのすばらしいパフォーマンスで2番グリッドを獲得したが、彼は何の幻想も抱いていなかった。予選後のプレスカンファレンスでは、タイムは一発出しでレースペースではないと言っていた。「まあ表彰台を狙えるって言ったら嘘になりますね」 しかしそうでもなかったのだ。彼はレース中トップを目指して走り続け、最終的にアルヴァロ・バウティスタに抜かれたものの表彰台まで1秒ということころでゴールしている。MotoGP参戦5戦目にしてエスパルガロは戦闘力を見せつけたのだ。

エスパルガロのチームのオーナーであるモンスター・テック3ヤマハのエルヴェ・ポンシャラルはMotoGP.comに対してエスパルガロがルーキーにもかかわらず見せているパフォーマンスについての驚きを語っている。「ポルは開幕当初は怒ってたんですよ。もっと前の方で走りたいとね。だから言ったんです。ちょっと待てばその日は来るよって。でも思っていたより早かったですね。彼は天才ですよ!」 ヤマハM1はいいマシンですよ、とポンシャラルは慌てて付け加えた。総合的に素晴らしいチームなんですよ、とも彼はウィンクして言っている。

MotoGPのレースも良かったが、最高だったのはMoto3である。最小排気量クラスは今シーズン輝きを放っている。最終ラップまで結果がわからないのだ。勝ったのはジャック・ミラーで3ショウエイとなったが、その勝ち方は見応えがあったが多少議論を巻き起こすようなものだった。アルゼンチンでアウトにはらんだロマーノ・フェナティがミラーに接触してそのまま勝ったのを覚えていたのだろう。ミラーは二度とそんな目にあわないようにレースをはこんでいた。そこでエフレン・ヴァスケスが最終ラップ、シェマン・オウ・ブフのS字で並びかけたときミラーは反撃に出た。彼は前に出てインを閉めたのだ。その結果ヴァスケスには行き場がなくなりブレーキをかけアウトにはらむこととなってしまった。そこでヴァスケスの初優勝の夢は潰えてしまったのだ。一方ミラーはランキングトップの座を確固たるものとしている。

確かにあの一瞬はラフなものだったし、ヴァスケスは激怒してフィニッシュ後にミラーの体を叩いてもいる。MotoGP.comには、ああいう動きは危険だとも言っている。「何にも考えていないんじゃないか」と彼は語る。そしてレースディレクションによる審議を期待するとも言った。少なくとも現時点、日曜の夜の誰もいないサーキットで審議は行われていないようだし、今後もそれはないだろう。

なぜか?まずレースディレクションは最終ラップの最終コーナーに関しては寛容だということだ。マイク・ウェッブがヘレスで私に言ったのだが、レースディレクションの目的はライダーがレースを勝利を目指してレースをできるようにすることで、だからこそレース序盤やプラクティスについては厳しいが、最終ラップの最終コーなについてはライダーにも勝利を目指してトライする権利を残しているいうことである。

そしてもうひとつの理由はもっと平凡なものである。ヴァスケスが激しい動きに文句を言うのはある意味皮肉であり、彼自身がレース中かなり激しかったからだ。いわば鉄鍋が鉄瓶におまえ黒いぞと言うたぐいの話で、同情はされないだろう。

何人ものライダーが優勝のために抜き合いをしたすばらしいレースにふさわしい終わり方だった。一時は第2グループの激しい争いのせいで、アレックス・リンスが逃げを打つように見えた。彼の後ろではミラー、ヴァスケス、アレックス・マルケス、イザック・ヴィニャーレス、ロマーノ・フェナティ、ペッコ・バグナイアが激しく争っていたのだ。しかし終盤に向けてなんとか休戦協定が結ばれ、みながリンスについていくこととなった。残り3周でヴァスケスがリンスをとらえ、ミラーとヴィニャーレスがそれに続いた。最終ラップではミラーが最初に行動を起こした。彼はヴァスケスの直後につき、一瞬遅れたが、厳しい追い抜きで勝利をものにした。

オーストラリア人のミラーは派手なウィリーで勝利を祝い、観客にグローブをなげ、グラベルでブレイクダンスまで踊ってみせた。ミラーはファンに好かれるタイプである。そしてチャンピオンの資格があることも証明した。既に2位に30ポイントの差をつけることになったのだ。ロマーノ・フェナティのマシントラブルに助けられたとは言え、ミラーが状況をコンとロースしていることに変わりはない。

それとは対照的にMoto2はただのパレードだった。まず6台が抜け出すことになった。その中には今回やっとKLXという略称ではなくカレックスであることを表明したシモーネ・コルシもいた。彼が序盤ではリードしたが、レースをコントロールしていたのはヘレスのウィナー、ミカ・カリォだった。彼は仕掛ける時が来るまでじっとこらえ、その後十分な差をつけて勝利した。ティト・ラバトが3位に入ったことでマルクVDSレーシングチームがチャンピオンにまた一歩近づいた。ラバトは99ポイントを稼いでトップに立っているがカリォはわずか7ポイント差まで詰めてきている。マルクVDSの2人にとって唯一の脅威はMoto3から上がってきたルーキーであるポンスチームのマーヴェリック・ヴィニャーレスとルイ・サロムだろう。しかしヨナス・フォルガーもルマンではいい結果を残している。土曜の予選でポールを獲得した彼は確実に6位でゴールしている。

これはMoto2が比較的楽だということを示しているのかもしれない。3人のMoto3からのルーキーがすぐに表彰台争いや優勝争いができるのだから。マーヴェリック・ヴィニャーレスは確かに特別なライダーで、ルイ・サロムもヨナス・フォルガーもなかなかである。しかしマルク・マルケスやスコット・レディング、ポル・エスパルガロといったライダーが最高峰クラスに上がってしまった今、Moto2ライダーのレベルは2年前とは違う可能性があると言えよう。

最後にひとつ話題を提供しよう。ここのところ特にMoto2に関しては革新的アイディアが不足していると我々は嘆いてきた。ワンメイクエンジンにワンメイクタイヤがその一因と言われている。しかし最大の問題はチームが過度に保守的であるということだろう。フレームデザイナーの一人は彼の欲求不満について私にこう語った。「チームの連中はそでが1967年型マチレスで使われていないとだめだと思ってるんだ」 そんな中フランス人ワイルドカードライダーであるルカ・マイアスが乗ってポイント獲得争いまでしたトランスフィオルマのマシンはいいなぐさめになった。結果的には18位だったが彼のマシンのフロントエンドはホザックに似たフィオール式のそれだったのだ。これは固定式のフロントフォークがステアリングヘッドに軽量なアームとシングルショックで連結されたものだ。そもそもテレスコピック式フロントフォーク用に最適化されたワンメイクタイヤに合わせてこれをセッティングできるというのはすごいことである。そして結果がコンセプトの良さを証明することとなった。予算もライダーの技量もそれほど恵まれてはいない中での18位というのは実に見事な結果というしかない。
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ほう、そんなマシンが走っていたんですね。今後に期待!

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公式リリース>フランス2014

ホンダヤマハ、ドゥカティ(英語)

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というわけで、気が向いたらポチってやってみてくださいませm(__)m。
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あと「Kampa!」もやってますので、こちらもぜひ!

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公式プレビュー>フランスGP2014

ホンダヤマハドゥカティ(英語)

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腕上がりとは何か、そしてその治療法

感覚としては理解しているし、実際腕を酷使してそうなっちゃうこともあったりするんだけど、そのメカニズムとか治療法については全然理解していなかった「腕上がり」。ここんとこペドロサとかブラドルが立て続けに手術で治療していますが、この腕上がりについてCycle Worldが解説してくれてます。
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MotoGPレーサーのダニ・ペドロサとステファン・ブラドルが最近相次いで同じ症状を緩和するための手術を行っている。彼らが苦しんでいたのは腕上がりだ。これはバイクレーサーより陸上走者に多い病気で(もちろん陸上走者には脚におきるものだが)、医学的には「慢性労作性コンパートメント症候群(chronic exertional compartment syndrome : CECS)」と呼ばれる。これがパドックで腕上がりと呼ばれているものの正体だ。

CECSは筋肉の使いすぎにより男女問わず発生するスポーツ障害であり、ほとんどの症例は長距離走者のものだ。2輪界ではロードよりモトクロスでよく見られる。荒れ地を走るために手と腕を酷使することを考えれば当然だろう。

CECS(そしてもっと深刻な急性コンパートメント症候群)を理解するには筋肉の解剖学と生理学をある程度わかっている必要がある。筋肉というのは筋膜と呼ばれる強靱で薄くしかも伸びにくい膜で包まれている。いちばん近いイメージはソーセージの皮だろうか。筋肉を使うときにはエネルギーが必要となる。そしてエネルギーが必要となると血流が必要となる。そしてこの血流量の増加により筋肉の体積は20%程度増加するのだ。しかし筋膜は伸びないため、狭い筋膜に筋肉がいっぱいになってしまう。この状況ではエネルギーが必要な場所に供給されず、筋肉全体のパフォーマンスが落ちることになる。そして前腕部の筋力が落ちると、手首、手、指と筋力が落ちていく。

さらに腕上がりは痛いものであることも言っておくべきだろう。実際これが障害発見のきっかけになることが多いのだ。乗り始めて数分で痛み始め、乗り終わってから20分程度で痛みが消える。痛みには短期的な痺れと筋肉に力が入らない状態が伴うことがある。かなりのスピードで走っていたらプロだろうとアマチュアだろうと、こういうことは避けたいはずだ。

整形外科での救急処置を必要とするような外傷によって起こる急性コンパートメント症候群とは異なり、腕上がりは機能の永久的な喪失につながることはほとんどない。しかし腕がまともに動かなかったら勝つのは難しいし、怪我もしやすくなってしまう。

症状が長続きするわけではないために診断での見落としもあり、腱炎のような軽い障害と間違われることもある。スポーツ医学の専門家がやるのは休息時、労作時、労作後の筋区画(筋膜に包まれた部分)の圧を測定することだ。これは圧力測定器につながった針を筋肉に刺して計測するものである。筋区画の圧が下がらなければ診断は確定だ。

最新の知見によれば、筋膜切開のみが有効な治療である。これは全身麻酔下で症状のある筋区画の筋膜を切開し圧を開放する方法だ。普通は術後数週間は筋肉を休ませなければならない。しかしペドロサもブラドルも今週末のフランスGPへの出場を予定している。手術から2週間もたっていないにもかかわらずだ。

彼らの「やる気圧」がそうさせるのだろうか。
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なるほどなるほど。

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ラヴァティがスズキでフィリップアイランドMotoGPテストに登場

とりあえずテストだけのようですが。BikeSportNewsより。
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ヴォルトコム・スズキからワールドスーパーバイクに参戦しているユージーン・ラヴァティがランディ・ドゥ・ピュニエと共にフィリップアイランドで3日間行われるブリヂストンのタイヤテストに参加することとなった。

彼はまず日本の沖縄でシェイクダウンを1日行った後、オーストラリアに移動する予定だ。彼の地は冬でテストには不向きなようにも思われるが、ラヴァティは楽しみにしている。

ラヴァティはイモラでのワールドスーパーバイクのテストでBSNにこう語った。「ドニントンのあと木曜にシェイクダウンのために日本に行って、それから1日半のテストを行う予定です。その後はランディがテストすることになってます。
 でも正直言うと1時5分前に僕の役目が終わっても、ニュータイヤを履いてタンクをいっぱいにしてコースに出て行きたいと思うでしょうね。すぐに満タンにできるように兄貴にガス缶をもって立っていてもらおうかな。
 フィリップアイランドはテストには最適です。コースも知っているし何をすべきかわかっていますから。もちろん寒いってことも知ってますよ。
 テストは素敵なおまけですね。ジョナサン・レイもホンダから同じようなおまけをもらったけど、完璧なおまけじゃなかった。GPを走ったんだけどあの時は金曜がキャンセルされちゃいましたからね。とにかくベストを尽くしてラップタイムを楽しみにしたいです。今のところワイルドカード参戦の話はないですし、僕らが出られるかどうかもわかりませんけどね」
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えーっと、最後の段落、ちゃんと理解して訳してはいません。原文では「Jonathan Rea had his addition with Honda but it wasn’t a fair one because he had one GP where the Friday was cancelled.」なんですが、そんなことってありましたっけ?どなたかフォロープリーズ。ちなみにレイがGPに出たのは2012年の13戦サンマリノと14戦アラゴンだそうです(出典:Wikipedia)。

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スズキは2015年に向けて着々と準備中

ドヴィツィオーゾにペドロサと、誰が乗るかについて喧しくなってきたスズキですが、マシンの方も着々と開発中です。MCNより。
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11月初めにヴァレンシアで行われるプレシーズンテストにスズキは新型1000ccMotoGPマシンの大改良版を2015年に向けてデビューさせる予定とのことだ。

2011年に一時撤退したスズキがホンダとヤマハに後れをとるつもりが無いのは明らかである。チームボスのダヴィデ・ブリヴィオはMCNに対してスズキの開発プランの概要について説明してくれた。

ヴァレンシアで行われる伝統の最終戦後テストでは現在ランディ・ドゥ・ピュニエが開発中のものとは全く異なるマシンがデビューする予定とのことだ。

新型フレームと新型エンジンへのアップグレードも予定されているという。

ブリヴィオはこう語る。「エンジンパワーがもっと必要だということはわかっているので、工場ではその開発をしています。シャーシはいいものができましたが、現在のマシンはヴァレンシアに登場するものとは違います。開発は一段階ずつ進んでいくものですが、ヴァレンシアのマシンは大きく違うものになります。ヴァレンシアで最終スペックを確認してから他のメーカーのように地道な開発をしていくことになるでしょう。ヴァレンシアテストで使うマシンは現在形とはかなり異なりますね。新型シャーシと新型エンジンと、それに電子制御も新型です」

ダニ・ペドロサ、アンドレア・ドヴィツィオーゾ、アレイシ・エスパルガロ、ユージーン・ラヴァティの名前が来シーズンのスズキライダーとして挙がっている。
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まあ過大な期待はしませんが、暴れ回ってくれるといいなあ。

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タイヤ入札に参加する予定はない、とピレリ

5/22に迫った2016年からのワンメイクタイヤの入札ですが、ピレリは早々に手を下ろしているようです。CRASH.netより。
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ブリヂストンの撤退を受けて2016年からのMotoGP世界選手権用のワンメイクタイヤ入札が行われることになっているが、ピレリはこれに参加する予定はないと言明した。

ブリヂストンは2015年をもってMotoGPのワンメイクタイヤサプライヤーから撤退することを表明したが、5月22日の新たなメーカーの入札期限に対してどこが応札するのか様々な憶測を呼んでいる。

ブリヂストンの役割を引き継ぐことのできる体力のあるメーカーの一つがピレリだ。ピレリは近年F1、ワールドスーパーバイクといったモータースポーツの世界で重要な地位を占めており、特にWSBKはドルナが買収したことから、ラップタイムは大きく違うもののWSBKタイヤを使う可能性があるとの噂が流れていた。

しかしバルセロナのF1グランプリでピレリのモータースポーツディレクターであるポールヘンバリーがMotoGPは予定に入っておらずWSBKに注力したいと語った。

「既にスーパーバイクに注力していますし、プロモーターも同じですから確かに話し合いはしていました。でも現時点では何もする予定はありません。モーターサイクル部門がこの件を検討していますが、会社としてはスーパーバイクにかかわっていることで満足しています」

ブリヂストンに破れるまで1976年から2006年までの間に26の500cc/MotoGPタイトルを獲得したミシュランが現時点では最有力候補と言われている。

ブリヂストンがミシュランを破ってタイトルを獲得したのは2007年と2008年で、その後はワンメイクとなっている。
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結局噂通りミシュランですかねえ。

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黒くて丸くて・・・

マン島TTで優勝経験もあるジャーナリスト、マット・オクスレイ氏がタイヤサプライヤー変更によってもたらされるだろう変化について語ってくれています。MotorSportMagazineより。
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さて、来シーズンをもってMotoGPは例の黒くて丸いやつを別のブランドに変えることになる。でかい話だ。タ・イ・ヤ、のことである。

もちろんこれはでかいどころの騒ぎではない。タイヤブランドを変えるというのはライダーのキャリアを成功に導くこともあれば潰してしまうこともあるのだ。そして常勝マシンをとても乗れないマシンにしてしまうこともあるし、その反対も当然起こり得る。別の言い方をすれば、ブリヂストンに別れを告げ新たなメーカーを迎えるというのはMotoGPを混乱に陥れるということなのだ。現在の状況が全く変わってしまう。うまくいくかもしれないし、最悪の結果になるかもしれない。タイヤの変更というのはそれくらい大きな影響を及ぼすものである。

ミシュラン支配時代
1980年台、90年台、そして2000年台の初頭、ミシュランが最高峰クラスを支配していた。ライダーなら誰もがミシュランと契約できるとあれば祖父母を売り飛ばすくらいならやってもいいと思ったろう。ミシュランがなければ勝てない時代だったのだ。

しかしテクニックに合わないとか、タイヤにテクニックを合わせられないとかという理由でミシュランを好まないライダーもいたのだ。

ニュージーランド人のサイモン・クラファーもその一人である。1998年にダンロップを装着したレッドブルヤマハYZR500で彼は当時最強だったミシュラン-レプソルホンダNSR500-ミック・ドゥーハンという組み合わせをドニントンパークで破り、フィリップアイランドでも再び優勝しそうになっている。

ミシュランが当時最強のタイヤだったことからクラファーのチームはミシュランを履けばもっと速くなると踏んで1999年はそうすることにした。そしてクラファーは500ccタイトルを獲得するはずだった。しかし彼らは間違っていた。というより最悪の結果に終わってしまった。クラファーはMotoGPの勝者、ラップレコードホルダーという立場から、単なる参戦ライダーの一人になってしまったのだ。彼はミシュランを活かすことができなかったのだ。

彼をだめにしたのはフロントタイヤである。より正確に言うならフロントブレーキをリリースしてコーナーに進入する際のフロントタイヤのカーカスの変形が問題だったのだ。ダンロップのフロントタイヤはカーカスの弾力が強く、コーナーに突っ込む時のブレーキングでうまくつぶれ、ブレーキをリリースするとタイヤが通常のプロファイルにすぐに戻ることでコーナー進入のきっかけをつくっていたのだ。

それがなくなったことでクラファーはマシンを曲げることができなくなってしまった。99年、ミシュランでの最高成績はフランスGPでの11位であり、シーズン半ばで彼はチームから解雇されてしまった。これが実質的に彼の国際レースのキャリアの終わりとなった。わずか半年前は500ccのニューヒーローだったのに。

最近の例ではトニ・エリアスが挙げられる。ミシュランからブリヂストン、そしてブリヂストンのワンメイクタイヤ(これはタイヤ戦争時代とはかなり異なる特性がある)を経験した彼は、ミシュランでは自分の特殊なライディングスタイルに合わせたタイヤで優勝まで経験し、ブリヂストン時代にも表彰台をゲットしている。しかしワンメイク時代のブリヂストンでは散々な成績となってしまった。そしてヴァレンティーノ・ロッシも同じような苦労をしている。2012年以降のブリヂストンのフロントスリックにはなかなかライディングが合わずグリップ感を得られないでいた。

次のワンメイクタイヤ
MotoGPが2016年にタイヤメーカーを変更したら誰が勝者で誰が敗者となるのだろうか?それはだれにもわかない。しかしブリヂストンで速かったライダーの何人かは間違いなく苦労するだろうし、ブリヂストンをうまく使いこなせなかったライダーの中には喜ぶ者もいるだろう。

そしてバイクメーカーはどうなるだろう。ホンダは2008年にミシュランからブリヂストンに移行した際、RC212Vをタイヤに適応させるまでに2年近く、そして10種類以上のフレームを費やしている。2010年にケイシー・ストーナーが離脱する前からドゥカティが苦労していたことも思い出して欲しい。専用のブリヂストンタイヤを使っていた時代の2007年には11勝、2008年には6勝を挙げていたにもかかわらず、ワンメイク時代となった2009年、2010年の2年間では合わせて7勝しかしていないのだ。その原因はタイヤに合わせられなかったからだととりざたされている。そして現在もそうである。ジジ・ダリーニャはタイヤ変更前にブリヂストンにマシンを合わせる気があるのだろうか?

もちろん2016年に導入される前から新たなタイヤサプライヤーは多くのテストを行い、バイクメーカーやライダーが新タイヤに慣れる機会を与えることになる。そしてもちろん(コストはかかるが)シャーシの設計やりなおしが必要となる。ワンメイクタイヤがコストを削減するなど幻想である。ワンメイクタイヤというのはバイクレースからうまく金を吸い取る仕組みであり、吸い取れない大多数にとってはろくなシステムではない。

ワンメイクタイヤはファンにとってもいいシステムとは言えない。理論的には同じタイヤならレースが接近戦となっておもしろくなるだろう。しかしそうはならないのが現実である。ライダーによって向き不向きがあるからだ。接近戦などワンメイクでは無理なのだ。

MotoGPがスプリングレートもダンピング調整もできないワンメイクサスペンションを導入するという悪夢が実現したらどうなるだろう。タイヤと同様に合うライダーもいれば合わないライダーもいるのは道理である。これではレースを公平にしているとは言えないのは明らかだ。

ブリヂストンがなぜMotoGPから撤退するのかについてはドルナとブリヂストンの幹部を除いては誰にもわからないことだ。確かに両者の関係は昨年のフィリップアイランドでの大問題以降、緊張したものとなっていたが、それは始まりにすぎないだろう。

ことによったらワンメイクタイヤ契約をすることでかえって広告戦略にダメージを与えることにブリヂストンが気付いたのかもしれない。タイヤが性能を発揮しても誰もタイヤについて語りはしないが、だめなときは悪夢のような見出しが世界を駆け巡るのだ。

もっと深い理由、例えば2016年から導入される統一ECUソフトウェアがその理由かもしれない。ドルナはトラクションコントロールの介入を減らそうとしているのだ。

私はタイヤ技術者ではないが、ブリヂストンのリアタイヤはトラクションコントロール時代のタイヤだと考えている。ブリヂストンは2000年台に追放されてしまったミシュランよりも固く、ライダーには優しくないのだ。しかしエンジニアが電子制御に頼れる時代に何の違いとなるというのだろうか。ブリヂストンは電子制御時代と言う新たな波に対応した初のタイヤメーカーとなった。彼らは電子制御の介入が減らされる新たな時代に対応したくなかったのかもしれない。

どのメーカーが2016年のタイヤ入札に勝つにせよ(他のメーカーとガチンコ勝負ではあるがミシュランが最有力だと噂されている)、とにかくできるだけたくさんのライダーとマシンに適合するタイヤを作ってほしいものだ。理想的にはより多くのライダーにとって乗りやすく、ラインの自由度も増すように、もっと柔らかいタイヤが望まれる。しかし260馬力を受け止める柔らかいタイヤを作るのは至難の業だろう。まあ幸いにも私が考えるべきことではないが。
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なるほどー。いろいろおもしろい!

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スズキはアンドレア・ドヴィツィオーゾに興味を移す

ほぉ〜。さっき「ペドロサに興味を持ってる」って言ってたMCNより。
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アンドレア・ドヴィツィオーゾが2015年スズキに移籍するのではないかという観測が早々と飛び出してきた。

彼のマネジャーであるシモーネ・バッティステッラがスズキの幹部と真剣な話し合いを重ねているのだ。

スズキは元125ccチャンピオンである彼に長いこと興味を持っており、MCNがアルゼンチンテストで取材したところでは、スズキのテスト・開発部隊の主要メンバーがドヴィツィオーゾを最有力候補として挙げている。

ホンダ、ヤマハ、ドゥカティで数々の経験を積んだ彼は表彰台を狙える速さを見せており、来シーズンから競争力を発揮したいと考えているスズキにとっては最適の人材である。

ドゥカティで苦労していることを思えば、オースチンでドゥカティでの初表彰台を飾ったとは言えドヴィツィオーゾがスズキに移籍するのは充分あり得ることである。

彼は先週のヘレスでは5位に入ったが、優勝したマルク・マルケスとはラップタイムで1秒離されていた。

バッティステッラはMCNにこう語っている。「今は彼らの提案と彼らの現状を吟味しているところです。でもまあどこからアプローチがあっても同じですね。スズキは誰にターゲットを絞ろうとしているのかはっきりさせるべきだと思います。こちらとしてはスズキとも他のメーカーともまだ何もしていませんよ。ドゥカティとも、ですが」

しかしバッティステッラはスズキという選択肢はドヴィツィオーゾにとって魅力的だと言っている。「スズキは常に有力な選択肢でした。撤退した時点でも強いチームだったしマシンも表彰台争いが可能だった。あのときアルバロ(バウティスタ)はまだ若かったし、もしトップライダーが乗っていたら2〜3回は表彰台を獲れたでしょう。いいライダーが乗ればスズキは来年のはじめから表彰台を狙えると思いますよ」

スズキもドヴィツィオーゾに多大な興味を示しているとはっきり言っており、ドゥカティは彼を留めるために苦労することになるだろう。

デスモセディチは相変わらずホンダとヤマハとは比較できるレベルにはなく、バッティステッラとしては今年の結果を見てから決めるには遅すぎる段階にきていると考えている。

「もう技術的な解決ではドヴィツィオーゾを留めることはできないですね。ジジ(ダリーニャ)とアンドレアの信頼関係の問題なんです。マシンをなんとかするには時間がなさ過ぎますよ。最初はすごく良い関係でしたけど、アンドレアが残りたいと思わせるような何かを作り出す時間はないでしょうね」
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うぁー、これ、スズキで決まりっぽい記事ですね。さーて、チームメイトはどうしましょう。

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統一ECUじゃあ表彰台は無理、とアレイシ・エスパルガロ

オープン型M1を手に入れて予選では速さを見せるものの決勝ではなかなか結果が出せないアレイシ・エスパルガロが統一ECU(電子制御ユニット)ソフトについて語っています。CRASH.netより。
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アレイシ・エスパルガロはオープンクラス用ECUソフトウェアでは今シーズンMotoGPクラスでの表彰台には上がれないだろうと考えている。

先週のスペインGPで7位をワークスマシンと争っていたエスパルガロだが、フォワード・ヤマハのマシンは明らかにエンジン性能が劣っており、5位とはわずか0.5秒差だったが表彰台からは26秒も離れていたのだ。

エスパルガロは語る。「もう表彰台のことは忘れないといけないと思ってますよ。ワークスとは電制制御が違いすぎて、とにかくスライドするんです。もうこれが限界ですね。単にトップスピードや加速の問題もあるけど、電子制御も大きな問題なんです。まあ表彰台に近づけるサーキットも2つくらいはありますけど、相当苦労するでしょうね」

より洗練されたオープンクラス用ソフトウェアもこの冬にドゥカティから提供されはしたが、ドゥカティ以外にとっては複雑すぎたため、結局ドゥカティはオープンクラスの特典付きのファクトリークラスということになった。オープンクラスの電子制御ソフトは旧来のままである。

オープンクラストドゥカティはファクトリークラスであるホンダ、ヤマハに対抗できるよう、より多くの燃料、エンジン開発、よりソフトなリアタイヤ、テスト制限の緩和等の得点を受けている。

エスパルガロのMotoGPでの最高成績は今シーズン開幕戦カタールでの4位だったが、1kmもあるストレートにもかかわらず表彰台からは8秒の差だった。この時点でヘレスのような低速サーキットでは表彰台争いも可能だと踏んでいたエスパルガロだったが、ファクトリークラスの電子制御ソフトのタイヤマネジメントにやられてしまう結果となった。

ヘレスではアンドレア・ドヴィツィオーゾ、アルヴァロ・バウティスタ、ブラッドリー・スミスといったライダーと突っ込み合戦を行ったエスパルガロは、5/16-18にストップ&ゴー型のルマンで開催されるフランスGPでは自らのレイト・ブレーキングのテクニックに期待をかけている。

「ルマンは僕みたいなハードブレーキングと突っ込みが得意なライダーにとってはいいコースですね。いろいろできるコーナーがたくさんありますから。僕のマシンはそういうのが得意じゃないんです。たぶんドゥカティやホンダの方が得意でしょうね。でもブレーキリリースからコーナリングスピードをかせいでいくところまでは得意なマシンですから」

エスパルガロはプレシーズンテストから他のオープンクラスライダーを寄せ付けず、現在ランキング7位である。

2016年からはハード・ソフトともに電子制御は統一される上に、タイヤサプライヤーも変更されることになっている。
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がんばれお兄ちゃん!

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2015年も是非ペドロサで、とホンダ

へぇ〜。MCNより。
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2014年でダニ・ペドロサとの契約を打ち切ることを真剣に考えているという噂をホンダが否定している。

2015年にMotoGPに復帰する予定のスズキが、その速さと経験を得るためにペドロサを獲得したがっているとの根強い噂も出ていた。

しかしペドロサ自身にとってレプソルホンダへの残留は最優先事項であり、HRCも常にホンダに忠誠を誓ってきた彼を手放すつもりはないようだ。彼が2006年にMotoGPに参戦を開始してから一度もタイトルを獲得したことが無いにもかかわらずだ。

2014年シーズンのペドロサはここまでの4レースですべて表彰台を獲得しているものの、カタール、テキサス、アルゼンチン、ヘレスと楽々と4連勝を飾ったチームメイトのマルク・マルケスとは大きな差がついている。

HRCのボスであるリヴィオ・スッポはMCNにこう語っている。「ダニはキャリアの最初からずっとホンダでしたし、彼がホンダ以外に乗るなんて想像できないですね。彼もそう思っているでしょう」

MotoGPでの8年間の内6回もランキング3位以内に入っているペドロサの代わりがみつからないという問題もあるだろう。

アルヴァロ・バウティスタもステファン・ブラドルもマルケスのチームメイトになるほどの実績は上げていない。スッポは言う。「現時点でマルクとダニはランキングの1位と2位なんですから最高のチームなんですよ。二人は良い関係を築いているってのも重要な点ですね。だからこれ以上のラインナップは考えにくいですよ」
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スズキいいじゃん。

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ダニ・ペドロサ 腕上がりの手術が成功

レプソルホンダのFacebookページより。
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レプソルホンダのライダー、ダニ・ペドロサの右前腕部の手術が火曜午前に行われた。執刀医はミル医師で場所はクイロン・デシュエウス・大学病院である。ミル医師によればフランスGPには復帰できるということだ。

スペインGPでは0.098秒差で2位を逃し、翌月曜日にはテストを行うという忙しい週末を過ごしたダニは、他のGPライダーにもよくある腕上がりの手術を受けた。

右前腕部に違和感を感じたダニはミル医師の診察を受け、すぐに手術することを決意した。フランスGPでの復帰を目論んでのことである。ミル医師は前腕部の2か所を切開し、屈筋・心筋の動きを自由にすべく小侵襲手術を行っている。

ダニは24時間の入院の後、数日は腕を固定する必要があるが、すぐにリハビリを開始する予定である。予定通り回復すれば彼は次のルマンでのフランスGPに出場することになる。
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腕上がりってステファン・ブラドルも手術を受けてますね。なかなかたいへん。

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ガイ・マーティンがパイクス・ピークに!


Asphalt & Rubber
より。
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マン島TTの有名レーサー、理解しがたい人物だが一目見れば愛さずにはいられない男、ガイ・マーティンが2014年のパイクス・ピーク・国際ヒルクライムレースに出場するようだ。マン島TTのスターであり、マン島では勝ちがないがおそらくマウンテンコース最速のレーサーである彼がいよいよ「天空へのレース」に出るとのことである。

パイクス・ピークの主催者はこのアメリカらしい伝統的なレースの国際的地位を高めるため、そして新たな息吹を吹き込むためにマン島レーサーの出場を模索してきた。

我々の情報源によれば、最も誘いたかったのがガイ・マーティンだということだ。彼は映画「クローサー・トゥ・ザ・エッジ」の主人公の一人なのだ。そしてその努力は報われたようだ。

マーティンが第92回パイクス・ピークで乗るのは1992年型GSX-R1100.マーテック製フレームにターボチャージャーを組み合わせた、もちろん自作マシンである。彼はカーリン・ダンが2012年にドゥカティのマルチストラーダ1200で記録した2輪車の記録9分52秒819を破るべく必死のチャレンジをしてくるだろう。

10分を切ったのはカーリン・ダンとグレッグ・トレイシーの2名だけである。去年の暖はもう少しで2012年の再現をするところだった。この時乗ったのはライトニング電気スーパーバイクであり、路面コンディションは最悪だった。

現時点ではマーティンがどのチームで走るのかは未確定だし、彼のマーテック製マシンがどこまで戦闘力があるかも不明である。我々の最新情報ではマーティンの手になるターボマシンは320馬力を発揮しており、現在開発中のニトロシステムにより500馬力を目標としているとのことだ。

勝とうが負けようがこのモンスターマシンとガイ・マーティンは一見の価値ありである。観戦は是非観戦エリアからお願いしたい。(ソース:Road & Track
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500馬力ってwww。

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2014 MotoGPヘレステストまとめ:エンジンブレーキ、ソフトタイヤ、そして打倒マルケス

ヘレスのレース後テストのまとめです。Motomatters.comより。タイムはこちら
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今シーズンの初テストとなったヘレスはチームにとってきついものだったろう。3つの大陸への遠征への後、わずか1週間でヨーロッパでのレース。チームもメカニックも時差に混乱し、シーズン開幕からの4レース分のデータを分析する暇もない。結論を出すにはまだシーズンは始まったばかりで、チーフエンジニアも他のメカニックも今シーズン型マシンのポテンシャルをフルに発揮しているという状態には程遠く、まだ自分たちのアイディアを出し切ってもいないのだ。

その結果、テストには大した新型パーツも持ち込まれていないということになった。月曜のテストで走ったマシンは日曜のレースの時とほとんど変わっていないように見える。ほとんど区別はつかなかった。サスペンションもプログレッシブレイトのサスリンケージもブレーキキャリパーも見慣れたものだ。一番の違いは電子制御だろう。ヤマハとホンダはエンジンブレーキの改良に勤しみ、ホンダはさらにローンチコントロール(スタートコントロール)システムも試していた。しかしこのシステムはマルク・マルケスの気に入るところではなかったので二度と使われることはないだろう。

ほとんどのチームはスペインGPのプラクティスで試したことを再びトライしていた。プラクティスでは十分な時間がなかったのだ。モヴィスターヤマハのホルヘ・ロレンソとモンスターテック3のポル・エスパルガロはその効果を感じているようだ。どちらも2種類ある内のソフト側のタイヤを試していた。ロレンソはソフト側のリアタイヤにとても満足していた。ロングランもこなしているのだ。ロレンソが語るところでは、彼はソフト側のタイヤも試してみたが3ラップか4ラップもするとパフォーマンスの落ちが激しいと感じていたとのことだ。結果的にはその判断は早計だった。ロレンソによればパフォーマンスの落ちは激しいものの、その後安定するというのだ。彼はハード側でレースに出たのだが、確かに落ち方はそれほどではなかったものの最後までパフォーマンスが低下し続けたとロレンソは語っている。ロレンソは言う。「貴重なレッスンでしたよ。これからはソフト側のリアタイヤをまずは試してみます。ハードタイヤでなんとかしようとするんじゃなくてね」

ポル・エスパルガロも同じ意見だとメディアに語っている。レースウィークではハード側コンパウンドを試していたが、それは失敗だったとのことだ。ソフト側の方が感触が良かったらしい、エスパルガロも方向性を見つけたというこだ。

ヤマハライダーは全員電子制御を試していた。ブラッドリー・スミスによれば、その目的は太いリアタイヤを活かして効果的なブレーキングを実現することだという。比較的細いフロントタイヤに比べればリアタイヤの接地面積は大きいのだ。バランスをとるのは難しいし、リアに荷重を掛けすぎればドリフトしてしまいマシンは不安定となる。ここはホンダと異なりヤマハが未だに苦手とする部分である。明らかに改善は観られており、スミスはブレーキングをさらに良くするためにより強力なリアブレーキキャリパーも試している。

ヴァレンティーノ・ロッシのテストの目的は加速を改善することだった。コーナー脱出でエンジントルクを最大限に活かしたいのだ。彼にとってそこはヤマハが苦手とするところである。エンジン開発が凍結されてはいるが、一定の回転域でパワーをきちんと得るために電子制御マッピングを改善しようとしている。また彼は予選タイムを上げるためのトライもしていた。テスト終盤では短い周回数を何度も走っていたのだ。彼によればとにかくフロントローを獲りたいのだという。そこは彼が今シーズン苦しんでいる部分でもある。ルマン、ムジェロ、バルセロナと、今後控えているレースはヤマハとロッシが過去に得意としていたサーキットで開催される。ロッシはマルク・マルケスと互角にわたりあいと考えているのだ。マルケスを負かすのはたいへんだろう。現時点でホンダのマシンはヤマハより優秀だからだ。しかし最大の違いはマルケス自身だとロッシは言う。マルケスに勝てるサーキットはあるのか。ロッシは言う。「とにかくがんばり続けるしかないですね」

ブレーキングを改善しようとしていたのはヤマハだけではない。マルク・マルケスもかなりの時間をブレーキングの改善に費やしていた。彼は冷却性に優れるより大きなリアブレーキディスクを試している。ブレーキングではずっとリアが浮いているのに、なぜリアブレーキが重要なのかとあるジャーナリストに問われたマルケスは笑いながらこう答えた。「リアブレーキは特に高速コーナーで重要なんです。コーナー進入が鍵なんですよ」
マルケスはサスペンションとリアのディメンジョンの変更も試していた。これも高速コーナーでの挙動を改善するためだろう。レースではマルケスは5コーナーで苦労していたのだ。彼がライバルに劣っていた数少ない部分である。だからこそテストでは高速コーナーに集中したのだろう。マルケスによれば他のサーキットの似たような場所で役に立つだろう改善ポイントがみつかったとのことだ。

ダニ・ペドロサは別の部分を試していた。この18か月間というもの、ペドロサと彼のチームは苦手としていたレース後半をなんとかしようとしてきた。確かにそれは功を奏しており、アルゼンチンでもヘレスでも後半の彼は強かった。しかしながらペドロサ特有のロケットスタートと序盤の素晴らしいペースは影を潜めてしまったのだ。今回のテストはそのバランスの作りかえが目的となり、後半部分を多少犠牲にしても序盤のペースを取り戻すという方向でトライをしていたようだ。非常に微妙なバランスの上に成り立っている話だとペドロサも認めているが、一定の成果は得られたと彼は言っている。

ワークスドゥカティは今回のテストには参加しなかった。ムジェロでのプライベートテストが控えているのだ。しかし何をテストするかについては今から様々な噂が飛び交っている。フレームの大変革か?新型エンジンか?ドゥカティの口は硬い。テストライダーのミケーレ・ピッロも何も見せては暮れなかった。しかし彼のGP14のテールについていた2つの突起が様々な憶測を呼んでいる。慣性ダンパーか、それとも何かのセンサーなのかもしれない。慣性ダンパーはこれまでドゥカティが悩んでいるリアのホッピングを緩和するために使われるものだ。しかしあれほど小さなダンパーで何らかの効果を得られるのかどうかは疑問である。いずれにせよドゥカティのレースマシンに搭載されるのであれば、その内何かがわかるだろう。

自戒のテストはバルセロナである。そちらの方がおもしろいだろう。6月中旬に予定されており、ワークスも多くの新型パーツを投入するだろからだ。言うまでもなくマニアは舌なめずりしてその時を待っているのだ。

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もっと接近戦がいいなあ、とマルケス

「おまえは何をいっているんだ」、ですが・・・。autosport.comより。
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逃げに逃げているランキングトップのマルケスは、しかし自分の好みとしてはヘレスのような独走ではなく、もっと面白いレースがしたいと語っている。

昨年に引き続きチャンピオンを狙うマルケスは2014年は負け知らず。カタールとアルゼンチンでは接戦があったものの、オースティンとヘレスでは独走優勝を飾っている。

ヘレスではレースウィークを通じてホンダのチームメイトであるダニ・ペドロサ、そしてヤマハのホルヘ・ロレンソ、ヴァレンティーノ・ロッシとの接戦になるだろうとマルケスは言っていた。

彼によればヘレスの決勝では序盤にリードを広げなければいつか追いつかれてしまうだろうと恐れていたとのことだ。

「本当はアルゼンチンとかカタールみたいなレースが好みですね。でも自分に自信が無いときは最初から飛ばしてギャップを広げて後はそれをコントロールするというレースがしたくなるんです。
 ダニとロッシと一緒にアルゼンチンみたいなレースになるかと思ってたんですけど。
 終盤ではダニに追いつかれるのを心配していました。FP4で彼はすごく速かったし、しかもその時はユーズドタイヤでしたから。だから差を広げようとしたんです」

ヘレスで勝利を挙げたことにより、マルケスはMotoGPカレンダーに載っているすべてのサーキットで優勝したことになる。そして2014年の勝率は今のところ100%だ。

「僕が負ける時も来るでしょうね。でも大事なのはその時にチャンピオンになるために表彰台をとるなり、それなりのポイントを稼ぐなりすることですよ」
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うわぁー、にくったらしい!(褒めてます)

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マルケスはずっとホンダじゃない?とロッシ

自らのキャリアと比較してそう言ってます。CRASH.netより。
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ヴァレンティーノ・ロッシはマルク・マルケスがホンダに乗り続けることになるかもしれないと考えているようだ。

ホンダで3連覇を飾った後、ロッシは2003年にヤマハに移籍した。マシンの性能が褒められている割に自らの実績が評価されていないと考えてのことだ。

しかし4連続ポール・トゥ・ウインを飾った21歳のマルケスが同じように考えるかと聞かれて、ロッシはこう答えている。
「正直わからないですね。ホンダの状況も昔とは違っているかもしれませんしね。2003年のときは違うモチベーションが必要だったんです。これは自分の心の問題でね」

2011年のドゥカティへの移籍とは異なり、ロッシはヤマハですぐに結果を出し、YZR-M1で4連覇を成し遂げている。そして再びヤマハに戻ったロッシはヤマハライダーでトップのランキング3位につけている。

「ヤマハに行くという決断は正解でした。でもライダーそれぞれで考えは違いますからね。キャリアの作り方も気持ちも違いますから。マルクが望むならホンダでキャリアを終えるのもいいんじゃないでしょうか」

マルケスの契約は他のトップライダーと同様今シーズンまでである。ヘレスではマルケスは今のところチームを変えるつもりはないと言っている。

ホンダで最初から最後までGPキャリアを全うしたライダーには5回のチャンピオンを獲っているミック・ドゥーハンがいる。
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スズキに行こうよ。おもしろいから。

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2014 ヘレス 日曜まとめ:スペインの情熱、非スペイン人の優勝、そしてエイリアンの中のエイリアン

お休み中なのでMotomatters.comの長文まとめいきます!主にマルケスのすごさについて。
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ヘレスにはいつも特別な雰囲気がある。南スペインのヘレスサーキットほどファンが熱狂するようなモーターサイクルレーシングの礼拝所はそうはないだろう。世界のどこでもモーターサイクルレーシングのファンというのは情熱的なものだが、ヘレスのファンは特別だ。彼らの情熱は特製のスパイスだ。アンダルシアの経済は相変わらず低迷しているものの、日曜の観衆は去年の111,000人から117,001人(有料入場者)に増加した。経済状況とは関係なくモーターサイクルレーシングの心意気は未だに健在なのだ。

とは言え去年とは異なりスペインのファンは表彰台中央を自国ライダーが独占するのは観られなかった。Moto3とMoto2では非スペイン人が優勝したのだ。MotoGPの表彰台すらスペイン人による独占はかなわなかった。下位の2クラスではチャンピオン争いは振り出しに戻っている。まあMotoGPクラスはそうでもないが。マルク・マルケスがランキングトップを確実なものにしたMotoGPクラスでは恐怖政治が3戦連続から4戦連続になってしまっている。今シーズンの残りのレースも容赦ないマルケス(Marc the Merciless:ジャーナリストのマイケル・スコットの命名)によるレースが繰り返されるだろう。この状況が気にくわないファンはMoto2時代の様子から「レース殺しマルク」(Murder Marc)と言っているが。何を言われようが彼が4連続ポール・トゥ・ウィンをやってのけたのは事実である。

レース展開は多かれ少なかれそういう感じだった。Moto3ではロマーノ・フェナティが2連勝を飾りランキングトップのジャック・ミラーとの差を5ポイント縮めることとなった。Moto2ではミカ・カリォがティト・ラバトの支配を打ち破ったが、マルク・VDSチームにとっては連勝となっている。そしてMotoGPではヴァレンティーノ・ロッシが再び表彰台に戻り、マルケス以外のライダーとしてはトップに立った。マルケスが予選で見せた戦略と速さの通り、MotoGPクラスの接戦は幻に終わったのだ。マルケスがトップに立って優勝争いを終わらせるまでには3ラップしかかからなかった。ゴールラインでの差は1.5秒にも満たないが、これはマルケスがウィリーでゴールしたために2秒失ったからである。マルケスの勝利を疑う者は一人もいなかったろう。

いつも通りMoto3が最高のレースだった。大集団がつかず離れずラップを重ね、その後小集団に分かれていった。最後にはロマーノ・フェナティがアルゼンチンに続いて初勝利を挙げたヘレスで勝利を飾ることとなった。アルゼンチンでの勝利が幸運と間違った判断によるものだとしても、今回の勝利には文句がつけようがないだろう。彼はMoto3のレースを支配していたのだ。その様子はオースティンのミラーにも似ていた。最初からリードを保ち、抜かれればすぐに抜き返し、常に状況をコントロールしていたのだ。エフレン・ヴァスケスやアレックス・リンスのチャレンジを退けジャック・ミラーに対して5ポイント差まで迫っていた。今後も期待できるだろう。

Moto2はかなり状況が異なっていた。ミカ・カリォが毎ラップリードを広げ、ポール・トゥ・ウィンを飾ったのだ。最初から最後までレースを支配するという実に印象的なレースだった。フィンランド人の彼はティト・ラバト打倒の最有力候補であり、ラバトの調子が悪ければ確実にポイントを稼いでいる。カリォとラバトの差は16ポイントまで縮まった。4位に入ったラバトはマーヴェリック・ヴィニャーレス、ドミニク・エガーターには34ポイントの差をつけており、未だランキングトップである。マルクVDSチームはMoto2参戦2年目にして確固たる地位を固めたと言えよう。

そして最も期待が高まるMotoGPクラスである。とは言え3周目でレースは終わってしまったのだが。序盤はカタールのように白熱したものに見えた。ヴァレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソがマルク・マルケスと真剣なバトルをしていたのだ。しかしマルケスが差を広げ始めるとレースは実質的に終わってしまった。マルケスはヴァレンティーノ・ロッシが率いるセカンドグループよりも0.5秒速いラップタイムを刻み、中盤にはセーフティリードを築いてしまったのである。

ラップチャートを見ればマルケスがいかに楽にレースを支配していたかがわかる。彼が他のライダーより0.4〜0.5秒速かったラップでさえ、第2セクターではタイムを落としていたのだ。ここは4コーナーと5コーナーの中間地点からバックストレートのスピード計測地点までの間になるのだが、実質的には一つのコーナーしかなく、そこでマルケスは0.1秒か0.2秒の遅れをとっている。マルケスが記者会見で語ったところによれば、コーナー進入で問題を抱えていたとのことだ。マシンの反発が強く、思った通りのスピードが出せなかったらしい。そこでマシンを止めんばかりのスピードまで減速し、マシンを立てたままコーナーに進入、そのまま縁石上をスライドさせグリップを得ていたという。

ファンや、そして私のような経験のあるジャーナリストにとってもこれは不可解な発言である。縁石でグリップ得るとはどういうことだろう。そこで記者会見で彼に質問してみた。神ならぬ身にも理解できるように説明してもらえないだろうか、と。マルケスの隣に座っていたダニ・ペドロサが瞬時に「そう!僕も知りたいよ!」と反応して会場の爆笑を誘っていた。ペドロサが気難しくてユーモアがないというのは不当な評価である。確かにそういうチャンスは少ないし、少しほぐしてやる必要はあるとは思うが、面白いこともちゃんと言えるのだ。

チームメイトやライバルに自分の走りを理解されないという状況は、実はアドバンテージが絶大だということこを示している。マルケスが良い例だ。これはマルケスがどれほど先を行っているかも示しているのだ、マルク・マルケスはライバルを支配している。しかしこれはヴァレンティーノ・ロッシやミック・ドゥーハンとはやり方が違うということは言っておかねばなるまい。マルケスの相手は史上最高のライダーたちである。ロッシやドゥーハンのライバルたちが弱かったとは言え、この2人を責めるべきではないのは当然であり、彼らもその時代の状況で戦うしかなかったのもよくわかる。しかしマルケスが戦っている相手はこの2人の相手よりも優勝回数が多く、チームメイトもチャンピオン候補であり、チャンピンを獲得していないライダーとしては最も才能がある一人なのだ。

なにはともあれマルケスの今シーズンはミック・ドゥーハンの1992年を思い出させる。あの年、彼はビッグバンエンジンのNSR500を得てウェイン・レイニー、ケヴィン・シュワンツ、ワイン・ガードナー、エディー・ローソン、ジョン・コシンスキーといった名だたるライダーを負かし続けたのである。彼の支配はしかしアッセンの病院で終わりを告げた。骨折した大腿骨が感染症にかかってしまった結果、復帰が遠のいてしまったのである。2014年シーズンのマルケスはホルヘ・ロレンソ、復活したヴァレンティーノ・ロッシ、そして同じマシンに乗るダニ・ペドロサと戦っている。

マルケスの鉄拳による支配はレースによる興味を削いでいるのは事実だ。経験豊富なあるスペイン人ジャーナリストの言葉に集約されるだろう。「マルケスがいなかったら、ここ数年で最高のレースだったよね」
現時点でマルケスの勝利への渇望はレースをつまらなくしていると言えよう。マルケスが学ぶべきはバトルを楽しむことである。ヴァレンティーノ・ロッシがMotoGP時代の最初の頃にやっていたようにだ。マルケスにはロッシが2002/2003年にライバルに対して持っていた優位性がある。2003年のフィリップアイランドでは黄旗追い越しで10秒のペナルティを科せられたが表彰台争いに加わり、結局2位のロリス・カピロッシに12秒の差をつけて勝利を飾った。これがロッシの最も偉大なレースであり、彼の実力を思うがままに示したものである。

ロッシの実力は当時ほどはないが、それでもヤマハに戻った理由、すなわち速さをとりもどしつつある。2013年にジェレミー・バージェスと袂を分かつという賭けに出たが、それも吉と出つつある。冬期テストで見つけたセッティングが効果を見せ始め、彼は前で走れるようになった。彼が言うところの「トップライダー」に追いついてきたのだ。週末ごとに、特に彼が得意とするサーキットでは表彰台争いができるようになっている。ヘレスでは2位に入った。しかもホルヘ・ロレンソとダニ・ペドロサの2人を楽々と破っての今シーズン2回目の2位である。

ヴァレンティーノ・ロッシの最大の問題は「トップライダー」たちが遅れをとっていることである。ホルヘ・ロレンソもダニ・ペドロサも新たにやってきたマルク・マルケスとは違うレースを戦っているのだ。「エイリアン」という言葉はもう彼らにはあてはまらない。MotoGPの3つのカテゴリーとは、マルク・マルケス、モヴィスターヤマハの2台にダニ・ペドロサ、そしてそれ以外、ということになってしまった。

ペドロサはもう少しでロッシを負かすところだったが、リアタイヤのスライドでタイムを落としてしまい3位に終わった。今年のペドロサは前年までとは違い、スタートが悪く最初の数周も遅いが、次第にスピードを上げていくという展開となっている。セッティングの方向性が変わったためで、彼がレース後に語ったところによれば、かつては弱点だったレース終盤を中心にセッティングを組み立てているとのことだ。ちょっとセッティングを逆に振りすぎたのではないかとも思う。レース序盤で遅すぎはしないか。月曜のテストではこの点が中心となるだろう。レースを通じての強さが必要とされているのだ。

ホルヘ・ロレンソはタイヤに苦労しているようだ。結果が出ないことについては手術後に冬のトレーニングが充分できなかったことを理由に挙げている。現時点ではロレンソはレース終盤まで体力が続かないと言っている。彼に必要なのはトレーニングであり、それができればもっと戦闘力は上がるだろう。ルマンではもっと状態はいいだろうし、ムジェロではさらに良くなっているだろう。トレーニングで自分の好みでないマシンとタイヤに慣れるということである。

ロレンソのチームのボスであるウィルコ・ジーレンベルグは単に体力の問題ではないと考えている彼によれば「去年より体調はいい」とのことだ。「問題は自分の好みではないマシンとタイヤで走るのが去年より体力を消耗させている」と彼は言う。矛盾しているように見えるがロレンソの生等かなライディングは非常に体力を消耗するのだ。ロレンソのライディングはスローモーションのように見えるが、そこまでスムーズにしかもゆっくりとした感じでライディングするのは心理的にも身体的にも強さが必要である。好みでないタイヤと燃料制限のせいで去年ほどレスポンスが良くないエンジンではロレンソの求めるスムーズライディングをするのはたいへんなことなのだ。

コンディションもMoto2走行後ではそれほど助けにならなかった。FP4で見せたようなすばらしいペースを発揮できなかったのだ。Moto2マシンのラバーマークのせいでかえって滑りやすくなっていたのだ。むしろ状況は悪くなったと言えよう。ロレンソはダニ・ペドロサに抜かれた後はペースがどんどん落ちていった。

MotoGPクラスで最高だったは5位争いだった。誰が前に行ってもおかないくなかったろう。結局これを制したのはアンドレア・ドヴィツィオーゾだった。彼はアレイシ・エスパルガロをドゥカティのパワーで負かしたのだ。エスパルガロは週末を通して苦労続きだったグレシーニホンダのバウティスタにも負けてしまった。レース後いらいらした感じでエスパルガロは語っている。「もしドヴィが友達じゃなかったら1コーナーではじきとばしたかったですね」

アレイシ・エスパルガロがいらいらしていたのとは比べものにならないほどカル・クラッチローは起こっていた。ワークスドゥカティの彼はブレーキトラブルでリタイヤしている。その理由はブレーキフルードの沸騰だったようだ。しかし対策は未定である。カタールでの電子制御トラブルに続き、3レース中2レースでマシントラブルに見舞われたクラッチローは激怒しながらこう言っている。「激怒していたように見えたろうけど、実際そうだったんだ。復帰しようとがんばって、2週間一瞬の休みもなく回復に努めたってのに。高圧酸素療法室とかトレーニングとか、でもクソみたいな3周で終わってしまった。ハッピーなわけがない。こんな状況はごめんだよ」さらに彼はドヴィツィオーゾの結果について
ヤマハやホンダから20秒も離されているというのはろくな結果ではないと言っている。しかし状況は変わるだろうとも彼は語った。

いずれにせよマルク・マルケスが2014年のチャンピオン最有力候補であることには変わりがない。彼がクラッシュや謎のトラブルに見舞われない限り。4連続ポール・トゥ・ウインである。彼が状況を支配しているのは間違いない。足の骨折によりテストを欠場していることを考えればものすごいことである。問題はマルケスがこれ以上調子がよくなるだろうかということだ。マルケスファン以外にとっては長い1年になりそうである。
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激おこカル・クラッチロー

スペインGPはブレーキトラブルでリタイヤとなったカル・クラッチローですが、当然のように怒り心頭。公然とチーム批判までしています。BikeSportNewsより。
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ヘレスのMotoGPレースをブレーキトラブルでリタイヤしたドゥカティのカル・クラッチローは怒り心頭に発している。

スペインではたった3周しかできなかったのだ。ピットにマシンを戻していくときにも彼はタンクを叩きつけ、怒りをあらわにしていた。

クラッチローはいつもの調子でその気持ちを表明した。クソみたいな3ラップぽっちではオースティンでのクラッシュで負った右手の怪我をなんとか克服した努力も報われないと。

「ブレーキが利かなくなったんだ。なんでかなんかはわからないよ。でもとにかく利かなくなった。2周目までは調子が良くって、今週末でも最高の状態だったのに。どんどん抜いていけたんだよ。それもアグレッシブにね。集団のトップまで立てて良い気分だった。
 チームもレースに向けて良いセッティングを出してくれたし、フィーリングも良かったし、問題なくブレーキも利いていた。でも3周目でブレーキがだめになったんだよ。レバーがグリップまで握れてしまったんだ。それでスローダウンしてブレーキ圧が戻るのをまったんだけど、だめだったね。
 次のコーナーではブレーキ無しだった。ゼロだ。全然なし!それでさらにスピードを落としてブレーキを何度か握って、そしたら回復したんだよ。エルナンデスを先に行かせてさらに3つのコーナーをクリアして、バックストレートエンドの6コーナーでまたブレーキが利かなくなった。それでリアブレーキでマシンを止めたんだ。
 最悪の事態だね。激怒していたように見えたろうけど、実際そうだったんだ。復帰しようとがんばって、2週間一瞬の休みもなく回復に努めたってのに。高圧酸素療法室とかトレーニングとか、でもクソみたいな3周で終わってしまった。ハッピーなわけがない。こんな状況はごめんだよ。
 まだ1レースしか完走していないなんて悪いジョークみたいだ。その1レースだって電子制御に問題があった。状況は全然良くないし、良くなる兆しもない。優勝なんて夢みたいな話だ。トップから20秒も離されてるのにチームが喜んでるなんて考えられないよ。
 たった3周のためにここまできて、結局何も得ることができなかった。ディスクもキャリパーも問題なく見えたんだけど、ピットに入るときにまたブレーキをかけてみたけど利かなかった。またグリップまで握り込めてしまったんだ。いっぱいまで調整もしたのに何も変わらなかったんだ。
 自分もレース仲間も危険にさらすわけにはいかないよね。エルナンデスに追突しそうになったのは、もうピットに戻る決意をしていたときだった。コースに残る理由なんてなかったからね」
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ブレーキトラブルだけはご勘弁を。

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公式リリース>スペインGP2014

ホンダヤマハドゥカティ(MotoGP公式サイト英語)

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公式プレビュー>スペインGP2014

ホンダヤマハドゥカティ(英語)

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ブリヂストンが2015年を限りに撤退

7年間にわたってMotoGPクラスのワンメイクタイヤを供給してきたブリヂストンが2015年を最後に撤退することとなりました。
ブリジストン公式リリース

それよりなにより2016年からのタイヤメーカーの入札が本日5/1から始まるのですが、締め切りは5/22。3週間でタイヤ価格やらロジスティクス費用やらテスト費用やらを一気に見積もるなんて、私が担当者なら逃げたくなりますね。予めミシュランやピレリやダンロップには通告してあったのかなあ・・・。でないととても無理だと思う。

<追記>
 年間30億円規模の事業の見積もりを3週間で、ってメーカーでは普通のことなんでしょうか?サラリーマンの悪夢。

<さらに追記>
 タイヤ戦争時代の話ですが、ミシュランは当時ここまでやっていたんですよ。こういうロジスティクス周りまで見積もるのはとてもたいへんでしょうねえ・・・。

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