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2014 MotoGPヘレステストまとめ:エンジンブレーキ、ソフトタイヤ、そして打倒マルケス

ヘレスのレース後テストのまとめです。Motomatters.comより。タイムはこちら
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今シーズンの初テストとなったヘレスはチームにとってきついものだったろう。3つの大陸への遠征への後、わずか1週間でヨーロッパでのレース。チームもメカニックも時差に混乱し、シーズン開幕からの4レース分のデータを分析する暇もない。結論を出すにはまだシーズンは始まったばかりで、チーフエンジニアも他のメカニックも今シーズン型マシンのポテンシャルをフルに発揮しているという状態には程遠く、まだ自分たちのアイディアを出し切ってもいないのだ。

その結果、テストには大した新型パーツも持ち込まれていないということになった。月曜のテストで走ったマシンは日曜のレースの時とほとんど変わっていないように見える。ほとんど区別はつかなかった。サスペンションもプログレッシブレイトのサスリンケージもブレーキキャリパーも見慣れたものだ。一番の違いは電子制御だろう。ヤマハとホンダはエンジンブレーキの改良に勤しみ、ホンダはさらにローンチコントロール(スタートコントロール)システムも試していた。しかしこのシステムはマルク・マルケスの気に入るところではなかったので二度と使われることはないだろう。

ほとんどのチームはスペインGPのプラクティスで試したことを再びトライしていた。プラクティスでは十分な時間がなかったのだ。モヴィスターヤマハのホルヘ・ロレンソとモンスターテック3のポル・エスパルガロはその効果を感じているようだ。どちらも2種類ある内のソフト側のタイヤを試していた。ロレンソはソフト側のリアタイヤにとても満足していた。ロングランもこなしているのだ。ロレンソが語るところでは、彼はソフト側のタイヤも試してみたが3ラップか4ラップもするとパフォーマンスの落ちが激しいと感じていたとのことだ。結果的にはその判断は早計だった。ロレンソによればパフォーマンスの落ちは激しいものの、その後安定するというのだ。彼はハード側でレースに出たのだが、確かに落ち方はそれほどではなかったものの最後までパフォーマンスが低下し続けたとロレンソは語っている。ロレンソは言う。「貴重なレッスンでしたよ。これからはソフト側のリアタイヤをまずは試してみます。ハードタイヤでなんとかしようとするんじゃなくてね」

ポル・エスパルガロも同じ意見だとメディアに語っている。レースウィークではハード側コンパウンドを試していたが、それは失敗だったとのことだ。ソフト側の方が感触が良かったらしい、エスパルガロも方向性を見つけたというこだ。

ヤマハライダーは全員電子制御を試していた。ブラッドリー・スミスによれば、その目的は太いリアタイヤを活かして効果的なブレーキングを実現することだという。比較的細いフロントタイヤに比べればリアタイヤの接地面積は大きいのだ。バランスをとるのは難しいし、リアに荷重を掛けすぎればドリフトしてしまいマシンは不安定となる。ここはホンダと異なりヤマハが未だに苦手とする部分である。明らかに改善は観られており、スミスはブレーキングをさらに良くするためにより強力なリアブレーキキャリパーも試している。

ヴァレンティーノ・ロッシのテストの目的は加速を改善することだった。コーナー脱出でエンジントルクを最大限に活かしたいのだ。彼にとってそこはヤマハが苦手とするところである。エンジン開発が凍結されてはいるが、一定の回転域でパワーをきちんと得るために電子制御マッピングを改善しようとしている。また彼は予選タイムを上げるためのトライもしていた。テスト終盤では短い周回数を何度も走っていたのだ。彼によればとにかくフロントローを獲りたいのだという。そこは彼が今シーズン苦しんでいる部分でもある。ルマン、ムジェロ、バルセロナと、今後控えているレースはヤマハとロッシが過去に得意としていたサーキットで開催される。ロッシはマルク・マルケスと互角にわたりあいと考えているのだ。マルケスを負かすのはたいへんだろう。現時点でホンダのマシンはヤマハより優秀だからだ。しかし最大の違いはマルケス自身だとロッシは言う。マルケスに勝てるサーキットはあるのか。ロッシは言う。「とにかくがんばり続けるしかないですね」

ブレーキングを改善しようとしていたのはヤマハだけではない。マルク・マルケスもかなりの時間をブレーキングの改善に費やしていた。彼は冷却性に優れるより大きなリアブレーキディスクを試している。ブレーキングではずっとリアが浮いているのに、なぜリアブレーキが重要なのかとあるジャーナリストに問われたマルケスは笑いながらこう答えた。「リアブレーキは特に高速コーナーで重要なんです。コーナー進入が鍵なんですよ」
マルケスはサスペンションとリアのディメンジョンの変更も試していた。これも高速コーナーでの挙動を改善するためだろう。レースではマルケスは5コーナーで苦労していたのだ。彼がライバルに劣っていた数少ない部分である。だからこそテストでは高速コーナーに集中したのだろう。マルケスによれば他のサーキットの似たような場所で役に立つだろう改善ポイントがみつかったとのことだ。

ダニ・ペドロサは別の部分を試していた。この18か月間というもの、ペドロサと彼のチームは苦手としていたレース後半をなんとかしようとしてきた。確かにそれは功を奏しており、アルゼンチンでもヘレスでも後半の彼は強かった。しかしながらペドロサ特有のロケットスタートと序盤の素晴らしいペースは影を潜めてしまったのだ。今回のテストはそのバランスの作りかえが目的となり、後半部分を多少犠牲にしても序盤のペースを取り戻すという方向でトライをしていたようだ。非常に微妙なバランスの上に成り立っている話だとペドロサも認めているが、一定の成果は得られたと彼は言っている。

ワークスドゥカティは今回のテストには参加しなかった。ムジェロでのプライベートテストが控えているのだ。しかし何をテストするかについては今から様々な噂が飛び交っている。フレームの大変革か?新型エンジンか?ドゥカティの口は硬い。テストライダーのミケーレ・ピッロも何も見せては暮れなかった。しかし彼のGP14のテールについていた2つの突起が様々な憶測を呼んでいる。慣性ダンパーか、それとも何かのセンサーなのかもしれない。慣性ダンパーはこれまでドゥカティが悩んでいるリアのホッピングを緩和するために使われるものだ。しかしあれほど小さなダンパーで何らかの効果を得られるのかどうかは疑問である。いずれにせよドゥカティのレースマシンに搭載されるのであれば、その内何かがわかるだろう。

自戒のテストはバルセロナである。そちらの方がおもしろいだろう。6月中旬に予定されており、ワークスも多くの新型パーツを投入するだろからだ。言うまでもなくマニアは舌なめずりしてその時を待っているのだ。

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コメント

確かに今年のダニは後半もペースが落ちなくなってますよね。
それがマシンバランスの問題なのか‥‥
知る由もないですが、それより気になるのは、もう久しくダニのロケットスタートが見られないことだな。

昨年もほとんどホルヘにやられてたよね

投稿: takkaja | 2014/05/06 18:30

>takkajaさん
 なんか先日の観戦会でも話題になっていたんですが、ローンチコントロールを利かせると後半のペースに影響するんですかねえ・・・。ちょっと不思議な感じですね。

投稿: とみなが | 2014/05/06 19:22

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