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2014アルゼンチンGP 日曜まとめ:新しいサーキット、ドゥーハン暗黒時代の再来、ロッシ復活の可能性


Motomatters.com
より。
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テルマス・デ・リオ・オンド・サーキットで開催されたアルゼンチンGPには多くの賞賛の声が上がっている。まず最初に褒められるべきはサーキットそれ自体であろう。設計者のヤルノ・ザフェッリは平凡なレイアウトだったこのサーキットに適切なコーナーを再配置し、その結果爽快でしかも難しいサーキットに生まれ変わらせたのだ。抜き所は多く、しかも様々な種類の難しいセクションがあるため、チームもライダーも自分たちの強みを発揮できるところに集中しなければならないが、そのせいで弱みもはっきりしてしまうのである。さらに最終セクションは最後のアタックに最適だ。ロマーノ・フェナティのようにペナルティポイントも覚悟してとなるが。バイク用サーキットとしては最高のコースである。もしドロモ社のヤルノ・ザフェッリがヘルマン・ティルケのかわりに多くのサーキットで使われていたら、見応えのあるコースが増えていたに違いない。

唯一の問題はコースがまだ汚れており、その結果バトルが少なくなってしまったということだろう。ライダーがラインを外すとグリップを失いタイムを落としてしまうのだ。レースでは幸いなことに誰もがどこかしらでラインをはずしたことで、結局差がつかなかったのドが。路面状況が良くなればさらに抜き所は多くなり、レーシングラインの種類も増えるだろう。テルマス・デ・リオ・オンド・サーキットがカレンダーに加わったのは本当に喜ばしいことだ。

観客もライダーも同じことを思っている。日曜の観客は53,000人と予想の70,000人を大きく下回ったが、カレンダーから外されたラグナセカよりも6,000人多い。周辺に主だった都市は無いにもかかわらずである。観客数はさほどではなかったにしろ、雰囲気は最高だった。生のレースを心待ちにしていた中南米から多くの観客が集まったのだ。ドルナがその気持ちに応え、そして観客がやってきた。

レースの様子はいろいろだった。Moto3はスリリングであり、Moto2では支配力が示され、MotoGPは予想以上に接近戦となった。最高だったのはMoto3である。ジャック・ミラーが優勝候補の最右翼だった。アルゼンチンのような高速サーキットでは250cc4ストロークでの逃げのレースは無理だろうし、スリップストリームの使い合いに持ち込まれるのは間違いないところである。ミラーは序盤ロマーノ・フェナティ、そしてエフレン・ヴァスケスとの争いを繰り広げ、その後それにアレックス・マルケスとアレックス・リンスの2人が加わった。リンスはヴァスケスとからんで遅れてしまい、残るミラー、マルケス、フェナティの争いとなる。トップはめまぐるしく変わっていった。バックストレートエンドの右のきつい5コーナー、7コーナー、1コーナーが抜き所とだった。しかし最後の2つのコーナーとなったところでミラーは自分が勝てると思ったことだろう。彼はアレックス・マルケスのスリップにつき、13コーナーでトップに立った。ここまでは完璧に予定通りである。彼が予想していなかったのはロマーノ・フェナティが最後にアタックをかけてトップに立とうとしたことだろう。無理をしたフェナティはタイヤを滑らせマルケスとミラーに接触してしまう。フェナティが言うにはフロントタイヤのコントロールを失ったせいで止まりきれなかったということだ。

しかしそのおかげでフェナティは勝利を飾った。一方レースディレクションの決定で彼にはペナルティポイントが1点科せられることになる。フェナティも無理をし過ぎたが、あれはミスであり、意図して他のライダーをはじき出そうとしていたわけではなかろう。ミラーは激怒していたが、それでも結果は受け入れている。シーズン序盤としては充分な17ポイントのリードをフェナティとの間に保っているからだろうが、それでも復讐を心に決めているだろう。次にフェナティが近づいてきてもミラーには準備ができているはずだ。ファンが楽しみにしているのはそういうことである。レースディレクションはそうでもないだろうが。

接戦となったMoto3の見た後には否が応でもMoto2への期待が高まることになった。プラクティスタイムも接近しており、多くのライダーがトップと1秒差以内にいたのだ。しかしティト・ラバトにはバトルをするつもりはさらさらなかった。彼は独走してそのまま勝ってしまう。ラバトのアドバンテージはミラーのそれより大く、チームメイトのミカ・カリォに優勝ポイントの25点を上回る28点の差をつけることになった。彼のポイントリードは安定性のおかげである。ライバルであるヴィニャーレスはアルゼンチンでクラッシュし、ヴィニャーレスのチームメイトであるMoto3時代のライバル、ルイス・サロムが表彰台を獲得する結果となっている。

ベルギー人ライダーのシャヴィエル・シメオンがテキサスでの失敗を取り返し2位に入った。今回シメオンは冷静でありミスをしなかったのだ。ラバトに追いつくには離されすぎていたが表彰台は目の前だった。ちなみにこの日がんばったベルギー人ライダーは彼だけではない。Moto3ではリヴィオ・ロイが自己最高成績である4位に入っている。これはベルギー人ライダーとしては出色の成績だ。しかも彼は17歳の誕生日だったのだ。アッセンで開催されたワールドスーパースポーツではミハエル・ヴァン・デル・マルクがデビューウィンを飾り、ベルギー人には最高の1日となったろう。

そしてMotoGPである。最初の数周は最高にエキサイティングだった。逃げを打つホルヘ・ロレンソを負うための激しいバトルが展開されたのだ。しかしマルク・マルケスが2位集団のトップに立ちロレンソを追い始めるとレースの興味は急速に失われていった。冷静にロレンソの後ろを走り、チームメイトのダニ・ペドロサが追ってくるのを知ったとたんにトップに立った彼は後にラップタイムを0.5秒ほど落として悠々と勝利を飾ったのだ。アルゼンチンで今シーズン3連勝となったマルケスはペドロサに19ポイントの差をつけることとなった。

ロレンソを抜き去ってすぐに2秒ほどの差をつけ余裕で勝利したことはマルケスにとって優勝がいかにたやすいことかを雄弁に物語っている。マルケスがプラクティスも支配していたことを思えば、それは間違いないことだろう。そして頭をよぎるのは恐怖政治の時代である。前回開幕3連続ポール・トゥ・ウィンを飾ったのはMVアグスタに乗る1971年のジャコモ・アゴスチーニである。このときアゴスチーニは8レースでポールポジションを獲得し、すべてで勝利を飾っているのもいやな前兆だ。1971年との違いはアゴスチーニが乗っていたのは500cc3気筒で、ライバルのノートンマンクスは単気筒、スズキはまだ黎明期の500cc2ストローク2気筒だったことだ。マルケスの相手はホンダ、ヤマハ、ドゥカティのワークスマシンであり、それでも彼は完璧に状況を支配している。

このままの状況が続けばドゥーハン暗黒時代の再来となりかねない。1990年代前半、レースを見る者の興味は誰がチャンピオンになるかではなく、どれくらい早くミック・ドゥーハンがチャンピオンを決めるかだった。グランプリの暗黒時代であり、ファンはワールドスーパーバイクに興味を移していった。接戦もあり、さらに大事なことには英雄であるキング・カール・フォガティがピエール・フランチェスコ・キリのような愛すべき悪役と戦っていた。マルケスにとって、そしてファンにとってありがたいのは、マルケスが暗くて気むずかしいドゥーハンとは異なり、明るい親しみやすいキャラクターを持っていることだ。そしてワールドスーパーバイクのレースは相変わらず素晴らしいとは言え、あの時代の物語性はなく、ジャーナリストが提供するネタも少ない。ファンは他に選択肢がないという理由で、そしてマルケスの明るい性格でそれでもGPを見続けることになるだろう。

マルケス時代が来ることが確定してしまったのか。実はそうでもなりのかもしれない。マルケスの恐怖政治は飛び抜けて優れたマシンによるわけではない。確かにホンダRC213Vは素晴らしいマシンだが2016年にはルールが変わることから状況は多少変わる可能性がある。ただマルケスがMoto2クラスでは力の劣るマシンに乗っていたにもかかわらず支配的だったことを考えると希望は少ないとも言える。Moto2でのマルケスのマシン、カタルニア・カイシャ・スッターは完璧だったが当時グリッドを支配していたカレックスよりは乗りにくかったはずだ。MotoGPにファクトリーオプション、ドゥカティ、オープンの3クラスあることについていろいろ言われているが実際は2クラスしかない。マルケスとそれ以外だ。

ジャコモ・アゴスチーニが私の中で最高のライダーだった時代は長かった。そしてヴァレンティーノ・ロッシがやってきた。ケイシー・ストーナーを本当に理解したときには、彼が最高のライダーになった。彼はその天性の才能でロッシ時代を奪い取ったのだ。そして今はマルク・マルケスがいる。予想を無意味なものにし、他の最高のライダーを平凡に見せてしまう。すぐにマーヴェリック・ヴィニャーレスやアレックス・マルケス、ジャック・ミラー、ことによったらファビオ・クアルタラロがMotoGPクラスにやってくるだろう。そうしたらマシになるかもしれない。

マルケスの才能は疑うべくもないが、マシンの性能差も間違いなくある。RC213Vは燃費が良く2014年型のハードタイヤもヤマハに比べてマッチしている。ダニ・ペドロサと比べるのが公正だろう。ペドロサはランキング2位につけていてヤマハをリードしているが、それでもマルケスには追いつけない。

ホンダのアドバンテージはロレンソをいらつかせている。記者会見でヤマハがどこで遅れているかを聞かれたロレンソは、2013年と状況が同じだと答えている。「去年と同じところで後れをとっていますね。でも去年より差がちょっとだけ大きいんです。ブレーキングもすこし深めに突っ込みたいし、もっと短時間でスピードを落とせるようにしたい。それに加速でもトップスピードでも少し劣っている。全部去年もあった問題です」問題はエンジン開発が凍結されていることで、ヤマハはエンジンに起因する不足分を解決できないということである。ロレンソは言う。「電子制御とシャーシは開発できますけどね。あと自分自身ですね。セッティングもメカやエンジニアと進めたいです」

ここでわき上がってくるのは、なぜヤマハはホンダに有利となるようなルール改定に賛成したのだろうかという疑問だ。燃料制限はホンダの提案だったがヤマハは何の疑問も提示することなく受け入れた。エンジン開発の凍結はドルナの提案だがヤマハはよろこんでこれも受け入れている。自分たちの弱いところを上手に茹でて軽くグリルして白ワインとグリーンハーブを添えて提供しているようなものである。言わば自業自得であり、しかもドゥカティのようにオープンクラスに移行すれば避けられた状況だったのにそれもしなかった。ホンダが導いているとも言えるMSMA(ワークス協会)に反対することなかった。もしヤマハのライダーがマルク・マルケスに勝とうとするなら、とにかく優位性を余すことなく生かし切らなければならない。ホンダの提案を唯々諾々と受け入れていては後れをとるばかりである。少なくともドゥカティには反旗を翻すだけの気概があった。

さて、ヴァレンティーノ・ロッシである。彼はまた4位になった。去年の定位置だ。しかしロッシはアルゼンチンを良い気持ちで出発できたろう。これまでロッシはトップ3にからむ機会もなかったが、アルゼンチンでは表彰台のチャンスもあった。ステファン・ブラドルとからんでしまったことで表彰台争いがてできなかったが、それがなければ表彰台にのれたはずだと彼は言う。

本当だろうか。確かにロッシと前のライダーの差はこれまでより少なくなっている。アルゼンチンではロッシは優勝したマルケスから5秒差でゴールした。レースをリードし3位に入ったチームメイトのロレンソとは1.6秒差だったのだ。ロッシによればペースもよかったし、ラップチャートを見れば表彰台もあり得たことがわかる。ロッシは1分39秒台を12回出している。ダニ・ペドロサは14回、マルケスは17回だということを考えれば大したものだ。20周分のファステストラップの内、8周がマルケス、7周がペドロサだが、4周はロッシによるものである。そしてロッシが出したファステストはマルケスのそれとは1/4秒差しかない。15番目に遅かったタイムも1.3秒しかマルケスと離れていないのだ。

つまりロッシは去年から大きく進化したということだ。今年のロッシは重要なライダーの一人に見えるし、実際そのように語っている。ライディングも大きく変わったし、トップ3に絡める実力をラップチャートでも示している。とは言え彼が「4番手ライダー」という呼び名を捨て去ることができるかどうかは疑問が残る。アルゼンチンでロッシは再びの4位となった。もううんざりだろう。2014年はトップ3に近づいているし、それが彼の今年の目標だ。とは言えトップ3に追いつくのと、これを抜き去って常に表彰台を得るというは別問題である。ロッシはマルケス、ペドロサ、ロレンソの強さをこれからも見せつけられるだろう。どこまで彼は近づけるだろうか。

次のヘレスでのレースが一つの指標となるだろう。マルケスもペドロサもロレンソもロッシもヘレスが大好きだ。でも誰が優勝するかと予想するならダニ・ペドロサではないかと思う。どっしの目標は最終ラップで表彰台争いができるところにいることだろう。しかし彼には強敵がたくさんいる。若き狼たちが襲い来る中、ベテランはどうのりきるのだろうか。
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タイトルの「ドゥーハン暗黒時代の再来」ってのは原文では「Doohanesque Domination(ドゥーハン時代的支配)」ですが、マルケスの勝ちっぷりに暗黒時代がまた、と予感しちゃったので、こんな訳にしてみました。いや、私はドゥーハン時代も楽しんだんですけどね。あの孤高な感じが切なくって。

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公式リリース>アルゼンチンGP2014

ホンダヤマハ、ドゥカティ。

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公式プレビュー>アルゼンチン2014

ホンダヤマハドゥカティ(MotoGP公式訳)

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ブリヂストンのワンメイク終了も視野に?

先日のオースチンでのレースではタイヤトラブルに見舞われるライダーが続出したことから、こんな観測も飛び出しています。Motomatters.comより。
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MotoGPの統一タイヤシステムに大きな変革が訪れそうだ。今年で6年目となる単一サプライヤー制度だが、MotoGPではタイヤの本数と種類について大きく変更しようとしているという観測が出ている。2014年末の契約延長によってブリヂストンが契約を続けているが、その契約を他のメーカーが引き継ぐという可能性も大きくなっているのだ。

スペインのモトチクリッシモ誌(有料)の最新号によれば、ドルナは単一タイヤサプライヤーシステムを変えようとしているとのことだ。ドルナのハヴィエル・アロンソがモトチクリッシモ誌に語ったところでは、ブリヂストンの他にも、ミシュラン、ピレリ、ダンロップといった他のメーカーとも契約について交渉しているということである。ドルナはブリヂストンに対して安全委員会の手になる条件書を既に提示している。ドルナの安全委員会はロリス・カピロッシを委員長としてライダーの安全について検討するものだ。

アロンソはその条件書について詳しくは語らなかったものの、モトチクリッシモ誌に対してその背景にある考え方を語っている。特定のサーキットでは2種類のコンパウンドの内、一方しかまともに使えない状況を鑑みて、各レースでのタイヤ選択肢を増やすべきだというのがその考えだ。グリップでも耐久性でもブリヂストンタイヤは良い結果を出してはいるが、アロンソは「ライダーがタイヤ特性を理解するのが難しいことがある」と言っている。統一タイヤルールはドゥカティを極端に不利にしているという意見もある。現在使われているタイヤは特定のフレームデザイン、要するにヤマハとホンダが好むデザインの方向に偏っているというのだ。別にピレリがワールドスーパーバイクでやっているように各メーカーに合わせてタイヤを開発しろということではないが、少なくともカーカス剛性やコンパウンドのバリエーションがもっと多くてもいいだろうという意見である。ドゥカティの幹部は違うタイヤが選べればアンダーステア問題は解決するのではないかと考えているのだ。

現時点ではブリヂストンは安全委員会が提示した条件を呑むことには消極的なようだ。問題はタイヤ本数が増えることである。ブリヂストンのモータースポーツ・チーフコーディネーターであるトマス・スホルツ(Thomasu Scholz)がドイツのウェブサイト、Speedweek.comに語っている。もしコンパウンドの種類がひとつ増えればブリヂストンは300本のタイヤをヨーロッパに搬送しなければならない。2種類増えれば600本増えるということである。ヨーロッパのサーキットに供給するには新たにトラックを調達しなければならない。つまり海外輸送費が著しく増加するということである。既にブリヂストンは22人のライダーに無料でタイヤを提供するために2千万ユーロ(訳注:邦貨換算30億円)以上のコストをかけているのだ。これ以上のコスト増は避けたいところだろう。

他のメーカーも間違いなくMotoGPの単一タイヤサプライヤーになりたいと考えているだろうが、来シーズンにメーカーが変更されることは考えにくい。ダンロップのクリントン・ハウ(Clinton Howe)がモトチクリッシモ誌に語ったところではMotoGPの契約を実現するには18か月は必要だということだ。ピレリもミシュランも似たような状況だろう。他のメーカーの準備期間を考えれば、ブリヂストンとの契約は2015年末までの延長となるだろう。つまりどのメーカーが単一サプライヤーを引き継ぐとしても、それはすべてのクラスに統一ハード・統一ソフトが導入される2016年以降になるということだ。

パドックの噂ではミシュランが最も興味を示しているということだ。実際ミシュランは16.5インチのスリックタイヤをイタリアのヴァレルンガでテストしているのだ。ブリヂストンの撤退は大きな影響を及ぼすだろう。他のメーカーは近年のMotoGPマシンのデータを全く持っていないからだ。ダンロップもミシュランも2008年からMotoGPを離れている。そして当時でさえまともに戦えるタイヤを供給していたのはミシュランだけだった。しかしドルナがタイヤメーカーに求めているのはパフォーマンスの低下なのかもしれない。安全については妥協するつもりがないのは確かだが、レース中盤からグリップが落ちれば、レース自体は面白くなるとドルナは信じている。ライダーがタイヤの保ちを重視した戦略をとるからだ。それならばブリヂストンである必要はない。ブリヂストンだとライダーは最終ラップ近くになって最速ラップを刻んだりしているのだ。

いずれにせよ決定は今後の話である。本格的な交渉は始まったばかりだ。まだ数か月はかかるだろう。
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「タイヤ性能の低下」をドルナが求めているというのは興味深い見解です。ライダーに危険がなければおもしろいレースは歓迎。

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ウェイン・レイニー Q&A

その安定した美しいライディングで私を魅了してくれた、そして1993年のミサノでの事故で下半身不随となってしまったウェイン・レイニーのQ&Aです。CRASH.netより。
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テキサス州オースチンでのMotoGPレースの直後に行った、3度の500ccチャンピオンに輝いたウェイン・レイニーに対する独占インタビューを掲載する。

CRASH.net:サーキット・オブ・アメリカズのような施設がアメリカにあることはやはり誇らしいですか?
レイニー:こんなにいい施設ですし、レイアウトも素晴らしいですからね。自分でデザインするにしてもこういうサーキットは理想ですよ。

CRASH.net:今のGPライダーで最も注目するのは誰ですか?
レイニー:GPライダーだけじゃなくて、アメリカ国内選手権とか、その他のライダーも注目していますけど、トップレベルのライダーをテレビで見ていれば、そりゃあマルケスですね。すごい仕事をしているし、見ていておもしろいですから。

CRASH.net:マルク・マルケスのライディングスタイルやレースの組み立てはあなたの共通点がありますか?
レイニー:そうですね、マルケスはバトルが大好きだし、相手が誰であれ前を走りたいんだと思います。僕が一緒に走っていたライダーもみんなそんな感じでしたね。マルケスはまだすごく若いし元気もあるし、その若さが彼の武器なんでしょう。
 彼が意識しているかどうかはわからないですけど、彼はマシンが語りかけてくることや他のライダーの動きにうまく反応しているんです。今日も最終ラップの最終コーナーでハイサイドをお起こしかけましたよね。普通は頭が真っ白になってしまうところですが、ぎりぎりで踏みとどまれるんです。

CRASH.net:AMAスーパーバイク選手権の現状をどう思われますか?5戦しかなくて、テレビ放映もなくて、アメリカ人ライダーの活躍が見られないんですが。
レイニー:ひどい状況ですよね。MotoGPのライダーを思い返しても、僕がいたころはアメリカ人ライダーの天下だった。でも今は違います。表彰台争いもできないし。ちょっとありえないですね。
 それはアメリカ国内選手権の現状が理由だと思います。スペインやイギリススーパーバイク選手権(BSB)と比べると、AMA(アメリカの国内選手権)は若いアメリカ人ライダーにMotoGPを走るチャンスを与えてくれていないですよね。昔はそんなことはなかったんですが。
 もうそれは難しいことになってしまいました。僕がAMAを走っていた頃は10〜15戦あって、テレビ放映もあったし、チームもいいアメリカ人ライダーを探していた。それでダートトラックのライダーがみんなロードレースにやってきたんです。今は全然違う。5〜6戦しかなくて、ファンも不ポンサーもチームもライダーも、もっとレースがあるといいと思っている。でも今は選手権自体がその地位を弱めているんです。

CRASH.net:そういった話をAMAとはされているんですか?AMAはあなたやケヴィン・シュワンツやその他のMotoGPで成功したアメリカ人ライダーから話を聞いていないんですか?
レイニー:そうでなんですよ。僕の立場はわかってるんだと思うんですが。でも僕らはMotoGPのチームにもアメリカ人ライダーを求めてもらうような新たな方法を模索しているところなんです。なんとかもっとレースができるように道をつけなければならない。才能があるアメリカ人ライダーはたくさんいると思っているんで、まずは彼らをロードレースに引き戻さなければならないですね。

CRASH.net:チームマネジャーを退いてからMotoGPからは離れていますが、MotoGPのパドックに来てみてどんな感じですか?
レイニー:まだパドックには友達がたくさんいて、というか家族みたいなものですよね。パドックに戻ってくるととても居心地がいいんです。レースから離れて20年かそこらになりますが、少なくとも年に1回はアメリカで開催されるレースに来ているし、ヨーロッパに行っても温かく迎えてもらっています。本当にまた走りたいんですよ。

CRASH.net:まだ走りたいんですね?
レイニー:もちろん。みんなが働いているのを見たり,ライダーが話しているのを聞いたりするとね。昨日(土曜)はホルヘ・ロレンソとマシンの問題について話したんですが、それって僕がレースとしていたときと同じ問題なんです。まだ走りたい気持ちはいっぱいあるんですが、もちろんそれはできない相談で、でも話していると昔のことをすぐに思い出して、レースをしていた理由も思い出したんです。もう20年も経つし、選手権は昔とは違うし、技術も変化しているけど、レースそのものは変わらないんです。

CRASH.net:自分のキャリアで後悔することはないですか?
レイニー:全然ないですよ。
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ちょっと切ない。

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アメリカズGPのタイヤ問題

多くのライダーがタイヤトラブルに見舞われた今回のアメリカズGP。ブリヂストンは全く予想していなかったそうです(当たり前だ)。
MCNより。
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ブリヂストンは日曜に行われたアメリカズGPでのMotoGPクラスで起こったフロントタイヤ問題について、全く予想していなかったと言っている。

数人のライダーに起こったことだが、ミディアムコンパウンドのフロントタイヤの右サイドがひどく摩耗してしまったのだ。ヤマハワークスのヴァレンティーノ・ロッシは最悪の状態を体験した一人である。

彼はアメリカズGPで2014年に続く2回連続の表彰台を狙っていたにもかかわらず、フロントのグリップが失われたせいでタイムが落ち始め、結局8位でフィニッシュすることとなった。

またイギリス人ルーキーであるスコット。レディングは21周のレースの終盤、右コーナーでフロントから転倒しポイントを得ることができなかった。

レディングによれば、7周目にタイヤのパフォーマンスが突然落ちたとのことだ。これに対してブリヂストンのチーフエンジニアである東雅雄は全く予想していなかったことだと言う。
「何人かのライダーに起きたことですが、フロントタイヤの右サイドがこれほど摩耗するとは予想していませんでした。確かに右サイドに厳しいセクションがいくつかありますが、コンパウンドはそれに合わせて作り込んでいたんです。
 ライディングスタイルの違いやマシン特性、路面状況等を今後分析してレースでここまで摩耗した原因を探る予定です。そして摩耗が激しかったライダーとそれほどでもないライダーがいた理由も分析します。
 タイヤの欠陥が原因ではないと確信しています。去年と比べても、そしてプラクティスと比べてもレース中のコンディションが厳しかったんだと考えています。
 去年のレースでも今年のプラクティスと予選でもここまでひどい摩耗は無かったので、テクニカルセンターでアメリカズGPのデータを解析して、原因を追及する予定です」
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去年のオーストラリアGPに続いての失態ですからねえ。ちょっとなんとかしないといけないですね。ちなみにレディングのタイヤと思われる写真はこちら。やすりで削ったようになってます。こわい・・・。

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公式リリース>アメリカズGP2014

ホンダヤマハドゥカティ(英語)
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ロレンソによると「グリッドでバイザーに大きな蚊が止まったので捨てバイザーを外したところでライトのルールについて混乱してしまった」とのこと(Motomatters.comのTw)。要するに「消灯でスタート」を「点灯でスタート」と勘違いして反応してしまったということらしいです。

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世論が小保方博士擁護に傾いている(と言われている)ので、ちょっと書く

ツイッターではうんざりされるくらいぎゃーぎゃー言っているのですが、この件に関してはかなり危機感を抱いているので、こっちでも書きます。
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例えば100m走の選手がこんな会見をしたらどうでしょう?
「ドーピングしたのは事実ですが、いけないことだとは知りませんでした。いい記録が出したかっただけなんです。でも自分には世界記録を出す実力があると信じています。実際200回くらい出してるんです」

この発言、突っ込み所がいっぱい。
(1)ドーピングしての記録しかないのだから、その選手が世界記録を出せるかどうかは誰にもわからない
(2)ドーピング禁止なのは基本的ルールのひとつなのだから、それを知らなかったからと言って許されるわけはない。許したら競技自体の存在が揺らいでしまう
(3)世界記録が出せるかどうかは「信じる、信じない」の問題ではなく、客観的事実として公式の競技会で証明すべき事実
等々。

ここで、
「公式競技」→「論文」
「STAP細胞の有無」→「世界記録」
「ドーピング」→「改竄」
と読み替えてください。

小保方博士の主張はざっくり言うとそういうこと。「彼女がどんないい人に見えようが、それは世界記録(STAP細胞の証明)とはなんの関係もなくて、ただ世界記録は抹消するし、ドーピングをした人の記録は信じることはできない」というのが科学界の反応なんだと私は理解しています。

ドーピングした選手に対するスポーツ界の厳しい反応には世間の理解があるのに、今回の件に関してはそれほどでもないのは、そのルールに対する理解の深さの違いなのかもしれませんが、放置したら日本の科学は誰にも信用されなくなるし、そのためにも小保方博士の行為は厳しくとがめられるべきだと思います。とがめなかった場合の悪影響(くどいようですがドーピングを許した場合の悪影響だと思ってください)を考えたら、世間の「小保方さんかわいそう」なんて声に負けてはいけないのです。
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ツイッターのTLとかを見てると気付かないのですが、facebookでは確かに小保方博士擁護の人がいるので、ちょっと書いてみましたが、ことによったら世間は(科学界からの非難に対しては理解を示しつつ)マスコミのやり方に対して小保方博士かわいそうって言ってるだけなのかな?それならいいんだけど、例えば「若いんだから失敗はゆるしてやろうよ」みたいな言説に対しては私も黙っていられないのです。いやあれは失敗じゃなくて「ずる」だから。

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公式プレビュー>アメリカズGP2014

ホンダヤマハドゥカティ(英語)

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マッシモ・タンブリーニが亡くなりました

マッシモ・タンブリーニが4月5日に亡くなりました。とても素敵な(本当に素敵なとしか言いようのない)バイクを、しかもたくさん設計した方です。CycleWorldに友人のBruno de Prato氏が追悼記事を書いているので訳出。
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私の偉大なる友人、そしてドゥカティ916を設計したマッシモ・タンブリーニが昨晩世を去った。彼が不調を感じ始めたのは11月だったが、彼は単に悪い風邪にかかって熱が出ただけだと思っていた。しかし回復が思ったより遅く、検査に行くと肺がんであることがわかったのだ。彼の家で大晦日のパーティーが行われなかったのはこの数年で初めてのことだった。その頃から彼は集中的な化学療法をサンマリノの彼の自宅近くの先端的医療機関で受け続けた。

彼が間違いなく最高の医療を受けていることを確認するために、私は彼をミラノのがんセンターに紹介した。医師たちは彼のがんには化学療法が最適であると保証してくれた。たぶん彼にいくばくかの希望を与えるために言ったのだろう。希望は回復には効果的だからだ。

残念なことにマッシモの健康は回復しなかった。彼に電話をするたび、彼の声からは弱々しくなっていた。ひどく辛かった。希望はどんどん失われていき、そしてついに今朝彼が亡くなったことが発表されたのだ。

マッシモ・タンブリーニはバイクフレームの最高の設計者として記憶されることになるだろう。しかも彼は最高のスタイリングデザイナーでもあった。彼は魔法の手を持っていた。そしてそれに劣らないほどの情熱と仕事への傾注。しかし彼を知る人は誰もが彼の倫理感と忠誠心は賞賛するだろう。歯に衣着せぬもの言いだったが、最高に優しい人だった。

彼の最初の仕事はMVアグスタ750Sportの改造だった。1971年に自分で溶接したフレームを使ったものである。ビモータ社をモーリ、ビアンキの2人と設立した後も、フレームは自分で溶接していたのだ。当初はのツインスパーの(訳注:パイプ)フレームを設計し、それをモノショックのリアサス用に修正した。そして、忠義な男によくあることだが、タンブリーニはパートナーに裏切られビモータを離れることとなった。彼はクラウディオ・カスティオリオーニに雇われ、カジバのマネジメントを任された。そしてカジバグループのMVアグスタではF4 750を設計、ドゥカティにはパゾ750を設計した。そして彼の最高傑作と言われるドゥカティ916を設計するのだ。スーパーバイクのデザインとしてこれを越えるものは未だに現れていない。彼の最後の作品はMVアグスタF4ブルターレ、そしてF3 675である。

マッシモ・タンブリーニは世界を幸せにしてくれた。彼がいなくなったは本当に悲しいことだ。安らかに眠れ、友よ。
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タンブリーニの傑作の数々はこちらのサイトに載ってます。

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ポル・エスパルガロへのインタビュー:鎖骨、電子制御を学ぶこと、そして兄とのレースについて

Motomatters.comがポル・エスパルガロへのインタビューを掲載していました。兄のアレイシに脚光があたってばかりだけど、弟の方がファクトリーオプションなんですよね、そういえば。
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カタールGPではメディアの注目がアレイシに集中していたとは言え、弟であるポル・エスパルガロも悪くない最高峰デビューを飾っている。22歳の彼は、メカニックトラブルによりリタイアしたものの予選から力を発揮していたのは間違いない。レースウィーク直前にMotomatters.comの写真家スコット・ジョーンズがモンスター・テック3の契約ライダーで上り調子のポルに興味深いインタビューを行っている。内容はMoto2からMotoGPマシンへの乗り換え、そして兄であるアレイシについてだ。

Q:まずは鎖骨の具合ですが、どんな状況ですか?
ポル:良くなってきてますよ。もちろん完璧というわけにはいきませんが、それでも思ったよりはいいですね。10日前に治療したばかりでですけど痛みもそれほどではないですから。ここまで回復したんでハッピーですよ。

Q:ハンドルに力を入れても大丈夫な状態です?
ポル:それはまだわかりませんね。試してみてないんですよ。でもマシンの挙動が神経質になったらちょっと関係するかもしれません。たぶんちょっとは痛むでしょうけど、まあ僕は楽観的な方なんで、現時点ではそれほど問題になるとは思っていません。

Q:マシンに乗って走り出した時点では痛くてもすぐに感じなくなるものなんですか、それとも常に心のどこかには引っかかるものなんですか?
ポル:痛みがそれほどでなければ感じなくなりますね。マシンに乗れば自分の世界、自分の中の世界に集中するんで、何も感じなくなるんです。次のコーナーのこと、そして目の前にいるライダーのことしか考えてないんです。だからちょっとくらいの痛みなら何も感じないと思いますよ。というかそうだといいですね。

Q:もうMotoGPマシンを試してみているわけですが、Moto2マシンと乗り比べてみてどう感じました?
ポル:難しいですねえ、本当に難しいです。でもヤマハには感謝していますよ。すごくいいマシンを提供してくれてますから。本当に感謝しなければならないですよ。いいマシンがなければ良い結果は出せませんしね。フルワークスのライダーは速いし凄いのは確かなんですが、マシンも凄いんです。だから他のライダーに差をつけられる。マシンはいいし、チームもいいし、だからトップ争いをするために必要なものはすべて手にしたってことですね。あとは経験が必要ですけど。このクラスには本当に経験が必要なんです。トラクションコントロールを理解して、アンチ・ウィリーシステムを理解してって具合に、とにかく電子制御システムへの理解が不可欠なんです。それには時間がかかりますね。まあいずれにせよ良いチームに入れて幸せです。

Q:ここで一つ聞きたかったことがあるですが、他のスポーツ、例えばゴルフとかテニスとか野球みたいにいつでも練習できるスポーツとは違ってMotoGPライダーはテストが制限されているわけですが、これはルーキーにとってたいへんなことですよね。思う存分テストができるとしたらもっとやりたいですか、それとも今くらいの量でいいんですか?
ポル:マシンをできるだけ早く理解するのはとても重要ですからテストは本当に必要なものです。でもある程度のレベルに達したら、あとはレースで蓄積することになるんだと思います。レースは単に走るだけじゃなくて、マシンを理解するためにも必要なものなんです。レースに出れば他のライダーとバトルをして、そこでわかることもありますからね。テストやプラクティスではわからないことがあるんです。レースでないと目の前を他のライダーが走ることはあまりないですから。他のライダーを見て、そのスタイルを見て、どのラインがいいか学ぶ。だからテストも重要ですけどレースも必要で、マシンを100%理解するにはレースを何回か走らないとだめでしょうね。

Q:もう一つ聞きたかったのはお兄さんのアレイシとの関係です。去年までは彼のレースを見て、彼もあなたのレースを見ていた。でも今年からは同じレースを走ることになります。何か関係は変わりそうですか?
ポル:変わらないといいですね。僕らは兄弟でもあるけど、本当にいい親友同士でもあるんです。だから特別な関係ですね。実際サーキットの外ではいつも一緒にいるんです。共通の友達も多いですし、他にもいろいろね。一緒にジムに行ったりとか。アレイシは僕にとって本当に大事な人なんです。MotoGPの世界を超えて、人間としてね。兄は本当にいろんなことを教えてくれました。だから今年はライバルになるからといって、この関係が変わらないといいと思ってます。実際バトルをすることもあるでしょうね。彼もいいマシンを手に入れましたし調子がいいですから。どっちもいいところを走れると思う。だからどちらもいい状態ならバトルをするでしょうね。

Q:お兄さんだからこそ負かしたいというのはありますか?それともバトルにも慎重になると思います?
ポル:相手を尊敬してるかどうかという問題ですね。他のライダーとは関係も違いますから。もちろん他のライダーも尊重しなければならないですけど、兄とは違う。他のライダーを抜くときには相手がまっすぐ行ってしまうことになろうが、どうなろうが関係ないですけど、相手が兄弟だと話は違いますね。いろいろ考えちゃうと思いますよ。できるだ迷惑をかけないように、うまい場所で抜くことになるかな。まあそれも難しいでしょうけどね。

Q:お兄さんに抜かれても同じことが言えますか?
ポル:(笑いながら)ですよねぇ。そこが問題なんです。いつもアレイシと一緒にうちにいるんで、ちょっとたいへんかもですね!

Q:MotoGPにあがるにあたって、最高のCRTトップであるお兄さんから何か具体的なアドバイスはもらいましたか?
ポル:ええ。少し教えてくれました。ヴァレンシアでのテストの前に、まずはカーボンディスクのブレーキに気を付けろって言われたんです。Moto2マシンより制動力の立ち上がりが急だってね。あとはトラクションコントロールについても言われました。コーナー加速はあんまり関係ないんで、そこでタイムを稼ごうとしても仕方がないって。マシンにパワーがあるからあちこちでトラクションコントロールがかかるって言われたんですよ。そんな感じで教えてくれたし、彼の言うことはしっかり聞いていましたけど、それ以上は教えてくれませんでしたね。まあ今年からライバルになったんですからね!(笑)
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なんかうらやましいほど仲良しですね。このインタビューについてのアレイシの反応も知りたいです。

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