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MotoGPルール入門:オープンクラスvsファクトリー・オプション(簡易版)

ワークスドゥカティがファクトリー・オプションではなくオープンクラスで参戦することが正式発表されましたが、そもそもオープンクラスとかファクトリー・オプションって何?って方のために、安定と信頼のMotomatters.comが解説を掲載してくれています。
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ドゥカティがオープンクラスに変更したのを良い機会に、ちょっとここでルールのおさらいをしてみよう。以下はオープンクラスとファクトリー・オプションの違い、そしてそれぞれのメリット・デメリットをまとめたものである。

ルール

ファクトリー・オプション:ファクトリー・オプションでは燃料は20L、1シーズンに使えるエンジンは5基までとなる。またエンジン開発は禁止され、エンジンスペックはカタールでの第1戦のもので凍結される。メーカーは第1戦で提供したパーツを変更することはできない。エンジン開発は凍結され、エンジンは封印されることになる。つまりエンジン内部のクランクシャフト、クランクケース、カム、バルブ、ピストン、コンロッド等に手を加えることができなくなるということだ。ただしギアボックスは変更可能である。エンジンスペックは同じチーム内では同じものでなければならない。つまりダニ・ペドロサとマルク・マルケス同じエンジンのマシンに乗らなければならないということだ。ホルヘ・ロレンソとヴァレンティーノ・ロッシ、ブラッドリー・スミスとポル・エスパルガロについても同様である。

ファクトリー・オプションの場合はテスト回数も制限される。公式テスト(ヘルス、バルセロナ、ブルノの後に予定されている1日テスト)と事前に指定したサーキットでの5日間のテストのみが可能である。

電子制御についてはマニエッティ・マレリ社製のECUとデータロガーを使わなければならないが、ソフトウェアとセンサーについては自前のものを使用可能となっている。

オープンクラス:オープンクラスでは24Lの燃料と12基のエンジン使用が可能である。エンジン開発も自由であり、年間に使用する12基のエンジンはそれぞれ異なっていてもかまわない。またチームメイト間でエンジンが異なっても良いこととされている。

ライダー1名につき年間120本のタイヤ制限の範囲内でテストは自由に実施できる。テスト場所についても制限はない。ただしレースが開催される15日前に当該サーキットでのテストはできない。

電子制御はマニエッティ・マレリ社の統一ECUを使うことになる。データロガー及びセンサー一式、ソフトウェアもマニエッティ・マレリ社から提供される。

オープンクラスにはより柔らかいタイヤが供給される。

メリット・デメリット

ファクトリー・オプションに留まる理由は何? メーカーにとってのMtoGP参戦の価値は再び研究開発に重点が置かれるようになっています。年間5基というエンジン台数制限は耐久性の研究にうってつけですし、20Lという燃料制限は燃費競争、スロットルレスポンス、薄い燃調等の研究を促すことになります。また自社で電子制御ソフトウェアを開発できるということは、様々な状況下でのマシンの動的特性の研究開発が可能になるということです。

ではオープンクラスに移行するメリットは? より多くの燃料、より柔らかいタイヤ、そして何よりシーズン中にエンジン開発ができるというメリットがあります。ドゥカティの場合、マシンのバランスと挙動を改善するためにエンジンも変更しなければならないことが懸念されていました。エンジンパーツの配置やディメンション、クランクシャフトへのウェイト付加、エンジン回転方向(順回転/逆回転)の変更まで可能性として残していたのです。ファクトリー・オプションではこれは禁止されていますがオープンクラスでは可能です。さらにワークスチームもオープンクラスに参戦すれば、これらの変更をアンドレア・ドヴィツィオーゾやカル・クラッチローで試すことができるのです。

タイヤ: オープンクラス用に提供される柔らかいタイヤはパフォーマンスも出しやすいでしょう。ただしレース序盤に限ってですが。チャンピオンシップソフトウェアと呼ばれる単純な統一ソフトウェアではHRCやヤマハワークスが提供する複雑なタイヤマネジメントはできないでしょうから、レース終盤にかけてのタイヤの摩耗がより大きな影響を及ぼすことになりそうです。HRCとヤマハはプラクティスで収集したデータを本番に反映させることで、各周回ごとのタイヤの摩耗を予測してトラクションコントロールをセッティングしています。またワークスソフトウェアはセンサーからのフィードバックに応じてリアルタイムにトラクションコントロールをかけたり減らしたりすることで、実際のタイヤ摩耗にも対応しています。

燃料:オープンクラスではファクトリー・オプションの20%増の燃料を使うことができるのは有利な点です。しかしレース序盤では3kgの重量ハンディがつくととなり、燃料を消費するまではやや強めにブレーキをかける必要があります。逆にファクトリー・オプションのチームはもてぎやミサノといった燃費に厳しいサーキットではスロットルレスポンスに苦労することになるでしょう。オープンクラスのマシンは燃料に起因するするっとルレスポンスの問題はレースを通じて発生しないでしょう。

もし他に質問があるならコメント欄にどうぞ。できる限りお答えします。
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電子制御の重要性がここまでだったとは・・・。

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