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ロレンソ対マルケス

先日のマレーシアGPで見応えのあるバトルを繰り広げたロレンソとマルケスですが、レース後のプレスカンファレンスでは対照的な表情を見せたようです。MotorsportsMagazineより、マット・オクスレイ氏の含蓄のあるお言葉。
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MotoGPでの挑発的なやりとりにはこれまでいろいろ書かれてきて、これ以上付け加えることもないかとは思うが、私も少し意見を表明してみよう。

セパンの木曜のレース前プレスカンファレンスでホルヘ・ロレンソはマルク・マルケスへのペナルティポイント付与について皮肉な分析をしてみせた。マルケスのRCVがほんの少しダニ・ペドロサのマシンにかすったせいで、ペドロサが転倒した件だ。

実のところロレンソの発言はかなりおもしろいものだったのだが、彼の皮肉はその場にいたメディアのほとんどにうまく通じなかったようだ。理由の一つに皮肉というものはイギリス特有のもので、メディアにイギリス人が少なかったことが挙げられるだろう。

ロレンソは無表情のままこう言った。「レースディレクションはマルクにチャンピオンシップポイントを与えるべきですね。そうすればMoto2やMoto3のライダーがマルクのスタイルを学んで同じようなことをするでしょう。で、見世物として面白くなる。ライダーの安全というのはほとんど置き去りですからね。大事なのは観客が見世物を楽しむことなんです。マルクのヘレスでの行為も面白かったでしょうし、シルバーストンでマーシャルがマルケスのマシンから逃げたのも楽しんだでしょう。ラグナセカでのコースをはずれての抜き方もすごいと思ったでしょうね。だからそういうレースを面白くする行為にはインセンティブを与えるべきなんでしょう」

ロレンソはこれまで攻撃的なライディングが問題となるたびに先陣を切ってそれを非難してきた。マルコ・シモンチェリのことは公然と非難していたし、今はマルケスに対して公開の場で議論することをためらわない。マルケスは常にニヤニヤしながらそれを見ているのだが。ロレンソの態度は常に汝より清らかであるし、それも当然だ。昔は彼のライディングも相当なものだったが、今ではずいぶんと矯正されて、それでも速いのだから。

日曜のレースでは、しかしロレンソの堪忍袋の緒が切れたようだ。マルケスにはマルケスのやり方で対抗する。それもよいだろう。今度ばかりは怒るのではなくレースの場で戦うことを選んだのだ。

彼のレース当日の戦術はいろいろなことを思い起こさせる。彼はマシンではホンダにかなわないことを知って、マルケスをミスするまで追い込むことにしたのだ。実際この戦術はロッシが2008年のラグナセカでケイシー・ストーナーに対して採ったものと同じである。攻め続けることで20歳の若いライダーを不安定にさせミスを誘う。ロッシの時はこれが功を奏した。ストーナーの連勝にピリオドを打ち、チャンピオンシップの流れを変えたのだ。

セパンでのロレンソとマルケスの戦いは3周にわたって続いた。この時ペドロサはトップを独走していたので、実質的にレースのハイライトと言えた。これがなければつまらないレースとなっていたことだろう。

5周目の1コーナーでマルケスがロレンソを抜いて微妙にアウトにはらむと、今度はロレンソがインねじ込んで抜き返す。シルバーストンで勝利を飾ったときのようだ。すばらしい。そしてマルケスはすぐに前に出る。

4コーナーではロレンソが再びマルケスのインを奪い、今度は11コーナーではらむとマルケスが再び前を奪い返す。しかしその一瞬後ロレンソがインに飛び込んで、若いライバルをはじき飛ばした。マルケスがウォブルに見舞われたのは両者が接触したからに違いない。それは別に問題ではないだろう。少なくとも私の辞書を見る限りは。レースディレクションもマルケスでさえ問題にしていない。

3周後の14コーナーでマルケスがロレンソを抜いたところで勝負はついた。そこは重要なコーナーだった。その後は長いバックストレートが続くトリッキーなコーナーであり、ライダーはコーナー進入でかなりバンクしているからだ。つまりはタイヤの端を使ってブレーキングしなければならないのである。マルケスはどんな手を使ったのかインに飛び込み、両者はサイドバイサイドでコーナーを立ち上がった。ロレンソがアウトにいたためマルケスは縁石に向かい、リアタイヤが辛うじて縁石に乗っているという具合だった。一方ロレンソは路面を完全にとらえており、縁石まで1フィートは余裕を残していた。2台がストレートに向かって加速するとき、ロレンソは怒ったように頭を振った。

最初に私が思ったのは彼はマルケスを行かせたことで自分に対して怒っているんだろうということだ。自分がさっき当てにいった相手に対して怒るわけがない。

しかし私は間違っていた。レース後の記者会見でロレンソはその時のマルケスの動きに不満を漏らしたのだ。「最後に抜かれるまでは楽しかったですよ。バトルは激しかったですけど接触はありませんでしたからね(え?本当に?)。あのコーナーで彼は僕がしたときみたいにはスペースを残してくれなかった。それでスロットルをもどしてコースアウトを避けたんです。それほど危険ではなかったですけど、スロットルは戻さなきゃならなかった」

私の考えでは14コーナーのマルケスの動きはただのハードなパッシングである。不満を言うようなものではない。彼はイン側にいたのだし、コーナー出口でフロントホイールはロレンソの2フィート前に出ていた。つまりマルケスは、もし望むなら縁石も含めてコースを自由に使う権利があったということだ。しかし今回はいつもほどは縁石を使うことなく、ロレンソにも十分なスペースを残していた。ロレンソの不満はこっけいなものである。

やってはいけない行為の例を挙げるなら、2001年の鈴鹿が適切だろう。このときはマックス・ビアッジが最終コーナー立ち上がりでロッシを肘で芝生に押し出したのだ。当然のことながらこれには批判が集中し、当時のFIM会長であるフランチェスコ・ゼルビが両者に公開書簡を出したほどだ。ビアッジがアウトから抜こうとする自分のためにスペースを残してくれると思うほどロッシが初心ではなかったこともある。別の言い方をするなら、それがレースというものだったのだ。自分だけがレース気狂いと思ったら大間違いだということである。

ゼルビの書簡にはこうあった。「今回は両者に叱責を与えます。2人とも注意深くより慎重に行動し、反応するようにしてください。ファイティングスピリットや勝利への欲望や技術や勇気、そしてスポーツマンシップを全世界に恥じることなく見せられるようにしてほしいのです」

驚くべきことにこのゼルビの言葉には何の効力もなかった。10週間後、ロッシとビアッジはカタルニアGPで殴り合うことになったのだ。

正直に言うとセパンでロレンソが文句を言ったのは、彼のセパンでのマルケスに対する走りを考えると茶番に等しい。レース後の記者会見で、(私たちも実際はどうかわかっているものの)マルケスに接触したかとたずねた記者に対してロレンソはこう答えている。「わかりませんね・・・。覚えていないんです。でも接触してないと思いますよ」そしてこう付け加えた。「まあ接触したとしてもちょっとだけでしょう。自分では感じませんでしたから」

レース後のライダーはトランス状態に入っていることが良くあるので、バトルの間に何があったのか覚えていないこともあるかもしれない。しかしここ数週のロレンソの発言を見るとそうは思えない。

次に、接触を感じたかと聞かれたマルケスは笑いながらこう答えた。「接触したのは感じましたけどOKですよ。これがレースなんです!僕が思ってなかったところで彼がインに入って、それでちょっと接触したんですけど、本当に最高でしたよ」

別の言い方をすれば、ここ数年のマルケスの体験からすれば接触は大したものではなかったということだ。しかしロレンソがマルケスのように笑って接触を肯定しないことが奇妙ではある。問題は彼がこれまでずっとマルケスの走りを非難し続けていたということなのだろう。それでロレンソは自分も同じ罪を犯したと言えなかったのかもしれない。

事実、ロレンソは現時点で最も不幸を感じているに違いない。これまでで最高のライディングをしているのにヤマハが技術的にホンダに劣っているためにタイトルを失おうとしている。しかしだからといって今回のようなナンセンスを口走って良いという理由にはならない。

イエスは言った。「偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からおが屑を取り除くことができる」(訳注:マタイ7:5 新共同訳)

イエスはもういいって?じゃあライダーの言葉を最後に記そう。

「マルクのライディングはホットだよね」カル・クラッチローがセパンで言っている。「でもそれがいやなライダーもいるんだけど、それって自分が負けていらいらしてるからなんだよ。簡単なことさ」
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つまりはマルケスの方が心が強いというかバトル向きってことなんでしょうね。ロレンソのさえない感じがかなり心配。私としてもロレンソには笑って「やだなあ、当たってるわけないじゃないですか。あはは〜」くらい言ってほしかったですよ。

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コメント

あのバトルは、スゲーかった、モータースポーツジャパンお台場の、日テレPVに、見に行った、motoGPは、YAMAHAとホンダ撤退したら、なりたたない、日本GPは、一番おいしい時期に、開催して〜〜YAMAHAコミュニケーションプラザに、ロッシが、来るけど、整理券ダメだった、(TωT)ウルウル

投稿: YAMAHA | 2013/10/16 22:19

>YAMAHAさん
 ほんとに良いバトルでしたね。ロレンソも相当頭に来ていたんでしょうw。

投稿: とみなが | 2013/10/16 22:43

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