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タイヤテストが無かったせいでフィリップアイランドのMoto2とMotoGPは短縮に

既報の通り、グリップの良い新舗装のせいでタイヤが保たないことがわかったMoto2とMotoGPはレースが短縮されることとなりましたが、実は今年初めに行われたWSBKでも同じ問題が起こっていたので、今回の失態は避けられたのではとMotomatters.comのデイヴィッド・エメット氏が指摘しています。
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オーストラリアGPに先だってタイヤメーカーがフィリップアイランドでのテストを怠ったせいでレースが短縮されるという大失態が起こった。Moto2は25周から13周に減算され、MotoGPは27周を26周とした上でマシン乗り換えのための強制ピットインが行われることになった。さらにMotoGPではソフト側のタイヤが禁止され、ハード側のみの使用となる。どちらの決定も安全面を考慮して行われたもので、Moto2の独占タイヤサプライヤーであるダンロップと、これもMotoGPのタイヤを独占しているブリヂストンのどちらもが新舗装となった路面に対応できないことを露呈したものである。より軽く、パワーもないMoto3については影響がなく、予定通りの周回数で行われる。

強制ピットストップはMotoGP初のドライでのフラッグ・トゥ・フラッグとなった。フィリップアイランドではルールが導入された初年度の2006年以来、2回目のことである。その時はフィリップアイランドの狭いピットレーンが危険であることがわかったが、今回はさらに状況が悪くなるだろう。ブリヂストンは14周を超えた周回数については安全性を担保できないと言っており、結果23人のMotoGPライダーが12周目から14周目の間に一気にピットインすることになる。しかしほとんどのライダーはポジションを維持するために12周目か13周目にピットに入ることになるだろう。ドライ路面での結果を見れば、周回を多くしても早くしすぎてもいいことはないとわかる。危険を緩和するためにピットレーンの速度制限区間が伸ばされることとなったが、そのせいでピットに入るにはレーシングラインのすぐ近くでブレーキングをせねばならず、また異例に速度の高い1コーナーに向かっても、より遅いスピードでピットアウトすることとなってしまった。

今回のタイヤ問題は予想できたし避けられたものである。フィリップアイランドが舗装を新しくしたのは去年の終わりのことで、これでグリップが良くなったが、さらに重要なことはギャップがなくなったためスピードも増したということだ。元々フィリップアイランドは高速サーキットでタイヤに厳しかったのだが、スムーズとなった路面のせいで、さらに速度が上がったのだ。さらにMoto2とMotoGPでは重量も増えている点も見逃せない。Moto2にはライダー+マシンの重量制限が導入され、MotoGPは3kgの重量増となっている。重量増もスピード増もタイヤにはより厳しい方向で働くのである。

今年の初め、ワールドスーパーバイクがフィリップアイランドで開催されたときも、ワンメイクのピレリタイヤに問題が起こり、スーパースポーツクラスは15周に減算されてしまった。ほぼ1年近く前の話である。にもかかわらずダンロップもブリヂストンもここでテストを行わなかった。もっともダンロップはオーストラリアスーパーバイク選手権のデータがあったわけだが。皮肉なことにMotoGPはタイヤテストのためにアルゼンチンの新サーキットにライダーを派遣している(まあ表向きはそういうことだが、純粋なタイヤテストと言うより新たなサーキットにおいて地元を盛り上げることが重要だったのだろう)。2014年に行われるサーキットでのテストはしたのに2013年に行われる、しかもタイヤの消耗が鍵を握るフィリップアイランドでテストを行わなかったということだ。さらに世界選手権の別シリーズでもタイヤ問題が起こっていたことを考えると、ここでテストをしなかったというのは間違った決定であったと言わざるを得ない。ワンメイクタイヤはコストカットのために導入されたわけだが、オーストラリアGPに関しては間違った経済性を発揮してしまったことになる。

レースが短縮されたという事実はワンメイク制度が簡単に広告宣伝上の大失態につながることを示している。タイヤに問題が起これば複数メーカーが参戦していたときと比べてより多くの非難を受けることになるのだ。競争原理がなくなったことでタイヤメーカーにとっての重要事項はコストとなってしまった。つまりパフォーマンスの追求ではなく自社利益の追求が行われてしまっているということだ。タイヤメーカーにとって目の前の利益につながらないことについてはすべてコストカットの対象となる。しかし今回はそれがブリヂストンとダンロップの両社にとって裏目に出てしまった形だ。実際はどうあれ、状況に対応できるタイヤを作れなかったという風に見られても仕方がないだろう。要するに必要なところにコストをかけなかったということなのだ。

ドルナと安全委員会の役割にも疑問を呈せざるを得ない。ドルナが元レーサーのロリス・カピロッシを雇ったのはブリヂストンと連携をとり、サーキットで起こりえる問題を予測するためだった。にもかかわらず、誰も今年初めのワールドスーパーバイクラウンドからの教訓を得ることはなく、路面の状況を確認しなかったようだ。マシンは重くなっていて、それだけでも問題を引き起こす可能性があったにもかかわらずだ。

以下が発表された変更である。
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(MotoGPに関してはこちらをご参照下さい)

Moto2:レースディレクション決定
 公式タイヤサプライヤーからの正式な要請に基づき、レースディレクションはFIMのWGP規定1.17.2によってMoto2クラスのレースを短縮することとした。
 本決定はMoto2公式タイヤサプライヤーが安全を考慮して勧告した内容に基づくものである。
 レースは13周で行われ、チャンピオンシップポイントは通常通り加算される。
 チームにおいてはFIMのWGP規定2.5.4.9も考慮し、タイヤは公式タイヤサプライヤーとテクニカルディレクターの勧告するパラメーターで使用すること。パラメーターには空気圧と温度が含まれる。

(あとは、今回新設されたレースディレクションがレース距離を変更できることを規定した項目なので略)
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なかなか厳しい指摘ですが、ブリヂストンの意見も聞いてみたいものですね。

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コメント

オーストラリアGPは、オモシれ〜〜〜〜〜
ロレンソが、ピットからの、マルケス弾き飛ばすシーン、スゲー
日本GP盛り上がりだ、台風が、心配だ

投稿: YAMAHA | 2013/10/20 14:28

>YAMAHAさん
 確かに台風・・・。どうにかなってほしいですねえ。

投稿: とみなが | 2013/10/21 23:31

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