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ニッキー・ヘイデンへの5分間インタビュー

来シーズンはアスパーに移籍してホンダのプロダクションバイクRC1000Vに乗ることが決まっているニッキー・ヘイデンへのインタビューです。GPweek.comより。
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2003年に始まったニッキー・ヘイデンの旅は2006年のチャンピオン獲得、そしてドゥカティでの停滞期間の後に来年は市販ホンダに戻るという紆余曲折を経ている。我々は彼に対して現在、そして将来に関するインタビューを行った。インタビュアーはマイケル・スコットである。

−この数年のドゥカティでの状況について教えて下さい。
「もう離れることが決まったんで、あんまりネガティブなことは言いたくないですね、5年間も過ごしたんだし。でも期待した結果は出せませんでした。ドゥカティは偉大なブランドですし、一緒に働いているスタッフもファンも大好きです。でも確かに結果が伴わないまま凄い精力を注ぎ込んでしまったというのは事実ですね。
 でも振り返ることはしたくないんですよね。あれがしたかったとか、これをトライしたかったとかね。実際いろいろ試しているんです。特に今年はね。そういうのがいちばん辛い。新型マシンに凄く期待していていろいろ変更を加えているんですから。フィリッポ(プレツィオージ:解雇された設計及びレース部門チーフ)がいないのも辛かったです。

-ドゥカティはカーボンフレームでがんばるべきだったということを今シーズン始めに言っていましたが・・・。
「実際にはフロントフレームのことですね。カーボンフレームですけど全部がそうというわけじゃない。フロント部分だけなんです。そのフレームをヴァレンシアの後で試すはずだったんですけど、手首を骨折してそれができなかった。だから今となってはそれで良い方向に行ったかどうかは誰にもわからないですね」

-カーボンフレームは捨てて普通のアルミフレームになったんですが、ロッシのせいでドゥカティが間違った方向に行ってしまったということでしょうか?
「ロッシのせいだとは言うつもりはないですよ。あれは失敗に終わった実験なんです。いろいろ変えすぎて混乱してしまったのかもしれませんね。誰もが心から成功を求めていて、それで無理なジャンプをしてしまったんです。
 それにロッシはドゥカティにいろいろいいこともしてくれました。彼のおかげでマシンに手を加えなければいけないことがはっきりしましたしね。ドゥカティの熱狂的なファンの中には、マシンに問題があるなんて思ってもみない人がいるんです。それで別のライダーを、別のライダーをって要求するんですよ。
 あと、レースディスタンスになるとフレームにあったタイヤが必要なんです。ブリヂストンがホンダやヤマハ向きにタイヤを作ってしまうと、選べるタイヤは2種類しかないですし、どっちも似たようなタイヤなんで、僕らのカーボンフレームには全然合わないんです。つまりその時点で勝負あったってことなんですよ。
 もしこっちのためにタイヤを作ってくれるならカーボンフレームにも相当なポテンシャルはあると思いますよ」

-ロッシは変更が必要だと言っている一方で、ストーナーはそうじゃないって言っています。ストーナーはなんで乗りこなせたんでしょうか?
「確かにストーナーはロッシと反対のことを言っていますね。でも彼は疑いもなく天才なんです。若かったし、MotoGPの知識もそれほどあるわけじゃなかった。そして彼は問題が山ほどあっても速く走れたんです。
 でもあの頃から僕らは後退してしまった。みんな言うんですよ。『ストーナーならこのマシンでも勝てたか』ってね。僕はそう思いません。2010年に彼が2レースばかり勝ったときに、僕も3位ともう少しで表彰台っていう4位でした。だから彼はマシンの良さを最大限引き出していたのは確かだけど、僕らが同じチームだったときには僕だって今みたいにトップから40秒遅れの10位あたりをうろうろしてるわけじゃなかったんです。だからいくら彼でも今のマシンで前を走れるとは思いませんね」

-バイクに乗っているときの最大の楽しみはなんですか?肉体的にとかメンタル的にとか、それとも結果が大事ですか?
「結果ですね。終わってみて満足すること。マシンの最大のポテンシャルを発揮して、うまくいくことですね。バイクに乗るのは楽しいですけど、それだけじゃないんです。僕にとっては達成感が大事なんです。
 一生懸命やることが好きなんです。こつこつとね。そして何もかもがうまくいったときに報われる。
 マシンがうまくできていい感じになることがあって、それは本当に気持ちいいんです。まあここんとこそういうことがないんですが・・・。

-マルケスのおかげでペースが上がってMotoGPのレベルも上がったということはありますか?
「他に言うことはないでしょ?彼はMotoGPをがらっと変えたんです。彼のスタイルもやり方も信じられないですし、結果も凄いですよね。まだ20歳なんですよ。僕が20歳のときなんて、世界選手権でトップに立つなんてやってなかったわけですよ。僕が見る限り弱点もないですからね。ルマンで雨がちょっと降りましたけどレースの前半でそれでも速いことを示しました。
 彼は速いし気持ちも強いし、しかも頭が良いしカリスマ的でもある。だから本当に強い競争相手ですよ」

-もう10年が経って、そろそろ11年になるわけですけど、いいことと、悪いこと、あと何が懐かしいか教えて下さい。
「予選用タイヤは今でもほしいですね。前後とも予選タイヤをはいて、ガソリンも少なくて、予選専用のセッティングをして、それで走るのは本当に気持ちよかったんです」

-タイヤ戦争の頃が懐かしいんですか?
「うーん、半々ですね。ブリヂストンがタイヤの選択肢を広げてくれるといいんですが。そうすればソフトタイヤでいくかハードタイヤで賭けに出るか選べるじゃないですか。それでレースも面白くなると思うんです。今はみんなソフトタイヤでレースをする。で予想通りの結果しかでないんです。
 もちろんタイヤ戦争の頃にはネガティブな面もありました。ある年にはブルノと、それから別の年のラグナでのことですけど、ミシュランが失敗して、最初から勝てる見込みがなかったことがあって、辛かったですね。でもミシュランがうまくいくこともあって、そういうときにはね・・・。

-自宅にダートトラックがありますけど、そこでバイクを走らせたりするんですか?
「いや、あんまり乗ることはないですね。レースが連続して月曜と火曜にテストしてとかハードな週のあとには乗ったりしますけどね。レーシングマシンが好きなんです。公道用バイクも持ってますけどあんまり乗りませんね。限界で走るのが好きなんです。僕は本当にバイク野郎なんですよ」
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予選専用セッティングで走るのが好きって、バイク乗りとしてはなんとなくわかる気がする。「ゾーン」に入っちゃう感じなんでしょうね。

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勢いはこっちにある、とロレンソ

先日の日本GPで緊張感のある王者の走りを見せて見事優勝したロレンソですが、タイトル争いはまだまだあきらめていないようです。autosport.comより。
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ホルヘロレンソは自分こそがタイトル決定の鍵を握っていると信じている。

ヤマハのディフェンディングチャンピオンである彼は2度目の連勝、そしてこの6レースで4勝目を飾った。しかもそこはホンダとポイントリーダーのルーキー、マルケス向きとされているもてぎでのことだったのだ。

本当はマルケスとのポイント差をもっと詰めたかったと認めつつも、彼は自分がマルケスよりも勝利をあげていることを理由に、タイトル争いへの自信を深めている。

ロレンソは言う。「ヴァレンシアで何が起こるかはわかりませんが、今のところうまくいっています。もてぎは僕たちにとって勝つのが一番難しいと言われていたサーキットでしたが優勝できましたからね。
 それに最多勝は今のところ僕なんです。これが重要なことですね。
 唯一悪かったことはマルクとの間を5ポイントしか詰められなかったことです。でもベストを尽くしたんだし、良い結果を残せました。
 次のレースが終わってシーズンが幕を閉じるまではタイトル争いは終わっていません。勝つか負けるか、誰にもわからないんです」

マルケスはいまだにロレンソに対して13ポイントのリードを保っている。つまりはマルケスは4位以上でフィニッシュすればチャンピオンが決定するということではある。
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まあひっじょーに厳しい状況ではあるわけですが、何が起こるか本当にわかりませんからね。楽しみにしましょう。

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ベン・スピースへのインタビュー

先日引退を表明したベン・スピースに早速CycleWorldがインタビューしてくれています。
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ドゥカティのMotoGPライダー、ベン・スピースがプロフェッショナルレースから引退することを表明した。もう今シーズンはレースに復帰しないという。土曜日に出されたドゥカティとスピースの連名でのプレスリリースでは「体の問題で来年乗れるかどうかはわからない」と語っている。その結果、両者は2014年まであるワークス契約を解除することに同意し、スピースは引退することになったのだ。

AMAスーパーバイクのチャンピオンを3度獲得し、2009年にはワールドスーパーバイクでチャンピオンとなったスピースは、MotoGPでも勝利を収めているが、この1年間は肩の怪我に悩まされることとなった。去年の10月、29歳のスピースはマレーシアGPで負った肩の怪我を治療するための手術をして、オフシーズンには精力的なリハビリプログラムをこなしていた。

完璧な回復とは言えなかったものの、スピースはシーズン開幕戦のカタールと第2戦のオースティン、サーキット・オブ・アメリカズで開催されたアメリカズGPでは走っている。プラマックドゥカティGP13に初めて乗ってカタールでは10位、アメリカズGPでは13位に入ったものの、アメリカズGPで今度は胸の筋肉を傷めてしまった。

1週間後のムジェロで復帰しようとしたが、それもうまくいかず、結局復帰はサマーブレイク明けの8月に延期された。そしてインディアナポリスGPのフリープラクティスでまたもや転倒し左肩を脱臼、手術とあいなった。さらに骨片を除去するために右肩の手術も行い、そのままGPには復帰しなかったのだ。

今回、怪我について、そして引退という決定についてインタビューを試みた。左肩の可動範囲はほぼ100%の状態にまで戻ってきており走れる状態にはあるものの、右肩にはまだ問題を抱えているとのことであった。彼は言う。
「インディでのクラッシュはひどかったですね。でも去年の10月の右肩の怪我に比べればなんでもないです。9か月一生懸命リハビリをやりましたが、肩の状態は戻りませんでした。いつも痛みがあったし、動きも悪かった」

21年間の人生を捧げたスポーツから離れるのは辛かったと言う。「プロスポーツ選手にはいつかはこの日がやってくることを心から理解しましたね。それは正しい判断なんです。辛い決断でしたけどそれが正しい決断なんです。それが僕の今の気持ちです。
 個人的にはキャリアを通じて応援してくれたファンや支援してくれた人々には申し訳ないと思います。もっとドゥカティに乗っていたかった。ドゥカティにいたときにフィリッポ・プレツィオージは本当に僕をはげましてくれました。それにクラウディオ・ドメニカリやアレッサンドロ・チコニャーニも僕のことを思ってくれました。だからこそ引退が辛いんです。みんなをがっかりさせると思うとね。でも1日が終わるときには自分を振り返って正しいことをしたって思いたいですよね」

スピースがワールドスーパーバイクに復帰するのではという噂には根拠があったという。「(ドゥカティのスーパーバイクチームのマネジャーである)エルネスト・マリネッリとはコンタクトをとっていたんです。ドゥカティのおかげで自分は成長できたと思いますよ。ですからドゥカティには恩義を感じています。できることはなんでもしてくれて、だからスーパーバイクに戻るのを楽しみにしていたんです。それができなかったのも本当に辛いですね」

スピースは復帰の可能性を言下に否定した。「もし僕がレースに復帰しようとしたら、それはあんまりいい理由からじゃないでしょうね。もう昔のようなレベルに戻れないことはわかっているんです。それにいつも言っていたように、ただ周回を重ねるだけのライダーにはなりたくない。僕はそういうタイプじゃないんです」

とりあえずすることについては、まずは健康を取り戻し、友人や家族と過ごす時間を増やしたいという。さらに自分の自転車チームである「エルボー・レーシング」に力を集中したいとも言っている。「チームは良い結果を残しています。毎年成績が上がっているんです。引退してサイクリストやスポンサーと話す時間が増えますね。それにモーターサイクルレースにも関わり続けたいと思ってます。前レースに顔を出すことはできませんが、できるところで貢献したいですね」

インタビューの終わり近くになって、スピースはキャリアを振り返ってくれた。「8歳の時からレースを始めて、12歳か13歳のときにはあちこち旅をしていたんです。もうその時にはフルタイムで仕事をしているようなものでしたね。その頃の目標はバイクレースでお金を稼ぐことで、それ以外はおまけのようなものでした。
 ワークスにも入れたし、AMAとワールドスーパーバイクのタイトルも獲れました。MotoGPではチャンピオンになれなかったけど、アッセンで勝ってますし、あそこは伝統のあるサーキットですからね。ランキング5位以内には入れましたし、あと2年間はアメリカ人でトップでした。ですから本当に凄いことができたんだと思います。トム・ハウスワースと僕はもう10年以上も一緒にやっていますし、すごく近しい間柄です。
 AMAのチャンピオンを3回も獲れたのは本当によかったです。マット・ムラディンと戦えたんですから。彼のことはライダーとして心から尊敬してるんです。すごくハードだったけどすごく楽しい3年間でした。本当にいつもすごいバトルだった。
 他のレーサーと僕を比べてみんながどう思うかはわかりませんけど、バイクレースになにがしかの貢献はできたと思います。サーキットで最も才能あるライダーだったことは一度もないけど、勝つためにすごくがんばったんです。あらゆるものを犠牲にしてね」
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肘擦りライダーの草分けの一人(まあジャン・フィリップ・ルジアとかはいましたが)で、エルボー・レーシングはそこからきているんでしょう。とりあえずゆっくりしてください。

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公式リリース>日本GP2013

ホンダヤマハドゥカティ(英語)

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2013年 日本GP雑感

今年も行ってきました日本GP。弟祭り((c)najapapaさん)でしたね。んで、思ったことをいくつか順不同で。

○Moto2決勝レースの事故
 レディングは生きていたからいいようなもののMariñelarena は意識不明とのこと。富沢祥也と同じような事故がまた起こったということは、根本的な問題があるようにも思います。マシンの競争力が似ているせいなのか、台数が多すぎるせいなのか・・・。誰に対してだかわかりませんが、腹が立ちました。ドルナとFIMには原因をきちんと分析して、対策を立ててほしいです。

○ロッシの90度コーナー
 最初にロッシが90度コーナーではらんだのは、なんかわざと譲ったように見えて、そうか、それほどロレンソにチャンピオンを獲らせたくないのか、マルケスを行かせたんだな、と思うくらい安全な感じでしたが、次の周でも同じミスをして、しかもグラベルにつっこんだところを見ると、わざとじゃなかったみたいですね(笑)。

○アレイシ・エスパルガロの90度コーナー
 完全にノーブレーキな感じで突っ込んできました。これも危ない事故だった。なんかブレーキパッドが落ちちゃったんでは?ってくらいな感じでしたよ。それにしてもあれで無事でいられるMotoGPライダーの運動神経のすごさよ。

○ペドロサのクールダウンラップ
 相当結果に不満だったのか、全身で怒りを表現している感じでしたね。オフィシャルがフラッグを振る間もなくすごいスピードで走り終えちゃいました。Z席の声援も無視。確かにチャンピオンの可能性が潰えて、しかもロレンソとマルケスには完全にやられちゃったわけですから当然と言えば当然ですね。

○ロレンソ凄い
 抜き合いは少なかったけど現地で見ていてハラハラドキドキするような緊張感のあるレースでした。ロレンソの完璧さがマルケスの若さを上回ったとでも言えばいいでしょうか。
 マルケスは90度コーナーのラインが毎回変わるほどの無理な突っ込みを見せるたのですが、ロレンソはつけいる隙を与えませんでした。まるで後ろに目がついているみたいな見事なインの締め方!
 マルケスとは13ポイントの差で最終戦なので、よほどのことが無い限りマルケスがチャンピオンでしょうけど、来年もマルケスが勢いを維持できてもチャンピオン争いはおもしろいものになるでしょうね。

というわけで、今回は天候に左右されてタイスケの調整もたいへんだっと思います。主催者の皆様、ありがとうございました!

<追記>
 Mariñelarena選手は無事意識が戻り、退院もして帰国したそうです。よかったよかった。

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ICD-10 エクセル表(カッとなって作った)

エクセルのvlookupに対応したICD-10(国際疾病分類)の表がなかなかみつからなかったので、ついカッとなって作りました。よろしかったらお使いください。元ネタは、東大のサイト

シートは2つありますが、一番前の「検索用加工 」ってのがvlookup対応でして、章の順番を無視してICDコードのアルファベット順に並べ替えています。また、基本的にコードは4桁にそろえてありますので、特に筋骨格系疾患のあたりは引数にvlookupのfalseを指定しちゃったりするとヒットしなかったりするかもしれませんので、trueを指定するとか、お使いになる方がうまくやって下さいな。

もうひとつの「original」というシートは元ネタサイトの各章をコピペしただけのものです。詳細な疾病名へのリンクが貼られていますので、適宜ご参照ください。

ほしい人はけっこういるんじゃないかと思うけど、それより見てるだけでも楽しいですよ。特に「第20章 傷病及び死亡の外因 (V00-Y98)」は読み応えがあります。
例えば、コード「W58」は「ワニによる咬傷又は打撲」なんですが、なぜワニだけ特別に抜き出しているのかとか、コード「W75 ベッド内での不慮の窒息及び絞首」って、これまたベッドだけなんで取り出すんだよとか、味わい深いですね。

ミスを発見したら教えて下さいませ。一応仕事でも使うんでいろいろ検証して大丈夫だとは思っていますが。

「ICD10_131025.xlsx」をダウンロード

<追記>
 悪性新生物は部位別にまとめられた方がいいなあと思ったので、バージョン2としてICDコード英字+数字二桁の列を追加しました。

「ICD10_ver2_131028.xlsx」をダウンロード


<追記 2006.7.17>
 バージョン3として、「なおさん」にいただいたご指摘に対応するとともに、厚生労働省の患者調査に使われる疾病分類の検索もできるようにしました。
 ただしICD-10は2003年版(2013年版の無料電子版がみつからなかったので)、厚労省疾病分類は2013年版ICD-10対応なので、一部ずれがあります。ずれについてはこちら(PDF)を参照してください。

ファイルはGoogle DRIVE(こちら)で共有になってます。D/Lできなければお知らせ下さい。

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2013年日本GP 日曜のタイスケ2種類(予定)

今日は仕事をしながらTLを追っていたのですが、残念でしたね。
明日のツインリンクもてぎも午前中は荒天が予測されており、予断を許さない状況です。

というわけで、マルクVDSチームが日曜の修正があった場合のタイムスケジュールをアップしてくれてます。

(1)明日26日(土)に予定通りドクターヘリが降りられて予選が行われた場合は、日曜も当初のスケジュール通りの開催となります。

(2)午前中のフリー走行ができなかった場合は、土曜午後にフリー走行を順延。そして日曜は以下のスケジュールとなるとのこと。

フリープラクティス
 Moto2   06:10 – 06:55
 MotoGP   07:05 – 08:05
 Moto3   08:15 – 09:00

予選
 Moto2   09:10 – 09:50
 MotoGP  10:00 – 10:40
 Moto3   10:50 – 11:30

レース
 Moto2   12:20 – 23 Laps/110.423km
 MotoGP   14:00 – 24 Laps/115.224km
 Moto3   15:30 – 20 Laps/96.600km
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降っても良いから夕方からドライになってFMXが見たい!というのが私の気持ち。日曜の早起きも仕方が無い、がんばりましょう。

ちなみに前夜祭が予定通り開催されるとしたらタイスケはこちら

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11/2(土)八潮PA夜会のお知らせ

誰からともなく言い出す夜会が首都高速八潮PAで11月2日(土)に開催されます。
文章上ではわからないいろんなことがわかる良い機会ですので、皆様是非お集まりください。

夜会と言われても何か分からない方々も多いと思いますが、 世間では「ミーティング」とか言われてるような会です。SR界では伝統的に「夜会」と呼ばれています。 20時からの開催ですが、天気さえよければ3時間くら いは誰かしらいます(たぶん)。

11月2日(土)20:00くらいから。
場所:首都高6号線上り八潮PA http://goo.gl/maps/AsiQk
(東京方面からいらっしゃる方は八潮インターで一 旦降りて、下道の最初の信号をUターンし、八潮上りインターから上がってすぐ左側になります)

当日正午の埼玉県南部地方の降水確率が40%以上の場 合は中止です(30%なら開催)。

特に参加表明はいりません。公開にしてますので、ご自分のブログやtwitterなどへも拡散お願いします。

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MotoGPの解決力を賞賛しよう

先日のMotomatters.comのDavid Emmet氏のコラムとはちょっと違う意見も訳出してみましょう。Autosport.comより、これも百戦錬磨のジャーナリスト、Toby Moody氏のコラムです。
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レース界ではしばしば間違いが起こるものだ。エンジンメーカーがエンジンを壊してしまったり、メカニックがはずすべきクリップをはずさなかったり、カウルがはがれたり、ボルトが抜けたり、ライダーだってブレーキングポイントを間違えるし、解説者だって複数台が巻き込まれたクラッシュでライダーの名前を間違えたりする(これは私にもなじみのあることだ)。

しかしこうしたミスから謙虚に学ぶ者もいれば、ミスをしたことを認めない傲慢な者もいる。

競争は激しい。特にプロトタイプレベルではすごいものだ。それで間違いが起こる。チーム・ロバーツはルマンでピットで暖気をしているときにV5エンジンのクランクを壊したし、ある年のリオではテレビケーブルが外されてしまった。1レースしか行われないと勘違いしたのだ。

2013年のオーストラリアGPで大失態を犯したのはタイヤメーカーだ。

去年のクリスマスに300万オーストラリアドルをかけてフィリップアイランドには新舗装が施された。これで完璧なレースができるはずだったのだ。2011年にケイシー・ストーナーが文句を言っていたバンプもきれいにならされたのだ。

「あかちゃんの肌のようにきれいですよ」サーキットオーナーの一人であるアンドリュー・フォックスは言った。3mm以上のバンプはなくなったのだ。

しかし超高速の最終左コーナーでタイヤは今シーズン最高温度を記録してしまった。

単にグリップが上がっただけではない。通常は非常に寒いフィリップアイランドが1997年以来の暖かさだったのである。前回のドライレースでは17℃だったのに今回の日曜の気温は28度だったのだ。さらに1000ccマシンは去年から3kg重くなっており、2011年との比較では10kg重くなっていた。

ブリヂストンの根本的なミスは路面のコピーを日本の本社に持ち帰って分析しなかったことだ。

2010年のシルバーストンの時にはこれが行われていた。今年のアラゴンもそうだ。ブリヂストンはサーキット設計をしたティルケからCAD/CAMデータを手に入れてコーナーの曲率やキャンバー、路面のアップダウンを分析しているのだ。これはすごいことである。エンジニアはこのデータにマシン重量とスピードをインプットして必要なタイヤを作り出すのだ。

シルバーストンでもアラゴンでもタイヤの問題は起こらなかった。バルセロナとヘレスは2005年に新舗装となっていたが、当時は自由にテストすることができた。ムジェロが2011年に新舗装となった時にはドゥカティがテストをしているおかげでブリヂストンもフィードバックを得ることができた。

私が木曜にブリヂストンのスタッフに対してフィリップアイランドでもアラゴンと同じようなことをしたかとたずねたら、答えは「舗装の実物は入手しなかったがワールドスーパーバイクのメーカーとチームから情報を得てどうすればいいのか対策はした」とのことだった。

ここがタイヤが日本を出発する前におきた問題である。

若いエンジニアを夜間飛行でメルボルンに飛ばし、コースを走り、新舗装の型を手に入れて即日本に帰ればホテル代を払わなくて済む。確かにMotoGPマシンでテストをするのは理想的だがコストカット策でテストはできないことになっている。それで型を入手して分析する技術が生み出された。

つまり金曜に明らかとなったタイヤ問題はある意味不可避だったと言える。MotoGPのレースディレクションは常にプレスからの非難にさらされる立場だ。そして今回も2013年のオースト等理がGPを開催するかどうかという難しい決断を迫られることとなった。

レース後には東京でも議論になったことだろう。短期的に優先すべきはレースを開催しつつ安全を確保することだった。

最良のプランは26周を2分割してマシン交換のためにピットストップを義務づけることだったろう。しかし日曜のウォームアップはさらに気温が上昇したため、19周に減算してタイヤ1本につき10周を限度とすることとなった。

10周のレースを2回やるのはテレビの放映スケジュールを混乱させることになったろうし、テレビ放映に金を払っている方としては受け入れられないことだったろう。テレビ放映がなければスポンサーもなく、スポンサーがなければ草レースを観に行くことしかできなくなってしまう。

そこで19周のレースで9周目か10周目にピットインすることが義務づけられることとなったのだ。そうすればタイヤがオーバーヒートしてトレッド剥離しライダーを病院送りに、ことによったらもっと悪い事態となることを防ぐことができる。

2004年のムジェロで中野真矢がタイヤバーストにより転倒したのを覚えてる者はあえて必要なリスクを冒さないということを選択したのである。

レースではマルク・マルケスが9周目にも10周目にもピットに入らず11周走ってしまった。

HRCは6500万ドルの予算で運営されているらしいが、10周目後にピットシンしても大丈夫だという間違えた決定を下したのだ。

「実際にはあれはだめな周回と判断されてしまいました」とマルケスは語る。「そういうことになるとは思っていなくて、大間違いでした。プラン自体は完璧でピットサインに従っただけなんですが」

テレビ放映ブースに新ルールが届けられたのはMoto3レースのスタート後で、その時点で私たちが読んでいたのはMotoGPの公式ツイッターだけだった。大事なのは「スリックタイヤ/ウェットタイヤにかかわらずライダーは10周以上してはならない」という文言だ。これだけ見れば間違いようがないのだが・・・。

マルケスが11周目の後にレースに復帰したときホルヘ・ロレンソとの接触があった。これはタイミングが悪かったということもある。マルケスは肩越しに後ろを見て誰も来ていないことを確認したのだが、レース後のクレーンカメラの映像からはわかるが、ストレートは盛り上がっておりマルケスには誰も見えなかったろう。

一方ロレンソもクリッピングにはつけなかったことでマルケスに向かって接近してしまった。彼は後にブレーキングポイントを間違えたと言っている。一瞬マルケスに接触したし、かなり危ない場面だった。

その後すぐマルケスには10周を超えたことでブラックフラッグが出された。11周走った彼のタイヤを見るとまるでダカールで500マイル走った後のようだった。フィリップアイランドで走ったのは28マイルに過ぎないのにだ。左側は惨憺たる状況になっていた。

ロレンソはレースに勝利し、2013年のチャンピオンの可能性もわずかに残った。

今回のようなレースを楽しんだファンもいるだろうし、これは純粋なグランプリではないと怒るファンもいるだろう。

2005年に導入されたフラッグ・トゥ・フラッグのレース自体「純粋」なものではないが、緊張感をもたらしているのも事実だ。

もちろんタイヤ問題がなければこんなことは起きなかった、しかし皮肉なことに短縮されたレースが終わった直後に雨が降ってきたのだ。もしレース終了前でなかったら何が起こったろう・・・。

2005年の前にはレースは中断され、スケジュールはおかまいなしにリスタートされた。例えば2000年のヘレスでの500ccレースでは雨が降ったせいで(さらに250ccのスタートが遅れたせいで)、スタート自体が遅れてしまった。そして15:38分に中断され1時間後に再開、ゴールは17時近くとなっていた。あの日、ピットから表彰台を目指して2時間半後に出てくるマシンにはある種のコミカルな雰囲気があったものだ。

オーストラリアではさらに周回数を短縮した2ヒート制とするという手もあったし、レース自体を開催しないという選択肢もあった。そうしたらMotoGP史上初めてのこととなったろうし、誰もが腹を立てることとなったろう。サーキットに来たのは31,500人に過ぎないが彼らは今回の原因となったアスファルトに向かってビール瓶を投げつけたことだろう。

土曜の午後時点ではレースが中止されるような雰囲気だったが、なんとかクラッシュもなくオーストラリアGPは開催されることとなった。これが何よりも大事なことである。

ブリヂストンとダンロップはドルナとFIMから怒られるだろうが、それでもレースがキャンセルしたり誰かが怪我をしたりするよりましなはずだ。

タイヤのせいででスタートできなかったライダーはいなかった。Moto2のティティポン・ワロコーンを除いてはだが。彼は土曜にエアフェンスがないタイヤバリアにヒットしてしまい、たぶん今シーズンは絶望だろう。

エアフェンスは既に一般的なものとなっているし、タイヤテストよりはずいぶん安いものだ。専用タイヤをオーストラリア用に作ることより、ライダーやファンにとって大事なことなのではないのだろうか?
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こういう意見もあるということで。でも私はブリヂストンとダンロップの大失態だという考えは変わらないなあ。

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CVSTOS × MOTONAVI ダニ・ペドロサのトークショーに行ってきた

抽選で当たったので、会社を2時間早退して、いそいそとCVSTOS(クストス、と読みます)という超高級時計メーカーと雑誌のMOTONAVIがコラボして開催したダニ・ペドロサ選手のトークショーに行ってきました。

結論から言うと、トップアスリートの例に漏れず、ダニは超かっこよかった!握手までしてもらいましたが、勇気がなくてうなじは触れませんでした・・・。うなじが英語でnapeっていうことまで調べて行ったのに、チキンな私。
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18時開場の10分前に並んで、会場に入ると、そこはさすが超高級時計屋さん。シャンパンは飲み放題だわ、おつまみはおいしいわでテンション上がりまくり。

事前のタイスケ上ではダニの登場は辻本聡さんと英玲奈さんのトークの後、19:10からのはずだったのに、もうイベント開始の18:30からダニはほぼ出ずっぱり!最初の挨拶の後、写真を一緒に撮ったり、ご歓談したりと大サービスでした。

印象に残ったペドロサ選手の発言をちょこっとばかり抜粋。

速さの秘訣をきかれて。「秘訣ですか?心の中のファイアーですね」

辻本さんに、ポケバイに乗っているような子どもたちにアドバイスは?ときかれて。「むしろお父さんたちに言いたいんだけど、子どもたちにプレッシャーを与えないで、冷静になってください。子どもたちのバイクに乗りたいって情熱を伸ばしてあげるようにしてほしいですね」

これに対して辻本さんが、今はプーチさんからのプレッシャーとかは?と突っ込んだりしてましたが、ダニの答えは、「もちろん今の僕の状況は違います。チームも大きいし、たくさんの人が働いている。その真ん中で僕は責任を負っているんです」(←かっこいい!まあ会場にプーチさん自身がうろうろしてたってのもあるんでしょうけどね)

そして最後に会場からひとつだけ質問を、ということで出た質問が「足のサイズは?」(ナイス質問!レースのプレスカンファレンスじゃないんでこういう質問が素敵だと思うんです)「(ヨーロッパサイズで)38くらいかなあ」(訳注:24cmくらいです。ちっさ!)

そこで困った(まあ困ることもないと思うけど)MOTONAVIの河西編集長が「じゃあもうひとつ」と言って出た質問が、「私もレースをするんですけど、ペドロサ選手みたいに寝かせても転ばない秘訣はなんですか」

あーた、これに対する答えがかっこよかったのなんのって。一言。

「More SPEED!」

ですってよ!

最後はペドロサ選手サイン入りヘルメット&もてぎのパドックパスが当たる抽選会、だったんですが、抽選ではなくダニが好きな番号を言って、その番号の抽選券を持ってる人があたりという、並んだ順番で決まるような抽選会でした。私は20番。ああもう少し後に並んでいれば当たりの26番をゲットできたのに〜。
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で、思ったこと。

その1:こういう(買うか買わないかわからない、というか買わないだろうファンを集める)イベントにお金かけられるくらい時計メーカーって儲かってるんだ。そりゃモンブランも筆記具から時計にシフトするわな。個人的には設計技術と職人技にお金を払うのは全然構わないんだけど、それ以外にたくさん払うのはどうも釈然としないのです。もちろんこうした広告がなければCVSTOSってメーカー(時計は本当に素敵でした。とても買える値段じゃないけど)が私の目に止まることはなかったんで、難しいところなんですが。

その2:ペドロサ選手はオーストラリアからのフライトの足でそのまま銀座にこのイベントのために来たそうです。なんか実は握手して写真まで一緒に撮らせてもらってこんなことを言うのはなんですが、ちょっと痛々しかったのも事実。プロスポーツ選手ってのはスポンサーのために本当にいろんなサービスをしなきゃならなくって、本当はレースだけに集中したいのかなあとも思っちゃったんです。ストーナーが耐えられなかったのはこういうことなのか、とも実感。私には無理(>-<)。

さはさりながら、ちゃっかりうなじ充してるんですけどね。

Nape

というわけで、ちょっとアンビバレンツな夜でしたことよ。

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2013フィリップアイランドMotoGP総括:とほほな状況が興奮と混乱をもたらした日曜

G+の中継にブリヂストンの山田さんが来たにもかかわらず、特段のコメントはなかったですねえ。
というわけでいつもの信頼のMotomatters.comより日曜の総括を。タイトルからして厳しいです。
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2013年のティソ・オーストラリアGPを一言で表すなら「盛りだくさん」ということになるのには異論はないだろう。もちろんほかにもたくさん当てはまる言葉はあるだろうし、出版向きの一言もあるだろうが、とにもかくにも週末のフィリップアイランドはさまざまな驚くべき、賛否両論ある出来事が満載だったし、エキサイトするような出来事があったのも誰もが同意するところだ。ダンロップとブリヂストンのせいで起こったタイヤ問題のおかげでMoto2とMotoGPのレースが短縮された上に、MotoGPでは強制的にピットストップが行われることとなった。そのおかげでサスペンスと驚きに満ちたレースとなったのだが、ファンやライダー、パドックの住民の間では議論が分かれることとなった。一方はこれを茶番であるとし、一方はスリルのあるスペクタクルだと言っている。両者の議論は長引きそうな様子だ。

レースが2分割されたことでスリリングなものとなったのは認めるとしても、それが混乱を巻き起こしたことは否めない。日曜の午前中のウォームアップで使用されたタイヤを切り分け分析し、ブリスターが出ることを発見したブリヂストンがレースディレクションに対しての勧告を変更したことが混乱に拍車をかけた。気温がブリヂストンの予想より10℃ほど高くなったことで、フィリップアイランド用に用意したタイヤが新舗装のグリップに対応できなくなったのだ。グリップが増したことでタイヤがより発熱し、さらに気温が高くなったことで限界を超えてしまったということである。レースはさらに短縮され、ライダーは10周を超えて走ってはいけないこととなった。

そこで重大がミスが起きる。ミスは実際はひとつでは済まなかった。決定はMoto3のレース中にされたのだが、これはMotoGPレース開始のわずか2時間ほど前である。決定を正しく伝えるにはあまりに時間がなく、公式発表はチームに直接伝えられることとなった。指示は紙に書かれ、IRTAの公式スタッフがMotoGP関係者の全員に配ったのだ。これが最初の間違いである。ここからドミノ倒し的にチャンピオンシップを左右するミスにつながっていくのだ。もしライダーミーティングが開かれていれば、全ライダー、そして重要なチームメンバーが集まって説明を受けることで、正確なルールとその意味するところがわかったろう。もちろんそれは簡単なことではない。ライダー全員を一か所に集めるのは猫を一か所に集めるのと同じくらい難しい上に、ドルナは他のモータースポーツで行われているような、遅刻に罰金を科すといったことはしていないのだ。そんなわけで1枚の紙切れが各ピットに同時に渡されただけだった。ピットにはスケジュール、タイヤ選択用紙、ギア設定用紙、タイミングチャート、公式注釈等々の数多のA4用紙があふれかえっている。その中に今回のルールと違反した場合のペナルティが書かれた紙が加わったのだ。

次のミスはレプソルホンダのピットで起こった。エミリオ・アルサモラ、サンティ・エルナンデスを含む少数のスタッフ(マルケスによれば4人)がルールの意味するところを理解するために集まり、そこで次のルールに注目することとなった。

3.ライダーはスリックタイヤ/ウェットタイヤにかかわらず10周を超えて走ってはならない。これは9周目以前にマシンを交換した場合には再度マシンを交換する必要があるということである。

彼らの解釈によればこれは10周フルに周回して良いということであり、レプソルホンダのピットはフィニッシュラインの手前なので11周目ピットに入れば良いということであった。そうすれば10周しただけで11周はしていないことになる。11周目の前にマシンを乗り換えたことになるのだ。

彼らは間違っていた。ルールを破らない限界まで最大限に解釈することを急ぎすぎたせいで、それ以前にルールを破っていることに気付かなかったのだ。次の項目を読めば違反は明らかである。

2.全ライダーは最低1回は新品タイヤを装着したマシンに乗り替えなければならない。通常の状況ではこれは9周目終わり、または10周目終わりのみ(強調はEmmet氏による)に交換が許されているということである。

解釈の余地はない。「10周目終わり」の意味するところは間違いようがないだろう。10周目のフィニッシュラインをまたぐ前ということである。もしピットに入らず11周目に入ってしまえば、10周は終わってしまうのだ。

マルケスは10周目の終わりにピットに入らなかった。一方ホルヘ・ロレンソはピットインしているにもかかわらずだ。その時点でロレンソはマルケスをリードしており、マルケスの目の前にいたのだ。マルケスは次の周も全力で走り、チームの指示に従って次の周にピットインした。

結局この選択は大きな損失となった。設定したルールが破られたことで、レースディレクションは短い検討の後にマルケスを失格とする裁定を出した。ブラックフラッグが出され、マルケスは結局リタイヤとなったのだ。

チームとHRCの反応はすごいものだった。すべての状況はMotoGP公式サイトのビデオ(ありがたいことに無料)でわかる。HRC副社長の中本修平はレースディレクションの決定に強い口調で抗議している。レプソルホンダチームのトップであるリヴィオ・スッポはレースディレクションに直接火のように激しい抗議を行っている。しかしそれもむなしかった。ホンダは条文の解釈論に持ち込もうとしたものの、レースディレクションはそれを一顧だにしなかった。レースディレクターとなる以前、マイク・ウェッブは長年MotoGPのテクニカルディレクターをやっていたことで、チームがいかに自分に有利なように条文を解釈しようとするかよくわかったいたのだ。このため、常にレースディレクションの発するルールは明解なのである。

それにこのようなギャンブルは必要なかったのだ。マルケスは43ポイントのリードを保ってフィリップアイランド入りしている。ホルヘ・ロレンソがオーストラリアで速いことを思えば、ここでタイトルを決定することは難しいにしてもだ。ロレンソの素晴らしい速さを思えばここで勝つのは難しかったろうが、それでも勝ったとしてもダニ・ペドロサの助けが必要だったのだ。解き放たれたロレンソの前でホンダの1台だけでなく、2台までもがゴールするのはほとんど無理な相談である。

フィリップアイランドでタイトルを決定すれば、それはそれで良かったろうが、まあそれはおとぎ話のようなものだ。ホンダが所有するコースである日本のもてぎにタイトルをかければよかったのである。そうすればホンダの重役の前でタイトルを決定することになったわけでもあるし。もてぎはホンダ向きのサーキットである。ヤマハは燃費やハードブレーキングを必要とするコーナーに苦しんでいるのだ。もしマルケスと彼のスタッフが普通の手を打ってルールに厳密に従っていたら、もてぎでのタイトル決定は楽なものだったろう。しかし彼らは賭に負けたのだ。

今回の賭は問題続きのホンダを示す象徴的な出来事である。土曜にはプラクティスでエンジンマウントボルトがゆるんで、もう少しでペドロサが転倒するところだった。去年のミサノではペドロサのスタッフがグリッドでミスを連発し、その結果ペドロサはタイトル争いから脱落している。HRCは年間5千万〜7千万ユーロをMotoGPに費やしているが、これは少なくともヤマハの20%増し、ドゥカティの2倍にはなるのではないだろうか。しかも世界最高の3人のライダーの内、2人を独占しており、最高のマシンも作っている。それでも必要のないリスクを冒し、まるで中学生のようなミスをしてしまったのだ。

状況はもっと悪くなった可能性もある。マルケスのタイヤが消耗しきっていたことはラッキーハイツでハイサイドを起こしそうになり、ピット入りする周にはひどくスライドしていたことからもわかる。ピットインしたときにはタイヤの左側は完璧に削れており、カーカスからは塊でゴムが剥離していた。ブリヂストンは別に冗談で10周を超えて保証はしないと言ったわけではないのだ。マルケスのタイヤはかなり危険な状態だったように見える。

リスクについて言えば他にもミスはあった。ミスと言っていいのかどうかは議論のあるところだが、ストレートの奥深くまで延長されたピット出口は問題であったと言えるだろう。非常に狭いピット出口のスピードを制限して、ピット出口を離れたら加速するようにするために設けられたものだが、1コーナー近くまで延長されていたのだ。このドゥーハンコーナーは超高速コーナーである。延長された白線は、これを踏み越えたペドロサに1ポジションダウンのペナルティを科すことになったが、それだけではない。マルケスがピット会うとするときにおそろしい危険を生じさせたのだ。彼はピットレーンを出るときに振り返ってはいるが、しかし誰も見えなかった。そして彼が白線を出てフルスロットルとしたときにそれは起こった。

マルケスがコーナーに入ったのは、後ろからロレンソとペドロサが追いついた時のことだったのだ。振り返ったときに見えなくても彼らは時速330kmの速さで走っていたのだ。ロレンソが1コーナーで前の周より少しはらんだとき、外側にはマルケスがいた。2台は接触し、どちらも怪我はなかったがマルケスの腕に強く当たってしまっている。

マルケスはこの件でペナルティを科せられるべきだろうか?ロレンソとマルケスのどちらも、少しは自分に責任があると言っている。ペナルティポイントを科すのは難しいだろう。マルケスはピットレーンを示す白線は過ぎていたし既にレーシングラインに入っていたことのだから。この観点からはマルケスが前を行っていて、後ろのライダーであるロレンソに安全に抜く義務があったとも言える。マルケスはロレンソほどはスピードが出ていなかったというのはそれほど重要な問題ではない。マルケスが周回遅れなら彼にブルーフラッグを出してどかせることもできたろうが、少なくとも彼はレースに復帰しトップに立っていたのだ。

真の問題はピットレーンの出口がコース最速のコーナーの近くにありすぎたということだ。普通はそれほど問題にはならないが、出口が延長されたせいで1コーナーに入るスピードが遅くなってしまったのだ。しかいsこれに関してはレースディレクションに良い解決策は残されていなかったとも言える。ピット出口を通常通りにしておいたら出口に向かってライダーが殺到し、大混乱を招いただろうからだ。それほどピット出口は狭かったのである。どちらの状況でも危険なのには代わりはなかったし、今回は誰も怪我をしなかったことを喜ぶべきなのかもしれない。

そしてダニ・ペドロサだ。彼は延長された出口の白線を踏み越えてしまったせいでレースディレクションから1ポジションダウンの命令を受けた。ペドロサはマルケスがピット会うとした周にそのボードを見ている。ロレンソと接触した際にマルケスを抜いていたが、5周以内に1ポジション落とさなければならない。ペドロサは3周もしないうちにマルケスを先に行かせた。ルールブックの1.21.3項によればポジションダウンは自発的かどうかについて明確に規定されてはいない。ペドロサがポジションを落としたのは自発的に見えるが、いずれにせよペドロサはルールに従ったことになる。

譲る相手がマルケスで良かったのかについては議論が残るところだ。ロッシに譲ってその時点の4番手に落ちなければならなかったのはないかというのだ。マルケスはその時点で規定周回を超えたことで失格となっていたのではないかということである。しかしペドロサはマルケスの後ろに下がり、その時点ではブラックフラッグは出されていなかった。レースディレクションの決定はペドロサがマルケスに譲った後に出されたものであり、つまりはペドロサのペナルティは既に済んでいたということになる。

もちろんブリヂストンがレース周回を走れるタイヤを供給すればこんなことは起きなかった。もしフィリップアイランドでテストをしていればというのはほとんど全てのライダーが指摘しにくいことではあるが。しかしヴァレンティーノ・ロッシはブリヂストンに対してテストをしなかったことだけではなく、今シーズンのタイヤ問題についてきつい言葉を発している。これまでのところ、今シーズンは誰もがソフト側のタイヤを使うことしかできていない。ライダーには選択肢が与えられているとは言うものの、ソフトタイヤしか機能していないのだ。ロッシによればハード側のタイヤは「使い物にならない」とのことである。ロッシは言う。「ブリヂストンはもっとがんばらないといけないですね。それに将来的には新舗装のサーキットではテストをするべきでしょう」

強制ピットストップ付きで短縮されたという茶番になりそうなレースだったのに、楽しめる面もあったし、素晴らしいところもあった。個人的にはピットストップには賛成できないし、ペドロサもそう言っている通りバイクレースは1スティントで常に全力で走り続けるべきだと思うが、ライダーの身のこなしの素晴らしさを堪能できたのは収穫だった。ロレンソはウォームアップで乗り換えの練習をしていたがこの時はうまくいかなかった。そこでウォームアップ後、彼はピットレーンにスタッフと陣取ってピットボックスの前にマシンをもっていき、そこで彼はバイクから飛び降りもう一台に飛び乗るという練習を何回かしていた。この努力は報われたようだ。乗り換えはほとんど時間をくわなかったのだ。

乗り替えスタイルの違いもおもしろかった。ロレンソとペドロサはどちらもジャンプしてマシンを降り、両足で着地し、次のマシンに飛び乗っていた。マルケスは1回転した。左足を振り上げて右足を軸に360度ターンを決めたのだ。そして2代目に飛び乗った。エレガントで効率的で創造的である。カル・クラッチローはちょっと迷ったようだ。ロッシの前でピットインしたのに、ピットアウトではロッシに先を行かれていた。でも今回の乗り替えキングはニッキー・ヘイデンだろう。ある推計によれば彼は他のライダーより1秒以上速かったのだ。同じドカティのアンドレア・ドヴィツィオーゾとアンドレア・イアンノーネを抜いてポジションを3つ上げている。

ホンダが恥ずべき状態のままフィリップアイランドを出立しなければならなかったのも、ホルヘ・ロレンソが2度のワールドチャンピオンに輝いているという事実と無縁ではない。彼はほとんどミスを犯さなかったし、唯一のミスト言えば予選中にカモメに衝突したことくらいだが、このときも見事にカモメの首の後ろに当てて安楽死させているのだ。チームの戦略も完璧だったし、乗り替えも見事だった。何もかも完璧であり、25ポイントを獲得したばかりか、チャンピオンシップポイントも43から18に縮めることができた。ロレンソの目標はヴァレンシアでタイトルを獲得することであり、フィリップアイランドではそれに少し近づいたと言えよう。

ブラッドリー・スミスにも賞賛を送りたい。スミスはこれまでずっと成績を残していないことを非難されてきた。マルク・マルケスと比べられてしまっているのだ。しかしスミスは毎レース着実に進化しており、フィリップアイランドではそれが結実した。トップとのギャップはまだ大きいが彼は少しずつそれを詰めている。そしてザクセンリング以来の成績をおさめたのだ。もうほとんどドゥカティと競ることはなく、つぎのターゲットは他のサテライトライダーとなっている。しかしまだそこには0.5秒ほどの開きがあるのも事実だ。

アレイシ・エスパルガロも賞賛に値する。彼はCRTチャンピオン(そんなタイトルはないが)を決めたのだ。エスパルガロは今年CRTのトップを走り続け、ドゥカティを悩ませた。レースの度に彼は期待以上の成績をおさめ、プロトタイプを喰う活躍を見せている。ARTの可能性のすべてを引き出し、時にはマシンの実力以上に走ってみせた。本サイトも含めて彼の活躍はあまり取り上げられてはいないが、それは単に彼の活躍を讃えるための時間が無いだけの話である。私は毎戦、彼の活躍について書くようにしているが、締め切りに追われてそれもままならない。彼はもっと競争力のあるマシンにのるべきだし、来年のFTRヤマハが速いといいと願っている。来年はエスパルガロ兄弟が激しい争いをすることを期待しよう。

で、今回のレースは成功だったのか、茶番だったのか?まあどちらの要素もすこしずつあるだろう。フィリップアイランドを一言であらわす素晴らしい英語を見た。「omnishambles」である。これは何もかもがうまくマネジメントされていない状態を指す言葉だ。幸運なことに最終的にはなんとかなった。誰もが安全にレースを終えたのだ。もっとひどい、最悪の事態だって起こりえたのだ。

急ごしらえの対策のせいで面白味も増したが、私の趣味としてはここまで人為的でない方がいい。2週間ほど前に書いたことだが、バイクレースは他のプロスポーツと同様に娯楽である。しかしスポーツの純粋さは、その信頼性を担保するためにも重要である。だからこそ娯楽として成立するのだ。もしファンがそこに人為的な匂いを感じたら、見るのをやめてしまうだろう。レースをおもしろくするならタンク容量をさらにへらせばいい。そして統一ECUを導入するのもいいだろう。しかし必要のないスペクタクルはごめんだ。

ピットストップやピット彼の無線は人為的なスペクタクルである。そしてそれはライダーにも危険なものなのはロレンソとマルケスの接触を見てもわかるだろう。バイクレーサーはむき出しで傷つく可能性が高いのである。彼らが直面する危険は最小限にするべきだ。

結論を言おう。こんな混乱した週末に出会って私は少しがっかりしている。MotoGPはバイクレースの最高峰である。なのに、この体たらくでは、いったいどんな状況にこのスポーツが陥ってしまっているというのだろう。
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まあ海外メディアの例に漏れず、HRCに対してはちょっと厳しすぎる気もしますが、概ね私も賛成。

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公式リリース>オーストラリアGP2013

まあなんというかひどいレースだったわけですが、とりあえず公式リリース。
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ホンダヤマハ、ドゥカティ(なぜか英語サイトが更新停止中)。
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マルケスの失格は仕方がないと思うけど、確かに無理して読めば「9周目または10周目終わりでピットインすること」ってのは、10周目が終わった後のピットインでもいいって読めないことはないですね。普通はそうは読まないだろうし、そう読んだのはマルケスのチームだけですが。
ちなみに失格というお沙汰は仕方が無いと思ってますが、それ以上にピットアウトするときにロレンソに接触したのはペナルティポイントに値すると思ってます。ロレンソからの抗議がないのでそのままでしょうけども。

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タイヤテストが無かったせいでフィリップアイランドのMoto2とMotoGPは短縮に

既報の通り、グリップの良い新舗装のせいでタイヤが保たないことがわかったMoto2とMotoGPはレースが短縮されることとなりましたが、実は今年初めに行われたWSBKでも同じ問題が起こっていたので、今回の失態は避けられたのではとMotomatters.comのデイヴィッド・エメット氏が指摘しています。
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オーストラリアGPに先だってタイヤメーカーがフィリップアイランドでのテストを怠ったせいでレースが短縮されるという大失態が起こった。Moto2は25周から13周に減算され、MotoGPは27周を26周とした上でマシン乗り換えのための強制ピットインが行われることになった。さらにMotoGPではソフト側のタイヤが禁止され、ハード側のみの使用となる。どちらの決定も安全面を考慮して行われたもので、Moto2の独占タイヤサプライヤーであるダンロップと、これもMotoGPのタイヤを独占しているブリヂストンのどちらもが新舗装となった路面に対応できないことを露呈したものである。より軽く、パワーもないMoto3については影響がなく、予定通りの周回数で行われる。

強制ピットストップはMotoGP初のドライでのフラッグ・トゥ・フラッグとなった。フィリップアイランドではルールが導入された初年度の2006年以来、2回目のことである。その時はフィリップアイランドの狭いピットレーンが危険であることがわかったが、今回はさらに状況が悪くなるだろう。ブリヂストンは14周を超えた周回数については安全性を担保できないと言っており、結果23人のMotoGPライダーが12周目から14周目の間に一気にピットインすることになる。しかしほとんどのライダーはポジションを維持するために12周目か13周目にピットに入ることになるだろう。ドライ路面での結果を見れば、周回を多くしても早くしすぎてもいいことはないとわかる。危険を緩和するためにピットレーンの速度制限区間が伸ばされることとなったが、そのせいでピットに入るにはレーシングラインのすぐ近くでブレーキングをせねばならず、また異例に速度の高い1コーナーに向かっても、より遅いスピードでピットアウトすることとなってしまった。

今回のタイヤ問題は予想できたし避けられたものである。フィリップアイランドが舗装を新しくしたのは去年の終わりのことで、これでグリップが良くなったが、さらに重要なことはギャップがなくなったためスピードも増したということだ。元々フィリップアイランドは高速サーキットでタイヤに厳しかったのだが、スムーズとなった路面のせいで、さらに速度が上がったのだ。さらにMoto2とMotoGPでは重量も増えている点も見逃せない。Moto2にはライダー+マシンの重量制限が導入され、MotoGPは3kgの重量増となっている。重量増もスピード増もタイヤにはより厳しい方向で働くのである。

今年の初め、ワールドスーパーバイクがフィリップアイランドで開催されたときも、ワンメイクのピレリタイヤに問題が起こり、スーパースポーツクラスは15周に減算されてしまった。ほぼ1年近く前の話である。にもかかわらずダンロップもブリヂストンもここでテストを行わなかった。もっともダンロップはオーストラリアスーパーバイク選手権のデータがあったわけだが。皮肉なことにMotoGPはタイヤテストのためにアルゼンチンの新サーキットにライダーを派遣している(まあ表向きはそういうことだが、純粋なタイヤテストと言うより新たなサーキットにおいて地元を盛り上げることが重要だったのだろう)。2014年に行われるサーキットでのテストはしたのに2013年に行われる、しかもタイヤの消耗が鍵を握るフィリップアイランドでテストを行わなかったということだ。さらに世界選手権の別シリーズでもタイヤ問題が起こっていたことを考えると、ここでテストをしなかったというのは間違った決定であったと言わざるを得ない。ワンメイクタイヤはコストカットのために導入されたわけだが、オーストラリアGPに関しては間違った経済性を発揮してしまったことになる。

レースが短縮されたという事実はワンメイク制度が簡単に広告宣伝上の大失態につながることを示している。タイヤに問題が起これば複数メーカーが参戦していたときと比べてより多くの非難を受けることになるのだ。競争原理がなくなったことでタイヤメーカーにとっての重要事項はコストとなってしまった。つまりパフォーマンスの追求ではなく自社利益の追求が行われてしまっているということだ。タイヤメーカーにとって目の前の利益につながらないことについてはすべてコストカットの対象となる。しかし今回はそれがブリヂストンとダンロップの両社にとって裏目に出てしまった形だ。実際はどうあれ、状況に対応できるタイヤを作れなかったという風に見られても仕方がないだろう。要するに必要なところにコストをかけなかったということなのだ。

ドルナと安全委員会の役割にも疑問を呈せざるを得ない。ドルナが元レーサーのロリス・カピロッシを雇ったのはブリヂストンと連携をとり、サーキットで起こりえる問題を予測するためだった。にもかかわらず、誰も今年初めのワールドスーパーバイクラウンドからの教訓を得ることはなく、路面の状況を確認しなかったようだ。マシンは重くなっていて、それだけでも問題を引き起こす可能性があったにもかかわらずだ。

以下が発表された変更である。
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(MotoGPに関してはこちらをご参照下さい)

Moto2:レースディレクション決定
 公式タイヤサプライヤーからの正式な要請に基づき、レースディレクションはFIMのWGP規定1.17.2によってMoto2クラスのレースを短縮することとした。
 本決定はMoto2公式タイヤサプライヤーが安全を考慮して勧告した内容に基づくものである。
 レースは13周で行われ、チャンピオンシップポイントは通常通り加算される。
 チームにおいてはFIMのWGP規定2.5.4.9も考慮し、タイヤは公式タイヤサプライヤーとテクニカルディレクターの勧告するパラメーターで使用すること。パラメーターには空気圧と温度が含まれる。

(あとは、今回新設されたレースディレクションがレース距離を変更できることを規定した項目なので略)
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なかなか厳しい指摘ですが、ブリヂストンの意見も聞いてみたいものですね。

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明日のフィリップアイランドのMotoGPクラスのルール

新舗装が予想以上にタイヤに厳しかったみたいで、タイヤが保たないことが判明。というわけで明日のオーストラリアGPは強制マシン乗り替えのフラッグ・トゥ・フラッグで行われます。レースディレクションの公式発表の内容をCRASH.netより。
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ブリヂストンから14周を越えるとリアスリックの安全性を担保できないとの情報を得たため、ライダーの安全のために以下のルールでレースを行うものとする。

1.レースは26周で行われる。
2.全てのライダーはレース中に必ず1回はピットインし、新品タイヤを装着した2台目のマシンに乗り換えなければならない。
3.リアスリックは14周以上使ってはならない。つまり12周目以前に乗り替えた場合は、再度マシンを乗り換えなければならない。
4.ファクトリー及びサテライトチームはハード側(型式B51DR)を使わなければならない。ブリヂストンからは追加供給される。
5.CRTはCRT用ハード(型式B50DR)を使わなければならない。ブリヂストンから追加供給される。
6.ピットレーンのスピード制限区間は前後に延長される。コース合流ルートはランオフエリアに白線で示される。これを踏み越えた場合はペナルティとなる。
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Moto2も13周になっちゃうし、ジャーナリストの皆さんの間ではワンメイクの弊害が出たととらえられているようですね。

<追記>
 本日日曜の発表でレースはさらに19周に減算、9周目または10周目にマシン乗り換えを義務づけるということになりました。うーむ・・・。

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公式プレビュー>オーストラリアGP2013

ホンダヤマハ、ドゥカティ(英語)。

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ストーブリーグ表2014(2013.10.17時点)

チームアスパーのホンダ使用及びヘイデン加入が正式発表されたのと、青山がヘイデンのチームメイトにおさまるのは確実との報を受けて、ストーブリーグ表を更新しました。

Stove_2014_131017

「stove_2014_131017.pdf」をダウンロード

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日本GP前夜祭タイスケ

ツインリンクもてぎに日本GP前夜祭のスケジュールを電話で問い合わせました。あくまで予定です、と念を押されましたがご参考まで。

1730-1745 上田昇・玉田誠トークショー
1745-1815 FMX
1830-1850 マルケス・スペンサートークショー
1855-1920 Do As Infinityライブ
1930-2015 映画「ジ・アンライダブル-W.G.P.500cc驚愕のマシン-」上映

FMXちょー楽しみ!

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もてぎ日本GP行き車の座席1席あります

10/26(土)早朝発(旗の台5:20、東中野6:00経由)の東京発日本GP@もてぎ行きの車の座席1席空いております。想定交通費は往復で2000円見当。宇都宮泊まりです。同乗ご希望の方はDMかメールをお願いします。

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ロレンソ対マルケス

先日のマレーシアGPで見応えのあるバトルを繰り広げたロレンソとマルケスですが、レース後のプレスカンファレンスでは対照的な表情を見せたようです。MotorsportsMagazineより、マット・オクスレイ氏の含蓄のあるお言葉。
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MotoGPでの挑発的なやりとりにはこれまでいろいろ書かれてきて、これ以上付け加えることもないかとは思うが、私も少し意見を表明してみよう。

セパンの木曜のレース前プレスカンファレンスでホルヘ・ロレンソはマルク・マルケスへのペナルティポイント付与について皮肉な分析をしてみせた。マルケスのRCVがほんの少しダニ・ペドロサのマシンにかすったせいで、ペドロサが転倒した件だ。

実のところロレンソの発言はかなりおもしろいものだったのだが、彼の皮肉はその場にいたメディアのほとんどにうまく通じなかったようだ。理由の一つに皮肉というものはイギリス特有のもので、メディアにイギリス人が少なかったことが挙げられるだろう。

ロレンソは無表情のままこう言った。「レースディレクションはマルクにチャンピオンシップポイントを与えるべきですね。そうすればMoto2やMoto3のライダーがマルクのスタイルを学んで同じようなことをするでしょう。で、見世物として面白くなる。ライダーの安全というのはほとんど置き去りですからね。大事なのは観客が見世物を楽しむことなんです。マルクのヘレスでの行為も面白かったでしょうし、シルバーストンでマーシャルがマルケスのマシンから逃げたのも楽しんだでしょう。ラグナセカでのコースをはずれての抜き方もすごいと思ったでしょうね。だからそういうレースを面白くする行為にはインセンティブを与えるべきなんでしょう」

ロレンソはこれまで攻撃的なライディングが問題となるたびに先陣を切ってそれを非難してきた。マルコ・シモンチェリのことは公然と非難していたし、今はマルケスに対して公開の場で議論することをためらわない。マルケスは常にニヤニヤしながらそれを見ているのだが。ロレンソの態度は常に汝より清らかであるし、それも当然だ。昔は彼のライディングも相当なものだったが、今ではずいぶんと矯正されて、それでも速いのだから。

日曜のレースでは、しかしロレンソの堪忍袋の緒が切れたようだ。マルケスにはマルケスのやり方で対抗する。それもよいだろう。今度ばかりは怒るのではなくレースの場で戦うことを選んだのだ。

彼のレース当日の戦術はいろいろなことを思い起こさせる。彼はマシンではホンダにかなわないことを知って、マルケスをミスするまで追い込むことにしたのだ。実際この戦術はロッシが2008年のラグナセカでケイシー・ストーナーに対して採ったものと同じである。攻め続けることで20歳の若いライダーを不安定にさせミスを誘う。ロッシの時はこれが功を奏した。ストーナーの連勝にピリオドを打ち、チャンピオンシップの流れを変えたのだ。

セパンでのロレンソとマルケスの戦いは3周にわたって続いた。この時ペドロサはトップを独走していたので、実質的にレースのハイライトと言えた。これがなければつまらないレースとなっていたことだろう。

5周目の1コーナーでマルケスがロレンソを抜いて微妙にアウトにはらむと、今度はロレンソがインねじ込んで抜き返す。シルバーストンで勝利を飾ったときのようだ。すばらしい。そしてマルケスはすぐに前に出る。

4コーナーではロレンソが再びマルケスのインを奪い、今度は11コーナーではらむとマルケスが再び前を奪い返す。しかしその一瞬後ロレンソがインに飛び込んで、若いライバルをはじき飛ばした。マルケスがウォブルに見舞われたのは両者が接触したからに違いない。それは別に問題ではないだろう。少なくとも私の辞書を見る限りは。レースディレクションもマルケスでさえ問題にしていない。

3周後の14コーナーでマルケスがロレンソを抜いたところで勝負はついた。そこは重要なコーナーだった。その後は長いバックストレートが続くトリッキーなコーナーであり、ライダーはコーナー進入でかなりバンクしているからだ。つまりはタイヤの端を使ってブレーキングしなければならないのである。マルケスはどんな手を使ったのかインに飛び込み、両者はサイドバイサイドでコーナーを立ち上がった。ロレンソがアウトにいたためマルケスは縁石に向かい、リアタイヤが辛うじて縁石に乗っているという具合だった。一方ロレンソは路面を完全にとらえており、縁石まで1フィートは余裕を残していた。2台がストレートに向かって加速するとき、ロレンソは怒ったように頭を振った。

最初に私が思ったのは彼はマルケスを行かせたことで自分に対して怒っているんだろうということだ。自分がさっき当てにいった相手に対して怒るわけがない。

しかし私は間違っていた。レース後の記者会見でロレンソはその時のマルケスの動きに不満を漏らしたのだ。「最後に抜かれるまでは楽しかったですよ。バトルは激しかったですけど接触はありませんでしたからね(え?本当に?)。あのコーナーで彼は僕がしたときみたいにはスペースを残してくれなかった。それでスロットルをもどしてコースアウトを避けたんです。それほど危険ではなかったですけど、スロットルは戻さなきゃならなかった」

私の考えでは14コーナーのマルケスの動きはただのハードなパッシングである。不満を言うようなものではない。彼はイン側にいたのだし、コーナー出口でフロントホイールはロレンソの2フィート前に出ていた。つまりマルケスは、もし望むなら縁石も含めてコースを自由に使う権利があったということだ。しかし今回はいつもほどは縁石を使うことなく、ロレンソにも十分なスペースを残していた。ロレンソの不満はこっけいなものである。

やってはいけない行為の例を挙げるなら、2001年の鈴鹿が適切だろう。このときはマックス・ビアッジが最終コーナー立ち上がりでロッシを肘で芝生に押し出したのだ。当然のことながらこれには批判が集中し、当時のFIM会長であるフランチェスコ・ゼルビが両者に公開書簡を出したほどだ。ビアッジがアウトから抜こうとする自分のためにスペースを残してくれると思うほどロッシが初心ではなかったこともある。別の言い方をするなら、それがレースというものだったのだ。自分だけがレース気狂いと思ったら大間違いだということである。

ゼルビの書簡にはこうあった。「今回は両者に叱責を与えます。2人とも注意深くより慎重に行動し、反応するようにしてください。ファイティングスピリットや勝利への欲望や技術や勇気、そしてスポーツマンシップを全世界に恥じることなく見せられるようにしてほしいのです」

驚くべきことにこのゼルビの言葉には何の効力もなかった。10週間後、ロッシとビアッジはカタルニアGPで殴り合うことになったのだ。

正直に言うとセパンでロレンソが文句を言ったのは、彼のセパンでのマルケスに対する走りを考えると茶番に等しい。レース後の記者会見で、(私たちも実際はどうかわかっているものの)マルケスに接触したかとたずねた記者に対してロレンソはこう答えている。「わかりませんね・・・。覚えていないんです。でも接触してないと思いますよ」そしてこう付け加えた。「まあ接触したとしてもちょっとだけでしょう。自分では感じませんでしたから」

レース後のライダーはトランス状態に入っていることが良くあるので、バトルの間に何があったのか覚えていないこともあるかもしれない。しかしここ数週のロレンソの発言を見るとそうは思えない。

次に、接触を感じたかと聞かれたマルケスは笑いながらこう答えた。「接触したのは感じましたけどOKですよ。これがレースなんです!僕が思ってなかったところで彼がインに入って、それでちょっと接触したんですけど、本当に最高でしたよ」

別の言い方をすれば、ここ数年のマルケスの体験からすれば接触は大したものではなかったということだ。しかしロレンソがマルケスのように笑って接触を肯定しないことが奇妙ではある。問題は彼がこれまでずっとマルケスの走りを非難し続けていたということなのだろう。それでロレンソは自分も同じ罪を犯したと言えなかったのかもしれない。

事実、ロレンソは現時点で最も不幸を感じているに違いない。これまでで最高のライディングをしているのにヤマハが技術的にホンダに劣っているためにタイトルを失おうとしている。しかしだからといって今回のようなナンセンスを口走って良いという理由にはならない。

イエスは言った。「偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からおが屑を取り除くことができる」(訳注:マタイ7:5 新共同訳)

イエスはもういいって?じゃあライダーの言葉を最後に記そう。

「マルクのライディングはホットだよね」カル・クラッチローがセパンで言っている。「でもそれがいやなライダーもいるんだけど、それって自分が負けていらいらしてるからなんだよ。簡単なことさ」
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つまりはマルケスの方が心が強いというかバトル向きってことなんでしょうね。ロレンソのさえない感じがかなり心配。私としてもロレンソには笑って「やだなあ、当たってるわけないじゃないですか。あはは〜」くらい言ってほしかったですよ。

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ストーブリーグ表2014(2013.10.16時点)

ヘイデンがほぼアスパーに決まりそうなのは既報の通りですが、その他にもユージーン・ラヴァティがジジ・ダリーニャにくっついてプラマック・ドゥカティに行きそうとかという話(bikesportnews)も反映。LaChiricoさんちのイタたわGPで紹介されていた青山アスパー説も入れました。どうなることやら。

Stove_2014_131016

「stove_2014_131016.pdf」をダウンロード

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ジジ・ダリーニャが移籍してどうなるヘイデン?

今日のGPweek誌(有料)より。
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アプリリアでの変化(訳注:チーフ・エンジニアのジジ・ダリーニャのドゥカティへの移籍)のせいで、ニッキー・ヘイデンのアスパーチーム移籍という素晴らしいはずだった計画が瓦解しようとしている。しかし時はどんどん過ぎていき選択肢は狭まる一方である。

イタリアGPに先だってヘイデンはアプリリアを訪れジジ・ダリーニャと面会しているが、その時点で3クラスでトッププライベーターの座を確固たるものとしているホルヘ・マルチネスのアスパーチームとの契約寸前だった。

同時にアスパーは来年の市販レーサーに関してホンダと予備的な話し合いを進めていたが、結局アプリリアとの強力な関係を優先することにし、来年も非公式ワークスとしての立場を続けることとした。

「まだ何も正式契約はしていないんです」とは言うものの、2006年のチャンピオンであるヘイデンはこう語る。「契約寸前まできていますんで、ジジの移籍はショックですよ。ジジ無しでアプリリアが何をできるのか見極める必要があるでしょうね。相当なことを成し遂げているんですから。こうなるとアプリリアという選択肢の魅力はそれほどでもなくなりましたね」

チーム、ライダーの双方にとって最も魅力的なプランBはホンダであるが、すでに公式のオーダー締め切り日は過ぎており、HRCはアスパーに対してかなり早い時期での意志決定を迫ることになるだろう。

このプランの実現性がそれほど低くなさそうなのには他にも理由がある。ホンダ・アメリカのバックアップだ。ヘイデンがLCRへの加入を模索していた時にはホンダ・アメリカ側の資金不足でこれを断念したわけだが、アスパーならそれほどの資金は必要ないだろう。

ヘイデンは言う。「これでホンダの目もでてきましたね。でも解決しなければならない問題もたくさんあります。マシンの価格とかスポンサーとかね。ドゥカティという選択肢は僕としてはないですよ」と苦々しげに続けた。「ドゥカティは僕を馘にしただけじゃなくて、僕の新しいエンジニアまで奪ってしまったんですからね」
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これも運のない話ですねえ・・・。

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公式リリース>マレーシアGP2013

ホンダヤマハ、ドゥカティ(英語)。
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ダニはよかったですがそれより、マルケスとロレンソの争いが短かったけど面白かったですね。ロレンソがなんか意地になってる感じで素敵でした。

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オーストラリアGP観戦会のお知らせ

10/20(日) オーストラリアGP 11時から(現地時間ではなく日本時間です)

メニューはスペアリブ、コーンスープ、海老のオリーブオイル炒めが軸になる予定。

もちよっていただいたものはカフェでレシートを買い取り、その総計を人数で割り勘です。またカフェ供出のお酒についてはいつもの通りキャッシュ・オン・ディリバリー。

参加ご希望の方は当記事にレスをいただくかFBかツイッターでメッセージをくださいませ。

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本日の観戦会のメニューのレシピ

サラダ
 クレソン、ルッコラ、ラディッシュにパルメザンチーズを削って散らしたもの。ドレッシングはレモンとオリーブオイルとバルサミコと醤油。

クロスティーニ
 バゲットを縦に切って、3口サイズくらいに切り分けて、天板に敷き詰める。これにオリーブオイルとラム酒で炒めたマッシュルーム・戻した乾燥ポルチーニをのせて、さらにリンゴの短冊切り、ブルーチーズ、ピザ用溶けるチーズをのせて、180℃のオーブンで15分焼いてできあがり。

豚ヒレステーキ(元ネタはジェイミー・オリバーの「15ミニッツ・ミール」)
 豚ヒレを3口サイズに切って、真ん中に入れた切り込みにブルサンのにんにくチーズを押し込んで、生ハムで巻いて、塩胡椒して焼く。

カッテージチーズのお焼き(パンケーキ)(これもジェイミー・オリバー)
 裏ごしカッテージチーズに小麦粉、牛乳、卵、ナツメグを加えて混ぜて(硬めのお好み焼き生地っぽい感じ)、フライパンで焼く。これに、マッシュルームとポルチーニと唐辛子とアンチョビを加えてバーミックスして煮込んだトマトソースを添える。

げふー。おなかいっぱい。

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セパン 木曜まとめ:ペナルティポイント、現代の剣闘士、娯楽としてのレース、そしてドゥカティ

海の向こうからなんとなくほのかなプレッシャーを感じたので長いけど訳出。
信頼のMotomatters.comはDavid Emmet氏のまとめです。
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マシンがコースに引き出される数時間前。いつもなら週末に走るライダーたちの話題で持ちきりのはずなのに、ここセパンではそうではなかった。誰が何位でゴールするかとか、セパンはホンダ向きなのかヤマハ向きなのかとか、ドゥカティはセパンのロングストレートの恩恵を被ることができるのか、それとも高速コーナーに悩まされるのかとか、スコット・レディングとポル・エスパルガロのどちらがMoto2のランキングトップに立つかとか、誰も語っていなかったのだ。ここでの話題はそうしたコース上の話ではなく、コース外の話が中心だった。

木曜はマルケスにとってDデイ(訳注:ノルマンディー上陸作戦の日。転じて決定的な1日のこと)だった。というよりRDデイ(訳注:R&D:「研究開発」の意?)と言った方がいいかもしれない。ランキングトップのマルケスはレースディレクションに呼び出されたのだ。理由はアラゴンでの事故。彼がダニ・ペドロサのリアホイールセンサーに接触、切断、その結果ペドロサがスロットルを開けたとたんに転倒してしまった件だ。マルケスはペナルティポイントを1点科せられ、ホンダはマルケスが稼いだ25ポイントのコンストラクターズポイントを剥奪されることとなった。(詳細はこちら:英語

結局どういうことか。まあ結果として最初からつけておくべきだった小さなカーボン製プロテクターがスイングアームについたことくらいがその影響と言えば影響である。1点のペナルティポイントで計3点となってもマルケスは最後尾スタートとなるわけではないし、ホンダもアルヴァロ・バウティスタが得た13点をコンストラクターズポイントとして加算できたことで、未だにヤマハに対して14点のリードを保っている。そもそもコンストラクターズチャンピオンには大した価値があるわけでもなく、今回の結論は何の意味もないと言っていいだろう。

しかしそれは重要なことではない。ポイントはレース・ディレクターのマイク・ウェッブがその後メディアに対して説明した内容(英語)である。彼はマルク・マルケスも含めたライダーたち、そしてメーカーに対して重要なメッセージを発したのだ。ホンダに対してペナルティを科す根拠は実に薄弱である。今回のペナルティはFIMの規則集3.3.1.2に書かれていることが根拠になっているのだが、これはなんでもありな項目であり、要するにレース・ディレクションはレースに対して問題となる出来事にならなんでもペナルティを科せられるという意味の規則なのだ。

レース・ディレクションからのメッセージはこうである。もしメーカーがここまで電子制御に頼り切ったマシンを作らなければならないのであれば、何か電子的な問題があってもライダーが怪我をすることがあってはならない、ということだ。電子制御のトラブルは今回が初めてではない。2011年のエストリルでニッキー・ヘイデンは半周分ずれてセッティングされてしまった電子制御によりたいへんな目にあった。エストリルのロングストレートではパワーが制限され、1コーナーのシケインを含む低速セクションでフルパワーとなってしまったのだ。ダニ・ペドロサは発進コントロールなしにスタート練習をしようとしてマシンから投げ出されたし、ホルヘ・ロレンソとベン・スピースはどちらも電子制御がモードを変更しなかったためにひどいハイサイドを喰らっている。しかしこうした事故のすべては何らかのヒューマンエラーに起因するものだった。アラゴンでのペドロサのハイサイドはそもそもHRCがセンサーケーブルの保護を怠ったためだし、デフォルトモードでフルパワーとなるようにしていなければ起こらなかったことだ。もちろんインパネにはウォーニングランプがあったろうが、コーナー真ん中でハングオン姿勢をとっているときにそれを見るのは至難の業だろう。

問題の核心に近づいてきたようだ。マルケスにペナルティポイントが科せられたことは大きな波紋を呼んでいるが、実際には大した問題ではない。マイク・ウェッブがメディアに告げたように、彼の意図は明らかだ。マルケスには「他のライダー、特に自分の目の前にいるライダーには敬意を払うように」、そして他のまだ若いライダーには「今回のマルケスの件が一種の警告であり、砂に引かれた線に気付くように。もしこれを越えたら、どんな人気のあるライダーでもペナルティである」というメッセージを発しているのだ。MotoGPにおける最凶(訳注:変換ミスではないです)のライダーですらMoto2やMoto3では模範となれるだろう。特に見えないところ、例えばMoto2の中団グループは血の海であり、ポイントが獲得できるかどうかという瀬戸際ではライダーは何でもするのだ。来シーズンの契約がかかっていればなおさらである。もしレースディレクションがMoto2やMoto3のライダーたちに、いけないライディングがあると知ってほしいのであればすぐにでもペナルティを科すべきだろう。

ホルヘ・ロレンソも今回のペナルティポイントがある種のメッセージになっていると考える一人である。しかしその見方は大方の考えとは違っている。少なくとも我々は彼の奇妙な主張が意味するところを考えるべきだろう。ロレンソは皮肉をもって考え方を変えたと言っている。マルケスはレースをおもしろくしているのだから、ペナルティの代わりにチャンピオンシップポイントを加算すべきだと言うのだ。「彼のようなライディングはレースを面白くしていますからね」とロレンソはスペインのメディアに語っている(スペイン語)。「僕らが怪我をしようがどうしようが関係ないんですよ。大事なのは観客なんです。僕らを見て楽しんでいる人にとってはヘレスも見応えがあったでしょうし、シルバーストンでマーシャルが(マルケスのマシンから)走って逃げたのも面白かったでしょう。ラグナセカでのコースをはずれての抜き方もすごいと思ったでしょうね。それにダニがアラゴンでふっとんだのも。だからそういうレースを面白くする行為にはインセンティブを与えるべきなんでしょう。若いライダーもそれを見習うようにね。レースをおもしろくするってのは良いアイディアですよ」

皮肉だろうか?ロレンソの顔を見ていた者は誰でもこれが間違いなく皮肉だとわかったろう。しかし彼は3度これを否定した。「本当にそう考えているんですか?」「まじですよ」「皮肉ですよね?」「僕の意見ですよ。全然皮肉なんかじゃない」「皮肉ってるんでしょ?」「どうして僕が皮肉を言ってることにしたがるんですか?僕は自分の意見を言ってるだけで、それをわかってほしいですね」
いつ鶏がなくんだろうと思ったくらいだ。

その後、彼は自分の意見を明快に述べている。誰かがクラッシュするのは絶対見たくはないが観客はそうでないのだろうと。ペドロサが宙を舞うのを見て楽しかったかと聞かれて彼ははっきり答えた。「みんなはそういうのを見たいんでしょうね。何度もリプレイされるますしね。こういう事故のあとに起こる議論がまた観客を呼び寄せるんです」しかし彼にとってはそうでない。「宙を舞うなんてごめんですね。ダニが宙を舞うのも見たくはない。そして脚に怪我して歩けなくなるのもごめんですよ。そういうのは最低ですね。でもみんなそれを見るためにお金を払ってるんです。ローマのコロセウムでは剣闘士が殺し合うのを見て楽しんでいた。まあ今は誰かが死ぬのを観て楽しむなんてことはないですけど、クラッシュしたり接触したりすると観客が増える。ライダーの体なんかどうなってもいいんでしょうね」

これは明らかな非難である。しかし誰に対してだろうか?レースディレクションに対してか?それもあるだろう。しかしこれは金を払っている観客に対する非難でもある。ロレンソは間違いなく正しい。クラッシュ映像はテレビ視聴者の楽しみでありテレビでも特集されるほどだ。ロレンソが言うとおり時代は変わったし、ライダーは大きな怪我をすることは少ない。誰かが死ぬようなひどい事故は誰も見たくはない。しかしそうしたクラッシュ映像につけられる「誰も死んではいません」というキャプションを見る度に、アダルト映画の「本作では誰も妊娠していません」というキャプションを見るような嫌な気持ちを感じるのも事実だ。クラッシュ映像の視聴者もアダルト映画の視聴者も結果については誰も気にしていない。一時のスリルを楽しんでいるだけだ。

ロレンソの発言は正しいのか?ドルナが視聴者の求めるスペクタクルを増そうとしているのは確かだ。ライダーの安全は最重要課題だが、ロレンソが見落としていることがある。MotoGPは他のプロスポーツと同様に娯楽なのだ。日曜の午後の楽しみとしては最上の一つである。挑戦というスポーツの純粋な側面は守られなければならないが、同時にこれは筋書きのないドラマでもあり、その結果は可能な限り誰でも楽しめるものでなくてはならない。お金を払う観客がいなければMotoGPはもとより、NFLもプレミアリーグもリーガ・エスパニョーラもチャンピオンズリーグも、ワールドカップですら存在できないのだ。GPを週末に運営するには莫大な費用がかかり、誰かがそれを払わなければならないのだ。現在それを払っているのはサーキットのオーガナイザーとテレビチャンネルである。つまりは観客だ。そして普通の観客はエンターテイメントを欲している。面白くなければ観客はおらず、スポーツは成立しない。単純な等式だ。

ある意味ではロレンソは正しい。スポーツの健全性はライダーの安全を守ることからきている点は間違いない。どんなスポーツでも参加する者がいなければ、プロモーターでマーケティングの天才であるバリー・ハーンが語るところの「男のための昼メロ」は成立しないのも事実なのだ。ライダーが死んだり怪我をしたりして入れ替わり立ち替わりすれば、誰を軸に見ればいいのかわからなくなってしまう。観客はバトルを楽しんではいるが、クリーンなバトルを求めているのだ。そして観客もこれがエンジンを使うスポーツだということを忘れてはいない。富沢祥也やピーター・レンツやマルコ・シモンチェリのような死はもうごめんなのだ。

最大の問題は4ストロークの導入が状況を悪くしたということである。15年ほど前、MotoGPマシンの前の500cc2ストロークは190馬力130kgだった(その前には115kgだった)。現在の1000ccMotoGPマシンはそれより30kg重く、60馬力強大で、最高速は20km/h上回っている。重量も馬力も大きくなったことで向き変えも難しく、クラッシュ時に投げ出されるマシンの距離も、他のマシンにぶつかったときの衝撃も大きくなっている。

マルク・マルケス自身はペナルティに対して何も感じていないと言ってはいる。今まで通りの走りをするとも表明しているが、同時に接触はさけるようにするとも言っている。これまでどおりにだ。マルケスの問題はそのライディングスタイルにある。コーナースピードが高いために、コーナリングでは前のライダーが自分よりハードにブレーキングしてしまうのだ。これが状況を複雑にしているとも言えよう。しかし初めてと言ってもいいだろうが、マルケスのしぐさは彼の発言とは裏腹だった。これまでライディングが問題になったときより深刻そうな顔つきだったし、明らかにプレッシャーを感じているようだった。これで彼のライディングが変わるかどうかは実際見てみないとわからないことではあるが、これまでで初めてライディングを楽しむだけの子どもではない顔つきをしていたことは記しておこう。自分のせいで巻きおこった騒ぎに驚く大人の顔つきだったのだ。

マルケス問題がセパンで話題に上る一方で、ドゥカティの状況についての噂が2つの大陸、3つの国を駆け巡っていた。ジジ・ダリーニャがドゥカティと契約したという噂だ。その噂は昼前には事実となって現れた。ジジ・ダリーニャがアプリリアを離れるというプレスリリースがピアジオグループのサイトに掲載されたのだ。そして午後にはドゥカティコルセがダリーニャの加入を発表した。しかもドゥカティのレース部門であるドゥカティ・コルセのトップとしてだ。そして現在のドゥカティ・コルセのトップであるベルンハルト・ゴブマイヤーはフォルクス・ワーゲンのレース部門に異動することも発表された。

この一連の動きはドゥカティ・コルセ内でこれから数か月続くであろう大変革の端緒に過ぎない。ダリーニャと契約したということは彼に白紙委任状を渡して、ドゥカティ内部の大掃除をさせるということなのだ。これは多くが待ち望んでいたことである。コミュニケーションはほとんどなく、ライダーの声に耳を傾けることも何年もなかった。そのせいでケイシー・ストーナーはドゥカティを離れ、ヴァレンティーノ・ロッシはワークスで不毛な2年間を過ごし、今シーズンはアンドレア・ドヴィツィオーゾが多大なフラストレーションを抱えている。チームは大きく変わることだろう。ダヴィデ・タルドッツィとパオロ・チアベッティの名前がMotoGPチームのメンバーとして挙がっている。しかし本社も大きく変わることだろう。プロセスだけではなく、エンジニアリングの根本的考え方も変わることになりそうだ。老兵は引退し、新兵に道を譲るのだ。

それがドゥカティで求められていたことである。ドゥカティは今年もなんとかフィリップモリスをスポンサーとしてつなぎ止めることができた。3年間なんの成功も収められなかったにもかかわらずだ。フィリップモリスもそろそろ痺れをきらしているころだろうし、ダリーニャはそのために呼ばれたのだろう。彼はアプリリアがRSV4でワールドスーパーバイクのチャンピオンとなる鍵となった人物であり、勝つためには何をすればいいかは十分にわかっている。サーキットレコードを叩き出した人物であり、しかもイタリア人であり(おかげでコミュニケーションは相当良くなるだろう)、レース自体にもレース部門の運営についても精通しているのだ。驚きを持って迎えられたカル・クラッチローのドゥカティ移籍もこうなってみると正しい判断だったのかもしれない。すくなくとも無茶な賭ではなくなったと言えるだろう。

今回の件で宙ぶらりんとなったのはアプリリアの未来だ。ピアジオグループのリリースによれば、ダリーニャの辞職は彼とアプリリアのビジョンの違いにあるという。今シーズンのワールドスーパーバイクでの不振もその理由に挙げられている。アプリリアはレース部門かで稼げるようにしたいのだ。ARTマシンをMotoGPチームに、そしてRSV4をスーパーバイクチームに売りたいということである。しかしカルディオンABがホンダを選択肢、アスパーはホンダとドゥカティのサテライトの間で迷っているというのが現在の状況だ。さらにヤマハがNGMフォーワードにマシンを与えようとしている。戦略を変えざるを得なくなったアプリリアは、すでにMotoGPでの勢力拡大に興味を失ったようだ。EVOルール(訳注:WSBKに詳しい方ヘルプをよろしく!たぶん市販ベースであることがより求められるようになったルールかと)のせいで、市販状態では戦闘力のないRSV4はWSBKでも不利になっている。そんなわけでアプリリアのレースプログラムについては実質白紙状態に戻ったと言えるだろう。

また日曜にはレースが開催される。目の離せないレースになりそうだ。今週末は雨予報である。3日間とも午後に雨が降るとのことだ。つまりはシーズン初のフルウェットな週末ということである。びっくりするようなこともあるだろう。そもそもマレーシアの天気はいつもびっくりを連れてくるのだ。もし雨が降ればすべての予想は無駄である。ということはチャンピオン争いはおもしろくなるということである。
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ロレンソの発言がちょっと鬱入っているっぽいのが心配。

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もう撃墜はなしね、と中本HRC副社長

マルケスに1ペナルティポイント、ホンダからはコンストラクターズポイント25点の剥奪ということになったアラゴンでのマルケスーペドロサ接触事件の結果ですが、中本副社長がこんなコメントを出しています。Speed.tvより。
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HRCの副社長中本修平が天才ルーキーでタイトル獲得も視野に入っているマルク・マルケスに対してメッセージを発した。「もうこれ以上、笑顔で人を撃つのはやめてほしい」と。

中本は35年ぶりにタイトルを獲得するルーキーとなりそうなマルケスが、彼のリスキーなライディングを控えることを期待している。

すでに39ポイントという大差をつけてセパンに乗りこむマルケスは1978年のアメリカ人レジェンドライダー、ケニー・ロバーツの記録に並ぼうとしているのだ。

しかし中本としてはマルケスが控えめに走ることでペドロサとの緊張関係を緩和することも望んでいる。

先週のアラゴンGPでのチームメイト、ダニ・ペドロサとの接触は多くの議論を巻き起こした。ペドロサのマシンのリアホイールトラクションコントロールシステムが接触により切断されたのだが、この原因は○jけすのレイトブレーキングにあった。

結局この事故によりペドロサの初タイトルの望みは実質的に絶たれてしまったのである。

中本は言う。「もうあんなことは見たくないですね。マルクには自分のライディングがアグレッシブ過ぎることがあると気付いてほしいですよ。マルク自身はそうは思ってないでしょうけど、彼のライディングスタイルは他のライダーとは違うんです。ブレーキングが深いんですね。まだ学ぶべきことが多いんです。
 アラゴンでは接触とも言えないような接触がありましたが、あんなに攻める必要はなかったんです。マルクはもう少し待つべきだった。
 マルクはすごく賢くて、しかも速い。でもMotoGPマシンの乗り方についてはまだ学ばなければなりませんね。彼は賢いから状況を理解するのはそう難しくはないでしょう」

中本の調子は穏やかだったが、ホンダが何を望んでいるかは明快だ。

中本は、このようなことが二度と無いようHRCのエンジニアがトラクションコントロール用ケーブルの設計を変えたことも付け加えた。
「設計を変えています、マレーシアには導入しますよ」

マルケスがマレーシアで7勝目をあげれば、次戦オーストラリアGPでのタイトルが決定する可能性もある。
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ちなみに英語の原題は「honda warns no more friendly fire」。

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アラゴンでのマルケスーペドロサ接触事件へのお沙汰

記録のために公式サイトにもリンク

マルケスにペナルティポイント1点加算。これえでシルバーストンでの2点と合わせて3点。でも4点になってないので、特に実害はなし。

驚いたのはホンダのコンストラクターズポイント25点の剥奪。

意味がわからないよ・・・。まあ、やんちゃな子どもはお父さんがなんとかしなさいってことなのかもしれないけど。

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【再送】マレーシアGP、オーストラリアGP観戦会@カフェ旗の台のお知らせ

10/13のマレーシアGP、10/28のオーストラリアGPはいずれも昼間なので、いつもの店が使えません。

というわけでうち(A.K.A.カフェ旗の台)で観戦会を開催します。

10/13(日) マレーシアGP 14時から(日本時間です)
10/20(日) オーストラリアGP 11時から(こちらも現地時間ではなく日本時間です)

メニューは未定ですが13日は軽めにお茶とお酒とつまみって感じで、夜は広島風お好み焼き屋かイタリアンにでも繰り出しましょう。
20日は例によってがっつり昼ご飯がでます。こちらもメニューは未定。

もちよっていただいたものはカフェでレシートを買い取り、その総計を人数で割り勘です。またカフェ供出のお酒についてはいつもの通りキャッシュ・オン・ディリバリー。

参加ご希望の方は当記事にレスをいただくかFBかツイッターでメッセージをくださいませ。

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【再送】宇都宮餃子会のお知らせ

恒例になりましたMotoGP日本ラウンドでの土曜日の餃子会。今年も10月26日(土)20時から、宇都宮駅近くのイキイキギョーザで開催いたします。

予約しますので参加ご希望の方は本記事にレスをいただくかFBかツイッターでDMをくださいませ。

あと、私は土曜朝にもてぎ入りの予定ですが、車は2名様分空いていますので、もてぎにどうやって行こうと悩んでいる方はご連絡くださいまし。

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マルケスとペドロサのアラゴンでの戦い

MotorSportMagazinにマット・オクスレイ氏がアラゴンでのマルケスーペドロサ接触事件について寄稿しています。おもしろいので訳出。最近長文が続きますが是非!
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「接触自体は見ていないけど、マルクは2〜3シーズン出場停止にしたらいいんじゃないかな!」これは日曜に起きたマルケス問題についてロッシが語った言葉である。

個人的にはロッシの発言は厳しすぎると思う。まあペナルティ・ポイントを2ポイント加算して、シルバーストンのウォームアップでの黄旗無視に対して与えられた2ポイントと合わせて4ポイント。これで次戦は最後尾グリッドからスタートということでよいのではなかろうか。

次はセパンである。考えてもみてほしい。普通より長いストレートが1コーナー前に続いている。そして高速の広いコーナー、再びロングストレート。1コーナーまでにマルケスは10番手に上がり、1周目終わりには6番手、2周目が終わると3番手、そして・・・。去年のMoto2チャンピオンであるマルケスはヴァレンシアでプラクティスで犯した罪を理由に最後尾からスタート、そして優勝して見せたのだ。彼は再びのチャレンジを歓迎するのではないかとも思う。

もちろんロッシの発言は冗談である。ロッシの衣鉢を継ぐ20歳の若者に対してそうは言っているが、その後に続けて言ったのは「そうすればレースが楽になるよね」である。

レースディレクションによる聴取はマレーシアGP前日まで行われないということでこの2〜3日は陰謀論も含めていろいろな議論が出されるであろう。きっちり罰を与えるべきだという意見もあれば、今回に関しては無罪だという意見もある。どちらの側も自分の意見を届かせようと必死だ。

マルケスはそれほどひどいことをしたとは思わない。ミスに対するマージンをとらなかったのは彼のいつも通りの走りだった。その結果クラッチレバーがペドロサのマシンのスイングアームをかすった(それもすごい話だが)だけで、おかげで大事なケーブルが破断され、結局チームメイトがひどい目にあったわけだが。

ホルヘ・ロレンソをはじめとする何人かのライダーは、ミスをした場合に備えてマージンを取らないこと自体が問題だとも言う。ロレンソはマルケスが今シーズン10回もクラッシュしていると非難した。まあ、ロレンソはMotoGPでの初年度は8回転倒しているし、ヨニー・ヘルナンデスは今シーズン既に15回の転倒を喫していることは指摘しておこう。

一方でカル・クラッチローのように、マルケスの「勝つか転ぶか」スタイルこそがレースだという意見もある。クラッチローは今シーズン12回転倒している。一応言っておくと、ブライアン・スターリングは11回、アンドレア・イアンノーネとルーカス・ペセックが10回でそれに続いている。

マルケスにペナルティを与えるかどうかについては、レースディレクションも既に何回か犯している過去の犯罪も考慮にいれることになるだろう。日曜のペドロサとの接触はペナルティに値しないことは間違いない。こうしたことは小排気量クラスではよく起こっているし、大排気量でもそれなりに起こっているのだ。

接触がペドロサ転倒の引き金になったのは確かだが、RCVのリアホイールスピードセンサーがあんなむき出しになっていなければ起こらなかった転倒でもある。不幸続きのペドロサは(しかも日曜には誕生パーティが予定されていたのだ。さぞかしお通夜のようなものになったことだろう)またしてもタイトル争いから脱落してしまった。一方ホンダはレースでは何でも起こりえることを思い知って、今頃朝霞研究所ではセンサーケーブルの取り回しを変更するのに忙しいことだろう。

さらにソフトウェア担当者もいまごろ苦労しているに違いない。RCVのデフォルトでのエンジンマネジメントセッティングでは、ケーブルが壊れるとフルパワーになってしまうようだが、これも変更しなければならないだろう。おかげでペドロサがスロットルを開けたとたんにフルパワーのエンジンがリアホイールを滑らせたのだ。そして驚いたペドロサは本能的にスロットルを戻し、今度はタイヤがグリップしてハイサイドを喰らうこととなった。まるで500cc時代のようだ。今回のクラッシュはライダーがいかにトラクションコントロールに頼っているかの証左でもある。

電子制御のせいでライダーが危ない目に会うのは今回が初めてではない。そういった話はほとんど耳にすることはないが、2年ほど前ランディ・ドゥ・プニエがカタロニアの2コーナーで不思議なハイサイドをくらったことがあった。これはカワサキのエンジンマネジメントがホームストレートに設置されたラップトリガーによって間違ってリセットされてしまったことが原因だった。これで電子制御はデフォルトモードになってしまった。このときもフルパワーになってしまったのだ。デフォルトセッティングがそれでいいのだろうか?

ペドロサの事故ではシステムがダウンしたことを知らせるウォーニングランプが点灯したに違いないが、ペドロサにはそれを見る余裕はなかったろう。

セパンでのレースディレクションの裁定では過去の犯罪を考慮することになるとすると、これは白か黒かはっきりした話ではなくなってしまう。今回のことではマルケスにペナルティを与えることはできないとしてもだ。

レースディレクションの委員にはドルナも名を連ねている。とすると投票の行方はどうなるだろうか。ドルナはマルケスが大好きだ。いつも笑顔だし、攻撃的なライディングスタイルはMotoGPが求めていたものである。

ここ何年も深刻な問題となっていたのはロッシの引退後のことである。テレビ視聴者の1/3は離れてしまい、結果、スポンサーも去って行ってしまうのではないかと言われていた。しかしもうそんな心配はない。マルケスにはロッシのようなポップスター風の魅力はないが、あのライディングをもってすればロッシの抜けた穴は埋められるだろう。

つまりドルナはマルケスのご機嫌を取りたいのだし、もっと言ってしまえば彼にチャンピオンをとってほしいとも思っているだろう。一方、マルケスとランキング2位のロレンソとの間には39ポイントという大きな開きがあることを考えれば、ロレンソとのギャップを縮めてヴァレンシア最終戦まで興味をつなぎ止めるのも悪くはないだろうとも思っているかもしれない。最終戦までチャンピオン争いがもつれたのは2006年のロッシとニッキー・ヘイデンによるバトルまで遡る。あの日のことは皆覚えているし、ここ最近のGPでは最高の争いだった。

何を言ってるかって?もちろん外部要因が今回のような重要な裁定に影響を与えることはないですよ。いや、馬鹿なことをいいました。

私はホンダの中で起こっていることにも思いをはせる。ホンダは常に(しかもそれは正しいことだ)チームオーダーは出さないと言っている。しかし実質的にペドロサがタイトル争いから脱落したことを考えれば、当然HRCは両ライダーと話をして、あんまり近づきすぎないように言うだろう。ミサノで両者がクラッシュした後に諭したようにだ。マルケスはHRC副社長の中本修平からお小言は頂戴したろうが、中本のパルクフェルメでのにこやかな笑顔を見れば、彼がそれほどいらいらしているわけではないのは明らかだ。

しかしペドロサは実質的にではなく絶対的にタイトルが絶望となるまではあきらめないだろう。マルケスとこれまで以上に戦うことになると私は思う。いずれにせよマルケス同様ペドロサもHRCとの契約は2014年まであるのだから、ペドロサが言われたとおりにする必要はないのである。

こんなことがしばらく前にもあった。2006年、ヴァレンシアGPの2週間前のエストリルでのポルトガルGPでのことだ。ランキングトップのヘイデンとペドロサとのポイント差は大きかったがしかしペドロサのタイトルの望みもかすかにあった。そしてペドロサはヘイデンと接触し両者とも転倒してしまったのだ。

中本もリヴィオ・スッポもこの2〜3戦は落ち着いた気分ではいられないだろう。
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がんばれペドロサ!(いろんな意味で)

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ペドロサブログ:みんなありがとう

レプソル公式サイトより。
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今週はチームがすごくがんばってくれて日曜に勝てるマシンを準備してくれました。ミサノテストで加えた変更がアラゴンでも通用する自信があったんです。アラゴンとミサノが全然違うサーキットなのに自信を持てたのは本当に重要なことでした。

残念なことに昨日のレースではマルクとの不幸な接触でゴールすることができませんでした。今はもう何もできないので、マレーシアGPに集中します。

ファンのみんなの応援や誕生日のお祝いには本当に感謝しています。いいリザルトを届けられなくてごめんなさい。誕生日だったのにね。でもみんなのやさしさや僕への気遣いは今日の最高のできごとです。

みんな本当にありがとう!

ダニ
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(。´Д⊂)

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2014年MotoGP暫定カレンダー

MotoGP公式サイトより。
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3/23 カタールGP ロサイル・インターナショナル・サーキット
4/13 アメリカズGP サーキット・オブ・アメリカズ
4/27 アルゼンチンGP アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・ホンダ
5/4 スペインGP ヘレスサーキット
5/18 フランスGP ルマンサーキット
6/1 イタリアGP ムジェロ
6/14 カタルニアGP カタルニアサーキット
6/28 オランダGP アッセン
7/13 ドイツGP ザクセンリング
8/10 インディアナポリスGP インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
8/17 チェコGP ブルノ
8/31 イギリスGP シルバーストン
9/14 サンマリノGP ミサノ・ワールドサーキット・マルコ・シモンチェリ
9/21 アラゴンGP モーターランド・アラゴン
9/28 ブラジルGP ブラジリアサーキット
10/12 マレーシアGP セパン
10/19 日本GP ツインリンクもてぎ
10/26 オーストラリアGP フィリップアイランド
11/9 ヴァレンシア リカルド・トロモ・ヴァレンシア
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9/14からの2か月弱でヨーロッパ〜南アメリカ〜アジア〜オーストラリア〜ヨーロッパという7連戦はどうかと思う・・・。

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ペドロサ-マルケスの接触事故@アラゴンGPに関するチームの見解

正確にはチームボスの見解ですが、実質的にHRCの見解と言っていいでしょう。MCNより。
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HRCのボスであるリヴィオ・スッポの考えでは、マルケスはそのスーパーアグレッシブな走りを変えるべき時にきているとのことである。これは先日のダニ・ペドロサとの接触事故を受けての発言だ。

アラゴンGPでの6周目のこと、熱くなりすぎたマルケスがペドロサに12コーナーで接触したのだ。接触自体はかすかなものだったが、ペドロサのマシンのスイングアームに設置されたリアホイールのスピードセンサーが破損し、トラクションコントロールが効かなくなってしまった。

その直後、ペドロサの世界チャンピオンへの望みは実質的に絶たれることとなる。13コーナーでハイサイドで転倒を喫してしまったのだ。

スッポはMCNにこう語った。「ダニにとっては不運としか言いようがありませんね。マルクもそれほどアグレッシブだったわけじゃないですから。接触自体は大したことが無かったんですが、不幸なことにケーブルが破損してしまったんです。対策は考えますよ。これから100万回同じ接触があってもケーブルが切れるなんてことはないでしょうけど、1回起これば十分です。パルクフェルメでマルクが言っていたんですが、たぶんクラッチレバーが当たったんです。ちょっと押したくらいでは切れるもんじゃないんですけどね」

ペドロサとの接触が軽いものだと認識しているとは言え、マルケスによる接触は今回だけの話ではない。

マルケスはいつでも熱くなりすぎてブレーキングもぎりぎりまで遅らせるせいで、前のライダーに接触しかかったことが何度もある。

スッポはこうも言っている。「まあ彼の走りの特徴って言えばその通りですけど、ちょっと考えた方がいいと思ってますよ。今回が初めてのことじゃないんで、問題は大きくなるばかりなんです。ちゃんと理解して走り方を変えるべきでしょう。他のライダーはマルクとは走り方が違うんですよね。マルクはブレーキングが本当に深い。ダニより深いと思いますよ。
 接触はレースには付きものですけど、できればこういうことはない方がいいと考えています。ライダーとは常に話し合っています。もうチャンピオン争いも終盤ですし、チャンピオンを逃すわけにはいかないですからね」

ペドロサは今回の接触の件でマルケスを批判している。4レースを残して59ポイントも話されてしまったのだからそれも無理はないが。

マルケスは謝罪の姿勢を見せているが、軽い接触でホイールのスピードセンサーを破壊されてしまうなど普通はないことだとも言っている。

スッポは言う。「どちらの言い分もわかります。これはそんなに重大なミスではないんです。ダニは勝てるペースでしたが、本当に不運だったとしか言えません。一方はそれほど悪いことはしていないと考えて、もう一方は自分が悪くないのに実質的にチャンピオンを逃してしまったと考えている。どちらの考えも理解できます」

ペドロサとマルケスの接触については明日発売のMCN誌に詳しく掲載します。
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要するにHRCとしても一応お灸は据えるということですね。

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