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2014年からヤマハがリースするMotoGP用エンジンはニューマチックバルブ

ヤマハのエンジンリース計画の詳細が明らかになってきました。MCNより。
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MCNの独占インタビューに対してヤマハがYZR-M1のエンジンリースパッケージの詳細を明かしてくれた。

先月のテキサスでヤマハは最大4人のライダーに対してYZR-M1のエンジンリースを行う予定であることを発表した。当面は2014年から2016年の3年間という計画である。

先週のスペインGPでは多くのチームやシャーシメーカーがヤマハに対して強い興味を示していたものだ。

ヤマハの計画では800,000ユーロ(訳注:約1億円)でYZR-M1をリースする予定であるが、ホンダの100万ユーロでRC213Vの完成機を売るという計画とは根本的に異なっていると主張している。

ヤマハもホンダも現在のCRT(プロダクションエンジンをプロトタイプシャーシに載せたマシン)に替えて戦闘力のある、かつ入手可能な金額のマシンを提供しようという点では共通している。

MCNの独占インタビューに答えてヤマハチームのトップであるリン・ジャーヴィスがリースパッケージの詳細について語ってくれた。

エンジンはサテライトであるモンスターヤマハ・テック3が使っているものにかなり近いスペックで、ニューマチックバルブを使用しているとのことだ。

一方ホンダの市販RC213Vにはニューマチックバルブは搭載されない予定である。ジャーヴィスは言う。「ヤマハが供給するエンジンはテック3が使用しているものに非常に近いものになる予定です。ニューマチックバルブも搭載しているし、実質的にはワークスエンジンですね。これは他のエンジンメーカーはやらないことだと思いますよ。最新技術を搭載するんで、売るんじゃなくてリースなんですけどね。
 第三者の手に最新技術を渡すわけにはいかないんで、エンジンも封印して、そのあたりのメンテナンスはヤマハ本体がやることになります。
 ヘレスでは既に興味をもってくれた複数のチーム、そしてシャーシメーカーと話を始めました。計画ではヤマハはチームと協働するということでシャーシメーカーと直接やりとりする予定はありません。シャーシメーカーを選ぶのはチームですからね。
 でもシャーシメーカーもヤマハがどんなパッケージを提供するのかについて興味を持ってくれてますし、そのために何をしなければならないのか、ヤマハはどんな協力をしてくれるのかについても知りたがっています。
 いろんな人が興味を持ち始めてくれていますが、ヤマハのパッケージは最も戦闘力があるものだと思いますよ」

2014年から適用される新ルールではdふぇんしせいぎょはマニエッティ・マレリのワンメークとなるが、タンク容量を20Lに制限するのと引き替えに独自のソフトウェアを使用することが許されている。

ヤマハのYZR-M1のリースパッケージではソフトウェアも統一版を使う予定である。そのかわりにタンク容量は24Lまで許されることになる。

またエンジンは年間12基まで使用できるが、リースパッケージではワークス、そしてカル・クラッチローのモンスターヤマハ・テック3と同様に5基とのことである。

では2014年に値札分の貯金があるとして、ヤマハはそのお金の見返りに何をしてくれるのだろうか。

ジャーヴィスは言う。「パッケージにはエンジン3基が含まれます。マシンは1人につき2台走らせなければなりませんし、スペアエンジンも必要ですからね。エンジンのメンテナンスは2回行いますんで、都合シーズンあたり5台のエンジンということになります。
 これに1シーズン分のギアのフルセット(訳注:ミッションということでしょうか)とドルナから供給される電子制御ユニットがつきます。クラッシュによるダメージ修復分は金額には含まれていません。ですからクラッシュのせいでエンジンが大きなダメージを負ったら追加料金が必要ですね。
 もちろんこちらの設計ミスでエンジンがだめになったりしたら、新たにエンジンを供給しますよ。
 エンジン5基というのはそれで十分だと考えているからです。ワークスもテック3も5基でやってますからね。レギュレーションでは12基までOKですが、耐久性は保障できますから5基で十分ですよ。
 でももしチーム側の責任でエンジンを壊してしまって6基目が必要になったら、追加料金を払ってもらえばエンジンを組み直します。でも800,000ユーロ前後で1シーズンを戦闘力の高いマシンで走ることができるのは間違いないですよ」

統一ECUは日本におけるプライベートテストで試されることになっている。これを受けてヤマハはYZR-M1のリース注文の閉め切りを6月終わりに設定する予定である。

「ECUのハードとソフトのパラメーターについてマニエッティ・マレリと話を進めているところです。これを受けて日本でテストを行い、良い結果が出ればあとはチームのセッティング次第ということになりますね。
 重要なのは検討を今から開始していただいて、結論は6月末にほしいというところです。シーズン終了までに準備を完了するには6月末がデッドラインなんですよ。
 シャーシメーカーはエンジンに合わせてフレームを作るのに最低4か月は必要でしょうからね。統一ECUのリースエンジンのテストはすぐに始める予定になっています。ですから今シーズン中盤にはすべてが固まるでしょう。
 エンジンを何台作らなければならないかとか、どのチームと一緒にやっていくかというのはその後ですね。
 ヴァレンシア戦後のテストには間に合うようにダミーエンジンと必要なスペックは提供する予定です」

ジャーヴィスによればヤマハがフレームまで作るのではないかという噂は馬鹿げたものだという。そんな計画は最初から議論されてもいなかったとのことだ。「それはないですね。それって要するにテック3用のマシンをさらに作らなければならないってことですから。エンジンと必要なパーツにのみ集中してやっと必要なデータが全部とれるという感じなんですよ。
 でもエンジンにはエアボックス、エキパイ、ラジエター、オイルクーラーがついていて、統一ECUにも最適化されていますから、あとはシャーシに載せるだけということになります」

ヤマハはイタリアの本拠地でメンテナンス要員を新たに雇わなければならないともいう。さらに全18レースの現場にも追加のエンジニアを帯同するということだ。

「イタリアでのエンジンメンテナンスのために要員を増やさなければならないですし、チームのために現場のエンジニアも一人はりつきになります。
 日本からは毎レース10人のエンジニアが来てワークスチームとテック3のサポートをしているんですが、これが11人になるということですね。要員確保のためにも6月までに状況をはっきりさせたいんです」
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ホンダのプロダクションレーサーより最高速が出たりするんでしょうか。また、どんなフレームメーカーが参戦してくれるかも楽しみですね。

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コメント

これ、記事書いた人だけじゃなくジャーヴィスも普通にCRTのレギュレーションが適用される
前提で話してますが、ジャーヴィスがレギュレーションを把握してないとは思えないので、
エンジンの買い取り規定が無くなるのは既に決まってるとかなんでしょうかね?

投稿: nobody | 2013/05/12 21:10

>nobodyさん
 確かに以前の記事( http://moonfish.cocolog-nifty.com/srdandy/2012/11/motogp-1113.html )ではプロトタイプは電子制御ソフトウェアを自由に使えるけど20L、CRTは統一ソフトウェアで24Lってなってますね。
 ただ、今読み返してみると( http://www.fim-live.com/fileadmin/alfresco/Decision_of_the_Grand_Prix_Commission,_Valencia_10_November.pdf )nobodyさん御指摘のように、プロトでも統一ソフトウェは使用できて、そうでない場合に限り20Lと書いてあるような気もします。
 たぶんそうなんでしょうね。

投稿: とみなが | 2013/05/13 20:32

 あ、買い取り規定はCRTじゃないんで、ないんじゃないでしょうか。

投稿: とみなが | 2013/05/13 20:33

ああいや、燃料の量の方じゃなくてエンジン数の方に関してです。
「レギュレーションでは12基までOKですが、耐久性は保障できますから5基で十分ですよ。」
と言ってますが、12基までOKなのはCRTマシンだけなので…。
これは、現状のレギュレーションでは、MSMAマシンとCRTマシン以外は存在しない事になっているので、
"All other entries"はCRTマシンでのエントリーと同義になってしまうからです。

MSMAマシンではないけど、(現状の)CRTマシンとも違うと言う立場に向けたレギュレーションが
つくられ(る||ている)んだろうな、とは思っているのですが、発表されてはいないと思うので
出てきた疑問でした。
提供するのは年間5基だけと言うのは、実はその辺のレギュレーションは既にほぼ固まってて、
それを踏まえた発言なのかなとも思いますが、はてさて…。

投稿: nobody | 2013/05/13 21:51

>nobodyさん
 ああっ!そうですね。全然気付いていませんでした。確かにワークスでもCRTでもないプロトタイプ用にレギュレーションができそうですね。

投稿: とみなが | 2013/05/14 21:08

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