カタールGP:クラッチロー、転倒2回はタイヤ選択の失敗

上位ライダーはほっといて、クラッチローもいきますよ。CRASH.netより。
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開幕戦カタール。カル・クラッチローは本来であればトップ5を狙えたと考えている。スタート直前にグリッドでフロントタイヤを交換しなければ良かったと後悔しているのだ。

結局彼は2度の転倒を喫し、痣だらけのシーズンスタートを切ることになってしまった。序盤でフロントタイヤに熱が入りすぎてしまったためだ。最初の転倒は最終コーナー。2番目は再スタート後に13コーナーでスロットルが開きっぱなしになってしまったためである。

やはりホンダに乗るマルク・マルケスと同様、クラッチローは21時スタートに向けてハードコンパウンドのフロントタイヤを選択していた。RC213Vはこの週末を通して加速に苦しみ、ライダーはブレーキングを遅らせることでタイムを稼がざるを得なかったのだ。

しかしスタートが遅れたことで20周に減算されたレースは気温が下がり湿度が上がる時間帯に突入することになる。そして彼はハードタイヤは適していないと言われたのだ。「それで手放しちゃったんですよ」と彼は言う。

「グリッドでフロントタイヤを交換したんです。マルクと同じようにね。そして僕らは二人とも失敗した」。2度の転倒を喫しはしたが概ね彼は大丈夫なようだ。「ミディアムタイヤはうちのフロントには使えないってわかってたんです。柔らかすぎる。でも半ば無理矢理タイヤを替えさせられた。
 レースが遅れたんで露が降りるのが心配だとかなんとかいろいろいろ言われてね。でも僕にとってもマルクにとっても間違った決断でしたよ。でも僕に決定権はなかったんです。
 こういうことはほとんどないし、あってはならないと思いますよ。最初はよかったんですよ。いいポジションで走れた。ヴァレンティーノと接触しちゃったけど、レースではあることですしね。彼に気付いてなかったし彼も僕に気付いてなかった。僕も全く見えてなかった。
 でも他のやつらの後ろで走っている内にだめになってきたんです。フロントタイヤが熱くなりすぎたんです。ラインを少し外して、それで最終コーナーで転倒した。それからまた走り出したんだけど、やめればよかったですね。スロットルが全開のまま固定されてたんですよ。
 ハンドルが曲がってグリップが泥まみれになってたんです。ピットに入ることだけ考えればよかった。でもピットにたどり着くこともできなかったんですけどね。ピットに戻ってエアコンプレッサーでグリップについたクソみたいな泥をふっとばしたかったんです。それができてたら少なくとも完走はできたでしょうね。でもそこまで行けなかった。
 マシンが加速し続けたんですよ。それでスロットルを閉じたんですけど今度は曲がらない。それで思いっきりフロントブレーキを握って飛び降りたんです。チームには申し訳なかったけど、まあ僕が絶対あきらめないのをみんなもわかってくれてるし、僕もその時点では完走できると思ってたんです。でも2回目のクラッシュはハンドルが曲がってたせいなんです。
 とにかくこのファッキンな状況をとっととなんとかしないと。それに痛いんですよ!どっちも大したことないって転倒じゃなかったですからね。でもまあこれもレース。去年も同じポジションから始まってますし。でも今日はいい結果が残せるチャンスだったんですけどね。グリッドでつまらない決断をしちゃった」

クラッチローがクラッシュしたのは10位に上がろうとスコット・レディングの後ろを走っていた4周目のことだ。彼にとってはかなり悔しい転倒になったようだ。レプソル・ホンダの2台について行けたと思っているのだ。

「正直いい結果が残せる自信はあったんですよ。状況がどうあれね。完全ドライなコンディションでも5位にはなれたはずなんです。ドライとウェットが混ざってるような悪い状況でもやっぱり5位に入れたはずですよ。
 うすぼんやりマシンにまたがってるだけでもやっぱり5位になれた、と思う。マルクについていけたはずだし、一緒に走ることもできたはず。どちらもフロントタイヤに問題を抱えていて、それ以外は完璧だったんです。
 でもその時は前の連中を抜けなかったんです。だから持久戦に持ち込むことにした。ダニがやってたことですね。そして彼はマルクに追いついた。ペースがそれほど速くなくて、フロントがミディアムでもその程度のペースなら行けたと思うんです。
 最終コーナーでラインをちょっとだけ外してしまったのは、ちょっとだけインをカットしてストレートでスコットに追いつこうとしたからなんです。でラインを外れたとたんに転倒した」

「でもそれは完全に僕のミスでした」と彼は渋々認めた。「それに再スタートしたのも完全に僕のミスですよ」

クラッチローの話を聴く限り、ミディアムフロントタイヤを使うというのは提案ではなく強制だったようだ。コンディションのひどさが理由である。

「タイヤチョイスがギャンブルだったなんて考えたことはないですよ。いつも自分のやることには自信をもっている。でも今日は選ばせてもらえなかったんです。で、結局それは間違った選択だった。
 それに、やっぱり元に戻そうとしたときにはもう交換が終わっていて戻せなかったんです。時間が足りなかった。マルクも無理矢理タイヤを替えさせられてましたね。
 それが僕とマルクがレースを優位に運ぶ鍵だったと思いますよ。誤解しないで欲しいんですけど、別にホンダが他のメーカーのマシンが強いんだって言ってるわけじゃないんです。でもマルクについて言えば、フロントタイヤさえ良ければもっと戦えたと思いますよ」
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へー、ライダーの意志より優先されるってのは、要するにミシュランの「要請」ってことなんでしょうね。

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カタールGP:エスパルガロ(兄)「アプリリアにとってこれは始まりにすぎないんだ!」

いやー、今回いちばんかっこよかったのは兄パルガロでしたね!ピットも優勝したかのように喜んでました。というわけでまずはアレイシのコメントをCRASH.netより。
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アドレナリンがまだおさまらないアレイシ・エスパルガロはカタールでの6位という素晴らしい結果について、MotoGPのトップを目指すアプリリアにとっては「始まりに過ぎない」と力強く宣言してみせた。アプリリアでのデビュー戦で周りの期待をはるかに上回る結果を出したのだ。

エスパルガロの今回の走りはキャリア最高とも言えるものだった。トップ10フィニッシュというレース前の目標を上回る6位、優勝したヴィニャーレスからは7秒遅れ、そしてホンダの最上位マルク・マルケスからはわずか1秒遅れだったのである。

スタートは決して良くはなかったが、レース中のラップタイムでは3番手のタイムを記録しているエスパルガロは終盤のRS-GPのタイムと安定性に満足している。彼が言うにはトラクションのおかげでダニ・ペドロサのRC213Vと互角に戦えたのだそうだ。

「ゴール時点でのマルクやダニとの差は1秒もなかったですからね」と彼は切り出した。彼の順位はアプリリアにとって4ストMotoGP時代のタイ記録である。

「こんな成績をまた記録するのはかんたんじゃないことはわかってますよ。マシンは最高でしたし、本当に『決勝仕様』になってましたからね。アプリリアのおかげでトラクション(訳注:文脈的にはグリップ)が落ちてきたあたりで素晴らしい走りができたんです。
 つまりどのサーキットでも凄く暑くなって誰もソフトタイヤが使えないときでも僕はソフトで行けるってことなんです。これはうちのいいところですね。トラクションが本当にいいマシンなんです。
 予選でのスピードには改善の余地はありますけど、冬期テストでもユーズドタイヤでいい走りができてましたからね。正直トップ6なんて考えてもいませんでした。トップ10は視野に入れてましたけどね。
 ダニをストレートで抜けたのも嬉しかったです。夢みたいですね。こんなことやったことがなかったですから。うちのマシンは最終コーナーのトラクションでホンダに勝ってたからだと思います。
 加速で彼に接触しそうになったんですよ。それくらいスピードは出てたんです。でもタイヤが新しいときの加速は改善しないといけないですね。序盤の2〜3周は誰も抜けなかったんです。絶対無理って感じでしたね。
 みんなラインを塞いでけものみたいに加速していく。猿みたいっていうか。抜くなんて無理でしたね!でも8周目くらいからみんな普通の走りになって、それで僕も抜きながら前に行けたんです。
 エンジンですか…、まだ加速はなんとかしたいですね。でもトラクションはいいんでマシンはいい感じですよ」

ラップタイムの安定性には満足しつつも彼は一発出し用の最高のセッティングについては課題があると認識している。

「予選をなんとかしないといけませんね。今日も10位以内のところからスタートできてたら6位より上を狙えたかもしれません。
 予選を改善してトップ10をとりに行く。サテライトより前で走る。簡単ではないですけどうちのマシンは良いところもありますしね。もちろんがんばってかなきゃいけないですけど、今はハッピーですよ」

あるジャーナリストが冗談交じりに「評論家の言うとおりなら、あなたはスズキを出て弱小チームに加入したことになってるんですけど?」ときくとエスパルガロは見事にこう切り返した。

「まあしばらく待ってもらいたいですね。これはまだ始まりにすぎませんよ!必ずトップで走ってみせますから。絶対ですよ」
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いいなあ、かっこいいなあ。応援するよ!!

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公式リリース>カタールGP2017年

ヤマハドゥカティ(英語)ホンダアプリリア(英語)スズキ、KTM(まだみつかりません)。

去年のヤマハに続いてホンダのコメント翻訳もMotoGP公式病と言うかMIKIO病というか、なんかだめになってないか?

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公式プレビュー>カタールGP2017年

ホンダヤマハドゥカティ(英語)スズキ(英語)アプリリア(英語)、KTM(を見つけられない…)。

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生まれ変わったダニ・ペドロサ:白紙からやり直す年(パート2)

パート1で引っ張ってますが、パート2も早速。PecinoGPより。
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24時間前に公開した「生まれ変わったペドロサ」の記事ではスペイン生まれの彼が自分とそしてHRCのライダーがプレシーズンテストで味わった苦労について話してくれた。そうした苦労は革新的ライダーであるストーナーやマルケスそして彼自身が味わってきたものだ。そして彼がレースキャリアを通じて保ち続けているホンダへの忠誠心について語ってくれた。このパート2ではペドロサの内面について知ることになる。常にファンやジャーナリストとうまくいっていたわけではないこと、翌週からの新シーズンへの抱負について、そして自分で選んだ2017年に向けての大変革について語ってくれた。これからお読みになる内容は本当に、本当に読み応えがあると我ながら思う。

今シーズン、ダニ・ペドロサは自分を取り巻く環境を大幅に変えている。彼は自分のレースアプローチ自体を思い切って刺激しようとしているようにも私には見えるのだ。マネジャーを替え、チーフメカを替え、メカニックも替え、アシスタントも替え、そしてセテ・ジベルノーをコースアドアイザーとして招いている。明らかにペドロサはこれまでやってきたこととは違うことをやろうとしているのだ。
「こうやっていろいろ変えたのは経験を積んで、時間を経るに従って物事は変わって、だから自分を作りかえなきゃならないとわかったからなんです。時代の変化にどうやって自分を合わせていくか見つけないといけない。ライディングスタイルも自分を取り巻く環境も変えなきゃならないんです。トレーニングを積んで肉体的にも時代についていかなきゃならないのはもちろんです。でもそれだけで全てはカバーできない。何かを見落とすんです。だから大事なのは自分ひとりでは完璧にカバーできない部分を理解した上でそこを作り変えていくことなんです。今回は自分でいろいろ変えたんですけど、満足していますよ」

「よくわかってますね」。それが”新しい人生”を作り出した背景にはモチベーションの維持という目的があったのかという質問への彼の答えだ。「経験を積むことで自分がうまくできないことはわかるんです。そういうのとか、自分でバランスをとろうとしているのにバランスがとれない部分とかはわかる。バイクに乗ることや楽しむことや関係ないことに邪魔されないこととかですね。若かった頃と今とでは全然違うんです。色んなことを学んで色んなことに目配りができるようになった。でも基本に立ち返ることにしたんです。レースとバイクのことだけに集中するんです。そこに集中することが大事なんですよ」

ドゥカティにいたイタリア人を新チーフメカに迎えたということは、これからメカニックとライダーの関係を構築し直すということである。これはおわかりいただけるだろう。どちらも相手が言っている意味をきちんと理解しなければならないのだ。「マシンが曲がらない」というとき、ホンダのライダーであるペドロサと元ドゥカティのエンジニアで同じことを言っているのだろうか?共通言語を創り出すところから始めざるを得ないということだ。「彼が僕に何か言って僕が彼を黙って見つめ返すってことが何度もありましたね。彼が言ってることは僕が思ってるのと同じことなのかとか、あと、こっちから質問すると「それ私にきいてます?」とかね。僕はイタリア語は少ししか話せないんですけど、そういうレベルの話じゃないんです。ピンとこない単語があるんですよ。まあそれほど大きな問題じゃないんですけどね。確かに昔の僕なら問題になったかもしれないですよ。たぶんね。あの頃は知らないことも多かったし、でも今はここまで経験を積んだんで、「待って、もう一回言って、何言ってるかわかんなかった」って言えるんです。

モチベーション、経験

私がペドロサのようなベテランライダーにインタビューするときにはいつも同じ質問をすることにしている。レースに対する情熱についてだ。MotoGPレベルでレースを続けるというのは非常に厳しいことだし、楽しいからやっていたのにいつの間にか仕事になってしまっているのはどういう気持ちだろうと思うのだ。「ああ、確かに楽しめない時期もありましたね。環境は最高だったのに、勝てるチームにいて子供の頃からの夢をかなえて…、でもいつでも幸せにいるってのは難しいんです。怪我もなんどもしたし、うまくいなかったこともあったし、個人的な部分でも…。どれがどうってはっきり言うことはできないですけどね。自分が夢見ていた人生を送っているんだけど、だからといっていつもハッピーだったわけじゃないんです」

いちばん楽しくなさそうな話題は最後までとっておくことにした。おそらくダニを不快にさせるだろうと思ったからだ。ファンや世間やジャーナリストに対する彼の態度についてだ。かつて彼に、ペドロサが最高のレースをできるとしたら観客がいない、そしてジャーナリストがいないレースではないかと言ったことがある。それを再び持ち出すことにしたのだ。もちろん彼の態度はずいぶん変化している…いい方にだ。ダニは私の厳しい質問を笑顔で受け止めた。

「昔はとにかく最善を尽くしたくて、すごく高いレベルで集中しなきゃならなかったんです。そもそも僕は内気なタイプだし当時は若かったし…、いろんなことをうまく扱えなかったんです。たくさんの人に囲まれて、みんなが僕に触ろうとして、写真を撮ろうと腕を回してきて」。ダニは少し間を置いてこう言った。「小さな町で生まれ育ったんです。部屋に入ったらみんなが僕の方を向くなんてなかった。もともと自分では人目を引くような性格じゃないと思ってるし、僕の態度も、まああなたも言うほど距離を感じていないようにも見えるけど、あんまり人当たりが良くはないですよね。そういう外のいろんなことにわずらわされずに静かにしていたいんです。すごくショックだったし良い気持ちにはなれなかった。今は経験も積んで違う見方ができるようになりました。わかったんです。子供だったんですよ。僕についてきてくれる人たちにどんなことをしてたかってわかったんです。みんなが僕をテレビで見ていて、僕と写真を撮るのがみんなにとってどんな意味を持つのがわかったんですよ。そうやって見えてきたおかげで僕は変わったんです。違う見方ができるようになった。もう僕は前みたいにこうしたことが自分を安全な場所から遠ざけるようなものだとは思わなくなったんです」

2017年に向けての豊富

そろそろわかってもらえたことだろう。2017年のペドロサは新しい一歩を踏み出したのだ。経験を積んできたおかげで彼は地に足のついた人物となった。大言壮語はなし。大声でなにかを言うこともない。「今年は最高の自分をあらゆる場面で出していかなきゃって、はっきり見えてるんです。僕のやりたいことや、モチベーションを最大限に発揮する。これまでの経験やチームをそのために使っていく。全てを活かすのは最高にたいへんですけど、それが今僕のやっていることなんです。それが僕の目標です。もし全てが上手くかみ合えば数字はついてくるはずです。見ていてください」

このダニとの会話はカタールテストの2日目に行われたものだ。24時間後、ペドロサは最後のプレシーズンテストで3番手のタイムを叩き出した。チームメイトのマルケスがほんんぼ数日前に警告していたことだ。「ダニには気を付けた方がいい。僕はピットにいるから彼がどれほどやっているか知ってるんだ。バン!HRCにはみんな忘れてるけどすごいライダーがいるんだ」。

「僕は自分の最高を追求してきた。それでどんな結果を出せるかはわからないけど、すごくわくわくしているし、努力をするのが楽しいんだ。そのおかげで言えるんですよ。ここまでがんばってきたんです、でももっとやれるし、それを自分でも楽しみにしてるってね。それが僕のモチベーションなんです」
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をー!!!訳してて泣きそうになったのは久しぶりだ!!!
記事では「大言壮語はなし」ってなってますが、こんなに自信に満ちたダニは見たことないよ!!!

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生まれ変わったダニ・ペドロサ:「なんで教えてくれなかったの」は無しで(パート1)

ファンもファンじゃない人も幸せを祈ってやまないダニ・ペドロサですが、今年はくるよ!知らなかったってシーズン終わりに言ってもだめだからね!って記事をPecinoGPより。
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いつもの彼のスタイルだースポットライトの当たらないところで黙々と働くーダニ・ペドロサは2017年のプレシーズンテストを非常に良い形で終えた。31歳になるカタルニア出身の彼は冬期テストを表彰台に値する3番手で終えたのである。その上にいたのは素晴らしい走りを見せたマーヴェリック・ヴィニャーレスと常に安定した走りを見せるアンドレア・ドヴィツィオーゾだ。見出しを飾るのは他のライダーかもしれないが、最後に3番手の座を勝ち取ったのはダニなのである。

2017年はペドロサにとって12年目のMotoGPシーズンとなる。既にヴァレンティーノ・ロッシに次ぐベテランライダーになってしまった。この12年間、常にホンダワークスであるHRCに所属している。そしてそこまで長くトップチームで走っているにもかかわらず一度もタイトルを獲得していないことでライダーとしてのダニへの信頼は年々失われてきた。しかし2017年が彼のキャリアの新たな一歩となる予兆があるのだ。

我々がダニ・ペドロサが新たに契約したマネジメント会社であるアメリカ・ワッセルマンにインタビューを申し込む際にサーキット以外のリラックスできる場所でのインタビューを依頼した。サーキットにいるライダーは本人の考えとは関係なく「レースモード」に入ってしまうのだ。私たちはもっとプレッシャーのかからない雰囲気の仲で我々の直感、つまり「新型ペドロサ」が本当かどうか確かめたかったのだ。ダニが私たちの前に現れたとき、彼は心地よさそうにリラックスしていた。そして30分間にわたる会話はインタビューと言うよりおしゃべりという感じで進んでいったのだ。

ホンダ「ファミリー」の一人として長い間過ごしてきたペドロサは様々な状況をHRCのピット内で経験している。つまり2017年のエンジンがなかなか決まらないという今年の混乱もいつものことだということだし特に心配するほどのことではないのだ。あと2週間もしない内に開幕という今、すでにそれは問題ではないという…。

「今のところそれはOKですね。これから予想もしなかったことが起こらなければですけど。でもいずれにせよこれはホンダではよくあることで、耐久性や他のチームへの供給やそういういろんなことも考えなきゃならないですからね。変なことが起こらなければもうこれで決まりでしょう」。ダニはプレシーズンテストの序盤は上手くいかなかったと正直に語っているが、既に1月下旬辺りからホンダは確実に前に進めるようになってきたという。特に電子制御分野だ。「セパンからオーストラリア、そしてヘレスへとどんどん良くなってきてますね」

アグレッシブなエンジンかスムーズなエンジンか、ボトムエンドのパワーを犠牲にするのかトップエンドを犠牲にするのか…?ペドロサにどちらのタイプのエンジンが好きなのかたずねてみた。去年のある時期、彼はマルク・マルケスの希望を優先してホンダが選択したエンジンは自分なら選ばないと言っていたからだ。「いろんなのに乗ってるんです。例えば125ccはピーキーで、だからすごくアグレッシブで、でも同時にパワーは全然なかった。ある意味スムーズでスロットル全開でいけたんです。250ccも同じ感じで、でもトルクはありました。だから125より楽しかったし難しくもあった。それから(MotoGP)でV5に乗った。エンジンは静かなバイク(訳注:quieter bike と言ってるんですがV4のことでしょうか?)と同じ感じで、でも重くてコーナーでのコントロールが難しかった。それからスクリーマーに乗りましたね。全然気持ち良くなかった。たいてい僕はコースを走ることに集中できて安定して出せるマシンが好きなんです。セッティングも安定性重視で不安定なマシンにはしない。例えば僕らの最大のライバルのヤマハはずっとある意味僕らの「正反対」ですよね。そして僕らはいつでもライバルの弱みをつけるようにマシンを開発していくんです」

ペドロサは数週間前PecinoGPで書いたこと(訳注:おそらくこれ)についても同意してくれた。ホンダRCVが「マシンの挙動に合わせなければならないバイク」であるということだ。ライダーがマシンに合わせて動かなければならないということだ。先にペドロサが言及したヤマハはライダーがマシンをコントロールできるバイクだ。「直感的に反応しなきゃならないし、馬の背中でゆっくり考えてるみたいなわけにはいかないんですよ」とダニは言う。「例えばあるラップで完璧にコーナーをこなしても次のコーナーでは3回も動いて修正しないといけなかったりして、そういう何があるかわからない場所もある。そういうのはいいんです。例えば普段は挙動が穏やかなんだけどあるコーナーで一回挙動があるとしますよね。そうなったら普通は次のラップでも同じように乗ってれば同じことが起こると思うのが普通です。でもホンダはそうじゃないことがある。あるラップではOKでも次のラップではだめ。それでマシンの挙動に反応しなきゃならない」

テクニック重視の他のMotoGPライダーと同様にペドロサは神経質なフレームより安定感のあるフレームを好んでいる。「ある程度は挙動重視のマシンと安定性のあるマシンのどちらかに持っていくことはできるんです。リンクを変更したり、トレールを変更したり、あれやこれやいじるところはある」。ダニは加速に移ってから、そしてコーナー中盤の方がブレーキングより得意だとも告白している。そして同時に自分よりそれが得意なライダーもいることを認めてもいる。

革命的ライダーたち

10年以上MotoGPにいるペドロサは多くのライダーがやって来て、そして去って行くのを観ている。あらゆる時代のMotoGPマシンを経験しており、それぞれが異なるテクニックとライディングスタイルを要求していた。レース界というのは忘れっぽいところだ。しかしケイシー・ストーナーとマルク・マルケスと同じくらいダニも革命的なライダーだったのだ。トラクションを少しでも多く得るべくタイヤの接地面を大きくするためにコーナー出口に向けてマシンを立てるやり方は彼ならではのものだったのだ。これに関して彼はおもしろいことを言っている。「こういうのは世代が変わる度に多かれ少なかれ起こっていることなんです。ルーキーは優勝ライダーをずっと観察して、まずはそのライダーの真似をするんです。お手本にして…それで自分なりの方法をライディングやマシンコントロールに付け加えていくんです」彼はストーナーやマルケスを引き合いにしながらそう言った。

「誰かが自分はやってないことをやってるって気付いたら、自分を作りかえなきゃならないんです。ライバルが自分を上回ることをやってるんだから自分も新しいことに適応していかなきゃならない。でもこういう進化ってのはタイヤが変わったりしても起こるんです。それでライディングも変わるわけですからね。例えばミシュランからブリヂストンに代わって(原注:2009年のこと)コーナーでのバンク角がとんでもなく深くなったしブレーキングもかなり突っ込むようになったしコーナー進入がアグレッシブになったし、こういうこと全てがライディングスタイルの変化につながっているんです」

再びミシュランになったことでかつてのスタイルをリサイクルする必要があるようだ。「ライダーとしてはミシュランに戻ったせいでマシンを少し変更しなきゃならなかったですし、ライディングスタイルも変化させました。前と同じではないでしょうけどね。タイヤも進化したスピードやマシンからの要求に応えなきゃならないわけですから」

ホンダへの忠誠について

既にペドロサとホンダの蜜月がMotoGP時代の全てを通じて続いていることについては言及した。彼はホンダの125ccでGPデビューを飾りNSR250で2度のタイトルを獲得している。しかしペドロサがHRCのエンジニアが作ってくれたマシン以外に興味や好奇心を持たなかったはずはないのだ。

「もちろんこれだけ長いことライバルのことを見てきて、自分たちの弱みも見えていて、強みも見えていて、だからいつでもなんで自分はホンダにいるのかについては問い続けていますよ。いろんなバイクには乗ってますけど全部ホンダですからね。公道用のバイクもスクーターもホンダはホンダなんですよ。なんて言ったらいいのかわかんないですけど…。ホンダはいつでもちゃんと走るでしょ?ぱっと乗れるし乗りやすい。例えばドゥカティには乗ったことないですけど、乗ったことのあるライダーを見てるとホンダとは全然違うのは明らかですよね。直感的に乗れない感じだし、でもすごくいいところもある。あと、例えば友達とスーパーモタードのトレーニングに言って、僕はホンダに乗って友達がKTMに乗って、そういうときは他のバイクがどんな感じか気になりますよね」

白紙からやり直す年

今シーズン、ダニ・ペドロサは自分を取り巻く環境を大幅に変えている。彼は自分のレースアプローチ自体を思い切って刺激しようとしているようにも私には見えるのだ。マネジャーを替え、チーフメカを替え、メカニックも替え、アシスタントも替え、そしてセテ・ジベルノーをコースアドアイザーとして招いている。明らかにペドロサはこれまでやってきたこととは違うことをやろうとしているのだ。

「こうやっていろいろ変えた理由は…(続く)」
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続きは明日!

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MotoGPのアンチジャークはどのように機能しているのか

Mat Oxley氏による電子制御解説の最後となる5回目はアンチジャークと呼ばれるシステム。スロットル開閉時のショックを軽減するやつですね。ジャーク(jerk)ってのは、ぐいっと押すとか、ぴくってなる感じです。Motor Sport Magazineより。
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MotoGPのライダー支援システムの謎に迫るシリーズの最終回

はい、もう馬鹿にしたように笑うのはやめよう。神経質なプリマドンナであるMotoGPのトップライダーのためにマシンを作り上げなければならなくていらいらしているエンジニアたちを助けるために作られたこのコンピュータプログラムは確かに賢くはない。しかし統一ソフトウェアの降臨以来、実はその重要性はますます高まっているのだ。

アンチジャークはライダーが閉じたスロットルをコーナー途中で開けていく際に支援を行うシステムである。コーナー進入ではスロットルは全閉となる。そしてその時が来たらライダーはそっとスロットルを開け始める。この時バックトルクを発生していたエンジンは進行方向のトルクに移行する。ここでトランスミッションに負荷がかかりエンジン内にジャーク(突発的力)が発生するのである。この瞬間のリーンアングルは非常に深く、発生するトルクは大きい、つまり悲惨な結果が起こり得るということである。オーバーランすることになるか、自分ではどうにもできないスライドに陥ってしまうかだ。

アンチジャークは数ミリ秒の間、最大100%のトルクを削減することでこうした問題を回避するものだ。

このグラフはあるライダー(マニエッティ・マレリが秘密としているため名前は不明)がヘレスの8コーナー(130km/hで回る左コーナーでかの有名なスタジアムセクションに入っていくところ)を駆け抜ける様子である。

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いつもの通りこのデータ分析グラフではちょっと見にはわかりにくいくねった線は無視して数字と解説に集中してほしい。

(1)白い線はスロットル開度。オレンジの点線は開度ゼロ

このライダーは垂直から60°ほどのフルバンクからスロットルを開け始める最初の段階に入ろうとしている。


(2)白い線は回転数。緑の線はリアホイールで測定した速度

回転数とリアホイールで測定した速度が急激に上がっている。300回転/6km/h程度だ。エンジンがスロットルオフからスロットルオンに移行するのに合わせてトランスミッションが前に向かって駆動をかけ始める瞬間だ。これがジャークである。そしてアンチジャークはこの部分にさようするのだ。とは言えこのケースではシステムのセッティング変更が必要なようだ。ここまでショックが大きいとライダーはスロットルを開けられなくなるのだ(上記(1)参照)。


(3)白い線はライダーが要求するトルク。緑の線はアンチジャークが要求するトルク削減量。赤い線はリアホイールに伝わるエンジントルク

赤い線と白い線は10〜30ミリ秒ほどを除いては一致している。これはアンチジャークがジャークを感知してトルクを削減している部分だ。ここでは瞬間的に大きなトルク削減が必要となるので点火を遅らせるか点火をカットするかで対応している。通常のトラクションコントロールのようにスロットルバタフライを閉じるのではない。こうした状況ではアンチジャークはトルクをほぼ100%カットすることもある。


(3)ブラッドリー・スミスがアンチジャークについて語る

以前よりアンチジャークには頼るようになってますね。昔はトラクションコントロールがやってくれてたんです。スロットルの開け始めのところでパワーをスムーズにして使い易くするためにアンチジャークがあるんです。もし最初の開け始めのところでタイヤがスピンし始めたらどうにもできないですからね。タイヤのスピンはフルバンクからずっと続くんでトラクションを掛けている間ずっと妥協し続けることになるんですよ。もし最初の開け始めでグリップを保つことができればトラクションを掛け続けられるんです。どのコーナーでもバイク半分くらい頭に出られますね。スムーズであればあるほどうまくできるんです。でも同時にちょっとだけショックも必要なんですよ。ここでマシンの向きを変えるためにね。

グラフ作成:ダン・ヒリャール
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コーナーでスロットル全閉から加速に移行するのは普通のバイクでも気を遣いますよね。私はそこを気持ち良くしたくてスロットルの遊びをチマチマと調整したりしてましたが、おそらくそんな感じで電制のセッティングをしてるのかしらん。

さて、いよいよ今週末は開幕戦ですよ!!

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MotoGPのローンチコントロールはどのように機能しているのか

Mat Oxley氏による電子制御解説の4回目はローンチコントロールと呼ばれるスタート時の制御です。Motor Sport Magazineより。
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ローンチコントロールはレースのスタート時にグリッドからロケットのようにスタートするためのライダー支援システムである。今日はこれについて解説しよう。

MotoGPにおいてレース中に相手を抜くのはますます難しくなっているが、これには多くの理由がある。カーボンブレーキのおかげでブレーキング区間が短くなったという細かい話からマシンそのもののパフォーマンスが似通ってきたという大きな話まで実に様々だ。

そのせいでスタートの重要性はかつてないほど高まってきた。これがローンチコントロールが開発された理由である。ローンチコントロールのプログラムの目的はライダーがクラッチを260馬力に繋いだときに最大加速を得られるようにすることである。しかしMotoGPの他のライダー支援システムと同様、先にドルナが導入した統一ソフトウェアはMotoGPが始まって10年以上使われてきたメーカー製ソフトウェアと比較すると賢さにおいて遥かに劣るのである。

ドルナの考えはこうしたライダー支援技術をその原点に戻すことである。パフォーマンスを伸ばすことではなく安全性を改善することだ。マニエッティ・マレリは他の4つのライダー支援、トラクションコントロールウィリー制御エンジンブレーキ制御、アンチ・ジャークと同様にローンチコントロールにもドルナの考えを反映させている。

ワークス製電子制御時代のローンチコントロールは非常に効果的で、赤いスタートシグナルが消えると同時にライダーはスロットルを全開にし、クラッチもいきなり繋ぐことができた。ライダー支援システムがなければこうした動作は瞬時に最悪の事態を招くはずだ。確実に宙返りすることになる。しかしワークス製ソフトウェアは非常に賢く、常に状況を支配下に置くことができた。そしてリアタイヤに最適な大きさのパワーを供給する。おかげでライダーはフロントホイールを5cmも浮かすことなく最初のコーナーに向けて突撃していけたのだ。

最終的にほとんどのメーカーのローンチコントロールの効果に差がなくなってしまい、ローンチコントロールが安全性に寄与しているかどうかについても議論されるようになった。全てのライダーが同じタイミングで1コーナーに入っていくことになったからだ。

今はライダーは自分でほとんどのことをこなさなければならない。つまり誰もが考えるあるべき姿が到来したということだ。技量のあるライダーが報われるのである。

レースのスタートでは多くのライダーがリアを滑らせるのに気付いているだろう。ローンチコントロールがあるにもかかわらずだ。実はローンチコントロールはトラクションコントロールシステムを起動させないのだ。単にウィリー制御を行っているだけなのである。
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これまでと同様、データ分析グラフを見るときにはのたくる線の洪水に惑わされてはいけない。番号とこれに対応する解説をお読みいただきたい。

(1)白い四角形はローンチコントロールの発動

これはライダーが左のハンドルバーにあるボタンを押してローンチコントロールモードを発動させたことを示している。ライダーが1コーナーに向けて減速を始めるとシステムはローンチコントロールモードを解除する。またローンチコントロールはライダーがオーバーレブを心配することなくスロットルを全開にできるようレブリミッターも調整している。このおかげでライダーはスロットルとクラッチのバランスだけに集中できることになる。


(2)赤い線はスロットル開度

多くのライダーがレーススタートを告げる赤ライト消灯の前にブリッピングをするが、これには特に意味はない。神経質なライダーほどガス遊びをしたくなるようだ。


(3)白い線はマシンの速度。赤い線はリアホイールの回転から測定した速度。緑の線はフロントホイールで測定した速度

このライダーは上手くスタートしている。フロントホイールがすぐに浮くことはなく、ホイールスピンも最小に抑えている。しかしそれも長くは続かなかった。フロントホイールがわずかに浮いたためにフロントで測定している速度はすぐに落ちている。これに合わせてライダーはスロットルをわずかに戻す(最上段を参照)。ホイールは一瞬接地するがライダーが2速に入れると今度はさらにおおきくフロントが浮いている。一方赤い線は常に白い線の上方で推移している。ホイールスピンのためだ。シフトアップに応じて一瞬だけ尖った線が表れ、1コーナーに向けて減速を始めるまでスピンは継続している。ローンチコントロールにはトラクションコントロール機能はない。どんな場面でも選択できるシステム設定は少ない方が良いという考えに基づくものである。加えてストレートでのホイールスピンはそれほどMotoGPライダーを危険にさらさないということもある。自分の右手で調整すれば済むのである。


(4)白い線はライダーが要求するトルク。緑の線はエンジンが供給するトルク。赤い線は計算上のウィリーの限界

緑の線が下向きに突出しているところはウィリー制御システムが極端にエンジントルクを絞ってウィリーを減らしているところだ。ここはライダーが2速、3速、4速とシフトアップしている瞬間だ。


ブラッドリー・スミスがローンチコントロールについて語る

去年はうまくスタートするってのがいちばん難しかったですね。統一ソフトウェアが入る前の2015年は前回にしてクラッチをがつんと繋いでマシンが発進できた。ローンチコントロールが何もかも上手くまとめてくれてたんです。今はフルパワーを使えない。だから、そうですね、スタートでは75%くらいで、だからクラッチを繋いだ瞬間のトルクは少なくなってます。そのあとフルスロットルまでもってくときもクラッチを使うんです。でないとウィリー制御が入っちゃってスロットルバタフライがいきなり開いたり閉じたりするんで揺り木馬に乗ってるみたいな感じになるんです。もし誰かがパワーリフトをやってるとしてもそれは自分でコントロールしてるんであって電子制御がやってるんじゃないんです。たいへんですよ。去年の最初の2レースはスタートで完全に横を向いちゃって、だから一から慣れていかなきゃならなかったんです。

グラフ作成:ダン・ヒリャール
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ライダーの技量が出るのはとてもいいことだし、スタートも見応えがあるし、そんなんでもロン・ハスラムなら速かったんでしょうか。

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MotoGPのエンジンブレーキ制御はどのように機能しているのか

Mat Oxley氏による電子制御解説の3回目はエンブレ制御です。Motor Sport Magazineより。
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ハイパフォーマンスなMotoGPエンジンは過剰なバックトルクも生み出している。これを調整するのがエンジンブレーキ制御の役割だ。このシステムはバックトルクをどの程度リアホイールに伝えるかを決めているのだ。

もし990cc時代の初頭からMotoGPを観ているのならライダーがハードブレーキングでリアホイールを左右にうねらせながらコーナーに飛び込んでいくのを楽しく眺めたことを覚えているだろう。

エンブレ制御システムの黎明期の話だ。ハードウェアもソフトウェアも未熟で過剰なバックトルクをうまく削ることができなかった。その結果エンジンがリアホイールをロックさせたのだ。ライダーはそれに対応するために全力を尽くしていた。

その後数年でエンブレ制御ソフトが劇的に進化している。そもそもリアを左右にホッピングさせながら横向きでコーナーに入っていくのは最速のやり方ではないからだ。見応えがあったのは確かだが。どんなライダーでもコーナーに向けて減速するために多少のエンブレを必要としている。しかしどれくらいエンブレに依存しているかは完全に個人のライディングスタイルの差によって異なっている。ホルヘ・ロレンソは前後のホイールが完全にライン上にあるのが好みだが、一方でマルク・マルケスのようにリアホイールが1インチくらいラインの外側にある方が曲がりやすいというライダーもいる。しかし過剰なエンブレを要求するようなライディングスタイルのライダーなどいないのである。

エンブレ制御はシリンダー内の燃料をカットすると共にスロットルバタフライを動かしてライダーが要求する丁度良いバックトルクを生み出している。メーカー独自ソフトウェアの時代にはソフトウェアは実に精緻でひとつひとつのスロットルバタフライをコントロールしていた。しかしドルナ供給のマニエッティ・マレリ製統一ソフトウェアは基本的なことしかできないようになっている。

エンブレ制御にとって最も厳しかったのは2年ほど前だ。MotoGPのレギュレーションで使用できるガソリンの量が馬鹿馬鹿しいほど少ない20Lに制限されていた時代のことである。マシンをゴールさせるためにエンジニアはあらゆる場面で燃料を節約しなければならなかった。馬力を削るわけにはいかない。となればコーナー進入時に燃料を節約することになるのは必然だった。

最後の一滴までも節約しようという涙ぐましい努力の結果、ほとんどのシリンダーに対してガソリン供給がカットされ、その結果リアホイールは突然ロックしライダーを地面に叩きつけることになった。多くのマシンがスクラップと化し、折れた骨も数知れない。それもこれも燃料を数cc節約するためだった。去年のMotoGPの燃料制限は24Lまで緩和された。その結果エンジニアはこれまでほど燃費を気にする必要がなくなっている。

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上図は例によってMotoGPマシンのライダー支援システムの気狂いじみた七色の線である。これが示しているのは(誰だかはわからないが)ライダーがヘレスの5コーナー(シト・ポンスコーナー)に進入している様子だ。ラップ開始後30秒のところに引かれた縦の点線はライダーがブレーキをかけ始める瞬間で同時に3速にシフトダウンしている。ここで電子制御ユニットはエンブレモードに入り、マシンの減速にもエンジンを役立てている。

これまでと同様、このカラフルでのたくった線に惑わされないようにしよう。図中に記載した数字に合わせて下の解説をお読みいただけば理解していただけるだろう。

(1)最上段:赤い線はスロットル開度。青い線はギアポジション

ライダーはスロットルを閉じシフトダウンしているのを感知してシステムがエンブレモードに入る。


(2)2段目:白い線は回転数。緑の線はマシンのリーンアングル

ライダーが4速から3速にシフトダウンすると回転数が上がり、一方で左の4コーナーから立ち上がり5コーナーに向けてのブレーキングに向けてマシンは起きていく。


(3)3段目:赤と青の線はリアの荷重。赤い点線は荷重ゼロ

ライダーがフロントブレーキに10kg重/平方センチ(1,000kPa)の圧力をかけマシンはフロントタイヤ方面に傾き、リアタイヤの荷重が劇的に減少する。リアタイヤにかかる荷重は使えるグリップの多い差を意味しており、これに合わせてエンブレ制御システムがマシン減速のためにどこまでエンブレをかけるのかを決める。

リア荷重の線が2種類あるのはそれぞれ異なる方法で測定されているからだ。ほとんどのエンジニアは大きい方を採用している。この場合は最小で30kg程度だ。他の全てのことと同様にどこまでリアに荷重を掛けたいかはライダーによって異なっている。例えばマルケスのようにホイールが浮くようなブレーキングテクニックであれば荷重はブレーキング中のある時点でゼロまで減少する。


(4)3段目:黄色い線はフロントブレーキにかかる圧力。緑の線はリアブレーキにかかる圧力

こbのライダーはかなり強くフロントブレーキをかけている一方リアブレーキは徐々に強くしている。線が細かく震えているのは振動のせいだ。このため電子制御エンジニアはそれぞれの線について平均をとったよりスムーズな曲線を使用することになる。このライダーはマシンがフルバンクに達してもフロントブレーキを使っているのが興味深い。


(5)最下段:白い線はエンブレモード

白い線は、システムがエンブレ制御モードに入った後にライダーがスロットルを開け始めるとモードが終了していることを表示している。


(6)最下段:赤い線と緑の線はそれぞれのスロットルボディのバタフライ開度

ライダーが完全にスロットルを閉じるとどちらのスロットルボディもバタフライが閉じてリアホイールへの荷重を初めとする数値から導き出されたバックトルクを生み出す。ライダーはスロットルを完全に閉じてはいるがどちらのスロットルボディのバタフライも完全には閉じていない。こうやってリアホイールを回し続けることで完全にロックするのを防いでいるのだ。ブレーキングが緩くなってリアホイールにかかる荷重が増えればさらにバタフライは閉じていき、エンブレモードの最終段階ではほぼ完全に閉じられることになる。こうした制御はすべてライダーの好みに応じてセッティングを施される。マルケスのホンダのスロットルボディはおそらくロレンソのヤマハより閉じているだろう。マルケスがバックトルクを積極的に使うためであるが、これはMoto2(エンブレ制御がない)で学んだことだろう。一方ロレンソはホイールが抵抗なく回るのが好みなのだが、これは彼が2スト250に乗っていたときのやり方である。


(7)最下段:赤いセント緑の線はスロットルボディ開度。黄色、青、オレンジ、紫は各シリンダーの燃焼効率

エンブレモードの間、4本の線の内3本はフルバンクに達するまで同じ波形である(各シリンダーの空燃比から計算した燃焼効率)。別の言い方をするならこの3つのシリンダーには燃料が供給されておらず燃焼していないということである。つまりエンジンはほぼ停止してバックトルクを生み出しているということだ。一つのシリンダーは燃焼を続けリアホイールがロックするのを防いでいる。しかしこのシリンダーの燃焼はリアホイールの加重が増えるにつれてさらなるエンブレを生み出すため薄く(弱く)なっていく。ライダーがスロットルをひねり始めると「死んでいた」3本のシリンダーは順番に目を醒ましていく。3本同時に目を醒ますとリアタイヤへのトルクが一気に増えすぎるためである。


ブラッドリー・スミスがエンブレ制御について語る

統一ソフトウェア導入前はあらゆる変数をいじれたんです。4つのバタフライを別々にセッティングできたんで、6速から2速までそれぞれのシフトダウンについて個々のバタフライをひとついひとつどう閉じるか設定できたんです。統一ソフトウェアだと2個1セットでバタフライを動かさなきゃならない。それにいじれる数字もかなり簡略になっている。だからマシンのエンブレ制御は前ほど精密ではなくなってます。まあ他のすべてと同じ感じですね。前よりライダーがマシンをコントロールしなきゃならないんです。

グラフ作成:ダン・ヒリャール
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私は割とエンブレに頼る派でしたね。コーナー進入で駆動が切れるのって怖かったので…。

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MotoGPのウィリー制御はどのように機能しているのか

前回に引き続きMat Oxley氏による電子制御解説。今回はウィリー制御です。Motor Sport Magazineより。
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MotoGPにおけるライダー支援システム解説の2回目はウィリー制御についてだ。260馬力を股の下で扱うには必須のアイテムである。

2016年シーズン、MotoGPでこれほどまでにウイングが重要になったのかその理由をご存じだろうか?ドルナが供給する統一ソフトウェアにおいてはウィリー制御プログラムが最も弱い部分だったからだ。それでウイングでダウンフォースを稼いで加速中にフロントホイールが浮かないようにしたのである。

MotoGPマシンのトルクはとんでもないレベルで(エンジニアはいつもトルクの話ばかりで馬力の話はほとんどしない)、何速だろうがフロントホイールが持ち上がるほどだ。そしてホイールが上がりすぎればライダーはスロットルを戻すはめになる。つまり加速が鈍るということだ。2016年になるまではワークスが自分たちのために電子制御によるウィリー制御を作っていたが、これは最先端をいっていたものだ。このプログラムはフロントホイールが浮く前にウィリー制御を発動させるのである。フロントサスのストロークの加速度を検知するセンサーに基づきからウィリーを予測するようなものだったのだ。電子制御ユニットにスロットルボディを1つか2つ閉じるように命令するのだ。ウィリー制御がうまくセッティングれきれば、激しいウィリーを防止するぎりぎりのところでトルクを削ることができ、加速をそれほど犠牲にしないのである。

ドルナはこうした状況を変えたかったのだ。ドルナの統一ソフトウェアの根本にあるのは安全性である。パフォーマンスの向上ではない。トラクションコントロールは安全性に大いに寄与するがウィリー制御についてはそれほどではない。だからこそドルナはウィリー制御を基本的なものに留めているのだ。今やライダーはウィリーとをし過ぎないよう、しかも加速を殺しすぎないようにするために自らのスロットルコントロールに頼らなければならなくなっているというわけだ。

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上図はあるMotoGPライダー(名前はトップシークレットということで我々にはわかない)がヘレスの5コーナー(シト・ポンスコーナー)から立ち上がっていくときのものだ。このコーナーは3速の右コーナーで麦ストレートにつながっている。ここでコースが急激に下っていくためウィリーが大きな問題となる場所でもある。

41秒の所に入っている縦の点線がコーナー出口であり、この時点でライダーはスロットルを全開にし、フロントホイールが浮き始めている。ウィリー制御システムが機能し始める直前である。

のたくった7色の線を理解するために、まずは1~5までふってある数字に注目してほしい。それぞれについて以下に解説しよう。

(1)上から2段目:赤い線はマシンの速度。白い線がフロントホイールで計測した速度。黄色い線がフロントサスの縮み量

マシンは強烈に加速しリアに加重が掛かると共にフロントホイールが浮き始めている。ホイールがアスファルトから離れると回転が減っていくためホイール回転数から計測した速度を表す白い線が実際のマシンの速度である赤い線を下回るようになる。同時にフロントフォークは伸びきって黄色い線は0を表示している。こうした情報が入るとウィリー制御システムはマシンがウィリーに入ったと判断する。この時点でマシンの実際の速度とフロントホイールで計測した速度は30km/h程度になっている。ウィリーが長く続く場合は速度差は100km/h近くまで達することもある。


(2)上から3段目:緑の線はマシンの前後のピッチング量。赤い線は前後のピッチング速度。点線はピッチング速度0の状態、つまりマシンが前後にバランスしている状態

マシンがウィリーを始めると後ろ側に傾いていくことになる。ピッチング量とピッチング速度によりウィリー制御システムはウィリーの大きさを把握する。3°程度の傾きであれば通常は問題はないが、急激に3°まで上がるとシステムはウィリーが許容範囲を超えており何らかの介入が必要だと判断する。


(3)最下段:白い線はライダーがスロットル開度に合わせて要求しているトルク。赤い線はウィリー制御システムがウィリー量に合わせて要求しているトルク。緑の線はシステムが削ったトルク

ウィリー制御システムは基本的にトラクションコントロールシステムと同様、リアホイールに伝わるトルクを減らすものである。白い線からはライダーがフロントホイールを浮かしながらも大きくスロットルを開けていることが見て取れる。赤い線は白い線より僅かに下をいっている。これはホイールの速度とフォークの縮み量と前後のピッチング速度のそれぞれのセンサーがウィリー制御システムに対してライダーが要求するよりもトルクを減らすよう要求しているからだ。緑の線がその結果として削られたトルクの量である。

42秒から43秒にかけての3つの山で表示されるトルクの減少は再びフロントホイールが浮いたためである。2段目に表示されるフロントホイールの速度の減少と3段目で表示されるピッチの増加でもそれは明らかだ。

ウィリー制御システムはトラクションコントロールシステムと比べものにならないほどトルクを削るようにできている。これはマシンがそれほど危険な状態ではないからだ。5コーナー立ち上がりではエンジンが200馬力を出しているときにウィリー制御システムが200馬力まるごと削ってしまう場合もあり得るのだ。


(4)上から3段目:赤い線は前後のピッチング速度。点線はピッチング速度0の状態

ピッチング速度がゼロになることは決してないことにも注目したい。これはコース上のマシンは常に細かく前後にピッチングを繰り返しているからだ。


(5)最上段:白い線はマシンのスピード。緑の線はスロットル開度。赤い点線はスロットル開度100%

ライダーはホイールスピンを感じてもウィリーを感じてもスロットルを緩めることになる。つまりタイムをロスするということだ。これは電子制御担当エンジニアがシステムをうまくセッティングできなかったということでもある。そうなると次にライダーがピットに帰ってきたらチームがシステムの制御マップに新しい数字を打ち込みその辺りでのトルクを減らすようにする。そうすればライダーはスロットルを戻さなくて済むのである。


ブラッドリー・スミスがウィリー制御について語る

2015年と比較して一番性能が落ちたのがウィリー制御システムでしょうね。今ではフォークが伸びきったときしか介入しないんです。去年まではウィリー制御のタイミングを前倒しにできたんでフォークが伸びきる前に介入させられたんです。ウィリーになることを予測してくれた。そういう意味では凄く進化したシステムでしたし、おかげでいい感じでフロントを浮かすことができた。今はフォークが伸びきるまで介入しないし、介入するとバタフライを閉じて完全にパワーを切りにかかるんです。そうなると自分でスロットルを戻すことになる。でないとパワーが減り過ぎちゃうんです。で、スロットルを戻すとバタフライが開いてフロントが設置して、ってのの繰り返しですね。だから自分でスロットルをコントロールした方がいいんですよ。

ウィリー制御システムを使いこなすには自分でパワーを制限することですね。例えば3速で60%のトルクくらいから初めて4足入れて75%のトルクを出してって具合にね。そうやってフルパワーの回転数にもっていくんです。

グラフ作成:ダン・ヒリャール
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へー、ウィリー制御はほぼ1-0で動いてるんですね。まあ細かくコントロールしなくても危険はないということなんでしょう。そりゃスタートたいへんだわ。ってドゥカティみたいにパワフルなマシンはどうやってるんでしょうねえ。

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